JP3810619B2 - 画像処理装置,印刷装置および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置,印刷装置および画像処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿画像の指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を画像処理を施した状態で出力する画像処理装置と、この画像処理装置を備えた印刷装置と、この画像処理装置において用いられている画像処理方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機に用いられる技術として、原稿画像の下地色を消去して印刷を行う技術が開発されている。
この技術において、原稿画像の下地色を検出するために、プレスキャンを行う方法がある。しかしながら、この方法には、画像複写に要する全体時間を長くしてしまうという欠点がある。このため、プレスキャンを行わずに下地色を除去すする方法が求められている。
【0003】
そこで、例えば、特開平6−253135号公報には、原稿画像を1回だけスキャンするだけで、下地色情報に基づいて画像を処理できる複写機が開示されている。
【0004】
この複写機では、原稿画像を1ライン分ずつ取り込み、1ライン分の原稿画像(ライン画像)内における各画素の反射輝度を測定するようになっている。そして、所定範囲内の輝度値を有する画素数を測定し、そのような画素の多い場合に、下地色のあるライン画像と判断する。
また、下地色があると判定した場合、最大の反射輝度に応じた補正曲線をγ補正部に設定する。一方、下地色がないと判定した場合は、デフォルトのγ補正曲線をγ補正部に設定するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この複写機では、下地色の有無によらず、原稿画像全体(全ライン画像)に対して、同様の画像処理を行うように設定されている。従って、この複写機では、下地色だけのライン画像(原稿の余白部分等、文字や図形等の画像データを含まないライン画像)に対しても、全種類の画像処理を施すこととなり、無駄が多かった。このため、原稿画像の全体に対する画像処理時間を短縮できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題点を解決するために成されたものである。そして、その目的は、無駄な画像処理を省き、原稿画像に対する画像処理時間の短縮化を図ることの可能な画像処理装置と、この画像処理装置を備えた印刷装置と、この画像処理装置において用いられている画像処理方法とを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の画像処理装置(本画像処理装置)は、原稿画像を複数の入力画像の集合として取り扱う画像処理装置において、上記入力画像に、本画像処理装置が該入力画像に対して行うべき画像処理の少なくとも一部である第1画像処理を施すことにより各画素が色データとされた第1画像を生成する第1画像処理部と、最初の入力画像又は2番目以降の各入力画像の上記第1画像に基づいて、該第1画像内の指定領域を特定するための閾値を求め、この閾値を用いて該第1画像内の指定領域を特定して該指定領域を標準画像に変換する第1変換部と、上記第1画像処理部の前段に備えられ、2番目以降の各入力画像に対して、第1変換部の求めた閾値に基づいて、指定領域だけからなる入力画像を特定して該指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を含む入力画像を第1画像処理部に出力する第2変換部とを備えていると共に、上記第1画像処理部により生成された第1画像、及び該第1画像内における指定領域を第1変換部又は第2変換部にて変換した標準画像に基づいて出力画像を生成することを特徴としている。
【0008】
本画像処理装置は、デジタル複写機やファクシミリ装置等に備えられ、複数の入力画像の集合である原稿画像(原稿画像データ)に対し、入力画像毎に所定の処理を施すものである。
ここで、入力画像とは、原稿画像の一部を構成するものであり、例えば、原稿における1ライン分の画像(ラインデータ)等のことである(全ての入力画像を集めると原稿画像となる)。
【0009】
また、特に、本画像処理装置では、入力画像の指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を、画像処理(各種の補正処理等)を施した状態とするように設定されている。
【0010】
ここで、標準画像とは、入力画像に対する画像処理の結果に依存しない、一定の形式を有する画像のことであり、例えば、白色画像(無色の画像)のことである。
また、指定領域とは、画像処理の結果や画像内での位置にかかわらず、上記の標準画像に変換してしまう領域のことである。この指定領域の例としては、画像の下地領域(原稿の余白部分のような、文字や図形等の画像データを含まない下地だけの領域)等を挙げられる。
【0011】
そして、本画像処理装置では、上記のような指定領域の変換処理、および、画像処理を行うために、第1画像処理部と第1変換部とを有している。
第1画像処理部は、入力画像に対して第1画像処理を施すものである。ここで、第1画像処理とは、本画像処理装置において入力画像に対して行うべき画像処理の一部あるいは全部の処理である。
【0012】
また、第1変換部は、この第1画像処理の施された入力画像である第1画像から、上記した指定領域を特定するための閾値を求め、この閾値を用いて、第1画像内の指定領域を特定するものである。さらに、この第1変換部は、特定した指定領域を、標準領域に変換する機能も有している。
なお、上記の閾値とは、指定領域と他の領域とを区別するための臨界値のことであり、画像の微小部分(領域)にそれぞれ設定されている特徴量(例えば輝度値)に関する値である。また、第1変換部は、原稿画像の代わる度に、原稿画像に応じた新たな閾値を求めるようになっている。
【0013】
本画像処理装置では、これら第1画像処理部および第1変換部の機能により、入力画像に対する、上記した画像処理・標準画像への変換処理を実現することが可能となっている。
【0014】
しかしながら、第1画像処理部および第1変換部を有しているだけでは、全領域を標準画像に変換してしまうような、指定領域だけからなる入力画像に対しても、第1画像処理を行うこととなる。従って、入力画像に対する処理全体の効率を低くしてしまう。
【0015】
そこで、本画像処理装置では、処理の効率化を図るために、第1画像処理部の前段に、第2変換部を備えている。
この第2変換部は、第1変換部から、この第1変換部によって求められた閾値を取得し、これを用いて、入力画像(第1画像処理の施される前の画像)が指定領域だけから構成されているか否か、を判断するようになっている。
【0016】
そして、この第2変換部は、このような入力画像を検知した場合には、画像の全体を標準画像に変換する。一方、入力画像に指定領域以外の領域が含まれている場合、第2変換部は、その入力画像を第1画像処理部に出力するように設定されている。
【0017】
このように、本画像処理装置では、第1変換部において求められた閾値を、前段に位置する第2変換部にフィードバックするようになっている。
そして、この閾値を用いて、第2変換部が、画像処理を施す必要のない、指定領域だけからなる入力画像を特定し、標準画像への変換を行うように設定されている。
【0018】
これにより、本画像処理装置では、第1画像処理、および、第1変換部による標準画像への変換処理を、指定領域以外の領域を含む入力画像だけに施すことで、所望の画像を得られるようになっている。従って、第1画像処理にかかる入力画像の量を減少させられるので、本画像処理装置の処理効率を向上させることが可能となる。
【0019】
なお、上記の第1変換部は、複数の第1画像を用いて、閾値を確定するように設定されていることが好ましい。これにより、各原稿画像毎に、非常に正確な閾値を求めることが可能となる。
【0020】
また、本画像処理装置に、第1変換部において閾値の確定されていないときには入力画像を第1画像処理部に出力する一方、閾値の確定された後では入力画像を第2変換部に出力するように設定されている第1切換部を備えることが好ましい。これにより、第2変換部における、精度の劣る閾値を用いた標準画像への変換処理を回避できる。
【0021】
また、第1・第2変換部による指定領域の特定は、原稿画像における各領域の色に応じて行うようにしてもよい。すなわち、この場合、第1変換部は、色の特徴を数値化したデータ(色データ)に閾値を設定する。そして、第1・第2変換部は、この閾値と、画像の各領域における色データとを比較することによって、指定領域か否かを判断するようになる。
【0022】
また、このような設定とすることによって、原稿画像の下地色を白色に変換することが可能となる。
この場合、第1変換部は、複数あるいは単数の第1画像における各領域の色データから、原稿の下地色を判断し、下地色の色データを閾値として設定する。そして、第1・第2変換部が、下地色より薄い色の領域を、指定領域(下地領域)として認識するように設定される。そして、標準画像として白色画像を採用すれば、本画像処理装置によって、原稿画像の下地領域を白色化して出力できるようになる。
【0023】
また、この構成では、第1変換部に、第1画像に色空間変換処理を施して、輝度値と色相値とからなるLab画像を生成する色空間変換部を備えることが好ましい。そして、第1変換部は、Lab画像から下地色の輝度値を求めて閾値として設定するとともに、この閾値より大きい輝度値(L値)を有する領域を指定領域として特定し、標準画像としての白色画像に変換するように設定されていることが好ましい。
【0024】
すなわち、この構成では、第2変換部は、画像の色データ(RGB値等)を用いて下地領域の判定を行うようになっているが、第1変換部は、画像の輝度値を用いて下地領域の判定を行う。
このようにすれば、2種類の方法で(2種類の画像に対して)下地領域を判定できるため、より正確な下地判定を行える。
【0025】
また、本画像処理装置に、上記のLab画像に対して第2画像処理を施す第2画像処理部を備えることも好ましい。これにより、より多彩な画像処理を行うことが可能となる。なお、第2画像処理とは、本画像処理装置における画像処理の一部であり、Lab画像に対して行うことの好ましい画像処理である。
【0026】
また、このような第2画像処理部を用いる場合、第1変換部から出力されたLab画像のうち、白色画像以外の領域を含むLab画像だけを第2画像処理部に出力するように設定されている白色画像判定部を備えていることがさらに好ましい。
これにより、下地領域だけからなる画像に第2画像処理の施されることを防止できるので、余分な画像処理を回避できる。
【0027】
また、この構成では、本画像処理装置に、ユーザーの指示を入力するための入力部を備えることが好ましい。そして、ユーザーの指示に基づいて、Lab画像を白色画像判定部に出力するか、あるいは、第2画像処理部に出力するかを切り換える第2切換部を備えていることがさらに好ましい。
【0028】
これにより、ユーザーは、白色画像判定部による下地領域の精密な判定・変換を行うか、あるいは、白色画像判定部による処理を回避して全体の処理速度を向上させるかを任意に選択できる。
【0029】
また、本画像処理装置は、シート(記録用紙)に画像を印刷する印刷装置に対して好適に備えることが可能である。このような印刷装置は、本画像処理装置と、原稿画像を読み込んで入力画像を生成し、本画像処理装置に出力する画像入力装置と、本画像処理装置から出力される出力画像に基づいてシートに画像を形成する画像出力装置とを備えているものである。
【0030】
また、本発明の画像処理方法(本画像処理方法)は、原稿画像を複数の入力画像の集合として取り扱う画像処理方法において、上記入力画像に、画像処理装置が該入力画像に対して行うべき画像処理の少なくとも一部である第1画像処理を施すことにより各画素が色データとされた第1画像を生成する第1画像処理工程と、最初の入力画像又は2番目以降の各入力画像の上記第1画像に基づいて、該第1画像内の指定領域を特定するための閾値を求め、この閾値を用いて該第1画像内の指定領域を特定して該指定領域を標準画像に変換する第1変換工程と、上記第1変換工程において求められた閾値に基づいて、上記第1画像処理工程の前に、2番目以降の各入力画像に対して、指定領域だけからなる入力画像を特定して該指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を含む入力画像を第1画像処理工程に移す第2変換工程と、上記第1画像処理工程により生成された第1画像、及び該第1画像内における指定領域を第1変換工程又は第2変換工程にて変換した標準画像に基づいて出力画像を生成する出力画像生成工程とを含むことを特徴としている。
【0031】
本画像処理方法は、上記した本画像処理装置において用いられている方法である。
すなわち、第1画像処理工程は、入力画像に対して上記した第1画像処理を施して第1画像を生成する工程である。また、第1変換工程は、第1画像から指定領域を特定するための閾値を求め、この閾値を用いて画像内の指定領域を特定し、標準領域に変換する工程である。
【0032】
さらに、第2変換工程は、第1変換工程において求められた閾値を取得し、これを用いて、入力画像が指定領域だけから構成されているか否か、を判断する工程である。そして、この第2変換工程では、このような入力画像を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を含む入力画像に、第1画像処理を施させるように設定されている。
【0033】
このように、本画像処理方法では、第2変換工程が第1画像処理工程および第1変換工程より前に行われるとともに、第1変換工程において求められた閾値を、第2変換工程での処理のためにフィードバックするようになっている。
そして、第2変換工程では、この閾値を用いて、画像処理を施す必要のない、指定領域だけからなる入力画像を特定し、標準画像への変換を行うように設定されている。
【0034】
これにより、本画像処理方法では、第1画像処理、および、第1変換工程における標準画像への変換処理を、指定領域以外の領域を含む入力画像だけに施すことで、所望の画像を得られるようになっている。従って、第1画像処理にかかる入力画像の量を減少させられるので、本画像処理方法における処理全体の効率を向上させられる。
【0035】
また、本画像処理方法の第1変換工程は、複数あるいは単数の第1画像における各領域の色データから原稿の下地色を判断し、この下地色の色データを閾値とするように設定されていてもよい。さらに、第1・第2変換工程は、下地色より薄い色の領域を指定領域として特定し、標準画像としての白色画像に変換するように設定されていてもよい。
このような設定とすることによって、原稿画像の下地色を白色に変換することが可能となる。
【0036】
また、この場合、第1変換工程に、第1画像に色空間変換処理を施して、輝度値と色相値とからなるLab画像を生成する色空間変換工程を含ませることが好ましい。そして、第1変換工程が、Lab画像から下地色の輝度値を求めて閾値として設定するとともに、この閾値より大きい輝度値を有するLab画像内の領域を指定領域として特定し、標準画像としての白色画像に変換するように設定されていることが好ましい。
このようにすれば、2種類の方法で(2種類の画像に対して)下地領域を判定できるため、より正確な下地判定を行える。
【0037】
また、本画像処理方法に、上記のLab画像に対して第2画像処理を施す第2画像処理工程を含ませるようにしてもよい。
また、このような工程の前に、第1変換工程から出力されたLab画像のうち、白色画像以外の領域を含むLab画像だけに第2画像処理を施させる白色画像判定工程を実行することが好ましい。
これにより、下地領域だけからなる画像に第2画像処理の施されることを防止できるので、余分な画像処理を回避できる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について説明する。
【0039】
図1は、本実施の形態にかかるデジタル複写機(本複写機)の構成を示すブロック図である。この図に示すように、本複写機は、画像入力装置11,A/D変換装置12,画像処理装置13,画像出力装置14および操作パネル15を備えている。
【0040】
操作パネル15は、LCD(Liquid Crystal Display)タッチパネルおよびキーボード(ともに図示せず)を備えている。そして、本複写機の動作状況(処理内容)をユーザーに伝えるとともに、ユーザーの指示を本複写機に入力する機能を有している。
【0041】
画像入力装置11は、原稿載置台,スキャナキャリッジ,ステッピングモータ(全て図示せず)を備えている。
原稿載置台は、複写にかかる原稿を載置するためのプラテンガラスである。図2は、本複写機において用いられる原稿51を示す説明図である。この図に示すように、原稿51は、その長手方向を本複写機の副走査方向に沿わせるように、原稿載置台に載置されるようになっている。
【0042】
また、通常、原稿の端部領域は、文字や図形等の画像を含まない余白領域となっている。そして、本複写機では、原稿51における副走査方向の先端領域(例えば、先端から100ライン分の領域)を、後述するトラッキング処理のためのトラッキング領域TRとして使用するようになっている。
さらに、本複写機では、原稿51におけるトラッキング領域TR以外の領域を、全種類の画像処理を行うべき補正領域HRとして認識するように設定されている。
【0043】
また、画像入力装置11のステッピングモータは、スキャナキャリッジを原稿の副走査方向に移動させるためのものである。
スキャナキャリッジは、カラーCCD(Charge Coupled Device) を有するラインセンサを搭載している。このラインセンサ(図示せず)は、原稿載置台上の原稿画像における、主走査方向に平行な1ライン(1主走査ライン)分の画像を読み取るように設定されている。
【0044】
そして、このラインセンサは、ライン内の画素毎に、R(赤)・G(緑)・B(青)のアナログ信号を生成し、これらをまとめてアナログのRGBラインデータ(A−RGBラインデータ)を生成・出力する機能を有している。
【0045】
このような構成を有する画像入力装置11は、スキャナキャリッジを副走査方向に移動させながら、ラインセンサによる主走査ラインの読み取りを実行することで、原稿画像全体にわたって、上記したA−RGBラインデータを順次的に生成するように設定されている。
【0046】
すなわち、本複写機における画像入力装置11以降の処理(画像処理装置13の処理も含む)では、原稿画像を、ライン内の画像データ(ラインデータ)の集合として処理する(ラインデータ毎に処理する)ように設定されている(全てのラインデータを集めると、原稿画像となる)。
【0047】
A/D変換装置12は、A/D(アナログ/デジタル)変換器と、タイミング同期装置(ともに図示せず)とを備えている。
A/D変換器は、画像入力装置11から出力されるA−RGBラインデータを、1画素毎に、各色8bit階調のデジタルデータに変換し、デジタルのRGBラインデータ(D−RGBラインデータ)を生成・出力するものである。
【0048】
タイミング同期装置は、画像入力装置11(ラインセンサのカラーCCD)に対して、A−RGBラインデータの転送速度(転送クロック)を制御するパルスを出力するものである。
また、このタイミング同期装置は、A/D変換器に対して、変換動作を行うためのタイミングクロックを与える機能も有している。
【0049】
画像処理装置13は、A/D変換装置12から出力されるD−RGBラインデータに対し、シェーディング補正処理,前下地判定処理,入力LUT処理,色空間変換処理,白挿入処理,下地除去処理,後下地判定処理,空間フィルタ処理,色補正処理,出力LUT処理,中間調処理を施し、CMYKラインデータを生成・出力するものである。
なお、この画像処理装置13における画像処理、およびCMYKラインデータについては、後に詳細に説明する。
【0050】
画像出力装置14は、給紙装置,シート搬送装置,プリントエンジン,排紙トレイ(全て図示せず)を備えている。
給紙装置は、所定種類のシート(記録用紙)をストックしておくとともに、複写動作の際、シート搬送装置にシートを供給するものである。シート搬送装置は、プリントエンジンによる画像形成動作に応じて、給紙装置から伝達されたシートを搬送(移動)させるものである。
【0051】
プリントエンジンは、インクジェット方式の画像形成装置である。そして、画像処理装置13から出力されるCMYKラインデータに基づいて、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)・K(黒)のインクドットをシートの表面に噴出することによって、原稿画像に応じた画像をシートに形成する機能を有している。
【0052】
次に、画像処理装置13の構成について説明する。
図1に示すように、本複写機の画像処理装置13は、シェーディング補正処理部21,スイッチ(SW)22,前下地判定処理部23,入力LUT処理部24,色空間変換処理部25,下地除去処理部26,スイッチ(SW)27,後下地判定処理部28,空間フィルタ処理部29,色補正処理部30,出力LUT処理部31,中間調処理部32,第1白挿入処理部33および第2白挿入処理部34を備えている。
【0053】
シェーディング補正処理部21は、画像入力装置11のカラーCCDにおける各画素間のばらつき(読み取り特性(感度等)や照明ムラ等のばらつき)を補正するための、シェーディング補正を実施するものである。
【0054】
すなわち、シェーディング補正処理部21は、カラーCCDの各画素に対応した、1ライン分の補正データ(補正ラインデータ)を、R・G・B毎に有している。そして、この補正ラインデータを用いて、D−RGBラインデータを、画素毎に補正するように設定されている。
【0055】
なお、この補正ラインデータは、特定濃度の白色板を読み取った結果に基づいて、計算によって生成される白補正係数である。また、このシェーディング補正は、以下の(1)式に基づいて実施される。
【0056】
【数1】
Figure 0003810619
【0057】
この(1)式において、RGB(x,y)は、副走査方向位置yに応じたD−RGBラインデータ(シェーディング補正前)における、主走査方向位置xに応じた画素のR,GまたはB色情報値である。
また、RGB'(x,y) は、同じくシェーディング補正後のR,GまたはB色情報値である。また、Bkは黒補正係数である。さらに、CoeffRGB(x) は、位置xにおけるR,GまたはBの白補正係数である。
【0058】
SW22(第1切換部)は、シェーディング補正後のRGBデータに施す処理(前下地判定処理あるいは入力LUT処理)を切り換えるものである(図5のS4)。
【0059】
前下地判定処理部(第2変換部)23は、後述する下地レベル(下地除去レベル)に基づいて、シェーディング補正後のD−RGBラインデータが、下地ラインデータ(下地部分だけからなるラインデータ)であるか否かを判定(前下地判定処理)するものである。
【0060】
ここで、前下地判定処理部23は、D−RGBラインデータ(入力画像)における各画素のRGB色情報値が、以下の(2)式に示す条件を全て満たす場合に、D−RGBラインデータが下地ラインデータであると判定するように設定されている(図5のS17)。
【0061】
【数2】
Figure 0003810619
【0062】
この(2)式において、R(x), G(x) , B(x) は、D−RGBラインデータにおける、主走査方向位置xに応じた画素のRGB色情報値(色データ)である。また、Threshは、前下地判定基準値(閾値)であり、後述する下地レベル(下地判定レベル; CurrentL)に基づいて設定される値である(Threshの設定方法についても後述する)。
【0063】
入力LUT処理部(第1画像処理部)24は、LUT(Look Up Table:ルックアップテーブル) を参照して、シェーディング補正後のD−RGBラインデータにおける、RGB階調の非線型性(非線形性)を補正(入力階調の補正;入力LUT処理)するものである。この補正では、例えば、図3に示すようになLUTを用いることが可能である。
【0064】
色空間変換処理部(色空間変換部)25は、入力LUT処理部24によって処理されたD−RGBラインデータ(第1画像)における各画素のRGB色情報値(RGBの色空間で表現された画素の色情報値)を、Lab色空間上の色情報値に変換(色空間変換処理)するものである。これにより、D−RGBラインデータは、Labラインデータ(Lab画像)に変換される。
【0065】
なお、Lab色空間とは、輝度値L(輝度情報値;L値),色相値a(色相情報値a),色相値b(色相情報値b)によって構成される色空間である。また、色空間変換処理部25による変換は、例えば、以下の(3)式に基づいた計算によって実施される。この式において、e1〜e12は変換係数である。
【0066】
【数3】
Figure 0003810619
【0067】
下地除去処理部(第1変換部)26は、図2に示したトラッキング領域TRから得られるLabラインデータ(トラッキング領域TRに応じたLabラインデータ)から、L値の下地レベルである CurrentLを導出するものである。すなわち、下地除去処理部26は、 CurrentLより大きい(高い)L値を有する画素を、下地部分に応じた画素であると判断するように設定されている。
【0068】
そして、下地除去処理部26は、この CurrentLを用いてLabラインデータを処理することにより、下地部分の輝度値を白色に応じた値(255)に変換(下地除去処理)するように設定されている。
【0069】
すなわち、下地除去処理部26は、この CurrentL、および以下の(4)式を用いて、LabラインデータにおけるL値を、新たな輝度値であるL’値に変換する(L値変換処理)。これにより、Labラインデータは、新たなLabラインデータ(変換Labラインデータ)に変換されることとなる(図6参照)。
【0070】
【数4】
Figure 0003810619
【0071】
なお、(4)式において、L(x,y) は、副走査方向位置yに応じた変換Labラインデータ(下地除去処理前)の、主走査方向位置xに応じた画素の輝度値(L成分色情報値)である。また、L’(x,y) は、同じく下地除去処理後の輝度値である。さらに、 CurrentL(y) は、副走査方向位置yにおける下地レベルである。
【0072】
このL値変換処理を行うことにより、変換Labラインデータでは、下地部分の輝度値(L’値)が255に変換される。また、下地以外の領域における輝度値は拡張され、最も暗い部分から下地(最も明るい部分)までの解像度(輝度値の解像度)が増加することになる。
【0073】
また、下地除去処理部26は、導出した CurrentLを用いて、(2)式に示したThreshを求め、これを前下地判定処理部23に伝達(フィードバック)する機能も有している。
なお、下地除去処理部26における CurrentLの導出方法、および、Threshの算出方法については後述する。
【0074】
SW(第2切換部)27は、下地除去処理部26から出力される変換Labラインデータに施す処理(後下地判定処理あるいは空間フィルタ処理)を、切り換えるものである。
【0075】
後下地判定処理部(第1変換部,白色画像判定部)28は、変換Labラインデータが、下地ラインデータであるか否かを判断(後下地判定処理)するものである。すなわち、後下地判定処理部28は、変換Labラインデータの全L’値が、所定の閾値(例えば255)よりも大きい場合に、そのデータを下地ラインデータと看倣すように設定されている(図5のS8)。
【0076】
なお、同じL’値でも、RGBの組合せは様々である。すなわち、前下地判定処理部23は、上記の(2)に示した条件を満たしている場合(RGBの各値が全て閾値Threshより大きい場合)に、ラインデータを下地ラインデータであると判断するようになっている。
しかしながら、この条件を満たさないラインデータ(例えば、RGB値の1つが閾値Thresh未満)でも、下地ラインデータである可能性もある。
【0077】
そこで、後下地判定処理部28では、RGB値ではなくL’値を用いることで、より正確・精密に下地ラインデータの判定を行えるようになっている。
すなわち、前下地判定処理部23による前下地判定処理は簡易な判定処理であり、後下地判定処理部28による後下地判定処理は、精密な(メインの)判定処理であるといえる。
【0078】
空間フィルタ処理部(第2画像処理部)29は、例えば対象画素を中心として主走査方向5画素,副走査方向5画素の計25画素の画素値と、以下の(5)式とを用いて、変換Labラインデータに対して2次元空間フィルタ演算(空間フィルタ処理)を実施するものである。
【0079】
【数5】
Figure 0003810619
【0080】
色補正処理部(第2画像処理部)30は、3次元の変換Labラインデータにおける色空間情報を、CMYKの色空間情報に変換(色補正処理)することで、CMYKラインデータを生成するものである。なお、色空間情報の変換方法としては、例えば、3次元補間法を用いることが可能である。
【0081】
出力LUT処理部(第2画像処理部)31は、LUTを参照して、CMYKラインデータに対し、使用するインクの特性に応じた階調補正(出力LUT処理)を行うものである。
この補正は、画像出力装置14におけるCMYK階調の非線形性に対する補正であり、例えば、図4に示すようなLUTを用いて行われる。
【0082】
中間調処理部(第2画像処理部)32は、CMYKラインデータの各画素におけるCMYK各8bit階調の色情報値を、例えば誤差拡散法を用いてCMYK2階調の色情報値に変換(中間調処理)するものである。
【0083】
第1白挿入処理部(第2変換部)33は、D−RGBラインデータを、L=255,a=128,b=128のLab色情報値を有するLabラインデータ、すなわち、白色に応じたLabラインデータ(白色Labラインデータ)に変換し、空間フィルタ処理部29に出力するものである。
【0084】
また、第2白挿入処理部(第2変換部)34は、Labラインデータを、「0」の色情報値を有するCMYKラインデータ、すなわち、白色に応じたCMYKラインデータ(白色CMYKラインデータ)に変換するためのものである。
【0085】
次に、本複写機における印刷処理について説明する。
図5は、この処理の流れを示すフローチャートである。この図に示すように、ユーザーによって印刷開始の指示がなされると、画像入力装置11は、原稿載置台に載置された原稿画像をラインセンサによって1ライン毎に読み取り、A−RGBラインデータを生成する(S1)。
【0086】
その後、A/D変換装置12が、A−RGBラインデータに対してA/D変換処理を施し、D−RGBラインデータを生成する(S2)。そして、画像処理装置13のシェーディング補正処理部21が、D−RGBラインデータに対してシェーディング補正処理を施す(S3)。
【0087】
次に、SW22が、D−RGBラインデータがトラッキング領域TR(図2参照)に応じたデータであるか否かを判断する(S4)。この判断は、例えば、原稿に対するラインセンサの位置が、トラッキング領域TR上にあるか否かを判断することでなされる。
そして、トラッキング領域TRのデータであると判断した場合、SW22は、前下地判定処理を施さずに、D−RGBラインデータを、入力LUT処理部24に伝達する。
【0088】
その後、入力LUT処理部24が、D−RGBラインデータに対して入力LUT処理・色空間変換処理を行い(S5;第1画像処理工程)、さらに、色空間変換処理部25が、Labラインデータを生成する(S6;色空間変換工程)。
【0089】
次に、下地除去処理部26が、Labラインデータに対し、後述するトラッキング処理を含む下地除去処理を行い、 CurrentLの更新、および、変換Labラインデータを生成する(S7;第1変換工程)。
【0090】
その後、後下地判定処理部28が、変換Labラインデータが下地ラインデータであるか否かを確認する(S8・S9;白色画像判定工程)。
そして、下地ラインデータであると判断した場合、後下地判定処理部28は、このデータに対する後の処理をスキップできるか否かを判定する(S10)。
【0091】
なお、S10における後下地判定処理部28による判定は、後に実施される空間フィルタ処理に、下地ラインデータが必要であるか否かに基づいて行われるようになっている。
すなわち、空間フィルタ処理部29に対して下地ラインデータを供給するために、後下地判定処理部28は、連続して入力される下地ラインデータの数を計測する。そして、下地ラインデータが所定数(今の場合5つ)連続して入力されている場合に限り、スキップ可能と判断する。
なお、上記の所定数は、通常、空間フィルタ処理される副走査方向の画素数と同数に設定される。
【0092】
そして、スキップできると判断した場合には、後下地判定処理部28は、下地ラインデータを第2白挿入処理部34に伝達する。
そして、第2白挿入処理部34が、下地ラインデータを白色CMYKラインデータに変換(L=255のLabラインデータを、C=M=Y=K=0の白色CMYKラインデータに変換)する(S21)。その後、画像出力装置14が、この白色CMYKラインデータを印刷し(S15)、原稿画像に対する次のラインの読み取りが開始される(S16)。
【0093】
一方、S10において後の処理をスキップできないと判断した場合、後下地判定処理部28は、下地ラインデータを空間フィルタ処理部29に伝達する。そして、空間フィルタ処理部29,色補正処理部30,出力LUT処理部31,中間調処理部32によって、下地ラインデータに対して空間フィルタ処理,色補正処理,出力LUT処理,中間調処理が施され(S11〜S14;第2画像処理工程)、画像出力装置14によって印刷される(S15)。
【0094】
また、S4において、D−RGBラインデータがトラッキング領域TRのものでないと判断した場合(トラッキング領域TRに対する処理が終了していると判断した場合)、SW22は、D−RGBラインデータを前下地判定処理部23に伝達する。
【0095】
なお、このときには、トラッキング領域TRの処理が終了しているので、この原稿における CurrentLの最終的な値(下地レベル)が確定している。
そして、前下地判定処理部23は、確定している CurrentLを用いた前下地判定処理を行うことで、D−RGBラインデータが下地ラインデータであるか否かを確認する(S17・S18;第2変換工程)。
【0096】
そして、下地ラインデータである場合、前下地判定処理部23は、このD−RGBラインデータに対する後の処理をスキップできるか否かを判定する(S19)。なお、この判定は、S10と同様に、下地ラインデータが、後に行う空間フィルタ処理に必要か否かに基づいて行われる。
【0097】
そして、スキップできると判断した場合、前下地判定処理部23は、下地ラインデータを第2白挿入処理部34に伝達し、処理をS21に進める(第2変換工程)。
【0098】
一方、スキップできないと判断した場合、前下地判定処理部23は、下地ラインデータを第1白挿入処理部33に伝達する。
第1白挿入処理部33は、下地ラインデータを白色Labラインデータに変換(下地のD−RGBラインデータを、L=255,a=128,b=128のLabラインデータに変換)する(S20;第2変換工程)。
そして、第1白挿入処理部33は、白色Labラインデータを空間フィルタ処理部29に伝達し、処理がS11に進む。
【0099】
また、S18において、前下地判定処理部23が、D−RGBラインデータを下地ラインデータではないと判断した場合、処理はS5〜S7に進み、変換Labラインデータが生成される。
【0100】
その後、後下地判定処理部28が、この変換Labラインデータが下地ラインデータであるか否かを、再度、判定する(S8)。
そして、下地ラインデータではないと判断した場合には、後下地判定処理部28は、Labラインデータを空間フィルタ処理部29に伝達し、処理をS11〜S16に進める。一方、下地ラインデータであると判断した場合、後下地判定処理部28は、処理をS10に進める。
【0101】
ここで、S7として示した下地除去処理について説明する。
図6は、この処理の流れを示すフローチャートである。この図に示すように、下地除去処理部26は、入力されたLabラインデータが、原稿における最初のデータであるか否かを判断する(S31)。そして、最初のデータであると判断した場合には、 CurrentLおよびstate を、それぞれのデフォルト値である220,0に設定する(S32)。
【0102】
次に、下地除去処理部26は、Labラインデータが、トラッキング領域TRのものであるか否かを判断する(S33)。そして、トラッキング領域TRのものでないと判断した場合には、上記したL値変換処理を行う(S35)。
一方、トラッキング領域TRのものであると判断した場合には、後述するトラッキング処理を行った後(S34)、S35に進む。
【0103】
次に、図6においてS34として示したトラッキング処理について説明する。図7は、この処理の流れを示すフローチャートである。
【0104】
このトラッキング処理は、L値の下地レベルである CurrentLを求めるための計算処理であり、図2に示したトラッキング領域TR内の参照領域SRを用いて行われるものである。
【0105】
上記したように、トラッキング領域TR(参照領域SR)は、原稿の先端領域であるため、通常、文書や図形等の画像データのない、下地だけからなる領域(余白領域)の多く占める領域である。
【0106】
下地除去処理部26は、このトラッキング処理において、原稿の下地レベルを求めるために、トラッキング領域TRのLabラインデータから、参照領域SRに応じたデータだけを抜き出す。
その後、下地除去処理部26は、 CurrentLの値(デフォルト値(初期値)は220)と、参照領域SRにおけるLabラインデータのL値との大小比較を行う。そして、比較結果に応じて CurrentLを徐々に収束させ、最終的な CurrentL値、すなわち、下地レベルを求めるようになっている。
【0107】
ここで、下地除去処理部26は、 CurrentLより大きい(小さい)L値を有するLabラインデータが所定数(例えば5つ)連続して入力されたとき、 CurrentLの値を増加(減少)するようになっている。
【0108】
なお、 CurrentLより大きい(小さい)L値を有するLabラインデータとは、データ内の全画素におけるL値(全L値)が CurrentLより大きい(小さい)ような、Labラインデータのことである。
【0109】
図7に示すように、下地除去処理部26は、参照領域SRのLabラインデータにおける全L値が CurrentLより大きい場合、state が0未満であるか否かを判断する(S41・S42)。
【0110】
ここで、state とは、参照領域SRにおけるLabラインデータの状態を表すものである。
すなわち、Labラインデータの全L値が CurrentLより大きい場合、state の値は正となる。そして、このようなLabラインデータが連続して入力された場合には、state の値は増加してゆく。
【0111】
一方、Labラインデータの全L値が CurrentLより小さい場合、state の値は負となる。そして、このようなLabラインデータが連続して入力された場合には、state の値は減少してゆく。
【0112】
従って、S43に進んだ状態では、LabラインデータのL値がすべて CurrentLより大きく、state が0以上である(前に入力されたLabラインデータの全L値が CurrentLより大きい)ため、state の値を1だけ増加させる。
【0113】
そして、下地除去処理部26は、 CurrentLより大きいL値を有するLabラインデータが5つ連続して入力された場合、すなわち、state が5以上の場合に、 CurrentLの値を1だけ増加させ、その後、state を初期化する(S44〜S46)。
【0114】
また、 CurrentLより大きいL値を有するLabラインデータの後に、 CurrentLより小さいL値を有するLabラインデータが入力された場合(S47でYES,S48でYESの場合)、下地除去処理部26は、入力されたLabラインデータの状態が、これまでのLabラインデータの状態と異なっていると判断する。
【0115】
すなわち、この場合、下地除去処理部26は、下地ではない画像を含むLabラインデータが入力されたか、または、 CurrentLが原稿における実際の下地の輝度(実際の原稿下地濃度)とほぼ等しい値に到達したと見なすことができる。従って、この場合は、state を0に初期化し、下地レベルを求める CurrentLの値をこれ以上更新しないようにする(S55)。
【0116】
一方、下地除去処理部26は、入力されたLabラインデータの全L値が CurrentLより小さい場合、state が0より大きいか否かを判断する(S47・S48)。そして、state が0以下のとき(前に入力されたLabラインデータの全L値が CurrentLより小さい場合)、S49においてstate の値を1だけ減少させる。
【0117】
その後、下地除去処理部26は、 CurrentLより小さいL値を有するLabラインデータが5つ連続して入力された場合、すなわち、state が−5以下の場合に、 CurrentLの値を1だけ減少させた後、state を初期化する(S50〜S52)。
【0118】
ここで、 CurrentLの値が200より小さくなった場合には、 CurrentLを200に戻すようになっている(S53・S54)。すなわち、下地除去処理部26は、 CurrentLを200より小さくしないように設定されている。
これは、下地色のL値が220より小さく、また、参照領域SR内の下端に200未満のL値を有する画像(薄い黄色の画像等)が含まれている場合(余白領域が参照領域SRより小さい場合)、この画像のL値を下地レベルとして設定してしまうことを防止するためである。
【0119】
また、 CurrentLより小さいL値を有するLabラインデータの後に、 CurrentLより大きいL値を有するLabラインデータが入力された場合、(S41・S42)、下地除去処理部26は、上記と同様に、下地除去処理部26は、下地ではない画像を含むLabラインデータが入力されたか、または、 CurrentLが実際の原稿下地濃度とほぼ等しい値に到達したと見なす。従って、この場合は、state を0に初期化し、下地レベルを求める CurrentLの値をこれ以上更新しないようにする(S55)。
そして、下地除去処理部26は、参照領域SR内の全Labラインデータに対して、上記の処理を行い、最終的な CurrentLの値を求める。
【0120】
また、下地除去処理部26は、この CurrentLから、前下地判定処理において用いられるThreshを算出し、前下地判定処理部23に伝達する。
すなわち、下地除去処理部26は、上記した(3)式のLに、 CurrentLを代入するとともに、R,G,BにThreshを代入する。そして、この(3)式を逆算することにより、Threshを求めるようになっている。
【0121】
なお、D−RGBラインデータが(2)式に示した条件を満たす場合、このデータに色空間変換処理を施して得られるLabラインデータのL値は、下地レベル( CurrentL)よりも大きくなる。
【0122】
以上のように、本複写機の画像処理装置13では、下地除去処理部26が、Labラインデータに基づいて、 CurrentLおよびThresh(ともに閾値)を求めるように設定されている。そして、 CurrentLを用いてLabラインデータを処理することにより、画像における下地部分の輝度値を、白色の輝度値に応じた255とするようになっている。
【0123】
さらに、画像処理装置13では、下地除去処理部26の求めたThreshに基づいて、前下地判定処理部23が、下地部分だけからなるD−RGBラインデータ(下地ラインデータ)を特定するようになっている。そして、白挿入処理部33・34が、このデータを白色Labラインデータ(あるいは白色CMYKラインデータ)に変換し、後の画像処理を回避するようになっている。
【0124】
すなわち、本複写機では、下地除去処理部26において求められたThreshを、前段に位置する前下地判定処理部23にフィードバックするようになっている。そして、このThreshを用いて、前下地判定処理部23および白挿入処理部33・34が、画像処理を施す必要のない下地部分だけからなるD−RGBラインデータを特定し、白色Labラインデータ(白色CMYKラインデータ)への変換を行うように設定されている。
これにより、本複写機では、入力LUT処理部24以降の処理を、下地部分だけからなるD−RGBラインデータに施すことを回避できるので、画像処理の効率を向上させることが可能となっている。
【0125】
また、上記の下地除去処理部26は、参照領域SR(トラッキング領域TR)内における複数のLabラインデータ(複数の第1画像)を用いて、Threshおよび CurrentLを求めるように設定されている。これにより、各原稿画像におけるThreshおよび CurrentLを、非常に正確に求めることが可能となっている。
【0126】
また、画像処理装置13では、SW22が、下地除去処理部26において CurrentL・Threshの確定されていないとき、すなわち、トラッキング領域TR(参照領域SR)内の画像を処理しているときには、D−RGBラインデータを入力LUT処理部24に出力するようになっている。
一方、 CurrentL・Threshの確定された後では、D−RGBラインデータを前下地判定処理部23に出力するように設定されている。これにより、前下地判定処理部23における、精度の劣るThreshを用いた判定処理を回避できる。
【0127】
また、画像処理装置13では、D−RGBラインデータに色空間変換処理を施して、輝度値と色相値とからなるLabラインデータ(Lab画像)を生成する色空間変換処理部25を備えている。
そして、下地除去処理部26は、Labラインデータから、下地色のL値を求めて CurrentLとして設定するとともに、この CurrentLより大きいL値を有する領域を下地部分(下地領域)と判断し、そののL値を白色に応じた値(255)に変換するように設定されている。
【0128】
さらに、後下地判定処理部28が、白色に応じたL値(L’値)を有する領域だけで構成されているLabラインデータ(下地ラインデータ)を第2白挿入処理部34に出力するとともに、それ以外のLabラインデータを空間フィルタ処理部29に出力するように設定されている。これにより、下地ラインデータに、空間フィルタ処理部29以降の画像処理の施されることを防止できるので、余分な画像処理を回避できる。
【0129】
さらに、前下地判定処理部23は、D−RGBラインデータを用いて下地ラインデータの判定を行うようになっているが、下地除去処理部26および後下地判定処理部28は、LabラインデータのL値を用いて下地部分の判定を行う。これにより、2種類の方法で(2種類の画像に対して)下地部分を判定できるため、より正確な下地判定を行える。
【0130】
また、画像処理装置13では、SW27が、ユーザーの指示に基づいて、Labラインデータを後下地判定処理部28に出力するか、あるいは、空間フィルタ処理部29に出力するかを切り換えるようになっている。これにより、ユーザーは、後下地判定処理部28による下地ラインデータの精密な判定・変換を行うか、あるいは、後下地判定処理部28による処理を回避して全体の処理速度を向上させるかを任意に選択できる。
【0131】
なお、本実施の形態では、下地除去処理部26は、Labラインデータに基づいて、 CurrentLを用いてLabラインデータを処理することにより、画像における下地部分の輝度値(L値)を、白色の輝度値に応じた255とするようになっている。しかしながら、これに限らず、画像における下地部分のL値を255,a値を128,b値を128とするように設定されていてもよい。
【0132】
また、本実施の形態では、画像入力装置11によって、原稿画像をライン毎に読み込み、ライン内の画像データ(ラインデータ)毎に画像処理を行うとしている。しかしながら、本複写機では、原稿の読み込み単位(データの大きさ)と画像処理の単位とを同一とする必要はない。例えば、原稿画像の全体を一括して取り込んで大きな画像データを生成し、これをメモリに記憶させる。そして、この画像データを、画像処理を適切に行えるような単位に分割して処理するようにしてもよい。
【0133】
また、本実施の形態では、画像処理を行う単位(入力画像の単位)としてラインデータを採用している。そして、各ラインデータが下地ラインデータ(下地部分だけからなるデータ)であるか否かを判断し、下地ラインデータに対する画像処理を回避するようになっている。
しかしながら、本複写機の画像処理を、ラインデータ毎に限らず、所定数(複数)のラインデータ毎、または、所定サイズの矩形領域や三角形領域内の画像データ毎に行ってもよいし、あるいは画素毎に行うようにしてもよい。
【0134】
また、本複写機における画像出力装置14を、電子写真方式のプリントエンジンを有するものとしてもよい。
この場合、画像出力装置14は、CMYKラインデータに応じて像担持体(感光体)に静電潜像を形成する。そして、CMYKの現像剤(トナー)を用いて静電潜像を現像した後、シート(記録用紙;記録媒体)上にトナー像を転写・定着することにより、画像を形成するように設定される。
【0135】
また、この場合、出力LUT処理部31は、LUTを参照して、CMYKラインデータに対し、トナーの特性に応じた階調補正を行う。この補正は、画像出力装置14におけるCMYK階調の非線形性に対する補正である。
【0136】
また、この場合は、S15(図2)において出力処理(印刷処理)を行う必要はない。すなわち、この場合には、処理後のラインデータをいったん記憶装置に記憶し、所定のタイミングで読み出して、画像出力装置14に出力するようにしてもよい。
【0137】
また、本実施の形態では、トラッキング領域TRのLabラインデータから、参照領域SRに応じたデータを抜き出して、これを用いて CurrentLを求めるように設定されている。しかしながら、これに限らず、トラッキング領域TRのLabラインデータを用いて、 CurrentLを求める(図7に示したトラッキング処理を行う)ようにしてもよい。
【0138】
また、本実施の形態では、Threshを求める際、上記した(3)式のLに CurrentLを代入するとともに、R,G,BにThreshを代入し、この(3)式を逆算するとしている。この際には、行列におけるL行のみを使用するために、Threshが色相値a・bに依存することはない。
【0139】
また、本実施の形態では、本複写機の画像処理装置13が、原稿画像データにおける指定領域としての下地ラインデータを検知して、標準画像としての白色画像に変換するように設定されている。しかしながら、画像処理装置13における指定領域・標準画像としては、どのような領域・画像を設定してもよい。すなわち、例えばRGB値やL値の大きさ等を任意に設定することによって、指定領域となる画像領域を変更できる。また、白挿入処理部33・34を、指定領域を任意の標準画像に変換する部材に代えることもできる。
【0140】
また、画像処理装置13内に、各部材21〜34を制御するための制御部を備えるようにしてもよい。この構成では、図5〜図7に示した画像処理装置13の動作を、制御部による制御によって実行することとなる。
【0141】
また、本複写機における画像処理装置13を、DSP(Digital Signal Processor)から構成するようにしてもよい。この場合には、後述するようなソフトウェアをDSPに読み込ませることで、図5〜図7に示すような処理を行うことが可能となる。
【0142】
すなわち、本実施の形態では、本複写機における画像処理を、画像処理装置13の各部材21〜34によって行うとしている。しかしながら、これに限らず、画像処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置を、画像処理装置13に代えて用いるようにしてもよい。
【0143】
この構成では、情報処理装置の演算装置(DSP,CPU,MPU等)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出し、画像処理を実行する。従って、このプログラム自体が、本発明の画像処理を実現するといえる。
【0144】
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピュータ(ワークステーションやパーソナルコンピュータ)の他に、コンピュータに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
【0145】
また、上記のプログラムとは、画像処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
【0146】
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
【0147】
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピーディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを適用できる。
【0148】
また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
【0149】
また、本発明の画像処理装置を、入力画像に第1画像処理を施して第1画像を生成する第1画像処理部と、この第1画像に基づいて、画像内の不要領域を特定するための基準値を求めるとともに、第1画像内の不要領域を除去する不要領域除去部(下地除去処理部26)とを備え、さらに、不要領域除去部の求めた基準値に基づいて、不要領域だけからなる入力画像を特定し、この入力画像が第1画像処理部に入力されることを防止する不要画像判定部(前下地判定処理部23)とを備えている構成である、と表現することもできる。
【0150】
また、本発明の画像処理装置を、原稿画像の指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を画像処理を施した状態とすることで出力画像を生成する画像処理装置において、入力画像に第1画像処理を施して第1画像を生成する第1画像処理部と、この第1画像に基づいて、画像内の指定領域を特定するための閾値を求め、この閾値を用いて第1画像内の指定領域を特定して標準画像に変換する第1変換部と、第1画像処理部の前段に備えられ、第1変換部の求めた閾値に基づいて、指定領域だけからなる入力画像を特定して標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を含む入力画像を第1画像処理部に出力する第2変換部とを備えている構成であると表現することもできる。
【0151】
また、本発明の画像処理装置における前提構成は、複数の入力画像として読み取られた原稿画像の指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を画像処理を施した状態とすることで出力画像を生成するものであってもよい。また、複数の入力画像に分割された原稿画像の指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を画像処理を施した状態とすることで出力画像を生成するものであってもよい。
【0152】
また、本実施の形態に示した複写機では、下地判定を行う画像処理において、スキャン中に下地レベルを動的に変更するように設定されている。そして、下地除去処理部26において判定した下地レベルを、前下地判定処理部23にフィードバックし、RGBラインデータに対する下地判定を行うようになっている。そして、RGBラインデータの各RGB値が閾値より大きい場合に、このデータを白色ラインデータに変換し、後段の処理(空間フィルタ・色補正・中間調処理等)をスキップするように設定されている。これにより、下地データに対する不要な処理を省略することが可能となっている。
【0153】
また、本発明では、下地レベルの設定と下地除去とを、前下地判定処理部23の後段に備えられた下地除去処理部26において行い、下地レベルを前下地判定処理部23にフィードバックするように設定されている。ここで、下地除去処理部26から下地レベルの設定部材だけを切り離し、前下地判定処理部23の前段に配置することの問題点について説明する。
【0154】
すなわち、下地レベルは、原稿(入力画像データ)により動的に変化する。下地除去処理部26では、下地レベルを基準として入力画像データに対して下地除去処理を行っており、下地除去処理部26での下地レベルと下地レベルを設定するときの値は一致させておく必要がある。そうしないと、下地レベル付近の入力画像データ(例えば薄い黄色等のハイライト部分)を下地と誤判定する可能性や、下地にもかかわらず下地ではないと判断されるおそれがある。
【0155】
下地レベルの設定(下地レベル設定部)を下地除去処理と切り離して前下地判定処理部23の前段に配置すると、下地レベルを設定する際には、下地除去処理部26での処理内容を考慮し、下地レベル設定部における入力画像データを基に設定する必要がある。これは、下地除去処理での処理内容の逆トレースを、本来の画像処理とは別に行うこととなり、処理上の問題が生じる。
【0156】
また、本複写機の画像処理装置13は、プレスキャンを行わずに下地レベルの判断を行い、その結果に基づいて各種処理を施すものであるともいえる。さらに、本発明は、入力画像に画像処理を施すとともに、画像内の指定領域を標準画像に変換する画像処理装置であるともいえる。また、特開平6−253135号公報の複写機は、原稿の画像データと下地色情報とを、1回のスキャンで同時に読み取り、下地色情報に基づいて画像を処理するものであるといえる。
【0157】
また、本複写機の画像入力装置11は、ラインセンサによって原稿画像を読み取ることで、1ライン(1主走査ライン)内の画素毎にR(赤)・G(緑)・B(青)のアナログ信号を生成し、1ライン分のアナログ信号からなるラインデータ(RGBラインデータ)を生成するように設定されていてもよい。また、画像入力装置11のタイミング同期装置は、カラーCCDに対して転送クロック等の動作を制御するパルスを発生させるものであってもよい。
【0158】
また、本複写機の画像処理装置13における下地除去処理部26は、下地判定値を前下地判定処理部23にフィードバックする機能を有しているといえる。また、第1・第2白挿入処理部33・34を、1つの(あるいは1種類の)白挿入処理部に代えてもよい。この白挿入処理部は、白色に応じた画像情報(白色ラインデータ)を出力(白挿入処理)するものである。白色ラインデータとしては、例えば、L=255,a=128,b=128のLab色情報値を有するラインデータ、あるいは、「0」の色情報値を有するCMYKラインデータを用いることができる。
【0159】
また、図1の画像処理装置13は、本発明の画像処理装置の機能的構成を示すものであるといえる。また、DSPによって、各処理を行うソフトウェアを制御するようにしてもよい。この場合、図5におけるS4,S9,S10,S16,S18,S19の判断は、DSPによって行われる。また、SW22およびSW27における切り換えの制御を、ユーザーの指示に基づいて、DSPによって行うようにしてもよい。
【0160】
また、図5のS4は、下地除去処理はトラッキング終了か否か、を判断する工程であるともいえる。また、図2に示したトラッキング領域TRは、下地除去レベルが変化しうる領域であり、前下地判定処理を実施しない領域であるといえる。また、参照領域SRは、トラッキング領域TR内において、下地除去レベルを計算する際に用いる領域であるといえる。また、図2では、トラッキング領域TR内における少し小さい領域を参照領域SRとしているが、両者は同一でも構わない。
【0161】
また、トラッキング処理において、下地除去処理部26は、Labラインデータの全L値が CurrentL以下(以上)の場合に、state の値を負(正)とするように設定されていてもよい。また、図7に示したS55において、下地除去処理部26がstate の値を初期化する理由は、現在のラインデータの状態が前のラインデータの状態と異なるとき、下地レベルを求める CurrentLの値を更新しないためであるともいえる。
【0162】
また、本複写機において、下地除去処理部26が CurrentLを200より小さくしないように設定されている理由は、下地レベルの値は原稿に依存して決まり、下地ではない場合(例えば、薄い黄色の領域)も下地として判断されるのを避けるためであるともいえる。また、有色のまま印刷出力すべき、色の濃い特別な下地を白色化してしまうことを防止するためでもある。
【0163】
また、図7の処理において、 CurrentLより大きいL値を有するLabラインデータの後に、 CurrentLより小さいL値を有するLabラインデータが入力された場合(S47でNO,S48でYESの場合)、下地除去処理部26は、入力されたLabラインデータの状態が、これまでのLabラインデータの状態と異なっていると判断するように設定されていてもよい。
【0164】
さらに、本発明を、以下の第1〜第7の画像処理装置、第1の画像形成装置、および、第1〜第3の画像形成方法として表現することもできる。
すなわち、第1の画像処理装置は、入力画像データより所定の色情報を検出し、この検出結果に基づいて入力画像データを補正する画像処理装置において、入力画像データより所定の色情報の判定を行う第1の判定手段と、入力画像データより所定の色情報を検出すると共に第1の判定手段の結果に基づいて入力画像データを補正する補正処理手段とを備えており、第1の判定手段が補正処理手段の前段に備えられており、補正処理手段による所定の色情報の検出結果に基づいて、入力画像データの判定を行う構成である。
【0165】
この構成では、第1の判定手段(前下地判定処理部)は、補正処理手段(下地除去処理部)よりも前段に位置している。下地除去処理部では、下地レベルの設定と下地除去とを行い、設定した下地レベルを前下地判定処理部にフィードバックするように設定している。従って、従来では比較的処理の後半でしか実施できなかった、下地除去レベルを変動させながらの下地判定を、画像処理の初期段階にて実現できる。従って、下地情報を活用した画像処理が、初期段階から可能となる。
【0166】
また、第2の画像処理装置は、第1の画像処理装置において、第1の判定手段の判定結果に基づいて後段の処理を切り換える制御手段(DSP)を備えている構成である。これにより、第1の判定手段(前下地判定処理部)で下地と判断された場合、制御手段により後段の処理を切り換え、余分な処理を実施しないため、システムの高速化を図れる。
【0167】
また、第3の画像処理装置は、第1あるいは第2の画像処理装置において、第1の判定手段の判定処理を行うか否かを切り換える第1の切り換え手段が備えられている構成である。これにより、第1の判定手段による処理を行うか否かを切り換えることで、補正処理手段における所定の色情報の検出結果が安定するまで判定を実施しないことが可能となり、初期段階の誤判定を低減できる。
【0168】
また、第4の画像処理装置は、第1〜第3のいずれかの画像処理装置において、補正処理手段により補正された入力画像データに対して所定の色情報の判定を行う第2の判定手段(後下地判定処理部)を備えている構成である。これにより、第1の判定手段での判定ミスを抑制でき、下地の判定を精度良く行える。
【0169】
また、第5の画像処理装置は、第4の画像処理装置において、入力画像データの色空間を変換する色空間変換処理手段を備えており、上記第2の判定手段が、輝度情報に基づいて所定の色情報の判定を行う構成である。この構成では、輝度情報を用いることにより、下地の判定を確実に行える。
【0170】
また、第6の画像処理装置は、第4あるいは第5の画像処理装置において、第2の判定手段の判定結果に基づいて後段の処理を切り換える制御手段を備えている構成である。この構成では、第2の判定手段(後下地判定処理部)で下地と判断された場合、制御手段(DSP)により後段の処理を切り換え、余分な処理を実施しないため、システムの高速化が可能となる。
【0171】
また、第7の画像処理装置は、第4〜第6のいずれかの画像処理装置において、第2の判定手段の判定処理を行うか否かを切り換える第2の切り換え手段を備えている構成である。この構成では、第1の判定手段のみを用いて簡易に下地判定の処理を行うか、あるいは、第2の判定手段をも用いて、より正確な下地判定処理を行うか否かを任意に選択できる。処理の切り換えは、画像形成装置に備えられる操作パネルやホストコンピュータより入力できる。
【0172】
また、第1の画像形成装置は、上記した第1〜第7の画像処理装置のいずれかを備えた構成である。この画像形成装置では、下地の判定を画像処理の初期段階にて実現でき、下地領域に特化した処理を行える。すなわち、下地と判断された領域については、不要な処理を省けるので、速やかに画像を出力できる画像形成装置(インクジェットプリンタやデジタル複写機等)を提供することが可能となる。
【0173】
また、第1の画像処理方法は、入力画像データより所定の色情報を検出し、この検出結果に基づいて入力画像データを補正する画像処理方法において、入力画像データより所定の色情報の判定を行う第1の工程と、入力画像データより所定の色情報を検出すると共に、第1の工程の結果に基づいて入力画像データを補正する第2の工程とを含み、第1の工程は、第2の工程における所定の色情報の検出結果に基づいて入力画像データにおける所定の色情報の判定を行う方法である。これにより、従来では比較的処理の後半でしか実施できなかった、下地除去レベルを変動させながらの下地判定を、画像処理の初期段階にて実現できる。従って、下地情報を活用した画像処理が初期段階から可能となる。
【0174】
また、第2の画像処理方法は、第1の画像処理方法において、第2の工程により補正された入力画像データに対して所定の色情報の判定を行う第3の工程を含む方法である。これにより、第1の判定手段での判定ミスを抑制することができ、精度良く下地の判定を行える。
【0175】
また、第3の画像処理方法は、第1あるいは第2の画像処理方法において、第1の工程での判定結果、あるいは、第3の工程での判定結果に基づいて、後段の処理を切り換える工程を含む方法である。これにより、第1の工程あるいは第2の工程で下地と判断された時、後段の処理を切り換えて余分な処理を実施しないため、システムの高速化が可能となる。
【0176】
【発明の効果】
以上のように、本発明の画像処理装置(本画像処理装置)は、入力画像に、本画像処理装置が該入力画像に対して行うべき画像処理の少なくとも一部である第1画像処理を施すことにより各画素が色データとされた第1画像を生成する第1画像処理部と、最初の入力画像又は2番目以降の各入力画像の上記第1画像に基づいて、該第1画像内の指定領域を特定するための閾値を求め、この閾値を用いて該第1画像内の指定領域を特定して該指定領域を標準画像に変換する第1変換部と、上記第1画像処理部の前段に備えられ、2番目以降の各入力画像に対して、第1変換部の求めた閾値に基づいて、指定領域だけからなる入力画像を特定して該指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を含む入力画像を第1画像処理部に出力する第2変換部とを備えていると共に、上記第1画像処理部により生成された第1画像、及び該第1画像内における指定領域を第1変換部又は第2変換部にて変換した標準画像に基づいて出力画像を生成する構成である。
【0177】
本画像処理装置では、第1画像処理部と第1変換部とによって、入力画像の指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を、画像処理(各種の補正処理等)を施した状態とするように設定されている。
【0178】
そして、特に、本画像処理装置では、処理の効率化を図るために、第1画像処理部の前段に、第2変換部を備えている。この第2変換部は、第1変換部から、この第1変換部によって求められた閾値を取得し、これを用いて、入力画像(第1画像処理の施される前の画像)が指定領域だけから構成されているか否か、を判断するようになっている。
【0179】
そして、この第2変換部は、このような入力画像を検知した場合には、画像の全体を標準画像に変換する。一方、入力画像に指定領域以外の領域が含まれている場合、第2変換部は、その入力画像を第1画像処理部に出力するように設定されている。
【0180】
このように、本画像処理装置では、第1変換部において求められた閾値を、前段に位置する第2変換部にフィードバックするようになっている。そして、この閾値を用いて、第2変換部が、画像処理を施す必要のない、指定領域だけからなる入力画像を特定し、標準画像への変換を行うように設定されている。
【0181】
これにより、本画像処理装置では、第1画像処理、および、第1変換部による標準画像への変換処理を、指定領域以外の領域を含む入力画像だけに施すことで、所望の画像を得られるようになっている。従って、第1画像処理にかかる入力画像の量を減少させられるので、本画像処理装置の処理効率を向上させることが可能となる。
【0182】
なお、上記の第1変換部は、複数の第1画像を用いて、閾値を確定するように設定されていることが好ましい。これにより、各原稿画像毎に、非常に正確な閾値を求めることが可能となる。
【0183】
また、本画像処理装置に、第1変換部において閾値の確定されていないときには入力画像を第1画像処理部に出力する一方、閾値の確定された後では入力画像を第2変換部に出力するように設定されている第1切換部を備えることが好ましい。これにより、第2変換部における、精度の劣る閾値を用いた標準画像への変換処理を回避できる。
【0184】
また、第1・第2変換部による指定領域の特定は、原稿画像における各領域の色に応じて行うようにしてもよい。すなわち、この場合、第1変換部は、色の特徴を数値化したデータ(色データ)に閾値を設定する。そして、第1・第2変換部は、この閾値と、画像の各領域における色データとを比較することによって、指定領域か否かを判断するようになる。
【0185】
また、このような設定とすることによって、原稿画像の下地色を白色に変換することが可能となる。
この場合、第1変換部は、複数あるいは単数の第1画像における各領域の色データから、原稿の下地色を判断し、下地色の色データを閾値として設定する。そして、第1・第2変換部が、下地色より薄い色の領域を、指定領域(下地領域)として認識するように設定される。そして、標準画像として白色画像を採用すれば、本画像処理装置によって、原稿画像の下地領域を白色化して出力できるようになる。
【0186】
また、この構成では、第1変換部に、第1画像に色空間変換処理を施して、輝度値と色相値とからなるLab画像を生成する色空間変換部を備えることが好ましい。そして、第1変換部は、Lab画像から下地色の輝度値を求めて閾値として設定するとともに、この閾値より大きい輝度値(L値)を有する領域を指定領域として特定し、標準画像としての白色画像に変換するように設定されていることが好ましい。
【0187】
すなわち、この構成では、第2変換部は、画像の色データ(RGB値等)を用いて下地領域の判定を行うようになっているが、第1変換部は、画像の輝度値を用いて下地領域の判定を行う。
このようにすれば、2種類の方法で(2種類の画像に対して)下地領域を判定できるため、より正確な下地判定を行える。
【0188】
また、本画像処理装置に、上記のLab画像に対して第2画像処理を施す第2画像処理部を備えることも好ましい。これにより、より多彩な画像処理を行うことが可能となる。なお、第2画像処理とは、本画像処理装置における画像処理の一部であり、Lab画像に対して行うことの好ましい画像処理である。
【0189】
また、このような第2画像処理部を用いる場合、第1変換部から出力されたLab画像のうち、白色画像以外の領域を含むLab画像だけを第2画像処理部に出力するように設定されている白色画像判定部を備えていることがさらに好ましい。
これにより、下地領域だけからなる画像に第2画像処理の施されることを防止できるので、余分な画像処理を回避できる。
【0190】
また、この構成では、本画像処理装置に、ユーザーの指示を入力するための入力部を備えることが好ましい。そして、ユーザーの指示に基づいて、Lab画像を白色画像判定部に出力するか、あるいは、第2画像処理部に出力するかを切り換える第2切換部を備えていることがさらに好ましい。
【0191】
これにより、ユーザーは、白色画像判定部による下地領域の精密な判定・変換を行うか、あるいは、白色画像判定部による処理を回避して全体の処理速度を向上させるかを任意に選択できる。
【0192】
また、本画像処理装置は、シート(記録用紙)に画像を印刷する印刷装置に対して好適に備えることが可能である。このような印刷装置は、本画像処理装置と、原稿画像を読み込んで入力画像を生成し、本画像処理装置に出力する画像入力装置と、本画像処理装置から出力される出力画像に基づいてシートに画像を形成する画像出力装置とを備えているものである。
【0193】
また、本発明の画像処理方法(本画像処理方法)は、入力画像に、画像処理装置が該入力画像に対して行うべき画像処理の少なくとも一部である第1画像処理を施すことにより各画素が色データとされた第1画像を生成する第1画像処理工程と、最初の入力画像又は2番目以降の各入力画像の上記第1画像に基づいて、該第1画像内の指定領域を特定するための閾値を求め、この閾値を用いて該第1画像内の指定領域を特定して該指定領域を標準画像に変換する第1変換工程と、上記第1変換工程において求められた閾値に基づいて、上記第1画像処理工程の前に、2番目以降の各入力画像に対して、指定領域だけからなる入力画像を特定して該指定領域を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を含む入力画像を第1画像処理工程に移す第2変換工程と、上記第1画像処理工程により生成された第1画像、及び該第1画像内における指定領域を第1変換工程又は第2変換工程にて変換した標準画像に基づいて出力画像を生成する出力画像生成工程とを含む方法である。
【0194】
本画像処理方法は、上記した本画像処理装置において用いられている方法である。すなわち、第1画像処理工程は、入力画像に対して上記した第1画像処理を施して第1画像を生成する工程である。また、第1変換工程は、第1画像から指定領域を特定するための閾値を求め、この閾値を用いて画像内の指定領域を特定し、標準領域に変換する工程である。
【0195】
さらに、第2変換工程は、第1変換工程において求められた閾値を取得し、これを用いて、入力画像が指定領域だけから構成されているか否か、を判断する工程である。そして、この第2変換工程では、このような入力画像を標準画像に変換する一方、指定領域以外の領域を含む入力画像に、第1画像処理を施させるように設定されている。
【0196】
このように、本画像処理方法では、第2変換工程が第1画像処理工程および第1変換工程より前に行われるとともに、第1変換工程において求められた閾値を、第2変換工程での処理のためにフィードバックするようになっている。
そして、第2変換工程では、この閾値を用いて、画像処理を施す必要のない、指定領域だけからなる入力画像を特定し、標準画像への変換を行うように設定されている。
【0197】
これにより、本画像処理方法では、第1画像処理、および、第1変換工程における標準画像への変換処理を、指定領域以外の領域を含む入力画像だけに施すことで、所望の画像を得られるようになっている。従って、第1画像処理にかかる入力画像の量を減少させられるので、本画像処理方法における処理全体の効率を向上させられる。
【0198】
また、本画像処理方法の第1変換工程は、複数あるいは単数の第1画像における各領域の色データから原稿の下地色を判断し、この下地色の色データを閾値とするように設定されていてもよい。さらに、第1・第2変換工程は、下地色より薄い色の領域を指定領域として特定し、標準画像としての白色画像に変換するように設定されていてもよい。このような設定とすることによって、原稿画像の下地色を白色に変換することが可能となる。
【0199】
また、この場合、第1変換工程に、第1画像に色空間変換処理を施して、輝度値と色相値とからなるLab画像を生成する色空間変換工程を含ませることが好ましい。そして、第1変換工程が、Lab画像から下地色の輝度値を求めて閾値として設定するとともに、この閾値より大きい輝度値を有するLab画像内の領域を指定領域として特定し、標準画像としての白色画像に変換するように設定されていることが好ましい。このようにすれば、2種類の方法で(2種類の画像に対して)下地領域を判定できるため、より正確な下地判定を行える。
【0200】
また、本画像処理方法に、上記のLab画像に対して第2画像処理を施す第2画像処理工程を含ませるようにしてもよい。また、このような工程の前に、第1変換工程から出力されたLab画像のうち、白色画像以外の領域を含むLab画像だけに第2画像処理を施させる白色画像判定工程を実行することが好ましい。これにより、下地領域だけからなる画像に第2画像処理の施されることを防止できるので、余分な画像処理を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるデジタル複写機における構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した複写機において用いられる原稿を示す説明図である。
【図3】入力LUT処理に用いられるLUTの例を示す説明図である。
【図4】出力LUT処理に用いられるLUTの例を示す説明図である。
【図5】図1に示した複写機における印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】図5においてS7として示した下地除去処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図6においてS34として示したトラッキング処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 画像入力装置
12 A/D変換装置
13 画像処理装置
14 画像出力装置
15 操作パネル(入力部)
22 スイッチ(SW;第1切換部)
23 前下地判定処理部(第2変換部)
24 入力LUT処理部(第1画像処理部)
25 色空間変換処理部(色空間変換部)
26 下地除去処理部(第1変換部)
27 スイッチ(SW;第2切換部)
28 後下地判定処理部(第1変換部,白色画像判定部)
29 空間フィルタ処理部(第2画像処理部)
30 色補正処理部(第2画像処理部)
31 出力LUT処理部(第2画像処理部)
32 中間調処理部(第2画像処理部)
33 第1白挿入処理部(第2変換部)
34 第2白挿入処理部(第2変換部)

Claims (7)

  1. 原稿画像を複数の入力画像の集合として取り扱う画像処理装置において、
    上記入力画像に入力階調の補正処理を施して第1画像を生成する第1画像処理部と、
    上記第1画像に色空間変換処理を施して輝度値と色相値とからなるLab画像を生成する色空間変換部を備え、該色空間変換部にて上記第1画像に色空間変換処理を施してLab画像を生成し、原稿の先端領域であるトラッキング領域に応じたLab画像から下地色の輝度値を求めて閾値として設定し、この閾値より大きい輝度値を有するLab画像を下地領域として特定して白色画像に変換する第1変換部と、
    上記第1画像処理部の前段に備えられ、上記入力画像に対して、上記第1変換部にて求められた閾値に基づいて、上記下地領域だけからなる入力画像を特定して当該入力画像を白色画像に変換する一方、下地領域以外の領域を含む入力画像を第1画像処理部に出力する第2変換部とを備え、
    上記第1変換部にて生成されたLab画像、及び上記第1変換部にて変換された上記白色画像、並びに上記第2変換部にて変換された上記白色画像に基づいて出力画像を生成することを特徴とする画像処理装置。
  2. 第1変換部において閾値の確定されていないときには入力画像を第1画像処理部に出力する一方、閾値の確定された後では入力画像を第2変換部に出力するように設定されている第1切換部を有していることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 上記のLab画像に対して第2画像処理を施す第2画像処理部と、
    第1変換部から出力されたLab画像のうち、白色画像以外の領域を含むLab画像だけを第2画像処理部に出力するように設定されている白色画像判定部とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. ユーザーの指示に基づいて、Lab画像を白色画像判定部に出力するか、あるいは、第2画像処理部に出力するかを切り換える第2切換部を備えていることを特徴とする請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 原稿画像を読み込んで入力画像を生成する画像入力装置と、
    請求項1〜4のいずれかに記載の画像処理装置と、
    この画像処理装置から出力される出力画像に基づいてシートに画像を形成する画像出力装置とを備えていることを特徴とする印刷装置。
  6. 原稿画像を複数の入力画像の集合として取り扱う画像処理方法において、
    上記入力画像に入力階調の補正処理を施して第1画像を生成する第1画像処理工程と、
    上記第1画像に色空間変換処理を施して輝度値と色相値とからなるLab画像を生成する色空間変換工程を含み、原稿の先端領域であるトラッキング領域に応じたLab画像から下地色の輝度値を求めて閾値として設定し、この閾値より大きい輝度値を有するLab画像を下地領域として特定して白色画像に変換する第1変換工程と、
    上記第1変換工程において求められた閾値に基づいて、上記第1画像処理工程の前に、上記入力画像に対して、上記下地領域だけからなる入力画像を特定して当該入力画像を白色画像に変換する一方、下地領域以外の領域を含む入力画像を第1画像処理工程に移す第2変換工程と、
    上記第1変換工程にて生成されたLab画像、及び上記第1変換工程にて変換された上記白色画像、並びに上記第2変換工程にて変換された白色画像に基づいて出力画像を生成することを特徴とする画像処理方法。
  7. 上記のLab画像に対して第2画像処理を施す第2画像処理工程と、
    第1変換工程から出力されたLab画像のうち、白色画像以外の領域を含むLab画像だけに第2画像処理を施させる白色画像判定工程とを含んでいることを特徴とする請求項6に記載の画像処理方法。
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