JP3805507B2 - コンデンサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コンデンサ素子を複数個電気的に並列に接続してなるコンデンサに係り、特にその内部インダクタンスの低減を図ったものに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
電力系統や配電系統など、各種電気回路に使用されるコンデンサは、一般に複数個のコンデンサ素子から構成され、その容量、電圧等コンデンサとしての電気的仕様に応じてこれらコンデンサ素子が適宜、並列、直列に接続されることになる。
【0003】
図9は、比較的低電圧のコンデンサに係り、複数個のコンデンサ素子を並列に接続する場合の構造を示すもので、同図(1)はその斜視図、同図(2)はその側面図である。図において、1は例えば金属蒸着フィルムを巻回してなるコンデンサ素子で、その軸方向(同図(1)の前後方向)両端には半田等を吹き付けること(メタリコン)により電極2が形成されている。そして、コンデンサ素子1は横方向に4列、縦方向に5列、互いに並行に配列している。
【0004】
3は横2列、縦5列分のコンデンサ素子1の各電極を相互に電気的に接続する銅箔で、例えば半田付けで電極に接続されている。4は各銅箔3を、図示しないケースを貫通して取り付けられた端子へ接続するための導線である。
【0005】
図に示すように、従来の並列接続構造は、コンデンサ素子1の軸方向両端に形成された電極2を、それぞれ銅箔3により相互に接続し、更に、各銅箔3の上端から導線4を引出し、これら導線4を極性毎に並列にして端子に接続するものであった。
この接続構造は、その構造自体が簡単になる利点はあるが、コンデンサとしての内部インダクタンスが大きくなる傾向にある。コンデンサはフィルタ用に限らず、元来、高い周波数成分の電流が流れる場合が多いため、この内部インダクタンスの値が、コンデンサとしての性能や使用条件に悪影響を及ぼす場合がある。
【0006】
この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたもので、その内部インダクタンスの低減が可能な並列接続構造を備えたコンデンサを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るコンデンサは、各コンデンサ素子を並行に配列し、上記各コンデンサ素子の軸方向一端に形成された電極を相互に電気的に接続する第1の導体および上記各コンデンサ素子の軸方向他端に形成された電極を相互に電気的に接続する第2の導体を備え、
上記第1の導体は上記各コンデンサ素子の配列方向に延在し上記軸方向一端に対向して配設された第1の導電部を有し、
上記第2の導体は、上記各コンデンサ素子の配列方向に延在し上記軸方向他端に対向して配設された第2の導電部、上記各コンデンサ素子の配列方向に延在し上記第1の導電部と互いに平行に対向して配設された第3の導電部、および上記各コンデンサ素子の配列方向に平行に配設され上記第2の導電部と第3の導電部とを電気的に接続する第4の導電部を有し、
上記第1の導体を端子の一方に電気的に接続するための第1の引出し部を上記第1の導電部の端部から導出し、上記第2の導体を上記端子の他方に電気的に接続するための第2の引出し部を上記第3の導電部の端部から導出するようにしたものである。
【0008】
また、請求項2に係るコンデンサは、請求項1において、その第1の導体は、各コンデンサ素子の配列方向に延在し第4の導電部と互いに平行に対向して配設され第1の導電部と電気的に接続された第5の導電部を有するものである。
【0009】
また、請求項3に係るコンデンサは、請求項1または2において、その第2の引出し部を第3の導電部の、各コンデンサ素子の配列方向一端から導出し、かつ、第1の導電部はその上記配列方向他端から延在し上記配列方向一端に至る第1の折り返し導電部を有したものとし、第1の引出し部を上記第1の折り返し導電部の上記配列方向一端から導出するようにしたものである。
【0010】
また、請求項4に係るコンデンサは、請求項1または2において、その第1の引出し部を第1の導電部の、各コンデンサ素子の配列方向一端から導出し、かつ、第3の導電部はその上記配列方向他端から延在し上記配列方向一端に至る第2の折り返し導電部を有したものとし、第2の引出し部を上記第2の折り返し導電部の上記配列方向一端から導出するようにしたものである。
【0011】
また、請求項5に係るコンデンサは、請求項1ないし4のいずれかにおいて、その複数個のコンデンサ素子を第1および第2の導体を用いて並列に接続して1群としたものを複数群備えてなるコンデンサにおいて、
端子の一方に電気的、機械的に結合された第1の共通導板および絶縁部材を介して上記第1の共通導板と互いに平行に対向して配設され上記端子の他方に電気的、機械的に結合された第2の共通導板を備え、
上記各群の各第1の引出し部を上記第1の共通導板に電気的に接続し、上記各群の各第2の引出し部を上記第2の共通導板に電気的に接続したものである。
【0012】
また、請求項6に係るコンデンサは、請求項5において、その複数群のコンデンサを、上記各群のコンデンサ素子の外周端が互いに対向する方向に並設して1列群としたものを有する場合、第1および第2の共通導板の形状を、各コンデンサ素子の配列方向から見た上記1列群の形状に近いものとし、コンデンサ素子の軸方向における第1および第2の引出し部の導出位置が隣接する群で互いに逆となるようにしたものである。
【0013】
また、請求項7に係るコンデンサは、請求項5において、その複数群のコンデンサを、上記各群のコンデンサ素子の外周端が互いに対向する方向に並設して1列群としたものを2列群有する場合、上記各列群をコンデンサ素子の軸方向端が互いに対向する方向に並設するとともに、第1および第2の共通導板の形状を、各コンデンサ素子の配列方向から見た上記2列群の形状に近いものとし、コンデンサ素子の軸方向における第1および第2の引出し部の導出位置が上記各列群の反対向端側となるようにしたものである。
【0014】
また、請求項8に係るコンデンサは、請求項5ないし7のいずれかにおいて、その第1および第2の引出し部に可撓部を有したものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1におけるコンデンサの並列接続構造を示す斜視図で、6個のコンデンサ素子を並列接続してなるコンデンサ1群を示す。同図(1)は組立前、同図(2)は組立後の状態を示す。図において、11は例えば金属蒸着フィルムを巻回してなるコンデンサ素子、12aおよび12bはコンデンサ素子11の軸方向一端(図では手前側)および軸方向他端(図では奥行側)に形成された電極である。13はコンデンサ素子11の軸方向一端に対向して配設され電極12aを相互に電気的に接続する第1の導電部としての銅板で、そのコンデンサ素子11の配列方向一端(図では上端側)には図示しない端子の一方に電気的に接続するための第1の引出し部としてのリード銅板14が接続されている。
【0016】
15はコンデンサ素子11の軸方向他端に対向して配設され電極12bを相互に電気的に接続する第2の導電部としての銅板、16は銅板13と互いに平行に対向して配設された第3の導電部としての銅板で、そのコンデンサ素子11の配列方向一端には図示しない端子の他方に電気的に接続するための第2の引出し部としてのリード銅板17が接続されている。18は各コンデンサ素子11の配列方向に平行に配設され、銅板15と銅板16とを電気的に接続する第4の導電部としての銅板である。19は、銅板13と銅板16との間、および各コンデンサ素子11と銅板18との間に介在して電気的絶縁を行うプレスボード、各種絶縁紙、各種絶縁フィルム、各種絶縁シート等の絶縁板である。
そして、図1の接続構造では、銅板13が第1の導体を構成し、銅板15、16および18が第2の導体を構成する。
【0017】
以上のように、図1の並列接続構造においては、特に、各コンデンサ素子11の軸方向に流れる電流と、これらコンデンサ素子11と平行に配設された銅板18に流れる電流とにより発生する磁界の大部分が相殺され、かつ、端子への導出部分も、互いに近接して平行に対向して配設された銅板13と銅板16、およびリード銅板14とリード銅板17で構成されるのでこの導出部分に発生する磁界も大幅に低減されたものとなり、結果として、コンデンサ群としての内部インダクタンスが大幅に低減する。
【0018】
因みに、定格電圧3KVのフィルタ用のコンデンサで実測したところ、図9に示す従来の並列接続構造によるものの内部インダクタンス=350nHに対し、図1に示すこの発明の並列接続構造になるものの内部インダクタンスは約60nHとなり、その値が20%以下にまで大幅に低減されることが実証された。
【0019】
実施の形態2.
図2〜図4は、この発明の実施の形態2におけるコンデンサの並列接続構造として紹介するもので、図1のものの内部インダクタンスの一層の低減を図ったもので、以下、図1との相違点を中心に説明する。
【0020】
先ず、図2は、銅板18と互いに平行に対向して配設され銅板13と電気的に接続された第5の導電部としての銅板20を備えている。
従って、図2の接続構造では、銅板13および銅板20が第1の導体を構成する。
【0021】
この場合、特に、第1の導体(銅板13、20)を流れる電流の流路選択の自由度が増大し、第2の導体(銅板15、16、18)における電流流路との関係で、一層の低インダクタンス化が実現する。
また、各コンデンサ素子11を配列する場合、銅板20が存在するので、各コンデンサ素子11をこの銅板20に添わせることで、配列した各コンデンサ素子11の端面が一平面に揃う。従って、配列の作業が容易となり、仕上りも良好になるという利点もある。
【0022】
図3は、第1の導体を更に変形したものとしている。即ち、銅板13の、各コンデンサ素子11の配列方向他端(図では下端側)から延在し配列方向一端に至る第1の折り返し導電部としての銅板21を備え、その上端にリード銅板14を接続している。
従って、図3では、第1の導体は、銅板13、20、21で構成される。なお、図示は省略しているが、銅板13と銅板21との間には、絶縁板を介在させ両者間の絶縁を図っている。
【0023】
この場合、両端子への導出が、第1の導体は配列方向他端(下端)から、第2の導体は配列方向一端(上端)からそれぞれなされているので、各コンデンサ素子11間の電流バランスが一層良好となり、結果としてコンデンサ群としての内部インダクタンスが一層低減する。
【0024】
次に、図4は第2の導体側に折り返し導電部を備えたものである。即ち、銅板16の、各コンデンサ素子11の配列方向他端(図では下端側)から延在し配列方向一端に至る第2の折り返し導電部としての銅板22を備え、その上端にリード銅板17を接続している。
従って、図4では、第2の導体は、銅板15、16、18、22で構成される。なお、図示は省略しているが、銅板16と銅板22との間には、絶縁板を介在させ両者間の絶縁を図っている。
【0025】
この場合も、図3と同様、両端子への導出が、第1および第2の導体で配列方向の両端からなされているので、各コンデンサ素子11間の電流バランスが良好となり、コンデンサ群としての内部インダクタンスが低減する。
【0026】
実施の形態3.
図5は以上で説明したコンデンサ群を複数群集め、これら複数群を並列に接続して端子に接続する構造を示す斜視図である。同図(1)はその1群分を示すもので、先の形態例で説明したものである。
【0027】
次に、図5(2)は同図(1)のコンデンサ群を複数群(この図の例では6群)を所定の位置に配列したものである。ここでは、手前側に3列、各群のコンデンサ素子11の外周端が互いに対向する方向に並設している。また、奥行側にも同様の方向に3列並設している。そして、手前側および奥行側の両列群はコンデンサ素子11の軸方向端が互いに対向する方向に並設している。
更に、上記両列群ではそのリード銅板14、17の導出位置が両列群の反対向端側となるようにしている。
【0028】
同じく図5(2)において、23は各コンデンサ群からのリード銅板14が電気的に接続される第1の共通導板としての共通銅板、24は各コンデンサ群からのリード銅板17が電気的に接続される第2の共通導板としての共通銅板、25は両共通銅板23と24との間に介在して両者を電気的に絶縁するプレスボード、各種絶縁紙、各種絶縁フィルム、各種絶縁シート等の絶縁板である。なお、これら共通銅板23、24および絶縁板25は図示しない端子に電気的、機械的に結合されるが、その構造の詳細については後述する。
【0029】
図5(3)は各コンデンサ群のリード銅板14および17がそれぞれ共通銅板23および24へ接続がなされた状態を示すもので、図の矢印で示す部分に位置する、図示しないボルト26および27を介して端子の一方および他方に結合される。
【0030】
次に、図5(3)におけるA−A′線、B−B′線およびC−C′線から見た断面を示す図6および共通銅板23、24、絶縁板25の展開斜視図である図7に基づき、特に端子との結合構造およびその組立方法の詳細について説明する。
【0031】
図6(1)(2)および(3)は、それぞれ図5(3)のA−A′断面、B−B′断面およびC−C′断面を示す。図において、T1はコンデンサのケースの天板28を貫通して取り付けられた端子の一方、T2は同端子の他方である。26は端子T1を構成する絶縁体29の中心導体をなすボルト、27は端子T2を構成する絶縁体29の中心導体をなすボルトである。30、31および32は、ボルト26が挿通、螺合するそれぞれワッシャおよびナット、33および34は、ボルト27が挿通、螺合するそれぞれワッシャおよびナットである。
【0032】
図7は、この結合構造の各部品の組立状態を説明するための展開斜視図で、図において、共通銅板23には、ボルト26を挿通させる丸穴23aおよびボルト27との絶縁を確保するための凹部23bが形成されている。同様に、共通銅板24には、ボルト26との絶縁を確保するための凹部24aおよびボルト27を挿通させる丸穴24bが形成されている。また、絶縁板25にはボルト26およびボルト27を挿通させるためのそれぞれ丸穴25aおよび25bが形成されている。
なお、絶縁板25を、その幅方向両端を折り曲げた断面チャンネル状の形状としているのは、ナット32、34等によってこれら共通銅板等を端子T1、T2と一体に結合する場合の、上記ナット等およびその締付け作業のためのスペースをコンデンサ群との間に確保するためである。
【0033】
次に、複数のコンデンサ群と端子との接続部の組立要領について説明する。図5(2)に示すように、各コンデンサ群を配列し、先ず、共通銅板23を所定位置に固定した状態で、各群からのリード銅板14を共通銅板23に半田付またはロー付等により電気的に接続する。この場合、共通銅板23の形状が、コンデンサ素子の配列方向(図では上下方向)から見た2列群分の形状に近いものとなっているので、各リード銅板14の導出位置がそのまま共通銅板23の端部に位置し、その結合構造が簡単となる。
同様の要領で、各群からのリード銅板17を共通銅板24に電気的に接続する。
【0034】
次に、両共通銅板23、24の間に絶縁板25を挿入するとともに、各丸穴、凹部にボルト26、27が挿通するよう天板28と一体となった端子T1、T2と組み合わせ、ワッシャ30、31、33およびナット32、34を使用して両共通銅板23、24と端子T1、T2とを結合する。この結果、両共通銅板23、24は共に端子T1、T2と機械的に一体に結合されるとともに、共通銅板23はボルト26、従って端子T1と、また、共通銅板24はボルト27、従って端子T2とそれぞれ電気的に接続されることになる。
【0035】
この場合、丸穴23a等や凹部23b等の位置は、各群のリード銅板14、17の導出位置と関係なく、ボルト26、27の取付位置に応じて、比較的自由に選択することができる。しかも、共通銅板23、24を流れる電流は、絶縁板25を介して近接して互いに平行に配置された両共通銅板23、24を往復路として流れるので、この部分のインダクタンスを極めて低い値に抑えることが可能となる。
【0036】
なお、以上の説明では、例えば、共通銅板23において、ボルト27との絶縁を確保するため矩形の凹部23bを形成したが、必要な絶縁寸法を有する径の丸穴を形成するようにしてもよい。
また、組立順序として、予め端子を天板28と一体としておき、その後、その端子のボルトを共通銅板23等の丸穴に挿通して締め付け固定するようにしたが、個別の端子と共通銅板23等を先に一体に組み立てておき、共通銅板23等と各コンデンサ群との接続、およびケースへの収容をその後工程で行うようにしてもよい。
【0037】
更に、図示は省略するが、各リード銅板14、17の一部に可撓部を有するようにすれば、共通銅板23等とコンデンサ群との間の各部分の寸法バラツキをこの可撓部で吸収することができ、各部品の必要な寸法精度や組立寸法精度を緩和して製品コストの低減を図ることができ作業性も改善される利点がある。
【0038】
実施の形態4.
図8はこの発明の実施の形態4におけるコンデンサの構造を示す斜視図である。ここでは、4個のコンデンサ群を配列して1列群とした例を扱っている。共通銅板23、24と各群からのリード銅板14、17との接続構造は、基本的には先の形態3の場合と同様であるが、各群の並べ方が形態3のものと異なる。即ち、コンデンサ素子11の軸方向におけるリード銅板14、17の導出位置が隣接する群で互いに逆となるようにしている。
これにより、図8に示すように、例えば共通銅板24へのリード銅板17の接続位置が、共通銅板24の一辺に片寄ることなく、その周囲にほぼ均等に分布し、共通銅板23、24の部分での低インダクタンス化を確保することができる。
【0039】
なお、先の実施の形態では、共通銅板を各端子につき1枚使用したものについて説明したが、並列接続するコンデンサ群の数量によっては、各端子につき複数枚の共通銅板を使用する構造としてもよい。
また、共通銅板を使用して複数群のコンデンサを接続する場合、コンデンサの列群の数は、先の形態例で説明した1列群および2列群に限られるものではない。
【0040】
更に、以上の説明では、コンデンサ素子は金属蒸着フィルムを巻回して形成したものとしたが、この種のものに限られる訳ではなく、この発明は、外形上設定された1つの軸方向の両端に電極を形成してなるコンデンサ素子に広く適用することができ同等の効果を奏する。
また、以上では並列接続構造のみを有するコンデンサについて説明したが、各形態例におけるコンデンサ素子を並列接続したものを、更に、直列に接続してなるコンデンサであっても、その並列接続部分には、この発明をそのまま適用することができ、同様の効果を奏する。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係るコンデンサは、各コンデンサ素子を並行に配列し、上記各コンデンサ素子の軸方向一端に形成された電極を相互に電気的に接続する第1の導体および上記各コンデンサ素子の軸方向他端に形成された電極を相互に電気的に接続する第2の導体を備え、
上記第1の導体は上記各コンデンサ素子の配列方向に延在し上記軸方向一端に対向して配設された第1の導電部を有し、
上記第2の導体は、上記各コンデンサ素子の配列方向に延在し上記軸方向他端に対向して配設された第2の導電部、上記各コンデンサ素子の配列方向に延在し上記第1の導電部と互いに平行に対向して配設された第3の導電部、および上記各コンデンサ素子の配列方向に平行に配設され上記第2の導電部と第3の導電部とを電気的に接続する第4の導電部を有し、
上記第1の導体を端子の一方に電気的に接続するための第1の引出し部を上記第1の導電部の端部から導出し、上記第2の導体を上記端子の他方に電気的に接続するための第2の引出し部を上記第3の導電部の端部から導出するようにしたので、複数のコンデンサ素子を並列接続してなるコンデンサ群の内部インダクタンスが低減する。
【0042】
また、請求項2に係るコンデンサの第1の導体は、各コンデンサ素子の配列方向に延在し第4の導電部と互いに平行に対向して配設され第1の導電部と電気的に接続された第5の導電部を有するので、特に第1の導体を流れる電流の流路選択の自由度が増大し、その分、一層の低インダクタンス化が実現する。
【0043】
また、請求項3に係るコンデンサは、その第2の引出し部を第3の導電部の、各コンデンサ素子の配列方向一端から導出し、かつ、第1の導電部はその上記配列方向他端から延在し上記配列方向一端に至る第1の折り返し導電部を有したものとし、第1の引出し部を上記第1の折り返し導電部の上記配列方向一端から導出するようにしたので、その分、各コンデンサ素子内の電流バランスが一層良好となり、内部インダクタンスも低減する。
【0044】
また、請求項4に係るコンデンサは、その第1の引出し部を第1の導電部の、各コンデンサ素子の配列方向一端から導出し、かつ、第3の導電部はその上記配列方向他端から延在し上記配列方向一端に至る第2の折り返し導電部を有したものとし、第2の引出し部を上記第2の折り返し導電部の上記配列方向一端から導出するようにしたので、その分、各コンデンサ素子内の電流バランスが一層良好となり、内部インダクタンスも低減する。
【0045】
また、請求項5に係るコンデンサは、その複数個のコンデンサ素子を第1および第2の導体を用いて並列に接続して1群としたものを複数群備えてなるコンデンサにおいて、
端子の一方に電気的、機械的に結合された第1の共通導板および絶縁部材を介して上記第1の共通導板と互いに平行に対向して配設され上記端子の他方に電気的、機械的に結合された第2の共通導板を備え、
上記各群の各第1の引出し部を上記第1の共通導板に電気的に接続し、上記各群の各第2の引出し部を上記第2の共通導板に電気的に接続したので、端子の位置を共通導板の範囲内で比較的自由に選択することができ、この共通導板の部分のインダクタンスも低減する。
【0046】
また、請求項6に係るコンデンサは、その複数群のコンデンサを、上記各群のコンデンサ素子の外周端が互いに対向する方向に並設して1列群としたものを有する場合、第1および第2の共通導板の形状を、各コンデンサ素子の配列方向から見た上記1列群の形状に近いものとし、コンデンサ素子の軸方向における第1および第2の引出し部の導出位置が隣接する群で互いに逆となるようにしたので、引出し部との接続位置が共通導板の一辺に片寄ることなく、その周囲にほぼ均等に分布し、この部分の低インダクタンスが実現する。
【0047】
また、請求項7に係るコンデンサは、その複数群のコンデンサを、上記各群のコンデンサ素子の外周端が互いに対向する方向に並設して1列群としたものを2列群有する場合、上記各列群をコンデンサ素子の軸方向端が互いに対向する方向に並設するとともに、第1および第2の共通導板の形状を、各コンデンサ素子の配列方向から見た上記2列群の形状に近いものとし、コンデンサ素子の軸方向における第1および第2の引出し部の導出位置が上記各列群の反対向端側となるようにしたので、引出し部との接続位置が共通導板の周囲にほぼ均等に分布し、低インダクタンスで大容量の並列接続構造が実現する。
【0048】
また、請求項8に係るコンデンサは、その第1および第2の引出し部に可撓部を有したので、共通導板とコンデンサ群との間の寸法のアンバランスを容易に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるコンデンサの並列接続構造を示す斜視図である。
【図2】 この発明の実施の形態2におけるコンデンサの並列接続構造を示す斜視図である。
【図3】 図2に示す並列接続構造の更に変形例を示す斜視図である。
【図4】 図2に示す並列接続構造の更に変形例を示す斜視図である。
【図5】 この発明の実施の形態3におけるコンデンサの並列接続構造を示す斜視図である。
【図6】 図5(3)のA−A′、B−B′およびC−C′断面図である。
【図7】 共通銅板と端子との結合構造の各部品の組立状態を説明するための展開斜視図である。
【図8】 この発明の実施の形態4におけるコンデンサの並列接続構造を示す斜視図である。
【図9】 従来のコンデンサの並列接続構造を示す図である。
【符号の説明】
11 コンデンサ素子、12a,12b 電極、
13,15,16,18,20,21,22 銅板、14,17 リード銅板、19 絶縁板、23,24 共通銅板、25 絶縁板、26,27 ボルト、
T1,T2 端子。
Claims (8)
- 軸方向両端に電極を形成したコンデンサ素子を複数個電気的に並列にして各端子に接続してなるコンデンサにおいて、
上記各コンデンサ素子を並行に配列し、上記各コンデンサ素子の軸方向一端に形成された電極を相互に電気的に接続する第1の導体および上記各コンデンサ素子の軸方向他端に形成された電極を相互に電気的に接続する第2の導体を備え、
上記第1の導体は上記各コンデンサ素子の配列方向に延在し上記軸方向一端に対向して配設された第1の導電部を有し、
上記第2の導体は、上記各コンデンサ素子の配列方向に延在し上記軸方向他端に対向して配設された第2の導電部、上記各コンデンサ素子の配列方向に延在し上記第1の導電部と互いに平行に対向して配設された第3の導電部、および上記各コンデンサ素子の配列方向に平行に配設され上記第2の導電部と第3の導電部とを電気的に接続する第4の導電部を有し、
上記第1の導体を上記端子の一方に電気的に接続するための第1の引出し部を上記第1の導電部の端部から導出し、上記第2の導体を上記端子の他方に電気的に接続するための第2の引出し部を上記第3の導電部の端部から導出するようにしたことを特徴とするコンデンサ。 - 第1の導体は、各コンデンサ素子の配列方向に延在し第4の導電部と互いに平行に対向して配設され第1の導電部と電気的に接続された第5の導電部を有することを特徴とする請求項1記載のコンデンサ。
- 第2の引出し部を第3の導電部の、各コンデンサ素子の配列方向一端から導出し、かつ、第1の導電部はその上記配列方向他端から延在し上記配列方向一端に至る第1の折り返し導電部を有したものとし、第1の引出し部を上記第1の折り返し導電部の上記配列方向一端から導出するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のコンデンサ。
- 第1の引出し部を第1の導電部の、各コンデンサ素子の配列方向一端から導出し、かつ、第3の導電部はその上記配列方向他端から延在し上記配列方向一端に至る第2の折り返し導電部を有したものとし、第2の引出し部を上記第2の折り返し導電部の上記配列方向一端から導出するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載のコンデンサ。
- 複数個のコンデンサ素子を第1および第2の導体を用いて並列に接続して1群としたものを複数群備えてなるコンデンサにおいて、
端子の一方に電気的、機械的に結合された第1の共通導板および絶縁部材を介して上記第1の共通導板と互いに平行に対向して配設され上記端子の他方に電気的、機械的に結合された第2の共通導板を備え、
上記各群の各第1の引出し部を上記第1の共通導板に電気的に接続し、上記各群の各第2の引出し部を上記第2の共通導板に電気的に接続したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のコンデンサ。 - 複数群のコンデンサを、上記各群のコンデンサ素子の外周端が互いに対向する方向に並設して1列群としたものを有する場合、第1および第2の共通導板の形状を、各コンデンサ素子の配列方向から見た上記1列群の形状に近いものとし、コンデンサ素子の軸方向における第1および第2の引出し部の導出位置が隣接する群で互いに逆となるようにしたことを特徴とする請求項5記載のコンデンサ。
- 複数群のコンデンサを、上記各群のコンデンサ素子の外周端が互いに対向する方向に並設して1列群としたものを2列群有する場合、上記各列群をコンデンサ素子の軸方向端が互いに対向する方向に並設するとともに、第1および第2の共通導板の形状を、各コンデンサ素子の配列方向から見た上記2列群の形状に近いものとし、コンデンサ素子の軸方向における第1および第2の引出し部の導出位置が上記各列群の反対向端側となるようにしたことを特徴とする請求項5記載のコンデンサ。
- 第1および第2の引出し部に可撓部を有したことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のコンデンサ。
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