JP3807671B2 - セルフピアッシングリベット締結装置および締結方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、積層された被締結板材をセルフピアッシングリベットにより締結させるためのセルフピアッシングリベット締結装置および締結方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の分野において、車体の金属薄板同士を締結するためにセルフピアッシングリベットが使用されることがある。
セルフピアッシングリベットとは、金属薄板同士を締結する際に、リベットの脚部が最下層の金属薄板を噛み込んで朝顔状に展開し、金属板同士を締結するリベットのことである。
【0003】
本出願人は、このようなセルフピアッシングリベットのかしめ機(セルフピアッシングリベット締結装置)として、特願2001−397363および特願2001−395691をすでに出願済である。
【0004】
特願2001−397363(未公開)に記載の発明は、上板(アッパパネル)打ち抜き中にダイ中央部を上昇させておくことでワークを支持するため、ワーク打抜き性を向上させ、ワークを締結中にダイ中央部を下降させることにより、板厚に対して最適なダイ体積とすることができるため、リベットの座屈を抑制することができる。
【0005】
特願2001−395691(未公開)に記載の発明は、ダイ外周部を打抜き荷重に合わせて下降させ、締結終盤で中央ピンが外周部と同一の平面上より上にワークを押し上げることでリベットの脚部の先端部が径方向に押し広がるため、リベット脚部の下板(ロアパネル)に対する充分なインタロック性を確保することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記セルフピアッシングリベットかしめ機では、以下の問題が存在していた。
特願2001−397363に記載の発明では、上板打ち抜き中にダイ中央部を上昇させておくことで上板打抜き性は確保することができるものの、リベット脚部の先端部を径方向に押し広げる手段がないため、上板と下板との締結力、すなわちインタロック性に改良すべき点があることが見出された。
また、特願2001−395691に記載の発明では、締結終盤で中央ピンが外周部と同一平面上より上にワークを押し上げることでリベットの脚部の先端部を径方向に押し広げ、充分なインタロック性を確保することが可能であるが、接合初段階の上板打抜き性を向上させることに改良すべき点があることが見出された。
とくに、下板板厚比率が小さい板組みや3枚重ねの板組みにおいては、上板打抜き性や下板に対するインタロック性は充分に確保する必要がある。
【0007】
一方、従来のセルフピアッシングリベットかしめ機では、充分な締結力を得るためには、ダイについて、セルフピアッシングリベットの形状や板組みの組み合わせ等により、それに合った仕様に変える必要があり、施工するときの工程が多くなるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は前記問題を解決すべく、アッパパネルの打抜き性を確保しつつ、ロアパネルとのインタロック性を充分に確保して、高強度の継手を得るとともに、一つのダイの仕様により複数種類の板組みの組み合わせ等に対応できるセルフピアッシングリベット締結装置および締結方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決すべく構成されるものであり、第1の発明は、積層された被締結板材を載置するダイと、前記ダイに対向して設けられたポンチと、前記セルフピアッシングリベットを前記被締結板材に打ち込むように前記ダイおよび/または前記ポンチを駆動する駆動機構と、を備えるセルフピアッシングリベット締結装置において、前記ダイは、その軸線に沿って貫通する貫通穴を有するキャビティ凹部と、前記貫通穴に挿入され受圧面と同一面近傍からキャビティ凹部の底面近傍まで軸線に沿って進退自在な中央ピンとを有し、前記中央ピンを進退自在に駆動させるためのアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、をさらに備えることを特徴とする。
【0010】
第1の発明によれば、ダイが有する中央ピンがキャビティ凹部内で軸線に沿って進退自在であることから、アッパパネル打ち抜き中は、中央ピンが受圧面と同一面近傍に位置することにより被締結板材を支持し、アッパパネルの打抜き性を確保することができる。また、その後、中央ピンがキャビティ凹部の底面近傍まで移動することにより、被締結板材がキャビティ凹部に充填され、その結果、セルフピアッシングリベットの脚部にかかる応力が軽減され、その座屈を抑制することができる。さらに、被締結板材がキャビティ凹部に充填された後、中央ピンを任意の位置まで移動させることにより、リベット脚部の先端部を径方向に押し広げることができ、充分なインタロック性を確保するとともに、リベット頭部によってアッパパネルの充分な押さえを確保することができる。なお、同一面近傍とは、アッパパネルに対し、十分保持できる位置であり、底面近傍とは、キャビティ内に被締結板材が塑性流動するのに対し、障害にならない位置をいう。また、任意の位置とは、インタロック性を充分に確保できる位置という意味であり、それぞれの位置は、板組みや材質、加工速度などによって、適宜設定される。
【0011】
前記課題を解決すべく、第2の発明は、キャビティ凹部に軸線に沿って進退自在な中央ピンを有するダイに積層された被締結板材を載置して、セルフピアッシングリベットを打ち込む締結方法であって、前記中央ピンが前記ダイの受圧面と同一面近傍に位置して、前記セルフピアッシングリベットが前記被締結板材のアッパパネルを打ち抜くまで被締結板材を支持する工程と、前記中央ピンを駆動させるためのアクチュエータを制御装置により駆動することで前記中央ピンがキャビティ凹部の底面近傍まで移動して、前記被締結板材が前記キャビティ凹部内に充填される工程と、前記中央ピンを駆動させるためのアクチュエータを制御装置により駆動することで前記中央ピンがキャビティ凹部内の任意の位置まで移動して、セルフピアッシングリベットの脚部の先端部を径方向に押し広げる工程と、を有することを特徴とする。
【0012】
第2の発明によれば、アッパパネルを打ち抜くまで中央ピンがダイの受圧面と同一面近傍に位置するため、アッパパネル打抜き性を確保することができる。また、その後、中央ピンがキャビティ凹部の底面近傍まで移動することにより、被締結板材がキャビティ凹部内に充填され、その結果、リベット脚部にかかる応力が軽減され、その座屈を回避することができる。さらに、その後、中央ピンがキャビティ凹部内の任意の位置まで移動することにより、リベット脚部の先端部を径方向に押し広げることができ、充分なインタロック性を確保するとともに、リベット頭部によってアッパパネルの充分な押さえを確保することができる。なお、同一面近傍、底面近傍、任意の位置については、前記した第1の発明での意味と同じ意味である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。参照する図面において、図1(a)は、本発明の実施形態に係るセルフピアッシングリベット締結装置の斜視図、(b)は、セルフピアッシングリベットの斜視図である。また、図2(a)は、本発明の実施形態に係るセルフピアッシングリベット締結装置のダイの斜視図、(b)は、ダイが有する中央ピンの拡大斜視図である。
【0014】
図1(a)に示すように、本発明の実施形態に係るセルフピアッシングリベット締結装置1は、セルフピアッシングリベットSPRを被締結板材として重ねられたアッパパネルUPおよびロアパネルLPに対して打ち込むための装置である。このセルフピアッシングリベットSPRは、図1(b)に示すように、拡径した円形の頭部Hとこの頭部Hから延出される脚部Lとを有している。本例においては、脚部Lは内部がくり抜かれた円筒となっているが、必ずしも中空円筒である必要はなく、たとえば、脚部Lは端面に所定形状の窪みを有するものや、スリットを有するものでもよい。
【0015】
まず、本発明の実施形態に係るセルフピアッシングリベット締結装置1の構成について説明する。図1(a)に示すように、セルフピアッシングリベット締結装置1は、積層された被締結板材を載置するダイDと、ダイDに対向して設けられるポンチPと、ダイDに向かってポンチPを押圧する駆動機構Sとを備える。
【0016】
ダイDは、図2(a)に示すように、キャビティ凹部D2と、中央ピンD3とを有する。
キャビティ凹部D2は、ダイDの中央にロアパネルLPおよびアッパパネルUPが充填されるために形成されるものである。形状は、円形状の凹部となるよう形成されており、その中央には、ダイDの軸線Cに沿って、貫通する貫通穴D4を有している。
【0017】
中央ピンD3は、図2(b)に示すように、キャビティ凹部D2内に突出する部分が柱状をしており、その先端がセルフピアッシングリベットSPRの脚部Lの先端部を径方向に押し広げるため、なだらかな山形に形成されている。また、中央ピンD3のキャビティ凹部D2内に突出しない部分は、中央ピンD3の移動手段に接続できるよう、キャビティ凹部D2内に突出する部分よりも一回り大きな柱状に形成されている。
中央ピンD3は、キャビティ凹部D2の貫通穴D4に挿入され、受圧面D1と同一面近傍からキャビティ凹部D2の底面近傍まで軸線に沿って進退自在に移動が可能である。ここで、受圧面D1とは、キャビティ凹部D2の凹部上面の外周に位置し、載置される被締結板材を支持する面である。なお、中央ピンD3がキャビティ凹部D2内を進退自在に移動する手段としては、たとえば、油圧機構やラック&ピニオン等のギヤ機構を用いることができる。
中央ピンD3の材質については、被締結板材の硬さに負けないある程度の硬度が必要であり、たとえば、鉄等の金属、殊に鉄にタングステン、コバルト、バナジウムを添加した高速度鋼が好適に用いられる。
【0018】
図1(a)に示すポンチPは、駆動機構Sにより、セルフピアッシングリベットSPRを保持したまま、ダイDの方向に進退自在であり、ポンチPを押圧することにより、セルフピアッシングリベットSPRをダイDに載置された被締結板材に打ち込むことができる。
図1(a)ではポンチPの形状を円柱で表現しているが、セルフピアッシングリベットSPRを保持して被締結板材に打ち込むことができるものであればよく、とくに限定されるものではない。
ポンチPおよびダイDの材質については、たとえば、前記した高速度鋼が好適に用いられる。
【0019】
駆動機構Sは、ポンチPをダイDに向けて進退自在に駆動制御し、および中央ピンD3を軸線Cに沿って移動させるよう駆動制御するものである。図4に示すように、駆動機構Sは、ポンチPおよび中央ピンD3を駆動させる信号を制御するための制御装置11と、制御装置11から供給されたポンチ駆動信号と中央ピン駆動信号に従って、ポンチPおよび中央ピンD3をそれぞれ駆動させるポンチ用アクチュエータ12と中央ピン用アクチュエータ13とを備える。
制御装置11は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェイス等から構成され、図5のフローチャートに示されるプログラムを実行する。なお、制御装置11は、ポンチPの位置を検出するポンチ位置センサ14を備えることが好ましい。また、ポンチ用アクチュエータ12および中央ピン用アクチュエータ13は、たとえば、油圧機構における油圧室に油圧を供給する電磁弁やギヤ機構におけるギヤを駆動するモータである。
【0020】
次に、図面を参照して、セルフピアッシングリベット締結装置1を用いて、セルフピアッシングリベットSPRにより被締結部材を締結する動作について説明する。図3の各図は、本実施形態にかかるセルフピアッシングリベット締結装置1を用いたセルフピアッシングリベットSPRによる被締結板材の締結工程図である。
図3(a)は、ダイDに被締結板材を載置した断面図である。
締結直前においては、アッパパネルUPとロアパネルLPを積層した被締結板材は、ダイDの受圧面D1と受圧面D1と同一面近傍に位置する中央ピンD3によって支持されている。被締結板材は、たとえばアルミニウム合金等であるが、これに限定されるものではない。
【0021】
次に、図3(b)は、セルフピアッシングリベットSPRがアッパパネルUPを打ち抜く際の断面図である。
締結初期段階においては、中央ピンD3は、受圧面D1と同一面近傍に位置する。したがって、被締結板材がダイDの受圧面D1とその同一面近傍に位置する中央ピンD3によって支持されながら、セルフピアッシングリベットSPRを保持したポンチPが被締結板材を載置したダイDに向けて押圧されることにより、セルフピアッシングリベットSPRがアッパパネルUPを打ち抜く。この締結初期(貫通)段階においては、被締結板材の変形はいまだほとんど生じていない。
【0022】
図3(c)は、セルフピアッシングリベットSPRが打ち込まれた被締結板材がキャビティ凹部D2内に充填される際の断面図である。
セルフピアッシングリベットSPRが、アッパパネルUPを打ち抜いた後は、中央ピンD3はキャビティ凹部D2の底面近傍まで移動して、ポンチPがさらに押圧される。これにより、被締結板材は、キャビティ凹部D2内に塑性流動して充填される。
【0023】
図3(d)は、中央ピンD3が所定の位置まで移動することにより、セルフピアッシングリベットSPRの脚部Lの先端部を径方向に押し広げ、締結が完了した際の断面図である。
被締結板材がキャビティ凹部D2内に充填された後、ポンチPを依然として押圧した状態で、再び、中央ピンD3を任意の位置まで上昇させる。ここで、任意の位置とは、中央ピンD3の移動により、セルフピアッシングリベットSPRの脚部Lの先端部を径方向に押し広げ、充分にアッパパネルUPとロアパネルLPの締結を図ることができる位置をいう。これにより、セルフピアッシングリベットSPRの脚部L内に打ち抜いた被締結板材を充填させながら密着させるとともに、セルフピアッシングリベットSPRの脚部Lの先端部を被締結板材を介して径方向に押し広げる。この結果、セルフピアッシングリベットSPRの脚部Lの先端部はロアパネルLPを貫通することなくその内側にとどまり、インタロック性を確保することができる。
【0024】
なお、図3に示される動作は、図5の駆動機構Sを駆動するためのフローチャートに従って、自動的に行われる。初期状態においては、図3(a)に示すように、セルフピアッシングリベットSPRを保持したポンチPが被締結板材上に位置し、中央ピンD3は、受圧面D1と同一面近傍に位置する。
まず、駆動機構Sの制御装置11にスタート信号が入力され(S1)、制御装置11は、ポンチ用アクチュエータ12にポンチを下降させるためのポンチ駆動信号を送信する(S2)。そして、ポンチ用アクチュエータ12によって、ポンチ駆動信号は駆動力に変換され、ポンチPは、図3(b)の位置まで下降する(S3)。図3(b)の位置まで下降していなかった場合(S3で「No」)には、再度同じ動作(S3)を繰り返す。なお、ポンチPが、図3(b)の位置まで下降したかどうかのポンチPの位置については、ポンチ位置センサ14を用いて、検出することができる。次に、ポンチPが、図3(b)の位置まで下降したら(S3で「Yes」)、制御装置11は、中央ピン用アクチュエータに中央ピンD3を下降させるための中央ピン駆動信号を送信する(S4)。そして、中央ピン用アクチュエータ13によって、中央ピン駆動信号は駆動力に変換され、中央ピンD3は、図3(c)の位置まで下降する(S5)。この位置まで下降していなかった場合(S5で「No」)には、再度同じ動作(S5)を繰り返す。
【0025】
中央ピンD3が図3(c)の位置まで下降したら(S5で「Yes」)、制御装置11は、ポンチPの位置を保持させるためのポンチ駆動信号をポンチ用アクチュエータ12に送信して(S6)、ポンチPを保持し、一方で、中央ピンD3を上昇させるための中央ピン駆動信号を中央ピン用アクチュエータ13に送信することにより(S7)、中央ピンD3を上昇させる。この段階(S7)では、中央ピンD3が図3(d)の位置まで上昇するまで、中央ピン駆動信号を所定時間送信する(S8)。
中央ピンD3が、図3(d)の位置まで上昇したら(S8で「Yes」)、図には示さないが中央ピンD3の上昇を停止させ、その後、ポンチPを上昇させるためのポンチ駆動信号を送信し(S9)、ポンチPを上昇させ、初期状態に戻して、駆動機構Sの一連の動作を終了する。
【0026】
以上によれば、本実施形態において、次のような効果を得ることができる。
締結初期段階において、中央ピンD3がダイDの受圧面D1と同一面近傍に位置することにより、セルフピアッシングリベットSPRがアッパパネルUPを打ち抜くまで中央ピンD3が被締結板材を支持することができ、打抜き性を確保することができる。
また、その後、中央ピンD3がキャビティ凹部D2の底面近傍まで移動することにより、被締結板材がキャビティ凹部D2内に塑性流動して充填される。この際、中央ピンD3の移動により、被締結板材に食い込んだセルフピアッシングリベットSPRの脚部Lにかかる応力を軽減でき、脚部Lの先端部の座屈を回避することができる。
さらに、中央ピンD3が所定の位置まで上昇することにより、被締結板材をセルフピアッシングリベットSPRの脚部L内に充填させ密着させることができるとともに、セルフピアッシングリベットSPRの脚部Lの先端部を径方向に押し広げることができる。これにより、ロアパネルLPに対するインタロック性を確保することができる。
【0027】
また、駆動機構Sにより、ポンチPおよび中央ピンD3の移動のタイミングや移動量が制御できることから、締結初期段階においては、セルフピアッシングリベットSPRの脚部Lの先端部がロアパネルLPを貫通したり、締結終盤においては、セルフピアッシングリベットSPRの脚部Lの先端部の広がりが弱かったりといった不具合が少なくなる。
また、中央ピンD3の移動のタイミングや移動量を制御することで、ダイDの体積や、セルフピアッシングリベットSPRの脚部L内への被締結板材の充填を最適な環境に整えることができるので、一つのダイDの仕様により、複数種類の板組みの組み合わせやセルフピアッシングリベットの形状に対応することができる。
【0028】
以上、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
本実施形態では、中央ピンD3の移動手段やポンチPの駆動機構は、油圧機構における油圧室に油圧を供給する電磁弁やギヤ機構におけるギヤを駆動するモータを電気信号を用いて制御する機構としたが、本発明はこれに限定されるものではない。また、被締結板材、ダイD、中央ピンD3、ポンチP等の形状、材質等は適宜変更可能である。さらに、本実施形態では、被締結板材はアッパパネルUPとロアパネルLPからなる2枚組で構成しているが、本発明はこれに限定されず、たとえば、3枚組以上の被締結板材についても、本発明は適用できる。
【0029】
図4の駆動機構Sの制御は、オープン制御であっても、たとえば、予め設定されたポンチPの目標位置と、ポンチ位置センサが検出した実際のポンチPの位置との偏差をとった位置フィードバック制御であってもよい。もちろん、コンピュータを用いないメカニカルな駆動機構であってもよい。同様にして、中央ピンD3の制御についても、オープン制御であってもフィードバック制御であってもよい。また、図5のフローチャートは一例であり、いかようにでも駆動させることができる。たとえば、S6,S7においては、ポンチPを保持しながら中央ピンD3を上昇するようにしたが、ポンチPを下げつつ、中央ピンD3を上昇するようにしてもよい。
また、駆動機構Sにおけるポンチ位置センサ14は、ポンチPの高さ位置を検出できるものであれば、特定のものに限定されることはない。同様にして、本実施形態では設けなかったが、中央ピンD3の位置センサを設けることも可能である。なお、ポンチ位置センサ14は、駆動機構Sにおいて必須ではなく、ポンチPの駆動は、中央ピンD3を駆動したように、タイマー動作にしてもよい。
さらに本実施形態では、ポンチPが駆動するようにしたが、ダイDと中央ピンD3が駆動するようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、アッパパネルの打抜き性を確保しつつ、ロアパネルとのインタロック性を充分に確保して、高強度の継手を得るとともに、一つのダイの仕様により数種類の板組みの組み合わせ等に対応できるセルフピアッシングリベット締結装置および締結方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施形態に係るセルフピアッシングリベット締結装置の斜視図、(b)は、セルフピアッシングリベットの斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の実施形態に係るセルフピアッシングリベット締結装置のダイの斜視図、(b)は、ダイが有する中央ピンの拡大斜視図である。
【図3】各図は、本実施形態にかかるセルフピアッシングリベット締結装置を用いたセルフピアッシングリベットSPRによる被締結板材の締結工程図である。(a)は、ダイに被締結板材を載置した断面図、(b)は、セルフピアッシングリベットがアッパパネルを打ち抜く際の断面図、(c)は、セルフピアッシングリベットSPRが打ち込まれた被締結板材がキャビティ凹部D2内に充填される際の断面図、(d)は、中央ピンD3が所定の位置まで移動することにより、セルフピアッシングリベットSPRの脚部Lの先端部を径方向に押し広げ、締結が完了した際の断面図である。
【図4】駆動機構Sの構成を示すブロック図である。
【図5】駆動機構Sを駆動するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 セルフピアッシングリベット締結装置
11 制御装置
12 ポンチ用アクチュエータ
13 中央ピン用アクチュエータ
C 軸線
D ダイ
D1 受圧面
D2 キャビティ凹部
D3 中央ピン
D4 貫通穴
P ポンチ
S 駆動機構
SPR セルフピアッシングリベット
H 頭部
L 脚部
UP アッパパネル
LP ロアパネル
Claims (2)
- 積層された被締結板材を載置するダイと、前記ダイに対向して設けられたポンチと、前記セルフピアッシングリベットを前記被締結板材に打ち込むように前記ダイおよび/または前記ポンチを駆動する駆動機構と、を備えるセルフピアッシングリベット締結装置において、
前記ダイは、その軸線に沿って貫通する貫通穴を有するキャビティ凹部と、前記貫通穴に挿入され受圧面と同一面近傍からキャビティ凹部の底面近傍まで軸線に沿って進退自在な中央ピンとを有し、
前記中央ピンを進退自在に駆動させるためのアクチュエータと、
前記アクチュエータを制御する制御装置と、
をさらに備えることを特徴とするセルフピアッシングリベット締結装置。 - キャビティ凹部に軸線に沿って進退自在な中央ピンを有するダイに積層された被締結板材を載置して、セルフピアッシングリベットを打ち込む締結方法であって、
前記中央ピンが前記ダイの受圧面と同一面近傍に位置して、前記セルフピアッシングリベットが前記被締結板材のアッパパネルを打ち抜くまで被締結板材を支持する工程と、
前記中央ピンを駆動させるためのアクチュエータを制御装置により駆動することで前記中央ピンがキャビティ凹部の底面近傍まで移動して、前記被締結板材が前記キャビティ凹部内に充填される工程と、
前記中央ピンを駆動させるためのアクチュエータを制御装置により駆動することで前記中央ピンがキャビティ凹部内の任意の位置まで移動して、セルフピアッシングリベットの脚部の先端部を径方向に押し広げる工程と、
を有することを特徴とするセルフピアッシングリベット締結方法。
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