JP3813578B2

JP3813578B2 - Vehicle coating agent

Info

Publication number: JP3813578B2
Application number: JP2002378173A
Authority: JP
Inventors: 清松村; 道伸内田; 日出高後藤
Original assignee: Parker Corp
Current assignee: Parker Corp
Priority date: 2002-12-26
Filing date: 2002-12-26
Publication date: 2006-08-23
Anticipated expiration: 2022-12-26
Also published as: JP2004204192A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の表面、特に自動車の塗装面に撥水性を付与するための新規なコーティング剤、特に門型洗車機、スプレー洗車機等の自動式洗車機において使用するのに好適な、車両のコーティング剤に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、自動車等の塗装面に対して自動式洗車機で噴霧又は塗付工程のみで撥水性を付与するコーティング剤として、アミノ変性シリコーンオイルを乳化又はマイクロエマルション化した液剤を使用することは公知である。例えば、アミノ変性シリコーンオイルを非イオン性界面活性剤で乳化し、更に４級アンモニウム塩の陽イオン性界面活性剤を配合した自動塗布方法によるコーティング剤（特許文献１参照）、陽イオン性界面活性剤及び／又は非イオン性界面活性剤によるアミノ変性シリコーンオイルの乳化物の水性コーティング剤及びそれを用いた車両コーティング方法（特許文献２参照）、アミノ変性シリコーンオイルと非イオン性界面活性剤を含むことを特徴とする車両の艶出し方法及び艶出し装置（特許文献３参照）、アミノ変性シリコーンオイルの非イオン性界面活性剤による乳化物を特徴とする自動車表面処理用の洗浄剤及びコーティング剤（特許文献４参照）等がある。これらのコーティング剤は、撥水性付与においては満足されうるが、安定性、特に水で希釈して使用される際の希釈安定性に問題があり、実用面においては必ずしも満足されていない。
【０００３】
また、この希釈安定性の問題を解決する手段として、アミノ変性シリコーンオイルのアミノ基の一部をアミド化したコーティング剤が提案されている（特許文献５参照）。しかしながら、塗装面に対して吸着性を持つアミノ基を一部アミド化することにより、アミノ変性シリコーンオイルの本来の吸着性が弱まること、またアミド化率を下げて吸着性を改善すると、希釈安定性を十分には満たせない等の問題がある。
【０００４】
【特許文献１】
特開平８−１８８７４５号公報
【特許文献２】
特開２００１−４９１８９公報
【特許文献３】
特開２００１−２９４１３３公報
【特許文献４】
特開２００１−２９４８９２公報
【特許文献５】
特開２００２−２９４１５８公報
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
従来、車両等のコーティング剤に使用されているアミノ変性シリコーンオイルは、塗装面に対する吸着性から必須成分となっているが、水で希釈された際の希釈安定性が悪いという本質的な問題がある。自動式洗車機においては、通常、コーティング剤は適当な濃度に自動的に水で希釈して、その希釈液を車体塗装面に噴霧、又は塗布している。この希釈に使用される水道水又は地下水中に含まれる陰イオン物質、特に硫酸イオン、炭酸イオン、珪酸イオン、燐酸イオン等は、アミノ変性シリコーンオイルのアミノ基と反応し、安定な乳化状態を破壊し、アミノ変性シリコーンオイルの析出、ゲル化、膜状化を起こし、これらが自動式洗車機の配管、電磁弁等に詰まりを起こし問題となっている。
【０００６】
アミノ変性シリコーンオイルのアミノ当量を上げること（即ちアミノ基含有量を少なくする）、またアミノ基の一部をアミド化すること、或いは乳化剤を大量に配合する手段等は、希釈時の陰イオンとの反応性を弱め希釈安定性を改善することにはなるが、反面、アミノ基の塗装に対する吸着性を弱めるため、コーティング剤としての性能を十分に発揮することが難しい。
【０００７】
従って本発明は、アミノ変性シリコーンオイルの吸着性を阻害することなく、その結果良好な吸着性、撥水性を満たし、且つ希釈安定性を高め、自動式洗車機等の配管等を詰まらせることのない車両のコーティング剤を提供するものである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記した課題を解決するために種々の検討、実験を重ねた結果、エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを配合することにより、アミノ変性シリコーンオイルの吸着性を阻害することなく希釈安定性を高め、上記の課題を解決することができることを見出した。また、エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルとアミノ変性シリコーンオイルの乳化物に、更にＨＬＢ１４〜２０の非イオン性界面活性剤及び／又はアミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを添加することにより、より上記課題を解決しうることを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【０００９】
即ち、本発明は、第一にアミノ変性シリコーンオイル及びエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを非イオン性界面活性剤で水中に乳化してなることを特徴とする自動式洗車機において使用する車両のコーティング剤（但し乳化時に水溶性溶剤が存在する場合を除く）を提供する。
【００１０】
第二に、本発明は、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの配合比（質量比）が、９５／５〜５５／４５である前記の車両のコーティング剤を提供する。
【００１１】
第三に、本発明は、更に、乳化後にＨＬＢ１４〜２０の非イオン性界面活性剤及び／又はアミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを添加してなる前記の車両のコーティング剤、および乳化時にアミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを添加してなる前記の車両のコーティング剤を提供する。
【００１２】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について実施の形態を説明する。
本発明のコーティング剤は、エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを必須成分とし、通常は更にアミノ変性シリコーンオイルを含有し、これを非イオン性界面活性剤で乳化したもの、また更に、この乳化物に高ＨＬＢの非イオン性界面活性剤又はアミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルのどちらか一方又は両方を添加することにより得られる。
【００１３】
エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルは、市販されているものを一種又は二種以上使用することができるが、動粘度が１５０〜８００ｍｍ²／ｓ、エポキシ当量が１，０００〜４，０００ｇ／ｍｏｌであることが好ましく、更に、動粘度が２５０〜６００ｍｍ²／ｓ、エポキシ当量が２，０００〜３，５００ｇ／ｍｏｌであることがより好ましい。動粘度、及びエポキシ当量がこれらの範囲から外れると、乳化状態、希釈安定性、コーティング性能において好ましい結果が得られない場合がある。
【００１４】
また、アミノ変性シリコーンオイルは、市販されているものを一種又は二種以上使用することができる。好ましい動粘度の範囲は、２００〜３，０００ｍｍ²／ｓである。動粘度の低いものと高いものをブレンドし、その動粘度の組成平均値が、４００〜１，５００ｍｍ²／ｓの範囲となるようにすると、自動式洗車機においては、染みやムラになりにくくより好ましい。アミノ当量としては、好ましくは、１，０００〜３，０００ｇ／ｍｏｌ程度のものが良い。アミノ当量が低すぎると、希釈安定性や黄変等の問題があり、高すぎると好ましい吸着性と乳化状態が得られない場合がある。
【００１５】
上記アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの配合比（質量比）は、９５／５〜５５／４５の範囲であることが、塗装面に対する吸着性、撥水性、希釈安定性等の総合的なコーティング剤の性能を満足させる上で好ましい。エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの配合比が９５／５より大きいと（即ちエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルが少ないと）、希釈安定性が不十分になる場合があり、５５／４５より小さいと（即ちエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルが多いと）、撥水性能に影響を与える場合がある。
【００１６】
エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルとアミノ変性シリコーンオイルの乳化に用いる乳化剤としては、界面活性剤を使用することができる。特に限定はされないが、非イオン性界面活性剤を使用することが好ましい。また、非イオン性界面活性剤の種類としても特に制限はされないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが最も好ましい。これらの界面活性剤は一種又は二種以上組み合わせて用いてよいが、二種以上用いることがより望ましい。コーティング剤の製品曇点は、非イオン性界面活性剤の種類にも影響されるが、製品の安定性から好ましくは５０℃以上、より好ましくは６０℃以上とするのが良い。
【００１７】
本発明では、エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを必須成分とすることにより、希釈安定性を大幅に改善することができるが、更に向上させる目的で、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの乳化物に、ＨＬＢ１４〜２０の非イオン性界面活性剤及び／又はアミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを添加することができる。エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを含まないアミノ変性シリコーンオイル単独の乳化物に、高ＨＬＢの界面活性剤やアミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを添加すると、希釈安定性は改善することができるが、エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを配合している組成に比べ、より多くを配合しなければ十分な希釈安定性は得られない。これらのものは配合量が多くなると、アミノ変性シリコーンオイルの吸着性を阻害し、あるいはすすぎ不良となり望ましい撥水性が得られない。
【００１８】
ＨＬＢ１４〜２０の非イオン性界面活性剤又はアミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルは、エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルとアミノ変性シリコーンオイルの合計配合量に対して、単独又は両者の合計添加量が５〜１００％の範囲が好ましい。添加量が５％未満では効果が低い場合があり、１００％を超えると撥水性が低下する場合がある。また、非イオン性界面活性剤のＨＬＢが１４以下では、添加効果が低い場合がある。非イオン性界面活性剤の種類は特に限定されないが、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。アミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルは、市販されているものを使用することができ、特に限定はされないが、動粘度３００〜１，０００ｍｍ²／ｓ、アミノ当量が１，０００〜２，０００ｇ／ｍｏｌの範囲のものが好ましい。
【００１９】
ＨＬＢ１４〜２０の非イオン性界面活性剤を添加する場合は、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの乳化後に添加したほうが好ましい。またアミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを添加する場合は、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを乳化する時点で添加したほうがより効果が発揮される。
【００２０】
本発明のコーティング剤の調製に特に困難はなく、次のようにして調製することができる。まず、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルと乳化剤の非イオン性界面活性剤をよく攪拌混合し、次にイオン交換水を少量ずつ段階的に添加し乳化させる。この時のアミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの配合量は、特に限定はされないが、コーティング剤全量に対して、通常１〜２０質量％の範囲であり、乳化剤の非イオン性界面活性剤の量は、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの合計量に対して１０〜５０質量％程度となるように調整すると良い。尚、ここで乳化剤として非イオン性界面活性剤を用いる場合、ＨＬＢは概ね９〜１３．５程度であり、これは前記した高ＨＬＢの非イオン性界面活性剤とは異なるものである。
【００２１】
本発明のコーティング剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じ、希釈溶剤、安定化剤、凍結防止剤、防錆剤、防腐剤、紫外線吸収剤、研磨剤、色素等を配合することができる。
【００２２】
本発明のコーティング剤は、自動式洗車機、例えば、門型洗車機、連続式門型洗車機、スプレー式洗車機等を用いて、容易に車両表面のコーティング処理をすることができる。車両表面に噴霧、又は塗布する時のコーティング剤の濃度は特に制限はされないが、通常、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの合計の濃度が０．０２〜０．２％程度になるように、本発明のコーティング剤の濃度と自動洗車機の自動希釈倍率を設定すると良い。本発明のコーティング剤により処理された車両の塗装面、ガラス面等は、撥水性、光沢性、すべり等において長期にわたり持続性のあるコーティング皮膜を形成することができる。
【００２３】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。但し、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。尚、％値は質量％を表す。
【００２４】
［実施例１］
動粘度４００ｍｍ²／ｓ、エポキシ当量２，５００ｇ／ｍｏｌのエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイル０．５％、動粘度１，０００ｍｍ²／ｓ、アミノ当量１，８００ｇ／ｍｏｌのアミノ変性シリコーンオイル６％、動粘度２５０ｍｍ²／ｓ、アミノ当量１，８００ｇ／ｍｏｌのアミノ変性シリコーンオイル３．５％、ポリオキシエチレンアルキルエーテル３％にイオン交換水８７％を加え攪拌乳化し、９０％酢酸にてｐＨを５〜７に調整し、コーティング剤試料とした。
【００２５】
以下、実施例１と同様に、表１の組成に従って実施例２〜８、及び比較例１〜３のコーティング剤試料を作製した。尚、使用した各成分の物性その他は表２にまとめた。
【００２６】
［試験方法１（撥水性）］
自動車の塗装面をワックス除去剤で洗浄し、完全に水濡れする状態にした。門型洗車機にコーティング剤試料をセットし、ノズル先から水道水で１５０〜２００倍に自動希釈された液８Ｌを車体に噴霧し、１０Ｌの水で水洗後、洗車機の乾燥送風機を止めて、塗装面の撥水状態を目視観察により比較評価した。
【００２７】
［試験方法２（接触角）］
コーティング剤試料を水道水で２００倍に希釈した液２Ｌを、ステンレス製角型バットに入れた。ワックス除去剤で洗浄し、完全に水濡れする状態の試験塗装板（ＪＩＳＫ２３９６８．２．３に準ずる）をこの希釈液に５秒間浸漬後、直ちに取り出して２００ｍｌの水道水で水洗した。ドライヤーの送風で乾燥後、室温にて３０分間放置後、水の接触角を測定した。尚、コーティング剤の希釈液、水洗水、塗装板の温度は２５℃、４℃にそれぞれ保ち、各々について測定を行った。
【００２８】
［試験方法３（希釈安定性）］
イオン交換水に無水硫酸ナトリウム７５ｍｇ／Ｌ、炭酸ナトリウム９０ｍｇ／Ｌを添加溶解し、塩酸でｐＨ７．５±０．３に調整した液で、コーティング剤試料を２００倍に希釈した。この液を透明プラスチック容器に入れ、５０℃の恒温槽に保存した。
以上の評価結果を、表３にまとめた。
【００２９】
［評価基準］
各試験方法の評価基準は次の通りである。
［試験方法１（撥水性）］〈目視観察〉
◎：水滴が球形に近く、水滴の流れる線が直線状であった。
○：水滴がやや球形に近く、水滴の流れる線がほぼ直線状であった。
△：水滴が楕円状で、水滴の流れる線が不連続で乱れていた。
【００３０】
［試験方法２（接触角）］〈接触角計〉
◎：１１０゜以上で撥水効果が優れていた。
○：１０５゜〜１０９゜で撥水効果が良好であった。
△：１００゜〜１０４゜で撥水効果があった。
×：９９゜以下で撥水効果が弱かった。
【００３１】
［試験方法３（希釈安定性）］〈目視観察〉
◎：１０日間以上反応物の析出が認められなかった。
○：５〜９日間反応物の析出が認められなかった。
△：１〜４日間反応物の析出が認められなかった。
×：１日間未満で反応物の析出が認められた。
【００３２】

【００３３】

【００３４】

【００３５】
表３より、実施例のコーティング剤試料は、いずれも撥水性、接触角、希釈安定性の全項目において良好の評価が得られている。比較例１は、撥水性、接触角においては優れているが、本発明の課題である希釈安定性が極めて劣っている。実施例１、２、３は、比較例１にエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルが配合されている組成であるが、希釈安定性の著しい改善効果が確認できる。
【００３６】
実施例４、５、６では、実施例１と比較することにより、ＨＬＢ１４〜２０の非イオン性界面活性剤、アミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの添加により、希釈安定性が向上しているのが確認できる。また、比較例２、３からは、エポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを配合しない組成において、ＨＬＢ１４〜２０の非イオン性界面活性剤、又はアミノ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルを希釈安定性がある程度改善するまでの添加量を配合すると、アミノ変性シリコーンオイルの吸着性を阻害し、撥水性と、接触角に悪影響が出るのが確認できる。
【００３７】
また、実施例７、８を実施例１、２、３と比較すると、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルの配合比（質量比）は、９５／５〜５５／４５の範囲でより効果的であることが確認できる。即ち、９５／５よりエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルが少ない実施例７では、希釈安定性が比較的不十分であり、５５／４５よりエポキシ・ポリエーテル複合変性シリコーンオイルが多い実施例８では、アミノ変性シリコーンオイルの吸着性阻害により、撥水性と、低温時の接触角にあまりよい影響が出ていない。しかし、実施例７、８といえども、比較例よりはるかに優れた効果を示しており、コーティング剤として十分実用の範囲内である。
【００３８】
また、アミノ変性シリコーンオイルを含むコーティング剤は、希釈安定性を改善すると、低温時の吸着性が悪くなることがある。低温時の吸着性が悪化すると、夏季はともかく冬季において撥水性が極端に低下してしまうといった現象が見られる。しかし本発明では、試験方法２の評価において、２５℃と４℃の性能にさほど差が見られないことから、冬季においても安定した効果が期待できるといえる。
【００３９】
【発明の効果】
本発明のコーティング剤は、車両の表面、塗装面、ガラス面等に対して優れた撥水性の皮膜を形成することができる。特に、自動式洗車機での使用では、優れた希釈安定性から配管等の詰まりが無く、かつ撥水性の優れた皮膜を塗装面等に形成することができ、好適に用いることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel coating agent for imparting water repellency to the surface of a vehicle, particularly a painted surface of an automobile, particularly a vehicle suitable for use in an automatic car wash such as a gate type car wash machine or a spray car wash machine. It is related with the coating agent.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, it is well known to use a liquid agent obtained by emulsifying or microemulsifying amino-modified silicone oil as a coating agent that imparts water repellency only by spraying or applying the coating surface of an automobile or the like with an automatic car washer. is there. For example, a coating agent by an automatic coating method in which an amino-modified silicone oil is emulsified with a nonionic surfactant and a quaternary ammonium salt cationic surfactant is blended (see Patent Document 1), cationic surfactant Aqueous coating agent of emulsion of amino-modified silicone oil by agent and / or nonionic surfactant and vehicle coating method using the same (see Patent Document 2), including amino-modified silicone oil and nonionic surfactant A vehicle polishing method and a polishing agent characterized by an emulsion of a non-ionic surfactant of an amino-modified silicone oil (see Patent Document 3) Patent Document 4). These coating agents can be satisfied in imparting water repellency, but have problems in stability, particularly dilution stability when used after being diluted with water, and are not necessarily satisfied in practical use.
[0003]
Further, as a means for solving the problem of dilution stability, a coating agent in which a part of the amino group of amino-modified silicone oil is amidated has been proposed (see Patent Document 5). However, by partially amidating amino groups that have adsorptive properties on the painted surface, the original adsorptivity of amino-modified silicone oil is weakened, and by reducing the amidation rate and improving the adsorptivity, dilution stability There are problems, such as not being able to fully satisfy the sex.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-8-188745 [Patent Document 2]
JP 2001-49189 A [Patent Document 3]
JP 2001-294133 A [Patent Document 4]
JP 2001-294892 A [Patent Document 5]
Japanese Patent Laid-Open No. 2002-294158
[Problems to be solved by the invention]
Conventionally, amino-modified silicone oil used in coating agents for vehicles and the like has become an essential component because of its adsorptivity to the painted surface, but there is an essential problem of poor dilution stability when diluted with water. is there. In an automatic car wash machine, the coating agent is usually automatically diluted to an appropriate concentration with water, and the diluted solution is sprayed or applied to the painted surface of the vehicle body. Anionic substances contained in tap water or groundwater used for this dilution, especially sulfate ion, carbonate ion, silicate ion, phosphate ion, etc., react with the amino group of amino-modified silicone oil and destroy the stable emulsified state. However, precipitation, gelation, and film formation of amino-modified silicone oil occur, and these cause clogging in piping, electromagnetic valves, and the like of automatic car wash machines.
[0006]
The means for increasing the amino equivalent of the amino-modified silicone oil (that is, reducing the amino group content), amidating a part of the amino group, or blending a large amount of an emulsifier, etc. However, on the other hand, since the adsorptivity of amino groups to coating is weakened, it is difficult to sufficiently exhibit the performance as a coating agent.
[0007]
Therefore, the present invention does not hinder the adsorptivity of the amino-modified silicone oil, and as a result, satisfies the good adsorptivity and water repellency, increases the dilution stability, and clogs the piping of an automatic car washer and the like. There is no vehicle coating agent provided.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of repeating various studies and experiments in order to solve the above-mentioned problems, the present inventors have blended an epoxy / polyether composite-modified silicone oil without impairing the adsorptivity of the amino-modified silicone oil. It has been found that the dilution stability can be improved and the above problems can be solved. Further, by adding a nonionic surfactant of HLB14-20 and / or amino / polyether complex-modified silicone oil to the emulsion of epoxy-polyether complex-modified silicone oil and amino-modified silicone oil, more The present inventors have found that the problems can be solved, and have completed the present invention based on these findings.
[0009]
That is, the present onset Ming, used in automatic car washes, wherein Rukoto such by emulsifying in water the amino-modified silicone oil and epoxy-polyether-composite-modified silicone oil with a non-ionic surface active agent in the first Provides vehicle coating agents (except when a water-soluble solvent is present during emulsification).
[0010]
Secondly, the present invention, the mixing ratio of the amino-modified silicone oil and epoxy-polyether complex-modified silicone oil (mass ratio), to provide a coating agent of the vehicle is 95 / 5-55 / 4 5.
[0011]
Thirdly, the present invention further relates to a vehicle coating agent obtained by adding a nonionic surfactant of HLB 14 to 20 and / or an amino-polyether complex-modified silicone oil after emulsification, and amino. The vehicle coating agent is provided by adding a polyether complex-modified silicone oil .
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below.
The coating agent of the present invention comprises an epoxy / polyether composite-modified silicone oil as an essential component, usually further containing an amino-modified silicone oil, emulsified with a nonionic surfactant, and further this emulsion. Is obtained by adding either or both of a high HLB nonionic surfactant and an amino-polyether complex-modified silicone oil.
[0013]
As the epoxy / polyether complex-modified silicone oil, one or more commercially available ones can be used, but the kinematic viscosity is 150 to 800 mm ² / s, and the epoxy equivalent is 1,000 to 4,000 g / mol. Further, it is more preferable that the kinematic viscosity is 250 to 600 mm ² / s and the epoxy equivalent is 2,000 to 3,500 g / mol. If the kinematic viscosity and the epoxy equivalent are out of these ranges, favorable results may not be obtained in the emulsified state, dilution stability, and coating performance.
[0014]
In addition, one or two or more commercially available amino-modified silicone oils can be used. The range of preferable kinematic viscosity is 200 to 3,000 mm ² / s. When blending low and high kinematic viscosities and making the composition average value of kinematic viscosities in the range of 400 to 1,500 mm ² / s, in automatic car wash machines, stains and unevenness are unlikely to occur. More preferred. The amino equivalent is preferably about 1,000 to 3,000 g / mol. If the amino equivalent is too low, there are problems such as dilution stability and yellowing, and if it is too high, preferred adsorbability and emulsified state may not be obtained.
[0015]
The mixing ratio (mass ratio) of the amino-modified silicone oil and the epoxy / polyether composite-modified silicone oil is in the range of 95/5 to 55/45, such as adsorptivity to the coated surface, water repellency, dilution stability, etc. It is preferable to satisfy the overall performance of the coating agent. If the compounding ratio of the epoxy / polyether complex-modified silicone oil is larger than 95/5 (that is, if the amount of the epoxy-polyether complex-modified silicone oil is small), the dilution stability may be insufficient, which is smaller than 55/45. (That is, when there are many epoxy-polyether complex-modified silicone oils), water repellency may be affected.
[0016]
A surfactant can be used as an emulsifier for emulsifying the epoxy-polyether composite-modified silicone oil and the amino-modified silicone oil. Although not particularly limited, it is preferable to use a nonionic surfactant. Further, the type of nonionic surfactant is not particularly limited, but polyoxyethylene alkyl ether and polyoxyalkylene alkyl ether are most preferable. These surfactants may be used singly or in combination of two or more, but more preferably two or more are used. The product cloud point of the coating agent is also affected by the type of nonionic surfactant, but is preferably 50 ° C. or higher, more preferably 60 ° C. or higher, from the stability of the product.
[0017]
In the present invention, by using an epoxy / polyether composite modified silicone oil as an essential component, the dilution stability can be greatly improved. For the purpose of further improvement, amino-modified silicone oil and epoxy / polyether composite modified The nonionic surfactant of HLB14-20 and / or amino polyether composite modified silicone oil can be added to the emulsion of silicone oil. When a high HLB surfactant or amino / polyether complex-modified silicone oil is added to an emulsion of amino-modified silicone oil alone that does not contain epoxy-polyether complex-modified silicone oil, the dilution stability can be improved. In comparison with the composition containing the epoxy / polyether complex-modified silicone oil, sufficient dilution stability cannot be obtained unless more is added. When these compounds are added in a large amount, the adsorptivity of the amino-modified silicone oil is inhibited, or the rinsing is poor, so that the desired water repellency cannot be obtained.
[0018]
HLB14-20 nonionic surfactant or amino / polyether complex-modified silicone oil is used alone or in total with respect to the total amount of epoxy / polyether complex-modified silicone oil and amino-modified silicone oil. A range of 5 to 100% is preferable. If the addition amount is less than 5%, the effect may be low, and if it exceeds 100%, the water repellency may be lowered. In addition, when the HLB of the nonionic surfactant is 14 or less, the addition effect may be low. The type of nonionic surfactant is not particularly limited, but polyoxyethylene alkyl ether and polyoxyalkylene alkyl ether are preferable. As the amino / polyether complex-modified silicone oil, a commercially available one can be used, and is not particularly limited. However, the kinematic viscosity is 300 to 1,000 mm ² / s, and the amino equivalent is 1,000 to 2,000 g / s. Those in the mol range are preferred.
[0019]
When adding the nonionic surfactant of HLB14-20, it is preferable to add after emulsification of the amino-modified silicone oil and the epoxy-polyether composite-modified silicone oil. In addition, when the amino / polyether complex-modified silicone oil is added, it is more effective to add it at the time of emulsifying the amino-modified silicone oil and the epoxy / polyether complex-modified silicone oil.
[0020]
The coating agent of the present invention is not particularly difficult to prepare and can be prepared as follows. First, an amino-modified silicone oil, an epoxy-polyether composite-modified silicone oil, and a nonionic surfactant as an emulsifier are well stirred and mixed, and then ion-exchanged water is added little by little in stages to emulsify. The compounding amount of the amino-modified silicone oil and the epoxy / polyether composite-modified silicone oil at this time is not particularly limited, but is usually in the range of 1 to 20% by mass with respect to the total amount of the coating agent, and the nonionic property of the emulsifier. The amount of the surfactant is preferably adjusted to be about 10 to 50% by mass with respect to the total amount of the amino-modified silicone oil and the epoxy / polyether composite-modified silicone oil. Here, when a nonionic surfactant is used as an emulsifier, the HLB is about 9 to 13.5, which is different from the above-described high HLB nonionic surfactant.
[0021]
In the coating agent of the present invention, a dilution solvent, a stabilizer, an antifreezing agent, a rust preventive, an antiseptic, an ultraviolet absorber, an abrasive, a pigment, and the like are included as long as the purpose of the present invention is not impaired. Can be blended.
[0022]
The coating agent of the present invention can be easily coated on the surface of a vehicle using an automatic type car wash machine such as a gate type car wash machine, a continuous gate type car wash machine, or a spray type car wash machine . Spraying the car both surfaces, or the concentration of the coating agent when the coating is not particularly limited, usually, the total concentration of amino-modified silicone oil and epoxy-polyether complex-modified silicone oil from 0.02 to 0.2% It is preferable to set the concentration of the coating agent of the present invention and the automatic dilution factor of the automatic car wash machine so that the degree is approximately. The painted surface, glass surface, and the like of a vehicle treated with the coating agent of the present invention can form a coating film that is long-lasting in terms of water repellency, gloss, slip, and the like.
[0023]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail by way of examples. However, the present invention is not limited to these examples. The% value represents mass%.
[0024]
[Example 1]
0.5% epoxy-polyether composite modified silicone oil having a kinematic viscosity of 400 mm ² / s and an epoxy equivalent of 2,500 g / mol, amino-modified silicone oil 6 having a kinematic viscosity of 1,000 mm ² / s and an amino equivalent of 1,800 g / mol %, Kinematic viscosity 250 mm ² / s, amino equivalent 1,800 g / mol of amino-modified silicone oil 3.5%, polyoxyethylene alkyl ether 3%, 87% ion-exchanged water was added and emulsified, and 90% acetic acid was added. The pH was adjusted to 5-7 to obtain a coating agent sample.
[0025]
Hereinafter, similarly to Example 1, coating agent samples of Examples 2 to 8 and Comparative Examples 1 to 3 were prepared according to the composition of Table 1. The physical properties and others of each component used are summarized in Table 2.
[0026]
[Test Method 1 (Water Repellency)]
The painted surface of the car was washed with a wax remover to make it completely wet. Set the coating agent sample in the gate-type car wash machine, spray 8L of the liquid automatically diluted 150-200 times with tap water from the nozzle tip onto the car body, wash with 10L of water, stop the drying blower of the car wash machine The water-repellent state of the painted surface was comparatively evaluated by visual observation.
[0027]
[Test Method 2 (Contact Angle)]
2 L of a liquid obtained by diluting the coating agent sample 200 times with tap water was placed in a stainless steel square bat. The test coating plate (according to JIS K 2396 8.2.3), which was washed with a wax remover and completely wetted with water, was immersed in this diluted solution for 5 seconds, and then immediately removed and washed with 200 ml of tap water. After drying by blowing with a dryer and leaving to stand at room temperature for 30 minutes, the contact angle of water was measured. In addition, the temperature of the diluted solution of the coating agent, washing water, and the coated plate was kept at 25 ° C. and 4 ° C., respectively, and the measurement was performed.
[0028]
[Test method 3 (dilution stability)]
Anhydrous sodium sulfate 75 mg / L and sodium carbonate 90 mg / L were added and dissolved in ion-exchanged water, and the coating agent sample was diluted 200 times with a solution adjusted to pH 7.5 ± 0.3 with hydrochloric acid. This solution was put in a transparent plastic container and stored in a thermostat at 50 ° C.
The above evaluation results are summarized in Table 3.
[0029]
[Evaluation criteria]
The evaluation criteria for each test method are as follows.
[Test Method 1 (Water Repellency)] <Visual Observation>
A: Water droplets were nearly spherical, and the lines through which the water droplets flowed were straight.
○: Water droplets were almost spherical, and the lines through which water droplets flowed were almost linear.
(Triangle | delta): The water droplet was elliptical, and the line through which a water droplet flows was discontinuous and disordered.
[0030]
[Test Method 2 (Contact Angle)] <Contact Angle Meter>
A: Excellent water repellency at 110 ° or more.
A: The water-repellent effect was good at 105 ° to 109 °.
Δ: Water repellent effect at 100 ° to 104 °.
X: Water repellent effect was weak at 99 ° or less.
[0031]
[Test method 3 (dilution stability)] <Visual observation>
A: No precipitation of the reaction product was observed for 10 days or more.
○: No precipitation of the reaction product was observed for 5 to 9 days.
Δ: No precipitation of the reaction product was observed for 1 to 4 days.
X: Precipitation of the reaction product was observed in less than 1 day.
[0032]

[0033]

[0034]

[0035]
From Table 3, the coating agent samples of the examples all have good evaluations in all items of water repellency, contact angle and dilution stability. Although Comparative Example 1 is excellent in water repellency and contact angle, the dilution stability which is the subject of the present invention is extremely inferior. Examples 1, 2, and 3 are compositions in which epoxy-polyether composite-modified silicone oil is blended with Comparative Example 1, but a remarkable improvement effect of dilution stability can be confirmed.
[0036]
In Examples 4, 5, and 6, compared with Example 1, the addition of non-ionic surfactants of HLB 14 to 20 and amino / polyether complex-modified silicone oil improves the dilution stability. Can be confirmed. Further, from Comparative Examples 2 and 3, in a composition in which no epoxy / polyether composite modified silicone oil is blended, the non-ionic surfactant of HLB14-20 or amino / polyether composite modified silicone oil has a certain degree of dilution stability. It can be confirmed that when the addition amount until improvement is blended, the adsorptivity of the amino-modified silicone oil is inhibited, and the water repellency and the contact angle are adversely affected.
[0037]
Further, when Examples 7 and 8 are compared with Examples 1, 2, and 3, the blending ratio (mass ratio) of the amino-modified silicone oil and the epoxy-polyether composite-modified silicone oil is in the range of 95/5 to 55/45. It can be confirmed that it is more effective. That is, in Example 7 where the epoxy-polyether composite modified silicone oil is less than 95/5, the dilution stability is relatively insufficient, and in Example 8 where the epoxy-polyether composite modified silicone oil is more than 55/45, In addition, the water-repellent property and the contact angle at low temperatures are not so much affected by the inhibition of the adsorption property of amino-modified silicone oil. However, even Examples 7 and 8 show an effect far superior to that of the comparative example, and are sufficiently within the practical range as a coating agent.
[0038]
In addition, the coating agent containing amino-modified silicone oil may have poor adsorptivity at low temperatures when the dilution stability is improved. If the adsorptivity at low temperatures deteriorates, a phenomenon is observed in which water repellency is extremely lowered in the winter in addition to the summer. However, in the present invention, it can be said that a stable effect can be expected even in winter since there is not much difference in performance between 25 ° C. and 4 ° C. in the evaluation of Test Method 2.
[0039]
【The invention's effect】
The coating agent of the present invention can form an excellent water-repellent film on the surface, painted surface, glass surface and the like of a vehicle. In particular, when used in an automatic car washer, it is possible to form a film having excellent water repellency on a painted surface and the like because there is no clogging of piping and the like due to excellent dilution stability.

Claims

Amino-modified silicone oil and epoxy-polyether-composite modified silicone oil a non-ionic surfactant vehicle of the coating agent used in automatic car washes, wherein Rukoto such emulsified in water (although water soluble during the emulsion Unless a solvent is present ).

2. The vehicle coating agent according to claim 1 , wherein the compounding ratio (mass ratio) of the amino-modified silicone oil and the epoxy-polyether composite-modified silicone oil is 95/5 to 55/45.

Furthermore, coating agents for a vehicle according to claim 1 or 2 non-ionic surfactants and / or amino-polyether complex-modified silicone oil to ing addition of HLB14~20 after emulsification.

The vehicle coating agent according to claim 1 or 2, further comprising an amino / polyether complex-modified silicone oil added during emulsification.