JP3810948B2 - スロットルバルブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用エンジン等の吸入空気量を調整するのに好適に用いられるスロットルバルブ装置に関し、特に、電動モータを用いてスロットルチャンバ内の弁体を開,閉駆動する構成としたスロットルバルブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車等のスロットルバルブ装置は、吸気通路が形成されたスロットルボディと、該スロットルボディの吸気通路に回動可能に設けられた弁軸と、前記吸気通路内に位置して該弁軸に設けられ、該弁軸と共に回動して前記吸気通路を開閉する弁体と、前記弁軸に取付けられ弁軸を回動させるアクチュエータとによって構成されている(例えば特開平4−203219号公報等)。
【0003】
また、この種のスロットルバルブ装置は、略楕円形状の弁体を吸気通路となる円筒状のスロットルチャンバ内に配設している。このため、弁体は、吸気通路に対して直交状態から僅かに(例えば4°程度)傾いた状態となったときに、その外周縁がスロットルチャンバに接触した全閉位置で停止するものである。
【0004】
そして、アクチュエータは、運転者が操作したアクセルペダルの踏み込み量に応じて弁体を回動させる。これにより、スロットルバルブ装置は、アクセルペダルの踏み込み量に応じた吸入空気量をエンジンに供給するものである。
【0005】
なお、従来技術によるスロットルバルブ装置には弁体の開度が全開と全閉との間の中間開度となる位置にデフォルト位置が設けられ、弁体をこのデフォルト位置に停止させることによって、アクチュエータ等が作動しないリンプホーム時であっても、エンジンに流入する空気を確保し、自動車を自走可能な状態にしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術では、コントロールユニットは、全閉位置を基準に、電動モータ等のアクチュエータを駆動し、弁体を回動させるものである。しかし、例えば長期間の使用、微小な塵埃との摩擦等によって弁体の外周縁が摩耗したときには、全閉位置(弁体の回動角)が変位し、弁体の弁開度が必要以上に大きくなってしまうことがある。このため、コントロールユニットは、全閉位置を修正するために、弁体をスロットルチャンバに接触させて、停止させる。これにより、コントローラは、弁軸を閉弁方向に回動させても弁体が回動しない位置を真の閉弁位置として判定している。
【0007】
しかし、従来技術によるスロットルバルブ装置では、上述のように真の全閉位置の判定に伴って弁体をスロットルチャンバに接触させるため、接触時に作用する負荷によって弁体の外周縁側が却って摩耗、変形する虞れがある。このため、弁体、スロットルチャンバ等の強度を必要以上に高める必要があり、製造コストの増大を招くという問題がある。
【0008】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明は、弁体を吸気通路に接触させることなく真の全閉位置を判定することができるスロットルバルブ装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、内燃機関の吸気通路が形成されたスロットルボディと、該スロットルボディの吸気通路に回動可能に設けられた弁軸と、前記吸気通路内に位置して該弁軸に設けられ、該弁軸と共に回動して前記吸気通路を開閉する弁体と、前記弁軸に取付けられ弁軸を回動させるアクチュエータと、該アクチュエータの駆動を制御する制御手段とを備えてなるスロットルバルブ装置に適用される。
【0010】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記吸気通路には内燃機関への吸入空気量を検出する空気流量検出器を設け、前記スロットルボディには前記弁体が全閉位置を越えたデフォルト位置となったときに前記弁体の回動を停止するストッパを設ける構成とし、前記制御手段は、前記弁体が全閉位置を越える前,後で前記空気流量検出器によって検出される吸入空気量が最小となる位置を、真の全閉位置として判定する全閉位置判定手段を設け、この全閉位置判定手段は、前記弁体が前記ストッパによるデフォルト位置から全閉位置を越えて開弁側に回動するときに、吸入空気量が前記弁体がデフォルト位置にあるときの値とほぼ等しくなる角度を検出し、この検出角度とデフォルト位置の角度との中間角度となる位置を真の全閉位置に設定する構成としたことにある。
【0011】
このように構成したことにより、制御手段はアクセルペダルの操作量に応じて電動モータに駆動信号を出力し、弁体を回動させる。このとき、制御手段は、全閉位置を基準として弁体を回動させる。これにより、弁体はアクセルペダルの操作量に応じた弁開度で吸気通路を開弁するから、制御手段によって内燃機関に供給する吸入空気量を調整することができる。
【0012】
また、制御手段に設けた全閉位置判定手段は、空気流量検出器から全閉位置の前側位置と後側位置での吸入空気量を読込み、全閉位置を越える前,後で吸入空気量が最小となる位置を真の全閉位置として判定する。即ち、全閉位置判定手段は、真の全閉位置を判定するときに、弁体をストッパによるデフォルト位置から全閉位置を越えて開弁側に回動させる。このとき、全閉位置判定手段は、吸入空気量が前記弁体がデフォルト位置にあるときの値とほぼ等しくなる角度を検出する。ここで、吸入空気量は全閉位置で最小値となると共に、全閉位置から前,後側に回動するに従って増加する。このため、全閉位置判定手段は、このときの検出角度とデフォルト位置の角度との中間角度となる位置を真の全閉位置に設定する。これにより、制御手段は、このように判定した真の全閉位置を基準に弁体を回動することができ、弁体の弁開度を正確に調整することができる。
【0013】
しかも、弁体は全閉位置を越えて回動可能に設けたから、真の全閉位置を判定するときに弁体がスロットルボディに接触することがなく、弁体、スロットルボディの信頼性を向上することができる。
【0014】
そして、スロットルボディには弁体が全閉位置を越えたデフォルト位置となったときに弁体の回動を停止するストッパを設けている。これにより、内燃機関の駆動中には、吸気通路内の弁体は、弁軸と共に全開位置と全閉位置との間で回動し、吸入空気量を調整する。また、アクチュエータが停止するリンプフォーム時には、吸気通路内の弁体は、ストッパによって全閉位置を越えたデフォルト位置で停止する。このとき、弁体が全閉位置を越えた位置にあるから、吸気通路は開弁する。このため、リンプフォーム時であっても、弁体はデフォルト位置に対応した吸入空気量を流通させることができる。
【0018】
さらに、請求項2の発明は、アクチュエータは弁軸に設けられたロータと、スロットルボディに設けられたステータとからなる電動モータによって構成し、該電動モータのロータの外周側には、弁体がデフォルト位置となったときにストッパに当接する当接部材を設けたことにある。
【0019】
これにより、電動モータは弁軸と共に弁体を回動させることができる。また、電動モータのロータの外周側に設けた当接部材は、弁体がデフォルト位置となったときにストッパに当接するから、当接部材とストッパによって弁体をデフォルト位置で停止させることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態によるスロットルバルブ装置を、図1ないし図6を参照しつつ詳細に説明する。
【0021】
図において、1はアルミダイキャスト等の手段により形成されたスロットルボディで、該スロットルボディ1は、エンジンの吸気通路(図示せず)の途中に接続されるスロットルチャンバ2と、該スロットルチャンバ2を挟んで対向する径方向の両側に配設された軸受収容部3,4と、該軸受収容部3,4のうち一側の軸受収容部3に設けられたモータケース5と、他側の軸受収容部4に設けられたセンサケース6とを一体に形成することによって構成されている。そして、軸受収容部3,4は、その内周側にころがり軸受7,8を収容している。
【0022】
9はころがり軸受7,8を用いてスロットルボディ1の軸受収容部3,4に回動可能に支持された弁軸で、該弁軸9はスロットルチャンバ2内を径方向に貫通して延び、一端側、他端側が軸受収容部3,4を介してモータケース5、センサケース6側にそれぞれ突出している。
【0023】
10は略円形状の金属板等により形成された弁体で、該弁体10はスロットルチャンバ2内に位置して弁軸9の長さ方向中間部に一体的に取付けられている。そして、弁体10は弁軸9と共に回動されることによってエンジンの吸気通路を開閉し、その開度に応じてエンジンの吸入空気量Qを可変に調整する。
【0024】
また、弁体10は、エンジンの駆動中は、図4に示すように吸気通路に略垂直となった全閉位置P1 と、略水平となった全開位置P2 との間に位置し、矢示A,B方向に回動する。このため、弁体10の回動角は、全閉位置P1 を0°としたときに、全開位置P2 では全閉位置P1 よりも矢示A方向に例えば75°程度だけ回動した回動角θmax となる。一方、電動モータ11の停止時には、弁体は後述する戻しばね14のばね力によって矢示B方向に付勢され、図3に示すように全閉位置P1 を越えたデフォルト位置Pd で停止するものである。このとき、弁体10の回動角は、デフォルト位置Pd では、全閉位置P1 よりも矢示B方向に例えば3〜7°だけ回動した回動角(−α)となる。
【0025】
また、弁体10とスロットルチャンバ2との間には、弁体10が全閉位置P1 を越えて矢示B方向に回動可能となるようにクリアランスCが形成されている。そして、このクリアランスCは、図5に示すように弁体10を全閉位置P1 に配置したときにエンジンの駆動に必要となる最小の吸入空気量Qmin を確保するものである。
【0026】
11はスロットルボディ1のモータケース5内に配設されたアクチュエータとしての電動モータで、該電動モータ11は、図1に示すように弁軸9に取付けられた略円板状のロータ12と、該ロータ12と対面してモータケース5に取付けられたステータ13によって構成されている。また、ロータ12は例えば保持力の小さい軟磁性材料によって形成されると共に、ステータ13は、例えば軟磁性材料からなるステータコア13Aと、該ステータコア13Aに巻回された電磁コイル13Bとによって構成されている。
【0027】
そして、電動モータ11は、後述するエンジン制御用のコントロールユニット25に接続され、このコントロールユニット25から出力される駆動信号に応じてロータ12とステータ13との間に作用する引力を増減させる。これにより、電動モータ11は、ロータ12とステータ13との間に作用する引力に応じて図2中の矢示A方向に向かう回転力を発生させることにより、弁軸9を後述の戻しばね14に抗して全開位置P2 に向けて回動させるものである。
【0028】
14はばね保持部材15,16を介して弁軸9の外周側に配設されたばね部材としての戻しばねで、該戻しばね14は、弁軸9側とスロットルボディ1側との間に装着され、弁軸9を図3中の弁体10のデフォルト位置Pd 側(矢示B方向)に向けて常時付勢している。
【0029】
17は電動モータ11のロータ12近傍に位置してスロットルボディ1のモータケース5に設けられたストッパとしての調整ねじで、該調整ねじ17は、図2に示すようにモータケース5内に斜めに突出するように取付られている。そして、弁体10がデフォルト位置Pd となったときに、調整ねじ17の先端には、後述の当接片19が当接し、弁体10の回動を停止させるものである。また、調整ねじ17は、スロットルボディ1に進退可能に設けられている。これにより、調整ねじ17は、その先端と当接片19とが当接する位置、即ち電動モータ11のロータ12によって弁軸9と弁体10が矢示B方向に回動するとき、該弁体10の回動角を可変に設定することができ、エンジンの使用状況等に応じてデフォルト位置Pd を可変に調整するものである。
【0030】
18はモータケース5の底部に設けられた突起部で、該突起部18は弁板10が全開位置P2 となったときに当接片19に当接する。これにより、突起部18は、弁板10が全開位置P2 を越えて回動するのを規制するものである。
【0031】
19は電動モータ11のロータ12の外周側に取付けられた板状の当接片で、該当接片19は、調整ねじ17と突起部18との間でロータ12と共に回動するものである。そして、当接片19は、弁体10がデフォルト位置Pd にあるときには調整ねじ17に当接し、弁体10が全開位置P2 にあるときには突起部18に当接するものである。
【0032】
20はスロットルボディ1のセンサケース6に設けられたスロットルセンサで、該スロットルセンサ20は、弁軸9の他端側に設けられ、導電性材料からなるブラシ21が設けられた回動板22と、該回動板22のブラシ21と軸方向で摺接する抵抗体23が形成された基板24とによって構成されている。
【0033】
そして、スロットルセンサ20は、回動板22が弁軸9と共に回動し、このときブラシ21が弁軸9の回動量に対応した位置で基板24側の抵抗体23と摺接(導通)することにより、弁体10の開度を抵抗体23の抵抗値変化として検出し、その検出信号をコントロールユニット25に出力するものである。
【0034】
25は電動モータ11の駆動を制御する制御手段としてのコントロールユニットで、該コントロールユニット25は、その出力側が電動モータ11の電磁コイル13Bに接続されると共に、その入力側が弁体10の回動角を検出するスロットルセンサ20、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルセンサ26、後述のエアフローメータ27等に接続されている。
【0035】
また、コントロールユニット25は記憶装置25Aを備え、この記憶装置25Aには、図6に示すように真の全閉位置P0 を判定するための全閉位置判定処理用のプログラム等が格納されている。また、記憶装置25Aには、弁体10を全閉位置P1 に停止させときの駆動信号として例えば基準電流値が格納されている。そして、コントロールユニット25は、アクセルセンサ26から出力される操作量検出信号に応じて、記憶装置25Aに格納された基準電流値に基づき出力すべき駆動信号(電流値)を演算して出力する。これにより、コントロールユニット25は、弁体10をアクセルペダルの操作量に応じて回動させ、弁開度を調整するものである。
【0036】
27は空気流量検出器として例えば熱線式のエアフローメータで、該エアフローメータ27は、吸気通路の途中に設けられると共に、エンジンの吸入空気量Qを検出し、この吸入空気量Qに応じた流量検出信号を出力するものである。
【0037】
本実施の形態によるスロットルバルブ装置は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0038】
まず、車両の発進前のようにイグニションスイッチがOFF状態となっているときには、電動モータ11は停止状態にあるから、図3に示すように弁体10は、戻しばね14によって矢示B方向に付勢される。このとき、調整ねじ17の先端と当接片19とが当接しているから、弁体10はデフォルト位置Pd に保持されている。
【0039】
次に、車両を発進させるためにイグニションスイッチをON状態に切換えたときには、コントロールユニット25は、電動モータ11を用いて弁体10を矢示A方向に回動させ、弁体10を全閉位置P1 と全開位置P2 との間に移動させる。そして、コントロールユニット25は、アクセルセンサ26からの操作量検出信号を用いてアクセルペダルの操作量に応じて弁体10を回動させ、吸気通路を開,閉する。このとき、スロットルセンサ20は、弁体10の開度を検出するから、コントロールユニット25は、スロットルセンサ20からの検出信号を用いて弁体10の開度をフィードバック制御する。
【0040】
また、電動モータ11等に不具合が生じたリンプフォーム時には、コントロールユニットは電動モータ11への駆動信号の出力を停止するから、弁体10は戻しばね14のばね力によって矢示B方向に付勢され、調整ねじ17によってデフォルト位置Pd に保持される。これにより、車両の走行に必要な吸入空気量Qが確保できるから、リンプフォーム時であっても車両を走行させることができる。
【0041】
ここで、コントロールユニット25は、弁体10を全閉位置P1 に移動させるための基準電流値に基づき電動モータ11の電磁コイル13Bに出力する電流等の駆動信号を演算して出力する。そして、弁体10を矢示B方向に付勢する戻しばね14のばね力、電磁コイル13Bの抵抗値等は、経時変化することがある。このため、コントロールユニット25が弁体10を例えば全閉位置P1 に移動させるために、電動モータ11の電磁コイル13Bに出力する電流等の駆動信号を出力したときに、弁体10が全閉位置P1 からずれた位置で停止し、開弁状態となってしまうことがあり、この場合には弁開度を正確に調整できなくなる。
【0042】
そこで、コントロールユニット25は、例えば車両の発進時毎に真の全閉位置P0 を判定し、全閉位置P1 に移動させるための基準電流値を適宜修正している。このため、次に図6に基づいて真の全閉位置P0 を判定するための全閉位置判定処理について説明する。
【0043】
まず、車両の発進前のようにイグニションスイッチがOFF状態のときには、弁体10はデフォルト位置Pd で停止している。そして、コントロールユニット25は、ステップ1でイグニションスイッチがON状態か否かを判別する。そして、ステップ1で「NO」と判別したときにはイグニションスイッチがON状態となるまで待機する。一方、ステップ1で「YES」と判別したときには、ステップ2に移ってエンジンを始動し、ステップ3でデフォルト位置Pd での吸入空気量Qd を検出し、記憶装置25Aに格納する。
【0044】
次に、コントロールユニット25は、ステップ4に移って電動モータ11の電磁コイル13Bに駆動信号を出力し、弁体10を全閉位置P1 を越えて矢示A方向に向けて回動させる。
【0045】
ここで、吸入空気量Qは、図5中の特性線Dに示すように弁体10の回動角に対して2次曲線的に増減し、弁体10が全閉位置P1 となったときに最小の吸入空気量Qmin となる。また、吸入空気量Qは、全閉位置P1 を挟んで開弁(全開位置P2 )側に回動角|α|とほぼ同じ回動角α′だけ回動したときと、デフォルト位置Pd 側に回動角(−α)だけ回動したときでは、ほぼ同じ吸入空気量Qd となっている。
【0046】
そこで、コントロールユニット25は、ステップ5で吸入空気量Qを検出し、ステップ6に移って吸入空気量Qがデフォルト位置Pd での吸入空気量Qd とほぼ同じ(Q≒Qd )か否かを判別する。
【0047】
そして、ステップ6で「NO」と判別したときには、ステップ4からステップ5の処理を繰り返す。一方、ステップ6で「YES」と判別したときには、ステップ7に移って弁体の回動角α′を検出し、ステップ8に移行する。このとき、吸入空気量Qがデフォルト位置Pd での吸入空気量Qd とほぼ同じ値となっているから、回動角|α|と回動角|α′| とはほぼ同じ値になっている。このため、ステップ8では、ステップ7で検出された回動角α′とデフォルト位置Pd の回動角(−α)の中間となる0°近傍の回動角を下記数1によって演算し、この0°近傍の位置を真の全閉位置P0 として判定する。
【0048】
【数1】
【0049】
最後に、コントロールユニット25は、ステップ9に移って真の全閉位置P0 に弁体10を移動させるための電流値を基準電流値として記憶装置25Aに格納し、ステップ10に移ってリターンする。
【0050】
これにより、戻しばね14のばね力、電動モータ11の電磁コイル13Bの抵抗値等が経時変化したときであっても、真の全閉位置P0 、即ち全閉位置P1 を基準に弁体10を回動させることができ、弁体10の弁開度を正確に調整することができる。
【0051】
かくして、本実施の形態によるコントロールユニット25は、弁体10が全閉位置P1 を越える前,後でエアフローメータ27によって検出される吸入空気量が最小となる位置を真の全閉位置P0 として判定するから、コントロールユニット25は、このように判定した真の全閉位置P0 を基準に弁体10を回動することができ、弁体10の弁開度を正確に調整することができる。
【0052】
また、弁体10は全閉位置P1 を越えて回動可能に設けたから、真の全閉位置P0 を判定するときであっても従来技術のように弁体10がスロットルボディ1に接触することがない。このため、真の全閉位置P0 の判定に伴って弁体10が摩耗、変形することがなく、弁体10の信頼性を向上することができると共に、製造コストを低減することができる。
【0053】
一方、スロットルボディ1には弁体10が全閉位置P1 を越えたデフォルト位置Pd となったときに弁体10の回動を停止する調整ねじ17を設けたから、調整ねじ17によって弁体10を全閉位置P1 を越えたデフォルト位置Pd に停止させることできる。これにより、リンプフォーム時であってもエンジンの駆動に必要な吸入空気量を確保し、車両を走行可能な状態にすることができる。
【0054】
また、弁体10はエンジンの駆動、停止毎に全閉位置P1 を越えて矢示A,B方向に回動するから、弁体10によってスロットルチャンバ2内に付着した汚れを掻取り、掃除することができる。このため、スロットルチャンバ2内に付着した汚れによって弁体10がスロットルチャンバ2に貼り付くことがなく、スロットルバルブ装置の信頼性を高めることができる。
【0055】
また、コントロールユニット25は、弁体10がデフォルト位置Pd から全閉位置P1 を越えて開弁側に回動するときに、吸入空気量Qが弁体がデフォルト位置Pd にあるときの吸入空気量Qd とほぼ等しくなる回動角α′を検出し、この検出角度α′とデフォルト位置Pd の回動角(−α)との中間角度となる0°近傍位置を真の全閉位置P0 に設定する構成としている。このため、コントロールユニット25は、吸入空気量Qが全閉位置P1 の前,後でほぼ同じ値となることを利用して、真の全閉位置P0 を判定することができる。また、弁体10はエンジンの停止時にデフォルト位置Pd で停止しているから、エンジンの駆動毎に真の全閉位置P0 を設定することができ、長期間に亘って弁開度を正確に調整することができる。
【0056】
さらに、当接片19を電動モータ11のロータ12の外周側に取り付けたから、弁軸9の回転トルクをロータ12によって受承することができる。このため、当接片19と調整ねじ17、突起部18によって弁体10を停止させたときには、弁軸9に当接片19を取り付けた場合に比べて、弁軸9に作用する撓み、よじれ等の発生を防止でき、スロットルバルブ装置の信頼性を高めることができる。
【0057】
なお、前記実施の形態では、図6中のステップ3〜8が本発明による全閉位置判定手段の具体例を示している。
【0058】
また、前記実施の形態では、コントロールユニット25は、デフォルト位置Pd の吸入空気量Qd とほぼ同じ吸入空気量が流れる位置まで弁体10を回動させ、このときの位置とデフォルト位置との中間位置を最小の吸入空気量Qmin が流れる真の全閉位置P0 として判定する構成としている。
【0059】
しかし、最小の吸入空気量Qmin が流れる位置を真の全閉位置P0 として判定する方法は、これに限るものではなく、図5に示すように例えばデフォルト位置Pd と全閉位置P1 との間にある回動角(−β)となる位置の吸入空気量Qb を記憶装置25Aに予め格納し、弁体10を全閉位置P1 を越えて回動させつつ吸入空気量Qb が流れる2つの位置(回動角±β)を検出し、真の全閉位置P0 をこれら2つの位置の中間位置として判定する構成としてもよい。
【0060】
また、コントロールユニット25は、弁体10が全閉位置P1 を越える前,後での吸入空気量の変化量を検出し、この変化量が最小となる位置、即ち図5中の2次曲線となった特性線Dの変曲点となる位置を最小の吸入空気量Qmin が流れる真の全閉位置P0 として判定する構成としてもよい。
【0061】
さらに、前記実施の形態では、電動モータ11には軟磁性材料からなるロータ12を用いるものとしたが、本発明はこれに限らずマグネットからなるロータを用いてもよい。また、前記実施の形態では、電動モータ11を弁軸2に直接取り付けるものとしたが、電動モータと弁軸との間に減速歯車機構等を設ける構成としてもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上詳述した通り、請求項1の発明によれば、アクチュエータの駆動を制御する制御手段には、弁体が全閉位置を越える前,後で空気流量検出器によって検出される吸入空気量が最小となる位置を真の全閉位置として判定する全閉位置判定手段を設け、この全閉位置判定手段は、前記弁体がストッパによるデフォルト位置から全閉位置を越えて開弁側に回動するときに、吸入空気量が前記弁体がデフォルト位置にあるときの値とほぼ等しくなる角度を検出し、この検出角度とデフォルト位置の角度との中間角度となる位置を真の全閉位置に設定する構成としたから、制御手段は、全閉位置判定手段によって判定した真の全閉位置を基準に弁体を回動することができ、弁体の弁開度を正確に調整することができる。また、弁体は全閉位置を越えて回動可能に設けたから、真の全閉位置を判定するときであっても従来技術のように弁体がスロットルボディに接触することがない。このため、弁体の摩耗、変形等を防止でき、弁体の信頼性を向上することができると共に、製造コストを低減することができる。
【0063】
また、スロットルボディには弁体が全閉位置を越えたデフォルト位置となったときに弁体の回動を停止するストッパを設けたから、ストッパによって弁体を全閉位置を越えたデフォルト位置に停止させることできる。これにより、リンプフォーム時であっても内燃機関の駆動に必要な吸入空気量を確保し、車両を走行可能な状態にすることができる。
【0064】
しかも、前記全閉位置判定手段は、弁体がデフォルト位置から全閉位置を越えて開弁側に回動するときに、吸入空気量が弁体がデフォルト位置にあるときの吸入空気量とほぼ等しくなる角度を検出し、この検出角度とデフォルト位置の角度との中間角度となる0°近傍位置を真の全閉位置に設定するから、全閉位置判定手段は、吸入空気量が全閉位置の前,後でほぼ同じ値となることを利用して、真の全閉位置を判定することができる。また、弁体は内燃機関の停止時にデフォルト位置で停止しているから、内燃機関の駆動毎に真の全閉位置を設定することができ、長期間に亘って弁開度を正確に調整することができる。
【0065】
さらに、請求項2の発明によれば、当接部材を電動モータのロータの外周側に取り付けたから、弁軸の回転トルクをロータによって受承することができる。このため、当接部材とストッパによって弁体を停止させたときには、弁軸に当接部材を取り付けた場合に比べて、弁軸に作用する撓み、よじれ等の発生を防止でき、スロットルバルブ装置の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるスロットルバルブ装置を示す縦断面図である。
【図2】電動モータ、調整ねじ、当接片等を示す図1中の矢示II−II方向からみた断面図である。
【図3】弁板をデフォルト位置に配置した状態を示す図1中の矢示 III−III 方向からみた断面図である。
【図4】弁体を全閉位置に配置した状態を示す図3と同様の断面図である。
【図5】弁体の回動角と吸入空気量との関係を示す特性線図である。
【図6】真の全閉位置を判定する全閉位置判定処理を示す流れ図である。
【符号の説明】
1 スロットルボディ
2 スロットルチャンバ(吸気通路)
9 弁軸
10 弁体
11 電動モータ
12 ロータ
13 ステータ
14 戻しばね(ばね部材)
17 調整ねじ(ストッパ)
19 当接片(当接部材)
25 コントロールユニット(制御手段)
27 エアフローメータ(空気流量検出器)
Claims (2)
- 内燃機関の吸気通路が形成されたスロットルボディと、該スロットルボディの吸気通路に回動可能に設けられた弁軸と、前記吸気通路内に位置して該弁軸に設けられ、該弁軸と共に回動して前記吸気通路を開閉する弁体と、前記弁軸に取付けられ弁軸を回動させるアクチュエータと、該アクチュエータの駆動を制御する制御手段とを備えてなるスロットルバルブ装置において、
前記吸気通路には内燃機関への吸入空気量を検出する空気流量検出器を設け、前記スロットルボディには前記弁体が全閉位置を越えたデフォルト位置となったときに前記弁体の回動を停止するストッパを設ける構成とし、
前記制御手段は、前記弁体が全閉位置を越える前,後で前記空気流量検出器によって検出される吸入空気量が最小となる位置を、真の全閉位置として判定する全閉位置判定手段を設け、
この全閉位置判定手段は、前記弁体が前記ストッパによるデフォルト位置から全閉位置を越えて開弁側に回動するときに、吸入空気量が前記弁体がデフォルト位置にあるときの値とほぼ等しくなる角度を検出し、この検出角度とデフォルト位置の角度との中間角度となる位置を真の全閉位置に設定する構成としたことを特徴とするスロットルバルブ装置。 - 前記アクチュエータは前記弁軸に設けられたロータと、前記スロットルボディに設けられたステータとからなる電動モータによって構成し、該電動モータのロータの外周側には、前記弁体がデフォルト位置となったときに前記ストッパに当接する当接部材を設けてなる請求項1に記載のスロットルバルブ装置。
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17031199A JP3810948B2 (ja) | 1999-06-16 | 1999-06-16 | スロットルバルブ装置 |
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JP2001003768A JP2001003768A (ja) | 2001-01-09 |
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Family Applications (1)
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-
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- 1999-06-16 JP JP17031199A patent/JP3810948B2/ja not_active Expired - Lifetime
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