JP3810225B2 - 巻き取りユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、テープ等の帯状体を間欠的に巻き取る巻き取りユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の巻き取りユニットは、間欠的に作動する処理工程から送り出される帯状体を、処理工程の作動ピッチに合わせて巻き取る際に用いられ、例えば、半導体チップ等の電子部品をテープのポケットに入れて搬送供給した後のカバーテープの巻き取りや、複写機やプリンタの定着部を清掃したクリーナシートの巻き取りに使用されている。
【0003】
図3および図4は、半導体チップを搬送供給した後のカバーテープ31の巻き取りに使用される巻き取りユニットを示す。この巻き取りユニットは、リール32の内径面に駆動用の一方向クラッチ33と制動用の一方向クラッチ34が嵌め込まれ、駆動用の一方向クラッチ33は、揺動レバー35を有する回転スリーブ36を介して段付きの軸37に装着され、制動用の一方向クラッチ34は、軸37に直接装着されている。なお、軸37はブラケット38にボルト39で固定され、回転スリーブ36はブラケット38で抜け止めされている。
【0004】
前記揺動レバー35は、半導体チップの供給ピッチに合わせて、図3中に矢印で示すように、所定の回転角だけ間欠的に揺動される。このとき、前記駆動用の一方向クラッチ33が、前記リール32と回転スリーブ36間をロックし、リール32が回転スリーブ36とともに所定の回転角だけ回転して、カバーテープ31を巻き取る。所定長さのカバーテープ31を巻き取ると、揺動レバー35はコイルばね40で元に戻され、このときは、前記制動用の一方向クラッチ34が、リール32と軸37間をロックし、揺動レバー35と回転スリーブ36のみが元の位置に戻る。
【0005】
前記各一方向クラッチ33、34は、それぞれ外輪41、42の内径面に周方向に傾斜した複数のカム面が設けられ、これらの各カム面と対向する位置にころ43、44が組み込まれ、これらのころ43、44がそれぞれカム面でロックされる方向にばね45、46で押圧されるものである。これらの一方向クラッチ33、34は、リール32の内径面に設けられた肩47で軸方向に隔離され、互いに干渉しないようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の巻き取りユニットは、2つの一方向クラッチが干渉するのを防止するために、リールの内径面に肩を設け、この肩で2つの一方向クラッチを軸方向に隔離しているので、リールの軸方向厚み寸法がその分厚くなり、リール厚みコンパクト化の支障となる問題がある。
【0007】
そこで、この発明の課題は、リールの厚みをコンパクト化できる巻き取りユニットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、外輪の内径面に周方向に傾斜した複数のカム面が設けられ、これらの各カム面と対向する位置に転動体が組み込まれ、これらの転動体が前記カム面でロックされる方向にばねで押圧された、駆動用と制動用のそれぞれの一方向クラッチが、互いに軸方向に隔離してリールの内径面に嵌め込まれ、前記駆動用の一方向クラッチが、揺動レバーを有する回転スリーブを介して固定軸に装着され、前記制動用の一方向クラッチが前記固定軸に装着され、前記揺動レバーの揺動で前記リールを間欠的に回転させて、帯状体を巻き取る巻き取りユニットにおいて、前記駆動用と制動用の一方向クラッチを薄肉のリング状部材で軸方向に隔離した構成を採用したのである。
【0009】
すなわち、駆動用一方向クラッチと制動用一方向クラッチとを、薄肉のリング状部材で軸方向に隔離することにより、リールの厚みをコンパクト化できるようにしたのである。
【0010】
前記リールの内径面を軸方向に段差のないストレートな形状とし、前記駆動用と制動用一方向クラッチの外径寸法を同一寸法とし、これらの一方向クラッチの外輪の外径面に、軸方向に連なる凹部をそれぞれ設け、前記リールの内径面に、前記各一方向クラッチの凹部に係合し、軸方向に延びる凸部を設け、これらの凸部を、前記駆動用と制動用一方向クラッチとの各係合部で、周方向の異なる位置に形成することにより、前記各係合部の境界に形成される互い違いの凸部で、リールの軸方向移動を拘束し、一方向クラッチの外輪とリールとの嵌め合いが緩んでも、リールが軸方向にずれたり、抜け落ちたりするのを防止することができる。また、リール内径面の肩を不要とし、リールをシンプルな形状とすることもできる。
【0011】
【実施の形態】
以下、図1および図2に基づき、この発明の実施形態を説明する。この巻き取りユニットは、図3および図4に示した巻き取りユニットと同様に、半導体チップを搬送供給した後のカバーテープを巻き取るために使用されるものであり、図1に示すように、樹脂製のリール1の内径面に、駆動用の一方向クラッチ2と制動用の一方向クラッチ3が、ワッシャ4で軸方向に隔離されて圧入され、駆動用の一方向クラッチ2は、揺動レバー5が一体に取り付けられた回転スリーブ6を介して、ブラケット7にボルト8で固定された軸9に装着され、制動用の一方向クラッチ3は、軸9に直接装着されている。回転スリーブ6の内径面と軸9の間には、グリース溜まり10が設けられ、回転スリーブ6がスムーズに回転できるようになっている。揺動レバー6の揺動とリール1の回転動作は、図3に示した巻き取りユニットと同じである。
【0012】
前記各一方向クラッチ2、3は、図2(a)、(b)にそれぞれ示すように、外輪11、12の内径面に周方向に傾斜した複数のカム面13、14が設けられ、これらの各カム面13、14と対向する位置にころ15、16が組み込まれ、これらの各ころ15、16が、それぞれカム面13、14でロックされる方向にばね17、18で押圧されている。
【0013】
前記各外輪11、12の外径面には、軸方向に連なる複数の凹部19、20が、周方向に一定のピッチで形成され、これらの各凹部19、20が、リール1の内径面に形成された凸部21、22に係合されて、回り止めされている。図2(a)と(b)を較べるとわかるように、リール1の内径面の各凸部21、22は、互いに位相をずらして設けられ、この凸部21、22の境界部の位相のずれで、リール1の軸方向移動が拘束されるようになっている。
【0014】
【発明の効果】
以上のように、この発明の巻き取りユニットは、リールの内径面に嵌め込まれる駆動用一方向クラッチと制動用の一方向クラッチを、薄肉のリング状部材で軸方向に隔離したので、リールの厚みをコンパクトにした設計にすることができる。また、リールの内径面を軸方向にストレートな形状とし、前記駆動用と制動用一方向クラッチの外径面に、軸方向に連なる凹部をそれぞれ設け、リールの内径面に、これらの凹部に係合する凸部を、周方向の互いに異なる位置に形成したので、リールの軸方向移動を拘束し、一方向クラッチの外輪とリールとの嵌め合いが緩んでも、リールが軸方向にずれたり、抜け落ちたりするのを防止することができる。また、リール内径面の肩を不要とし、リールをシンプルな形状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】巻き取りユニットの実施形態を示す縦断面図
【図2】(a)は図1のA−A線に沿った断面図、(b)は図1のB−B線に沿った断面図
【図3】従来の巻き取りユニットを示す正面図
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図
【符号の説明】
1 リール
2、3 一方向クラッチ
4 ワッシャ
5 揺動レバー
6 回転スリーブ
7 ブラケット
8 ボルト
9 軸
10 グリース溜まり
11、12 外輪
13、14 カム面
15、16 ころ
17、18 ばね
19、20 凹部
21、22 凸部
31 カバーテープ
32 リール
33、34 一方向クラッチ
35 揺動レバー
36 回転スリーブ
37 軸
38 ブラケット
39 ボルト
40 コイルばね
41、42 外輪
43、44 ころ
45、46 ばね
47 肩
Claims (1)
- 外輪の内径面に周方向に傾斜した複数のカム面が設けられ、これらの各カム面と対向する位置に転動体が組み込まれ、これらの転動体が前記カム面でロックされる方向にばねで押圧された、駆動用と制動用のそれぞれの一方向クラッチが、互いに軸方向に隔離してリールの内径面に嵌め込まれ、前記駆動用の一方向クラッチが、揺動レバーを有する回転スリーブを介して固定軸に装着され、前記制動用の一方向クラッチが前記固定軸に装着され、前記揺動レバーの揺動で前記リールを間欠的に回転させて、帯状体を巻き取る巻き取りユニットにおいて、前記駆動用と制動用の一方向クラッチを薄肉のリング状部材で軸方向に隔離し、前記リールの内径面を軸方向に段差のないストレートな形状とし、前記駆動用と制動用一方向クラッチの外径寸法を同一寸法とし、これらの一方向クラッチの外輪の外径面に、軸方向に連なる凹部をそれぞれ設け、前記リールの内径面に、前記各一方向クラッチの凹部に係合し、軸方向に延びる凸部を設け、これらの凸部を、前記駆動用と制動用一方向クラッチとの各係合部で、周方向の異なる位置に形成したことを特徴とする巻き取りユニット。
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Family Applications (1)
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1998
- 1998-11-25 JP JP33434198A patent/JP3810225B2/ja not_active Expired - Fee Related
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