JP3808145B2 - 曲げ加工機 - Google Patents

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Description

【0001】
この発明は、曲げ加工において使用される曲げ加工機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、曲げ加工機における曲げ角度は素材の板厚、ヤング率、降伏点のばらつき等種々の要件により決定されるため、曲げ角度を一定に保持する曲げ加工が非常に困難である。
【0003】
このため、画像処理を応用した曲げ角度検出装置が使用されるようになってきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の技術にあっては、画像処理装置が非常に高価なものであること、及び画像処理を行うため曲げ加工時間が長くなるという問題がある。
【0005】
この発明の目的は、以上のような従来の技術に着目してなされたものであり、曲げ加工精度のばらつきを排除して高精度の曲げ加工を迅速に行うための曲げ加工機を提供することにある
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述に鑑みて、本発明は、上板押え金型に対して相対的に上下動自在なフレームに、前記上板押え金型との間にワークをクランプ自在な下板押え金型を上下動自在に備えると共に上方向に付勢して設け、前記上板押え金型と下板押え金型によってクランプされたワークを先端でもって上方向へ曲げ加工を行うためのベンドビームを、前記下板押え金型に対して相対的に上下動自在かつワークの曲げ加工を行う方向へ回動可能に、前記フレームに備え、前記上板押え金型に、前記ワークの曲げ角度を検出する曲げ角度検出装置を備えていることを特徴とするものである
【0007】
また、前記曲げ加工機において、前記曲げ角度検出装置は、前記上板押え金型の先端に対して先端が突出する方向へ付勢された検出子を備え、前記上板押え金型の先端に対する前記検出子の先端の突出量を調整自在に設けたことを特徴とするものである
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態の例を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1には、図示省略の曲げ加工機に装着されてワークWに曲げ加工を行うための金型装置1が示されている。この金型装置1では、上板押えブロック3、下板押えブロック5及び曲げ角度検出装置7が設けられている。
【0020】
前記上板押えブロック3では、曲げ加工機に取付けるためのベースブロック9に支持部材11が取付けられており、この支持部材11の先端に、上板押え金型13が取付けられている。
【0021】
前記上板押え金型13には、ワークWの曲げ角度を検出する曲げ角度検出装置7のセンサ15が設けられている。このセンサ15には、上板押え金型13の先端P0に対する水平方向(図1中左右方向)位置を検出するための検出子17が設けられている。
【0022】
この検出子17は、絶縁体19により上板押え金型13から電気的に絶縁されていてスプリングバネ21により常時右方向へ付勢されると共に、ネジ23により上板押え金型13の先端P0に対する突出量D0(すなわち、初期位置、図2参照)が調整自在に設けられている。また、検出子17が図1中左方向へ押込まれる量に比例して電気的抵抗値が変化するようになっており、これにより検出子17の先端PSの前記上板押え金型13の先端P0に対する位置関係を検出することができる。また、この位置関係からワークWの曲げ角度を検出することもできる。
【0023】
一方、前記下板押えブロック5の上部(図1中上側部分)は上に開口する矩形状のフレーム25が設けられている。このフレーム25の内部には、下板押え金型27及び曲げ金型であるベンドビーム29が固定されない状態で設けられている。また、フレーム25の内面には、後述するように下板押え金型27の上下動をガイドするために、ガイド31が上下方向に設けられている。
【0024】
前記フレーム25の下側には支持部材33が固定的に設けられている。この支持部材33は例えばボールネジ35のような昇降装置を駆動手段であるモータ37で作動させることによりフレーム25と一体で上下動する。この支持部材33の内部にはガスバネ39が設けられており、このガスバネ39の先端には前述の下板押え金型27が固定的に取付けられていて、常に一定の上向きの力を下板押え金型27に付勢している。
【0025】
また、下板押え金型27は前述のガイド31に沿って上下移動が可能となっているが、図示しないストッパによりフレーム25から飛び出して外れることはない。
【0026】
従って、モータ37により支持部材33を上昇させると、ガスバネ39も上昇するので下板押え金型27が上昇して上板押え金型13との協働でワークWをクランプする。さらに下板押え金型27がワークWをクランプした後も支持部材33を上昇させると、ガスバネ39は圧縮され下板押え金型27により一定の押圧力でワークWをクランプすることになる。
【0027】
下板押え金型27の下側にはベンドビーム29の移動を制御する押えブロック43が一体的に設けられており、この押えブロック43には曲面切欠き45が設けられている。
【0028】
前記ベンドビーム29の上部は下板押え金型27に設けられているローラ47とフレーム25の内面に設けられているローラ49により挟まれて、上下方向の移動及び若干の回動が許容されている。また、ベンドビーム29の下方左側には車輪51が設けられており、フレーム25の内面下部には図示省略のバネにより前記ベンドビーム29の下部右側を常に一定の力で図1中左方向へ押すローラ53が設けられている。車輪51は前記押えブロック43の曲面切欠き45により押えられているため、ベンドビーム29はフレーム25の内部から脱落しないように保持されている。
【0029】
従って、上板押え金型13と下板押え金型27によりワークWをクランプした後、さらに支持部材33を上昇させると、ベンドビーム29が押えブロック43に対して相対的に上昇することになるので、押えブロック43の曲面切欠き45により車輪51が右方向へ押されるとと共に上昇する。これに伴い、ベンドビーム29の先端PBは図1中左上方へ曲線を描きながら上昇してワークWに対して曲げ加工を行う。
【0030】
一方、図1を参照するに、センサ15と下板押えブロック5との間には電源スイッチ55と電源57が設けられており、さらに比較器59が設けられていて制御部としてのNC装置61に接続されている。
【0031】
比較器59は、センサ15と下板押えブロック5との間の電圧を基準電圧すなわち検出子17にワークWが接触していない初期状態における電圧と比較して、変化が生じた時にワークWがセンサ15に接触したと判断して信号をNC装置61に出力するようになっている。
【0032】
図3及び図4を参照して、曲げ加工動作及び曲げ加工方法について説明する。
【0033】
曲げ加工をスタートして(ステップS1)、まずNC装置61の制御によりモータ37を駆動してボールネジ35を回転させ、下板押えブロック5を上昇させて下板押え金型27と上板押え金型13によりワークWをクランプする(ステップS2、図1に示す状態)。
【0034】
センサ15とワークWが接触する前まで下板押えブロック5を上昇させ(ステップS3、図4(A)の状態)、センサ15の電源スイッチ55をオンにする(ステップS4)。NC装置61の制御によりスキップ送りで下板押えブロック5を上昇させ(ステップS5)、ワークWがセンサ15に接触したことを検出するまで上昇させる(ステップS6、図4(B)の状態)。
【0035】
センサ15がワークWに接触したことを比較器59からの信号により検出したら下板押えブロック5のスキップ送りを停止し(ステップS7)、この位置を基準として、予め得られているスプリングバックやセンサの取付け角度のオフセットによる差分を補正して曲げ加工終了後に所望の曲げ角度となるようにオーバーベンド分だけさらに下板押えブロック5を上昇させる(ステップS8、図4(C)の状態)。
【0036】
そして、下板押えブロック5を下降させると検出子17はスプリングバネ21の復帰力により設定されている原点位置まで戻り(ステップS9、図4(D)の状態)、電源スイッチ55をオフにしてセンサ電源57を断ち(ステップS10)、曲げ加工を終了する(ステップS11)。
【0037】
以上の結果から、曲げ加工されたワークWを目標角度の手前で検出し、スプリングバック等を考慮した所定の補正量だけオーバーベンドするので、同一ワークWにおける特性値のばらつきやロール材の目方向、あるいはロット間の特性値のばらつき等に影響されることなく高精度の曲げ加工が安価な装置により迅速に行うことができる。
【0038】
図5には、別の実施の形態の例が示されている。すなわち、図5においては、前述した曲げ角度検出装置7と同様の考えを、上型としてのパンチ63と下型としてのダイ65の協働により曲げ加工を行う一般的なベンダーに適用した場合が示されており、パンチ63の先端に前述のセンサ15と同様のセンサ67を取付けてある。
【0039】
図5(A)にはセンサ67とワークWが接触する手前の状態が示されており、図5(B)にはスキップ送りによりワークWがセンサ67と接触した時の状態が示されている。また、図5(C)には、スプリングバック分等の補正量だけオーバーベンドした状態が示されている。図5(A),(B),(C)において69はスプリングで、センサ67がスプリング69の付勢力で斜め下方へ付勢されている。
【0040】
このように構成しても前述の実施の形態と全く同様の効果を得ることができる。
【0041】
なお、この発明は前述の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。すなわち、センサ15としては前述したようなものに限らず、例えばデジタルゲージのような接触式のものや、あるいは非接触式の静電容量型、うず電流型等のセンサを使用することができる。
【0042】
また、前述の実施の形態においては、オーバーベンドする角度を、予め、材質やロール方向、板厚等に関して実験的に求めておき、その値を加工データとして使用するようにしたが、このようなデータがない場合には、曲げ加工されたワークが最終的に所望の角度を検出するように設定された検出子17の先端に丁度接するようになるまで前述の工程を繰り返すようにすることもできる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、上板押えと下板押えによりクランプされたワークが、曲げ加工中において曲げ金型により所望の角度だけ曲げられたことを検出するので、曲げ加工中において所定角度だけ曲げたことを検出することができる。
【0045】
さらに、スプリングバック等に相当する所定の角度だけさらにオーバーベンドすることができ、ワークの特性値のばらつきに影響されることなく高精度の曲げ加工が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る曲げ角度検出装置を示す構成図である。
【図2】検出子の先端と上板押え金型の先端との位置関係を示す説明図である。
【図3】この発明に係る曲げ角度検出装置を用いた曲げ加工方法を示すフローチャートである。
【図4】この発明に係る曲げ加工方法の各ステップの状態を示す断面図である。
【図5】別の実施の形態を示す図4に相当する相当図である。
【符号の説明】
1 金型装置
3 上板押えブロック(上板押え)
5 下板押えブロック(下板押え)
15 センサ
29 ベンドビーム(曲げ金型)
37 モータ(駆動手段)
61 NC装置(制御部)
63 パンチ(上型)
65 ダイ(下型)
W ワーク

Claims (2)

  1. 上板押え金型(13)に対して相対的に上下動自在なフレーム(25)に、前記上板押え金型(13)との間にワーク(W)をクランプ自在な下板押え金型(27)を上下動自在に備えると共に上方向に付勢して設け、前記上板押え金型(13)と下板押え金型(27)によってクランプされたワーク(W)を先端(PB)でもって上方向へ曲げ加工を行うためのベンドビーム(29)を、前記下板押え金型(27)に対して相対的に上下動自在かつワーク(W)の曲げ加工を行う方向へ回動可能に、前記フレーム(25)に備え、前記上板押え金型(13)に、前記ワーク(W)の曲げ角度を検出する曲げ角度検出装置(7)を備えていることを特徴とする曲げ加工機
  2. 請求項1に記載の曲げ加工機において、前記曲げ角度検出装置(7)は、前記上板押え金型(13)の先端(PO)に対して先端(PS)が突出する方向へ付勢された検出子(17)を備え、前記上板押え金型(13)の先端(PO)に対する前記検出子(17)の先端(PS)の突出量を調整自在に設けたことを特徴とする曲げ加工機
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