JP3811570B2 - 内径仕上加工方法およびリーマ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸方向に間隔をあけて直列に並んだ複数の穴の内径をリーマにより仕上げ加工する内径仕上加工方法およびその加工方法の実施に好適なリーマに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えばエンジンのカムシャフト穴のように、軸方向に間隔をあけて直列に並んだ複数の穴の内径を高い同心度および寸法精度で仕上加工することがしばしば必要になる。この要求を満たすために、従来は、一枚刃のリーマが使用されており、その一枚の刃の刃先位置を微調整する刃先位置調整装置が設けられることもあった。一枚刃のリーマとしては、外周面に先端から基端に向かって軸方向に延びる複数のランドを備え、それらランドの一つに主切れ刃および副切れ刃が形成されたものが好適であり、これら主切れ刃および副切れ刃は、ランドの一つに固定された超硬合金より硬度の高い高硬度焼結体チップ等により形成されることが望ましい。
しかし、直列に並んだ複数の穴の内径の同心度および寸法精度の要求が高い場合には、上記のようなリーマを使用してもなお要求を満たすことは容易ではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用および効果】
本発明は、以上の事情を背景としてされたものであり、したがってその課題は、直列に並んだ複数の穴の内径の同心度および寸法精度の要求が高い場合でも、容易にその要求を満たし得る内径仕上加工方法およびその加工方法の実施に好適なリーマを得ることである。
本発明によって、下記各態様の内径仕上加工方法およびリーマが得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、各項に記載の特徴の組合わせの可能性の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の特徴およびそれらの組合わせが以下のものに限定されるわけではない。
(1)軸方向に間隔をあけて直列に並んだ複数の穴の内径をリーマにより仕上加工する方法であって、
前記リーマとして、外周面に先端から基端に向かって延びる少なくとも1つのランドを備え、その少なくとも1つのランドの旋回半径が前記先端近傍の一定長さ部分においてその一定長さ部分に隣接する部分より小さくされ、その一定長さ部分が先端小径部、それに隣接する部分が案内部とされ、先端小径部の前記少なくとも1つのランドの少なくとも1つに主切れ刃と副切れ刃とが形成され、その副切れ刃の旋回半径が、前記先端小径部における前記少なくとも1つのランドの旋回半径より大きく、前記案内部における前記少なくとも1つのランドの旋回半径より小さくされたものを使用し、前記直列に並んだ複数の穴の端のものから順に前記主切れ刃および副切れ刃により内径仕上加工を行い、その内径仕上加工が終わった穴に前記案内部の外周面を嵌合させた状態で次の穴の内径仕上加工を行う内径仕上加工方法(請求項1)。
本方法の実施に使用されるリーマの主切れ刃および副切れ刃は案内部と一体的に形成することも可能であるし、主切れ刃および副切れ刃を備えたスローアウェイチップをリーマに取り外し可能に取り付けることも可能である。また、刃先位置(副切れ刃の旋回半径)の微調整が可能な刃先位置調整装置を備えたリーマとすることも可能である。
軸方向に間隔をあけて直列に並んだ複数の穴の内径が本方法により仕上加工される際には、最初の穴は通常のリーマによる場合と同様に加工が行われる。しかし、2個目の穴が加工される際には、最初に加工された穴にリーマの案内部が締まり嵌合ないしそれに近い状態で嵌合され、実質上半径方向に移動不能となっており、そのように精度良く案内されている部分から比較的近い位置において2個目の穴の内径仕上加工が行われるため、最初の穴と2個目の穴との高い同心度が保証されるとともに、2個目の穴の高い寸法精度が保証される。特に、主切れ刃および副切れ刃と案内部とを一体的に形成し、同一の工程で加工する場合には、両者に微小な旋回半径差を付与することが容易であり、かつ、刃先位置調整を行う必要がない。刃先位置を微調整する刃先位置調整装置を有するものにおいては通常の作業者では十分な調整ができず、専門の調整者が必要であるほど調整が困難なのであるが、その作用が不要となるのである。
なお、2個目以降の穴の加工時にはそれ以前に加工された穴の内周面とリーマの案内部とが締まり嵌合するように、先端小径部と案内部との旋回半径を選定すれば、特に高い同心度および加工精度が得られるが、締まり嵌合しない場合でも、副切れ刃の旋回半径を案内部における前記複数のランドの旋回半径より小さくすれば、従来に比較して同心度および加工精度を向上させることができる。
(2)前記複数の穴が3個以上であり、前記案内部の外周面を2個以上の穴に嵌合させた状態で少なくとも1個の穴の内径仕上加工を行う(1) 項に記載の内径仕上加工方法。
仕上加工すべき穴が3個以上である場合には、最初の2個の穴については上記の通りであるが、3個目の穴が加工される際にはリーマの案内部が加工済みの2個の穴を直列に貫通し、軸方向において互いに離れた2点において案内された伏態で3個目の穴が加工されるため、それら3個の穴の高い同心度が保証される。4個目以降の穴についても同様である。
(3)外周面に先端から基端に向かって延びる少なくとも1つのランドを備え、その少なくとも1つのランドの旋回半径が前記先端近傍の一定長さ部分においてその一定長さ部分に隣接する部分より小さくされ、その一定長さ部分が先端小径部、それに隣接する部分が案内部とされ、先端小径部の前記少なくとも1つのランドの少なくとも1つに主切れ刃と副切れ刃とが形成され、その副切れ刃の旋回半径が、前記先端小径部における前記少なくとも1つのランドの旋回半径より大きく、前記案内部における前記少なくとも1つの旋回半径より小さくされたリーマ(請求項2)。
(1) 項に記載の内径仕上加工方法を実施するに適したリ一マが得られる。
(4)前記案内部の旋回半径と前記副切れ刃の旋回半径との差が、30μm以内である (3)項に記載のリーマ(請求項3)。
上記差は、副切れ刃の旋回半径が大きいほど大きくされるべきものであるが、一般的には、20μm以内とされることが望ましく、10μm以内とされることが特に望ましい。
(5)前記主切れ刃および副切れ刃が、前記先端小径部の先端に固定された超硬合金より硬度の高い高硬度チップにより形成された (3)項または (4)項に記載のリーマ(請求項4)。
主切れ刃および副切れ刃を高硬度チップにより形成すれば切れ味が良くなり、仕上加工された穴の内周面の面粗さおよび寸法精度が良くなるとともに、主切れ刃および副切れ刃の耐久性が向上し、リーマの寿命が長くなる効果が得られる。一般に、主切れ刃が摩耗した場合には、高硬度チップを先端側から研磨して再使用され、研磨によりチップが短くなれば廃棄される。高硬度チップとしては、例えば、超硬合金台の上に人造ダイヤモンドを超高温高圧で焼結したものや、超硬合金台の上にCBN(立法晶型窒化ほう素)を超高温高圧で合成したもの等が使用可能である。
(6)前記副切れ刃と前記案内部との少なくとも一方にバックテーパが付けられており、前記先端小径部および前記案内部の旋回半径がそれら先端小径部および案内部の最大旋回半径で表される (3)ないし (5)項のいずれか1つに記載のリーマ。
副切れ刃に、基端側ほど旋回半径が小さくなるバックテーパを付けることは不可欠ではないが、望ましい。また、案内部には、案内機能の点からすればバックテーパを付けないことが望ましいが、案内部の先端側より基端側が大径となることを回避するために、基端側に向かってごく僅かなバックテーパを設けてもよい。バックテーパを付ける場合には、前記 (4)項における案内部の旋回半径と副切れ刃の旋回半径との比較は、先端側の最も半径の大きい部分の旋回半径である最大旋回半径同士で行うものとする。
(7)前記ランドを複数備え、前記主切れ刃と副切れ刃との交点と当該リーマの軸線とを含む一平面より、主切れ刃および副切れ刃を有するランド側の半分の領域である第1領域においては、前記複数のランドの互いに隣接するものの角度間隔が、反対側の半分の領域である第2領域における角度間隔より狭い (3)ないし (6)項のいずれか1つに記載のリ一マ。
主切れ刃および副切れ刃により切削加工が行われる場合には、それらに作用する切削抵抗力がランドを介して穴の内周面により受けられ、リーマの撓みが防止されるのであるが、切削抵抗力は一定ではなく増減するため、リーマが切削抵抗力により撓まされる向きとは逆向きに撓むことも防止されることが望ましい。また、リーマの軸線位置を一義的に規定するためにも、第1,第2の両領域にランドを設けることが必要である。一方、ランドの数を多くすれば、それだけリーマの回転抵抗が増大するため、ランドの数は少ないことが望ましい。したがって、切削抵抗力を伝える必要がある第1領域においてランドの外周面積を大きくし、第2領域においては小さくすることが望ましいのである。
(8)前記主切れ刃および副切れ刃を有するランドから直径方向に隔たった位置に前記複数のランドの1つが設けられた (3)ないし (7)項のいずれか1つに記載のリーマ。
(9)前記第1領域に、前記主切れ刃および副切れ刃が形成されたランドの他に2個のランドが設けられ、前記第2領域に、前記主切れ刃および副切れ刃が形成されたランドから直径方向に隔たったランドの他に1個のランドが設けられた (8)項に記載のリーマ。
(10)前記ランドを1つ備えた (3)ないし(6) 項のいずれか1つに記載のリーマ。
(11)前記少なくとも1つのランドが当該リーマの軸線に平行な真っ直ぐのランドである (3)ないし (10) 項のいずれか1つに記載のリーマ。
(12)前記少なくとも1つのランドが、当該リーマの軸線のまわりに捩じれたスパイラルランドである (3)ないし (10) 項のいずれか1つに記載のリーマ。
(13) (3)項ないし(12)項のいずれか1つに記載されたリーマと、
そのリーマの基端部を保持して、工作機械の主軸に着脱されるリーマホルダとを含むリーマ装置。
リーマを工作機械の主軸に、取付位置の高い再現性を保証しつつ着脱するためには、リーマの基端部に相当大がかりな取付部を設けることが必要である。この取付部をリーマとは別体のリーマホルダとすれば、取付部は複数のリ一マに対して共通に使用することが可能となり、工具コストの低減を図り得る。
(14)前記リーマと前記リーマホルダとの間に、両者の軸線の相対位置と相対傾きとの少なくとも一方を補正する補正装置が設けられた(13)項に記載のリーマ装置。
上記のように、リーマをリーマホルダに着脱可能とする場合には、リーマのリーマホルダに対する取付位置の調整を可能とすることが望ましい。同心度および寸法精度の要求が高い場合には、例えば、互いに嵌合してリーマとリーマホルダとの軸線の相対位置決めを行う嵌合突部と嵌合凹部とを設けても、両者の嵌合のみでは要求精度を満たすことはできない場合が多いからである。
(15)前記リーマが、基端部に半径方向外向きのフランジを備え、そのフランジの等角度間隔位置に3本以上の軸方向調節ねじが前記リーマホルダの端面に当接可能に設けられ、それら軸方向調節ねじの間に、フランジを軸方向調節ねじを介して前記リーマホルダに押しつけるボルトが設けられて、それらボルトと軸方向調節ねじとが前記相対傾きを補正する補正装置を構成している(14)項に記載のリーマ装置。
(16)前記リーマと前記リーマホルダとがそれぞれ互いに軸方向に嵌合する嵌合突部と嵌合凹部とを備え、かつ、嵌合凹部の周壁の等角度間隔位置に3本以上の半径方向調節ねじが前記嵌合突部の外周面に当接可能に設けられ、それら半径方向調節ねじが前記軸線の相対位置を補正する補正装置を構成している(13)ないし(15)項に記載のリーマ装置。
【0004】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1において、10はリーマホルダである。リーマホルダ10は概して段付きの円筒状を成しており、リーマホルダ10の中央部が本体部12,後端部側(図1において右方)が小径の嵌合部14,前端部側(図1において左方)がリーマ16を保持するリーマ保持部18とされている。嵌合部14は、後部ほど小径となるテーパ外周面20を備えており、図3に示す工作機械の主軸24に取り付けられるようになっている。主軸24は、図示しない主軸台に回転可能に保持されており、主軸台は図示しない送り装置により主軸24の軸方向に移動させられる。
【0005】
主軸24はその回転軸線と同軸に延びる主軸穴26を備えている。主軸穴26の主軸24の端面28に開口する部分は大径穴部とされている。大径穴部の開口近傍部はリーマホルダ10の嵌合部14のテーパ外周面20に対応するテーパ内周面とされている。また、大径穴部内には、段付円筒状の嵌合部材30が嵌合され、相対移動不能に固定されている。嵌合部材30は、軸方向に延び、直径が主軸穴26の小径穴部と同じである貫通穴32を有している。嵌合部材30は大径部において主軸穴26に嵌合されるとともに、小径部が主軸穴26の開口側へ向かって延び出させられている。嵌合部材30の小径部には、貫通穴32に達する一対の半径方向穴38が形成されており、各半径方向穴38はボール40を半径方向に移動可能かつ軸方向には実質的に移動不能に保持している。
【0006】
主軸穴26にはクランプロッド44が挿通されている。クランプロッド44は主軸24に設けられた図示しないロッド駆動装置によって主軸穴26内を軸方向に進退させられるようになっており、先端部が嵌合部材30の貫通穴32に嵌入可能とされている。その先端部の外周面には、前記ボール40が嵌入可能な一対のボール収容切欠46が形成されるとともに、各ボール収容切欠46からクランプロッド44の先端へ向かう一対の傾斜面48が形成されている。傾斜面48は先端側ほどクランプロッド44の軸線から遠ざかる向きに傾斜している。また、ボール収容切欠46および傾斜面48の横断面形状はそれぞれほぼ半円形および弓形であり、ボール40をできる限り広い面で受けるようにされている。クランプロッド44の中心には、クーラント穴50が形成されている。
【0007】
一方、図1に示すように、リーマホルダ10の嵌合部14は軸方向穴52を有し、直径方向に隔たった2箇所に軸方向に延びる切欠54を備えている。また、各切欠54から90度隔たった部分に、嵌合部14の外周面から半径方向に延びて軸方向穴52へ開口する一対の貫通穴56を備えている。各貫通穴56は嵌合部14の外周面においては開口部が円形とされているが、嵌合部14の内周面に向かうほどリーマホルダ10の軸方向の寸法が大きくされ、長穴とされている。それによって、図3に示すように、貫通穴56の嵌合部14の後端面60側の部分に半径方向内向きの傾斜面62が形成される。傾斜面62の傾斜方向はクランプロッド44の傾斜面48とは逆向きとされており、傾斜角度の絶対値が傾斜面48のそれより大きくされている。
嵌合部14の軸方向穴52の内周面にはOリング64が嵌装されている。また、リーマホルダ10の本体部12の外周面には円環状の係合溝70が形成されている。
【0008】
主軸24にリーマホルダ10が取り付けられていない状態では、クランプロッド44は前進端位置にあり、ボール収容切欠46内のボール40は嵌合部材30の半径方向穴38から外周側には突出していない。リーマホルダ10の嵌合部14の貫通穴56と嵌合部材30の半径方向穴38との位相が合致させられた状態で、作業者の手により、あるいは係合溝70に係合した自動工具交換装置により、嵌合部14が主軸穴26に嵌合されれば、クランプロッド44のボール収容切欠46,嵌合部材30の半径方向穴38および嵌合部14の貫通穴56が連通させられ、ボール40が貫通穴56に嵌入可能となる。また、嵌合部14の切欠54に嵌合部材30の図示省略の係合突起が嵌入し、リーマホルダ10の回転を防止する状態となる。
なお、リーマ16は主軸24に対して常に図2に示す同一の相対位相で取り付けられることが望ましいため、リーマホルダ10が主軸24に対して180度異なる別の位相、リーマ16がリーマホルダ16に対して90度,180度あるいは−90度異なる別の位相で取り付けられることを防止すべく、各部材にはそれぞれ図示しない合マークが付けられている。
【0009】
この状態で、クランプロッド44がロッド駆動装置により主軸穴26内へ引き込まれれば、図3に示すように、ボール40がクランプロッド44の傾斜面48へ乗り上げ、半径方向穴38を経て貫通穴56へ嵌入させられ、傾斜面62に当接させられる。したがって、2つの斜面の効果によりリーマホルダ10の嵌合部14が、リーマホルダ10の本体部12の端面76が主軸24の端面28に当接するまで主軸穴26に引き込まれ、嵌合部14のテーパ外周面20が主軸穴26のテーパ内周面に密着させられてリーマホルダ10が主軸24に固定される。また、Oリング64が嵌合部材30の先端部に接触する。
【0010】
一方、ロッド駆動装置によりクランプロッド44が、その先端面がリーマホルダ10の嵌合部14の軸方向穴52の底面に当接するまで前進させられれば、ボール収容切欠46がボール40を収容可能となり、リーマホルダ10の主軸24からの離脱が許容される。
【0011】
図4および図5に示すように、リーマホルダ10のリーマ保持部18において、本体部12とは反対側の端面80には、嵌合穴82が形成されている。嵌合穴82の底面にはクーラント穴84が開口し、クーラント穴84は軸方向に延びて嵌合部14の軸方向穴52に連通している。リーマ保持部18の端面80にはまた、嵌合穴82より外周側において周方向に隔たった4箇所に等角度間隔に雌ねじ穴86がそれぞれ形成されている。また、リーマ保持部18において端面80から小距離軸方向に隔たった位置には、リーマホルダ10の周壁を貫通する雌ねじ穴87が、上記各雌ねじ穴86とは位相を異にする4箇所に等角度間隔にそれぞれ形成されている。各雌ねじ穴87には、六角穴付き平先止めねじである半径方向調節ねじ88が螺合されている。半径方向調節ねじ88の六角穴89に外側から工具を係合させて回転させることにより、半径方向調節ねじ88の嵌合穴82の内周面からの突出長さを適宜調節することができる。
【0012】
嵌合穴82には、リーマ16が嵌合される。リーマ16は、軸方向に延びるリーマ本体90と、フランジ98とを備えている。リーマ本体90の一端部は、刃部92を有する先端小径部94とされ、反対側の基端部がシャンク96とされており、そのシャンク96に半径方向外向きに突出するフランジ98が設けられているのである。フランジ98のリーマ本体90が延び出す端面100とは反対側の端面102からは、端面形状がほぼ円形の嵌合突部104が軸方向に突出しており、前記嵌合穴82に嵌合させられる。フランジ98には、軸方向に貫通する貫通穴105が形成されている。貫通穴105は、嵌合突部104側が小径となる段付状とされ、肩面が形成されている。なお、これらリーマ本体90およびフランジ98は加工の都合上別体とされているが、フランジ98の貫通穴105にリーマ本体90のシャンク96が上記肩面に当接するまで挿入された状態で、焼き嵌めにより一体化されている。
【0013】
図6および図7に示すように、嵌合突部104の外周部には、等角度間隔に隔たった4箇所の弓形の部分が切り欠かれて平面106が形成されている。フランジ98には、等角度間隔で隔たった4箇所であって各平面106に対応する位置に雌ねじ穴108が軸方向に形成されている。この雌ねじ穴108には六角穴付き平先止めねじである軸方向調節ねじ110が螺合されている。軸方向調節ねじ110も、半径方向調節ねじ88と同様、六角穴111に工具を係合させて回転させることにより、先端部のフランジ98の端面102からの突出長さを適宜調節することができる。また、フランジ98において、上記雌ねじ穴108とは位相を異にする4箇所には、等角度間隔でボルト穴112がそれぞれ形成されている。
【0014】
リーマ16をリーマホルダ10に取り付ける際には、リーマホルダ10のリーマ保持部18の雌ねじ穴86とリーマ16のフランジ98のボルト穴112との位相、およびリーマ保持部18の雌ねじ穴87とフランジ98の雌ねじ穴108との位相がそれぞれ一致させられた状態で、フランジ98の端面102とリーマホルダ10の端面80とが当接するまでリーマ16の嵌合突部104がリーマホルダ10の嵌合穴82に嵌入させられる。そして、ボルト穴112を通して雌ねじ穴86にボルト114が緩く締められた状態で、図4に示すように、半径方向調節ねじ88の先端面118が嵌合穴82の内周面から突出して平面106に当接させられる。各半径方向調節ねじ88の嵌合穴82からの突出長さがそれぞれ調節されることにより、リーマ16とリーマホルダ10との両軸線の相対位置のずれが補正される。また、図5に示すように、各軸方向調節ねじ110の先端面122がリーマホルダ10の端面80に当接させられるとともに、各軸方向調節ねじ110のフランジ98の端面102からの突出長さが調節されることにより、リーマ16とリーマホルダ10との両軸線の相対傾きが補正される。これにより、リーマ16とリーマホルダ10との軸線が精度良く一致する状態でリーマ16がリーマホルダ10に保持され、ボルト114が固く締められることによりリーマ16がリーマホルダ10に固定される。
【0015】
リーマ本体90は、前記シャンク96と、シャンク96の先端面から軸方向に延び出すボデー128とを備えている。ボデー128は、前記刃部92を有する先端小径部94と、先端小径部94とシャンク96との間の部分であって先端小径部94より軸方向に長く延びる案内部130とを備えている。リーマ本体90の中心部には、クーラント穴132が軸方向に延びて形成されており、リーマ16がリーマホルダ10に取り付けられた状態でリーマホルダ10のクーラント穴84と連通する。ボデー128には、図8の(a)に示すように、先端小径部94から案内部130までリーマ16の軸線に平行に真っ直ぐに延びる溝134,135,136,137,138が形成され、そして、図8の(b)に示すように、溝134,136,137,138の溝底面の一部をそれぞれ含むほぼ弓形の外周部が切り欠かれることにより、複数(本実施形態の場合5個)のランド140,141,142,143,144がそれぞれ形成されている。したがって、これらランド140〜144もリーマ16の軸線に平行に真っ直ぐに延びている。また、溝134〜138が等角度間隔では形成されていないため、ランド140〜144の形成位置も等角度間隔ではない。ランド140〜144の形成位置については後に説明する。
【0016】
ランド140の先端小径部94には、上記溝134より深い溝148が形成されている。溝148の底面には、図1に示すように、軸方向に隔たった2箇所にそれぞれクーラント穴150,152が開口している。クーラント穴150,152は、後端側ほど軸線に接近する向きに傾斜しており、前記クーラント穴132に連通している。したがって、図示しないクーラント供給装置から主軸24側のクーラント穴50を通ってリーマホルダ10のクーラント穴132に供給されるクーラントは、これらクーラント穴150,152から吐出される。
【0017】
図9に示すように、ランド140の溝148の先端側の溝側面には、チップ取付座としての切欠154が形成され、ダイヤモンド焼結体(超硬合金台の上に人造ダイヤモンドを超高温高圧で焼結したもの)のチップ156が嵌合され、ろう付けにより固定されている。チップ156は、溝148の溝側面と同一平面上にあるすくい面158を有している。図10に示すように、チップ156は、リーマ本体90の先端面より僅かに軸方向に突出し、その突出部に食付き部160が設けられ、ここに主切れ刃162が形成されている。また、チップ156は、すくい面158と交差するマージン164を有し、すくい面158とマージン164との交線により副切れ刃166が形成されている。上記すくい面158,主切れ刃162,マージン164および副切れ刃166等により前記刃部92が構成されている。
【0018】
副切れ刃166のリーマ軸線からの距離(以下、これを旋回半径と称する)は、先端小径部94における各ランド140〜144の各旋回半径より大きくされている。なお、本実施形態においては、副切れ刃166には、軸方向に逃げを与えるためのバックテーパが付されており、副切れ刃166の旋回半径は後端側(案内部130側)ほど僅かに小さくなるのであるが、その副切れ刃166の後端部においても、副切れ刃166の旋回半径は先端小径部94の各ランド140〜144の旋回半径よりも大きくされている。また、先端小径部94における各ランド140〜144にもごく僅かではあるが軸方向にバックテーパが付されている。
【0019】
ここで、チップ156の主切れ刃162と副切れ刃166との交点とリーマ16の軸線とを含む一平面よりランド140側の半分の領域を第1領域とし、反対側の半分を第2領域とすると、図2に示すように、第1領域には、ランド140の他、ランド141,142が設けられており、第2領域には、ランド144が設けられている。また、ランド140と直径方向に隔たった位置にはランド143が設けられている。つまり、上記第1領域側には第2領域側より狭い角度間隔で2個のランド141,142が設けられていることになる。なお、各ランド141〜144の幅はほぼ等しくされ、ランド140の幅は他のランド141〜144の幅より小さくされている。
【0020】
リーマ本体90の前記案内部130における各ランド140〜144の旋回半径は、先端小径部94の各ランド140〜144の旋回半径より大きくされ、かつ、副切れ刃166の旋回半径よりも大きくされている。したがって、各ランド140〜144の先端小径部94と案内部130との間には図10に誇張して示すように段差が形成されている。本実施形態においては、案内部130の各ランド140〜144にも軸方向にごく僅かにバックテーパが付されており、案内部130のシャンク96に隣接する後端側が先端小径部94に隣接する先端側よりも僅かに小径となるのであるが、その案内部130の後端側においても、各ランド140〜144の旋回半径は副切れ刃166の旋回半径より大きくなるようにこのバックテーパが付されている。本実施形態においては、案内部130の各ランド140〜144の最大旋回半径(案内部130の先端部側の旋回半径)と副切れ刃166の最大旋回半径(副切れ刃166の主切れ刃162に隣接する部分の旋回半径)との差が8μmとされている。
【0021】
以上のように構成されたリーマ16により、軸方向に間隔をあけて直列に並んだ複数の穴の内径が仕上げ加工される。その一例として車両用エンジンのカムシャフト穴の内径仕上げ加工について図11に基づいて説明する。
シリンダヘッド170はヘッド本体に複数個の軸受キャップが固定されることにより構成されるが、軸受キャップが固定された状態では、図11に概略的に示すように、軸方向に間隔をあけて直列に並んだ状態で複数個のカムシャフト穴(図11には172,174,176で表される3個のみが示されている)が形成される。なお、シリンダヘッドの構造は一般に知られたものであるため、その詳細な図示および説明を省略する。
【0022】
各カムシャフト穴172,174,176の内径の仕上げ加工の際には、まず、リーマ16および主軸24が回転させられつつ前記送り装置により前進させられることにより、リーマ16の先端小径部94側が、外側からヘッド本体のカムシャフト穴172に挿入され、主切れ刃162および副切れ刃166の互いに隣接する部分により内周面が切削加工される。このとき主切れ刃162および副切れ刃166に作用する切削抵抗力は、前記第1領域側に設けられた2個のランド141,142と、ランド140と直径方向に隔たったランド143とを介してカムシャフト穴172の内周面に受けられることにより、リーマ16が第1領域側に撓むことが防止され、また、ランド141,142とは反対側の前記第2領域側にリーマ16が撓むこともランド144により防止されるため、リーマ16は精度良く一直線まわりに回転する。また、切削加工時にはクーラント穴150,152からクーラントが供給され、リーマ16とカムシャフト穴172との間に生じる摩擦を軽減し、かつ、両部材間の摩擦により発生した熱を運び去る。
【0023】
カムシャフト穴172の仕上げ加工が終了すれば、リーマ16はさらに前進させられてカムシャフト穴174に接近させられる。このとき、リーマ16の案内部130はカムシャフト穴172に締まり嵌合しており、カムシャフト穴172の案内によってリーマ16の軸線とカムシャフト穴176の中心線とが精度良く一致した状態に保たれる。本実施形態においては、副切れ刃166の旋回半径と案内部130の旋回半径とがそのように選定されているのであり、加工済みのカムシャフト穴172の内径とリーマ16の案内部130の旋回半径との寸法差である締めしろは、副切れ刃166の旋回半径と案内部130の旋回半径との差(8μm)にほぼ等しくなる。この状態でリーマ16の先端小径部94がカムシャフト穴174に挿入され、カムシャフト穴172と同様にして内周面の仕上げ加工が行われる。また、上記のように案内部130の各ランド140〜144がカムシャフト穴172に締まり嵌合された状態でリーマ16が回転させられるため、バニシング作用によりカムシャフト穴172の面粗さが向上させられる。
【0024】
カムシャフト穴174の仕上げ加工が終了すれば、リーマ16はカムシャフト穴174を貫通してさらに前進させられ、先端小径部94がカムシャフト穴176に挿入される。このとき、リーマ16の案内部130はカムシャフト穴172,174にそれぞれ締まり嵌合されることになり、リーマ16の案内部130が軸方向に互いに離れた2点において精度良く案内された状態でカムシャフト穴178の加工が行われる。このようにして全てのカムシャフト穴の仕上げ加工が終了すれば、リーマ16は後退させられる。
【0025】
本実施形態においては、リーマ16の案内部130を加工済みのカムシャフト穴に締まり嵌合させることにより、精度良く案内させた状態で次のカムシャフト穴を加工できるため、各カムシャフト穴の同心度が高く、かつ、寸法精度の高いカムシャフト穴を形成することができる。したがって、本実施形態の加工方法およびリーマは、特に高い同心度および寸法精度が要求される複数の穴の内径仕上加工に好適なものである。
【0026】
本実施形態におけるリーマ16のように、案内部130の旋回半径を副切れ刃166の旋回半径より大きくすることにより、軸方向に並ぶ複数の穴の高い同心度が保証されることは、図12に示す実験結果から明らかである。図12には、副切れ刃の刃先の旋回半径と案内部の旋回半径との差(刃先径−案内部径)の値がそれぞれ異なる3つのリーマ(そのうち2つは、旋回半径差が負の値であるリーマであり、残りの1つは正の値であるリーマである)により、シリンダヘッドのカムシャフト穴の内径仕上加工を行った際の各穴の同心度(直径に対する値で示す)の測定結果が示されている。各カムシャフト穴の同心度は、一般に知られた同心度測定器により測定され、軸方向の両端に位置する2つのカムシャフト穴の各中心同士を結んだ直線から、他のカムシャフト穴の内周面の各部までの距離の最大値と最小値との差により表されている。なお、それぞれのリーマについて、エキゾーストバルブ側のカムシャフト穴とインテイクバルブ側のカムシャフト穴とにおける各同心度がそれぞれ示されている。
【0027】
図12の測定結果によれば、案内部の旋回半径が副切れ刃の旋回半径より大きい方が、従来のように案内部の旋回半径より副切れ刃の旋回半径の方が大きい場合と比較して同心度の高いカムシャフト穴を得ることができ、特に、案内部の旋回半径と副切れ刃の旋回半径との差が4μm以上であれば高い同心度が得られ、本実施形態のように8μm程度とすればさらに高い同心度が保証される。
以上本発明の一実施形態を詳細に説明したが、これは文字通り例示であり、本発明は、特許請求の範囲を逸脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるリーマとそれを保持するリーマホルダを示す正面図である。
【図2】上記リーマおよびリーマホルダの左側面図である。
【図3】上記リーマホルダが主軸に取り付けられた状態を示す正面図(一部断面)である。
【図4】図1のA−A断面図である。
【図5】上記リーマおよびリーマホルダの要部を示す正面断面図である。
【図6】上記リーマのフランジを示す正面図である。
【図7】上記フランジの右側面図である。
【図8】上記リーマのランドの形成方法を説明するための図である。
【図9】上記リーマのチップが設けられた部分を拡大して示す図である。
【図10】上記リーマの要部を拡大して示す正面図である。
【図11】上記リーマにより内径仕上加工が行われている状態を示す正面(一部断面)図である。
【図12】リーマの副切れ刃の刃先の旋回半径と案内部の旋回半径との差と、複数のカムシャフト穴の同心度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10:リーマホルダ 16:リーマ 24:主軸 端面:80 88:半径方向調節ねじ 94:先端小径部 106:平面 110:軸方向調節ねじ 130:案内部 140,141,142,143,144:ランド 156:チップ 162:主切れ刃 166:副切れ刃 172,174,176:カムシャフト穴
Claims (4)
- 軸方向に間隔をあけて直列に並んだ複数の穴の内径をリーマにより仕上げ加工する方法であって、
前記リーマとして、外周面に先端から基端に向かって延びる少なくとも1つのランドを備え、その少なくとも1つのランドの旋回半径が前記先端近傍の一定長さ部分においてその一定長さ部分に隣接する部分より小さくされ、その一定長さ部分が先端小径部、それに隣接する部分が案内部とされ、先端小径部の前記少なくとも1つのランドの少なくとも1つに主切れ刃と副切れ刃とが形成され、その副切れ刃の旋回半径が、前記先端小径部における前記少なくとも1つのランドの旋回半径より大きく、前記案内部における前記少なくとも1つのランドの旋回半径より小さくされたものを使用し、前記直列に並んだ複数の穴の端のものから順に前記主切れ刃および副切れ刃により内径仕上加工を行い、その内径仕上加工が終わった穴に前記案内部の外周面を嵌合させた伏態で次の穴の内径仕上加工を行うことを特徴とする内径仕上加工方法。 - 外周面に先端から基端に向かって延びる少なくとも1つのランドを備え、その少なくとも1つのランドの旋回半径が前記先端近傍の一定長さ部分においてその一定長さ部分に隣接する部分より小さくされ、その一定長さ部分が先端小径部、それに隣接する部分が案内部とされ、先端小径部の前記少なくとも1つのランドの少なくとも1つに主切れ刃と副切れ刃とが形成され、その副切れ刃の旋回半径が、前記先端小径部における前記少なくとも1つのランドの旋回半径より大きく、前記案内部における前記少なくとも1つのランドの旋回半径より小さくされたことを特徴とするリーマ。
- 前記案内部の旋回半径と前記副切れ刃の旋回半径との差が、30μm以内である請求項2に記載のリーマ。
- 前記主切れ刃および副切れ刃が、前記先端小径部の先端に固定された超硬合金より硬度の高い高硬度焼結体チップにより形成された請求項2または3に記載のリーマ。
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