JP3813320B2 - 動きベクトル検出方法および装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像信号の記録・通信・伝送および放送等のために用いられる動き補償予測符号化方式の動画像符号化装置に係り、特に符号化対象画面である動きベクトル検出対象画面の部分領域が符号化済みの参照画面のどの部分領域から動いてきたものかを表す動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像信号は情報量が膨大であるため、単にディジタル化して伝送や記録を行おうとすると、極めて広帯域の伝送路や、大容量の記録媒体を必要とする。そこで、テレビ電話、テレビ会議、CATVおよび画像ファイル装置等では、動画像信号を少ないデータ量に圧縮符号化する技術が用いられる。
【0003】
動画像信号の圧縮符号化技術の一つとして、動き補償予測符号化方式が知られている。この動き補償予測符号化では、符号化済みの画面を参照画面とし、符号化対象画面の部分領域に対して参照画面の最も相関の高い部分領域を検出することにより、符号化対象画面の部分領域(これを動きベクトル検出対象ブロックという)が参照画面の部分領域(これを参照ブロックという)のうちのどの参照ブロックから動いたものかを表す動きベクトルを求め、動きベクトル検出対象ブロックと動きベクトルにより示される参照ブロックとの差分である予測誤差信号を符号化する。
【0004】
一般に、動画像信号を得るための画面の走査方法としては、1ラインずつ順々に走査する順次走査(ノンインタレーススキャンニング)と、1ラインずつ間を空けて走査する飛び越し走査(インタレーススキャンニング)がある。1回の飛び越し走査によって得られる1ラインずつ間引かれた画面をフィールドと呼び、1回の順次走査または2回の飛び越し走査によって得られる完全な画面をフレームと呼ぶ。
【0005】
順次走査によって得られるノンインタレース画像のように、同一フレーム内のフィールド間では動きが存在しない場合には、フレーム構成によって検出した動きベクトル(フレーム動きベクトル)を用いる動き補償予測方法が有効となることが多い。これに対して、飛び越し走査によって得られるインタレース画像においては、通常、同一フレーム内であってもフィールド間に動きが存在するので、フィールド構成によって検出した動きベクトル(フィールド動きベクトル)を用いる動き補償予測方法が有効となる場合が多い。このフィールド動きベクトルを検出するには、一般に膨大な演算量を必要とする。
【0006】
“A Real-Time Motion Estimation and Compensation LSI with Wide Search Range for MPEG2 Video Encoding” IEEE J.Solid-State Circuits. vol.31,no.11, pp.1733 〜1741,NOV.1996)(文献1)や、A1.5W Single-Chip MPEG2 MP@ML Encoder with Low-Power Motion Estimation and Clocking(ISSCC’97/SESSION16/VIDEO AND MULTIMEDIA SIGNAL PROCESSING/PAPER FP 16.2)(文献2)には、フィールド動きベクトル検出のために動きベクトルを探索する際の演算量(探索演算量)を削減するために、動きベクトルの検出を1次探索、2次探索に分けて行う技術が開示されている。
【0007】
この従来のフィールド動きベクトル検出方法では、まず図14(a)(b)に示すように1次探索用参照画面と1次探索用MV(動きベクトル)検出対象画面の双方について、原サンプル点(原画像信号の画素サンプル点)を水平方向に平均内挿により内挿補間した後、内挿点を水平方向に間引くことにより、水平方向に2画素間隔のサブサンプル点からなる1次探索用参照ブロックと1次探索用MV検出対象ブロックを生成する。そして、1次探索用参照画面の広い範囲にわたり、水平方向に2画素精度の動きベクトル候補の探索を図15中に示す1次探索点について行う。
【0008】
次に、図15(a)(b)に示すようにサブサンプルしない原サンプルからなる2次探索用参照画面を用い、1次探索で得られた動きベクトル候補を2次探索の中心点として、この中心点の近傍の狭い探索範囲について1/2画素精度の動きベクトルの2次探索を行うことで、動きベクトル検出のための探索演算量を削減する。
【0009】
図15(a)は、フィールド構成のMV検出対象ブロック(第1または第2フィールドのサブサンプル点のみで構成されるMV検出対象ブロック)に対する動きベクトル(フィールド動きベクトル)の2次探索パターンであり、また図15(b)は、フレーム構成のMV検出対象ブロック(第1、第2両フィールドのサブサンプル点で構成されるMV検出対象ブロック)に対する動きベクトル(フレーム動きベクトル)の2次探索パターンである。このようにすると、1次探索でマッチングするブロックの構成サンプル数および探索点数がそれぞれ1/2になるため、探索演算量は約1/4に削減されることになる。
【0010】
この従来の動きベクトル検出方法では、図14に示したように1次探索用参照ブロック(図14(a))と1次探索用動きベクトル検出対象ブロック(図14(b))のサブサンプル点は、いずれも水平方向の位相が同じとなっている。このため、図15(b)に示すフレーム動きベクトルの2次探索においても、図15(a)に示すフィールド動きベクトルの2次探索と同様な探索点数(2次探索の中心点を基準として、水平方向に−1.0画素〜+1.0画素、垂直方向に−0.5画素〜+0.5画素の計15点)を必要とする。
【0011】
また、MPEG2(moving picture expart group phase 2) のように、符号化対象画面の種類(ピクチャタイプ)により参照画面数が1の場合と2の場合の二通り存在する方式においては、参照画面数が1のときは動きベクトルの1次探索演算量に余裕を生じるが、従来ではこの余裕の演算量を動きベクトル探索範囲の拡大に利用するしかなく、探索範囲が狭くて済む動きの小さな通常の画像では符号化効率の向上に有効利用できなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の探索演算量を削減した動きベクトル検出方法では、1次探索におけるフレーム動きベクトル候補の水平方向の検出精度が2画素精度となることから、1/2画素精度の2次探索を行う場合、フレーム動きベクトルについてもフィールド動きベクトルと同数の多くの探索点数を必要とするという問題点と、参照画面が1で1次探索演算量に余裕を生じる場合でも、その探索演算量の余裕分を符号化効率の向上に有効利用できないという問題点があった。
【0013】
本発明は、上述した従来の問題点を解消するためになされたもので、その主な目的は、1次探索結果として得られるフレーム動きベクトル候補の検出精度を動きの小さな部分では1画素精度とすることにより、1/2画素精度のフレーム動きベクトルの2次探索で必要な探索点数を削減できる動きベクトル検出方法および装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、1次探索演算量に余裕を生じる場合にその探索演算量の余裕分を符号化効率の向上に有効利用できる動きベクトル検出方法および装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は1次探索用の参照画面および動きベクトル検出対象画面のいずれか一方について水平方向のサブサンプル点の位相を2つのフィールドで異ならせて動きベクトルの1次探索を行うことを骨子とする。
【0016】
すなわち、本発明に係る第1の動きベクトル検出方法では、第1および第2フィールドで構成される参照画面を第1フィールドと第2フィールドとで同一位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用参照画面を生成し、第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を第1フィールドと第2フィールドとで異なる位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用動きベクトル検出対象画面を生成する。
【0017】
また、本発明に係る第2の動きベクトル検出方法では、第1の動きベクトル検出方法とは1次探索用参照画面と1次探索用動きベクトル検出対象画面の関係を逆にし、第1および第2フィールドで構成される参照画面を第1フィールドと第2フィールドとで異なる位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用参照画面を生成し、第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を第1フィールドと第2フィールドとで同一位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用動きベクトル検出対象画面を生成する。
【0018】
そして、第1および第2の動きベクトル検出方法ともに1次探索において1次探索用参照画面の中から1次探索用動きベクトル検出対象画面の部分領域である1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに類似する部分領域である1次探索用参照ブロックを抽出して、該1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドの各々に対する該1次探索用参照ブロックの相対位置を示すフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を探索し、次いで2次探索において該動きベクトル候補を探索中心として2次探索を行うことにより最終的なフィールド動きベクトルおよびフレーム動きベクトルの検出を行う。
【0019】
このようにすると、1次探索において1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1、第2フィールドに対するそれぞれのフィールド動きベクトルの1次探索範囲は、動きの小さな領域で重複するので、この領域では第1、第2フィールドからなるフレーム構成の動きベクトル検出対象画面に対しては、1画素精度で1次探索が行われることになる。
【0020】
すなわち、2次探索においてフレーム構成の検出対象ブロックに対する最適な動きベクトル候補は、動きが小さく解像度の高い画像では1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1、第2フィールドに対する動きベクトル探索範囲の重複する領域(探索する動きベクトル候補点を互いに補完する領域)から検出されるため、1画素精度の動きベクトルとなる。
【0021】
従って、フレーム構成の動きベクトル検出対象ブロックに対する動きベクトルの2次探索においては、この1次探索結果により得られた動きベクトル候補の近傍の狭い範囲内の少ない探索点(水平・垂直方向共に−0.5〜+0.5画素までの9点)を探索することで十分となる。
【0022】
また、本発明は1次探索において探索演算量に余裕を生じる符号化画面(動きベクトル検出対象画面)に対しては、すなわち1画面にわたり後方予測の動きベクトル検出が不要な場合は、第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を水平方向に異なる位相でサブサンプルすることにより生成した2種類の1次探索用動きベクトル検出対象画面を用いて、フィールド動きベクトルの動きベクトル候補を検出することを特徴とする。
【0023】
このようにすると、一つの1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに対して2種類の1次探索用動きベクトル検出対象ブロックにより探索する動きベクトル候補点が互いに補完されるので、動きベクトル検出対象ブロックの各フィールドに対して検出される動きベクトル候補が1画素精度となり、動きの小さな画像でも所有する探索演算量を符号化効率の向上に有効利用できる。さらに、1次探索用のサブサンプルされた参照画面の画素数が従来と同様で良いことから、参照画面のための記憶容量の増加も不要となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る動きベクトル検出方法を1次探索、2次探索の順に説明する。
【0025】
[1次探索]
まず、本実施形態に係る動きベクトル検出方法における動きベクトル(フィールド動きベクトル)の1次探索について説明する。
1次探索においては、まず第1フィールド(例えば奇フィールド)と第2フィールド(例えば偶フィールド)で構成される1次探索用参照画面と1次探索用MV(動きベクトル)検出対象画面を生成する。図1(a)および(b)は、本実施形態における1次探索用参照画面および1次探索用MV検出対象画面の同一画面位置の部分領域(以下、1次探索用参照ブロックおよび1次探索用MV検出対象ブロックという)上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図である。
【0026】
1次探索用参照画面のサブサンプル点は、図1(a)に示されるように一つの参照画面を構成する第1フィールドと第2フィールドの原サンプル点の間を水平方向に内挿補間した後、内挿点を第1フィールドと第2フィールドとで水平方向に同一位相で一つおきに間引くことによって得られる。これに対し、1次探索用MV検出対象画面のサブサンプル点は、図1(b)に示されるように一つの1次探索用MV検出対象画面を構成する第1フィールドと第2フィールドの原サンプル点の間を第1フィールドと第2フィールドとで水平方向に異なる位相で一つおきに間引くことによって得られることが本実施形態の特徴である。
【0027】
そして、1次探索用参照画面の中から1次探索用MV検出対象ブロックに類似する1次探索用参照ブロックを抽出して、該1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドの各々に対する該1次探索用参照ブロックの相対位置を示すフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を探索する(1次探索)。以下、この1次探索動作を図2により説明する。
【0028】
図2は、図1(b)に示した1次探索用MV検出対象ブロックの第1、第2フィールドの左上のサブサンプル点Ca1,Cb1に対する1次探索用参照画面上の1次探索範囲の設定例である。
【0029】
動きベクトルの1次探索に際しては、まず図1(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第1フィールドの4つのサブサンプル点について、図1(b)の第1フィールド上のCa1が図2の点Acを探索中心とする探索範囲A内の第1、第2フィールドの各サブサンプル点のいずれかに位置する場合毎にマッチング誤差、つまり図1(b)の第1フィールドの4つのサブサンプル点の画素値とそれらに最も近い図2の探索範囲A内のサブサンプル点の画素値との差分の絶対値和を算出する。この場合、図2の探索範囲A内のサブサンプル点は28個であるので、合計28点のマッチング誤差が得られる。
【0030】
そして、これら28点のマッチング誤差の中でマッチング誤差が最小となる図2上のCa1に対応する位置Asを検出し、この位置AsとCa1の相対位置を図1(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第1フィールドについてのフィールド動きベクトル候補とする。
【0031】
次に、図1(b)の第2フィールド上のCb1に対する探索範囲を第1フィールド上のCa1に対するCb1の位置の差を考慮して、図2に示すように点Bcを探索中心とするBのように設定する。すなわち、探索中心Bcは図2上のCa1に対応する位置Asに対して、図1(b)におけるCa1に対するCb1の相対位置と同じ相対位置に設定する。
【0032】
次に、図1(b)の第2フィールドの4つのサブサンプル点で構成される第2フィールドの1次探索用MV検出対象ブロックについて、図1(b)の第2フィールド上のCb1が図2の探索範囲B内の第1、第2フィールドの各サブサンプル点に位置する場合毎にマッチング誤差、つまり図1(b)の第2フィールドの4つのサブサンプル点の画素値と、それらに最も近い図2の探索範囲B内のサブサンプル点の画素値との差分の絶対値和を算出する。この場合においても、図2の探索範囲B内のサブサンプル点は28個であるので、合計28点のマッチング誤差が得られる。
【0033】
そして、これらの28点のマッチング誤差の中でマッチング誤差が最小となる図2上のCb1に対応する位置Bs(図示せず)を検出し、この位置BsとCb1の相対位置を図1(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第2フィールドについてのフィールド動きベクトル候補とする。
【0034】
以上のようにして動きベクトルの1次探索、すなわち第1および第2フィールドについてのフィールド動きベクトルの動きベクトル候補の探索が行われる。
[2次探索]
次に、本実施形態に係る動きベクトル検出方法における動きベクトルの2次探索について説明する。
図3(a1)(a2)および(b)は、本実施形態における2次探索用参照画面および2次探索用MV検出対象画面の同一画面位置の部分領域(2次探索用参照ブロックおよび2次探索用MV検出対象ブロック)の原サンプル点を示す図である。図3(a1)は、フィールド動きベクトルの2次探索用参照画面の参照ブロックであり、第1フィールド(または第2フィールド)のみで構成される参照画面の原サンプル点の間を内挿補間することによって、水平方向および垂直方向に1画素間隔のサンプルを配置して構成される。図3(a2)は、フレーム動きベクトルの2次探索用参照画面の参照ブロックであり、第1、第2フィールドで構成される一つの参照画面の原サンプル点の間を内挿補間することによって、水平方向および垂直方向に1/2画素間隔のサンプルを配置して構成される。
【0035】
<フィールド動きベクトルの2次探索>
まず、図3(b)の第1、第2フィールドの各々の原サンプル点からなるフィールド構成の2次探索用MV検出対象ブロックに対する動きベクトル(フィールド動きベクトル)の2次探索においては、図3(a1)に示したフィールド動きベクトルの2次探索用参照画面を用い、図1(b)の第1、第2フィールド上の1次探索対象点Ca1,Cb1に対して1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsを図3(b)のCa3,Cb3に対するフレーム動きベクトル候補に換算して指定される位置を2次探索の中心点として、前述した従来の動きベクトル検出方法と同様に、図15(a)に示すように2次探索点を設定し、これらの2次探索点から第1、第2フィールドでそれぞれ構成されるフィールド構成の2次探索用MV検出対象ブロックとのマッチング誤差が最小となる位置を第1、第2フィールドのフィールド動きベクトルとして検出する。
【0036】
<フレーム動きベクトルの2次探索>
一方、図3(b)の第1、第2両フィールドの全ての原サンプル点からなるフレーム構成の2次探索用MV検出対象ブロックに対する動きベクトル(フレーム動きベクトル)の2次探索においては、図3(a2)に示した2次探索用参照画面を用いて、図1(b)のCa1に対して1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsの一方または両方を図3(b)のCa3,Cb3の一方または両方に対するフレーム動きベクトル候補に換算して指定される位置を2次探索の中心点として設定した2次探索点から、フレーム構成の2次探索用MV検出対象ブロックとのマッチング誤差が最小となる位置をフレーム動きベクトルとして検出する。
【0037】
次に、本実施形態による効果について述べる。
図4は、図1(b)の第1、第2フィールド上の探索対象点Ca1,Cb1に対する1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsを図3(b)のCa3,Cb3に対するフレーム動きベクトル候補に換算した1次探索点と1次探索範囲を示している。同図に示されるように、第1フィールドについてのフィールド動きベクトルの1次探索範囲と、第2フィールドについてのフィールド動きベクトルの1次探索範囲は、Ca2,Cb2に対する1次探索の探索中心点の近傍の領域(動きの小さな領域)Eで重複する。従って、重複した領域Eでは第1、第2フィールドからなるフレーム構成のMV検出対象画面については1画素精度で1次探索が行われ、これらの探索中心点から離れた領域(動きの大きな領域)D,Fでは、水平・垂直方向ともに2画素精度で1次探索が行われることになる。
【0038】
従来の動きベクトル検出方法では、動きの大きさに関係なく常に2画素精度で1次探索が行われていたが、本実施形態では上述のように動きの小さな領域については1画素精度の1次探索が行われる。すなわち、本実施形態によると1次探索において、小さな動きに対して従来よりも高精度に動きベクトル候補を検出することができる。
【0039】
また、図3(b)の16個の原サンプルからなる2次探索用MV検出対象ブロックに対するフレーム動きベクトルの2次探索では、高精度な探索が有効な動きの小さな場合に対応させ、図5(a)に示すように狭い範囲(水平・垂直方向とも2次探索の中心点から±0.5画素の9点)に設定した2次探索点から、2次探索用MV検出対象ブロックとの誤差が最小になる位置を検出することで十分である。
【0040】
このようにすると、動きの大きな場合においても図5(b)に示すように狭い範囲に設定した2次探索点からの探索で左右に3点ずつ探索点が不足する程度であり、視覚的にも符号化効率の点でも探索精度があまり影響しないことから問題を生じない。
【0041】
このように本実施形態によると、従来の動きベクトル検出方法よりも2次探索での探索演算量を減少させることができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る動きベクトル検出方法を1次探索、2次探索の順に説明する。
【0042】
[1次探索]
本実施形態に係る動きベクトル検出方法における動きベクトルの1次探索について説明する。
【0043】
図6(a)および(b)は、本実施形態における1次探索用参照画面および1次探索用MV検出対象画面の同一画面位置の部分領域である1次探索用参照ブロックおよび1次探索用MV検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図である。同図に示されるように、本実施形態では1次探索用参照画面のサブサンプル点と1次探索用MV検出対象画面のサブサンプル点の関係が逆になっている。
【0044】
すなわち、本実施形態においては、1次探索用参照画面のサブサンプル点は図6(a)に示されるように、一つの1次探索用参照画面を構成する第1、第2フィールドの原サンプル点の間を水平方向に内挿補間した後、水平方向に異なる位相で一つおきに水平方向に間引くことによって得られる。一方、1次探索用MV検出対象画面のサブサンプル点は図6(b)に示されるように、一つのMV検出対象画面を構成する第1フィールドおよび第2フィールドの原サンプル点の間を水平方向に内挿補間した後、内挿点を水平方向に同一位相で一つおきに間引くことによって得られる。
【0045】
図7に、図1(b)に示した1次探索用MV検出対象ブロックの第1、第2フィールドの左上のサブサンプル点Ca2,Cb2(1次探索対象点)に対する動きベクトルの1次探索範囲の設定例を示す。
【0046】
動きベクトルの1次探索に際しては、まず図6(b)の第1フィールドの4つのサブサンプル点で構成される第1フィールドの1次探索用MV検出対象ブロックについて、図6(b)の第1フィールド上の1次探索対象点Ca2が図7の点Acを探索中心とする探索範囲A内の第1、第2フィールドの各サブサンプル点のいずれかに位置する場合毎にマッチング誤差、つまり図6(b)の第1フィールドの4つのサブサンプル点の画素値とそれらに最も近い図2の探索範囲A内のサブサンプル点の画素値との差分の絶対値和を算出する。この場合、図2の探索範囲A内のサブサンプル点は28個であるので、合計28点のマッチング誤差が得られる。
【0047】
そして、これら28点のマッチング誤差の中でマッチング誤差が最小となる図7上のCa2に対応する位置Asを検出し、この位置AsとCa2の相対位置を図6(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第1フィールドについてのフィールド動きベクトル候補とする。
【0048】
次に、図6(b)の第2フィールド上のCb2に対する探索範囲を第1フィールド上のCa2に対するCb2の位置の差を考慮して、図7に示すように点Bcを探索中心とするBのように設定する。すなわち、探索中心Bcは図7上のCa2に対応する位置Asに対して、図6(b)におけるCa2に対するCb2の相対位置と同じ相対位置に設定する。
【0049】
次に、図6(b)の第2フィールドの4つのサブサンプル点で構成される第2フィールドの1次探索用MV検出対象ブロックについて、図6(b)の第2フィールド上のCb2が図7の探索範囲B内の第1、第2フィールドの各サブサンプル点に位置する場合毎にマッチング誤差、つまり図6(b)の第2フィールドの4つのサブサンプル点の画素値と、それらに最も近い図7の探索範囲B内のサブサンプル点の画素値との差分の絶対値和を算出する。この場合においても、図2の探索範囲B内のサブサンプル点は28個であるので、合計28点のマッチング誤差が得られる。
【0050】
そして、これらの28点のマッチング誤差の中でマッチング誤差が最小となる図7上のCb2に対応する位置Bs(図示せず)を検出し、この位置BsとCb2の相対位置を図6(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第2フィールドについてのフィールド動きベクトル候補とする。
【0051】
以上のようにして動きベクトルの1次探索、すなわち第1および第2フィールドについてのフィールド動きベクトルの動きベクトル候補の探索が行われる。
[2次探索]
次に、本実施形態に係る動きベクトル検出方法における動きベクトルの2次探索について図3を用いて説明する。
<フィールド動きベクトルの2次探索>
まず、図3(b)の第1、第2フィールドの各々の原サンプル点からなるフィールド構成の2次探索用MV検出対象ブロックに対する動きベクトル(フィールド動きベクトル)の2次探索においては、図3(a1)に示したフィールド動きベクトルの2次探索用参照画面を用い、図6(b)の第1、第2フィールド上の1次探索対象点Ca2,Cb2に対して1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsを図3(b)のCa3,Cb3に対するフレーム動きベクトル候補に換算して指定される位置を2次探索の中心点として、前述した従来の動きベクトル検出方法と同様に、図15(a)に示すように2次探索点を設定し、これらの2次探索点から第1、第2フィールドでそれぞれ構成されるフィールド構成の2次探索用MV検出対象ブロックとのマッチング誤差が最小となる位置を第1、第2フィールドのフィールド動きベクトルとして検出する。
【0052】
<フレーム動きベクトルの2次探索>
一方、図3(b)の第1、第2両フィールドの全ての原サンプル点からなるフレーム構成の2次探索用MV検出対象ブロックに対する動きベクトル(フレーム動きベクトル)の2次探索においては、図3(a2)に示した2次探索用参照画面を用いて、図6(b)のCa2に対して1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsの一方または両方を図3(b)のCa3,Cb3の一方または両方に対するフレーム動きベクトル候補に換算して指定される位置を2次探索の中心点として設定した2次探索点から、フレーム構成の2次探索用MV検出対象ブロックとのマッチング誤差が最小となる位置をフレーム動きベクトルとして検出する。
する。
【0053】
本実施形態によっても、以下のように第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図8は、図6(b)の第1、第2フィールド上の探索対象点Ca2,Cb2に対する1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsを図3(b)のCa3,Cb3に対するフレーム動きベクトル候補に換算した1次探索点と1次探索範囲を示している。同図に示されるように、第1フィールドについてのフィールド動きベクトルの1次探索範囲と、第2フィールドについてのフィールド動きベクトルの1次探索範囲は、Ca2,Cb2に対する1次探索の探索中心点の近傍の領域(動きの小さな領域)Eで重複している。従って、この領域Eでは1画素精度の1次探索が行われ、これらの探索中心点から離れた領域(動きの大きな領域)D,Fでは、水平・垂直方向ともに2画素精度の1次探索が行われることになる。
【0054】
従来の動きベクトル検出方法では、動きの大きさに関係なく常に2画素精度で1次探索が行われていたが、本実施形態では上述のように動きの小さな領域については2画素精度の1次探索が行われる。すなわち、本実施形態によると1次探索において小さな動きに対して、従来よりも高精度に動きベクトル候補を検出することができる。
【0055】
また、図6(b)の16個の原サンプルからなる2次探索用MV検出対象ブロックに対するフレーム動きベクトルの2次探索では、高精度な探索が有効な動きの小さな場合に対応させ、図9(a)に示すように狭い範囲(水平・垂直方向とも2次探索の中心点から±0.5画素の9点)に設定した2次探索点から、2次探索用MV検出対象ブロックとの誤差が最小になる位置を検出することで十分である。
【0056】
このようにすると、動きの大きな場合においても図9(b)に示すように狭い範囲に設定した2次探索点からの探索で左右に1点ずつ探索点が不足する程度であり、視覚的にも符号化効率の点でも探索精度があまり影響しないことから、第1の実施形態よりもさら問題を生じない。
【0057】
このように本実施形態によると、従来の動きベクトル検出方法よりも2次探索の演算量を減少させることができ、さらに動きの大きな場合もより高精度で動きベクトルを検出することが可能となる。
【0058】
(第3の実施形態)
図10(a)(b)は、本発明の第3の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用MV検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図である。
【0059】
本実施形態においては、1次探索用参照画面のサブサンプル点は図10(a)に示されるように、一つの1次探索用参照画面を構成する第1、第2フィールドの原サンプル点を異なる位相で水平方向に一つおきに間引くことによって得られる。一方、1次探索用MV検出対象画面のサブサンプル点は図10(b)に示されるように、一つのMV検出対象画面を構成する第1、第2フィールドの原サンプル点を水平方向に内挿補間した後、水平方向に同一位相で一つおきに間引くことによって得られる。
【0060】
すなわち、第2の実施形態では図6(a)に示したように、1次探索用参照画面のサブサンプル点が第1、第2フィールドの原サンプル点を水平方向に内挿補間した後、水平方向に異なる位相で間引いたものであるのに対し、本実施形態は図10(a)に示されるように、第1、第2フィールドの原サンプル点間の内挿補間を行わず、原サンプル点そのものを異なる位相で水平方向に一つおきに間引いたものを1次探索用参照画面のサブサンプル点とした点が第2の実施形態と異なるだけである。
【0061】
従って、本実施形態においても第2の実施形態と同様の方法で動きベクトル検出を行うことにより、第2の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
次に、図11を用いて本発明の第4の実施形態に係る動きベクトル検出方法について説明する。本実施形態においては、図11(a)(b)に示すように原サンプル点とサブサンプル点を配置した2種類の1次探索用MV検出対象画面を用いる。図11(a)(b)では、一つのMV検出対象画面を構成する第1、第2フィールドの原サンプル点を水平方向に同一位相で間引いてサブサンプル点を得ている点は共通であるが、サブサンプル点の位相を水平方向に1画素分互いにずらせている。このように、一つのMV検出対象画面を異なる位相で水平方向にサブサンプルした2種類の1次探索用MV検出対象画面を用いる。
【0062】
本実施形態では、動きベクトルの1次探索において、探索演算量に余裕の少ないMV検出対象画面(符号化対象画面)、つまり参照画面数が複数のMV検出対象画面に対しては、第1〜第3の実施形態のいずれかで説明した動きベクトル検出方法により動きベクトル候補を検出する。
【0063】
一方、探索演算量に大きな余裕を生じるような、つまり参照画面数が1のMV検出対象画面に対しては、1次探索用MV検出対象画面を図11(a)(b)に示すように2種類の位相で水平方向にサブサンプルし、図1(a)、図6(a)および図10(a)のいずれかに示した1次探索用参照画面から2種類の1次探索用MV検出対象ブロックの第1、第2各フィールドに対するフィールド動きベクトル候補をそれぞれ検出し、それらの動きベクトル候補からMV検出対象ブロックの第1、第2フィールドに対するそれぞれのフィールド動きベクトル候補を決定する。
【0064】
この場合、図11(a)(b)のサブサンプル点の位相が1画素分異なっているため、上記のように第1、第2フィールドに対するフィールド動きベクトルを決定することによって、1次探索用参照画面の画像を記憶しておく画素数は従来と同じでありながら、1次探索で水平方向に1画素精度のフィールド動きベクトル候補を検出でき、動きベクトル検出誤りが従来よりも低減する。特に、参照画面として図1(a)または図6(a)のように水平方向に内挿補間した後、内挿点を水平方向に間引いて生成した参照画面を用いる場合に、動きベクトル検出誤りが低減する。
【0065】
(第5の実施形態)
次に、図12を用いて本発明に係る動きベクトル検出方法を動画像符号化装置に適用した実施形態を説明する。なお、ここでは第4の実施形態の動きベクトル検出方法を用いた例について説明するが、第1〜第3の実施形態の動きベクトル検出方法を適用することもできる。
【0066】
図12において、入力端子101には符号化対象の動画像信号が図13に示すように符号化対象ブロックは水平方向に並び、符号化対象ブロック内画素は垂直方向に並ぶように順次入力される。第1の内挿間引き部11は、この入力動画像信号が参照画面(前方予測の動き補償で符号化される画面=Pピクチャ)となる場合には、入力動画像信号の輝度信号を図6(a)に示したように水平方向に内挿補間した後、水平方向に異なる位相で1サンプルおきに間引くことにより、第1、第2のフィールドを異なる位相でサブサンプルして1次探索用参照画面を生成する。この1次探索用参照画面の画像信号は、内部画像メモリ13に記憶される。
【0067】
また、第1の内挿間引き部11は、入力動画像信号が参照画面とならない画像(両方向予測の動き補償で符号化される画像=Bピクチャ)の場合には、図6 (b)に示したように水平方向に内挿補間した後、水平方向に同一位相で1サンプルおきに間引くことにより、第1、第2フィールドを同一位相でサブサンプルして1次探索用MV検出対象画面を生成する。この1次探索用MV検出対象画面の画像信号は、内部画像メモリ13に記憶されることなく、1次探索用の前方予測のMV検出対象ブロックの画像信号として切換器14に供給される。
【0068】
さらに、入力動画像信号が参照画面とならない画像(両方向予測の動き補償で符号化される画像=Bピクチャ)の場合には、内部画像メモリ13に記憶された参照画面よりも以前に入力端子101から入力され、かつバッファメモリ15を介して外部メモリ16に記憶された後方予測のMV検出対象ブロックの画像信号がアドレス発生部18により読み出され、バッファメモリ19を介して第2の内挿間引き部12に供給される。
【0069】
第2の内挿間引き部12は、バッファメモリ19を介して入力される後方予測のMV検出対象ブロックの画像信号を図6(b)に示したように水平方向に内挿補間した後、水平方向に第1、第2のフィールドを同一位相でサブサンプルして1次探索用MV検出対象ブロックを生成する。この1次探索用MV検出対象ブロックの画像信号は、1次探索用の後方予測のMV検出対象ブロックの画像信号として切換器14に供給される。
【0070】
切換器14は、入力端子101からの入力動画像信号が参照画面となる画像の場合は、入力動画像信号を図11(a)(b)に示したように2種類に分けた1次探索用MV検出対象ブロックの画像信号を動きベクトル候補検出部17に供給し、入力動画像信号が参照画面とならない画像の場合は、第1、第2の内挿間引き部11,12から供給される1次探索用MV検出対象ブロックの画像信号を動きベクトル候補検出部17に供給する。
【0071】
また、アドレス生成部18は1画面前の同一画面位置に対して検出された動きベクトル候補を外部メモリ16から読み出してバッファメモリ19を介して取り込み、その動きベクトル候補に基づいて内部画像メモリ13に記憶された参照画面から参照領域を読み出して、動きベクトル候補検出部17に供給する。
【0072】
動きベクトル候補検出部17は、内部画像メモリ13から供給される1次探索用参照ブロックの画像信号から、それぞれの1次探索用MV検出対象ブロックの一方のフィールドに対する動きベクトル候補を検出する。さらに、動きベクトル候補検出部17は、一方のフィールド動きベクトル候補の検出結果をアドレス発生部18に供給する。これに基づいて、アドレス発生部18は図7に示したようにこの一方のフィールド動きベクトル候補の検出結果に基づいて、動きベクトル検出対象ブロックの他方のフィールドに対する参照ブロックの画像信号を内部画像メモリ13から読み出し、動きベクトル候補検出部17に供給する。
【0073】
アドレス発生部18は、このようにして1次探索部(動きベクトル候補検出部)17で検出されたそれぞれのMV検出対象ブロックの第1、第2各フィールドに対するフィールド動きベクトルの動きベクトル候補をフレーム動きベクトル候補として適切なフィールド動きベクトル候補を示す情報と共に、バッファメモリ15を介して外部メモリ16に1次記憶する。
【0074】
さらに、アドレス発生部18は1次探索部17で検出された符号化対象ブロックに対するフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を外部メモリ16から読み出してバッファメモリ19を介して取り込み、各動きベクトル候補に基づいて図16(a)や図9に示すような探索範囲に対応する参照ブロックの画像信号と符号化対象ブロックの画像信号を外部メモリ16から読み出し、バッファメモリ19を介して2次探索部(動き補償器)20に供給する。
【0075】
2次探索部(動き補償器)20は、バッファメモリ19を介して供給される符号化対象ブロックの画像信号に対して、同じくバッファメモリ19を介して供給される参照ブロックの画像信号から最適動きベクトルの基準動きベクトルとの差分(差分動きベクトル)と動き補償モードを検出し、アドレス発生部18に供給する。さらに、2次探索部(動き補償器)20は検出された動き補償モードに対応する予測信号を生成して局部再生部25に供給し、さらにその予測信号と符号化対象ブロックの各画素信号との差分(予測誤差データ)を生成し、離散コサイン変換器21に出力する。
【0076】
アドレス発生部18は、2次探索部20から供給される差分動きベクトルから最終的な最適動きベクトルを算出し、動き補償モード信号と共に可変長符号化器26に供給する。離散コサイン変換器21は、2次探索部20から供給される予測誤差データに対し2次元の離散コサイン変換処理を施してDCT係数データを生成し、量子化器22に供給する。量子化器22は、離散コサイン変換器21から供給されるDCT係数データに対して、各周波数成分に応じた量子化幅で除算処理して量子化処理を行い、逆量子化器23および可変長符号化器26に供給する。
【0077】
可変長符号化器26は、アドレス発生部18から供給される動き補償モードの情報や動きベクトルの情報と量子化器22から供給されるDCT係数データを可変長符号化して多重し、出力端子102から出力する。逆量子化器23は、量子化器22から供給されるDCT係数データに各周波数成分に応じた量子化幅を乗じて、元のダイナミックレンジのDCT係数に戻し、元のダイナミックレンジに戻されたDCT係数データを逆離散コサイン変換器24に供給する。逆離散コサイン変換器24は、逆量子化器23から供給されるDCT係数データに対して逆離散コサイン変換処理を施し、局部再生予測誤差データを生成する。
【0078】
局部再生部25は、符号化されている画面が後で符号化される画面の動き補償の参照画面となる場合に、逆離散コサイン変換器24から供給される局部再生予測誤差データと2次探索部20から供給される予測画素データとを加算して、局部再生画像信号を生成し、バッファメモリ15を介して外部メモリ16に一時記憶する。このとき、外部メモリ16上では参照されなくなった過去の参照画面の画像信号が記憶されていたアドレスに上書きされる。ここでは、1次探索用参照画面の画像信号を動画像符号化用LSI30の内部メモリ13に記憶しているため、動画像符号化用LSI30の外部メモリ16のデータアクセス速度を大幅に低減することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば1次探索における参照画面または動きベクトル検出対象画面のいずれか一方について水平方向のサブサンプル点の位相を2つのフィールドで異ならせることで、1次探索における動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドに対する動きベクトルの探索範囲を小さな動きに相当する探索部分で重複させ、動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドに対して検出される動きベクトル候補の中からフレーム動きベクトル候補を選択することで、1次探索でフレーム構成の動きベクトル検出対象ブロックに対する最適な動きベクトル候補は、動きが小さく解像度の高い画像では1画素精度となり、1次探索での誤検出が低減する。
【0080】
また、このようにすると2次探索で必要な探索点数が減少し、2次探索の動きベクトル検出演算量が低減する。
さらに、本発明では1次探索において探索演算量に余裕を生じる符号化対象画面、つまり1画面の符号化期間にわたり後方予測の動きベクトル検出が不要な符号化対象画面に対しては、動きベクトル検出対象画面を2種類の位相で水平方向にサブサンプルして、一つの動きベクトル検出対象ブロックに対して生成した2種類の1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに対してほぼ同一の探索範囲から動きベクトル候補を検出し、この2種類の1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに対する動きベクトル候補から、一つの動きベクトル検出対象ブロックの各フィールドに対する最適な動きベクトル候補を選択することにより、動きベクトル検出対象ブロックの各フィールドに対して検出される動きベクトル候補が1画素精度となり、動きの小さな画像でも所有する探索演算量を符号化効率の向上に有効利用できる。
しかも、1次探索用のサブサンプルされた参照画面の画素数が従来と同様であることから、参照画面の記憶容量の増加も不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図2】同実施形態における動きベクトルの1次探索範囲の設定例を示す図
【図3】同実施形態における2次探索用参照ブロックおよび2次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点を示す図
【図4】同実施形態におけるフレーム動きベクトルに換算した1次探索点と1次探索範囲を示す図
【図5】同実施形態における2次探索でのフレーム動きベクトルの探索点の設定例を示す図
【図6】本発明の第2の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図7】同実施形態における動きベクトルの1次探索範囲の設定例を示す図
【図8】同実施形態におけるフレーム動きベクトルに換算した1次探索点と1次探索範囲を示す図
【図9】同実施形態における2次探索でのフレーム動きベクトルの探索点の設定例を示す図
【図10】本発明の第3の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図11】本発明の第4の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図12】本発明の実施形態に係る動きベクトル検出方法を適用した動画像符号化装置の構成例を示すブロック図
【図13】図12の動画像符号化装置に入力される画像の画素入力形式の例を示す図
【図14】従来の動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図15】従来の動きベクトル検出方法における2次探索でのフィールド動きベクトルおよびフレーム動きベクトルの探索点の設定例を示す図
【符号の説明】
11…参照画面および前方予測MV検出対象ブロック用の内挿間引き部
12…後方予測MV検出対象ブロック用の内挿間引き部
13…1次探索用参照画面記憶用の内部画像メモリ
14…1次探索用MV検出対象ブロック切換器
17…1次探索部(動きベクトル候補探索部)
20…2次探索部(1/2画素精度動きベクトル検出および動き補償器)
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像信号の記録・通信・伝送および放送等のために用いられる動き補償予測符号化方式の動画像符号化装置に係り、特に符号化対象画面である動きベクトル検出対象画面の部分領域が符号化済みの参照画面のどの部分領域から動いてきたものかを表す動きベクトルを検出する動きベクトル検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像信号は情報量が膨大であるため、単にディジタル化して伝送や記録を行おうとすると、極めて広帯域の伝送路や、大容量の記録媒体を必要とする。そこで、テレビ電話、テレビ会議、CATVおよび画像ファイル装置等では、動画像信号を少ないデータ量に圧縮符号化する技術が用いられる。
【0003】
動画像信号の圧縮符号化技術の一つとして、動き補償予測符号化方式が知られている。この動き補償予測符号化では、符号化済みの画面を参照画面とし、符号化対象画面の部分領域に対して参照画面の最も相関の高い部分領域を検出することにより、符号化対象画面の部分領域(これを動きベクトル検出対象ブロックという)が参照画面の部分領域(これを参照ブロックという)のうちのどの参照ブロックから動いたものかを表す動きベクトルを求め、動きベクトル検出対象ブロックと動きベクトルにより示される参照ブロックとの差分である予測誤差信号を符号化する。
【0004】
一般に、動画像信号を得るための画面の走査方法としては、1ラインずつ順々に走査する順次走査(ノンインタレーススキャンニング)と、1ラインずつ間を空けて走査する飛び越し走査(インタレーススキャンニング)がある。1回の飛び越し走査によって得られる1ラインずつ間引かれた画面をフィールドと呼び、1回の順次走査または2回の飛び越し走査によって得られる完全な画面をフレームと呼ぶ。
【0005】
順次走査によって得られるノンインタレース画像のように、同一フレーム内のフィールド間では動きが存在しない場合には、フレーム構成によって検出した動きベクトル(フレーム動きベクトル)を用いる動き補償予測方法が有効となることが多い。これに対して、飛び越し走査によって得られるインタレース画像においては、通常、同一フレーム内であってもフィールド間に動きが存在するので、フィールド構成によって検出した動きベクトル(フィールド動きベクトル)を用いる動き補償予測方法が有効となる場合が多い。このフィールド動きベクトルを検出するには、一般に膨大な演算量を必要とする。
【0006】
“A Real-Time Motion Estimation and Compensation LSI with Wide Search Range for MPEG2 Video Encoding” IEEE J.Solid-State Circuits. vol.31,no.11, pp.1733 〜1741,NOV.1996)(文献1)や、A1.5W Single-Chip MPEG2 MP@ML Encoder with Low-Power Motion Estimation and Clocking(ISSCC’97/SESSION16/VIDEO AND MULTIMEDIA SIGNAL PROCESSING/PAPER FP 16.2)(文献2)には、フィールド動きベクトル検出のために動きベクトルを探索する際の演算量(探索演算量)を削減するために、動きベクトルの検出を1次探索、2次探索に分けて行う技術が開示されている。
【0007】
この従来のフィールド動きベクトル検出方法では、まず図14(a)(b)に示すように1次探索用参照画面と1次探索用MV(動きベクトル)検出対象画面の双方について、原サンプル点(原画像信号の画素サンプル点)を水平方向に平均内挿により内挿補間した後、内挿点を水平方向に間引くことにより、水平方向に2画素間隔のサブサンプル点からなる1次探索用参照ブロックと1次探索用MV検出対象ブロックを生成する。そして、1次探索用参照画面の広い範囲にわたり、水平方向に2画素精度の動きベクトル候補の探索を図15中に示す1次探索点について行う。
【0008】
次に、図15(a)(b)に示すようにサブサンプルしない原サンプルからなる2次探索用参照画面を用い、1次探索で得られた動きベクトル候補を2次探索の中心点として、この中心点の近傍の狭い探索範囲について1/2画素精度の動きベクトルの2次探索を行うことで、動きベクトル検出のための探索演算量を削減する。
【0009】
図15(a)は、フィールド構成のMV検出対象ブロック(第1または第2フィールドのサブサンプル点のみで構成されるMV検出対象ブロック)に対する動きベクトル(フィールド動きベクトル)の2次探索パターンであり、また図15(b)は、フレーム構成のMV検出対象ブロック(第1、第2両フィールドのサブサンプル点で構成されるMV検出対象ブロック)に対する動きベクトル(フレーム動きベクトル)の2次探索パターンである。このようにすると、1次探索でマッチングするブロックの構成サンプル数および探索点数がそれぞれ1/2になるため、探索演算量は約1/4に削減されることになる。
【0010】
この従来の動きベクトル検出方法では、図14に示したように1次探索用参照ブロック(図14(a))と1次探索用動きベクトル検出対象ブロック(図14(b))のサブサンプル点は、いずれも水平方向の位相が同じとなっている。このため、図15(b)に示すフレーム動きベクトルの2次探索においても、図15(a)に示すフィールド動きベクトルの2次探索と同様な探索点数(2次探索の中心点を基準として、水平方向に−1.0画素〜+1.0画素、垂直方向に−0.5画素〜+0.5画素の計15点)を必要とする。
【0011】
また、MPEG2(moving picture expart group phase 2) のように、符号化対象画面の種類(ピクチャタイプ)により参照画面数が1の場合と2の場合の二通り存在する方式においては、参照画面数が1のときは動きベクトルの1次探索演算量に余裕を生じるが、従来ではこの余裕の演算量を動きベクトル探索範囲の拡大に利用するしかなく、探索範囲が狭くて済む動きの小さな通常の画像では符号化効率の向上に有効利用できなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の探索演算量を削減した動きベクトル検出方法では、1次探索におけるフレーム動きベクトル候補の水平方向の検出精度が2画素精度となることから、1/2画素精度の2次探索を行う場合、フレーム動きベクトルについてもフィールド動きベクトルと同数の多くの探索点数を必要とするという問題点と、参照画面が1で1次探索演算量に余裕を生じる場合でも、その探索演算量の余裕分を符号化効率の向上に有効利用できないという問題点があった。
【0013】
本発明は、上述した従来の問題点を解消するためになされたもので、その主な目的は、1次探索結果として得られるフレーム動きベクトル候補の検出精度を動きの小さな部分では1画素精度とすることにより、1/2画素精度のフレーム動きベクトルの2次探索で必要な探索点数を削減できる動きベクトル検出方法および装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、1次探索演算量に余裕を生じる場合にその探索演算量の余裕分を符号化効率の向上に有効利用できる動きベクトル検出方法および装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明は1次探索用の参照画面および動きベクトル検出対象画面のいずれか一方について水平方向のサブサンプル点の位相を2つのフィールドで異ならせて動きベクトルの1次探索を行うことを骨子とする。
【0016】
すなわち、本発明に係る第1の動きベクトル検出方法では、第1および第2フィールドで構成される参照画面を第1フィールドと第2フィールドとで同一位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用参照画面を生成し、第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を第1フィールドと第2フィールドとで異なる位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用動きベクトル検出対象画面を生成する。
【0017】
また、本発明に係る第2の動きベクトル検出方法では、第1の動きベクトル検出方法とは1次探索用参照画面と1次探索用動きベクトル検出対象画面の関係を逆にし、第1および第2フィールドで構成される参照画面を第1フィールドと第2フィールドとで異なる位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用参照画面を生成し、第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を第1フィールドと第2フィールドとで同一位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用動きベクトル検出対象画面を生成する。
【0018】
そして、第1および第2の動きベクトル検出方法ともに1次探索において1次探索用参照画面の中から1次探索用動きベクトル検出対象画面の部分領域である1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに類似する部分領域である1次探索用参照ブロックを抽出して、該1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドの各々に対する該1次探索用参照ブロックの相対位置を示すフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を探索し、次いで2次探索において該動きベクトル候補を探索中心として2次探索を行うことにより最終的なフィールド動きベクトルおよびフレーム動きベクトルの検出を行う。
【0019】
このようにすると、1次探索において1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1、第2フィールドに対するそれぞれのフィールド動きベクトルの1次探索範囲は、動きの小さな領域で重複するので、この領域では第1、第2フィールドからなるフレーム構成の動きベクトル検出対象画面に対しては、1画素精度で1次探索が行われることになる。
【0020】
すなわち、2次探索においてフレーム構成の検出対象ブロックに対する最適な動きベクトル候補は、動きが小さく解像度の高い画像では1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1、第2フィールドに対する動きベクトル探索範囲の重複する領域(探索する動きベクトル候補点を互いに補完する領域)から検出されるため、1画素精度の動きベクトルとなる。
【0021】
従って、フレーム構成の動きベクトル検出対象ブロックに対する動きベクトルの2次探索においては、この1次探索結果により得られた動きベクトル候補の近傍の狭い範囲内の少ない探索点(水平・垂直方向共に−0.5〜+0.5画素までの9点)を探索することで十分となる。
【0022】
また、本発明は1次探索において探索演算量に余裕を生じる符号化画面(動きベクトル検出対象画面)に対しては、すなわち1画面にわたり後方予測の動きベクトル検出が不要な場合は、第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を水平方向に異なる位相でサブサンプルすることにより生成した2種類の1次探索用動きベクトル検出対象画面を用いて、フィールド動きベクトルの動きベクトル候補を検出することを特徴とする。
【0023】
このようにすると、一つの1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに対して2種類の1次探索用動きベクトル検出対象ブロックにより探索する動きベクトル候補点が互いに補完されるので、動きベクトル検出対象ブロックの各フィールドに対して検出される動きベクトル候補が1画素精度となり、動きの小さな画像でも所有する探索演算量を符号化効率の向上に有効利用できる。さらに、1次探索用のサブサンプルされた参照画面の画素数が従来と同様で良いことから、参照画面のための記憶容量の増加も不要となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る動きベクトル検出方法を1次探索、2次探索の順に説明する。
【0025】
[1次探索]
まず、本実施形態に係る動きベクトル検出方法における動きベクトル(フィールド動きベクトル)の1次探索について説明する。
1次探索においては、まず第1フィールド(例えば奇フィールド)と第2フィールド(例えば偶フィールド)で構成される1次探索用参照画面と1次探索用MV(動きベクトル)検出対象画面を生成する。図1(a)および(b)は、本実施形態における1次探索用参照画面および1次探索用MV検出対象画面の同一画面位置の部分領域(以下、1次探索用参照ブロックおよび1次探索用MV検出対象ブロックという)上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図である。
【0026】
1次探索用参照画面のサブサンプル点は、図1(a)に示されるように一つの参照画面を構成する第1フィールドと第2フィールドの原サンプル点の間を水平方向に内挿補間した後、内挿点を第1フィールドと第2フィールドとで水平方向に同一位相で一つおきに間引くことによって得られる。これに対し、1次探索用MV検出対象画面のサブサンプル点は、図1(b)に示されるように一つの1次探索用MV検出対象画面を構成する第1フィールドと第2フィールドの原サンプル点の間を第1フィールドと第2フィールドとで水平方向に異なる位相で一つおきに間引くことによって得られることが本実施形態の特徴である。
【0027】
そして、1次探索用参照画面の中から1次探索用MV検出対象ブロックに類似する1次探索用参照ブロックを抽出して、該1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドの各々に対する該1次探索用参照ブロックの相対位置を示すフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を探索する(1次探索)。以下、この1次探索動作を図2により説明する。
【0028】
図2は、図1(b)に示した1次探索用MV検出対象ブロックの第1、第2フィールドの左上のサブサンプル点Ca1,Cb1に対する1次探索用参照画面上の1次探索範囲の設定例である。
【0029】
動きベクトルの1次探索に際しては、まず図1(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第1フィールドの4つのサブサンプル点について、図1(b)の第1フィールド上のCa1が図2の点Acを探索中心とする探索範囲A内の第1、第2フィールドの各サブサンプル点のいずれかに位置する場合毎にマッチング誤差、つまり図1(b)の第1フィールドの4つのサブサンプル点の画素値とそれらに最も近い図2の探索範囲A内のサブサンプル点の画素値との差分の絶対値和を算出する。この場合、図2の探索範囲A内のサブサンプル点は28個であるので、合計28点のマッチング誤差が得られる。
【0030】
そして、これら28点のマッチング誤差の中でマッチング誤差が最小となる図2上のCa1に対応する位置Asを検出し、この位置AsとCa1の相対位置を図1(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第1フィールドについてのフィールド動きベクトル候補とする。
【0031】
次に、図1(b)の第2フィールド上のCb1に対する探索範囲を第1フィールド上のCa1に対するCb1の位置の差を考慮して、図2に示すように点Bcを探索中心とするBのように設定する。すなわち、探索中心Bcは図2上のCa1に対応する位置Asに対して、図1(b)におけるCa1に対するCb1の相対位置と同じ相対位置に設定する。
【0032】
次に、図1(b)の第2フィールドの4つのサブサンプル点で構成される第2フィールドの1次探索用MV検出対象ブロックについて、図1(b)の第2フィールド上のCb1が図2の探索範囲B内の第1、第2フィールドの各サブサンプル点に位置する場合毎にマッチング誤差、つまり図1(b)の第2フィールドの4つのサブサンプル点の画素値と、それらに最も近い図2の探索範囲B内のサブサンプル点の画素値との差分の絶対値和を算出する。この場合においても、図2の探索範囲B内のサブサンプル点は28個であるので、合計28点のマッチング誤差が得られる。
【0033】
そして、これらの28点のマッチング誤差の中でマッチング誤差が最小となる図2上のCb1に対応する位置Bs(図示せず)を検出し、この位置BsとCb1の相対位置を図1(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第2フィールドについてのフィールド動きベクトル候補とする。
【0034】
以上のようにして動きベクトルの1次探索、すなわち第1および第2フィールドについてのフィールド動きベクトルの動きベクトル候補の探索が行われる。
[2次探索]
次に、本実施形態に係る動きベクトル検出方法における動きベクトルの2次探索について説明する。
図3(a1)(a2)および(b)は、本実施形態における2次探索用参照画面および2次探索用MV検出対象画面の同一画面位置の部分領域(2次探索用参照ブロックおよび2次探索用MV検出対象ブロック)の原サンプル点を示す図である。図3(a1)は、フィールド動きベクトルの2次探索用参照画面の参照ブロックであり、第1フィールド(または第2フィールド)のみで構成される参照画面の原サンプル点の間を内挿補間することによって、水平方向および垂直方向に1画素間隔のサンプルを配置して構成される。図3(a2)は、フレーム動きベクトルの2次探索用参照画面の参照ブロックであり、第1、第2フィールドで構成される一つの参照画面の原サンプル点の間を内挿補間することによって、水平方向および垂直方向に1/2画素間隔のサンプルを配置して構成される。
【0035】
<フィールド動きベクトルの2次探索>
まず、図3(b)の第1、第2フィールドの各々の原サンプル点からなるフィールド構成の2次探索用MV検出対象ブロックに対する動きベクトル(フィールド動きベクトル)の2次探索においては、図3(a1)に示したフィールド動きベクトルの2次探索用参照画面を用い、図1(b)の第1、第2フィールド上の1次探索対象点Ca1,Cb1に対して1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsを図3(b)のCa3,Cb3に対するフレーム動きベクトル候補に換算して指定される位置を2次探索の中心点として、前述した従来の動きベクトル検出方法と同様に、図15(a)に示すように2次探索点を設定し、これらの2次探索点から第1、第2フィールドでそれぞれ構成されるフィールド構成の2次探索用MV検出対象ブロックとのマッチング誤差が最小となる位置を第1、第2フィールドのフィールド動きベクトルとして検出する。
【0036】
<フレーム動きベクトルの2次探索>
一方、図3(b)の第1、第2両フィールドの全ての原サンプル点からなるフレーム構成の2次探索用MV検出対象ブロックに対する動きベクトル(フレーム動きベクトル)の2次探索においては、図3(a2)に示した2次探索用参照画面を用いて、図1(b)のCa1に対して1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsの一方または両方を図3(b)のCa3,Cb3の一方または両方に対するフレーム動きベクトル候補に換算して指定される位置を2次探索の中心点として設定した2次探索点から、フレーム構成の2次探索用MV検出対象ブロックとのマッチング誤差が最小となる位置をフレーム動きベクトルとして検出する。
【0037】
次に、本実施形態による効果について述べる。
図4は、図1(b)の第1、第2フィールド上の探索対象点Ca1,Cb1に対する1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsを図3(b)のCa3,Cb3に対するフレーム動きベクトル候補に換算した1次探索点と1次探索範囲を示している。同図に示されるように、第1フィールドについてのフィールド動きベクトルの1次探索範囲と、第2フィールドについてのフィールド動きベクトルの1次探索範囲は、Ca2,Cb2に対する1次探索の探索中心点の近傍の領域(動きの小さな領域)Eで重複する。従って、重複した領域Eでは第1、第2フィールドからなるフレーム構成のMV検出対象画面については1画素精度で1次探索が行われ、これらの探索中心点から離れた領域(動きの大きな領域)D,Fでは、水平・垂直方向ともに2画素精度で1次探索が行われることになる。
【0038】
従来の動きベクトル検出方法では、動きの大きさに関係なく常に2画素精度で1次探索が行われていたが、本実施形態では上述のように動きの小さな領域については1画素精度の1次探索が行われる。すなわち、本実施形態によると1次探索において、小さな動きに対して従来よりも高精度に動きベクトル候補を検出することができる。
【0039】
また、図3(b)の16個の原サンプルからなる2次探索用MV検出対象ブロックに対するフレーム動きベクトルの2次探索では、高精度な探索が有効な動きの小さな場合に対応させ、図5(a)に示すように狭い範囲(水平・垂直方向とも2次探索の中心点から±0.5画素の9点)に設定した2次探索点から、2次探索用MV検出対象ブロックとの誤差が最小になる位置を検出することで十分である。
【0040】
このようにすると、動きの大きな場合においても図5(b)に示すように狭い範囲に設定した2次探索点からの探索で左右に3点ずつ探索点が不足する程度であり、視覚的にも符号化効率の点でも探索精度があまり影響しないことから問題を生じない。
【0041】
このように本実施形態によると、従来の動きベクトル検出方法よりも2次探索での探索演算量を減少させることができる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る動きベクトル検出方法を1次探索、2次探索の順に説明する。
【0042】
[1次探索]
本実施形態に係る動きベクトル検出方法における動きベクトルの1次探索について説明する。
【0043】
図6(a)および(b)は、本実施形態における1次探索用参照画面および1次探索用MV検出対象画面の同一画面位置の部分領域である1次探索用参照ブロックおよび1次探索用MV検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図である。同図に示されるように、本実施形態では1次探索用参照画面のサブサンプル点と1次探索用MV検出対象画面のサブサンプル点の関係が逆になっている。
【0044】
すなわち、本実施形態においては、1次探索用参照画面のサブサンプル点は図6(a)に示されるように、一つの1次探索用参照画面を構成する第1、第2フィールドの原サンプル点の間を水平方向に内挿補間した後、水平方向に異なる位相で一つおきに水平方向に間引くことによって得られる。一方、1次探索用MV検出対象画面のサブサンプル点は図6(b)に示されるように、一つのMV検出対象画面を構成する第1フィールドおよび第2フィールドの原サンプル点の間を水平方向に内挿補間した後、内挿点を水平方向に同一位相で一つおきに間引くことによって得られる。
【0045】
図7に、図1(b)に示した1次探索用MV検出対象ブロックの第1、第2フィールドの左上のサブサンプル点Ca2,Cb2(1次探索対象点)に対する動きベクトルの1次探索範囲の設定例を示す。
【0046】
動きベクトルの1次探索に際しては、まず図6(b)の第1フィールドの4つのサブサンプル点で構成される第1フィールドの1次探索用MV検出対象ブロックについて、図6(b)の第1フィールド上の1次探索対象点Ca2が図7の点Acを探索中心とする探索範囲A内の第1、第2フィールドの各サブサンプル点のいずれかに位置する場合毎にマッチング誤差、つまり図6(b)の第1フィールドの4つのサブサンプル点の画素値とそれらに最も近い図2の探索範囲A内のサブサンプル点の画素値との差分の絶対値和を算出する。この場合、図2の探索範囲A内のサブサンプル点は28個であるので、合計28点のマッチング誤差が得られる。
【0047】
そして、これら28点のマッチング誤差の中でマッチング誤差が最小となる図7上のCa2に対応する位置Asを検出し、この位置AsとCa2の相対位置を図6(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第1フィールドについてのフィールド動きベクトル候補とする。
【0048】
次に、図6(b)の第2フィールド上のCb2に対する探索範囲を第1フィールド上のCa2に対するCb2の位置の差を考慮して、図7に示すように点Bcを探索中心とするBのように設定する。すなわち、探索中心Bcは図7上のCa2に対応する位置Asに対して、図6(b)におけるCa2に対するCb2の相対位置と同じ相対位置に設定する。
【0049】
次に、図6(b)の第2フィールドの4つのサブサンプル点で構成される第2フィールドの1次探索用MV検出対象ブロックについて、図6(b)の第2フィールド上のCb2が図7の探索範囲B内の第1、第2フィールドの各サブサンプル点に位置する場合毎にマッチング誤差、つまり図6(b)の第2フィールドの4つのサブサンプル点の画素値と、それらに最も近い図7の探索範囲B内のサブサンプル点の画素値との差分の絶対値和を算出する。この場合においても、図2の探索範囲B内のサブサンプル点は28個であるので、合計28点のマッチング誤差が得られる。
【0050】
そして、これらの28点のマッチング誤差の中でマッチング誤差が最小となる図7上のCb2に対応する位置Bs(図示せず)を検出し、この位置BsとCb2の相対位置を図6(b)の1次探索用MV検出対象ブロックの第2フィールドについてのフィールド動きベクトル候補とする。
【0051】
以上のようにして動きベクトルの1次探索、すなわち第1および第2フィールドについてのフィールド動きベクトルの動きベクトル候補の探索が行われる。
[2次探索]
次に、本実施形態に係る動きベクトル検出方法における動きベクトルの2次探索について図3を用いて説明する。
<フィールド動きベクトルの2次探索>
まず、図3(b)の第1、第2フィールドの各々の原サンプル点からなるフィールド構成の2次探索用MV検出対象ブロックに対する動きベクトル(フィールド動きベクトル)の2次探索においては、図3(a1)に示したフィールド動きベクトルの2次探索用参照画面を用い、図6(b)の第1、第2フィールド上の1次探索対象点Ca2,Cb2に対して1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsを図3(b)のCa3,Cb3に対するフレーム動きベクトル候補に換算して指定される位置を2次探索の中心点として、前述した従来の動きベクトル検出方法と同様に、図15(a)に示すように2次探索点を設定し、これらの2次探索点から第1、第2フィールドでそれぞれ構成されるフィールド構成の2次探索用MV検出対象ブロックとのマッチング誤差が最小となる位置を第1、第2フィールドのフィールド動きベクトルとして検出する。
【0052】
<フレーム動きベクトルの2次探索>
一方、図3(b)の第1、第2両フィールドの全ての原サンプル点からなるフレーム構成の2次探索用MV検出対象ブロックに対する動きベクトル(フレーム動きベクトル)の2次探索においては、図3(a2)に示した2次探索用参照画面を用いて、図6(b)のCa2に対して1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsの一方または両方を図3(b)のCa3,Cb3の一方または両方に対するフレーム動きベクトル候補に換算して指定される位置を2次探索の中心点として設定した2次探索点から、フレーム構成の2次探索用MV検出対象ブロックとのマッチング誤差が最小となる位置をフレーム動きベクトルとして検出する。
する。
【0053】
本実施形態によっても、以下のように第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図8は、図6(b)の第1、第2フィールド上の探索対象点Ca2,Cb2に対する1次探索で得られたフィールド動きベクトル候補As,Bsを図3(b)のCa3,Cb3に対するフレーム動きベクトル候補に換算した1次探索点と1次探索範囲を示している。同図に示されるように、第1フィールドについてのフィールド動きベクトルの1次探索範囲と、第2フィールドについてのフィールド動きベクトルの1次探索範囲は、Ca2,Cb2に対する1次探索の探索中心点の近傍の領域(動きの小さな領域)Eで重複している。従って、この領域Eでは1画素精度の1次探索が行われ、これらの探索中心点から離れた領域(動きの大きな領域)D,Fでは、水平・垂直方向ともに2画素精度の1次探索が行われることになる。
【0054】
従来の動きベクトル検出方法では、動きの大きさに関係なく常に2画素精度で1次探索が行われていたが、本実施形態では上述のように動きの小さな領域については2画素精度の1次探索が行われる。すなわち、本実施形態によると1次探索において小さな動きに対して、従来よりも高精度に動きベクトル候補を検出することができる。
【0055】
また、図6(b)の16個の原サンプルからなる2次探索用MV検出対象ブロックに対するフレーム動きベクトルの2次探索では、高精度な探索が有効な動きの小さな場合に対応させ、図9(a)に示すように狭い範囲(水平・垂直方向とも2次探索の中心点から±0.5画素の9点)に設定した2次探索点から、2次探索用MV検出対象ブロックとの誤差が最小になる位置を検出することで十分である。
【0056】
このようにすると、動きの大きな場合においても図9(b)に示すように狭い範囲に設定した2次探索点からの探索で左右に1点ずつ探索点が不足する程度であり、視覚的にも符号化効率の点でも探索精度があまり影響しないことから、第1の実施形態よりもさら問題を生じない。
【0057】
このように本実施形態によると、従来の動きベクトル検出方法よりも2次探索の演算量を減少させることができ、さらに動きの大きな場合もより高精度で動きベクトルを検出することが可能となる。
【0058】
(第3の実施形態)
図10(a)(b)は、本発明の第3の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用MV検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図である。
【0059】
本実施形態においては、1次探索用参照画面のサブサンプル点は図10(a)に示されるように、一つの1次探索用参照画面を構成する第1、第2フィールドの原サンプル点を異なる位相で水平方向に一つおきに間引くことによって得られる。一方、1次探索用MV検出対象画面のサブサンプル点は図10(b)に示されるように、一つのMV検出対象画面を構成する第1、第2フィールドの原サンプル点を水平方向に内挿補間した後、水平方向に同一位相で一つおきに間引くことによって得られる。
【0060】
すなわち、第2の実施形態では図6(a)に示したように、1次探索用参照画面のサブサンプル点が第1、第2フィールドの原サンプル点を水平方向に内挿補間した後、水平方向に異なる位相で間引いたものであるのに対し、本実施形態は図10(a)に示されるように、第1、第2フィールドの原サンプル点間の内挿補間を行わず、原サンプル点そのものを異なる位相で水平方向に一つおきに間引いたものを1次探索用参照画面のサブサンプル点とした点が第2の実施形態と異なるだけである。
【0061】
従って、本実施形態においても第2の実施形態と同様の方法で動きベクトル検出を行うことにより、第2の実施形態と同様な効果を得ることができる。
(第4の実施形態)
次に、図11を用いて本発明の第4の実施形態に係る動きベクトル検出方法について説明する。本実施形態においては、図11(a)(b)に示すように原サンプル点とサブサンプル点を配置した2種類の1次探索用MV検出対象画面を用いる。図11(a)(b)では、一つのMV検出対象画面を構成する第1、第2フィールドの原サンプル点を水平方向に同一位相で間引いてサブサンプル点を得ている点は共通であるが、サブサンプル点の位相を水平方向に1画素分互いにずらせている。このように、一つのMV検出対象画面を異なる位相で水平方向にサブサンプルした2種類の1次探索用MV検出対象画面を用いる。
【0062】
本実施形態では、動きベクトルの1次探索において、探索演算量に余裕の少ないMV検出対象画面(符号化対象画面)、つまり参照画面数が複数のMV検出対象画面に対しては、第1〜第3の実施形態のいずれかで説明した動きベクトル検出方法により動きベクトル候補を検出する。
【0063】
一方、探索演算量に大きな余裕を生じるような、つまり参照画面数が1のMV検出対象画面に対しては、1次探索用MV検出対象画面を図11(a)(b)に示すように2種類の位相で水平方向にサブサンプルし、図1(a)、図6(a)および図10(a)のいずれかに示した1次探索用参照画面から2種類の1次探索用MV検出対象ブロックの第1、第2各フィールドに対するフィールド動きベクトル候補をそれぞれ検出し、それらの動きベクトル候補からMV検出対象ブロックの第1、第2フィールドに対するそれぞれのフィールド動きベクトル候補を決定する。
【0064】
この場合、図11(a)(b)のサブサンプル点の位相が1画素分異なっているため、上記のように第1、第2フィールドに対するフィールド動きベクトルを決定することによって、1次探索用参照画面の画像を記憶しておく画素数は従来と同じでありながら、1次探索で水平方向に1画素精度のフィールド動きベクトル候補を検出でき、動きベクトル検出誤りが従来よりも低減する。特に、参照画面として図1(a)または図6(a)のように水平方向に内挿補間した後、内挿点を水平方向に間引いて生成した参照画面を用いる場合に、動きベクトル検出誤りが低減する。
【0065】
(第5の実施形態)
次に、図12を用いて本発明に係る動きベクトル検出方法を動画像符号化装置に適用した実施形態を説明する。なお、ここでは第4の実施形態の動きベクトル検出方法を用いた例について説明するが、第1〜第3の実施形態の動きベクトル検出方法を適用することもできる。
【0066】
図12において、入力端子101には符号化対象の動画像信号が図13に示すように符号化対象ブロックは水平方向に並び、符号化対象ブロック内画素は垂直方向に並ぶように順次入力される。第1の内挿間引き部11は、この入力動画像信号が参照画面(前方予測の動き補償で符号化される画面=Pピクチャ)となる場合には、入力動画像信号の輝度信号を図6(a)に示したように水平方向に内挿補間した後、水平方向に異なる位相で1サンプルおきに間引くことにより、第1、第2のフィールドを異なる位相でサブサンプルして1次探索用参照画面を生成する。この1次探索用参照画面の画像信号は、内部画像メモリ13に記憶される。
【0067】
また、第1の内挿間引き部11は、入力動画像信号が参照画面とならない画像(両方向予測の動き補償で符号化される画像=Bピクチャ)の場合には、図6 (b)に示したように水平方向に内挿補間した後、水平方向に同一位相で1サンプルおきに間引くことにより、第1、第2フィールドを同一位相でサブサンプルして1次探索用MV検出対象画面を生成する。この1次探索用MV検出対象画面の画像信号は、内部画像メモリ13に記憶されることなく、1次探索用の前方予測のMV検出対象ブロックの画像信号として切換器14に供給される。
【0068】
さらに、入力動画像信号が参照画面とならない画像(両方向予測の動き補償で符号化される画像=Bピクチャ)の場合には、内部画像メモリ13に記憶された参照画面よりも以前に入力端子101から入力され、かつバッファメモリ15を介して外部メモリ16に記憶された後方予測のMV検出対象ブロックの画像信号がアドレス発生部18により読み出され、バッファメモリ19を介して第2の内挿間引き部12に供給される。
【0069】
第2の内挿間引き部12は、バッファメモリ19を介して入力される後方予測のMV検出対象ブロックの画像信号を図6(b)に示したように水平方向に内挿補間した後、水平方向に第1、第2のフィールドを同一位相でサブサンプルして1次探索用MV検出対象ブロックを生成する。この1次探索用MV検出対象ブロックの画像信号は、1次探索用の後方予測のMV検出対象ブロックの画像信号として切換器14に供給される。
【0070】
切換器14は、入力端子101からの入力動画像信号が参照画面となる画像の場合は、入力動画像信号を図11(a)(b)に示したように2種類に分けた1次探索用MV検出対象ブロックの画像信号を動きベクトル候補検出部17に供給し、入力動画像信号が参照画面とならない画像の場合は、第1、第2の内挿間引き部11,12から供給される1次探索用MV検出対象ブロックの画像信号を動きベクトル候補検出部17に供給する。
【0071】
また、アドレス生成部18は1画面前の同一画面位置に対して検出された動きベクトル候補を外部メモリ16から読み出してバッファメモリ19を介して取り込み、その動きベクトル候補に基づいて内部画像メモリ13に記憶された参照画面から参照領域を読み出して、動きベクトル候補検出部17に供給する。
【0072】
動きベクトル候補検出部17は、内部画像メモリ13から供給される1次探索用参照ブロックの画像信号から、それぞれの1次探索用MV検出対象ブロックの一方のフィールドに対する動きベクトル候補を検出する。さらに、動きベクトル候補検出部17は、一方のフィールド動きベクトル候補の検出結果をアドレス発生部18に供給する。これに基づいて、アドレス発生部18は図7に示したようにこの一方のフィールド動きベクトル候補の検出結果に基づいて、動きベクトル検出対象ブロックの他方のフィールドに対する参照ブロックの画像信号を内部画像メモリ13から読み出し、動きベクトル候補検出部17に供給する。
【0073】
アドレス発生部18は、このようにして1次探索部(動きベクトル候補検出部)17で検出されたそれぞれのMV検出対象ブロックの第1、第2各フィールドに対するフィールド動きベクトルの動きベクトル候補をフレーム動きベクトル候補として適切なフィールド動きベクトル候補を示す情報と共に、バッファメモリ15を介して外部メモリ16に1次記憶する。
【0074】
さらに、アドレス発生部18は1次探索部17で検出された符号化対象ブロックに対するフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を外部メモリ16から読み出してバッファメモリ19を介して取り込み、各動きベクトル候補に基づいて図16(a)や図9に示すような探索範囲に対応する参照ブロックの画像信号と符号化対象ブロックの画像信号を外部メモリ16から読み出し、バッファメモリ19を介して2次探索部(動き補償器)20に供給する。
【0075】
2次探索部(動き補償器)20は、バッファメモリ19を介して供給される符号化対象ブロックの画像信号に対して、同じくバッファメモリ19を介して供給される参照ブロックの画像信号から最適動きベクトルの基準動きベクトルとの差分(差分動きベクトル)と動き補償モードを検出し、アドレス発生部18に供給する。さらに、2次探索部(動き補償器)20は検出された動き補償モードに対応する予測信号を生成して局部再生部25に供給し、さらにその予測信号と符号化対象ブロックの各画素信号との差分(予測誤差データ)を生成し、離散コサイン変換器21に出力する。
【0076】
アドレス発生部18は、2次探索部20から供給される差分動きベクトルから最終的な最適動きベクトルを算出し、動き補償モード信号と共に可変長符号化器26に供給する。離散コサイン変換器21は、2次探索部20から供給される予測誤差データに対し2次元の離散コサイン変換処理を施してDCT係数データを生成し、量子化器22に供給する。量子化器22は、離散コサイン変換器21から供給されるDCT係数データに対して、各周波数成分に応じた量子化幅で除算処理して量子化処理を行い、逆量子化器23および可変長符号化器26に供給する。
【0077】
可変長符号化器26は、アドレス発生部18から供給される動き補償モードの情報や動きベクトルの情報と量子化器22から供給されるDCT係数データを可変長符号化して多重し、出力端子102から出力する。逆量子化器23は、量子化器22から供給されるDCT係数データに各周波数成分に応じた量子化幅を乗じて、元のダイナミックレンジのDCT係数に戻し、元のダイナミックレンジに戻されたDCT係数データを逆離散コサイン変換器24に供給する。逆離散コサイン変換器24は、逆量子化器23から供給されるDCT係数データに対して逆離散コサイン変換処理を施し、局部再生予測誤差データを生成する。
【0078】
局部再生部25は、符号化されている画面が後で符号化される画面の動き補償の参照画面となる場合に、逆離散コサイン変換器24から供給される局部再生予測誤差データと2次探索部20から供給される予測画素データとを加算して、局部再生画像信号を生成し、バッファメモリ15を介して外部メモリ16に一時記憶する。このとき、外部メモリ16上では参照されなくなった過去の参照画面の画像信号が記憶されていたアドレスに上書きされる。ここでは、1次探索用参照画面の画像信号を動画像符号化用LSI30の内部メモリ13に記憶しているため、動画像符号化用LSI30の外部メモリ16のデータアクセス速度を大幅に低減することができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば1次探索における参照画面または動きベクトル検出対象画面のいずれか一方について水平方向のサブサンプル点の位相を2つのフィールドで異ならせることで、1次探索における動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドに対する動きベクトルの探索範囲を小さな動きに相当する探索部分で重複させ、動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドに対して検出される動きベクトル候補の中からフレーム動きベクトル候補を選択することで、1次探索でフレーム構成の動きベクトル検出対象ブロックに対する最適な動きベクトル候補は、動きが小さく解像度の高い画像では1画素精度となり、1次探索での誤検出が低減する。
【0080】
また、このようにすると2次探索で必要な探索点数が減少し、2次探索の動きベクトル検出演算量が低減する。
さらに、本発明では1次探索において探索演算量に余裕を生じる符号化対象画面、つまり1画面の符号化期間にわたり後方予測の動きベクトル検出が不要な符号化対象画面に対しては、動きベクトル検出対象画面を2種類の位相で水平方向にサブサンプルして、一つの動きベクトル検出対象ブロックに対して生成した2種類の1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに対してほぼ同一の探索範囲から動きベクトル候補を検出し、この2種類の1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに対する動きベクトル候補から、一つの動きベクトル検出対象ブロックの各フィールドに対する最適な動きベクトル候補を選択することにより、動きベクトル検出対象ブロックの各フィールドに対して検出される動きベクトル候補が1画素精度となり、動きの小さな画像でも所有する探索演算量を符号化効率の向上に有効利用できる。
しかも、1次探索用のサブサンプルされた参照画面の画素数が従来と同様であることから、参照画面の記憶容量の増加も不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図2】同実施形態における動きベクトルの1次探索範囲の設定例を示す図
【図3】同実施形態における2次探索用参照ブロックおよび2次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点を示す図
【図4】同実施形態におけるフレーム動きベクトルに換算した1次探索点と1次探索範囲を示す図
【図5】同実施形態における2次探索でのフレーム動きベクトルの探索点の設定例を示す図
【図6】本発明の第2の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図7】同実施形態における動きベクトルの1次探索範囲の設定例を示す図
【図8】同実施形態におけるフレーム動きベクトルに換算した1次探索点と1次探索範囲を示す図
【図9】同実施形態における2次探索でのフレーム動きベクトルの探索点の設定例を示す図
【図10】本発明の第3の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図11】本発明の第4の実施形態に係る動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図12】本発明の実施形態に係る動きベクトル検出方法を適用した動画像符号化装置の構成例を示すブロック図
【図13】図12の動画像符号化装置に入力される画像の画素入力形式の例を示す図
【図14】従来の動きベクトル検出方法における1次探索用参照ブロックおよび1次探索用動きベクトル検出対象ブロック上の原サンプル点とサブサンプル点を示す図
【図15】従来の動きベクトル検出方法における2次探索でのフィールド動きベクトルおよびフレーム動きベクトルの探索点の設定例を示す図
【符号の説明】
11…参照画面および前方予測MV検出対象ブロック用の内挿間引き部
12…後方予測MV検出対象ブロック用の内挿間引き部
13…1次探索用参照画面記憶用の内部画像メモリ
14…1次探索用MV検出対象ブロック切換器
17…1次探索部(動きベクトル候補探索部)
20…2次探索部(1/2画素精度動きベクトル検出および動き補償器)
Claims (6)
- 第1および第2フィールドで構成される参照画面を第1フィールドと第2フィールドとで同一位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用参照画面を生成し、
第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を第1フィールドと第2フィールドとで異なる位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用動きベクトル検出対象画面を生成し、
前記1次探索用参照画面の中から、前記1次探索用動きベクトル検出対象画面の部分領域である1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに類似する部分領域である1次探索用参照ブロックを探索して、該1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドの各々に対する該1次探索用参照ブロックの相対位置を示すフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を検出し、
この動きベクトル候補を探索中心として2次探索を行うことにより最終的なフィールド動きベクトルおよびフレーム動きベクトルの検出を行うことを特徴とする動きベクトル検出方法。 - 第1および第2フィールドで構成される参照画面を第1フィールドと第2フィールドとで異なる位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用参照画面を生成し、
第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を第1フィールドと第2フィールドとで同一位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用動きベクトル検出対象画面を生成し、
前記1次探索用参照画面の中から、前記1次探索用動きベクトル検出対象画面の部分領域である1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに類似する部分領域である1次探索用参照ブロックを探索して、該1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドの各々に対する該1次探索用参照ブロックの相対位置を示すフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を検出し、
この動きベクトル候補を探索中心として2次探索を行うことにより最終的なフィールド動きベクトルおよびフレーム動きベクトルの検出を行うことを特徴とする動きベクトル検出方法。 - 1画面の符号化期間にわたり後方予測の動きベクトル検出が不要の場合は、第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を水平方向に異なる位相でサブサンプルすることにより生成した2種類の1次探索用動きベクトル検出対象画面を用いて、前記フィールド動きベクトルの動きベクトル候補を検出することを特徴とする請求項1または2記載の動きベクトル検出方法。
- 第1および第2フィールドで構成される参照画面を第1フィールドと第2フィールドとで同一位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用参照画面を生成する手段と、
第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を第1フィールドと第2フィールドとで異なる位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用動きベクトル検出対象画面を生成する手段と、
前記1次探索用参照画面の中から、前記1次探索用動きベクトル検出対象画面の部分領域である1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに類似する部分領域である1次探索用参照ブロックを探索して、該1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドの各々に対する該1次探索用参照ブロックの相対位置を示すフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を検出する1次探索手段と、
この1次探索手段により探索された動きベクトル候補を探索中心として2次探索を行うことにより最終的なフィールド動きベクトルおよびフレーム動きベクトルの検出を行う2次探索手段
とを有することを特徴とする動きベクトル検出装置。 - 第1および第2フィールドで構成される参照画面を第1フィールドと第2フィールドとで異なる位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用参照画面を生成する手段と、
第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を第1フィールドと第2フィールドとで同一位相で水平方向にサブサンプルすることにより1次探索用動きベクトル検出対象画面を生成する手段と、
前記1次探索用参照画面の中から、前記1次探索用動きベクトル検出対象画面の部分領域である1次探索用動きベクトル検出対象ブロックに類似する部分領域である1次探索用参照ブロックを探索して、該1次探索用動きベクトル検出対象ブロックの第1および第2フィールドの各々に対する該1次探索用参照ブロックの相対位置を示すフィールド動きベクトルの動きベクトル候補を検出する1次探索手段と、
この1次探索手段により探索された動きベクトル候補を探索中心として2次探索を行うことにより最終的なフィールド動きベクトルおよびフレーム動きベクトルの検出を行う2次探索手段
とを有することを特徴とする動きベクトル検出装置。 - 前記1次探索手段は、1画面の符号化期間にわたり後方予測の動きベクトル検出が不要の場合は、第1および第2フィールドで構成される動きベクトル検出対象画面を水平方向に異なる位相でサブサンプルすることにより生成した2種類の1次探索用動きベクトル検出対象画面を用いて、前記フィールド動きベクトルの動きベクトル候補を検出することを特徴とする請求項4または5記載の動きベクトル検出装置。
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