JP3810313B2 - 水車発電機のタ−ニング方法及びタ−ニング装置 - Google Patents

水車発電機のタ−ニング方法及びタ−ニング装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、立軸の水車発電機の据付時やオ−バ−ホ−ル時における回転子振れ調整や水平調整の作業等を行なう場合に回転子を低速で回転させる、所謂タ−ニング、の方法及びタ−ニング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
立軸の水車発電機の据付時やオ−バ−ホ−ル時には、例えば、特許第2657172号公報にも記載されているように、水車発電機の回転子の振れ調整や水平調整の作業が行なわれ、或いは点検作業が行われ、これらの作業を容易にする為、回転子を低速で回転させる。このように調整作業や点検作業の為に回転子を低速で回転させることは、一般的に「タ−ニング」と言われている。
【0003】
図16は、従来の立軸の水車発電機のタ−ニング方法を説明する為の図で、水車発電機を据付基礎を含めて縦断側面図で示されている。この図16において、1は水車発電機の回転子、2は前記回転子の上部における半径方向の振れ止めを行なうための上部案内軸受、3は前記回転子の下部における半径方向の振れ止めを行なうための下部案内軸受、4はスラスト軸受で、前記回転子1、該回転子1に取り付けられる水車ランナ(図示せず)、及び該水車ランナに作用する水圧推力を支持するために設けられている。
【0004】
6は上部ブラケットで、前記上部案内軸受2と前記スラスト軸受4を収容している。7は下部ブラケットで、前記下部案内軸受3を収容している。103は前記回転子1の下端に設けられたカップリング用フランジで、下方の水車ランナのカップリング用フランジ(図示せず)とカップリング結合される。27は前記回転子1の上端に取り付けられたタ−ニング用ロッド、28はこのタ−ニング用ロッド27を手で押して前記回転子1を低速で回転させる作業員である。
【0005】
次に、タ−ニング動作及び回転子振れ防止、振れ調整作業について説明する。立軸の水車発電機では現地据付作業時に回転子1の各嵌合部・カップリング部の精度確認及び上部ブラケット6の水平度確認のために、発電機回転子組立状態、或いは水車ランナを組み合わせた全組立状態において、タ−ニング用ロッド27を作業員が手で押して回転子1を低速、例えば3r.p.m.前後、で回転させ、各案内軸受部及びカップリング部での振れをダイヤルゲ−ジで確認し、このとき各部の振れ又は水平度の狂いが大きい場合には、ブラケット据付高さの調整、或いはスラスト軸受面・カップリング面の調整加工を実施し、回転子1が中心軸に対して真っ直ぐに且つ各部の振れが最小となる条件で据え付けられていることを確認し、現地での据付調整を完了する。これら一連の作業は振れ調整及び水平調整と呼ばれている。これらの振れ調整及び水平調整作業時には、前述のように回転子1を低速で回転する必要がある為、回転子1の上端にタ−ニング用ロッド27を取り付け、これを作業員28が人力で回転させる作業を行なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
最近の傾向として、水車発電機は電力系統の安定化等の要求から回転子1には大きなはずみ車効果を持たせるために、回転子重量が数10トン〜数100トンにまで及ぶものとなる。従って、前記タ−ニングを行なうためには、この回転子重量によりスラスト軸受に発生する摩擦トルクに打ち勝つ荷重で回す必要があり、タ−ニングには大きな力を必要とする。例えば、発電機のはずみ車効果が大きい場合には、1回タ−ニングするのに10人以上の作業員が必要である。又、タ−ニングの作業は発電機回転子の振れ調整及び水平調整が完了するまで繰り返されることから、多いものでは数10回にも及び、タ−ニング作業には多大な労力が必要であった。
【0007】
この発明は前述のような課題を解決するためになされたものであり、水車発電機のタ−ニング作業が容易に且つ確実に実施可能で、しかもタ−ニング駆動機の容量を低減できるタ−ニング方法及びタ−ニング装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明に係る水車発電機のタ−ニング方法は、水車発電機の回転子が所定位置にジャッキアップされていることを検出するジャッキアップ検出ステップ、前記回転子が所定位置にジャッキアップされていない場合に前記回転子をジャッキアップするジャッキアップステップ、前記回転子のジャッキアップの検出により前記回転子をジャッキダウンするジャッキダウンステップ、前記回転子のジャッキダウンが開始されたことを検出するジャッキダウン検出ステップ、前記回転子のジャッキダウン開始の検出により前記回転子のタ−ニングを開始するタ−ニング開始ステップ、及びタ−ニング開始後に前記タ−ニングを停止させるタ−ニング停止ステップを備えたものである。
【0009】
請求項2に記載の発明に係る水車発電機のタ−ニング装置は、水車発電機の回転子が所定位置にジャッキアップされていることを検出するジャッキアップ検出手段、前記回転子のジャッキアップの検出により前記回転子をジャッキダウンさせるジャッキダウン手段、前記回転子のジャッキダウンが開始されたことを検出するジャッキダウン開始検出手段、前記回転子のジャッキダウン開始の検出により前記回転子のタ−ニングを開始させるタ−ニング開始手段、及び前記タ−ニングを停止させるタ−ニング停止手段を備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1〜図3に基づいて説明する。図1は据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図、図2は実施の形態1の要部を拡大して示す平面図、図3は図2におけるA部を拡大して示す平面図である。
【0011】
これら図1〜図3において、1は立軸水車発電機の回転子で、主として、回転軸100と、磁極101と、前記回転軸100と前記磁極101とを結合するスポ−ク部102と、水車ランナ(図示せず)とのカップリングが行なわれるカップリング用フランジ103と、前記回転軸100の上端部外周にスカ−ト状に固着され外周面1041がラジアル軸受摺動面となり下面にスラスト面を有したスラストカラ−104と、前記カップリング用フランジ103と前記スポ−ク部102との中間部に位置して前記回転軸100の外周にスカ−ト状に形成され外周面が軸受摺動面1051となる下部案内軸受カラ−105と、で構成されている。
【0012】
2は上部案内軸受で、前記回転子側のスラストカラ−104の外周面1041と可摺動に面接触して前記回転子1の半径方向の振れ止めを回転子上部において行なうものである。3は下部案内軸受で、前記回転子側の下部案内軸受カラ−105の外周面1051と可摺動に面接触して前記回転子1の半径方向の振れ止めを回転子下部において行なうものである。4は前記回転子側のスラストカラ−104の下端面のスラスト面と可摺動に面接触するスラスト軸受で、前記回転子1と該回転子1の下部にカップリング結合により取り付けられる水車ランナ(図示せず)と該水車ランナに作用する水圧推力とを支持するものである。
【0013】
5は前記スポ−ク部102の下端に取り付けられたド−ナツ盤状の冷却ファンで、半径方向に対して所定の角度をなして延在し周方向に配設された多数の羽根部500を有している。6は水車発電機の上部ブラケットで、その潤滑油容器部600内に前記上部案内軸受2と前記スラスト軸受4とを油漬状態に収容し支持するものである。
【0014】
7は下部ブラケットで、主として、軸方向及び半径方向に延在し夫々所定の略等間隔に配設された複数個(図では4個の場合を例示)の脚部700と、これら複数個の脚部700に跨って前記回転軸100を取り巻くように延在し前記各脚部700の上面に一体に取り付けられたド−ナツ盤状の取付板701と、前記回転軸100と前記脚部700との間に位置して前記回転軸100を取り巻くように前記脚部700に取り付けられ前記下部案内軸受3及び前記下部案内軸受カラ−105を潤滑油内に油漬状態に収容する潤滑油容器702と、回転軸100に前記下部案内軸受カラ−105の上方に位置して可摺動に嵌合された取付リング703と、前記回転軸100を取り巻くように前記取付板701と前記取付リング703に跨って取り付けられた潤滑油容器中間蓋704と、で構成されている。なお、前記潤滑油容器702の上面を覆う蓋は、前記取付板701と前記取付リング703と前記潤滑油容器中間蓋704とで構成されている。7011はジャッキ座部で、前記取付板701の外周から前記各脚部700上に舌片状に延在して前記脚部700に固着されている。
【0015】
8は前記回転子1を押し上げるための複数台(図では4台を例示)のジャッキ装置で、前記取付板701の各ジャッキ座部7011上に前記回転子1の回転中心を中心に対称な位置に取り付けられており、発電機のブレ−キ装置の機能も有する。9は前記冷却ファン5の下面に前記ジャッキ装置8と対向して取り付けられたド−ナツ盤状のブレ−キリングで、その下面91は前記ジャッキ装置8からの押し上げ荷重を受けた場合に該ジャッキ装置8との摺動面となる。なお、このブレ−キリング9は前記冷却ファン5を介して前記回転子1に取り付けられている。
【0016】
10は前記ブレ−キリング9の内周面の全周に亘って設けられた内歯の第1の歯車で、前記ブレ−キリング9の内周面を切削して形成され、該ブレ−キリング9と一体をなしている。この第1の歯車10は、前記ブレ−キリング9とは別体として、該ブレ−キリング9の内周にキ−結合により固定装着したり、該ブレ−キリング9の内周部分と上下に重合してボルト結合により該ブレ−キリング9に固定装着してもよい。
【0017】
11は外歯の第2の歯車で、図3に示されているように前記第1の歯車9と噛合し、前記第1の歯車9とで減速装置を構成している。12は誘導電動機等のタ−ニング用駆動機で、前記取付板701の上面に、前記ジャッキ装置8と離間して該ジャッキ装置8と同一面上に2台設置されている。このタ−ニング用駆動機12は、前記回転子1の回転中心を中心に対称な位置に位置すると共に、前記ジャッキ装置8とジャッキ装置8との中間に位置すると共に、前記回転軸100寄りに位置している。
【0018】
また、各タ−ニング用駆動機12の出力軸には夫々前記第2の歯車10が固定装着されている。従って、前記第2の歯車10も、前記回転子1の回転中心を中心に対称な位置に位置すると共に、前記ジャッキ装置8とジャッキ装置8との中間に位置すると共に、前記回転軸100寄りに位置している。なお、前記第2の歯車11及び前記タ−ニング用駆動機12は、何れも前記取付板701とブレ−キリングとの間の外周空間から図示の固定位置まで、回転子径方向に搬入し移動できる大きさのものとしてある。
【0019】
13はコンクリ−ト等で構築された水車発電機据付用の据付基礎で、前記下部ブラケット7を収容すると共に据付固定する穴部130と、前記回転軸100の下端部及び前記水車ランナの回転軸(図示せず)が通る貫通孔131と、水車発電機室132の床面133とが形成されている。134はこの据付基礎13に形成された運搬孔で、前記前記第2の歯車11及び前記タ−ニング用駆動機12を運搬できる大きさに形成されており、また、通風孔兼点検孔の機能を併せ持たせてあり、一端は前記穴部130の側壁面に前記脚部700間の空間に対向して開口し、他端は前記水車発電機室床面133に開口している。
【0020】
14は前記タ−ニング用駆動機12の電源ケ−ブルで、前記運搬孔133内に通して前記タ−ニング用駆動機12から前記水車発電機室132内の電源まで敷設されている。15は水車発電機のフレ−ムで、前記据付基礎の床面133に据付固定されており、上部に前記上部ブラケット6が取り付けられている。16は水車発電機の固定子で、前記フレ−ム14の内側に前記回転子磁極101と対向して取り付けられている。
【0021】
次に動作について説明する。水車発電機据付、他におけるタ−ニング時にはタ−ニング用駆動機12を駆動することにより、第2の歯車11が回転し、第2の歯車11に噛合している第1の歯車10も、第2の歯車11とのギアレショ−に見合って1〜10r.p.m.前後に減速回転をする。タ−ニング用駆動機12に発生した回転トルクは、第2の歯車11及び第1の歯車10を介して、ブレ−キリング9に伝達されて回転子1がタ−ニング速度1〜10r.p.m.程度で回転する。タ−ニング時の動作を図4及び図5により詳細に説明する。
【0022】
図4はタ−ニングを行なわせる電気回路図、図5はタ−ニングの動作フロ−図である。図4において、ISはタ−ニング開始指令スイッチ(タ−ニング開始指令手段)、LS1は発電機回転子1の上限位置を検出する第1のリミットスイッチ(ジャッキアップ検出手段)、前記LS2は発電機回転子1の下降開始直後の所定の回転子降下位置を検出する第2のリミットスイッチ(ジャッキダウン開始検出手段)である。
【0023】
ALS1は第3のリミットスイッチで、前記第1のリミットスイッチLS1と逆の動作をする、即ち第1のリミットスイッチLS1がONの時にOFF、第1のリミットスイッチLS1がOFFの時にON、となるものである。これらのリミットスイッチLS1,LS2,ALS1は、回転子1の上下動に伴って前述の動作をするように回転子1に沿って任意の位置に設置する。
【0024】
M1はジャッキ装置の油圧ポンプモ−タ(図示せず)のコイル、M2はタ−ニング用駆動機12のコイル、Vはジャッキ装置8の油圧調節弁、R1はジャッキ装置用リレ−、RVは油圧調節弁用リレ−(ジャッキダウン手段)、R2はタ−ニング用駆動機用リレ−(タ−ニング開始手段)、SR11,SR12は前記ジャッキ装置用リレ−R1の出力接点、SRVは前記油圧調節弁用リレ−の出力接点、SR2は前記タ−ニング用駆動機用リレ−の出力接点、SSはタ−ニング停止指令スイッチ(タ−ニング停止手段)である。
【0025】
MS1はマニュアルジャッキアップ起動スイッチで、前記ジャッキ装置用リレ−R1の出力接点SR11と並列に接続されており、タ−ニングとは独立して人為的に任意に投入してジャッキアップするスイッチである。MS2はマニュアルジャッキダウン起動スイッチで、前記油圧調節弁用リレ−の出力接点SRVと並列に接続されており、タ−ニングとは独立して人為的に任意に投入してジャッキダウンするスイッチである。Lは発電機回転子1の上限位置を報知するランプやブザ−等の報知器、CSは制御用電源、PSは動力用電源である。
【0026】
図5において、ST1はタ−ニング開始ステップで、タ−ニング開始指令を出すステップである。ST2は水車発電機の回転子1がジャッキアップされたことを検出するジャッキアップ検出ステップで、前記水車発電機の回転子1が所定の上限位置に達していることを検出するステップである。ST3は前記回転子1をジャッキアップするジャッキアップステップで、タ−ニング時に自動的に、またはタ−ニングとは独立して任意の時点で、前記回転子1をジャッキアップするステップである。
【0027】
ST4はジャッキダウンステップで、前記回転子1をジャッキダウン動作開始させるステップである。ST5はジャッキダウン検出ステップで、前記回転子1の降下開始後における所定の降下途中位置を検出するステップである。ST6はタ−ニング開始ステップで、前記タ−ニング用駆動機8が動作開始し前記回転子1がタ−ニング動作を開始するステップである。ST7は前記タ−ニング用駆動機8が動作停止し前記回転子1がタ−ニング動作を停止するステップである。
【0028】
次に、前述の図4及び図5により前述の図1と関連付けてタ−ニング操作及び動作を説明する。水車発電機のタ−ニングを行なう場合、先ず、出力軸に第2の歯車11が取り付けられたタ−ニング用駆動機12を、据付基礎13の運搬孔134から下部ブラケット7内に搬入し、更に、下部ブラケット7の脚部700間の空間を経由して前記取付板701とブレ−キリング9との間の外周空間から、図1の図示位置に搬入、前記取付板701の上部空間に搬入し、図1及び図2に図示した前述の状態に取付板701上に取り付ける。この取付完了により第2の歯車11はブレ−キリング9の第2の歯車10に噛合している(図2及び図3の状態)。そして、タ−ニング用駆動機12の電源ケ−ブル14を据付基礎13の運搬孔134を通して水車発電機室132内の電源(図示せず)に接続する。
【0029】
このようにしてタ−ニング準備をした後、タ−ニング開始指令スイッチ(タ−ニング開始指令手段)ISを投入(作動)する(タ−ニング開始指令ステップST1)。このタ−ニング開始指令スイッチISの投入(タ−ニング開始指令手段の作動)により、ジャッキ装置用リレ−R1が付勢され、その出力接点SR11,SR12がONになる。このとき、回転子1がジャッキアップされて所定の回転子上限位置にあれば、第3のリミットスイッチALS1はOFFであるので、ジャッキ装置8の油圧ポンプモ−タ(図示せず)のコイルM1には通電されず、従って、ジャッキ装置8は動作せず、回転子1のジャッキアップは行われない。
【0030】
逆に、回転子1が所定の回転子上限位置になければ(ジャッキアップ検出ステップST2の出力が「NO」であれば)、第3のリミットスイッチALS1はONであるので、ジャッキ装置用リレ−R1の出力接点SR11がONになることにより、ジャッキ装置8の油圧ポンプモ−タ(図示せず)のコイルM1が通電されて、ジャッキ装置8は回転子1のジャッキアップ動作を開始し(回転子ジャッキアップステップST3)、回転子1が上昇し始める。
【0031】
回転子1が上昇動作し、スラストカラ−104がスラスト軸受4から離れ、回転子1の所定の上限位置に達すると、第1のリミットスイッチLS1(ジャッキアップ検出手段)がONになり(ジャッキアップ検出ステップST2)、このときジャッキ装置用リレ−R1の出力接点SR12がONであるので、油圧調節弁用リレ−RV(ジャッキダウン手段)が付勢されてその出力接点SRVがONになり、ジャッキ装置8の油圧調節弁Vが通電されてジャッキ装置8の油圧が低下し、回転子1のジャッキダウン動作が開始し(ジャッキダウンステップST4)、回転子1も降下し始める。尚、報知器Lは、第1のリミットスイッチLS1及びジャッキ装置用リレ−R1の出力接点SR12が、双方共ONの場合に動作する。
【0032】
回転子1の降下開始後、スラストカラ−104がスラスト軸受4に接触する前の所定の途中位置で、第2のリミットスイッチLS2(ジャッキダウン検出手段)がON(ジャッキダウン検出ステップST5)になり、タ−ニング用駆動機用リレ−R2(タ−ニング開始手段)が付勢されてその出力接点SR2がONになり、タ−ニング用駆動機12のコイルM2が通電されてタ−ニング用駆動機12が回転し始め、このタ−ニング用駆動機12の回転に伴って、第2の歯車11及び第1の歯車10を介して、回転子1のタ−ニング動作が始まり(タ−ニング開始ステップST6)、スラストカラ−104もスラスト軸受4に接触して支持され、回転子1のジャッキダウンは終了し、タ−ニングは1〜10r.p.m.程度の低速度の一定速度で継続される。
【0033】
タ−ニング中に前述の各種測定が行なわれ、振れ調整及び水平調整が行われ、必要に応じ数10回のタ−ニングが行われる。タ−ニングの停止は、タ−ニング停止指令スイッチSS(タ−ニング停止手段)をOFFにして、タ−ニング用駆動機12のコイルM2の通電を断つことにより行われる。タ−ニング停止指令スイッチSS(タ−ニング停止手段)のOFFにより、タ−ニング開始指令スイッチIS(タ−ニング開始手段)も連動してOFFになる。なお、タ−ニング停止指令スイッチSS(タ−ニング停止手段)は、タ−ニング開始指令スイッチIS(タ−ニング開始手段)のONに連動してONになる。
【0034】
数回から数10回のタ−ニングを行い前述の各種測定が終了し、振れ調整及び水平調整も終了すると、出力軸に第2の歯車11が取り付けられたタ−ニング用駆動機12を、取付板701から取り外し、取付板701の上部空間から、下部ブラケット7の脚部700間の空間に搬入し、更に、据付基礎13の運搬孔134を通って水車発電機室132へと、電源ケ−ブル14と共に搬出する。
【0035】
前述のタ−ニング操作、動作の説明から明らかなように、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える。また、第1及び第2の歯車10,11の噛み合わせ位置を、ブレ−キリング9の周面に位置させたので、回転子1のジャッキアップ作業に伴うブレ−キリング9の軸方向への動きを拘束したりする支障は来たさない。
【0036】
なお、第1の歯車10はブレ−キリング9の外周面に形成し、第2の歯車11をブレ−キリング9の外周面側に配設してもよい。又、タ−ニング用駆動機12は、下部ブラケット7の取付板701上の位置に設置せずに下部ブラケット7の外側に設置し、取付板701上の第2の歯車11とベルト等の伝達要素で連結してもよい。更に図4において、スイッチ類は半導体スイッチとし、リレ−機能や報知機能はマイクロプロセッサ等によりソフト的に行わせるようにしてもよい。
【0037】
参考例1.
以下に、参考例1を図6及び図7に基づいて説明する。図6は据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図、図7は参考例1の要部を拡大して示す平面図である。
【0038】
参考例1は、前述の実施の形態1における第1及び第2の歯車10,11に代え、ベルトを減速装置及びトルク伝達機構として使用したもので、図6及び図7において、17は一方のタ−ニング用駆動機12の出力軸に取り付けられた第1の案内輪で、所定の減速比となるように回転子1の回転軸100より可成り小径にしてある。18は他方のタ−ニング用駆動機12の出力軸に取り付けられた第2の案内輪で、前記第1の案内輪17と同径である。そして、前記第1及び第2の案内輪17,18は、前記回転軸100に対して対称の位置に配置されている。19はベルトで、前記第1の案内輪17と前記回転軸100と前記第2の案内輪18に跨って張られ、適度な予張力が与えられている。
【0039】
タ−ニング用駆動機12が駆動されると、第1及び第2の案内輪17,18が回転し、ベルト19が回転する。このとき、ベルト19には予張力が作用しているため、ベルト19と回転軸100との間には前記予張力の分力として半径方向の押し付け力および摩擦力が作用する。この摩擦力を介して、前記ベルト19の回転力が回転子1に伝達され、回転子1のタ−ニングが行われる。なお、上記以外の構成及び機能は、前述の実施の形態1と同じであるので、説明は省略する。
【0040】
このように、ベルト19と回転軸100との摩擦力を利用してトルクの伝達ができるため、回転子側のブレ−キリング等に歯車を形成する特別な機械加工の必要が無く、安価に製作することが可能である。また、第1及び第2の案内輪17,18、ベルト19等は、水車発電機据付作業完了後に撤去することにより、他の水車発電プラントでも使用することが可能である。
【0041】
参考例2.
以下に、参考例2を図8〜図10に基づいて説明する。図8は据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図、図9は参考例2の要部を拡大して示す平面図、図10は図9におけるB部を拡大して示す平面図である。
【0042】
図8〜図10において、20は取付板701の上面に取り付けられた巻線支持筒体で、その外周面はブレ−キリング9の内周面と同心状に形成されている。21は前記巻線支持筒体20の外周面に取り付けられた界磁巻線からなる固定子巻線、22はブレ−キリング9の内周面に円周状に所定間隔に取り付けられたアルミ等の導体板からなる回転子巻線で、前記固定子巻線21と周方向全体に亘って適正な空隙を介して対向しており、前記固定子巻線21とでモ−タを構成している。
【0043】
固定子巻線21に交流電流を印加すると交流磁界が発生し、回転子巻線22には誘導起電力による電流が流れ、回転トルクが発生し、この回転トルクによりブレ−キリング9を介して水車発電機の回転子1のタ−ニングが行われる。タ−ニング速度については、例えば交流−交流電力変換器(図示せず)により固定子巻線21に流れる交流電流の周波数を下げて、減速した状態で回転トルクを発生させ、所定速度に維持する。この場合、交流−交流電力変換器が減速装置の機能を担う。尚、上記以外の構成及び機能は、前述の実施の形態1と同じであるので、説明は省略する。
【0044】
参考例2では、前述のように磁界の作用により回転トルクを与えるため、摩擦による損失が少ない構成となる。また、水車発電機の回転子1を半径方向に拘束する力が無く、軸固有の振れ及び水平度を計測することが可能となり、計測精度が向上する。
【0045】
参考例3.
以下に、参考例3を図11〜図13に基づいて説明する。図11は据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図、図12は参考例3の要部を拡大して示す縦断側面図、図13は参考例3の要部を拡大して示す平面図である。
【0046】
図11〜図13において、23はブレ−キリング9の外周面に巻回した鋼製のワイヤロ−プ、24はタ−ニング用駆動機12の出力軸に取り付けられた巻取機である。前記ブレ−キリング9には前記ワイヤロ−プ23を予め数周巻きつけておき、前記ワイヤロ−プ23の一端は前記ブレ−キリング9に、他端を前記巻取機24に、夫々結び付けておく。
【0047】
タ−ニング用駆動機12を駆動することにより、巻取機24が回転すると、巻取機24にワイヤロ−プ23が巻き取られていき、ワイヤロ−プ23及びブレ−キリング9を介して水車発電機の回転子1のタ−ニングが行われる。尚、上記以外の構成及び機能は、前述の実施の形態1と同じであるので、説明は省略する。
【0048】
参考例3においては、前述のように、ワイヤロ−プ23をブレ−キリング9の外周面に巻回する構成であるので、回転子1のほぼ最外周部に周方向の荷重を印加することができるため、小さな荷重で大きなトルクを発生させることができる。従って、タ−ニング用駆動機12の容量を小さくすることが可能であり、また、ワイヤロ−プ23及び巻取機24並びにタ−ニング用駆動機12は、水車発電機据付作業完了後に撤去することにより、他の水車発電機プラントでも使用可能となる。
【0049】
参考例4.
以下に、参考例4を図14及び図15に基づいて説明する。図14は据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図、図15は参考例4の要部を拡大して示す平面図である。
【0050】
参考例4は、前述の参考例3において下部ブラケット7内に設置されていたタ−ニング用駆動機12及び巻取機24を、水車発電機の外部における水車発電機室132内の床面133に設置したものである。25は張力調整ロ−ラで、巻取機24とブレ−キリング9との距離があるため、巻取機24とブレ−キリング9との中間の位置でワイヤロ−プ23を押圧してワイヤロ−プ23に所定の張力を発生させるものである。26は水車発電機のフレ−ムに形成されたワイヤロ−プ貫通孔で、ワイヤロ−プ23が接触しない大きさにしてある。
【0051】
参考例4は、前述のようにタ−ニング用駆動機12及び巻取機24を、水車発電機の外部に設置する構成であるので、タ−ニング用駆動機12及び巻取機24の水車発電機内への搬入、水車発電機内の狭い空間での設置作業が不要となり、タ−ニング用駆動機12及び巻取機24の設置作業を短時間に容易に行える。尚、上記以外の構成及び機能は、前述の実施の形態1及び参考例3と同じであるので、説明は省略する。
【0052】
実施の形態2.
以下に、この発明の実施形態2を説明する。回転子1側のスラストカラ−104とスラスト軸受4のスラスト軸受メタルとが固体潤滑状態の場合、金属と金属との接触となることから、静止摩擦係数は0.3〜0.4と非常に大きくなり、前記固体潤滑状態下でタ−ニングを開始すれば反抗トルクも非常に大きなものとなる。
【0053】
これに対し、実施の形態2における動作シ−ケンスでは、図5に示すように、タ−ニング開始指令後、タ−ニング開始前に一旦回転子1をジャッキアップし、或いはジャッキアップ状態を維持し、回転子1側のスラストカラ−104とスラスト軸受4との間に潤滑油が供給される状態にする。この後、ジャッキ装置8を開放して回転子1を下降させても、スラスト軸受のスクイ−ズ効果により、回転子1側のスラストカラ−104とスラスト軸受4とは直ぐには固体潤滑状態には戻らず、1秒程度の時間は、該スラストカラ−104と該スラスト軸受4との間に潤滑油が残った所謂境界潤滑状態又は流体潤滑状態となることが期待できる。
【0054】
境界潤滑状態又は流体潤滑状態の場合の前記摩擦係数は0.001から0.01と静止摩擦係数の数10分の1に低下することから、境界潤滑状態又は流体潤滑状態にある間に回転子1のタ−ニング動作が開始すれば、タ−ニング動作開始
時に回転子1に作用する反抗トルクを大幅に軽減できる。具体的には、図4及び図5における動作シ−ケンスを、前述のように境界潤滑状態又は流体潤滑状態にある間に回転子1のタ−ニング動作が開始するようにすれば、タ−ニング動作開始時に回転子1に作用する反抗トルクを大幅に軽減できるため、タ−ニング用駆動機12の容量を低減できる。
【0055】
転子に減速装置を介してタ−ニング駆動機を連結し、前記タ−ニング駆動機を動作させることにより前記減速装置を介して前記回転子をタ−ニングさせるようにすれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える。
【0056】
回転子の側に第1の歯車を設けると共に、固定側に前記第1の歯車を駆動する第2の歯車を設け、前記第2の歯車を駆動することにより前記第1の歯車を介して前記回転子のタ−ニングを行なうようにすれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行え、しかも、所定の減速が的確に行われる。
【0057】
段落[0056]に記載の水車発電機のタ−ニング方法において、前記第1の歯車が前記回転子のブレ−キリングに周方向に延在して設けられ、前記第2の歯車が前記水車発電機のブラケットに取り付けられたタ−ニング駆動機の出力軸に取り付けられておれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、所定の減速が的確に行われる利点があり、更に、回転子のジャッキアップ作業に伴うブレ−キリングの軸方向への動きを拘束したりする支障を来たさないという利点もある。
【0058】
転子の側に設けられた第1の歯車、固定側に設けられ前記第1の歯車を駆動する第2の歯車、及び前記回転子のタ−ニング時に起動され前記第2の歯車を駆動するタ−ニング駆動機を備え、前記タ−ニング駆動機により駆動される前記第2の歯車の回転により前記第1の歯車を介して前記回転子のタ−ニングを行なうようにすれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、所定の減速が的確に行われる利点がある。
【0059】
段落[0058]に記載の水車発電機のタ−ニング装置において、前記第1の歯車が前記回転子のブレ−キリングに周方向に延在して設けられていると共に、前記タ−ニング駆動機が前記水車発電機のブラケットに取り付けられ、前記第2の歯車が前記タ−ニング駆動機の出力軸に取り付けられておれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、所定の減速が的確に行われ、更に、回転子のジャッキアップ作業に伴うブレ−キリングの軸方向への動きを拘束したりする支障を来たさないという利点もある。
【0060】
定側に案内輪を設けると共に、この案内輪と回転子の軸とに跨ってベルトを掛け、前記案内輪を駆動することにより前記ベルトを介して前記回転子のタ-ニングを行なうようにすれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、回転子側のブレ−キリング等に歯車を形成する特別な機械加工の必要が無く、安価に製作することが可能であり、また、第1及び第2の案内輪ベルト等は、水車発電機据付、オ−バホ−ル、点検、等の作業完了後に撤去することにより、他の水車発電機プラントでも使用することが可能であるという利点もある。
【0061】
車発電機のブラケットに取り付けられ前記水車発電機の回転子のタ−ニング時に起動されるタ−ニング駆動機、このタ−ニング駆動機の出力軸により駆動される案内輪、及びこの案内輪と前記回転子の軸とに跨って掛けられたベルトを備え、前記案内輪を駆動することにより前記ベルトを介して前記回転子のタ−ニングを行なうようにすれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、回転子側のブレ−キリング等に歯車を形成する特別な機械加工の必要が無く、安価に製作することが可能であり、また、第1及び第2の案内輪ベルト等は、水車発電機据付、オ−バホ−ル、点検、等の作業完了後に撤去することにより、他の水車発電機プラントでも使用することが可能であるという利点もある。
【0062】
転子の側に回転子巻線が取り付けれ固定側に固定子巻線が取り付けられた電動機を設け、前記電動機の起動により前記水車発電機の回転子のタ−ニングを行なうようにすれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、摩擦による損失が少ないという利点があり、また、水車発電機の回転子を半径方向に拘束する力が無く、軸固有の振れ及び水平度を計測することが可能となり、計測精度が向上するという利点もある。
【0063】
車発電機の回転子の側に取り付けられた回転子巻線、及び固定側に取り付けられ前記回転子巻線とで電動機を構成する固定子巻線を備え、前記電動機の起動により前記回転子巻線を介して前記水車発電機の回転子のタ−ニングを行なうようにすれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、摩擦による損失が少ないという効果があり、また、水車発電機の回転子を半径方向に拘束する力が無く、軸固有の振れ及び水平度を計測することが可能となり、計測精度が向上するという利点もある。
【0064】
転子のブレ−キリングにロ−プを巻回すると共に、固定側に前記ロ−プを巻取る巻取機を設け、前記巻取機を駆動することにより前記水車発電機の回転子のタ−ニングを行なうようにすれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、小さな荷重で大きなトルクを発生させることができ、タ−ニング用駆動機の容量を小さくすることが可能であるという利点もある。
【0065】
段落[0064]に記載の水車発電機のタ−ニング方法において、前記巻取機及び前記巻取機を駆動するタ−ニング駆動機の少なくとも一方が前記水車発電機のフレ−ム外に設置されておれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、小さな荷重で大きなトルクを発生させることができ、タ−ニング用駆動機の容量を小さくすることが可能であるという利点があり、更に、タ−ニング用駆動機及び巻取機の水車発電機内への搬入、水車発電機内の狭い空間での設置作業が不要となり、タ−ニング用駆動機及び巻取機の設置作業を短時間に容易に行えるという利点もある。
【0066】
車発電機の回転子のブレ−キリングに巻回されたロ−プ、固定側に設けられ前記ロ−プを巻取る巻取機、及び固定側に設けられ前記を巻取機駆動するタ−ニング駆動機を備え、前記タ−ニング駆動機の起動により前記巻取機を介して前記水車発電機の回転子のタ−ニングを行なうようにすれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、小さな荷重で大きなトルクを発生させることができ、タ−ニング用駆動機の容量を小さくすることが可能であるという利点もある。
【0067】
段落[0066]に記載の水車発電機のタ−ニング装置において、前記巻取機及び前記巻取機を駆動するタ−ニング駆動機の少なくとも一方が前記水車発電機のフレ−ム外に設置されておれば、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える利点に加え、小さな荷重で大きなトルクを発生させることができ、タ−ニング用駆動機の容量を小さくすることが可能であるという利点があり、更に、タ−ニング用駆動機及び巻取機の水車発電機内への搬入、水車発電機内の狭い空間での設置作業が不要となり、タ−ニング用駆動機及び巻取機の設置作業を短時間に容易に行えるという利点もある。
【0068】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明に係る水車発電機のタ−ニング方法は、水車発電機の回転子が所定位置にジャッキアップされていることを検出するジャッキアップ検出ステップ、前記回転子が所定位置にジャッキアップされていない場合に前記回転子をジャッキアップするジャッキアップステップ、前記回転子のジャッキアップの検出により前記回転子をジャッキダウンするジャッキダウンステップ、前記回転子のジャッキダウンが開始されたことを検出するジャッキダウン検出ステップ、前記回転子のジャッキダウン開始の検出により前記回転子のタ−ニングを開始するタ−ニング開始ステップ、及びタ−ニング開始後に前記タ−ニングを停止させるタ−ニング停止ステップを備えているので、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える効果に加え、タ−ニング用駆動機の容量を低減できる効果もある
【0069】
請求項2に記載の発明に係る水車発電機のタ−ニング装置は、水車発電機の回転子が所定位置にジャッキアップされていることを検出するジャッキアップ検出手段、前記回転子のジャッキアップの検出により前記回転子をジャッキダウンさせるジャッキダウン手段、前記回転子のジャッキダウンが開始されたことを検出するジャッキダウン開始検出手段、前記回転子のジャッキダウン開始の検出により前記回転子のタ−ニングを開始させるタ−ニング開始手段、及び前記タ−ニングを停止させるタ−ニング停止手段を備えているので、従来における多くのタ−ニング作業員を削減でき人件費の削減を図れる上、タ−ニング作業を安全に行え、しかも、何回タ−ニングを行っても、常に安定した所定の定速でタ−ニングを行える効果に加え、タ−ニング用駆動機の容量を低減できる効果もある
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1における据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図。
【図2】 この発明の実施の形態1の要部を拡大して示す平面図。
【図3】 図2におけるA部を拡大して示す平面図。
【図4】 この発明の実施の形態におけるタ−ニングを行なわせる電気回路図。
【図5】 この発明の実施の形態におけるタ−ニングの動作フロ−図。
【図6】 参考例1における据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図。
【図7】 参考例1の要部を拡大してしめす平面図。
【図8】 参考例2における据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図。
【図9】 参考例2の要部を拡大してしめす平面図。
【図10】 図9におけるB部を拡大して示す平面図。
【図11】 参考例3における据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図。
【図12】 参考例3の要部を拡大してしめす縦断側面図。
【図13】 参考例3の要部を拡大してしめす平面図。
【図14】 参考例4における据付基礎まで含めて立軸水車発電機全体を示す縦断側面図。
【図15】 参考例4の要部を拡大してしめす平面図。
【図16】 従来のタ−ニング方法を説明するための立軸水車発電機全体の縦断側面図。
【符号の説明】
1 回転子、 9 ブレ−キリング、
10,11 減速装置を構成する第1の歯車及び第2の歯車、
12 タ−ニング駆動機、 15 フレ−ム、
17,18 案内輪、 19 ベルト、
21 固定子巻線、 22 回転子巻線、
23 ロ−プ、 24 巻取機、
100 回転子軸、
IS タ−ニング開始指令スイッチ、
LS1 第1のリミットスイッチ(ジャッキアップ検出手段)、
RV 油圧調節弁用リレ−(ジャッキダウン手段)、
LS2 第2のリミットスイッチ(ジャッキダウン開始検出手段)、
R2 タ−ニング用駆動機用リレ−(タ−ニング開始手段)、
SS タ−ニング停止指令スイッチ(タ−ニング停止手段)

Claims (2)

  1. 水車発電機の回転子が所定位置にジャッキアップされていることを検出するジャッキアップ検出ステップ、前記回転子が所定位置にジャッキアップされていない場合に前記回転子をジャッキアップするジャッキアップステップ、前記回転子のジャッキアップの検出により前記回転子をジャッキダウンするジャッキダウンステップ、前記回転子のジャッキダウンが開始されたことを検出するジャッキダウン検出ステップ、前記回転子のジャッキダウン開始の検出により前記回転子のタ−ニングを開始するタ−ニング開始ステップ、及びタ−ニング開始後に前記タ−ニングを停止させるタ−ニング停止ステップを備えた水車発電機のタ−ニング方法。
  2. 水車発電機の回転子が所定位置にジャッキアップされていることを検出するジャッキアップ検出手段、前記回転子のジャッキアップの検出により前記回転子をジャッキダウンさせるジャッキダウン手段、前記回転子のジャッキダウンが開始されたことを検出するジャッキダウン開始検出手段、前記回転子のジャッキダウン開始の検出により前記回転子のタ−ニングを開始させるタ−ニング開始手段、及び前記タ−ニングを停止させるタ−ニング停止手段を備えた水車発電機のタ−ニング装置
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