JP3805473B2 - 田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は苗載台及び植付爪を備えて連続的に苗植作業を行う田植機に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
従来、エンジン出力を伝達する無段変速ベルト及び無段変速プーリを変速ケースに内設させる場合、変速ケース内部の換気によって前記プーリ及びベルトなどを冷却する必要があるが、苗植作業時など高負荷運転によって変速ケース内部温度が高温になって前記ベルトの耐久性を低減させたり、温度上昇を防ぐことによって変速ケースが大型になる等の不具合があり、前記ベルトの耐久性向上並びに変速構造の簡略化などを容易に図り得ない等の問題がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、走行車に苗植作業用の植付部を装設させ、前記走行車のメインフレームに変速ケースを配設し、エンジンからの出力を伝達させるための無段変速ベルト及び無段変速プーリを前記変速ケースに内設させてなる田植機において、前記メインフレームに設けたアクスルケースにパイプフレームが連結され、前記メインフレームの下方で該メインフレームと略平行に前記パイプフレームが配置され、足掛台を取付けるためのサブフレームが前記パイプフレームに連結され、前記メインフレームまたは前記サブフレームの少なくともいずれか一方に、前記変速ケースに冷却空気を送給するための送風機を取付け、前記メインフレームの中空部と前記送風機の吸入側とが吸入側ホースによって接続され、前記変速ケースの内部と前記送風機の排出側とが排出側ホースによって接続され、左右の前記メインフレームの間に前記変速ケースが配置され、一方の前記メインフレームの外側と前記サブフレームの上面との間に前記送風機が配置され、前記メインフレームと前記サブフレームと前記パイプフレームとによって前記送風機及び吸入側ホース及び排出側ホースの一側及び下方を囲むように構成しているものであるから、前記メインフレームまたは前記サブフレームの利用によって前記送風機の取付け構造を簡略化できると共に、前記メインフレームと前記サブフレームと前記パイプフレームとによって前記送風機を保護でき、前記送風機が畦などに衝突して損傷する不具合をなくすことができるものである。
【0004】
【0005】
【0006】
【0007】
請求項2に係る発明は、前記植付部の駆動または停止操作によって、前記送風機を駆動または停止させるように構成したものであるから、植付作業時だけ前記送風機を作動でき、前記送風機の運転効率を向上でき、且つ前記送風機の駆動または停止忘れなどを防止できるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は乗用田植機全体の側面図、図2は同平面図を示し、図中(1)は作業者が搭乗する走行車であり、エンジン(2)をメインフレーム(3)に搭載させ、ミッションケース(4)前方にフロントアクスルケース(5)を介して水田走行用前輪(6)を支持させると共に、前記ミッションケース(4)の後部にリヤアクスルケース(7)を連設し、前記リヤアクスルケース(7)に水田走行用後輪(8)を支持させる。そして前記エンジン(2)等を覆うボンネット(9)両側に予備苗載台(10)を取付けると共に、足掛台(11)を介して作業者が搭乗する車体カバー(12)によって前記ミッションケース(4)等を覆い、前記車体カバー(12)上部に運転席(13)を取付け、その運転席(13)の前方で前記ボンネット(9)後部に操向ハンドル(14)を設ける。
【0009】
また、図中(15)は10条植え用の苗載台(16)並びに10条分の植付爪(17)などを具備する植付部であり、前高後低の合成樹脂製の前傾式苗載台(16)を下部レール(18)及びガイドレール(19)を介して植付ケース(20)に左右往復摺動自在に支持させると共に、一方向に等速回転させるロータリケース(21)を前記植付ケース(20)に支持させ、該ケース(21)の回転軸芯を中心に対称位置に一対の爪ケース(22)(22)を配設し、その爪ケース(22)(22)先端に植付爪(17)(17)を取付ける。また前記植付ケース(20)の前側にローリング支点軸(23)を介してヒッチブラケット(24)を設け、トップリンク(25)及びロワーリンク(26)を含む昇降リンク機構(27)のクイックヒッチ(24a)にヒッチブラケット(24)を連結させ、前記リンク機構(27)を介して植付部(15)を昇降させる昇降シリンダ(28)をロワーリンク(26)に連結させ、前記前後輪(6)(8)を走行駆動して移動すると同時に、左右に往復摺動させる苗載台(16)から一株分の苗を植付爪(17)によって取出し、連続的に苗植え作業を行うように構成する。
【0010】
また、図中(29)は主変速レバー、(30)は副変速及び植付クラッチ入切及び植付昇降の各操作を行う植付レバー、(31)は植付け感度調節レバー、(32)は主クラッチペダル、(33)(33)は左右ブレーキペダル、(34)は2条分均平用センターフロート、(35)は2条分均平用サイドフロート、(36)は10条用の側条施肥機である。
【0011】
さらに、図3乃至図7に示す如く、前低後高(傾斜角約4度)に傾斜させる四角パイプ製の左右一対の前記メインフレーム(3)(3)前部上面に架台(37)…を設け、左右メインフレーム(3)(3)前部に架台(37)を介して前記エンジン(2)を上載させ、前記エンジン(2)の左側に燃料タンク(38)を、またエンジン(2)の右側にマフラー(39)を取付けると共に、前記架台(37)下側に、前後方向に略水平な円筒形の軸受体(40)を熔接固定させ、前記軸受体(40)にカウンタ軸(41)を挿通支持させ、軸受体(40)前方に突出させるカウンタ軸(41)前端にカウンタプーリ(42)を取付ける。また、前記エンジン(2)の前方に出力軸を突設させて出力プーリ(43)を取付け、該出力プーリ(43)を前記カウンタプーリ(42)にVベルト連結させる。
【0012】
さらに、前記メインフレーム(3)後端部にリヤアクスルケース(7)をボルト止め固定させ、前記リヤアクスルケース(7)前面にミッションケース(4)後面を連結固定させると共に、ミッションケース(4)の右側前面にクラッチケース(44)を一体形成し、クラッチケース(44)前面に変速ケース(45)右側後面を嵌合固定させ、また昇降シリンダ(28)を作動させる油圧ポンプ(46)を変速ケース(45)の左側後面に固定させるもので、前記の左右メインフレーム(3)(3)の間に前記各ケース(4)(44)(45)及び油圧ポンプ(46)を配設させ、ユニバーサルジョイント付き伝動軸(47)を前記カウンタ軸(41)後端と変速ケース(45)間に設け、エンジン(2)出力を変速ケース(45)に伝えると共に、フロントアクスルケース(5)とミッションケース(4)間に前輪伝動軸(48)を設け、ミッションケース(4)の変速出力を各アクスルケース(5)(7)を介して前後輪(6)(8)に伝えるように構成している。
【0013】
また、前記メインフレーム(3)後端にロワーリンク支点軸(49)を設け、該支点軸(49)に前記ロワーリンク(26)前端を取付けると共に、左右メインフレーム(3)(3)後端に四角パイプ形の左右支柱(50)(50)を立設させ、左右支柱(50)(50)上端間に変形四角パイプ形リンクフレーム(51)を設け、該リンクフレーム(51)にトップリンク支点軸(52)を介してトップリンク(25)前端を取付けている。
【0014】
また、前記ブレーキペダル(33)を設けるペダル支点パイプ(53)を備え、左右メインフレーム(3)(3)に前記パイプ(53)を貫挿させ、前記パイプ(53)両端部をメインフレーム(3)(3)に溶接固定させ、左右メインフレーム(3)(3)の連結部材として前記パイプ(53)を取付けると共に、前記昇降シリンダ(28)を取付ける左右シリンダフレーム(54)(54)を備え、前低後高に斜設させるシリンダフレーム(54)前端を前記ペダル支点パイプ(53)に溶接固定させ、前記シリンダフレーム(54)後端をリンクフレーム(51)に溶接固定させている。
【0015】
さらに、図8乃至図10に示す如く、巻掛け径を変化させて変速比を無段階に変更する入出力無段変速プーリ(55)(56)及び無段変速ベルト(57)を変速ケース(45)に内設させ、ユニバーサルジョイント付き伝動軸(47)を介して変速ケース(45)のプーリ軸である入力軸(58)前端を前記カウンタ軸(41)後端に連結させ、入力軸(58)後端に油圧ポンプ(46)を直接連結させると共に、クラッチペダル(32)によって断続操作する多板摩擦形乾式クラッチをクラッチケース(44)に内設させ、変速ケース(45)の出力軸(59)をミッションケース(4)の入力軸に前記クラッチケース(44)を介して連結させている。
【0016】
また、テンションローラ(60)と、入出力無段変速プーリ(55)(56)のベルト巻掛け径を変化させる入出力用カム(61)(62)と、各カム(61)(62)に当接させる入出力用ローラ(63)(64)とを備えると共に、前記変速ケース(45)に変速軸(65)を介して変速アーム(66)を設け、該変速アーム(66)を介して前記変速軸(65)に各入出力用カム(61)(62)を連結させると共に、前記変速軸(65)に植付レバー(30)を連結させ、該レバー(30)操作により入出力軸(58)(59)回りに入出力用カム(61)(62)を回転させ、入出力用無段変速プーリ(55)(56)幅を変えて無段変速ベルト(57)の巻掛け径を変化させ、前記プーリ(55)(56)及びベルト(57)の変速比を無段階に変更するように構成している。
【0017】
さらに、前記出力軸(59)軸芯上にテンションアーム(67)中間を回転自在に取付け、該アーム(67)の一端側に軸(68)を介してテンションローラ(60)を回転自在に設けると共に、前記アーム(67)の他端にテンションバネ(69)の一端側を連結させ、テンションバネ(69)を緊張状態に支持させ、テンションローラ(60)を無段変速ベルト(57)に圧接させて無段変速ベルト(57)のテンションを所定以上に保つように構成している。
【0018】
さらに、図5乃至図9に示す如く、前記出力無段変速プーリ(56)の前面側に吸気ファン(70)を一体形成し、前記プーリ(56)右側の変速ケース(45)右側壁に吸気パイプ(71)を一体形成する。また、電動送風モータ(72)を有する送風ファン(73)を備えると共に、フロントアクスルケース(5)取付部とリヤアクスルケース(7)にパイプフレーム(74)前後端を固定させ、パイプフレーム(74)中間部にサブフレーム(75)を連結させ、サブフレーム(75)を機外側方に延出させて足掛台(11)などを取付けるもので、右メインフレーム(3)右機外側と前記サブフレーム(75)とによって囲む閉塞空間に前記送風ファン(73)を取付ける。そして、前記送風ファン(73)の排風口(76)と前記吸気パイプ(71)をゴム製の可撓性吸気管(77)によって連通接続させると共に、右メインフレーム(3)右側面に一体形成する送気口(78)と前記送風ファン(73)の吸込口(79)をゴム製の可撓性吸気管(80)によって連通接続させ、右メインフレーム(3)中空部の空気を、送風ファン(73)送風力と吸気ファン(70)吸込力とにより、変速ケース(45)内部の出力無段変速プーリ(56)に向けて圧送させるように構成している。
【0019】
上記から明らかなように、走行車(1)に植付部(15)を装設させて苗植作業を行う田植機において、エンジン(2)出力を伝達させる無段変速ベルト(57)及び無段変速プーリ(55)(56)を内設させる変速ケース(45)を設けると共に、該変速ケース(45)に冷却空気を送給する送風機である送風ファン(73)を設け、変速ケース(45)に送風ファン(73)から外気を入れて強制換気することにより変速ケース(45)内部温度の上昇を容易に防止し、無段変速ベルト(57)の耐久性向上、無段変速機能の向上、無段変速構造の簡略化、並びに変速ケース(45)の小型化などを図るもので、走行車(1)を構成するメインフレーム(3)とサブフレーム(75)の間に送風ファン(73)を設置させ、メインフレーム(3)またはサブフレーム(75)を利用して送風ファン(73)を取付けて支持構造の簡略化を行うと共に、メインフレーム(3)とサブフレーム(75)によって送風ファン(73)を囲むことにより、送風ファン(73)が畦などに衝突して損傷する不具合をなくすように構成している。
【0020】
また、走行車(1)を構成するメインフレーム(3)と送風ファン(73)の吸入側をホースである吸気管(80)によって接続させ、メインフレーム(3)と送風ファン(73)の相対配置構造の簡略化を行え、送風ファン(73)取付け構造の簡略化並びに着脱操作性向上などを図ると共に、変速ケース(45)と送風ファン(73)の排出側をホースである吸気管(77)によって接続させ、変速ケース(45)と送風ファン(73)の相対配置構造の簡略化を行え、変速ケース(45)と送風ファン(73)の取付け構造または着脱操作が互に制限される不具合をなくすように構成している。
【0021】
また、左右メインフレーム(3)(3)の前後端面開口に蓋(81)(82)を一体固定させ、メインフレーム(3)中空部を閉塞空間に形成すると共に、右メインフレーム(3)後部上面並びに右支柱(50)上端部側面に通気孔(83)(84)を形成し、四角パイプ形右支柱(50)中空部と右メインフレーム(3)中空部を通気孔(83)によって連通させ、さらに右支柱(50)上端部側面の通気孔(84)によって右支柱(50)中空部とリンクフレーム(51)中空部を連通させる。一方、前記リンクフレーム(51)底面に吸気孔(85)を形成し、下向きに開口させる吸気孔(85)を介してリンクフレーム(51)中空部を外部に連通させる。そして、下向き開口の吸気孔(85)からリンクフレーム(51)中空部に取入れる外部冷気を、通気孔(83)(84)及び右支柱(50)及び右メインフレーム(3)を介して送風ファン(73)に取込み、送風ファン(73)から変速ケース(45)に送込むように構成している。
【0022】
さらに、図6、図8乃至図10に示す如く、前記入力無段変速プーリ(55)の後面側に排気ファン(86)を一体形成し、前記プーリ(55)左側の変速ケース(45)左側壁に排気パイプ(87)を一体形成する。また、左メインフレーム(3)左側面に一体形成する排気取入口(88)と前記排気パイプ(87)をゴム製の可撓性排気管(89)によって連通接続させ、変速ケース(45)内部の暖気を、排気ファン(86)排気力により、左メインフレーム(3)中空部に送出させるように構成している。
【0023】
また、左メインフレーム(3)後部上面並びに左支柱(50)上端部側面に通気孔(90)(91)を形成し、四角パイプ形左支柱(50)中空部と左メインフレーム(3)中空部を通気孔(90)によって連通させ、さらに左支柱(50)上端部側面の通気孔(91)によって左支柱(50)中空部とリンクフレーム(51)中空部を連通させる。一方、前記リンクフレーム(51)底面に排気孔(92)を形成し、下向きに開口させる排気孔(92)を介してリンクフレーム(51)中空部を外部に連通させると共に、前記リンクフレーム(51)中空部を仕切板(93)によって左右に区切り、前記吸気孔(85)を形成する吸気室(94)と、前記排気孔(92)を形成する排気室(95)を、前記リンクフレーム(51)中空部に形成している。そして、左メインフレーム(3)及び左支柱(50)及び各通気孔(90)(91)を介してリンクフレーム(51)中空部に送出された変速ケース(45)からの暖気を、下向き開口の排気孔(92)からリンクフレーム(51)下方外方に向けて排出させるように構成している。
【0024】
上記から明らかなように、走行車(1)に植付部(15)を装設させて苗植作業を行う田植機において、エンジン(2)出力を伝達する無段変速ベルト(57)及び無段変速プーリ(55)(56)を変速ケース(45)に内設させ、走行車(1)の左右メインフレーム(3)(3)内側に前記変速ケース(45)を設置させ、左右メインフレーム(3)(3)を利用して変速ケース(45)の換気を行え、変速ケース(45)に取入れる冷却空気をメインフレーム(3)前端部から導入して泥水などを侵入させる不具合をなくし、変速ケース(45)の取付構造及び換気冷却構造などの簡略化並びに泥水などの侵入防止を図れるように構成している。
【0025】
また、可撓性吸気管(77)を介して変速ケース(45)を一方のメインフレーム(3)に連通させ、可撓性排気管(89)を介して変速ケース(45)を他方のメインフレーム(3)に連通させ、メインフレーム(3)に変速ケース(45)を連通させる接続構造の簡略化並びに変速ケース(45)着脱操作性の向上などを行えると共に、変速ケース(45)内部に外部冷気を取入れる吸気孔(85)をメインフレーム(3)よりも上方に形成し、また変速ケース(45)内部の暖気を排出させる排気孔(92)をメインフレーム(3)よりも上方に形成し、泥水などの侵入を防ぐ吸気孔(85)及び排気孔(92)の防水構造の簡略化を行えるように構成している。
【0026】
また、植付部(15)を取付けるリンクフレーム(51)をメインフレーム(3)に立設させ、変速ケース(45)に連通させる吸気孔(85)または排気孔(92)の少なくとも一方を前記リンクフレーム(51)に形成し、変速ケース(45)の換気ダクトとしてリンクフレーム(51)を兼用し、変速ケース(45)の換気冷却構造の簡略化並びに泥水の侵入防止などを行えると共に、変速ケース(45)に連通させる吸気孔(85)または排気孔(92)をメインフレーム(3)よりも高位置で下向きに開口させ、深田または湿田などでの苗植作業時に飛散する泥水、または洗車などによって飛散する水が、吸気孔(85)または排気孔(92)から変速ケース(45)に侵入するのを防止し、変速ケース(45)の換気冷却効率の向上並びに雨水などの侵入防止を行えるように構成している。
【0027】
さらに、図9、図10に示す如く、前記入力無段変速プーリ(55)の排気ファン(86)外周に延設させる外周送風ガイド体(96)及び補助ガイド体(97)を変更ケース(45)に一体形成すると共に、入力無段変速プーリ(55)の排気ファン(86)内周に延設させる内周送風ガイド体(98)を変速ケース(45)に一体形成する。また、外周送風ガイド体(96)の延設端部を排気パイプ(87)開口下縁側に連設させると共に、排気ファン(86)が送出する内部暖気を排気パイプ(87)に導出させる送出ガイド体(99)を変速ケース(45)に一体形成し、内周送風ガイド体(97)の延設端部を排気パイプ(87)開口上縁側に前記送出ガイド体(99)を介して連設させている。そして、前記排気パイプ(87)を一体形成する変速ケース(45)の円弧形左側壁(100)と、前記外周送風ガイド体(96)及び補助ガイド体(97)によって囲む変速ケース(45)内部空間に送風ファン室(101)を形成し、該送風ファン室(101)に前記排気ファン(86)を内設させると共に、前記排気パイプ(87)に排出側を連通させる排風路(102)を、外周送風ガイド体(96)と内周送風ガイド体(98)及び送出ガイド体(99)の間に形成し、テンションローラ(60)を配設させる変速ケース(45)内部略中央上方側に向けて前記排風路(102)の吸込側を開放させるもので、入力無段変速プーリ(55)後面と変速ケース(45)後側壁とで前後を閉塞した送風ファン室(101)内で排気ファン(86)を正面視反時計方向に回転させ、外周送風ガイド体(96)と補助ガイド体(97)の間に形成する吸引口(103)から変速ケース(45)内部暖気を送風ファン室(101)に吸引し、その内部暖気を排風路(102)を介して排気パイプ(87)に排出させるように構成している。
【0028】
上記から明らかなように、走行車(1)に植付部(15)を装設させて苗植作業を行う田植機において、エンジン(2)出力を伝達させる無段変速ベルト(57)及び無段変速プーリ(55)(56)を変速ケース(45)に内設させ、該変速ケース(45)と前記無段変速プーリ(55)の間に送風ファン室(101)を形成し、変速ケース(45)内部の暖気を送風ファン室(101)に吸引させることによって変速ケース(45)外部に効率良く排気させ、前記変速ケース(45)の排気効率の向上によって変速ケース(45)内部に外部冷気を効率良く導入させ、変速ケース(45)内部の温度上昇を防いで無段変速ベルト(57)の耐久性を向上させると共に、変速ケース(45)内部に換気用の空間を特別に形成する必要がなく変速ケース(45)を小型に構成し、変速ケース(45)内部暖気の排出効率向上、並びに外部冷気取入れ換気効率の向上、並びに無段変速構造のコンパクト化、並びに無段変速性能の向上などを図れるように構成している。
【0029】
また、変速ケース(45)の一側部から外部冷気を吸込みかつ他側部から内部暖気を排出させると共に、変速ケース(45)の内部暖気排出側に送風ファン室(101)を設け、内部暖気の強制排出によって負圧になる変速ケース(45)内部に外部冷気を効率良く取込み、変速ケース(45)の換気効率向上を行えると共に、入力無段変速プーリ(55)を兼用して送風ファンである排気ファン(86)を形成し、無段変速前の安定した回転数で排気ファン(86)を駆動でき、前記プーリ(55)兼用によるファン(86)構造の簡略化並びに略定回転による換気性能維持などを図れるように構成している。
【0030】
また、排気ファン(86)外周に延設させる外周送風ガイド体(96)を変速ケース(45)に設け、送風ファン室(101)構造の簡略化並びに送風機能の向上などを図ると共に、排気ファン(86)内周に延設させる内周送風ガイド体(98)を変速ケース(45)に設け、送風ファン室(101)構造の簡略化並びに送風機能の向上などを容易に図るもので、排気ファン(86)が送出する内部暖気を送出口である排気パイプ(87)に導出させる送出ガイド体(99)を変速ケース(45)に設け、送風ファン室(101)を取込んだ暖気が変速ケース(45)内部に戻るのを前記送出ガイド体(99)によって防止し、内部暖気の循環を防いで換気を効率良く行わせるように構成している。
【0031】
さらに、図11に示す如く、前記送風モータ(72)にこの駆動電源(104)を印加する送風スイッチ(105)を設けると共に、前記植付レバー(30)に送風スイッチ(105)を連結させ、植付レバー(30)の植付クラッチ切操作によって送風スイッチ(105)をオフに切換え、植付部(15)停止操作によって送風ファン(73)を停止させる一方、植付レバー(30)の植付クラッチ入り操作によって送風スイッチ(105)をオンに切換え、植付部(15)駆動操作によって送風ファン(73)を駆動させるもので、植付部(15)の駆動または停止操作によって送風ファン(73)を駆動または停止させるように構成し、高負荷運転になる植付作業時だけ送風ファン(73)を作動させ、前記送風ファン(73)の運転効率の向上並びに送風ファン(73)の駆動または停止忘れの防止などを図れるように構成している。
【0032】
さらに、図12に示す如く、1条分の複数のマット形植付苗(106)…を上下多段に載せて最下部に自動的に上方の苗(106)を補給する苗載棚(107)を備え、図1に示す苗載台(16)に代えて前記苗載棚(107)を植付部(15)に着脱交換自在に搭載するもので、苗載棚(107)を交換して苗の補給を行い、図2の構造に比べて苗継回数を低減させると共に、苗載棚(107)を育苗棚として利用し、育苗施設と圃場間の苗の運搬を効率良く行わせるように構成している。
【0033】
【発明の効果】
以上実施例から明らかなように、請求項1に係る発明は、走行車(1)に苗植作業用の植付部(15)を装設させ、前記走行車(1)のメインフレーム(3)に変速ケース(45)を配設し、エンジン(2)からの出力を伝達させるための無段変速ベルト(57)及び無段変速プーリ(55)(56)を前記変速ケース(45)に内設させてなる田植機において、前記メインフレーム(3)に設けたアクスルケース(5)(7)にパイプフレーム(74)が連結され、前記メインフレームの下方で該メインフレームと略平行に前記パイプフレームが配置され、足掛台(11)を取付けるためのサブフレーム(75)が前記パイプフレーム(74)に連結され、前記メインフレーム(3)または前記サブフレーム(75)の少なくともいずれか一方に、前記変速ケース(45)に冷却空気を送給するための送風機(73)を取付け、前記メインフレーム(3)の中空部と前記送風機(73)の吸入側とが吸入側ホース(80)によって接続され、前記変速ケース(45)の内部と前記送風機(73)の排出側とが排出側ホース(77)によって接続され、左右の前記メインフレーム(3)の間に前記変速ケース(45)が配置され、一方の前記メインフレーム(3)の外側と前記サブフレーム(75)の上面との間に前記送風機(73)が配置され、前記メインフレーム(3)と前記サブフレーム(75)と前記パイプフレーム(74)とによって前記送風機(73)及び吸入側ホース(80)及び排出側ホース(77)の一側及び下方を囲むように構成しているものであるから、前記メインフレーム(3)または前記サブフレーム(75)の利用によって前記送風機(73)の取付け構造を簡略化できると共に、前記メインフレーム(3)と前記サブフレーム(75)と前記パイプフレーム(74)とによって前記送風機(73)を保護でき、前記送風機(73)が畦などに衝突して損傷する不具合をなくすことができるものである。
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
請求項2に係る発明は、前記植付部(15)の駆動または停止操作によって、前記送風ファン(73)を駆動または停止させるように構成したものであるから、植付作業時だけ前記送風ファン(73)を作動でき、前記送風ファン(73)の運転効率を向上でき、且つ前記送風ファン(73)の駆動または停止忘れなどを防止できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用田植機の全体側面図である。
【図2】乗用田植機の全体平面図である。
【図3】走行車の側面図である。
【図4】走行車の平面図である。
【図5】走行車後部の側面説明図である。
【図6】走行車後部の平面説明図である。
【図7】変速ケース部の右側面説明図である。
【図8】変速ケース部の正面説明図である。
【図9】変速ケース部の断面平面説明図である。
【図10】入力無段変速プーリ部の拡大正面説明図である。
【図11】送風ファン制御説明図である。
【図12】変形例を示す全体側面図である。
【符号の説明】
(1)走行車
(2)エンジン
(3)メインフレーム
(5)(7)アクスルケース
(15)植付部
(45)変速ケース
(55)入力無段変速プーリ
(56)出力無段変速プーリ
(57)無段変速ベルト
(73)送風ファン(送風機)
(74)パイプフレーム
(75)サブフレーム
(77)(80)可撓性吸気管(ホース)
Claims (2)
- 走行車に苗植作業用の植付部を装設させ、前記走行車のメインフレームに変速ケースを配設し、エンジンからの出力を伝達させるための無段変速ベルト及び無段変速プーリを前記変速ケースに内設させてなる田植機において、
前記メインフレームに設けたアクスルケースにパイプフレームが連結され、前記メインフレームの下方で該メインフレームと略平行に前記パイプフレームが配置され、足掛台を取付けるためのサブフレームが前記パイプフレームに連結され、
前記メインフレームまたは前記サブフレームの少なくともいずれか一方に、前記変速ケースに冷却空気を送給するための送風機を取付け、
前記メインフレームの中空部と前記送風機の吸入側とが吸入側ホースによって接続され、前記変速ケースの内部と前記送風機の排出側とが排出側ホースによって接続され、
左右の前記メインフレームの間に前記変速ケースが配置され、一方の前記メインフレームの外側と前記サブフレームの上面との間に前記送風機が配置され、
前記メインフレームと前記サブフレームと前記パイプフレームとによって前記送風機及び吸入側ホース及び排出側ホースの一側及び下方を囲むように構成していることを特徴とする田植機。 - 前記植付部の駆動または停止操作によって、前記送風機を駆動または停止させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の田植機。
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