JP3813227B2 - 排水システムの防塵設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、河川から分岐して設けられたバイパス水路に設置した排水機場に有害な異物が侵入するのを防止するための、排水システムの防塵設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の排水システムにおいては、河川・水路等から分岐してバイパス水路を設け、このバイパス水路に設置した排水機場のポンプにより強制的に排水を行う。ここで、排水運転中に有害な異物をポンプが吸込むと、羽根車の閉塞や隙間への噛み込みなどを引き起こす恐れがあることから、ポンプ上流側で防塵を行う必要がある。このような排水システムの防塵に関する公知技術としては、例えば、以下のものがある。
特開平2−120430号公報
この公知技術は、主水路である自然排水路から分岐するバイパス水路入口にスクリーンを設けて排水時におけるポンプの防塵を行うものである。このとき、排水時にスクリーンに付着した異物は、自然排水時に自然排水路側に流されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公知技術には以下の課題が存在する。
すなわち、スクリーンで付着した異物は、排水運転が終了した後の自然排水時に自然排水路側に流すようになっており、排水運転中にはスクリーン内に順次溜まるようになっている。よって、排水運転が長時間にわたったり大規模な排水を行う場合には、排水運転中にスクリーンの流れ抵抗が大きくなったり閉塞したりする可能性がある。よって結局、排水運転中に適宜スクリーンから異物を取り除いて地上に引き上げる必要がある。
そして、一旦、地上に引き上げた異物を河川にもどすことは法規上許容されないので、ベルトコンベア・ホッパ等の設備により運搬・貯蔵され、最終的に産業廃棄物として処理される。すなわち、膨大な量の産業廃棄物を処理しなければならなくなるので、処理費用がかさみ、不経済である。
【0004】
本発明の第1の目的は、安価に防塵を行うことができる排水システムの防塵設備を提供することである。
【0005】
本発明の第2の目的は、スクリーンの異物を地上に上げることなく、安価に防塵を行うことができる排水システムの防塵設備を提供することである。
【0006】
本発明の第3の目的は、地上に引き上げる異物の量を低減することにより、安価に防塵を行うことができる排水システムの防塵設備を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、第1の発明は、主水路の下流部に設けられた主水路ゲートと、主水路から分岐して設けられ排水ポンプに接続された排水路と、この排水路の下流部に設けられた排水路ゲートとを備えた排水システムに設けられ;前記主水路から前記排水路が分岐する分岐部に設けられたスクリーンを有し;前記主水路から前記排水路への異物の流入を防止する排水システムの防塵設備において、前記スクリーンに付着した異物を水中にて掻き取り、前記主水路の下流側に流すスクリーン除塵機構を備え、前記スクリーン除塵機構は、前記スクリーンに付着した異物を掻き取るためのレーキと、このレーキを前記主水路の流れ方向に駆動させる駆動手段とを有し、前記スクリーンは、互いに上下方向の所定間隔をおいて略水平方向に配置された複数のバー部材と、これら複数のバー部材を保持する保持部材とを有しており、前記スクリーン除塵機構の駆動手段は、前記レーキを略水平方向に駆動させ、前記スクリーンの複数のバー部材のそれぞれは、流れ方向に向かって前縁のほうが後縁より低くなるように傾斜して配置されており、かつ、一のバー部材の前縁の高さは、該一のバー部材の下方に隣接するバー部材の後縁の高さ以下となるように配置されていることを特徴とする。
【0008】
また、第2の発明は、主水路の下流部に設けられた主水路ゲートと、主水路から分岐して設けられ排水ポンプに接続された排水路と、この排水路の下流部に設けられた排水路ゲートとを備えた排水システムに設けられ;前記主水路から前記排水路が分岐する分岐部に設けられたスクリーンを有し;前記主水路から前記排水路への異物の流入を防止する排水システムの防塵設備において、前記スクリーンに付着した異物を水中にて掻き取り、前記主水路の下流側に流すスクリーン除塵機構を備え、前記スクリーン除塵機構は、前記スクリーンに付着した異物を掻き取るためのレーキと、このレーキを前記主水路の流れ方向に駆動させる駆動手段とを有し、前記スクリーンは、互いに上下方向の所定間隔をおいて略水平方向に配置された複数のバー部材と、これら複数のバー部材を保持する保持部材とを有しており、前記スクリーン除塵機構の駆動手段は、前記レーキを略水平方向に駆動させ、前記スクリーンの複数のバー部材のそれぞれは、鉛直横断面が略への字型となるような屈曲形状を備えるとともに、流れ方向に対する前縁側及び後縁側が水平方向に対して傾斜するように配置されていることを特徴とする。
【0009】
更に、第3の発明は、第1の発明において、前記主水路の前記分岐部より下流側に設けられ、前記スクリーンから掻き取られ前記主水路の下流側に流された異物の逆流を防止するための、整流部材をさらに有することを特徴とする。
【0010】
また、第4の発明は、主水路の下流部に設けられた主水路ゲートと、主水路から分岐して設けられ排水ポンプを備えている排水路と、この排水路の下流部に設けられた排水路ゲートとを備えた排水システムに設けられ;前記主水路から前記排水路が分岐する分岐部に設けられたスクリーンを有し;前記主水路から前記排水路への異物の流入を防止する排水システムの防塵設備において、前記スクリーンは、互いに水平方向の所定間隔をおいて略上下方向に配置された複数のバー部材と、これら複数のバー部材を保持する保持部材とを有しており、かつ、前記複数のバー部材のそれぞれは、水平断面上において流れ方向に向かって所定の傾斜角をもつように配置されるとともに、水平断面上において一のバー部材の前縁の位置と該一のバー部材に隣接するバー部材の後縁の位置とが流れ方向において重畳するように配置されていることを特徴とする。
【0011】
更に、第5の発明は、主水路の下流部に設けられた主水路ゲートと、主水路から分岐して設けられ排水ポンプを備えている排水路と、この排水路の下流部に設けられた排水路ゲートとを備えた排水システムに設けられ;前記主水路から前記排水路が分岐する分岐部に設けられたスクリーンを有し;前記主水路から前記排水路への異物の流入を防止する排水システムの防塵設備において、前記スクリーンは、互いに水平方向の所定間隔をおいて略上下方向に配置された複数のバー部材と、これら複数のバー部材を保持する保持部材とを有しており、かつ、前記複数のバー部材のそれぞれは、水平横断面が略への字型となるような屈曲形状を備えるとともに、流れ方向に対する前縁側及び後縁側の水平横断面形状が流れ方向に対し傾斜するように配置されていることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明の第1の実施形態を図1〜図7により説明する。本実施形態は、河川から分岐するバイパス水路に排水機場を設けて排水を行う排水システムの防塵設備の実施形態である。
本実施形態の防塵設備が適用される排水システムを示す配置平面図を図1に示す。図1において、海7に流れ込む河川4が増水した時に対応できるように排水システムが設けられている。すなわち排水システムは、河川4下流部の海7との接続部に設けられたゲート2と、河川4から分岐して設けられたバイパス水路5と、バイパス水路の途中に設けられ排水ポンプを備えている排水機場1と、バイパス水路5下流部の海7との接続部に設けられたゲート3とを備えており、降雨時や洪水時にゲート2を閉じるとともにゲート3を開き、排水機場1に設置された排水ポンプで河川4の水を海7に強制的に排水することにより、河川4の流域の冠水被害を防止するものである。
【0026】
本実施形態による防塵設備は、上記排水システムに設けられ、河川4からバイパス水路5への異物の流入を防止し、排水機場1内のポンプの破損・不具合を防止するものである。すなわち本実施形態の防塵設備は、河川4からバイパス水路5が分岐する分岐部に設けられたメインスクリーン6及びサブスクリーン16L,Rと、これらのメインスクリーン6及びサブスクリーン16L,Rに付着した異物を水中で掻き取り、河川4の下流側に流す除塵機8とを備えている。
【0027】
メインスクリーン6、サブスクリーン16L,R、及び除塵機8付近の詳細構造を図2〜図4に示す。図2は、メインスクリーン6、サブスクリーン16L,R、及び除塵機8付近の構造を表す水平断面図であり、図3は、図2中A方向からみた矢視図であり、図4は、図3中レーキ11及びチェーン21を取り外した状態を示す図である。
図2に示すように、メインスクリーン6は、互いに上下方向の所定間隔をおいて略水平方向に配置された複数のバー部材9と、これら複数のバー部材9を保持するサポート10とから構成されている。またサブスクリーン16L,Rは、メインスクリーン6より若干前面に張り出すように、壁面31L,31Rに固定されており、それぞれ、互いに上下方向の所定間隔をおいて略水平方向に配置された複数のバー部材19L,Rによって構成されている。また、これらバー部材19L,Rは、先端付近がメインスクリーン6のバー部材9の左右端に近接して配置されている。
また、図2〜図4に示すように、除塵機8は、メインスクリーン6に付着する異物13を掻き取るための複数のレーキ11と、これら複数のレーキ11を連結するチェーン21と、チェーン21を介し各レーキ11を河川4の流れ方向に駆動するように回転する回転ドラム12を備えている。すなわち、2つの回転ドラム12,12のうちの一方が図示しないモータに接続されて図3中反時計方向に回転し(矢印参照)、これに応じてレーキ11が図4中の左側から右側へと移動する。このとき、図5に示すように、各レーキ11は、メインスクリーン6近傍を移動するときは、内周側がメインスクリーン6のバー部材9の表面をこすってバー部材9に付着した異物13を掻き取りながら移動し、またサブスクリーン16L,Rの近傍を移動するときは、外周側がサブスクリーン16L,Rのバー部材19に付着した異物13を掻き取りながら移動する。これにより、異物13が図3及び図4中の左側から右側へと運ばれ、図3及び図4の右側に示される回転ドラム12においてレーキ11が回り込むときにレーキ11から離れ、河川4の下流側へと流される。
【0028】
次に、上記のように構成した本実施形態の作用効果を以下に説明する。
まず、本実施形態の第1の比較例として、従来の排水システム及びその防塵設備の一例を示す配置平面図を図6に示す。図6は本実施形態の図1に対応する図であり、図1と同等の部材には同一の符号を付す。
図6において、図1に示した本実施形態の排水システムの防塵設備と異なる点は、メインスクリーン56及びサブスクリーン(図示せず)が河川4とバイパス水路5との分岐部でなく、バイパス水路5の途中に設けられていること;このメインスクリーン56が、特に図示しないが、互いに水平方向の所定間隔をおいて略鉛直方向に配置された複数のバー部材と、これら複数のバー部材を保持するサポートとから構成されており、サブスクリーンは互いに水平方向の所定間隔をおいて略鉛直方向に配置された複数のバー部材で構成されていること;メインスクリーン56に付着した異物を地上に引き上げる除塵機57が設けられていること;この除塵機57には、特に図示しないが、図3及び図4に示したレーキ11と異なり、鉛直方向に動作して河川4から地上に異物を掻き上げるレーキが設けられていることである。その他の構成は、図1に示した本実施形態の防塵設備の構成とほぼ同様である。
【0029】
上記比較例の構成において、通常時は、バイパス水路5下流部のゲート3が閉じられるとともに河川4下流部のゲート2が開かれ、このゲート2を介して自然排水が行われる。そして例えば降雨時等で河川4が増水したときには、ゲート2が閉じられると共にゲート3が開かれ、排水機場1の排水ポンプが運転されてゲート3を介し強制的に排水が行われる。これにより、河川4から水があふれて流域に冠水被害をもたらすのが未然に防止される。このとき、河川4からバイパス水路5へ流入してきた異物は、メインスクリーン6で引っかけられて排水機場1内への流入を阻止されるので、異物が排水ポンプ内へ侵入することがなく、ポンプの破損・不具合等の発生が防止される。
ここで、メインスクリーン6に付着した異物は、すべて除塵機57によって地上に引き上げられるが、一旦、地上に引き上げた異物を河川4にもどすことは法規上許容されないので、ベルトコンベア・ホッパ等の設備により運搬・貯蔵され、最終的に産業廃棄物として処理(例えば焼却)される。したがって、排水ポンプ運転の際には、膨大な量の産業廃棄物を処理しなければならなくなり、特にポンプが大型化すると処理費用がかさむことから、不経済であった。
【0030】
また、図6に示した第1の比較例の排水システム及び防塵設備のほか、特開平2−120430号公報に示されるように、自然排水路から分岐するバイパス水路入口にメインスクリーンを設けてポンプの防塵を行い、排水時にメインスクリーンに付着した異物を、自然排水時に自然排水路側に流す構成もある。この構成を河川の排水システムに適用した場合の構成を、第2の比較例として図7に示す。
図7に示す構成の場合、排水運転中にバイパス水路5へ異物が流入するのが阻止されるが、この際メインスクリーン6内に異物が順次溜まっていくことになる。よって、排水運転が長時間にわたったり大規模な排水を行う場合には、メインスクリーン6の流れ抵抗が大きくなったり閉塞したりする可能性がある。よって、結局、排水運転中に図示しない除去手段で適宜メインスクリーン6から異物を取り除き地上に引き上げる必要が生じ、第1の比較例同様、産業廃棄物としての処理費用がかさむこととなる。
【0031】
これらに対し、図1〜図4に示した本実施形態の防塵設備においては、排水ポンプ運転時に、河川4からバイパス水路5へと流入しようとする異物13は、分岐部に設けられたメインスクリーン6でひっかけられ付着して流入を阻止され、さらにこの付着した異物13は、除塵機8のレーキ11によって水中でメインスクリーン6から掻き取られ、河川4の下流側に順次流される。すなわち、掻き取られた異物13は、河川4のメインスクリーン6より下流側でかつゲート2より上流側に滞留する(図3参照)。そして、排水ポンプの運転が終了し、再度、バイパス水路5下流部のゲート3が閉じられるとともに河川4下流部のゲート2が開かれるときに、滞留していた異物13をゲート2を介し海7に排出する。
したがって、排水ポンプ運転時にも、異物13によってメインスクリーン6の流れ抵抗が大きくなってメインスクリーン前後に大きな水位差が発生したり、メインスクリーン6が閉塞したりすることがないので、上記2つの比較例のように適宜メインスクリーン6から異物13を取り除き地上に引き上げ産業廃棄物として処理する必要がない。したがって、安価に防塵を行うことができ、また防塵設備全体の簡素化を図ることができる。
【0032】
本発明の第2の実施形態を図8により説明する。本実施形態は、異物の逆流防止を図った実施形態である。第1の実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。
本実施形態の防塵設備及びこれが適用される排水システムを示す配置平面図を図8に示す。図8は第1の実施形態の図1に相当する図である。
図8において、第1の実施形態と異なる点は、河川4とバイパス水路5との分岐部より下流側に、メインスクリーン6から掻き取られ河川4の下流側に流された異物13の逆流を防止するための整流部材214を設けたことである。その他の点は、第1の実施形態とほぼ同様である。
【0033】
本実施形態によれば、防塵機8によって掻き流された異物13が、バイパス水路5を介して排水機場1へと向かう流れによって、再びメインスクリーン6に付着するのを防止する。よって、メインスクリーン6の流れ抵抗の増大や閉塞等をさらに確実に防止でき、除塵機8の除塵容量を小さく抑えることができるので、さらにコストダウン・簡素化を図れる。
【0034】
本発明の第3の実施形態を図9〜図12により説明する。本実施形態は、除塵機を省略するとともに、異なる構造のメインスクリーンを設けた実施形態である。第1及び第2の実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。
本実施形態の防塵設備を構成するメインスクリーン306及びこれが適用される排水システムを示す配置平面図を図9に、メインスクリーン306付近の構造を図9中のB方向からみた矢視図を図10に、メインスクリーン306の水平断面図を図11に示す。
図9〜図11において、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、除塵機8が除かれて防塵設備がメインスクリーン306のみにより構成されることと、メインスクリーン306のバー部材309のそれぞれは、水平断面上において流れ方向に向かって所定の傾斜角θをもつようにサポート310に取り付けられるとともに、水平断面上において1つのバー部材309の前縁309aの位置と隣接するバー部材309の後縁309bの位置とが流れ方向(図11中矢印方向)において長さl(l≧0)だけ重畳するように配置されていることとである。その他の構造は、第1の実施形態とほぼ同様である。
【0035】
本実施形態によれば、各バー部材309の前縁309aどうしの間隔(目幅)Lが、各バー部材309どうしの最小距離Loよりも大きくなる。よって、径が目幅Lより小さく長さが長い異物の通過を、通常の平行なメインスクリーン(例えば図2に示したメインスクリーン9と同様のもの)よりも防止・抑制できる。したがって、その分、バー部材309前縁309aどうしの目幅Lを大きくとることができるので、メインスクリーン309に付着する異物の量を減少できる。よってすなわち、地上に引き上げられる異物の量を減少でき、その分処理費用を低減し安価に防塵を行うことができる。
【0036】
なお、上記構成のバー部材の変形例として、図12に示すように、バー部材359のそれぞれが、水平横断面が略への字型となるような屈曲形状を備えるとともに、流れ方向(図12中矢印方向)に対する前縁側359A及び後縁側359Bの水平横断面形状が流れ方向に対して傾斜するように配置する構成もある。
この場合、径が目幅Lより小さく長さが長い異物の通過防止・抑制効果をさらに向上できるので、その分さらに目幅Lを大きくでき、処理費用をさらに低減することができる効果がある。
【0037】
本発明の第4の実施形態を図13〜図16により説明する。本実施形態も、第3の実施形態と同様、除塵機を省略するとともに、異なる構造のメインスクリーンを設けた実施形態である。第1〜第3の実施形態と同等の部材には同一の符号を付す。
本実施形態の防塵設備であるメインスクリーン406及びこれが適用される排水システムを示す配置平面図を図13に、メインスクリーン406付近の構造を図13中のC方向からみた矢視図を図14に、メインスクリーン406の鉛直側断面図を図15に示す。
図13〜図15において、本実施形態が第1の実施形態と異なる点は、除塵機8が除かれて防塵設備がメインスクリーン406のみにより構成されることと、メインスクリーン406のバー部材409のそれぞれは流れ方向に向かって前縁409aのほうが後縁409bよりも低くなるように所定の傾斜角θをもってサポート410に取り付けられるとともに、1つのバー部材409の前縁409aの高さが下方に隣接するバー部材409の後縁409bの高さ以下となるように配置されていることとである。その他の構造は、第1の実施形態とほぼ同様である。
【0038】
本実施形態によっても、第3の実施形態と同様の効果を得る。
なお、上記構成のバー部材の変形例として、図16に示すように、バー部材459のそれぞれが、鉛直横断面が略への字型となるような屈曲形状を備えるとともに、流れ方向に対する前縁側459A及び後縁側459Bが水平方向に対して傾斜するように配置される構成もある。この場合、径が目幅Lより小さく長さが長い異物の通過防止・抑制効果をさらに向上できるので、その分さらに目幅Lを大きくでき、処理費用をさらに低減することができる効果がある。
また、上記したメインスクリーン409及び459を、第1及び第2の実施形態の構成に適用することもできる。すなわち、メインスクリーン409(又は459)に付着した異物13を除塵機8で掻き取って河川4の下流側に流す構成としてもよい。これらの場合は、径が目幅Lより小さく長さが長い異物の通過防止・抑制効果によって、第1及び第2の実施形態に比し、メインスクリーン409(又は459)前縁409a(又は前縁側459A)における目づまりや閉塞を確実に防止できる効果がある。
【0039】
また、上記第1〜第4の実施形態においては、いずれも、河川4が海7に流れ込む場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、河川4が海でなく大河川に合流する場合や、あるいは、河川でなく水路4がさらなる大水路7に合流する場合等であっても適用することができ、これらの場合も同様の効果を得る。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、排水ポンプ運転時にも、異物によってスクリーンの流れ抵抗が大きくなってスクリーン前後に大きな水位差が発生したり、スクリーンが閉塞したりすることがないので、従来のように適宜スクリーンから異物を取り除き地上に引き上げる必要がない。したがって、安価に防塵を行うことができ、また防塵設備全体の簡素化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による防塵設備が適用される排水システムを示す配置平面図である。
【図2】図1に示されたスクリーン、サブスクリーン、及び除塵機付近の構造を表す水平断面図である。
【図3】図2中A方向からみた矢視図である。
【図4】図3中レーキを取り外した状態を示す図である。
【図5】図3に示したレーキの、スクリーン及びサブスクリーンとの配置関係を表す斜視図である。
【図6】本発明の第1の実施形態の第1の比較例による、排水システム及びその防塵設備の一例を示す配置平面図である。
【図7】本発明の第1の実施形態の第2の比較例による、排水システム及びその防塵設備の一例を示す配置平面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態による防塵設備及びこれが適用される排水システムを示す配置平面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態による防塵設備及びこれが適用される排水システムを示す配置平面図である。
【図10】図9に示されたスクリーン付近の構造をB方向からみた矢視図である。
【図11】図9に示されたスクリーンの水平断面図である。
【図12】バー部材の構成に関する変形例を表す水平断面図である。
【図13】本発明の第4の実施形態のスクリーン及びこれが適用される排水システムを示す配置平面図である。
【図14】図13に示されたスクリーン付近の構造をC方向からみた矢視図である。
【図15】図14に示されたスクリーンの鉛直側断面図である。
【図16】バー部材の構成に関する変形例を表す水平断面図である。
【符号の説明】
1 排水機場
2 ゲート(主水路ゲート)
3 ゲート(排水路ゲート)
4 河川(主水路)
5 バイパス水路(排水路)
6 メインスクリーン
7 海
8 除塵機(スクリーン除塵機構)
9 バー部材
10 サポート(保持部材)
11 レーキ
12 回転ドラム(駆動手段)
13 異物
16L,R サブスクリーン
19L,R バー部材
21 チェーン
31L,R 壁面
56 メインスクリーン
57 除塵機
214 整流用部材
306 スクリーン
309 バー部材
309a 前縁
309b 後縁
310 サポート(保持部材)
359 バー部材
359A 前縁側
359B 後縁側
406 スクリーン
409 バー部材
409a 前縁
409b 後縁
410 サポート(保持部材)
459 バー部材
459A 前縁側
459B 後縁側
L 目幅
Lo バー部材どうしの最小距離
θ 傾斜角
Claims (5)
- 主水路の下流部に設けられた主水路ゲートと、主水路から分岐して設けられ排水ポンプに接続された排水路と、この排水路の下流部に設けられた排水路ゲートとを備えた排水システムに設けられ;前記主水路から前記排水路が分岐する分岐部に設けられたスクリーンを有し;前記主水路から前記排水路への異物の流入を防止する排水システムの防塵設備において、前記スクリーンに付着した異物を水中にて掻き取り、前記主水路の下流側に流すスクリーン除塵機構を備え、前記スクリーン除塵機構は、前記スクリーンに付着した異物を掻き取るためのレーキと、このレーキを前記主水路の流れ方向に駆動させる駆動手段とを有し、前記スクリーンは、互いに上下方向の所定間隔をおいて略水平方向に配置された複数のバー部材と、これら複数のバー部材を保持する保持部材とを有しており、前記スクリーン除塵機構の駆動手段は、前記レーキを略水平方向に駆動させ、前記スクリーンの複数のバー部材のそれぞれは、流れ方向に向かって前縁のほうが後縁より低くなるように傾斜して配置されており、かつ、一のバー部材の前縁の高さは、該一のバー部材の下方に隣接するバー部材の後縁の高さ以下となるように配置されていることを特徴とする排水システムの防塵設備。
- 主水路の下流部に設けられた主水路ゲートと、主水路から分岐して設けられ排水ポンプに接続された排水路と、この排水路の下流部に設けられた排水路ゲートとを備えた排水システムに設けられ;前記主水路から前記排水路が分岐する分岐部に設けられたスクリーンを有し;前記主水路から前記排水路への異物の流入を防止する排水システムの防塵設備において、前記スクリーンに付着した異物を水中にて掻き取り、前記主水路の下流側に流すスクリーン除塵機構を備え、前記スクリーン除塵機構は、前記スクリーンに付着した異物を掻き取るためのレーキと、このレーキを前記主水路の流れ方向に駆動させる駆動手段とを有し、前記スクリーンは、互いに上下方向の所定間隔をおいて略水平方向に配置された複数のバー部材と、これら複数のバー部材を保持する保持部材とを有しており、前記スクリーン除塵機構の駆動手段は、前記レーキを略水平方向に駆動させ、前記スクリーンの複数のバー部材のそれぞれは、鉛直横断面が略への字型となるような屈曲形状を備えるとともに、流れ方向に対する前縁側及び後縁側が水平方向に対して傾斜するように配置されていることを特徴とする排水システムの防塵設備。
- 請求項1記載の排水システムの防塵設備において、前記主水路の前記分岐部より下流側に設けられ、前記スクリーンから掻き取られ前記主水路の下流側に流された異物の逆流を防止するための、整流部材をさらに有することを特徴とする排水システムの防塵設備。
- 主水路の下流部に設けられた主水路ゲートと、主水路から分岐して設けられ排水ポンプを備えている排水路と、この排水路の下流部に設けられた排水路ゲートとを備えた排水システムに設けられ;前記主水路から前記排水路が分岐する分岐部に設けられたスクリーンを有し;前記主水路から前記排水路への異物の流入を防止する排水システムの防塵設備において、前記スクリーンは、互いに水平方向の所定間隔をおいて略上下方向に配置された複数のバー部材と、これら複数のバー部材を保持する保持部材とを有しており、かつ、前記複数のバー部材のそれぞれは、水平断面上において流れ方向に向かって所定の傾斜角をもつように配置されるとともに、水平断面上において一のバー部材の前縁の位置と該一のバー部材に隣接するバー部材の後縁の位置とが流れ方向において重畳するように配置されていることを特徴とする排水システムの防塵設備。
- 主水路の下流部に設けられた主水路ゲートと、主水路から分岐して設けられ排水ポンプを備えている排水路と、この排水路の下流部に設けられた排水路ゲートとを備えた排水システムに設けられ;前記主水路から前記排水路が分岐する分岐部に設けられたスクリーンを有し;前記主水路から前記排水路への異物の流入を防止する排水システムの防塵設備において、前記スクリーンは、互いに水平方向の所定間隔をおいて略上下方向に配置された複数のバー部材と、これら複数のバー部材を保持する保持部材とを有しており、かつ、前記複数のバー部材のそれぞれは、水平横断面が略への字型となるような屈曲形状を備えるとともに、流れ方向に対する前縁側及び後縁側の水平横断面形状が流れ方向に対し傾斜するように配置されていることを特徴とする排水システムの防塵設備。
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