JP3812564B2 - ポリエステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリエステルの製造方法に関する。さらに詳しくは、安定した減圧反応を実現することができ、安定した品質のポリエステルを製造することができる方法に関する。
ポリエステルは成形加工の容易さ、機械的物性、耐熱性、耐薬品性、保香性、その他の物理的、化学的特性に優れていることから、繊維、成形部品、フィルム等様々な分野で用いられている。
中でもテレフタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分からなるポリブチレンテレフタレートは、金属材料を代替可能な機械的物性と耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックスの1つとして、自動車部品、電気・電子部品、精密機器部品、等の射出成型品に広く用いられており、近年その優れた性質を生かしてフィルム、シート、モノフィラメント、繊維などの分野でも広く使用されるようになってきた。
ポリエステルは、一般的にジカルボン酸またはそのエステル誘導体とジオールとのエステル化反応、またはエステル交換反応をさせた後、通常10kPa以下の減圧下、生成する水、ジオール等の低分子量物を系外に除去しながら、重縮合反応を行い製造する。
この時、重縮合反応槽を減圧にするために脱気装置が必要であり、例えば、液封ポンプ、油回転ポンプ、ルーツポンプ、スチームエゼクタ、等、種々の形態のものが知られており、これらを複数組み合わせて、性能の最大化を図る方法も多数実施されている。
中でもスチームエゼクタとエゼクタ下流部に設置されたコンデンサ、及び該コンデンサと大気脚を介して接続されたホットウェルタンクの組み合わせは、装置が単純で、トラブルを起こしやすい機械的駆動部がなく、所望の高真空が得られるため、広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、水蒸気を利用するスチームエゼクタでは、吸引ガス中に含まれる有機成分等が該コンデンサで捕集され、ホットウェルタンクの封水中に凝縮し、ひいては廃水のCOD上昇を招き、環境へ対する負荷が上昇するという問題があった。
この問題を解決するために、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルでは水蒸気の代わりに、原料のジオール(ポリエチレンテレフタレートの場合にはエチレングリコール)の蒸気を用いるエゼクタとエゼクタ下流部に設置されたコンデンサ、及び該コンデンサと大気脚を介して接続されたホットウェルタンクの組み合わせを用いる方法も知られている。この方法を用いれば、吸引ガス中に含まれる有機成分を、コンデンサの封液であるジオール中に凝縮させることが可能で、この液を原料としてリサイクルすることで、外部にCODの高い廃液を出すことなくポリエステルを製造することができる(例えば、非特許文献1参照)。
また、高真空を得たい場合や、圧力条件が異なる多段の反応槽を用いてポリエステルの重縮合反応を行いたい場合には、性能の異なるエゼクタを複数組み合わせることもできる。この場合、封液の原料等へリサイクルの容易さ、装置の単純さ等から、これらのエゼクタ下流部に設置されたコンデンサの大気脚はまとめられ、1つのホットウェルタンクに挿入される。
この方法は、重縮合反応槽からの低沸点物質の留出量が少なく、エゼクタの駆動蒸気を発生させる際に低沸点物質の生成が少ないポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートの製造におけるエチレングリコール蒸気エゼクタの場合には、過大な脱気設備を必要とせず、有機物を含む廃水を低減できるという意味で適した方法である。
一方、エゼクタの駆動蒸気として1,4−ブタンジオールを使用する場合には、エゼク
タ蒸気発生の熱履歴によってテトラヒドロフラン(THF)やH2Oが発生し、複数ある
性能の異なるエゼクタ下流部に設置されたコンデンサにおいては、それぞれの圧力に応じた気液分配が起こり、圧力の高いコンデンサで凝縮したTHFやH2O等が、ホットウェ
ルタンクを介して圧力の低いコンデンサのTHF、H2O等の蒸気圧を上昇させ、ついに
は圧力の低いコンデンサを使用しているエゼクタの臨界背圧を越え、所定の圧力が得られなくなってしまうという問題があった。
また、原料へのリサイクルの観点から、多くの場合、1,4−ブタンジオールをモノマ
ー成分の1つとして用いるポリエステルを製造する場合に、1,4−ブタンジオールを駆
動蒸気として用いるエゼクタが使用されるが、この場合、重縮合反応槽から生成するTHFや水等の低沸点成分もまた、上記同様、コンデンサのホットウェルタンクの封液の蒸気圧を上昇させ、ついにはエゼクタの臨界背圧を越えて、所定の圧力が得られなくなってしまうという問題があった。
特開昭57−135828号公報 インターネット http://www.koerting.de/S/prd/en/02/06/01.html
本発明は、安定した減圧状態を実現し、ひいては安定した品質のポリエステルを製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、1,4−ブタンジオー
ル蒸気で駆動するエゼクタからの排出ガスを凝縮させるコンデンサとホットウェルタンクの数を特定数とすることで、安定した減圧状態を実現し、品質の安定したポリエステルが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、(a)エゼクタと(b)エゼクタ下流部に設置されたコンデンサと(c)該コンデンサと大気脚を介して接続されたホットウェルタンクとが2組以上備えられた重縮合反応槽を少なくとも1つ有する重縮合装置を用い、1,4−ブタンジオール成分を主とする蒸気でエゼクタを駆動させ、エゼクタから排出する1,4−ブタンジオールを主とする蒸気をエゼクタ下流部に設置されたコンデンサで凝縮させて、重縮合反応槽を減圧状態として重縮合反応を行う工程を有するポリエステルの製造方法であって上記従来技術の欠点を解決するものである。
本発明により、安定した品質のポリエステルを製造する方法および、環境負荷を大幅に低減したポリエステルの製造方法を提供することができる。
以下、本発明につき詳細に説明する。
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸単位とジオール単位がエステル結合し
た構造を有する高分子であり、ジカルボン酸の具体例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4'−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4'−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4'−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸などの脂肪族ジカルボン酸などを挙げることができ、機械的物性や用途の広さ、原料の入手容易さ等の観点からは、芳香族ジカルボン酸の中では、テレフタル酸、イソフタル酸、脂肪族ジカルボン酸の中ではコハク酸、アジピン酸が好ましい。
これらジカルボン酸成分は、ジカルボン酸として、またはジカルボン酸のアルキルエステル、好ましくはジアルキルエステルとして反応に供与することができ、ジカルボン酸とジカルボン酸アルキルエステルの混合物としてもよい。ジカルボン酸アルキルエステルのアルキル基に特に制限はないが、アルキル基が長いとエステル交換反応時に生成するアルキルアルコールの沸点の上昇を招き反応液中から揮発せず、結果的に末端停止剤として働き重合を阻害するため、炭素数4以下のアルキル基が好ましく、中でもメチル基が好適である。
ジオール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ポリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリテトラメチレングリコール、ジブチレン
グリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオールなどの脂肪族ジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,1−シクロヘキサンジメチロール、1,4−シク
ロヘキサンジメチロールなどの脂環式ジオール、キシリレングリコール、4,4'−ジヒドロキシビフェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどの芳香族ジオールなどを挙げることができ、中でもジオール単
位の内、50モル%以上が1,4−ブタンジオールであるポリエステルにおいて本発明の
改良効果が著しい。
本発明においては、さらに、乳酸、グリコール酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸、p−β−ヒドロキシエトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ステアリン酸、安息香酸、t−ブチル安息香酸、ベンゾイル安息香酸などの単官能成分、トリカルバリル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、没食子酸、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトールなどの三官能以上の多官能成分などを共重合成分として用いることができる。
中でも、ジカルボン酸単位の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上がテレフタル酸単位からなり、ジオール単位の70モル%以上、好ましくは80モル%以上、特に好ましくは95モル%以上が1,4−ブタンジオール単位か
ら成るポリブチレンテレフタレートにおいては、反応中のTHF発生量が多いため本発明における改良効果が大きい。
以下、本発明のポリエステルの製造方法を、ポリブチレンテレフタレートを例として示す。
ポリブチレンテレフタレートの製造方法は大きく分けてテレフタル酸を主原料として用
いるいわゆる直接重合法と、テレフタル酸ジアルキルエステル、好ましくはテレフタル酸ジメチルを主原料として用いるエステル交換法がある。前者は初期のエステル化反応で主に水が生成し、後者は初期のエステル交換反応で主にアルコールが生成するという違いがあるが、反応留出物の処理の容易さ、原料原単位の高さ、本発明による改良効果という観点からは直接重合法が好ましい。また、品質の安定化、エネルギー効率の観点からは、原料を連続的に供給し、連続的にポリブチレンテレフタレートを得るいわゆる連続法が好ましい。
直接重合法の一例としては、テレフタル酸を主成分とする前記ジカルボン酸成分と1,4−ブタンジオールを主成分とする前記ジオール成分とを、1段または多段のエステル化反応槽内で、好ましくはエステル化反応触媒の存在下に、通常180〜260℃、好ましくは200〜245℃、特に好ましくは210〜235℃の温度、また、通常10〜133kPa、好ましくは13〜101kPa、特に好ましくは60〜90kPaの圧力下で、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間で行う。反応は回分法でも連続法でも構わないが、特には連続法が好ましい。
一方、エステル交換法の一例としては、、テレフタル酸のジアルキルエステルを主成分とする前記ジカルボン酸エステル成分と1,4−ブタンジオールを主成分とする前記ジオール成分とを、1段または多段のエステル交換反応槽内で、好ましくはエステル化交換触媒の存在下に、通常110〜260℃、好ましくは140〜245℃、特に好ましくは180〜220℃の温度、また、通常10〜133kPa、好ましくは13〜120kPa、特に好ましくは60〜101kPaの圧力下で、0.5〜5時間、好ましくは1〜3時間で行う。反応は回分法でも連続法でも構わないが、特には連続法が好ましい。
上記直接重合法、エステル交換法何れの場合も、初期のエステル化反応、エステル交換反応においては、1,4−ブタンジオール、THF、水、アルコール等の留出量が多いた
め、特開昭62−195017号公報等に開示されているように、留出物から低沸点物質と高沸点物質に分離する蒸留塔を設けることが好ましい。
次に、得られたエステル化反応生成物またはエステル交換反応生成物としてのオリゴマーは、重縮合反応装置に移される。このときのオリゴマーの数平均分子量は通常300〜3000であり、好ましくは500〜1500である。重縮合反応装置においては、1段または多段の重縮合反応槽を使用し、重縮合反応触媒の存在下に、通常210〜280℃、好ましくは220〜265℃の温度、特に好ましくは230〜245℃の温度で、攪拌下に1〜12時間、好ましくは3〜10時間で、通常27kPa以下、好ましくは20kPa以下、特に好ましくは13kPa以下の減圧状態で、重縮合反応させる。反応は回分法でも連続法でも構わないが、特には連続法が好ましい。
本発明の製造方法では、重縮合反応槽内を減圧にするために用いられる脱気装置として1,4−ブタンジオール成分を主とする蒸気でエゼクタを駆動させ、エゼクタから排出す
る1,4−ブタンジオールを主とする蒸気をエゼクタ下流部に設置されたコンデンサで凝
縮させて、重縮合反応槽を減圧にする装置を備えた重縮合反応装置を使用する。
そして、本発明に用いられる重縮合反応装置は、(a)エゼクタと(b)エゼクタ下流部に設置されたコンデンサと(c)該コンデンサと大気脚を介して接続されたホットウエルタンクとが2組以上備えられた重縮合反応槽を少なくとも1つ有している。
なお、本発明において、エゼクタ下流部に設置されたコンデンサとは、重縮合反応槽から最も近いエゼクタの下流部に位置するコンデンサ全てを含む。
本発明に用いられる重縮合反応装置は、前記条件を満足すればいかなる設備構成でもよく、全体として(a)、(b)、(c)の各合計数が異なっていても良い。
好ましくは、重縮合反応装置が、(a)エゼクタと(b)エゼクタ下流部に設置されたコンデンサとが2組以上備えられた重縮合反応装置を少なくとも2つ有するものである。従って、重縮合装置全体としてはエゼクタ(a)が4個以上、コンデンサ(b)が4個以上、ホットウエルタンクが2個以上となるものである。
本発明に用いられる重縮合反応装置において、重縮合反応槽は、1段であっても多段であっても良いが、好ましくは2〜5段であり、更に好ましくは2〜3段である。重縮合反応槽には、エゼクタ下流部のコンデンサとは別に、重縮合反応槽で発生したガスを凝縮または吸収するために、重縮合反応槽とエゼクタの間(エゼクタ上流部)にコンデンサを設けることが好ましく、サーフェィスタイプ、ダイレクトコンタクトタイプ等公知のものが挙げられるが、中でも、熱交換効率が良く、昇華物等による閉塞が起こりにくいダイレクトコンタクトタイプが好適である。この重縮合反応槽に付属するエゼクタ上流部のコンデンサは複数設けることもでき、温度の違う、好ましくは、下流に行くほど設定温度を低くした、複数のコンデンサを直列に設けることで、エゼクタへの抽気負荷を低減させることもできる。
以下にいくつかの好ましい実施態様について説明するが、以下、コンデンサとは特に断りのない限りエゼクタ下流部のコンデンサを意味する。
(重縮合反応槽が一段の場合の実施態様)
エゼクタが2個の場合には、各々のエゼクタについてコンデンサが1個以上備えられており、エゼクタが3個以上の場合には、少なくとも2個のエゼクタについてコンデンサが備えられている。
コンデンサには、大気脚を介してホットウエルタンクが備えられており、このホットウエルタンクは合計数で2以上である。従って、コンデンサが2個の場合にはホットウエルタンクは2個であり、2個のコンデンサの大気脚は別々のホットウエルタンクに接続される。また、コンデンサが3個以上の場合には、通常ホットウエルタンクの数は2個からコンデンサの個数以下の範囲であり、ホットウエルタンクの数がコンデンサの数より少ない場合には、コンデンサの大気脚のうち、いくつかは同じホットウエルタンクに接続される。
エゼクタの配置は重縮合反応槽に対して直列でも並列でもよいが、効率よく高真空を得るためには直列に配置することが好ましい。また、並列に2組以上(n組)、各組について直列に2個以上(m個)のn×m個を配置することもできる。
重縮合反応槽に対して並列にエゼクタを配置する場合には、各組に2個以上コンデンサ及びホットウエルタンクが備えられる。
図1に、重縮合反応槽が1個、エゼクタが3個、エゼクタ下流部のコンデンサが2個、ホットウエルタンクが2個備えられ、エゼクタ下流部のコンデンサは大気脚を介して別個のホットウエルタンクに接続された重縮合反応装置の概念図を示す。
(重縮合反応槽が2段の場合の実施態様)
重縮合反応装置に重縮合反応槽が2個備えられている場合、少なくとも一方の重縮合反応槽について、「重縮合反応槽が一段の場合の実施態様」で述べたものと同様な装置とする。
更に好ましくは、2個の重縮合反応槽のそれぞれにエゼクタが2個以上備えられており
、コンデンサも2個以上備えられているものである。従って、エゼクタ、コンデンサ及びコンデンサの大気脚は4個以上となる。また、ホットウエルタンクの数は通常2個からコンデンサの個数以下の範囲となる。ホットウエルタンクの数がコンデンサの数より少ない場合には、コンデンサの大気脚のうち、いくつかは同じホットウエルタンクに接続される。
(重縮合反応槽が3段以上の場合の実施態様)
重縮合反応装置の基本的な構成は、「重縮合反応槽が1段の場合の実施態様」及び「重縮合反応槽が2段の場合の実施態様」で述べたものと同様であるが、ホットウエルタンクの合計数がそれぞれ2以上である限り、適宜構成を選択することが出来る。
好ましくは、各重合反応槽にエゼクタ及びコンデンサが各2個以上備えられ、ホットウエルタンクは合計数で3以上備えられるものである。
何れの場合もホットウェルタンクは、封液が相互に混じり合わない構造で仕切られている場合、それぞれを1つと数え、通常これらは、外見上別個の容器として認識される場合が多いが、外見は1つに見えても内部で仕切られている場合も含むことは言うまでもない。
特に、ホットウェルタンクの数がコンデンサの数よりも少ない場合には、1つのホットウェルタンクに複数のコンデンサの大気脚が挿入されることになるが、この場合、ホットウェルタンクの分け方としては、コンデンサの圧力またはそれに付属するエゼクタの臨界背圧の近いものをまとめ、離れたものを異なるホットウェルタンクに挿入することが好ましい。具体的には、コンデンサの圧力またはエゼクタの臨界背圧の差が1kPa以上、好ましくは2kPa以上、特に好ましくは3kPa以上ある場合には、コンデンサの大気脚を異なるホットウェルタンクに挿入することが推奨される。
本発明に用いられるコンデンサはサーフェィスタイプの他、バロメトリックコンデンサ等のダイレクトコンタクトタイプ等を挙げることができるが、中でも過大な設備を要さず、飛沫同伴されてくるオリゴマー成分や添加剤成分等の閉塞を起こしにくいダイレクトコンタクトタイプが好ましい。
コンデンサに大気脚を介して接続されたホットウェルタンクの封液の主成分は1,4−
ブタンジオールであるが、その他に蒸気発生器や重縮合反応槽から留出するTHFやH2
O、アルコール等を含んでいる。ホットウェルタンクの封液の蒸気圧は、H2Oやアルコ
ール、その他の成分の含有量により変化し、さらには重縮合反応等の条件、生産量等に左右されるため制御は容易ではないが、エゼクタの能力安定性の見地からは、少なくとも1つのホットウェルタンクの封液中のTHF濃度を4重量%以下にすることが好ましく、さらには3重量%以下、中でも1.5重量%、特にコンデンサの圧力またはエゼクタの臨界背圧が3kPa以下の場合には、1重量%以下が好適である。
ホットウェルタンク封液のTHF濃度が4重量%を越えると、ホットウェルタンク封液から発生するTHF、H2O、アルコール等の蒸気がエゼクタ能力を低下させる傾向
にある。
中でも、少なくとも1つのホットウェルタンクの封液中のH2O濃度が3重量%以
下であることが好ましく、さらには2重量%以下、特には1重量%以下が好ましく、最適には0.5重量%以下である。
少なくとも1つのホットウェルタンク封液のTHF濃度を4重量%以下に制御する方法としては、コンデンサの圧力が低いものと、高いものに付属しているホットウェルタ
ンクを分離し、少なくとも圧力が低いコンデンサに付属したホットウェルタンク封液のTHF濃度を4重量%以下に保つ方法が挙げられる。また、運転の柔軟さの観点からは、少なくとも1つのホットウェルタンク封液のTHF濃度が4重量%を超えない範囲で、ホットウェルタンク封液を抜き出し、該液の一部または全部をエゼクタに使用する1,4−ブ
タンジオール蒸気発生用ボイラに供給することも可能で、中でも最もTHF濃度
の低いホットウェルタンク封液をこれに当てることが好ましい。但し、この供給量が多くなると、1,4−ブタンジオール蒸気発生用ボイラ、エゼクタ、コンデンサ、ホットウェ
ルタンクの系でリサイクルされる1,4−ブタンジオールの量が多くなり、1,4−ブタンジオールの消費量を低減でき、運転の柔軟さが確保できるという長所がある一方、ホットウェルタンク中のTHF濃度が上昇し、安定した減圧状態を保持できなくなったり、重縮合反応槽からガスとともに同伴されてくるオリゴマー等の高沸点物質が蓄積する傾向にある。したがって、該供給量は通常、1,4−ブタンジオール蒸気発生用ボイラで使用され
る1,4−ブタンジオールの50重量%以下、好ましくは30重量%以下、特に好ましく
は20重量%以下とされる。
また、少なくとも1つのホットウェルタンク封液のTHF濃度を4重量%以下に制御する他の方法としては、例えば該ホットウェルタンクにTHF含有量の少ない、通常2重量%以下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下の1,4−ブタンジオールを供給したり、該ホットウェル
タンクの温度を調整して、発生したTHF蒸気を別のコンデンサで捕集・回収したりすることによっても達成できる。THF含有量の少ない1,4−ブタンジオールのホットウェ
ルタンクへの供給は、直接ホットウェルタンクに行うこともできるし、エゼクタからの1,4−ブタンジオール蒸気の凝縮液をこれに当てることもできる。
中でも制御のし易さの観点からは、エゼクタからの1,4−ブタンジオール蒸気の凝縮
液とは別に、直接ホットウェルタンクにTHF含有量の少ない1,4−ブタンジオールを
供給して制御する方法が好ましく、特には供給したTHF含有量の少ない1,4−ブタン
ジオールに見合うTHF濃度の高い液をホットウェルタンクから抜き出し、該抜き出し液を原料調製槽や、THF分離設備を有するエステル化反応槽またはエステル交換反応槽に供給することで、THF含有量の高い液をリサイクルする方法が好ましい。
しかし、この場合、ホットウェルタンクへのTHF含有量の少ない1,4−ブタンジオ
ールの供給量が多すぎると、これに応じて抜き出す封液の量も多くなるため、抜き出した封液を原料調製系へリサイクルしている場合には、原料で使用する1,4−ブタンジオー
ル量を越え、安定運転が損なわれる可能性がある。
また、該抜き出し封液をTHF分離設備を有するエステル化反応槽またはエステル交換反応槽に供給する場合においても、供給量の増大とともに、分離塔の負荷が増したり、重縮合反応槽の温度調節が困難になったりして、結果的に安定運転が損なわれる可能性がある。
このような事態を回避する方法としては、ホットウェルタンクから抜き出したTHF濃度の高い封液の一部または全部を、THF分離処理系へ送り、1,4−ブタンジオールか
らTHFを分離することが好ましく、同時または逐次的にTHF以外の成分を分離することもできる。
THFの分離された1,4−ブタンジオールは、必要に応じてホットウェルタンクや、
コンデンサ、重縮合反応槽付属のコンデンサ、原料調製系、反応系等にに戻し利用することができ、中でもTHFの分離された1,4−ブタンジオールの一部または全部をホット
ウェルタンクに戻すことが好ましい。
THFの分離は、蒸留、ストリッピング、吸着分離、膜分離、抽出等、公知の方法を用いることができるが、分離効率、分離精度、設備の単純さ等から、蒸留が好ましい。
本発明の代表的な実施態様を、図2および図3に示した。
図2において、aは攪拌機を備えた第一重縮合反応槽、bはギヤポンプ、cは第一重縮合槽aから留出するガスを捕集するコンデンサであり、公知のものが使用できるが、図中ではダイレクトコンタクトタイプのコンデンサの代表的な例として湿式コンデンサを示した。dは湿式コンデンサcで捕集した液のタンク、eはポンプ、fは熱交換器である。
gは横型の第二重縮合反応槽であり、hはギヤポンプ、iは第二重縮合反応槽から留出するガスを捕集する湿式コンデンサ、jは捕集液のタンク、kはポンプ、mはポリマーの抜き出しダイ、nはチップカッター、pは熱交換器である。
また、1はエステル化反応槽またはエステル交換反応槽(図示せず)から、第一重縮合反応槽aへの供給ライン、2は第一重縮合反応槽aから第二重縮合反応槽gへの供給ライン、3は第一重縮合反応槽aからのベントライン、4は湿式コンデンサcからの液抜きライン、5はタンクdから湿式コンデンサcへの循環ライン、6は凝縮液の外部への抜き出しライン、7はタンクdへの1,4−ブタンジオールの供給ライン、8はエゼクタAへの
ガス抜き出しラインである。一方、10は第二重縮合反応槽gからのベントライン、11は湿式コンデンサiからの液抜きライン、12はタンクjから湿式コンデンサiへの循環ライン、13は凝縮液の外部への抜き出しライン、14はタンクjへの1,4−ブタンジ
オールの供給ライン、15はエゼクタGへのガス抜き出しラインである。
1から供給されたオリゴマーは、減圧に保たれた第一重縮合反応槽aで重縮合し、2を通じて第二重縮合反応槽gに送られる。第一重縮合反応槽aで生じた1,4−ブタンジオ
ール、THF、水を主成分とする蒸気は、湿式コンデンサcに送られ、沸点の高い1,4
−ブタンジオールおよび微量のTHFと水はここで凝縮しタンクdに集められる。この液をポンプeを用いて、ライン6を通して一部を系外に抜き出し、残りを5を通じて湿式コンデンサcに循環させ、1,4−ブタンジオールの凝縮に用いる。また、7からは必要に
応じてタンクdに1,4−ブタンジオールを供給する。一方、沸点の低いTHF、H2Oを主成分とするガスは8を通じてエゼクタAに送られる。
2から供給されたプレポリマーは、減圧に保たれた第二重縮合反応槽gでさらに重縮合し、9からダイヘッドmを通じてチップカッターnでペレット化される。第二重縮合反応槽gで生じた1,4−ブタンジオール、THF、水を主成分とする蒸気は、湿式コンデン
サiに送られ、沸点の高い1,4−ブタンジオールおよび微量のTHFと水はここで凝集
しタンクjに集められる。この液をポンプkを用いて、ライン13を通して一部を系外に抜き出し、残りを12を通じて湿式コンデンサiに循環させ、1,4−ブタンジオールの
凝縮に用いる。また、14からは必要に応じて1,4−ブタンジオールをタンクjに供給
する。一方、沸点の低いTHF、H2Oを主成分とするガスは15を通じてエゼクタGに送られる。
図3は、図2における第一重縮合反応槽a、および第二重縮合反応槽gの脱気系の構成を示す。A、B、G、H、Jはエゼクタ、C、D、K、L、Mはバロメトリックコンデンサ、E、Nはコンデンサ、F、Pは真空ポンプ、Q、R、Sはホットウェルタンク、Uはバッファータンク、WはTHFおよびH2Oの分離蒸留塔、Xは分離蒸留塔Wのリボイラ
ー、T、V、Yはポンプを示す。
また、図3における8は図2における8と同一であり、第一重縮合反応槽aからの留出
ガスライン、同様に15は図2における15と同一であり、第二重縮合反応槽gからの留出ガスライン、16、17、26、27、28は、各バロメトリックコンデンサからのガスの吐出ライン、18、29はそれぞれ熱交換器E、Nから真空ポンプF、Pへのライン、19、30は真空ポンプからの吐出ガスライン、20、21、31、32、33は、1,4−ブタンジオールの供給ラインで、好ましくは該1,4−ブタンジオールの一部または全部はホットウェルタンクQ、R、Sからの循環で構成される。また該液は熱交換器等を用いて温度コントロールされていることが推奨される。22、23、34、35、36はエゼクタへの1,4−ブタンジオール蒸気の供給ライン、24、25、37、38、39
は各バロメトリックコンデンサの大気脚、40はホットウェルタンクQ、R、Sからの抜き出しライン、41はポンプTからバッファータンクUへのライン、42はバッファータンクUからの抜き出しライン、43はポンプVから分離蒸留塔Wへのライン、44は分離蒸留塔W以外、例えば原料調製系や外部への払い出しライン、45は分離蒸留塔Wからの1,4−ブタンジオールの抜き出しライン、46は分離蒸留塔WからのTHF、H2Oを主成分とする低沸点成分の抜き出しライン、47はポンプYの吐出ライン、48はホットウェルタンクQ、R、Sへの供給ライン、49はリボイラーXからの循環ライン、50はホットウェルタンクQ、R、S以外、例えば、重縮合反応槽付属の湿式コンデンサ付属のタンク(図2におけるd、j)、エゼクタの蒸気発生器、原料系、外部払い出しタンク等への供給ライン、51は外部からの1,4−ブタンジオール供給ラインである。
第一重縮合反応槽aから留出したTHF、H2Oを主成分とするガスはライン8を経て、1段目エゼクタAに導入される。この時エゼクタAから排出される1,4−ブタンジオ
ール蒸気は、バロメトリックコンデンサCで凝縮され、凝縮液は大気脚24を通じてホットウェルタンクQに集められる。一方、バロメトリックコンデンサCで凝縮しなかった成分はライン16を通じて、2段目のエゼクタBに送られ、バロメトリックコンデンサDで凝縮された凝縮液は大気脚25を通じてホットウェルタンクRに集められる。バロメトリックコンデンサDで凝縮しなかった成分はライン17を通じてコンデンサEに送られ、可能な限り成分を凝縮させた後、最終的には真空ポンプFを用いて系外に排出される。
第二重縮合反応槽gから留出したガスもライン15を経て1段目エゼクタGに送られ、エゼクタGから排出される1,4−ブタンジオール蒸気は、バロメトリックコンデンサK
で凝縮され、凝縮液は大気脚37を通じてホットウェルタンクSに集められる。一方、バロメトリックコンデンサKで凝縮しなかった成分はライン26を通じて、2段目のエゼクタHに送られ、バロメトリックコンデンサLで凝縮された凝縮液は大気脚38を通じてホットウェルタンクQに集められる。バロメトリックコンデンサLで凝縮しなかった成分はライン27を通じて3段目のエゼクタJに送られ、バロメトリックコンデンサMで凝縮された凝縮液は大気脚39を通じてホットウェルタンクRに集められる。バロメトリックコンデンサMで凝縮しなかった成分はライン28を通じてコンデンサNに送られ、可能な限り成分を凝縮させた後、最終的には真空ポンプPを用いて系外に排出される。
ホットウェルタンクQ、R、Sに集められた1,4−ブタンジオールを主成分とする液
体は、ライン40を通してバッファータンクUに送られ、その一部または全部を蒸留分離塔WにポンプVを通じて供給する。この時運転状態に合わせて、未精製の液の一部または全部を原料や、外部への払い出し等に用いることができる(ライン44)。
蒸留分離塔WでTHFやH2O等の低沸点成分が分離された1,4−ブタンジオールは
ライン45より抜き出され、その一部または全部をライン48を通じてホットウェルタンクQ、R、Sに戻す。この時、Q、R、Sはそれぞれ大気脚を通じてつながっているバロメトリックコンデンサの運転圧力毎に分けられており、低圧力側から、S、Q、Rの順になっている。
図3では、Q、R、S全てのホットウェルタンクに48を通じて1,4−ブタンジオー
ルを供給するラインが示されているが、例えば、要求運転条件に応じて、運転圧力の高いコンデンサの大気脚が挿入されているホットウェルタンクRについては、THF含有量の少ない1,4−ブタンジオールの供給をエゼクタB、Jから排出される1,4−ブタンジオール蒸気の凝縮液でまかない、ライン48を通じて直接供給しないことも可能であるし、ホットウェルタンク封液からのTHF分離についても、比較的THF濃度が低いと予想される、例えばホットウェルタンクSやQについては行わず、比較的THF濃度が高いと予想されるRについてのみ行うといったことも可能であるのは言うまでもない。
さらに、運転状態、経済的状態に合わせて精製1,4−ブタンジオールの一部または全
部を原料調製系や、コンデンサ、エゼクタ蒸気発生器、外部等へ払い出すことも可能である(ライン50)。蒸留分離塔Wで分離されたTHF等の低沸点成分はライン46を通じて外部に払い出す。
ここで、反応槽、エゼクタ、タンク、ポンプ、蒸留塔、コンデンサ、熱交換器等の形式や数等は、性能、要求品質、経済的効果等を踏まえて適宜変更できることは言うまでもない。
図4では、運転圧力の低いコンデンサの大気脚が挿入されているホットウェルタンクSにライン51を通して外部からTHF濃度の低い1,4−ブタンジオールを供給し、ライ
ン52、53を通じて運転圧力が高いコンデンサの大気脚が挿入されているホットウェルタンクQ、Rに順に供給させる態様を示した。通常、S、Q、Rの順に対応するコンデンサの臨界背圧が高くなり、この順にホットウェルタンクのTHF濃度を高く設定できるため、このような方法を取れば、ホットウェルタンクに供給される1,4−ブタンジオール
を無駄なく有効に利用することが可能になる。
図5では、図4におけるホットウェルタンクSの封液の一部を、エゼクタの1,4−ブ
タンジオール蒸気発生用ボイラZに供給する態様を示した。このようにすれば、図5で示される減圧脱気系で使用する1,4−ブタンジオールの総量を減らしたり、種々の要請に
応じて生産量を変えたりすることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において、評価は下記の方法により行った。
(1)ホットウェルタンク封液中のTHF濃度
ガスクロマトグラフィーで定量した。
(2)固有粘度
ウベローデ型粘度計とフェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混合液を溶媒とし、30℃において、濃度1.0g/dLのポリマー溶液、および溶媒のみの落下秒数を測定し、下式より求めた。
Figure 0003812564
[η]=((1+4KHηsp)0.5−1)/(2KHC)
但し、 ηsp=η/η0−1 であり、
ηはポリマー溶液の落下秒数、η0は溶媒の落下秒数、Cはポリマー溶液濃度(g/dL
)、KHはハギンズの定数である。KHは0.33を採用した。
[実施例1]
図2のフローチャートにおけるライン1を通じてポリブチレンテレフタレートオリゴマー43kg/hを第一重縮合反応槽aに連続的に供給し、第一重縮合反応槽の内温を235℃、圧力2.2kPa、平均滞留時間1.6時間に保ち重縮合反応を進め、ライン2を通じて第二重縮合反応槽gへプレポリマーを供給した。第二重縮合反応槽の内温は240℃、圧力0.2kPa、平均滞留時間1.5時間とし重縮合反応をさらに進めた。
それぞれの重縮合反応槽の圧力は図3に示した減圧系を用いてコントロールし、コンデンサC、Dの初期圧力はそれぞれ5kPa、15kPa、コンデンサK、L、Mの初期圧力はそれぞれ1.6kPa、5kPa、15kPaであった。
この時、ホットウェルタンクQ、R、Sに凝集したTHFを含む1,4−ブタンジオー
ルは、それぞれのホットウェルタンクの液面が一定になるように40を通じて連続的に抜き出し、蒸留分離塔WでTHFを分離した後、ライン48を通じてTHF濃度0.05重量%以下の1,4−ブタンジオールをホットウェルタンクSとQにそれぞれ15kg/h
ずつ、ホットウェルタンクRには10kg/hを供給し、余剰の1,4−ブタンジオール
はライン50から抜き出した。
オリゴマー供給を開始して12時間後、ホットウェルタンクQ、R、Sの封液のTHF濃度はそれぞれ、1.5重量%、2.8重量%、0.5重量%であり、第一重縮合反応槽aおよび第二重縮合反応槽gの圧力は安定していた。この時、ライン9を通じて吐出したポリマー(ポリブチレンテレフタレート)の固有粘度は0.85で、以後6時間毎に4回、ホットウェルタンクQ、R、Sの封液中のTHF濃度とポリマーの固有粘度を測定した。表1に示すように運転期間中、ホットウェルタンクQ、R、SのTHF濃度は安定しており、ポリマーの固有粘度も安定していた。
[実施例2]
ライン48を通じてのホットウェルタンクQ、R、Sへの精製1,4−ブタンジオール
の供給を停止した以外は実施例1と同様に行った。この時、エゼクタから供給される1,
4−ブタンジオールおよび反応系からの凝縮液に見合う分は、各ホットウェルタンクの液面が一定になるようにライン40を通じて抜き出した。
オリゴマー供給開始から12時間後、ホットウェルタンクQ、R、SのTHF濃度はそれぞれ、1.7重量%、5.1重量%、0.6重量%であり、36時間後には、それぞれ1.9重量%、5.3重量%、0.7重量%に上昇したが、各々の重縮合反応槽の圧力は安定しており、ポリマーの固有粘度も安定していた。
[比較例1]
図6に示すようにホットウェルタンクをQのみとし、各バロメトリックコンデンサの大気脚を全てQに挿入した他は、実施例2と同様に行った。この時、エゼクタから供給される1,4−ブタンジオールおよび反応系からの凝縮液に見合う分はライン40を通じて抜
き出した。
オリゴマー供給開始から18時間後、ホットウェルタンクQのTHF濃度は4.9重量%となり、エゼクタ能力が安定しなくなった。これに応じて重縮合反応槽の圧力は上昇し、オリゴマー開始から30時間後、第一重縮合重縮合反応槽aの圧力は6.5kPa、第二重縮合重縮合反応槽の圧力は3.3kPaとなった。
その結果、表1に示すようにオリゴマー供給を開始して12時間後のポリマーの固有粘度は0.81であったが、オリゴマー供給開始から36時間後の固有粘度は0.45に低下した。
Figure 0003812564
本発明の製造方法に用いられる重縮合反応装置の一実施態様の概念図であり、重縮合反応槽が1個のものである。 本発明の製造方法に用いられる重縮合反応装置の一実施態様の概念図であり、実施例1で採用されたものである。 本発明の製造方法に用いられる重縮合反応装置の一実施態様において、脱気系を詳細に示した概念図であり、実施例1で採用されたものである。 本発明の製造方法に用いられる重縮合反応装置の一実施態様において、脱気系を詳細に示した概念図である。 本発明の製造方法に用いられる重縮合反応装置の一実施態様において、脱気系を詳細に示した概念図である。 比較例1で採用された脱気系の概念図である。
符号の説明
a 攪拌機を備えた第一重縮合反応槽
b ギヤポンプ
c 第一重縮合槽aから留出するガスを捕集するコンデンサ
d 湿式コンデンサcで捕集した液のタンク
e ポンプ
f 熱交換器
g 横型の第二重縮合反応槽
h ギヤポンプ
i 第二重縮合反応槽から留出するガスを捕集する湿式コンデンサ
j 捕集液のタンク
k ポンプ
m ポリマーの抜き出しダイ
n チップカッター
p 熱交換器
1 第一重縮合反応槽aへの供給ライン
2 第一重縮合反応槽aから第二重縮合反応槽gへの供給ライン
3 第一重縮合反応槽aからのベントライン
4 湿式コンデンサcからの液抜きライン
5 タンクdから湿式コンデンサcへの循環ライン
6 凝縮液の外部への抜き出しライン
7 タンクdへの1,4−ブタンジオールの供給ライン
8 エゼクタAへのガス抜き出しライン
9 第二重縮合反応槽gからのポリマー抜き出しライン
10 第二重縮合反応槽gからのベントライン
11 湿式コンデンサiからの液抜きライン
12 タンクjから湿式コンデンサiへの循環ライン
13 凝縮液の外部への抜き出しライン
14 タンクjへの1,4−ブタンジオールの供給ライン
15 エゼクタGへのガス抜き出しライン
A、B、G、H、J エゼクタ
C、D、K、L、M バロメトリックコンデンサ
E、N コンデンサ
F、P 真空ポンプ
Q、R、S ホットウェルタンク
U バッファータンク
W THFおよびH2Oの分離蒸留塔
X 分離蒸留塔Wのリボイラー
T、V、Y ポンプ
Z エゼクタ用1,4−ブタンジオール蒸気発生ボイラ
16、17、26、27、28 バロメトリックコンデンサからのガスの吐出ライン
18、29 熱交換機から真空ポンプへのライン
19、30 真空ポンプからの吐出ガスライン
20、21、31、32、33 1,4−ブタンジオールの供給ライン
22、23、34、35、36 エゼクタへの1,4−ブタンジオール蒸気の供給ライ

24、25、37、38、39 バロメトリックコンデンサの大気脚
40 ホットウェルタンクからの抜き出しライン
41 ポンプTからバッファータンクUへのライン
42 バッファータンクUからの抜き出しライン
43 ポンプVから分離蒸留塔Wへのライン
44 払い出しライン
45 1,4−ブタンジオールの抜き出しライン
46 低沸点成分の抜き出しライン
47 ポンプYの吐出ライン
48 ホットウェルタンクQ、R、Sへの供給ライン
49 リボイラーVからの循環ライン
50 外部払い出しタンク等への供給ライン
51 外部からの1,4−ブタンジオール供給ライン
52 ポンプVから1,4−ブタンジオール蒸気発生ボイラへのライン
53 ホットウェルタンクSからホットウェルタンクQへのライン
54 ホットウェルタンクQからホットウェルタンクRへのライン
55 外部からの1,4−ブタンジオール供給ライン
56 ボイラZからホットウェルタンクSへのライン
57 ボイラZから各エゼクタへの1,4−ブタンジオール蒸気ライン
58 ホットウェルタンクRから外部への抜出ライン

Claims (7)

  1. (a)エゼクタと(b)エゼクタ下流部に設置されたコンデンサと(c)該コンデンサと大気脚を介して接続されたホットウェルタンクとが2組以上備えられた重縮合反応槽を少なくとも1つ有する重縮合反応装置を用い、1,4−ブタンジオール成分を主とする蒸気でエゼクタを駆動させ、エゼクタから排出する1,4−ブタンジオールを主とする蒸気をエゼクタ下流部に設置されたコンデンサで凝縮させて、重縮合反応槽を減圧状態として重縮合反応を行う工程を有するポリエステルの製造方法。
  2. 重縮合反応装置が、(a)エゼクタと(b)エゼクタ下流部に設置されたコンデンサとが2組以上備えられた重縮合反応槽を少なくとも2つ有する請求項1に記載のポリエステルの製造方法。
  3. 少なくとも1つのホットウェルタンクの封液中に含まれるテトラヒドロフランが4重量%以下である請求項1または2に記載のポリエステルの製造方法。
  4. 少なくとも1つのホットウェルタンクに、テトラヒドロフラン濃度が1重量%以下の液を供給し、該ホットウェルタンクの封液中に含まれるテトラヒドロフランを4重量%以下に調整する請求項3に記載のポリエステルの製造方法。
  5. 少なくとも1つのホットウェルタンクの封液を抜き出し、該液の一部または全部からテトラヒドロフランを分離し、テトラヒドロフラン濃度が1重量%以下の液を得、該液の一部または全部を少なくとも1つのホットウェルタンクに供給する請求項4に記載のポリエステルの製造方法。
  6. 少なくとも1つのホットウェルタンクの封液を抜き出し、該液の一部または全部をエゼクタに使用する1,4−ブタンジオール蒸気発生用ボイラに供給する請求項3〜5のいずれ
    かに記載のポリエステルの製造方法。
  7. ポリエステルがポリブチレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルの製造方法。
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