JP3812127B2 - 遠隔制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として車載用キーレスエントリー装置に用いられる遠隔制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両のドアをエンジンキーを用いずに送信機を用いて遠隔操作するキーレスエントリー装置が普及しつつあるが、このようなキーレスエントリー装置では、運転者が車外より送信機を操作すると送信機より所定のIDコードが送信され、車両側に装着された受信機に受信されて、受信機に予め記憶させていたIDコードと一致した場合には車両のドアをロックあるいはアンロックするようにしており、このようなキーレスエントリー装置について説明する。
【0003】
図5は従来のキーレスエントリー装置の送信機のブロック図、図6は受信機のブロック図であり、図5において1はコード化信号を送出するための送信スイッチ、2は送信機の動作を制御するマイクロコンピュータ(以下マイコンという)、3はIDコードを記憶しているメモリ、4はマイコンから送出されるコード化信号を変調し、送信アンテナ5を介して送信する送信部、6は各部の電源としての電池である。
【0004】
そして、図6において11は受信アンテナ、12は変調されたコード化信号を受信して復調する受信部、13はマイコンで、受信機の動作を制御し、復調されたコード化信号とメモリ14に記憶されているIDコードとを比較するコード比較部13Aを有しており、15は出力回路部で、マイコン13からの信号を受けて動作体であるドアロックアクチュエータ16を制御する制御出力を発生する。
【0005】
また、17は自動車の電池18から上記各部に電源を供給する安定化電源回路部である。
【0006】
このように構成された従来のキーレスエントリー装置の動作について説明すると、送信機の送信スイッチ1をオンさせるとマイコン2がメモリ3のIDコードにしたがってコード化信号を発生し、その信号が送信部4で変調されて送信アンテナ5を介して送信され、受信アンテナ11を介して受信機の受信部12で受信して復調されたコード化信号は、マイコン13のコード比較部13Aでメモリ14に記憶されたIDコードと比較される。
【0007】
そして、受信されたコード化信号とメモリ14に記憶されたIDコードが一致している場合には、マイコン13からの出力信号にしたがって出力回路部15が制御出力を発生してドアロックアクチュエータ16を動作させる。
【0008】
また、受信されたコード化信号がメモリ14のIDコードと一致していない場合には、受信されたコード化信号が無視されて受信機は次のコード化信号を待ち受けることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、このような従来のキーレスエントリー装置に用いられる送信機と受信機は、予めそれぞれに記憶されるIDコードを一致させておく必要があり、車両への組み込み時には予め同一のIDコードを記憶させて一対にされた送信機と受信機を用いるか、受信機が送信機と関係なく車両に組み込まれた場合には、受信機のメモリ14にその車両に付帯される送信機のIDコードと同じものを記憶させることが必要であり、そのために前者の場合にはキーレスエントリー装置の製作部署から車両への組み込み工程まで送信機および受信機を一対で管理することが必要であり、後者の場合には車両の所定の場所に、受信機側にIDコードを登録するためのスイッチを設けておき、このスイッチで受信機をIDコード登録モードにして付帯される送信機を用いて新たなIDコードを受信させて受信機側のメモリ14に新たなIDコードを登録するようにしており、このようなスイッチは第三者による不本意な操作を防止するために操作し難い場所に設置されているのが通常であり、車両への組み込み工程やディーラでの取り付けの際に手間がかかるという欠点があるものであった。
【0010】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、車両への組み込みまでの送・受信機を一対にした管理を必要とせず、予め車両に組み込まれた受信機に車外からの操作のみで容易にIDコードを登録することができると共に、第三者によるIDコードの不本意な変更をできないようにするセキュリティーの高い遠隔制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の遠隔制御装置は、固有の登録モード用コードを送信する第一の送信機と、IDコードを送信する第二の送信機を有し、受信機側にはそれらの送信機と同じ登録モード用コードおよびIDコードをそれぞれ別に記憶する第一および第二のメモリを設けて、登録モード用コードが受信されて第一のメモリに記憶されているものとの一致が認識された時に、その第一のメモリに記憶されていた登録モード用コードを除去して、第二のメモリに個々の車両に付帯される第二の送信機から送信される新しいIDコードを記憶するものである。
【0012】
これにより、受信機が車両に組み込まれた後、車外から第一の送信機を操作して記憶されていた登録モード用コードを消去して、個々の車両に付帯される固有なIDコードを有した第二の送信機を用いて新しいIDコードを記憶させることができ、車両への組み込み時の設定が容易で、その後は不本意なIDコードの変更をできないようにするセキュリティーの高い遠隔制御装置を実現することができる。
【0013】
なお、受信機の第一のメモリの登録モード用コードが消去されて、第二のメモリに新しいIDコードが登録された後、万一、この新しいIDコードを送信する第二の送信機を紛失あるいは破損して使用不能となった場合には、車両ディーラなどの特定の業者により特定の手順で第一および第二のメモリの少なくとも一つに別の新たな第二の送信機の有するIDコードを記憶させるなどの手段も設けることができるものとすることもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、固有の登録モード用コードを変調してコード化信号を送信する第一の送信機と、固有のIDコードを変調してコード化信号を送信する第二の送信機と、上記第一の送信機のコード化信号を受信してIDコードの登録ができ、第二の送信機のコード化信号を受信して識別し、所定の制御信号を出力する受信機からなり、上記受信機はコード化信号を受信して復調する受信部と、登録モード用コードおよびIDコードをそれぞれ別に記憶する第一および第二のメモリと、上記受信部で復調されたコード化信号を上記第一および第二のメモリに記憶された登録モード用コードおよびIDコードと比較して一致するかどうかを識別するコード比較部と、コード比較部により登録モード用コードとの一致が認識された時にIDコード登録モードになって第一のメモリに記憶されていた登録モード用コードを消去し、新しく受信された第二の送信機のIDコードを第二のメモリに記憶させるIDコード登録部と、IDコードとの一致が認識された時に動作体への制御出力を発生する出力回路部を有してなる遠隔制御装置としたものであり、車両への取り付け時には、個々の受信機を送信機に関係なく取り付けた後、車外から統一化された登録モード用コードを記憶した一個の第一の送信機を用いて個々の車両の受信機をIDコード登録モードにし、個々の車両に付帯される第二の送信機を用いて容易に受信機にIDコードを登録できると共に、その後は受信機の第一のメモリに記憶されていた登録モード用コードは消去されるので、登録モード用コードの複製による第三者の多数の車両に及ぶ不本意な変更や開錠を防ぐことができるという作用を有する。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、登録モード用コードの一致が認識されてIDコード登録モードになったIDコード登録部が第一のメモリに記憶されていた登録モード用コードを消去し、第二の送信機のIDコードを第二のメモリに記憶させると共に、別のIDコードを有する第三の送信機のIDコードを第一のメモリに記憶させるものであり、上記請求項1の作用に加えて、同一の車両を使用する運転者が複数である場合に、IDコードを送信する送信機の数量を増すことができるという作用を有する。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の第1の実施の形態による遠隔制御装置としてのキーレスエントリー装置の第一および第二の送信機の構成を示すブロック図、図2は同受信機の構成を示すブロック図であり、図1の送信機の構成については従来の技術の項で説明したものと同じであるので詳しい説明を省略するが、第一の送信機ではそのメモリ3に登録モード用コードを記憶しており、第二の送信機ではそのメモリ3AにIDコードを記憶している。
【0017】
そして、図2に示す受信機の構成については、従来の技術の項で説明したものとはマイコン23とメモリ24が異なっているのでそれらの部分を説明し、その他の部分については説明を省略する。
【0018】
すなわち、マイコン23にはコード比較部23Aに加えて、メモリ24の記憶内容の消去や登録を制御するIDコード登録部23Bが設けられ、メモリ24は登録モード用コードを記憶している第一のメモリ24AとIDコードを記憶する第二のメモリ24Bを有している。
【0019】
このように構成されたキーレスエントリー装置の受信機にIDコードを登録する際の動作を図3の受信機の動作フローチャートにしたがって説明すると、まず第一の送信機の送信スイッチ1を操作してメモリ3に記憶された登録モード用コードにしたがって変調されたコード化信号を送信させると、受信アンテナ11を介して受信部12で受信・復調されて(ステップ31)コード比較部23Aで第一および第二のメモリ24A,24Bの記憶内容と比較され、第一のメモリ24Aに記憶されている登録モード用コードと一致していることが認識されると(ステップ32)、マイコン23のIDコード登録部23BをIDコード登録モードにする(ステップ33)。
【0020】
ここで、車両に付帯される第二の送信機を操作して、受信部12で受信されたことが認識されると(ステップ34)、第一のメモリ24Aに記憶されていた登録モード用コードが消去され(ステップ35)、第二のメモリ24BにIDコードが登録されて記憶される(ステップ36)。
【0021】
次に、IDコードを有した第二の送信機を用いて車両のドアをロックあるいはアンロックさせる場合の動作を説明すると、まず第二の送信機の送信スイッチ1を操作してコード化信号を送信させると、上記と同様に図3のフローチャートにしたがって、受信アンテナ11を介して受信されたコード化信号が受信部12で復調され(ステップ31)、マイコン23のコード比較部23Aで第一および第二のメモリ24A,24Bの記憶内容と比較され、上記のステップ36で第二のメモリ24Bに記憶されたIDコードと一致していることが認識されると(ステップ37)、マイコン23から出力回路部15へ信号が出力されることによって出力回路部15が制御出力を出力し(ステップ38)、動作体であるドアロックアクチュエータ16を動作させて(ステップ39)ドアをロックあるいはアンロックさせることができる。
【0022】
そして、上記ステップにおいて受信されたコード化信号が第一のメモリ24Aに記憶されている登録モード用コードや第二のメモリ24Bに記憶されているIDコードと一致しない場合には、受信されたコード化信号は無視されて次のコード化信号を待ち受けることになる。
【0023】
このように本実施の形態によれば、車両の組立工程や特定の業者によって車両に取り付けられたキーレスエントリー装置の受信機を、第一の送信機でIDコード登録モードにして、個々の車両に付帯される第二の送信機を用いて受信機の第二のメモリにIDコードを記憶させることができて、車外から容易にIDコードを記憶させることができると共に、その後は登録モード用コードが消去されているので再びIDコードを変更することができないものとなり、登録モード用コードの複製による第三者の多数の車両に及ぶ不本意な変更や開錠を防ぐことができてセキュリティーの高いキーレスエントリー装置とすることができるものである。
【0024】
(実施の形態2)
図4は第2の実施の形態による遠隔制御装置としてのキーレスエントリー装置の受信機の動作のフローチャートであり、第1の実施の形態の場合と比較してステップ40が加えられている。
【0025】
すなわち、この場合の送信機の構成および動作は実施の形態1のものと同じであるが、第一、第二の送信機に加えて、第二の送信機とは別のIDコードをメモリ3Bに記憶した第三の送信機を備えており、受信機の構成も実施の形態1のものと同じであるが、マイコン23の動作にステップ40を加えている。
【0026】
この場合の動作について図4のフローチャートにしたがって説明すると、まず受信機が登録モード用コードを受信して(ステップ31)コード比較部23Aで第一のメモリ24Aに記憶されている登録モード用コードとの一致が認識される(ステップ32)とIDコード登録部23BがIDコード登録モードになり(ステップ33)、受信部12が第二の送信機のIDコードを受信したことを認識した(ステップ34)後、第一のメモリ24Aに記憶されていた登録モード用コードを消去し(ステップ35)、第二のメモリ24Bに第二の送信機のIDコードをIDコード登録(1)として記憶させる(ステップ36)と共に、さらに第三の送信機のIDコードを第一のメモリ24AにIDコード登録(2)として記憶させる(ステップ40)ものであり、その後、第二あるいは第三の送信機を操作して車両のドアをロックあるいはアンロックさせる場合の動作は、受信されたコード化信号がコード比較部23Aで、第一および第二のメモリ24A,24Bに記憶されたIDコードと比較され、どちらかと一致することが認識されると(ステップ37)マイコン23から出力回路部15へ信号が出力されることによって出力回路部15が制御出力を出力し(ステップ38)、動作体であるドアロックアクチュエータ16を動作させて(ステップ39)ドアをロックあるいはアンロックさせることができる。
【0027】
本実施の形態によれば、車外から容易にIDコードを登録することができ、セキュリティーの高いキーレスエントリー装置とすることができると共に、同一の車両を使用する運転者が複数である場合に、IDコードを送信する送信機の数量を必要に応じて増すことができるものである。
【0028】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、受信機が車両に組み込まれた後、送信機を車外から操作して個々の車両に付帯される送信機の固有なIDコードを登録でき、車両への組み込み時の設定が容易であると共に、登録の際に使用した登録モード用コードを消去して、第三者による不本意なIDコードの変更をできないようにするセキュリティーの高い遠隔制御装置を実現することができ、さらに同一の車両の使用者が複数である時に、IDコードを送信する送信機の数を容易に増すことができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1、第2の実施の形態による遠隔制御装置としてのキーレスエントリー装置の送信機の構成を示すブロック図
【図2】同受信機の構成を示すブロック図
【図3】同受信機の動作を示すフローチャート
【図4】本発明の第2の実施の形態による遠隔制御装置としてのキーレスエントリー装置の受信機の動作を示すフローチャート
【図5】従来のキーレスエントリー装置の送信機の構成を示すブロック図
【図6】同受信機の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 送信スイッチ
2,23 マイクロコンピュータ
3,3A,3B,24,24A,24B メモリ
4 送信部
5 送信アンテナ
6,18 電池
11 受信アンテナ
12 受信部
15 出力回路部
16 ドアロックアクチュエータ
17 安定化電源回路部
23A コード比較部
23B IDコード登録部
Claims (2)
- 固有の登録モード用コードを変調してコード化信号を送信する第一の送信機と、固有のIDコードを変調してコード化信号を送信する第二の送信機と、上記第一の送信機のコード化信号を受信してIDコードの登録ができ、第二の送信機のコード化信号を受信して識別し、所定の制御信号を出力する受信機からなり、上記受信機はコード化信号を受信して復調する受信部と、登録モード用コードおよびIDコードをそれぞれ別に記憶する第一および第二のメモリと、上記受信部で復調されたコード化信号を上記第一および第二のメモリに記憶された登録モード用コードおよびIDコードと比較して一致するかどうかを識別するコード比較部と、コード比較部により登録モード用コードとの一致が認識された時にIDコード登録モードになって第一のメモリに記憶されていた登録モード用コードを消去し、新しく受信された第二の送信機のIDコードを第二のメモリに記憶させるIDコード登録部と、IDコードとの一致が認識された時に動作体への制御出力を発生する出力回路部を有してなる遠隔制御装置。
- 登録モード用コードの一致が認識されてIDコード登録モードになったIDコード登録部が第一のメモリに記憶されていた登録モード用コードを消去し、第二の送信機のIDコードを第二のメモリに記憶させると共に、別のIDコードを有する第三の送信機のIDコードを第一のメモリに記憶させる請求項1記載の遠隔制御装置。
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---|---|---|---|
JP4695098A JP3812127B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 遠隔制御装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4695098A JP3812127B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 遠隔制御装置 |
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JPH11247504A JPH11247504A (ja) | 1999-09-14 |
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Family Applications (1)
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JP4695098A Expired - Fee Related JP3812127B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | 遠隔制御装置 |
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JP (1) | JP3812127B2 (ja) |
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1998
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