JP3811890B2 - 車両搭載移動式一般雑芥焼却装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、一般雑芥及び雑草などの被焼却物を焼却するために、車両である車輌の荷台に投入部と燃焼部を一体化した焼却炉を搭載した移動式の焼却炉の改良発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来から存在する焼却炉は、主に屋外に固定した固定式の焼却炉であった。焼却炉に投入するための雑草は、例えば、夏場に街路樹の剪定作業を行い樹木の剪定作業の後に発生する枝葉や落ち葉からなる雑草(以下、被焼却物という。)を固定してある焼却炉まで車輌で運搬し、固定されている焼却炉の上部又は真横方向に設けた焼却炉の投入口から被焼却物を投入し焼却できる焼却炉であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の焼却炉では、枝葉や落ち葉などの被焼却物は、剪定の後、車輌の荷台に破砕されないかさばる状態で運搬しなければならないため、そのままの状態で焼却炉に運搬すると、被焼却物の量に比例して運搬費用がかさむということが問題であった。
【0004】
また、被焼却物を焼却炉の真上方向又は真横方向から、破砕されていない状態で被焼却物を投入する従来の焼却炉では、被焼却物を構成する枝が、細かく破砕されていないため、強制的に風を焼却炉内に送り込む強制的通風方式(即ち、酸化燃焼方式)であり、そのために焼却炉の炉内の温度が完全燃焼に至るまで十分に上昇しないとの問題があった。また、被焼却物を燃やす為に十分な酸素を供給する事もできないため、不完全燃焼が起こり、一酸化炭素、ダイオキシン等の有害物質が発生するとの問題がある。
【0005】
更に、被焼却物を燃焼する為の焼却炉は、地面に固定した状態で取付けされた場合が多いため、従来の焼却炉である固定した焼却炉の周辺の土壌では、煤煙の影響により、煤煙に含まれた有害物質が蓄積し、周辺の土壌を汚染し環境破壊につながるおそれもある。
【0006】
そこで、本発明は、車輌の荷台に投入部と燃焼部が一体化した焼却炉を有した焼却装置を搭載することにより、被焼却物を固定した焼却炉まで運搬することないので運搬費用が嵩むことがないとともに、移動式の焼却炉であるために焼却炉周辺で煤煙も発生するおそれもなく、煤煙に含まれた有害物質が堆積することもなく環境破壊をしない車両搭載型で移動式の一般雑芥の焼却炉を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、
後側下部において投入した被焼却物16を上下破砕歯車4d、4e及びクラッシャー4cにより破砕する破砕部4と、
前記破砕部4から内部までモータ5bで駆動するベルトコンベアー5aにより被焼却物16を移送する移送部5と、
前記移送部5からヘ字状に形成され油圧装置6bで上下運動するピストン6cにより垂直方向に被焼却物16を移送する垂直移送部6と、
前記垂直移送部6より送り込まれた被焼却物16を炉床7に取り付けた火格子7bにより燃焼し焼却する焼却部3aと、
前記焼却部3aで被焼却物16が焼却されて出る焼却灰16cをモータ8cで駆動するスクリューコンベア8bにより灰受け室12aに移送する灰移送部8と、
前記焼却部3aで被焼却物16が焼却されて出る燃焼ガスに含まれている微細な塵埃又は有害物質をブロアー10で除去するサイクロン部9と、
前記サイクロン部9で無害な状態にした燃焼ガスを排出する排気部11と、
前記灰移送部8より送り込まれ灰受け室12aに貯まった焼却灰16cを取り出す灰受け部12とからなる焼却炉3を、
車輌2の荷台2aに搭載したことを特徴とする車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1の構成とした。
【0008】
【実施例】
以下に、添付図面に基づいて本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置を詳細に説明する。図1から図9までは本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例を示し、図10は本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第2実施例を示す。
【0009】
先ず、本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1の第1実施例について説明する。図1は、本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の正面図、図2は本例の焼却炉の平面図、図3は本例の焼却炉の右側面図である。
【0010】
図1に示すように、本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1は、トラック、トレーラー等の車輌2と、前記車輌2の荷台支持枠2bにより支持されている荷台2aに搭載する直方体形状の焼却炉3とからなる。
【0011】
焼却炉3には、アフターバーナー点検扉3e、ブロアー点検扉3f、制御盤点検扉3g、ディーゼル点検扉3hが設けてある。各点検扉3e、3f、3g、3hは、蝶番3i、3j、3k、3l、3m、3n、3o、3pにより開閉可能に取り付けられている。
【0012】
制御盤点検扉3gの内部には制御盤が設けてあり、移送部5を始めとする投入部内部に係る全ての装置の電源及び操作をコントロールすることができる。又、小型の焼却炉1の場合には、ディーゼル発電器ではなく、外部から電源を供給する方法もできる。
【0013】
本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1で使用する車輌2は、4トン車が好ましいが、焼却炉3の大きさや重量に応じて大型車輌2である10トン車及び大型トレーラー等へ車両を変更することもできる。
【0014】
符号2c、2dは、車輌2のタイヤである。符号3c、3c、3c、3cは、焼却炉3を車輌2の荷台2aに搭載する際又は荷台から降ろす際にロープを掛けるための挿通孔が穿設されている吊り金具である。
【0015】
図2に示すように、焼却炉3の上面には、被焼却物16を投入するため投入口にかぶせる円形状の開閉蓋3d、3dが複数設けられている。また、焼却炉3の上面の四隅には、焼却炉3全体を吊り上げ、車輌2の荷台2aに搭載又は降ろすことができるように吊り金具3c、3c、3c、3cが固定されている。
【0016】
図3に示すように、焼却炉3の背面には、被焼却物16を投入することができるとともに焼却部内部3qを点検することができるように把っ手3rのある開閉扉3bが開閉可能に取り付けられている。
【0017】
焼却炉3の背面に開閉可能に取り付けられている開閉扉3bの中央部には、焼却炉内部3qの被焼却物16の燃焼状態を確認することができるように、点検口に把っ手のある小さい点検扉3sがある。
【0018】
開閉扉3b及び点検扉3sは、共に焼却炉3の内部にある焼却炉内部3qを点検するための扉である。また、開閉扉3bの下方に設置されている破砕部4の破砕機投入口4aには、被焼却物16の破砕片が飛び散らないように、飛散防止用のガードを設けてもよい。
【0019】
図4は本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の縦断面図、図5は本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の横断面図、図6は本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の右側面図、図7は本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の縦断面図、図8は本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の縦断面図、図9は本例の正面図である。本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1は、前述したように、車輌2と前記車輌2の荷台2aに搭載する焼却炉3とからなる。
【0020】
図4から図9に示すように、焼却炉3は、後部に焼却しようとする切り落とされた枝葉や落ち葉等の被焼却物16を破砕するために設けた破砕部4と、前記破砕部4から車輌2の内部に被焼却物16を移送するための移送部5と、前記移送部5から移送された被焼却物16を焼却炉3に移送する垂直移送部6と、前記移送部5及び垂直移送部6より送り込まれた被焼却物16bを燃焼し焼却する焼却部3aと、前記焼却部3aにより被焼却物16bが焼却されて出る焼却灰16cを灰受け室12に移送する灰移送部8と、前記焼却炉3の焼却部3a内で燃焼焼却により発生する微細な塵埃、有害物質等を除去するサイクロン部9と、前記サイクロン部9で有害物質等を除去して無害な状態とした燃焼ガスを排出する排気部11と、灰移送部8より送り込まれた焼却灰16cを貯蔵する灰受け部12とからなる。
【0021】
図4、図5、図6及び図7に示すように、焼却しようとする切り落とされた枝葉や落ち葉等の被焼却物16を破砕するために設けた破砕部4は、乾燥した落ち葉などの被焼却物16を投入する破砕機投入口4aと破砕機本体4bとからなる。破砕機投入口4aの内方には、被焼却物16である枝、雑草等を破砕する破砕機本体4bが設置されている。破砕機本体4bは、上破砕歯車4dと下破砕歯車4eとクラッシャー4cとからなる。図6に示すように、焼却炉3の下部の右側に設置されている。
【0022】
図4に示すように、破砕部4の投入口4aへ投入された被焼却物16は、上破砕歯車4dと下破砕歯車4e間に引き込まれ、上破砕歯車4dと下破砕歯車4e間を通り、破砕機内部まで引き込まれ、被焼却物16aを更に細かく破砕するためにクラッシャー4cに送り込まれ、細かく破砕される。
【0023】
破砕部4を構成する上破砕歯車4dと下破砕歯車4eは、上下方向に対向できるように破砕機内部に設置されている。上破砕歯車4dは右方向に回転し、下破砕歯車4eは左方向に回転する。上破砕歯車4dと下破砕歯車4eはモータによって駆動し回転する。
【0024】
剪定された枝、雑草等の被焼却物16は、上破砕歯車4dと下破砕歯車4e間を通過する前は、枝や雑草等は大きいが、上下破砕歯車2d、2e間を通過する際に上下破砕歯車4d、4eにより破砕されて小さい被焼却物16aとなる。そして、小さく破砕された被焼却物16aは、クラッシャー4cの間を通過させることで、より細かく破砕されて粒状の被焼却物16bとなる。
【0025】
破砕部4内に設置されている上下破砕歯車4d、4eにハンドルを取り付けて手動で回転できる構造としてもよい。勿論、タイマー又はリミットスイッチを取り付けたモータを上下破砕歯車4d、4eに取り付けて自動的に回転させる構造としてもよい。
【0026】
図4に示すように、破砕部4から車輌2の内部に被焼却物16を移送するための移送部5は、コンベアー5a内部に右回りに回転ができる駆動源であるモータ5bと、破砕機内部から炉床7の下部まで略楕円状のベルトが前記モータ5bの上部に張られたコンベアー5aとからなる。コンベアー5aの左端には垂直方向に新たな垂直移送部6を設け、移送部5と垂直移送部6では、へ字状を形成している。
【0027】
被焼却物16が破砕部4内に設置されている上下右破砕歯車4d、4e間を通り、破砕機内部から移送部5内に設置されているベルトコンベアー5a上に落下し、ベルトコンベアー5a上に落下した雑草である被焼却物16aは、破砕された状態で垂直移送部6へ移送される。
【0028】
図6、図7及び図8に示すように、移送部5から移送された被焼却物16を焼却炉3の焼却部3aに移送する垂直移送部6は、中空の移送管6aと、移送管6a内に上下運動するピストン6cと、ピストン6cの動力である油圧装置6bからなる。ピストン6cに代えてモータで回転し被焼却物を移送するスクリューコンベアーを取り付けてもよい。
【0029】
移送管6aの開口部6dは焼却炉内部3qに挿入されている。中空の移送管6aにあるピストン6cは移送管6a内を上下運動し、移送管6aの内部にある被焼却物16aは開口部から焼却炉内部3qへ押し入れられる。移送管6a内を上下動するピストン6cの上端には耐熱材が取り付けられている。例えば、セラミックである。勿論、耐熱材は取り付けなくてもよい。
【0030】
図4、図7及び図8に示すように、移送部5及び垂直移送部6を通り送り込まれた被焼却物16bを燃焼し焼却する焼却炉3の焼却部3aは、焼却炉内部3qと、焼却炉内部3qの下方の炉床7に取り付けられている火格子7bと、炉床7の下方に設置されているホッパー7aとからなる。
【0031】
焼却炉3により被焼却物16bが焼却されて出る焼却灰16cを灰受け室12に移送する灰移送部8は、中空の灰移送管8aと、灰移送管8aの内部に設けたスクリューコンベア8bと、スクリューコンベアー8bを回転させる駆動源であるモータ8cとからなる。
【0032】
灰移送管8aの右方には、スクリューコンベアー8bを回転させるための駆動源であるモータ8cがある。スクリューコンベアー8bの左端には、灰移送管8dが垂直に連設されていて、この灰移送管8dの内部にもスクリューコンベアー8eが収納設置されている。
【0033】
灰移送管8dの下方には、スクリューコンベアー8eを回転させるためのモータ8fが設置されている。そして、灰移送管8dの上端の開口部は灰受け室12aの底面に固定されていて、灰移送管8d内と灰受け室内12aとは連通している。
【0034】
図8に示すように、灰受け部12は、灰移送部8から移送されてきた灰受け室12aと、灰受け室12aに貯まった焼却灰16dを取り出すために灰受け室12aの下に取り付けてある灰取出箱12bからなる。
【0035】
図7に示すように、灰受部12の下には、ディーゼル発電機13が設置されている。ディーゼル発電機13は、本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1を使用する時にモータ5b、8c等を稼動させるものである。
【0036】
焼却炉3の焼却部3a内で、被焼却物16bが燃焼焼却されることにより発生する微細な塵埃、有害物質等を除去するサイクロン部9は、塵受け9bと、送気管10aを取り付けたブロアー10とからなる。サイクロン部9は、焼却部内部3qと連通していて、燃焼ガス中に含まれている微細な塵を除去する。
【0037】
焼却部3a内と排出管11bが設置されているサイクロン室9aとは連通している。そのために、焼却部3a内で焼却された被焼却物16bから発生した排ガスは煙道9cを通りサイクロン室9aに流れ込む。
【0038】
排出管11bには、被焼却物16をより完全に焼却するために、先端が斜め下方向に向くようにしたバーナーを取り付け、または、排出管11bには、複数のバーナを取り付けて排出管11bを通過する排ガスに含まれる未燃焼物を燃焼させる構造としてもよい。
【0039】
ブロアー10に取り付けられている中空の送気管10aの先端は、排ガスを排出する排出管11bの下端の近接位置にある。勿論、排出管11bの下部に、送気管10aの上端部が入り込むように設置してもよい。
【0040】
サイクロン9のサイクロン室内9aには、矢印eのように気圧の低い燃焼炉内部3qから気圧の高いサイクロン9まで、焼却炉内部3qの上部の煙道9cから排ガスが流入する。
【0041】
サイクロン室9aの下方に設置されたている送気管10aを有するブロアー10を駆動させ風を起こし送気管10aの先端から吐き出させて風を矢印aのように排出管11bの下端から排出管11b内に送り込むと、サイクロン室9aで、排気ガスは矢印cのように渦流となりながら、送気管10aら強制的に送り込まれる空気とともに排出管11b内に吸引される。
【0042】
すると、サイクロン室9aは、負圧状態となり、焼却炉内部3qの排ガスが煙道9cを通り、矢印eに示すように、排気ガスは負圧状態となっているサイクロン室9a内に吸引されて流れ込む。
【0043】
すると、燃焼炉の排ガスが吸引されてサイクロン室9aに流れ込むと、燃焼炉内部3qも負圧状態となるので、焼却部3a内に酸素が火格子7bの下方から供給される。
【0044】
本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1では、焼却部3a内に垂直移送部6から、即ち、焼却部3aの底面から火格子7bに供給する構造であるから被焼却物16bを一気に焼却炉3内の火格子7bに落下させて投入することがないため、焼却部3a内の火格子7b上にに堆積した被焼却物16bが舞い上がることがなくなる。
【0045】
焼却部3a内で被焼却物16を燃焼し無害な状態としてから燃焼ガスを排出する排気部11は、排気管11aと焼却炉3内のサイクロン部9内に垂直に起立した状態で設けた排出管11bと、前記排気管11aの先端に取り付けたフィルター11cとからなる。
【0046】
排気管11aは可動式であり、排出管11bの上端に軸11dにより回動可能に連結されているので、不使用時には焼却炉3の上面に倒して置くことができ、使用時には排出管11b上に起立させることができる。
【0047】
フィルター11cは、焼却炉3の焼却部3a内で被焼却物16を燃焼焼却している時に発生する火の粉、有害物質等が大気中に飛散することを防止するために排気管11aの先端に取り付けたものである。
【0048】
本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1の焼却炉内部3qには、被焼却物16aを乾燥させるために、乾燥用の受け皿を設けてもよい。このように、乾燥用受け皿することにより、水分を多量に含んだ雑草の水分を蒸発し乾燥させた後に焼却できるので、容易に焼却できるようになる。
【0049】
焼却炉内部3qに設ける乾燥用受け皿の構造は、網状、皿状、格子状等のいずれかの構造で、回転可能な構造、着脱可能な構造としても良い。以後に、詳細な説明に出てくる乾燥用受け皿は全て同様な構造である。
【0050】
図4、図7及び図8に示すように、焼却炉内部3qの下方には回転式の火格子7bが設置されているとともに、火格子7bの下方には焼却灰16cを受け入れるホッパー7aが設置されている。
【0051】
移送管6aから押し出された細かく破砕された被焼却物16bは、炉床7である回転式の火格子7b上に堆積し、点火されて完全に燃焼される。勿論、火格子7bは、火格子7bが回転する構造の回転式ではなく、回転することがない固定式の火格子としてもよい。また、回転式の火格子7b又は固定式火格子7bに振動機を取り付けて振動する構造の火格子7bとしてもよい。
【0052】
図4及び図5に示すように、本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1の焼却炉3内部に破砕部4、移送部5等が配置されている。焼却部3aは焼却炉3の後部の上方に配置され、焼却部3aの下方の後方に破砕部4が配置され、即ち、破砕部4は車輌2の荷台2aに搭載されている焼却炉3の後方に配置されている。
【0053】
また、移送部5及び灰移送部8は、共に焼却部3aの下方に配置されていて、垂直移送部6は焼却部3aの焼却部内部3qの左方に配置されている。更に、サイクロン部9は、焼却部3aの左の位置にあり、排気部11は焼却部3aの上方及び左方の位置に配置されている。そして、灰受け部12はサイクロン部9の左側の位置に配置されている。
【0054】
図8に示すように、灰移送部8から送り込まれた焼却灰16dは、灰受け部12の灰受室12aに貯溜され、その後、焼却灰16dは連通孔12bを通り、灰受け室12aの下部に設置されている灰取出箱12c内に落下する。
【0055】
図9は、本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例で、排気部の排気管11aを起立させた状態を示した正面図である。図9に示すように、排気管11aは、焼却炉3のサイクロン部9のサイクロン室9a内にある排出管11bに回動可能に連結されている。このように、被焼却物16を焼却している時に起立させる。
【0056】
図9に示すように、焼却炉3の側面には、アフターバーナーを点検するためのアフターバーナー点検扉3e、ブロアーを点検するためのブロアー点検扉3f、制御機器を点検操作するために開閉する制御盤点検扉3g、ディーゼル発電機を点検するためのディーゼル点検扉3h等が蝶番3i〜3pにより開閉可能に取り付けられている。
【0057】
前記制御盤は、本例の発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1全体の稼動をコントロールするための機器である。
【0058】
焼却炉3の焼却部3aの上面に、焼却部3a内に被焼却物16を投入できるように開閉蓋を取り付けた投入口を設けても良い。このような構造にすることにより破砕部4が故障した場合でも被焼却物16の投入することができる。
【0059】
図10は、本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第2実施例で、車輌2にキャタピラーを取り付けた状態を示した正面図である。
【0060】
本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1aでは、図1から図9までに示した車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1の車輌2の荷台2aの下部の前輪2cと後輪2d、7つの中輪2eとガイドローラー2gを取り付けて、前輪2c及び後輪2dの車輪にをキャタピラーベルト2hを取り付けた構造である。
【0061】
即ち、本例の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1aの車輌2の前輪2c及び後輪2dにキャタピラー2fを取り付けた構造とすることで、山間部の道路が整備されていない場所でも移動することができる。
【0062】
そのために、地面に固定した状態で取付けされた焼却炉と異なり、被焼却物の焼却に不自由することなく、なおかつ、焼却に伴う焼却炉の周辺の土壌を汚染することがない環境に優しい焼却炉とすることができる。
【0063】
以上に説明した本車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1aは、車輌2の荷台に搭載した焼却炉のみならず、雑草及び枝葉からなる被焼却物を焼却するための焼却炉の用途以外にも使用することができる。
【0064】
即ち、燃焼することのない雑草を微生物がより分解する微生物分解装置、雑草を炭化させるための炭化炉、乾燥炉、溶融炉等として使用することも可能である。この場合には、熱発生装置を取り付ける必要がある。このように、本車両搭載移動式一般雑芥焼却装置1、1a被焼却物を燃やすことなく有効に利用することができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明である、車両搭載移動式一般雑芥焼却装置は、以上のような構成であるから、以下の効果が得られる。
【0066】
第1に、本願発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置では、固定式の焼却炉ではなく、車輌の荷台に搭載した移動式の焼却炉で破砕部とサイクロンを有した構造であるため、被焼却物を投入した後に、被焼却物を破砕する必要が無く、サイクロンに設置したブロアーが焼却炉の炉内に侵入して焼却炉の炉内で高温でなくとも不完全燃焼を発生させることがなくなり、炉内の被焼却物が完全燃焼することができるので一酸化炭素、ダイオキシン等の有害物質が発生することがない。
【0067】
第2に、本願発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置では、移動式であるため、被焼却物を焼却炉内部まで運搬する必要もなくなり、被焼却物の処理量に制限されることなく、被焼却物は完全燃焼するので煤煙を発生することもなくなるので、焼却有害物質の発生を防止するとともに焼却炉周辺の環境保護にもなる。
【0068】
第3に、本願発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置では、被焼却物を焼却炉の真上の位置又は真横の位置に設けられている投入口より、被焼却物を焼却炉の炉内に一気に投入することがなくなるので、投入前から炉床上で燃焼している被焼却物の焼却灰が炉内全体に舞い上がることがないので、炉内の温度が急激に低下することもなく被焼却物が完全に燃焼するとともに炉内に舞い上がった焼却灰が大気中に飛散することがない。
【0069】
第4に、被焼却物を焼却した後の焼却灰に含まれているダイオキシン等の有害物質さえも、無害化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の正面図である。
【図2】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の平面図である。
【図3】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の右側面図である。
【図4】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の縦断面図であり、破砕部からホッパーまで、被焼却物が移送される状態を示した縦断面図である。
【図5】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の横断面図である。
【図6】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の右側面図である。
【図7】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の縦断面図であり、破砕部から燃焼部へ被焼却物が移送される状態を示した図である。
【図8】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の横断面図であり、燃焼部から灰受室へ被焼却物が移送される状態を示した図である。
【図9】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第1実施例の正面図であり、排気部を起立させた状態を示した正面図である。
【図10】 本発明である車両搭載移動式一般雑芥焼却装置の第2実施例の正面図であり、キャタピラーを取り付けた状態を示した図である。
【符号の説明】
1、1a 車両搭載移動式一般雑芥焼却装置
2 車輌
2a 荷台
2b 荷台支持枠
2c 前輪
2d 後輪
2e 中輪
2f キャタピラー
2g ガイドローラー
2h キャタピラーベルト
3 焼却炉
3a 焼却部
3b 開閉扉
3c 吊り金具
3d 開閉蓋
3e アフターバーナー点検扉
3f ブロアー点検扉
3g 制御盤点検扉
3h ディーゼル点検扉
3i〜3p 蝶番
3q 焼却炉内部
3r 取手
3s 点検扉
4 破砕部
4a 破砕機投入口
4b 破砕機本体
4c クラッシャー
4d 上破砕歯車
4e 下破砕歯車
5 移送部
5a ベルトコンベアー
5b モータ
6 垂直移送部
6a 移送管
6b 油圧装置
6c ピストン
6d 開口部
7 炉床
7a ホッパー
7b 火格子
8 灰移送部
8a 灰移送管
8b スクリューコンベアー
8c モータ
8d 灰移送管
8e スクリューコンベアー
8f モータ
9 サイクロン部
9a サイクロン室
9b 塵受
9c 煙道
10 ブロアー
10a 送気管
11 排気部
11a 排気管
11b 排出管
11c フィルター
11d 軸
12 灰受部
12a 灰受け室
12b 連通孔
12c 灰取出箱
13 ディーゼル発電機
14 灯油タンク
15 制御盤
16 被焼却物
16a 被焼却物
16b 被焼却物
16c 焼却灰
16d 焼却灰
16f 焼却灰
Claims (2)
- 後側下部において投入した被焼却物を上下破砕歯車及びクラッシャーにより破砕する破砕部と、前記破砕部から内部までモータで駆動するベルトコンベアーにより被焼却物を移送する移送部と、前記移送部からヘ字状に形成され油圧装置で上下運動するピストンにより垂直方向に被焼却物を移送する垂直移送部と、前記垂直移送部より送り込まれた被焼却物を炉床に取り付けた火格子により燃焼し焼却する焼却部と、前記焼却部で被焼却物が焼却されて出る焼却灰をモータで駆動するスクリューコンベアにより灰受け室に移送する灰移送部と、前記焼却部で被焼却物が焼却されて出る燃焼ガスに含まれている微細な塵埃又は有害物質をブロアーで除去するサイクロン部と、前記サイクロン部で無害な状態にした燃焼ガスを排出する排気部と、前記灰移送部より送り込まれ灰受け室に貯まった焼却灰を取り出す灰受け部とからなる焼却炉を、車輌の荷台に搭載したことを特徴とする車両搭載移動式一般雑芥焼却装置。
- 車輌の前輪と後輪の間に中輪及びガイドローラーを取り付け、前記前輪及び後輪にキャタピラーを取り付けたことを特徴とする請求項1に記載の車両搭載移動式一般雑芥焼却装置。
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