JP3809281B2 - 帯電部材、帯電方法、帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents
帯電部材、帯電方法、帯電装置、画像形成装置及びプロセスカートリッジ Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、接触帯電における帯電部材、接触帯電方法及び装置、接触帯電を用いた複写機やプリンタ等の画像形成装置及びプロセスカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、電子写真方式や静電記録方式等の画像形成装置において、電子写真感光体・静電記録誘電体等の像担持体を所要の極性・電位に一様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置としてはコロナ帯電器(コロナ放電器)が使用されていた。
【0003】
コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であり、例えば、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲むシールド電極を備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極に高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシャワー)に像担持体面をさらすことで像担持体面を所定に帯電させるものである。
【0004】
近時は、像担持体等の被帯電体の帯電装置として、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等の利点があることから接触帯電装置が多く提案され、また実用化されている。
【0005】
接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材を接触させ、この帯電部材(接触帯電部材・接触帯電器、以下、接触帯電部材と記す)に所定の帯電バイアスを印加して被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0006】
接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、帯電原理)には、▲1▼.放電帯電機構と▲2▼.注入帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現れる。
【0007】
▲1▼.放電帯電機構
接触帯電部材と被帯電体との微小間隙に生じる放電現象により、被帯電体表面が帯電する系である。
【0008】
放電帯電機構は接触帯電部材と被帯電体に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。また、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれども放電生成物を生じることが原理的に避けられないため、オゾンなど活性イオンによる弊害は避けられない。
【0009】
▲2▼.注入帯電機構
接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されることで被帯電体表面が帯電する系である。直接帯電、あるいは注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称される。
【0010】
より詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接触して、放電現象を介さずに、つまり放電を基本的に用いないで被帯電体表面に直接電荷注入を行うものである。よって、接触帯電部材への印加電圧が放電閾値以下の印加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電することができる。この注入帯電機構はイオンの発生を伴わないため放電生成物による弊害は生じない。
【0011】
しかし、注入帯電であるため、接触帯電部材の被帯電体への接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこで接触帯電部材はより密に構成し、また被帯電体との速度差を多く持ち、より高い頻度で被帯電体に接触する構成をとる必要がある。
【0012】
A)ローラ帯電
接触帯電装置は、接触帯電部材として導電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電の安定性という点で好ましく、広く用いられている。
【0013】
このローラ帯電はその帯電機構は前記▲1▼の放電帯電機構が支配的である。
【0014】
帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム材あるいは発泡体を用いて作成される。さらにこれらを積層して所望の特性を得たものもある。
【0015】
帯電ローラは被帯電体(以下、感光体と記す)との一定の接触状態を得るために弾性を持たせているが、そのため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、感光体に従動あるいは若干の速度差をもって駆動される。従って、注入帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低下や接触性の不足やローラ上のムラや感光体の付着物による帯電ムラは避けられないため、従来のローラ帯電ではその帯電機構は放電帯電機構が支配的である。
【0016】
図7は接触帯電における帯電効率例を表わしたグラフである。横軸に接触帯電部材に印加したバイアス、縦軸にはその時得られた感光体帯電電位(ドラム電位)を表わすものである。
【0017】
従来のローラ帯電の場合の帯電特性はAで表わされる。即ち凡そ−500Vの放電閾値を過ぎてから帯電が始まる。従って、−500Vに帯電する場合は−1000Vの直流電圧を印加するか、あるいは、−500V直流の帯電電圧に加えて、放電閾値以上の電位差を常に持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を印加して感光体電位を帯電電位に収束させる方法が一般的である。
【0018】
より具体的に説明すると、厚さ25μmのOPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。この閾値電圧を帯電開始電圧Vthと定義する。
【0019】
つまり、電子写真に必要とされる感光体表面電位Vdを得るためには帯電ローラにはVd+Vthという必要とされる以上のDC電圧が必要となる。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印加して帯電を行なう方法を「DC帯電方式」と称する。
【0020】
しかし、DC帯電においては環境変動等によって接触帯電部材の抵抗値が変動するため、また、感光体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しかった。
【0021】
このため、更なる帯電の均一化を図るために特開昭63−149669号公報に開示されるように、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これは、ACによる電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響されることはない。
【0022】
ところが、このような接触帯電装置においても、その本質的な帯電機構は、放電帯電機構によるものが主であり、接触帯電部材から感光体への放電現象を用いているため、先に述べたように接触帯電部材に印加する電圧は感光体表面電位以上の値が必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0023】
また、帯電均一化のためにAC帯電を行なった場合にはさらなるオゾンの発生、AC電圧の電界による接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発生、また、放電による感光体表面の劣化等が顕著になり、新たな問題点となっていた。
【0024】
B)ファーブラシ帯電
ファーブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性繊維のブラシ部を有する部材(ファーブラシ帯電器)を用い、その導電性繊維ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0025】
このファーブラシ帯電もその帯電機構は前記▲1▼の放電帯電機構が支配的である。
【0026】
ファーブラシ帯電器は固定タイプとロールタイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折り込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて形成する。繊維密度としては100本/mm2 程度のものが比較的容易に得られるが、注入帯電機構により十分均一な帯電を行うにはそれでも接触性は不十分であり、注入帯電機構により十分均一な帯電を行うには感光体に対し機械構成としては困難なほどに速度差を持たせる必要があり、現実的ではない。
【0027】
このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の帯電特性は図7のBに示される特性をとる。従って、ファーブラシ帯電の場合も、固定タイプ、ロールタイプどちらも多くは、高い帯電バイアスを印加し放電帯電機構を用いて帯電を行っている。
【0028】
C)磁気ブラシ帯電
磁気ブラシ帯電は、接触帯電部材として導電性磁性粒子をマグネット・ロール等で磁気拘束してブラシ状に形成した磁気ブラシ部を有する部材(磁気ブラシ帯電器)を用い、その磁気ブラシ部を被帯電体としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0029】
この磁気ブラシ帯電の場合はその帯電機構は前記▲2▼の注入帯電機構が支配的である。
【0030】
磁気ブラシ部を構成させる導電性磁性粒子として粒径5〜50μmのものを用い、感光体と十分速度差を設けることで、均一に注入帯電を可能にする。
【0031】
図7の帯電特性グラフのCにあるように、印加バイアスとほぼ比例した帯電電位を得ることが可能になる。
【0032】
しかしながら、機器構成が複雑であること、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒子が脱落して感光体に付着する等他の弊害もある。
【0033】
特開平6−3921号公報等には感光体表面にあるトラップ準位または電荷注入層の導電粒子等の電荷保持部材に電荷を注入して接触注入帯電を行なう方法が提案されている。放電現象を用いないため、帯電に必要とされる電圧は所望する感光体表面電位分のみであり、オゾンの発生もない。さらに、AC電圧を印加しないので、帯電音の発生もなく、ローラ帯電方式と比べると、オゾンレス、低電力の優れた帯電方式である。
【0034】
D)クリーナレス(トナーリサイクルシステム)
転写方式の画像形成装置においては、転写後の感光体(像担持体)に残存する転写残現像剤(トナー)はクリーナ(クリーニング装置)によって感光体面から除去されて廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面からも出ないことが望ましい。そこでクリーナをなくし、転写後の感光体上の転写残現像剤は現像装置によって「現像同時クリーニング」で感光体上から除去し現像装置に回収・再用する装置構成にしたクリーナレスの画像形成装置も出現している。
【0035】
現像同時クリーニングとは、転写後に感光体上に残留した現像剤を次工程以降の現像時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成し、該潜像の現像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によって回収する方法である。この方法によれば、転写残現像剤は現像装置に回収されて次工程以後に再用されるため、廃トナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少なくすることができる。またクリーナレスであることでスペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるようになる。
【0036】
クリーナレスは上記のように転写残トナーを専用のクリーナによって感光体面から除去するのではなく、帯電手段部を経由させて現像装置に至らせて再度現像プロセスにて利用するものであるため、感光体の帯電手段として接触帯電を用いた場合においては感光体と接触帯電部材との接触部に絶縁性である現像剤が介在した状態で如何にして感光体を帯電するかが課題になっている。上記したローラ帯電やファーブラシ帯電においては、感光体上の転写残トナーを拡散し非パターン化するとともに、大きなバアイスを印加し放電による帯電を用いることが多い。磁気ブラシ帯電においては接触帯電部材として粉体を用いるため、その粉体である導電性磁性粒子の磁気ブラシ部が感光体に柔軟に接触し感光体を帯電できる利点があるが、機器構成が複雑であること、磁気ブラシ部を構成している導電性磁性粒子の脱落による弊害が大きい。
【0037】
E)接触帯電部材に対する粉末塗布
接触帯電装置について、帯電ムラを防止し安定した均一帯電を行なうために、接触帯電部材に被帯電体面との接触面に粉末を塗布する構成が特公平7−99442号公報に開示されているが、接触帯電部材(帯電ローラ)が被帯電体(感光体)に従動回転(速度差駆動なし)であり、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原理は前述のローラ帯電の場合と同様に依然として放電帯電機構を主としている。特に、より安定した帯電均一性を得るためにはDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加するために、放電によるオゾン生成物の発生はより多くなってしまう。よって、長期に装置を使用した場合や、クリーナレスの画像形成装置を長期に使用した場合において、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現れやすい。
【0038】
また、特開平5−150539号公報には、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画像形成を繰り返すうちにトナー粒子やシリカ微粒子が帯電手段の表面に付着することによる帯電阻害を防止するために、現像剤中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子より小さい平均粒径を有する導電性粒子を含有することが開示されている。しかし、この接触帯電は放電帯電機構によるもので、直接注入帯電機構ではなく、放電帯電による前述の問題がある。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の技術の項に記載したように、従来、接触帯電において、接触帯電部材として帯電ローラやファーブラシを用いた簡易な構成では注入帯電機構を行なうには該接触帯電部材の表面が粗くて被帯電体としての像担持体との密な接触が確保されず、注入帯電は困難であった。
【0040】
そのため接触帯電においては、接触帯電部材として簡易な部材を用いた場合でも、より帯電均一性に優れ且つ長期に渡り安定した注入帯電を実現する、即ち、低印加電圧でオゾンレスの注入帯電を簡易な構成で実現することが期待されている。
【0041】
また、像担持体の帯電手段として接触帯電装置を採用した接触帯電方式で転写方式の画像形成装置においては、接触帯電部材が現像剤で汚染されることも直接帯電の阻害因子である。
【0042】
即ち、転写後の像担持体面に残存の転写残現像剤を除去する専用のクリーナを具備させた画像形成装置の場合でも、転写後の像担持体面に残存の転写残現像剤がクリーナで100%除去されるものではなく、転写残現像剤の一部はクリーナをすり抜けて接触帯電部材と像担持体の接触部である帯電部に持ち運ばれて接触帯電部材に付着・混入することで接触帯電部材の現像剤汚染が生じる。従来現像剤は一般に絶縁体であるため接触帯電部材の現像剤汚染は帯電不良を生じさせる因子である。
【0043】
特に、クリーナレスの画像形成装置にあっては、転写後の像担持体面に残存の転写残現像剤を除去する専用のクリーナを用いないため、転写後の像担持体面に残存の転写残現像剤が像担持体と接触帯電部材の接触部である帯電部に像担持体面の移動でそのまま持ち運ばれて接触帯電部材がクリーナのある画像形成装置の場合よりも多量の現像剤で汚染されるために、転写残現像剤による帯電阻害の影響が大きい。
【0044】
帯電ローラ等の接触帯電部材と現像剤との付着力が大きく接触帯電部材に現像剤吐き出しバイアスなどを印加しても現像剤が接触帯電部材に強固に付着しており十分な帯電性を得ることはできなかった。
【0045】
帯電不良が生じると更に接触帯電部材への現像剤混入が増加し帯電不良を激化させる。
【0046】
つまり、ここでは、帯電ローラ等の簡易な接触帯電部材で注入帯電するには接触帯電部材の表面が粗いこと、更に接触帯電部材と現像剤との付着力が大きく接触帯電部材の現像剤汚染を改善できないこと、が問題となっている。
【0047】
そこで本発明は、接触帯電において、帯電部材として簡易な部材を用いた場合でも、より帯電均一性に優れ且つ長期に渡り安定した、低印加電圧でオゾンレスの注入帯電を実現することを目的とする。
【0048】
また、これにより、像担持体の帯電手段として接触帯電装置を採用した接触帯電方式の画像形成装置及びプロセスカートリッジ、あるいは接触帯電方式、転写方式、クリーナレスの画像形成装置及びプロセスカートリッジについて、接触帯電部材として簡易な部材を用いて、また接触帯電部材の現像剤汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの注入帯電とクリーナレスシステムを問題なく実行可能にし、高品位な画像形成を長期に渡り維持させること、画像比率の高い画像を出力した後でも高品位な画像形成を長期に渡り維持させること等を目的とする。
【0049】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする、帯電部材、帯電方法、帯電装置、及び画像形成装置である。
【0050】
(1)被帯電体の帯電を促進させるための帯電促進粒子を介して被帯電体とニップ部を形成し、被帯電体表面に対して帯電を行う弾性層を有する帯電部材であり、弾性層は被帯電体側とは反対側から被帯電体側に順に、第1の弾性層、導電基層、導電性の第2の弾性層の3層からなること、第1の弾性層は第2の弾性層より硬度が低いことを特徴とする帯電部材。
【0051】
(2)ローラであることを特徴とする(1)に記載の帯電部材。
【0052】
(3)第1の弾性層の内部を封止することにより形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の帯電部材。
【0053】
(4)第1の弾性層の内部が気体、あるいは液体で満たされていることを特徴とする(1)ないし(3)の何れかに記載の帯電部材。
【0054】
(5)第1および第2の弾性層は多孔状部材であることを特徴とする(1)ないし(4)の何れかに記載の帯電部材。
【0055】
(6)多孔状部材が弾性発泡体で構成されていることを特徴とする(5)に記載の帯電部材。
【0056】
(7)電圧が印加されることを特徴とする(1)ないし(6)の何れかに記載の帯電部材。
【0057】
(8)帯電促進粒子の抵抗値が1×1012(Ω・cm)以下であることを特徴とする(1)ないし(7)の何れかに記載の帯電部材。
【0059】
(9)被帯電体と速度差を持って移動されることを特徴とする(1)ないし(8)の何れかに記載の帯電部材。
【0060】
(10)ニップ部において被帯電体の移動方向とは逆方向に速度差を保ちつつ移動されることを特徴とする(1)ないし(8)の何れかに記載の帯電部材。
【0061】
(11)被帯電体の帯電を促進させるための帯電促進粒子を介して被帯電体とニップ部を形成させた帯電部材により被帯電体表面を帯電する帯電方法であり、
帯電部材は被帯電体表面に対して帯電を行う弾性層を有し、該弾性層は被帯電体側とは反対側から被帯電体側に順に、第1の弾性層、導電基層、導電性の第2の弾性層の3層からなること、第1の弾性層は第2の弾性層より硬度が低いことを特徴とする帯電方法。
【0062】
(12)帯電部材はローラであることを特徴とする(11)に記載の帯電方法。
【0063】
(13)帯電部材は第1の弾性層の内部を封止することにより形成されていることを特徴とする(11)または(12)に記載の帯電方法。
【0064】
(14)帯電部材の第1の弾性層の内部が気体、あるいは液体で満たされていることを特徴とする(11)ないし(13)の何れかに記載の帯電方法。
【0065】
(15)帯電部材の第1および第2の弾性層は多孔状部材であることを特徴とする(11)ないし(14)の何れかに記載の帯電方法。
【0066】
(16)多孔状部材が弾性発泡体で構成されていることを特徴とする(15)に記載の帯電方法。
【0067】
(17)帯電部材には電圧が印加されることを特徴とする(11)ないし(16)の何れかに記載の帯電方法。
【0068】
(18)帯電促進粒子の抵抗値が1×1012(Ω・cm)以下であることを特徴とする(11)ないし(17)の何れかに記載の帯電方法。
【0070】
(19)帯電部材は被帯電体と速度差を持って移動されることを特徴とする(11)ないし(18)の何れかに記載の帯電方法。
【0071】
(20)帯電部材はニップ部において被帯電体の移動方向とは逆方向に速度差を保ちつつ移動されることを特徴とする(11)ないし(19)の何れかに記載の帯電方法。
【0072】
(21)被帯電体の最表面層の体積抵抗値が109(Ω・cm)以上1014(Ω・cm)以下であることを特徴とする(11)ないし(20)の何れかに記載の帯電方法。
【0073】
(22)被帯電体の帯電を促進させるための帯電促進粒子を介して被帯電体とニップ部を形成させた帯電部材により被帯電体表面を帯電する帯電装置であり、
帯電部材は被帯電体表面に対して帯電を行う弾性層を有し、該弾性層は被帯電体側とは反対側から被帯電体側に順に、第1の弾性層、導電基層、導電性の第2の弾性層の3層からなること、第1の弾性層は第2の弾性層より硬度が低いことを特徴とする帯電装置。
【0074】
(23)帯電部材はローラであることを特徴とする(22)に記載の帯電装置。
【0075】
(24)帯電部材は第1の弾性層の内部を封止することにより形成されていることを特徴とする(22)または(23)に記載の帯電装置。
【0076】
(25)帯電部材の第1の弾性層の内部が気体、あるいは液体で満たされていることを特徴とする(22)ないし(24)の何れかに記載の帯電装置。
【0077】
(26)帯電部材の第1および第2の弾性層は多孔状部材であることを特徴とする(22)ないし(25)の何れかに記載の帯電装置。
【0078】
(27)多孔状部材が弾性発泡体で構成されていることを特徴とする(26)に記載の帯電装置。
【0079】
(28)帯電部材には電圧が印加されることを特徴とする(22)ないし(27)の何れかに記載の帯電装置。
【0080】
(29)帯電促進粒子の抵抗値が1×1012(Ω・cm)以下であることを特徴とする(22)ないし(28)の何れかに記載の帯電装置。
【0082】
(30)帯電部材は被帯電体と速度差を持って移動されることを特徴とする(22)ないし(29)の何れかに記載の帯電装置。
【0083】
(31)帯電部材はニップ部において被帯電体の移動方向とは逆方向に速度差を保ちつつ移動されることを特徴とする(22)ないし(30)の何れかに記載の帯電装置。
【0084】
(32)被帯電体の最表面層の体積抵抗値が109(Ω・cm)以上1014(Ω・cm)以下であることを特徴とする(22)ないし(31)の何れかに記載の帯電装置。
【0085】
(33)前記被帯電体上の静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、請求項22乃至32の何れかに記載の帯電装置を有する画像形成装置であって、
前記帯電促進粒子の粒径が前記現像剤の粒径の1/2以下であることを特徴とする画像形成装置。
(34)像担持体に該像担持体を帯電する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、像担持体を帯電する工程手段が(22)ないし(32)の何れかに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0086】
(35)像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する画像情報書き込み手段と、その静電潜像を現像剤によって可視化する現像手段を有し画像形成を実行する画像形成装置であり、前記像担持体を帯電する帯電手段が(22)ないし(32)の何れかに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0087】
(36)像担持体の帯電面に静電潜像を形成する画像情報書き込み手段が像露光手段であることを特徴とする(35)に記載の画像形成装置。
【0088】
(37)像担持体の最表面層の体積抵抗値が109(Ω・cm)以上1014(Ω・cm)以下であることを特徴とする(34)ないし(36)の何れかに記載の画像形成装置。
【0089】
(38)像担持体が、感光層、及び表面層を有し、該表面層が樹脂および導電微粒子を有することを特徴とする(34)ないし(37)の何れかに記載の画像形成装置。
【0090】
(39)導電微粒子がSnO2であることを特徴とする(38)に記載の画像形成装置。
【0091】
(40)像担持体に該像担持体を帯電する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジであり、
少なくとも像担持体と該像担持体を一様に帯電する工程手段を包含しており、該帯電工程手段が(22)ないし(32)の何れかに記載の帯電装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【0092】
(41)像担持体の最表面層の体積抵抗値が109(Ω・cm)以上1014(Ω・cm)以下であることを特徴とする(40)に記載のプロセスカートリッジ。
【0093】
(42)像担持体が、感光層、及び表面層を有し、該表面層が樹脂および導電微粒子を有することを特徴とする(40)または(41)に記載のプロセスカートリッジ。
【0094】
(43)導電微粒子がSnO2であることを特徴とする(42)に記載のプロセスカートリッジ。
【0095】
〈作 用〉
a)接触帯電部材として、スポンジローラのような多孔状部材に、接触帯電性を向上させるための導電性微粒子をコートしたものを用いる場合には、被帯電体と接触帯電部材間の接触を極めて密にすることが可能であり、良好な帯電性を得る事が可能となり、均一で安定な注入帯電を実現できる。
【0096】
導電性粒子は帯電補助を目的とした粒子(以下、帯電促進粒子と記す)であり、接触帯電において少なくとも接触帯電部材と被帯電体とのニップ部(帯電ニップ部)にこの帯電促進粒子を介在させることで均一で安定な注入帯電を実現している。
【0097】
帯電促進粒子は、抵抗値を1×1012(Ω・cm)以下に、さらに好ましくは、1×1010(Ω・cm)以下のものにすることで帯電性を損なわない。
【0098】
すなわち、被帯電体と接触帯電部材との帯電ニップ部に帯電促進粒子が存在した状態で被帯電体の接触帯電が行われる。帯電ニップ部に帯電促進粒子が存在することで、該粒子の滑剤効果により接触帯電部材に対して被帯電体を無理なく容易に接触移動状態にすることが可能となると共に、該接触帯電部材が該粒子を介して被帯電体面に密に接触してより高い頻度で被帯電体面に接触する構成となる。その結果、帯電ニップ部において、移動する被帯電体面は帯電促進粒子によりまんべんなく摺擦されることで接触帯電部材と被帯電体との緻密な接触性と接触抵抗が維持できるため、均一性に優れ、かつ帯電能の高い直接注入帯電を行うことができるようになり、上記接触帯電部材による被帯電体の接触帯電は直接注入帯電が支配的となる。
【0099】
また、帯電促進粒子の粒径は多孔状部材の孔径より小さいことで、表面が多孔状である接触帯電部材の該表面へ帯電促進粒子を良好に塗布することが可能である。また接触帯電部材単体時の帯電性能より良好な帯電性を得ることが可能である。
【0100】
b)しかしながら、例えば多孔体であるスポンジローラを接触帯電部材とし、その表面に帯電促進粒子をコートして用いた場合には以下のような問題が生じることがあった。
【0101】
即ち、直接注入帯電機構では、放電現象を介さずに、被帯電体表面に直接電荷注入を行うため、接触帯電部材と被帯電体間の接触領域が帯電領域と等しくなる。そのため、放電帯電機構を用いた帯電方法と異なり、接触帯電部材と被帯電体間の接触領域の広さが重要となる。帯電領域は広い方が帯電性は向上するため、接触帯電部材としてのスポンジローラと被帯電体の接触ニップ幅は広いことが望まれる。また、接触むらをなくすためには、スポンジローラと被帯電体の間で摺擦を行わせることにより、接触を均等に行う事が可能になるため、摺擦を行うことが望ましい。スポンジローラが硬いと、スポンジローラと被帯電体間の摩擦力が大きくなり、スポンジローラや被帯電体の機械的劣化が進みやすく、また同時に、スポンジローラと被帯電体の接触ニップ幅が広い場合には、摩擦力の増大により摺擦を行う事自体が困難になる。直接注入帯電機構を用いて帯電を行う際には、放電帯電機構を用いた場合と異なり、接触帯電部材と被帯電体の間の摺擦により、接触性を向上させる事が可能であり、帯電性を大きく向上することが可能なため、接触帯電部材としてのスポンジローラの硬度は低い方が良い。
【0102】
しかし、スポンジローラの硬度が低すぎた場合には、接触ニップ両端において接触性が低下し、帯電性を損なうおそれがあった。
【0103】
また、スポンジローラを高速に回転した場合などは、スポンジローラの変形速度が被帯電体の形状に追従せず、接触性が低下することがあった。
【0104】
また、表面に帯電促進粒子が保持されるためには、スポンジローラ表面はきめ細かい多孔状であることが望ましく、特に連続気泡のセルを持つスポンジローラや、網状骨格からなる表面を持つスポンジローラが帯電促進粒子保持能力が高い。表面のセル構造や網状骨格は細かい方が帯電安定性の面から好ましい。帯電領域を広くすることを目的として、セル径を大きくすることにより、スポンジの強度を低くした場合には、表面の帯電促進粒子の保持性が低下し、帯電性が低下してしまう事があった。
【0105】
また、接触帯電部材の体積抵抗値が低い際には、被帯電体上に欠陥が存在した場合、その周囲に帯電不良の領域が生じることがあるため、接触帯電部材の体積抵抗値はある程度高い方がよい。ただ、あまり体積抵抗値が高いと帯電不良が生じてしまうため、接触ニップにわたり均等な体積抵抗値を持つ事が望ましい。
【0106】
しかし、上述のような連続気泡のセルや、網状骨格からなるスポンジからなるスポンジローラを接触帯電部材に用い、被帯電体に強く押しつけることにより接触ニップ幅を大きくしている場合には、接触ニップ中央のようなスポンジが強く圧縮されている部分において、スポンジの体積抵抗値の低下が生じやすく、帯電むらが生じてしまうことがあった。また、圧縮部分において、スポンジの体積抵抗値の低下が生じ、その際の被帯電体上欠陥による帯電不良を防止するために、スポンジの体積抵抗値を高くした場合には、帯電接触領域の両端の抵抗値が必要以上に高くなるために、実質接触帯電可能領域が小さくなり帯電能力の低下が生じることがあった。
【0107】
このように、スポンジの硬度と接触ニツプ幅の確保、スポンジの硬度と体積抵抗値の変化、表面の帯電促進粒子の保持性などが両立しないという課題があった。
【0108】
この点について、本発明においては、被帯電体の帯電を促進させるための帯電促進粒子を介して被帯電体とニップ部を形成し、被帯電体表面に対して帯電を行う弾性層を有する帯電部材に関して、弾性層は被帯電体側とは反対側から被帯電体側に順に、第1の弾性層、導電基層、導電性の第2の弾性層の3層からなること、第1の弾性層は第2の弾性層より硬度が低いことを特徴とすることにより、接触帯電領域全体にわたり、接触帯電部材の抵抗値を均等にすることができ、帯電むらが生じない。また同時に、接触帯電領域を広くすることができ、良好な帯電性を得ることが可能となる。
【0109】
また、第1の弾性層の内部を封止することにより形成されていることを特徴とすることにより、帯電部材と被帯電体間の圧力・電気抵抗を一定に保ちながら接触帯電領域を拡大することが可能であり、良好な帯電性を得ることが可能となる。
【0110】
また、第1の弾性層の内部が気体、あるいは液体で満たされていることを特徴とすることにより、帯電部材と被帯電体間の圧力・電気抵抗を一定に保ちながら接触帯電領域を拡大することが可能であり、良好な帯電性を得ることが可能となる。
【0111】
c)接触帯電部材と被帯電体との間に十分な速度差を設けることにより、接触帯電部材と被帯電体のニップ部において帯電促進粒子が被帯電体に接触する機会を格段に増加させ、高い接触性を得ることができ、接触帯電部材と被帯電体のニップ部に存在する帯電促進粒子が被帯電体表面を隙間なく摺擦することで被帯電体に電荷を直接注入できるようになり、接触帯電部材による被帯電体の接触帯電は帯電促進粒子の介存により注入帯電機構が支配的となる。
【0112】
速度差を設ける構成としては、接触帯電部材を回転駆動して被帯電体と速度差を設けることになる。転写方式あるいは転写方式・クリーナレスの画像形成装置にあっては、好ましくは、帯電部に持ち運ばれる、クリーナをすり抜けた現像剤或はクリーナレスの場合の転写残現像剤を接触帯電部材に一時的に回収し均すために、接触帯電部材を回転駆動し、さらに、その回転方向は被帯電体(像担持体)表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成することが望ましい。即ち、逆方向回転で像担持体上の残存現像剤を一旦引離し帯電を行なうことにより優位に注入帯電を行なうことが可能である。
【0113】
接触帯電部材を被帯電体表面の移動方向と同じ方向に移動させて速度差をもたせることも可能であるが、注入帯電の帯電性は被帯電体の周速と接触帯電部材の周速の比に依存するため、逆方向と同じ周速比を得るには順方向では接触帯電部材の回転数が逆方向の時に比べて大きくなるので、接触帯電部材を逆方向に移動させる方が回転数の点で有利である。ここで記述した周速比は
周速比(%)=(帯電部材周速−被帯電体周速)/被帯電体周速×100
である(帯電部材周速はニップ部において帯電部材表面が被帯電体表面と同じ方向に移動するとき正の値である)。
【0114】
クリーナレスの画像形成装置にあっては、転写後の像担持体面に残存の転写残現像剤は被帯電体と接触帯電部材のニップ部である帯電部に被帯電体面の移動でそのまま持ち運ばれる。
【0115】
この場合、接触帯電部材を被帯電体に対して速度差をもって接触させることで、転写残現像剤のパターンが攪乱されて崩され、中間調画像において、前回の画像パターン部分がゴーストとなって現れることがなくなる。
【0116】
d)帯電部に持ち運ばれた、クリーナをすり抜けた現像剤或はクリーナレスの場合の転写残現像剤は接触帯電部材に付着・混入する。従来現像剤は絶縁体であるため接触帯電部材に対する転写残現像剤の付着・混入は被帯電体の帯電において帯電不良を生じさせる因子である。
【0117】
しかしこの場合でも、帯電促進粒子が被帯電体と接触帯電部材とのニップ部である帯電部に介在することにより、接触帯電部材の被帯電体への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、接触帯電部材の転写残現像剤による汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの注入帯電を長期に渡り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与えることが出来る。
【0118】
接触帯電部材に付着・混入した現像剤は接触帯電部材から徐々に被帯電体上に吐き出されて被帯電体面の移動とともに現像部位に至り、現像手段において現像同時クリーニング(回収)される(トナーリサイクル)。
【0119】
この場合、接触帯電部材に帯電促進粒子が担持されていることで、接触帯電部材とこれに付着・混入する転写残現像剤の付着力が低減化されて接触帯電部材から被帯電体上への現像剤の吐き出し効率が向上する。
【0120】
e)被帯電体の最表面層の体積抵抗が1×1014(Ω・cm)以下であること、さらに被帯電体が電子写真感光体であり、該電子写真感光体の最表面層の体積抵抗が1×109 (Ω・cm)以上1×1014(Ω・cm)以下であることにより、プロセススピードの速い装置においても、より安定した直接注入帯電性能が得られる。
【0121】
e)かくして、接触帯電において、接触帯電部材としてスポンジローラのような簡易な部材を用いて低印加電圧でオゾンレスの注入帯電機構を用いた帯電を実現すること、高品位な画像形成を長期にわたり安定に行なわせることができる。また、像担持体の帯電手段として接触帯電装置を採用した接触帯電方式の画像形成装置及びプロセスカートリッジ、あるいは接触帯電方式、転写方式、クリーナレスの画像形成装置及びプロセスカートリッジについて、接触帯電部材としてスポンジローラのような簡易な部材を用いて、また接触帯電部材の現像剤汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの注入帯電とクリーナレスシステムを問題なく実行可能にし、高品位な画像形成を長期に渡り維持させること、画像比率の高い画像を出力した後でも高品位な画像形成を長期に渡り維持させることができる。
【0122】
【発明の実施の形態】
〈実施例1〉(図1・図2)
図1は本発明に従う画像形成装置の一例の概略構成模型図である。
【0123】
本実施例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用、接触帯電方式、反転現像方式、クリーナレス、プロセスカートリッジ式のレーザープリンタである。
【0124】
(1)本例プリンタの全体的な概略構成
[像担持体]
1は像担持体(被帯電体)としての回転ドラム型の電子写真感光体である。本実施例のプリンタは反転現像を用いており、感光体1はネガ感光体を用いている。本実施例の感光体1は直径30mmのOPC感光体であり、矢印の時計方向に94mm/secの周速度をもって回転駆動される。
【0125】
[帯 電]
2は感光体1に所定の押圧力をもって当接させて配設した、多孔状弾性層を有する接触帯電部材としての導電性弾性スポンジローラ(以下、帯電スポンジローラと記す)である。aは感光体1と帯電ローラ2とのニップ部である帯電ニップ部である。この帯電スポンジローラ2には予めその外周面に帯電促進粒子mをコートして担持させてあり、帯電ニップ部aには帯電促進粒子mが存在している。
【0126】
帯電スポンジローラ2は本実施例においては帯電ニップ部aにおいて感光体1の回転方向と逆方向(カウンター)に100%の周速で回転駆動され、感光体1面に対して速度差を持って接触する。
【0127】
そしてこの帯電スポンジローラ2に帯電バイアス電源S1から所定の帯電バイアスが印加される。これにより回転感光体1の周面が注入帯電機構で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理される。
【0128】
本実施例では帯電スポンジローラ2には感光体1の外周面がほぼ−700Vに一様に帯電処理されるように、帯電バイアス電源S1から帯電バイアスを印加する。
【0129】
この帯電スポンジローラ2、帯電促進粒子m、注入帯電等については別項で詳述する。
【0130】
[露 光]
そして回転感光体1の帯電処理面に対して、レーザーダイオードやポリゴンミラー等を含む不図示のレーザービームスキャナから出力されるレーザービームによる走査露光Lがなされる。レーザービームスキャナから出力されるレーザービームは目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して強度変調されたものであり、このレーザービームによる走査露光Lにて回転感光体1の外周面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0131】
本実施例では反転現像を用いており、回転感光体1の外周面のレーザービームによる走査露光Lにおいて、露光部が画像部であり、非露光部が非画像部である。
【0132】
[現 像]
3は現像装置である。本例の該現像装置3は現像剤31として負帯電性の平均粒径6μmの磁性1成分絶縁現像剤を用いた反転非接触現像装置である。
【0133】
回転感光体1の外周面に形成された上記の静電潜像はこの現像装置3により露光部に現像剤(トナー)が付着して現像剤像(トナー像)として反転現像される。
【0134】
32は現像剤担持搬送部材としての直径16mmの非磁性現像スリーブ、33はこの現像スリーブ32内に固定配置した磁界発生手段としてのマグネット・ロール、34は現像スリーブ表面に現像剤の薄層を形成するための現像剤層厚規制弾性ブレードである。
【0135】
現像スリーブ32は感光体1に対して最接近距離(離間距離)が約500μmになるように配置され、固定配設のマグネット・ロール33の回りを、現像部位bにおいて感光体1の回転方向に順方向に等速で回転駆動される。
【0136】
現像スリーブ32には現像バイアス電源S2より現像バイアス電圧が印加される。本実施例ではその現像バイアス電圧は、380VのDC電圧と、周波数1800Hz、ピーク間電圧1600Vの矩形のAC電圧を重畳したものである。
【0137】
現像剤31は現像スリーブ32の外面にマグネット・ロール33の磁力により吸着されて現像剤31の磁気ブラシが形成される。その現像剤の磁気ブラシは現像スリーブ32の回転とともに搬送され弾性ブレード34との摺擦により摩擦帯電し電荷を持ち、かつ弾性ブレード34により層厚規制を受けて所定厚みの現像剤層として現像部位bへ搬送される。そして現像部位bにおいて現像スリーブ32と感光体1の間で1成分ジャンピング現像が行なわれる。現像に供されなかった現像剤層は引き続く現像スリーブ32の回転で再び現像容器内に戻し搬送される。
【0138】
現像剤31には帯電促進粒子mを混合してあり、混合量は現像剤100重量部に対して2重量部である。
【0139】
[転 写]
4は接触転写手段としての中抵抗の転写ローラであり、感光体1に所定に圧接させて転写部cを形成させてある。この転写部cに不図示の給紙部から所定のタイミングで記録媒体としての転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ4に転写バイアス電源S4から所定の転写バイアス電圧が印加されることで、感光体1側の現像剤像が転写部cに給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0140】
本実施例で使用の転写ローラ4は、芯金41に中抵抗弾性層42を形成した、ローラ抵抗値5×108 Ωのものであり、+3000VのDC電圧を芯金41に印加して転写を行なった。転写部cに導入された転写材Pはこの転写部cを挟持搬送されて、その表面側に回転感光体1の表面に形成担持されている現像剤像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0141】
[定 着]
5は熱定着方式等の定着装置である。転写部cに給紙されて感光体1側の現像剤像の転写を受けた転写材Pは回転感光体1の面から分離されてこの定着装置5に導入され、現像剤像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0142】
[カートリッジ]
本実施例のプリンタは、感光体1、帯電スポンジローラ2、現像装置3の3つのプロセス機器をカートリッジケースに包含させてプリンタ本体に対して一括して着脱自在のカートリッジCとしてある。カートリッジ化するプロセス機器の組み合わせ等は上記に限られるものではない。
【0143】
(2)帯電スポンジローラ2
図2は、本実施例における接触帯電部材としての帯電スポンジローラ2の層構成を示す拡大横断面模型図である。
【0144】
本実施例における帯電スポンジローラ2は、
a)弾性層を支持させる直径5mmの芯金21
b)この芯金21の周囲に形成した第1の弾性層としての、セル径(平均セル径)が300μm、厚み3mmの網状骨格スポンジ層22
c)この第1の弾性層22の外周を覆わせて形成した導電基層としての、
ステンレスメッシュ層23(導電性繊維層)
d)この導電基層23の外周を覆わせて形成した第2の弾性層としての、セル径(平均セル径)が20μm、厚み1mmの中抵抗の導電性スポンジ層24
の多層構造からなる、全体直径がほぼ13mmのものである。
【0145】
第2の弾性層としての導電性スポンジ層24のセル径20μmに対して、第1の弾性層としての網状骨格スポンジ層22のセル径は300μmであり、第1の弾性層22は第2の弾性層24よりも高度の低い弾性層としてある。
【0146】
第1の弾性層としての網状骨格スポンジ層22は樹脂(本実施例ではウレタン)、硫化剤、発泡剤等により処方され、芯金21上にローラ状に形成した。
【0147】
導電基層としてのステンレスメッシュ層23は網状骨格スポンジ層22の外周に被覆した。このステンレスメッシュ層23の端部を芯金21と通電を取り、芯金21に帯電バイアスを印加した。
【0148】
第1の弾性層としての中抵抗の導電性スポンジ層24は樹脂(本実施例ではウレタン)、導電性粒子(例えば、本実施例ではカーボンブラック)、硫化剤、発泡剤等により処方され、ステンレスメッシュ層23で被覆したローラの上にさらにローラ状に形成した。その後、表面を研磨した。
【0149】
帯電スポンジローラ2の抵抗値は以下のように測定した。画像形成装置の感光体1をアルミ製のドラムと入れ替える。その後に、アルミドラムと帯電スポンジローラ2の間に100Vの電圧をかけ、その時に流れる電流値を測定することにより、帯電スポンジローラ2の抵抗値を求めた。
【0150】
本実施例で用いた帯電スポンジローラ2の電気抵抗値は5×106 Ωであった。
【0151】
本測定は温度25℃、湿度60%の環境下で行った。帯電スポンジローラ2とアルミドラム間の接触ニツプ幅(ドラム回転方向)は、約5mmであった。
【0152】
スポンジ層平均セル径は光学顛微鏡による観察をもって測定した。
【0153】
接触帯電部材である帯電スポンジローラ2は電極として機能することが重要である。つまり、弾性を持たせて被帯電体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する被帯電体を充電するに十分低い抵抗を有する必要がある。一方では被帯電体にピンホールなどの低耐圧欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必要がある。被帯電体として電子写真用感光体を用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るには104 〜107 Ωの抵抗が望ましい。
【0154】
帯電スポンジローラ2の硬度は、硬度が低すぎると形状が安定しないために被帯電体との接触性が悪くなり、高すぎると被帯電体との間に帯電ニップ部aを確保できないだけでなく、被帯電体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカーC硬度で25度から50度が好ましい範囲である。
【0155】
帯電スポンジローラ2の材質としては、弾性体の材料として、EPDM、ウレタン、NBR、シリコーンゴムや、IR等に抵抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電性物質を分散した材料を発泡させたものがあげられる。また、特に導電性物質を分散せずに、イオン導電性の材料を用いて抵抗調整をすることも可能である。
【0156】
帯電ローラ2は被帯電体としての感光体1に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設し、本実施例では幅数mmの帯電ニップ部aを形成させてある。
【0157】
(3)帯電促進粒子m
本実施例では、帯電ローラ2の外周面に予め塗布する帯電促進粒子m、及び現像装置3の現像剤31に添加する帯電促進粒子mとして、比抵抗が107 から1012Ω・cm、平均粒径1μmの導電性酸化亜鉛粒子を用いた。
【0158】
帯電促進粒子は、一次粒子の状態で存在するばかりでなく、二次粒子の凝集した状態で存在することもなんら問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体として帯電促進粒子としての機能が実現できればその形態は重要ではない。
【0159】
粒径は粒子が凝集体を構成している場合は、その凝集体としての平均粒径として定義した。粒径の測定には、光学あるいは電子顕微鏡による観察から、100個以上抽出し、水平方向最大弦長をもって体積粒度分布を算出し、その50%平均粒径をもって決定した。
【0160】
なお、多孔状の表面を持つ帯電部材2の表面における平均セル径(平均孔径)の測定も上記の帯電促進粒子mの粒径の測定と同様に行なう。
【0161】
帯電促進粒子mの抵抗値が1012Ω・cm以上であると帯電性が損なわれた。そのため、抵抗値が1012Ω・cm以下である必要があり、さらに好ましくは1010Ω・cm以下である必要がある。本実施例では1×107 Ω・cmのものを用いた。
【0162】
抵抗測定は、錠剤法により測定し正規化して求めた。即ち、底面積2.26cm2 の円筒内に約0.5gの粉体試料を入れ上下電極に15kgの加圧を行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測し、その後正規化して比抵抗を算出した。
【0163】
帯電促進粒子mは潜像露光時に妨げにならないよう、白色または透明に近いことが望ましく、よって非磁性であることが好ましい。さらに、帯電促進粒子が感光体上から転写材Pに一部転写されてしまうことを考えるとカラー記録では無色、あるいは白色のものが望ましい。また、粒径も現像剤31の粒径に対して、1/2以下程度でないと画像露光を遮ることがあった。そのため帯電促進粒子mの粒径は現像剤31の粒径の1/2よりも小さいことが望ましい。粒径の下限値としては、粒子として安定に得られるものとして10nmが限界と考えられる。
【0164】
帯電促進粒子mの材料としては、本実施例では酸化亜鉛を用いたが、これに限るものではなく、その他アルミナなど他の金属酸化物の導電性無機粒子や有機物との混合物、あるいは、これらに表面処理を施したものなど各種導電粒子が使用可能である。
【0165】
(4)注入帯電
▲1▼.接触帯電部材としての帯電スポンジローラ2にコートされた帯電促進粒子m、および後述するように現像装置3から帯電ニップ部に供給された帯電促進粒子は帯電スポンジローラ2の表面層である第2の弾性層としての導電性スポンジ層24のセル中に保持される。これにより、像担持体である感光体1と接触帯電部材である帯電スポンジローラ2とのニップ部である帯電ニップ部aに粒径の小さい帯電促進粒子mが密に介在して、該粒子mの滑剤効果により、摩擦抵抗が大きくてそのままでは感光体1に対して速度差を持たせて接触させることが困難であった帯電スポンジローラであっても、それを感光体1面に対して無理なく容易に効果的に速度差を持たせて接触させた状態にすることが可能となると共に、該帯電スポンジローラ2が該粒子mを介して感光体1面に密に接触してより高い頻度で感光体1面に接触する構成となる。
【0166】
帯電スポンジローラ2と感光体1との間に十分な速度差を設けることにより、帯電スポンジローラ2と感光体1のニップ部aにおいて帯電促進粒子mが感光体1に接触する機会を格段に増加させ、高い接触性を得ることができ、帯電スポンジローラ2と感光体1のニップ部である帯電ニップ部aに存在する帯電促進粒子mが感光体1表面を隙間なく摺擦することで感光体1に電荷を直接注入できるようになり、帯電スポンジローラ2による感光体1の接触帯電は帯電促進粒子mの介存により注入帯電機構が支配的となる。
【0167】
速度差を設ける構成としては、帯電スポンジローラ2を回転駆動して感光ドラム1と速度差を設けることになる。好ましくは帯電ニップ部aに持ち運ばれる感光体1上の転写残現像剤を帯電スポンジローラ2に一時的に回収し均すために、帯電スポンジローラ2を回転駆動し、さらに、その回転方向は感光体1表面の移動方向とは逆方向に回転するように構成することが望ましい。即ち、逆方向回転で感光体1上の転写残現像剤を一旦引離し帯電を行なうことにより優位に注入帯電を行なうことが可能である。
【0168】
本実施例においては、帯電スポンジローラ2を感光体1と帯電ニップ部aにおいて対向方向に100%の周速で駆動していることにより、感光体1表面上にむらなく接触することができる。
【0169】
従って、従来のローラ帯電等では得られなかった高い帯電効率が得られ、帯電スポンジローラ2に印加した電圧とほぼ同等の帯電電位を感光体1に与えることができる。
【0170】
かくして、接触帯電部材として帯電スポンジローラ2を用いた場合でも、該帯電スポンジローラ2に対する帯電に必要な印加バイアスは感光体1に必要な帯電電位相当の電圧で十分であり、放電現象を用いない安定かつ安全な接触帯電方式ないし装置を実現することができる。
【0171】
▲2▼.上述のように本実施例の帯電機構としては注入帯電機構が支配的であり、接触帯電部材である帯電スポンジローラ2と感光体1の間の接触点にのみ帯電が行われる。そのため、帯電スポンジローラ2と感光体1の接触ニップ部aの幅が広く、接触面積が大きければ、帯電安定性もそれに応じて向上する。
【0172】
本実施例では、帯電スポンジローラの基層となる第1の弾性層としての網状骨格スポンジ層22のセル径が300umと大きく、また、セル膜の少ない網状骨格からなるスポンジであることにより、圧縮性・弾性率ともに高いため、容易に変形し、帯電スポンジローラ2と感光体1の間の圧力を高くしなくとも、接触ニップ部aの幅を大きくとることが可能となる。
【0173】
また、帯電スポンジローラ2の変形は第1の弾性層としての網状骨格スポンジ層22の変形によるものが支配的であり、ステンレスメッシュ層23、および第2の弾性層としての導電性スポンジ層24の圧縮は小さい。そのため、第2の弾性層としての導電性スポンジ層24の体積抵抗値の変化などが生じない。そのため、帯電ニップ部aの全領域にわたり、安定した電気抵抗値で感光体1表面の帯電を行う事が可能であり、感光体1表面に欠陥などが存在する場合においても、安定した帯電を行うことが可能である。
【0174】
また、帯電スポンジローラ2表面の第2の弾性層としての導電性スポンジ層24はセル径20μmときめ細かいため、帯電促進粒子mの保持性も高く、長期にわたり安定した帯電性を得ることが可能である。
【0175】
▲3▼.クリーナレスの画像形成装置にあっては、転写後の感光体1面に残存の転写残現像剤は感光体1と帯電スポンジローラ2のニップ部である帯電ニップ部aに感光体1面の移動でそのまま持ち運ばれる。
【0176】
この場合、帯電スポンジローラ2を感光体1に対して速度差をもって接触させることで、転写残現像剤のパターンが攪乱されて崩され、中間調画像において、前回の画像パターン部分がゴーストとなって現れることがなくなる。
【0177】
▲4▼.帯電ニップ部aに持ち運ばれた転写残現像剤は帯電スポンジローラ2に付着・混入する。従来現像剤は絶縁体であるため帯電スポンジローラ2に対する転写残現像剤の付着・混入は感光体1の帯電において帯電不良を生じさせる因子である。
【0178】
しかしこの場合でも、帯電促進粒子mが感光体1と帯電スポンジローラ2とのニップ部である帯電ニップ部aに介在することにより、帯電スポンジローラ2の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持できるため、帯電スポンジローラ2の転写残現像剤による汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの直接帯電を長期に渡り安定に維持させることができ、均一な帯電性を与えることが出来る。
【0179】
▲5▼.帯電スポンジローラ2に付着・混入した転写残現像剤は帯電スポンジローラ2から徐々に感光体1上に吐き出されて感光体1面の移動とともに現像部位bに至り、現像装置3において現像同時クリーニング(回収)される(トナーリサイクル)。
【0180】
この場合、帯電スポンジに帯電促進粒子mが担持されていることで、帯電スポンジローラ2とこれに付着・混入する転写残現像剤の付着力が低減化されて帯電スポンジローラ2から感光体1上にへの現像剤の吐き出し効率が向上する。
【0181】
現像同時クリーニングは前述したように、転写後に感光体1上に残留したトナーを引き続く画像形成工程の現像時、即ち引き続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成し、その潜像の現像時において、現像装置のかぶり取りバイアス、即ち現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vbackによって回収するものである。本実施例におけるプリンタのように反転現像の場合では、この現像同時クリーニングは、感光体の暗部電位から現像スリーブにトナーを回収する電界と、現像スリーブから感光体の明部電位へトナーを付着させる電界の作用でなされる。
【0182】
▲6▼.また感光体1面に実質的に付着保持される帯電促進粒子mの存在により現像剤の感光体1側から転写材P側への転写効率が向上する効果もえられる。
【0183】
(5)現像装置3から帯電ニップ部aへの帯電促進粒子mの供給
感光体1と帯電ローラ2とのニップ部である帯電ニップ部aに予め十分量の帯電促進粒子mを介在させても、あるいは帯電ローラ2に予め十分量の帯電促進粒子mを塗布しておいても、装置の使用に伴い感光体1と帯電ローラ2とのニップ部である帯電ニップ部aから帯電促進粒子mが減少して、帯電性の低下が生じることがある。
【0184】
本実施例においては、現像装置3の現像剤31に帯電促進粒子mを混入させておき、この現像装置3より感光体1表面に帯電促進粒子mを供給し、感光体1表面を介して感光体1と帯電ローラ2とのニップ部である帯電ニップ部aや帯電ローラ2に帯電促進粒子mを供給する。即ち、現像装置3内の現像剤31に添加混入の帯電促進粒子mは感光体1面の静電潜像現像時に感光体面に付着して感光体1の回転に伴い転写ニップ部cを経て帯電ニップ部aに持ち運ばれて供給される。なお、感光体1上の現像剤像(トナー像)は転写ニップ部cにおいて転写バイアスにより転写材P面側に引かれて積極敵に転移するけれども、帯電促進粒子mは抵抗値が低いために転写材P面側には積極的には転移せず感光体1上に実質的に付着残留して感光体1面の回転移動に伴い転写ニップ部cを経て帯電ニップ部aに持ち運ばれて供給される。
【0185】
(6)従来例との比較
以下、従来例として、芯金上に単層の導電性スポンジ層を形成した帯電スポンジローラとの比較を述べる。
【0186】
比較例の帯電スポンジローラは本実施例の第2の弾性層としての導電性スポンジ層24と同様の製法で作成した。本比較例で用いた帯電スポンジローラのスポンジはセル径(平均セル径)が50μmの網状骨格からなる構造である。
【0187】
また、以下の比較において、比較例の帯電スポンジローラの電気抵抗値は1×106 Ωになるように、カーボンブラックの混合量を調節した。
【0188】
ここで、本実施例と同様の5×106 Ωに調整していない理由は、比較例において5×106 Ω程度の抵抗値では、本実施例と同様の帯電性を得ることができなかったためである。その理由は後述する。
【0189】
比較例の帯電スポンジローラの外径は本実施例の帯電スポンジローラ2と同じく直径が13mmであり、また、芯金の直径も5mmにそろえた。そのため、導電性スポンジ層の厚みは4mmである。本実施例と同等の帯電性を得るためには、帯電スポンジローラと感光体1表面の帯電ニップ部aの幅は本実施例と同様に5mm程度あることが必要とされる。十分な帯電ニップ部を確保するために、導電性スポンジ層の厚みはこの程度必要であった。導電性スポンジ層の層の厚みが本実施例と比較例間で4倍程度異なるため、本実施例の帯電スポンジローラ2に対して、比較例では体積抵抗値が4倍程度低くなければならない。また、使用時に、本実施例の帯電スポンジローラ2の第2の弾性層である導電性スポンジ層24が圧縮されないのに対して、比較例では帯電ニップ部aを確保するために、導電性スポンジ層が圧縮されなければならず、その圧縮のため、帯電ニップ部の中央近辺の抵抗値は低くなるが、ニップ両端に近い部分は抵抗値が高い。そのために、帯電ニップ部が短いのと同じ効果が生じている。この効果のために、比較例の帯電スポンジローラにおいて本実施例と同程度の帯電性を確保するためには、導電性スポンジ層の体積抵抗値はさらに低くする必要があり、本実施例よりも1桁程度低くしなければならず、帯電スポンジローラ全体の抵抗値としては本実施例よりも低い1×106 Ω程度である必要があった。
【0190】
なお、本比較例において、感光体1表面電位が0Vである状態から、帯電を開始して1周目の感光体1表面電位を帯電性の評価基準とした。以降、この帯電性評価を1周目帯電性と称する。
次に、1周目帯電性をそろえ、感光体1表面にピンホール状の欠陥を作りだした状態で、本実施例と比較例両方において感光体1表面の帯電を行い、欠陥の周囲への帯電性を評価した。なお。この評価は実際に現像・印字をし、印字画像にて評価を行った。
【0191】
本実施例ではピンホール状の欠陥の周囲にも十分な帯電を行う事が可能であったが、比較例の印字画像では欠陥の周囲に帯電を行う事ができず、欠陥画像が生じてしまった。
【0192】
比較例では、前述のように本実施例よりも体積抵抗値が1桁程度低い必要があるため、感光体表面に欠陥が生じていた場合に、その周囲で電圧降下が生じてしまったと考えられる。特に帯電ニップ部中央では導電性スポンジ層が圧縮状態にあるため、抵抗値が下がっており、この影響が生じ易いと考えられる。
【0193】
それに対して、本実施例では帯電ニップ部aの全体にわたり、同程度の抵抗値で帯電する事が可能であり、また、抵抗値も従来例よりも高くする事が可能であるために、そのような事は生じなかった。それにより良好な帯電性と、感光体表面に欠陥があつた場合などでも、安定して帯電を行う事が可能となった。
【0194】
なお、本実施例では第1の弾性層22としてスポンジ弾性層を用いたが、これに限るものではない。
【0195】
〈実施例2〉(図3)
図3は本実施例における帯電スポンジローラ2の構成模型図である。
【0196】
本実施例は、上述の実施例1における帯電スポンジローラ2において、
・第1の弾性層である網状骨格スポンジ層22のセル径を500μmに変更
・第1と第2の弾性層22と24の間に介在させた導電基層としてのステンレスメッシュ層23を不通気性導電性シート層としてのアルミ蒸着マイラー層23aに変更して、第1の弾性層である網状骨格スポンジ層22内の空気を封止した状態のものとした
ものである。その他の帯電スポンジローラの構成、画像形成装置の構成は実施例1と同様である。
【0197】
これにより、帯電スポンジローラ2と感光体1間の圧力・電気抵抗を一定に保ちながら帯電ニップ部領域を拡大することが可能であり、良好な帯電性を得ることが可能となり、良好な画像を得ることが可能となる。
【0198】
すなわち、本実施例では帯電スポンジローラ2の第1の弾性層である網状骨格スポンジ層22をアルミ蒸着マイラー層23aで覆い、アルミ蒸着マイラー層23aが不通気性であるために、空気を封止することができ、帯電ニップ部中央部の空気による圧力を周辺部へ移動させることを特徴としている。
【0199】
そのため、図3の(b)に示すように、帯電ニップ端部において、網状骨格スポンジ層22の体積が増加することにより、帯電ニツプ部aを拡大することができる。また、帯電ニップ部中央部の圧力を周辺部へ移動しているため、帯電ニップ部中央部の圧力の増加は生じず、帯電ニップ部全般にわたり、均等な圧力分布にする事が可能となる。それにより、十分な接触性を得ることが可能となり、良好な帯電性を得ることができる。
【0200】
また、単純に帯電スポンジローラの感光体に対する進入量を増加させた場合と異なり、帯電ニップ部拡大による、帯電スポンジローラ2と感光体1間の圧力の増大などは生じない。そのため、帯電スポンジローラと感光体の摩耗を防ぎつつ、良好な帯電性を得ることが可能となる。
【0201】
〈実施例3〉(図4)
図4は本実施例における帯電スポンジローラ2の構成模型図である。
【0202】
本実施例は、上述の実施例2における帯電スポンジローラ2において、
・第1の弾性層である網状骨格スポンジ層22のセル径を300μmに変更
・この第1の弾性層である網状骨格スポンジ層22内を非圧縮性である液体n、本実施例ではグリセリンで満たし、このスポンジ層22内の液体nを導電基層としての不通気性導電性シート層としてのアルミ蒸着マイラー層
23aで封止した状態のものとした
ものである。その他の帯電スポンジローラの構成、画像形成装置の構成は実施例2と同様である。
【0203】
すなわち、本実施例では実施例2の特徴に加えて、第1の弾性層である網状骨格スポンジ層22内が非圧縮性である液体で満たされていることを特徴とする。これにより、より高速なプロセススピードに対しても、帯電ニップ部中央部の変形を周辺部へ移動させることを特徴としている。そのため、実施例2よりさらに、帯電ニップ部を拡大することができる。これにより十分な接触性を得ることが可能となり、良好な帯電性を得ることができる。
【0204】
〈実施例4〉(図5)
本実施例は、上述の実施例1ないし3の画像形成装置において、被帯電体である感光体1の最表面層の表面抵抗を調節する事で、さらに安定して均一に帯電を行うものである。
【0205】
すなわち本実施例では、感光体1の表面に低抵抗層を設けて感光体表面の抵抗の調節をしている。
【0206】
図5は、本実施例で使用した、表面に低抵抗層を設けた感光体1の層構成模型図である。アルミドラム基体11上に、下引き層12、正電荷注入防止層13、電荷発生層14、電荷輸送層15の順に重ねて塗工された一般的な有機感光体に電荷注入層16を塗布することにより、帯電性能を向上したものである。
【0207】
電荷注入層16は、バインダーとしての光硬化型のアクリル樹脂に、導電性粒子(導電フィラー)としてのSnO2 超微粒子16a(径が約0.03μm)、4フッ化エチレン樹脂(商品名テフロン)などの滑剤、重合開始剤等を混合分散し、塗工後、光硬化法により膜形成したものである。
【0208】
電荷注入層16として重要な点は、表層の抵抗にある。感光体表層の表面抵抗としては、静電潜像を一定時間保持する必要があるため、電荷注入層16の体積抵抗値としては1×109 から1×1014(Ω・cm)の範囲が適当である。
【0209】
また、本構成のように電荷注入層16を用いていない場合でも、例えば電荷輸送層16が上記抵抗範囲にある場合には同等の効果が得られる。
【0210】
さらに、表層の体積抵抗が約1013Ω・cmであるアモルファスシリコン感光体等を用いても同様な効果が得られる。
【0211】
〈実施例5〉(図6)
図6に示す本実施例の画像形成装置は、上述した実施例1ないし4の画像形成装置に、転写部cと帯電ニップ部aとの間において転写後の感光体1面から転写残現像剤や紙粉等を除去して感光体1面を清掃するクリーニング装置(クリーナ)7を具備させたものである。
【0212】
その他の装置構成は実施例1ないし4の画像形成装置と同様であるから再度の説明は省略する。
【0213】
本実施例におけるクリーニング装置7は、感光体1の清掃を行うクリーニングブレード71を用いたクリーニング装置である。クリーニングブレード71はウレタンゴム製の弾性ブレードであり、これを感光体1に押し当てることにより、転写後の感光体1面に残存の転写残現像剤や紙粉の大部分が感光体1面から除去される。
【0214】
したがって、クリーナレスのプリンタに比べて帯電ニップ部aへの転写残現像剤や紙粉の移行・混入・付着が格段に少なくなり、より良好な帯電性と安定した画質を得ることができる。
【0215】
この場合、クリーニング装置7があっても、転写後の感光体1面の残留の転写残現像剤や紙粉、帯電促進粒子の内、帯電促進粒子は現像剤や紙粉に比べて粒径が小さいためクリーニング装置7をすり抜けやすく、そのすり抜けで帯電ニップ部aに持ち運ばれる。
【0216】
したがって、クリーニング装置7があっても、現像部bにおいて感光体1面に供給されて付着した、現像装置3内の現像剤31に混入の帯電促進粒子mは、感光体1面の移動に伴い転写部cを経由して帯電ニップ部aに持ち運ばれることで、帯電ニップ部aや帯電ローラ2に自動的に供給されて、良好な帯電性が維持される。
【0217】
また、帯電促進粒子mがクリーニングブレード71と感光体1表面の接触部に付着しているため、クリーニングブレード71が感光体1表面との摩擦でめくれたり、感光体1の回転速度むらが生じたりすることがない。そのため、良好な画像を得ることが可能となる。
【0218】
即ち、従来、クリーニングブレード71によるクリーニング装置7を用いた場合に、感光体1表面の滑り性が悪いと、クリーニングブレード71がめくれたり、感光体1の回転速度にむらが生じることがあった。本実施例では、帯電促進粒子mが感光体1表面に付着し、クリーニングブレード71と感光体1の間に存在している。そのため、滑り性が高まり、クリーニングブレード71が感光体1との摩擦によりめくれたり、感光体1の回転速度むらが生じることがない。
【0219】
〈その他〉
1)多孔状部材を有する導電性・可撓性の接触帯電部材2は実施例の導電性弾性スポンジローラの構成に限られるものではない。フェルト・布などの材質・形状のものも使用可能である。また、これらを積層し、より適切な弾性と導電性を得ることも可能である。
【0220】
2)接触帯電部材や現像装置等に対してAC電圧(交番電圧)成分を印加する場合の、そのAC電圧波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形成された矩形波であっても良い。このように交番電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用できる。
【0221】
3)静電潜像形成のための画像露光手段としては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成するレーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0222】
像担持体1は静電記録誘電体等であっても良い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成する。
【0223】
4)現像手段3についても、その現像方式・構成は実施例のものに限定されるものではないことは勿論である。接触タイプの現像手段であってもよい。正規現像手段であってもよい。
【0224】
5)像担持体1から現像剤像の転写を受ける被記録体は転写ドラム等の中間転写体であってもよい。
【0225】
直接方式の画像形成装置であってもよい。
【0226】
6)現像剤(トナー)31の粒度の測定方法の1例を述べる。測定装置としては、コールターカウンターTA−2型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接続し、電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。
【0227】
測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは、アルキルベンゼンスルホン酸塩0.1〜5ml加え、更に測定試料を0.5〜50mg加える。
【0228】
試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−2型により、アパーチャーとして100μアパーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定して、体積平均分布を求める。これらの求めた体積平均分布より体積平均粒径を得る。
【0229】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、接触帯電において、帯電部材としてスポンジローラのような簡易な部材を用いた場合でも、より帯電均一性に優れ且つ長期に渡り安定した、低印加電圧でオゾンレスの注入帯電を実現できる。
【0230】
また、これにより、像担持体の帯電手段として接触帯電装置を採用した接触帯電方式の画像形成装置及びプロセスカートリッジ、あるいは接触帯電方式、転写方式、クリーナレスの画像形成装置及びプロセスカートリッジについて、接触帯電部材としてスポンジローラのような簡易な部材を用いて、また接触帯電部材の現像剤汚染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの注入帯電とクリーナレスシステムを問題なく実行可能にし、高品位な画像形成を長期に渡り維持させること、画像比率の高い画像を出力した後でも高品位な画像形成を長期に渡り維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の画像形成装置の概略構成図
【図2】 帯電スポンジローラの層構成を示す拡大横断面模型図
【図3】 実施例2の実施例における帯電スポンジローラの構成模型図
【図4】 実施例3の実施例における帯電スポンジローラの構成模型図
【図5】 実施例4における、表面に電荷注入層を設けた感光体の一例の層構成模型図
【図6】 実施例5の画像形成装置の概略構成図
【図7】 帯電特性グラフ
【符号の説明】
1 感光体(像担持体、被帯電体)
2 帯電ローラ(接触帯電部材、帯電スポンジローラ)
21 芯金
22 第1の弾性層
23 導電基層
24 第2の弾性層
3 現像装置
31 現像剤(1成分現像剤)
m 帯電促進粒子
4 転写ローラ
5 定着装置
P 転写材
C プロセスカートリッジ
S1〜S3 バイアス電源
Claims (43)
- 被帯電体の帯電を促進させるための帯電促進粒子を介して被帯電体とニップ部を形成し、被帯電体表面に対して帯電を行う弾性層を有する帯電部材であり、弾性層は被帯電体側とは反対側から被帯電体側に順に、第1の弾性層、導電基層、導電性の第2の弾性層の3層からなること、第1の弾性層は第2の弾性層より硬度が低いことを特徴とする帯電部材。
- ローラであることを特徴とする請求項1に記載の帯電部材。
- 第1の弾性層の内部を封止することにより形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の帯電部材。
- 第1の弾性層の内部が気体、あるいは液体で満たされていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の帯電部材。
- 第1および第2の弾性層は多孔状部材であることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の帯電部材。
- 多孔状部材が弾性発泡体で構成されていることを特徴とする請求項5に記載の帯電部材。
- 電圧が印加されることを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載の帯電部材。
- 帯電促進粒子の抵抗値が1×1012(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項1ないし7の何れかに記載の帯電部材。
- 被帯電体と速度差を持って移動されることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の帯電部材。
- ニップ部において被帯電体の移動方向とは逆方向に速度差を保ちつつ移動されることを特徴とする請求項1ないし8の何れかに記載の帯電部材。
- 被帯電体の帯電を促進させるための帯電促進粒子を介して被帯電体とニップ部を形成させた帯電部材により被帯電体表面を帯電する帯電方法であり、
帯電部材は被帯電体表面に対して帯電を行う弾性層を有し、該弾性層は被帯電体側とは反対側から被帯電体側に順に、第1の弾性層、導電基層、導電性の第2の弾性層の3層からなること、第1の弾性層は第2の弾性層より硬度が低いことを特徴とする帯電方法。 - 帯電部材はローラであることを特徴とする請求項11に記載の帯電方法。
- 帯電部材は第1の弾性層の内部を封止することにより形成されていることを特徴とする請求項11または12に記載の帯電方法。
- 帯電部材の第1の弾性層の内部が気体、あるいは液体で満たされていることを特徴とする請求項11ないし13の何れかに記載の帯電方法。
- 帯電部材の第1および第2の弾性層は多孔状部材であることを特徴とする請求項11ないし14の何れかに記載の帯電方法。
- 多孔状部材が弾性発泡体で構成されていることを特徴とする請求項15に記載の帯電方法。
- 帯電部材には電圧が印加されることを特徴とする請求項11ないし16の何れかに記載の帯電方法。
- 帯電促進粒子の抵抗値が1×1012(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項11ないし17の何れかに記載の帯電方法。
- 帯電部材は被帯電体と速度差を持って移動されることを特徴とする請求項11ないし18の何れかに記載の帯電方法。
- 帯電部材はニップ部において被帯電体の移動方向とは逆方向に速度差を保ちつつ移動されることを特徴とする請求項11ないし19の何れかに記載の帯電方法。
- 被帯電体の最表面層の体積抵抗値が109(Ω・cm)以上1014(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項11ないし20の何れかに記載の帯電方法。
- 被帯電体の帯電を促進させるための帯電促進粒子を介して被帯電体とニップ部を形成させた帯電部材により被帯電体表面を帯電する帯電装置であり、
帯電部材は被帯電体表面に対して帯電を行う弾性層を有し、該弾性層は被帯電体側とは反対側から被帯電体側に順に、第1の弾性層、導電基層、導電性の第2の弾性層の3層からなること、第1の弾性層は第2の弾性層より硬度が低いことを特徴とする帯電装置。 - 帯電部材はローラであることを特徴とする請求項22に記載の帯電装置。
- 帯電部材は第1の弾性層の内部を封止することにより形成されていることを特徴とする請求項22または23に記載の帯電装置。
- 帯電部材の第1の弾性層の内部が気体、あるいは液体で満たされていることを特徴とする請求項22ないし24の何れかに記載の帯電装置。
- 帯電部材の第1および第2の弾性層は多孔状部材であることを特徴とする請求項22ないし25の何れかに記載の帯電装置。
- 多孔状部材が弾性発泡体で構成されていることを特徴とする請求項26に記載の帯電装置。
- 帯電部材には電圧が印加されることを特徴とする請求項22ないし27の何れかに記載の帯電装置。
- 帯電促進粒子の抵抗値が1×1012(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項22ないし28の何れかに記載の帯電装置。
- 帯電部材は被帯電体と速度差を持って移動されることを特徴とする請求項22ないし29の何れかに記載の帯電装置。
- 帯電部材はニップ部において被帯電体の移動方向とは逆方向に速度差を保ちつつ移動されることを特徴とする請求項22ないし30の何れかに記載の帯電装置。
- 被帯電体の最表面層の体積抵抗値が109(Ω・cm)以上1014(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項22ないし31の何れかに記載の帯電装置。
- 前記被帯電体上の静電潜像を現像剤により現像する現像手段と、請求項22乃至32の何れかに記載の帯電装置を有する画像形成装置であって、
前記帯電促進粒子の粒径が前記現像剤の粒径の1/2以下であることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体に該像担持体を帯電する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置であり、像担持体を帯電する工程手段が請求項22ないし32の何れかに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
- 像担持体と、該像担持体を帯電する帯電手段と、像担持体の帯電面に静電潜像を形成する画像情報書き込み手段と、その静電潜像を現像剤によって可視化する現像手段を有し画像形成を実行する画像形成装置であり、前記像担持体を帯電する帯電手段が請求項22ないし32の何れかに記載の帯電装置であることを特徴とする画像形成装置。
- 像担持体の帯電面に静電潜像を形成する画像情報書き込み手段が像露光手段であることを特徴とする請求項35に記載の画像形成装置。
- 像担持体の最表面層の体積抵抗値が109(Ω・cm)以上1014(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項34ないし36の何れかに記載の画像形成装置。
- 像担持体が、感光層、及び表面層を有し、該表面層が樹脂および導電微粒子を有することを特徴とする請求項34ないし37の何れかに記載の画像形成装置。
- 導電微粒子がSnO2であることを特徴とする請求項38に記載の画像形成装置。
- 像担持体に該像担持体を帯電する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像形成装置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジであり、
少なくとも像担持体と該像担持体を一様に帯電する工程手段を包含しており、該帯電工程手段が請求項22ないし32の何れかに記載の帯電装置であることを特徴とするプロセスカートリッジ。 - 像担持体の最表面層の体積抵抗値が109(Ω・cm)以上1014(Ω・cm)以下であることを特徴とする請求項40に記載のプロセスカートリッジ。
- 像担持体が、感光層、及び表面層を有し、該表面層が樹脂および導電微粒子を有することを特徴とする請求項40または41に記載のプロセスカートリッジ。
- 導電微粒子がSnO2であることを特徴とする請求項42に記載のプロセスカートリッジ。
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