JP3805153B2 - 電子部品供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マウンタ本体にチップ部品などを供給するために、例えば多数のテープカセットを横並びに且つスライド自在に搭載した電子部品供給装置に関し、更に言えば、電子部品を取出した後のテープ屑を切断するカッター機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の電子部品供給装置として、例えば横並びの多数のテープカセットを搭載したカセットベースと、カセットベースをその長手方向にスライド自在に載置した機台とを備え、ボールネジ方式により当該カセットベースを移動させ、所望のテープカセットをマウンタ本体に臨ませるようにしている。
【0003】
また、カセットベースと機台との間に組み込んだリニアモータにより、カセットベースを移動させ、高速移動を可能にする技術が開発されている(特開昭61−239696号公報等)。
【0004】
このリニアモータは、機台に固定した一対の固定子と、カセットベースの下面に下垂した可動子とから成り、一対の固定子は可動子をその両側から挟むように配設されている。そして、固定子は多数のマグネットを機台の長手方向に列設して構成され、可動子は磁性体の構造物に励磁コイルを巻回して構成されている。
【0005】
このように、多数のテープカセットを搭載したカセットベースを水平移動させて、所望のテープカセットを部品供給位置に移動させてなる部品供給装置では、カセットベースの水平移動中に電子部品が取出された後のテープ屑が邪魔しないように適宜切断する必要があった。そのため、部品供給位置に到達したテープカセットのテープ屑をカッター機構により切断するようにしていた。尚、全てのテープカセット本体にカッター機構を具備させても良いが、コスト的に不利である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したようにカセットベースを水平移動させ、部品供給位置に到達したテープカセットのテープ屑をカッター機構により切断する構成では、以下に説明する問題があった。
【0007】
即ち、マウンタの高速化に伴い、各ユニット間の動作タイミングをオーバーラップさせている。例えば、カセットベースの水平移動とカッター機構による切断作業とをオーバーラップさせる場合には、図11に示すようにカセットベースの水平移動停止時(図11に示すタイミングT1)に、カッター機構のカッター刃(上刃と下刃)はテープ屑が入り込めるだけのスペース(上刃と下刃の間隔:h(図10参照))がなければならない。そして、カッター刃が閉じてテープ屑を切断後、再びカッター刃が開き始め上記スペース(h)を確保した後、カセットベースが水平移動される(図11に示すタイミングT2)。
【0008】
このとき、カセットベースの水平移動サイクルが決定していると、カッター刃の開閉動作を調整して対処するしかなくなる。つまり、カッター刃の開閉動作を高速動作させることになる。しかし、この場合にはテープ切断時の振動や音が大きくなりすぎて、実用性が低い。
【0009】
従って、本発明ではカセットベースの水平移動サイクルが決定している場合においても、カッター刃の開閉動作を極端に高速動作させることなく、安定したテープ切断作業を可能にする電子部品供給装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の電子部品供給装置は、機台11上にスライド自在に載置され、多数のテープカセット13を搭載したスライドベース12を水平移動させて、所望のテープカセット13にテープ収納された電子部品Aを部品供給位置に供給し、前記スライドベース12の水平移動により部品供給位置に到達したテープカセット13の既に電子部品Aが取出された後のテープ屑を切断するカッター機構60を具備し、前記カッター機構60の下刃63が軸62を支点に上刃61側に揺動し、かつ前記スライドベース12の水平移動と前記カッター機構60の切断作業とがオーバーラップしてなるものにおいて、前記下刃形状がその中央部を境にして両端部に向かって所定角度の傾斜を有していることを特徴とする。尚、第1の実施形態の下刃63形状は凸型(図5参照)で、第2の実施形態の下刃63A形状は凹型(図8参照)であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の電子部品供給装置は、機台11上にスライド自在に載置され、多数のテープカセット13を搭載したスライドベース12を水平移動させて、所望のテープカセット13にテープ収納された電子部品Aを部品供給位置に供給し、前記スライドベース12の水平移動により部品供給位置に到達したテープカセット13の既に電子部品Aが取出された後のテープ屑を切断するカッター機構60を具備し、前記カッター機構60の下刃63が軸62を支点に上刃61側に揺動し、かつ前記スライドベース12の水平移動と前記カッター機構60の切断作業とがオーバーラップしてなるものにおいて、図9に示すように前記カッター機構60Aが、その一端部が下刃63Bに嵌合され、その他端部が揺動することで当該下刃63Bを上下動可能にする揺動体65と、前記揺動体65の揺動による前記下刃63Bの上下動時に当該下刃63Bをガイドするガイド体(下刃ガイド66と、当該下刃ガイド66に上下動可能に設けられた下刃上下ガイド67)とを有するもので、その下刃形状がその中央部を境にして両端部に向かって所定角度の傾斜を有していることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の第1の実施形態に係る電子部品供給装置を搭載した高速マウンタについて説明する。
【0017】
図1は高速マウンタの側面図であり、図2はその供給系廻りの外観斜視図である。両図に示すように、この高速マウンタ1は、装置本体2を挟んで相互に平行に、電子部品Aを供給する供給系3と、電子部品Aを基板Bに装着する装着系4とを配して構成されており、供給系3は電子部品供給装置(3)で構成されている。
【0018】
装置本体2には、駆動系の主体をためすインデックスユニット6と、これに連結された回転テーブル7と、回転テーブル7の外周部に搭載した複数個(12個)の装着ヘッド8とが設けられており、回転テーブル7は、インデックスユニット6により、装着ヘッド8の個数に対応する間欠ピッチで間欠回転される。回転テーブル7が間欠回転すると、各装着ヘッド8に搭載した吸着ノズル9が供給系3及び装着系4に適宜臨み、供給系3から供給された電子部品Aを吸着した後、装着系4に回転搬送し、装着系4に導入した基板Bにこれを装着する。
【0019】
供給系を構成する電子部品供給装置3は、前後方向に長い機台11と、機台11上にスライド自在に搭載した4つのスライドベース(ユニットベース)12と、各スライドベース12に着脱自在に装着した多数のテープカセット(部品供給ユニット)13と、機台11と各スライドベース12との間に組み込んだリニアモータ14とを備えている。4つのスライドベース12は、その2つを一組として機台11の前後に配置され、各組のスライドベース12,12を介して2組のテープカセット13群を交互に装置本体2に臨ませるようにしている。即ち、それぞれ多数のテープカセット13を搭載した片側2つのスライドベース12,12が、装置本体2の位置に移動(スライド)して部品供給動作している間に、ホーム(原点)位置にある他方の2つのスライドベース12,12上では、次の作業に向けてテープカセット13の交換作業が行われる。
【0020】
図2及び図3に示すように、各テープカセット13は薄手に形成され、この薄手に形成された多数のテープカセット13は、スライドベース12の上面に狭い間隙を存して横並び搭載されている。この場合、各テープカセット13は、スライドベース12の上面に位置決めされ、且つレバー操作により着脱自在に装着されている。そして、スライドベース12に装着されたテープカセット13の先端部には、電子部品Aを吸着すべく、装置本体2の装着ヘッド8(吸着ノズル9)が臨むようになっている。テープカセット13には、所定のピッチで電子部品Aが装填されたキャリアテープCが、テープリール16に巻回された状態で搭載されており、電子部品Aは、テープリール16から繰り出されたキャリアテープCから随時、吸着ノズル9により吸着されていく。
【0021】
スライドベース12は、左右の接合部材21A,21bを介して位置決め固定された上側のベースブロック22と下側のスライドブロック23とで構成されている。ベースブロック22の上面には、上記のテープカセット13が装着され、スライドブロック23の下面には左右一対のスライダ24A,24bが設けられている。ベースブロック22は、水平部26と傾斜部27とで一体に形成され、水平部27に装着されたテープカセット13に対し傾斜部27は、テープリール16を逃げた位置に配設されている。
【0022】
スライドブロック23は、上水平部29と垂直部30と下水平部31とで、断面クランク状に一体に形成され、また垂直部30から下水平部31にかけてその外側には、適宜リブ部32が形成されている。上水平部29は、一方の接合部材21Aを介してベースブロック22の水平部26を支持し、リブ部32は、他方の接合部材21bを介してベースブロック22の傾斜部27を支持している。また、上水平部29の外端部下面には上記の第1のスライダ24Aが固定されると共に、下水平部31の外端部下面には上記の第2のスライダ24bが固定されている。
【0023】
更に、上水平部29の外端部下面には、機台11に取り付けたスケール34との間にリニアエンコーダ35を構成する光センサ36が垂設されている。また、下水平部31の外端部上面には、ブラケット37を介してリニアモータ14に制御信号や電力を供給するケーブルベア38の端部が連結されている。なお、図中の符号39は、フォトインタラプタであり、このフォトインタラプタ39は、各スライドベース12がホーム(原点復帰)位置をオーバーランした場合に、これを検出する。
【0024】
機台11は、機台本体41と鉛直ブロック42とで構成され、鉛直ブロック42の端部上面には、第1のスライダ24Aが係合する第1のスライドレール43Aが取り付けられ、機台本体41の端部上面には、第2のスライダ24bが係合する第2のスライドレール43bが取り付けられている。また、鉛直ブロック42の上面には水平に延びる上マグネットベース44が取り付けられ、この上マグネットベース44に対応して機台本体41の上面には下マグネットベース45が取り付けられている。
【0025】
リニアモータ14は、機台11に固定された上下一対の固定子47A,47bと、スライドベース12に固定された可動子48とを備えている。上下一対の固定子47A,47bのうち上固定子47Aは、上マグネットベース44の下面に下向きに固定され、下固定子47bは、下マグネットベース45の上面に上向きに固定されている。一方、可動子48は、スライドベース12とほぼ同じ長さを有しており、スライドブロック23の垂直部30の側面に固定されている。この状態で、可動子48の上面は上固定子47Aに、下面は下固定子47bにそれぞれ間隙(エアーギャップ)を存して対峙している。即ち、可動子48と上下両固定子47A,47bとは上下に対峙し、全体としてリニアモータ14を構成している。
【0026】
各スライドブロック23に固定された可動子48は、磁性体の構造物に励磁コイルを巻回して構成され(図示省略)る一方、上下各固定子47A,47bは、図4に示すように、機台(上下各マグネットベース44,45)11の長手方向に多数のマグネット49を列設して構成されている。この場合、多数のマグネット49は、相互に微小な間隙50を存して等間隔に列設されており、且つ各間隙50には、樹脂51がモールドされている。即ち、上下各固定子47A,47bの表面は、面一になるように、多数のマグネット49の各間隙50が樹脂51でモールドされている。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、リニアモータ14における可動子48と上下両固定子47A,47bとを、上下に対峙するように配設しているため、可動子48及び上下両固定子47A,47bは、上側から上マグネットベース44で覆われることになる。このため、吸着ミスにより弾かれた電子部品Aや屋内のゴミなどが、リニアモータ14の上側に落下してきても、上マグネットベース44がリニアモータ14を覆う庇のように機能して、特に上下各固定子47A,47bに電子部品Aやゴミが、吸着あるいは付着するのを防止することができる。
【0028】
従って、電子部品Aなどが各固定子47A,47bと可動子48の間に噛み込んで、リニアモータ14の駆動が阻害されるのを、確実に防止することができる。 このように上マグネットベース44は、防塵用の部材を兼ねており、その先端部は、上固定子47Aに対し外側に十分に張り出していることが好ましい。特に、磁力が飽和する程度に上マグネットベース44が外側に張り出していることが、より好ましい。また、上マグネットベース44を、鉛直ブロック42と一体に形成してもよい。
【0029】
一方、上下各固定子47A,47bのマグネット49の各間隙50を樹脂51でモールドしているため、この間隙50に落下してきた電子部品Aやゴミなどが溜まることがなく、この点でも、電子部品Aなどが各固定子47A,47bと可動子48の間に噛み込むのを未然に防止することができる。なお、このモールド樹脂51により、マグネット49の各間隙50のみならず、上下各固定子47A,47bの表面も薄く被覆することが、好ましい。
【0030】
次に、本発明の特徴をなす、前記スライドベース12の水平移動により部品供給位置に到達したテープカセット13の電子部品Aが取出されたテープ屑を切断するカッター機構60(特に、図5参照)について従来構成(特に、図10参照)と対比させながら説明する。
【0031】
本発明者は、スライドベース12の水平移動とカッター機構60によるテープ切断作業をオーバーラップさせる構成で、スライドベース12の水平移動サイクルが決定している場合において、カッター刃の開閉動作を極端に高速動作させることなく、テープ切断できる技術を発明した。
【0032】
即ち、本発明者は、図10に示す従来のカッター機構70、特に、その下刃形状に着目した。従来のカッター機構70は、固定の上刃71と軸72を支点に揺動する下刃73でテープ屑(図示省略)を挟んで切断する機構である。
【0033】
図10に示す寸法L1は、前記軸72を支点に下刃73を揺動させる(⇔方向へ動かす)際のストロークで、寸法hは前述したようにスライドベース12が水平移動停止した時に、必要な上刃71と下刃73との間隔である。
【0034】
図11は上記従来構成のカッター機構70によるスライドベース12の水平移動とカッター機構70によるテープ切断作業のオーバーラップ状態を説明するための図であり、この図から判るようにスライドベース12が水平移動停止した時点(タイミングT1)で、上刃71と下刃73との間で必要な間隔hを確保するためには、上刃71と下刃73との開閉動を高速で行う必要があった。即ち、前記した全ストロークL1のうち、ストロークL3(後述するストロークL2より短い。)だけ揺動させただけで、上記間隔hに達してしまう。従って、下刃73の閉動作の開始(タイミングtb)を(後述するタイミングtaよりも)遅らせる必要がある。そのため、従来構成のカッター機構70では後述する図7に示す本発明のカッター刃の開閉動サイクルに比して、図11に示すようにカッター刃の開閉動サイクルが急峻となり、カッター開閉動による振動や音が大きくなるという問題が発生していた。
【0035】
そこで、本発明者は下刃の形状を改良することで、上記問題に対応することにした。
【0036】
即ち、同じストローク(寸法L1)で下刃を揺動した際に、テープ屑に当接するタイミングをできるだけ遅らせる(図5に示すストロークL2>ストロークL3)ことで、カッター刃の開閉動を高速で行う必要性をなくすことを考えた。
【0037】
以下、本発明のカッター機構60の構成について説明する。
【0038】
図5において、当該カッター機構60は、従来のカッター機構70と同様に、固定の上刃61と軸62を支点に揺動する下刃63でテープ屑(図示省略)を挟んで切断する機構である。
【0039】
そして、図5に示す寸法L1は、前記軸62を支点に下刃63を揺動させる(⇔方向へ動かす)際のストロークで、寸法hはスライドベース12が水平移動停止した時に、必要な上刃61と下刃63との間隔であり、従来(図10)と同等である。
【0040】
ここで、本発明の特徴は、下刃63の形状であり、図5に示すように凸型(ハッチングされた領域)形状となっていることである。従来の下刃73の形状は図10に示すように、一般的によく見かける事務用のハサミと同様に手前(軸72)側が高くなった(ハッチングされた領域)形状となっていた。尚、切断対象を切断する際には、刃にある程度の傾斜を持たせておくことで、切れ味が良くなる。
【0041】
このように、従来の下刃73形状では手前(軸72)側が傾斜して高くなっているため、その部分が早くテープ屑に当接してしまうことになる。
【0042】
そこで、本発明では上述したように下刃63形状がその中央部を境にして両端部に向かって所定角度(シャー角とも言う。)の傾斜を有した凸型としたことで、テープ屑への当接タイミングを遅らせられる形状とした。これにより、従来に比してカッターの開閉動を低速化できる。
【0044】
図7は上記本発明構成のカッター機構60によるスライドベース12の水平移動とカッター機構60によるテープ切断作業のオーバーラップ状態を説明するための図であり、図5に示すカッター刃の開閉動作を説明する図を参照しながら説明すると、先ず図5(a)はカッター刃(下刃63)が初期位置にある(開動作)状態を示し、このときスライドベース12は部品供給位置への水平移動途中である(図7のI領域)。
【0045】
次に、図5(b)はカッター刃(下刃63)が所定量揺動(ストロークL2)した状態を示し、このときスライドベース12は水平移動が停止され、部品供給位置にスライドベース12上に搭載された所望のカセットテープ13が位置される(図7のII点)。尚、このときの上刃61と下刃63との間隔は、必要な間隔(寸法h)が確保されている。
【0046】
続いて、図5(c)はカッター刃(下刃63)が全ストロークL1揺動した状態を示し、前記カセットテープ13のテープ屑がカッター刃により切断される(図7のIII領域)。
【0047】
そして、図示しないがカッター刃が再び開動作され、当該カッター刃が所定量開(寸法h)いた後、前記スライドベース12の水平移動が開始される。
【0048】
また、本実施形態では説明の便宜上、切断するテープ屑は部品供給位置に到達した1つのカセットテープ13のみから出るテープ屑であるかのごとく説明してきたが、本発明はそれに限定されるものではなく、部品供給位置に到達した所望のカセットテープ13と隣り合う複数のカセットテープ13から出るテープ屑を共に切断するものであっても良く、その場合には当然のことながら複数のテープ屑を切断できる刃サイズが必要である。尚、本実施形態では図6に示すように扱うテープのうち、最大テープ幅に対応可能な刃サイズのものを用いており、この最大テープ幅内に入る範囲内で、複数のテープ屑が切断可能になる。
【0049】
更に、本発明のカッター刃は、図6(a),(b)に示すようにほぼ中央部を境にして両端部に向かうに従って所定角度で傾斜を持たせている。これは、カッター刃による切れ味を良くするためのものであり、検証により、切断対象(この場合、テープ屑)に対して刃先がおよそ10度の傾斜で当接しながら切断すると最も良く切れることが判った。そこで、本実施形態では、ほぼ中央部を境におよそ10度近辺の傾斜を持たせている(図6の傾斜角度θ1,θ2,θ3参照)。
【0050】
尚、上刃61の先端部にテーパー部を形成することで、この上刃61と下刃63との間隔が(上刃がストレートであるものに比して)広くなり、カッター下刃先端部での適性角度θ3が得られる。
【0051】
以上、説明したようにスライドベース12が水平移動停止した時点で、上刃61と下刃63との間で必要な間隔hを確保するために、同じストローク(寸法L1)で下刃を揺動させた際に、テープ屑に当接するタイミングが遅くなる(テープ屑に当接するまでの下刃63の揺動ストロークがL3からL2(>L3)に伸びる)カッター刃形状としたことで、従来のようにカッター刃の開閉動を高速で行わなくても良くなり、カッター開閉動時の振動や音が大きくなるという問題を抑止できる。
【0052】
以下、本発明の他の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、同等の構成については同符号を付し説明を簡略化する。
【0053】
先ず、図8に示す第2の実施形態の特徴は、第1の実施形態の(図5等に示す)下刃63形状(即ち、その中央部を境にして両端部に向かって所定角度の傾斜を有した凸型形状)に代えて、その中央部を境にして両端部に向かって所定角度の傾斜を有した凹型形状(ハッチング領域)の下刃63Aを備えたことである。
【0054】
そして、下刃形状をほぼ中央部を境にして所定角度を持って傾斜させた凹型にしたことで、第1の実施形態と同様にテープ屑を切断する際の切れ味が良くなると共に、複数のテープ屑にも対応可能になる。
【0055】
また、図9に示す第3の実施形態の特徴は、凸型形状の下刃63Bを上刃61方向に向けて上下(スライド)移動させることで、テープ屑を切断するものである。尚、下刃63Bは、凸型形状に限らず、例えば凹型形状であっても良い。
【0056】
図9において、当該カッター機構60Aについて説明すると、一端部が下刃63Bに嵌合され(例えば、カムフォロア64でリンクさせ)た揺動体65(図9に一点鎖線で示す)の他端部が矢印(⇔)方向に揺動されることで、前記下刃63Bが下刃ガイド66に上下動可能に設けられた下刃上下ガイド67にガイドされながら、前記上刃61方向に移動されてテープ屑が切断される。尚、図9に示す寸法L11は前記揺動体65の揺動全ストロークで、寸法L12は前記スライドベース12が水平移動停止した時に、必要な上刃61と下刃63Bとの間隔(寸法hとなる)までのストロークである。従って、この寸法L12が長くなるように前記下刃63B形状は設計されている。
【0057】
そして、本実施形態の効果として、前述した第1の実施形態と同様にテープ屑に当接するタイミングを遅らせることができ、カッター刃を従来のように高速開閉動作させる必要がなくなり、開閉動作時の振動や音を小さくすることができる。また、下刃形状をほぼ中央部を境にして所定角度を持って傾斜させた凸型あるいは凹型形状としたことで、テープ屑を切断する際の切れ味が良くなると共に、複数のテープ屑にも対応可能になる。更に重要な点は、第1及び第2の実施形態では上記複数のテープ屑や幅広なテープ屑を切断する際に、下刃自体が揺動しながらのテープ屑を切断するのに対し、本実施形態では下刃63Bがその設計した刃形状のままでテープ屑を切断するため、切断作業性が良いという効果がある。また、どの切断位置もシャー角を最適な一定な角度にでき、どの位置でも最適な切れ味とすることができる。更に、どの切断位置も同一の力で切断することになり、駆動源の負荷を一定にすることができる。
【0058】
尚、本発明はスライドベース12の水平移動とカッターによる切断作業とがオーバーラップされたものに適用した場合、特に有効である。
【0059】
【発明の効果】
本発明の電子部品供給装置によれば、多数の部品供給ユニットを搭載したユニットベースを移動させ、所望の部品供給ユニットにテープ収納された電子部品を部品供給位置に供給し、前記ユニットベースの水平移動により部品供給位置に到達した部品供給ユニットの既に電子部品が取出された後のテープ屑を切断するカッター機構の下刃が、一軸を支点に上刃側に揺動し、かつ前記ユニットベースの水平移動と前記カッター機構の切断作業とがオーバーラップしてなるものにおいて、下刃形状をその中央部を境にして両端部に向かって所定角度の傾斜を有した凸型形状としたため、当該下刃が揺動した際のテープ屑に当接するタイミングを遅らせることができる。従って、カッター刃を従来のように高速開閉動作させる必要がなくなり、開閉動作時の振動や音を小さくすることができる。
【0060】
また、下刃形状をほぼ中央部を境にして所定角度を持って傾斜させた凸型あるいは凹型形状としたことで、テープ屑を切断する際の切れ味が良くなると共に、複数のテープ屑にも対応可能になる。
【0062】
また、凸型あるいは凹型形状の下刃を上刃方向に向けて上下(スライド)移動させることで、下刃自体が揺動しながらのテープ屑を切断するものに比して、下刃が設計した刃形状のままでテープ屑に当接しながらテープ屑を切断するため、切断作業性が良い。更に、どの切断位置もシャー角を最適な一定な角度にでき、どの位置でも最適な切れ味とすることができ、しかも、どの切断位置も同一の力で切断することになり、駆動源の負荷を一定にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る電子部品供給装置を備えた高速マウンタの側面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る電子部品供給装置の外観斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る電子部品供給装置の拡大断面図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る電子部品供給装置の固定子廻り断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る電子部品供給装置のカッター機構を示す正面図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る電子部品供給装置のカッター機構を示す正面図である。
【図7】ユニットベースの水平移動と本発明のカッター機構によるテープ切断作業のオーバーラップ状態を説明するための図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る電子部品供給装置のカッター機構を示す正面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る電子部品供給装置のカッター機構を示す正面図である。
【図10】従来のカッター機構を示す正面図である。
【図11】ユニットベースの水平移動と従来のカッター機構によるテープ切断作業のオーバーラップ状態を説明するための図である。
【符号の説明】
1 高速マウンタ
2 装着本体
3 電子部品供給装置(供給系)
9 吸着ノズル
11 機台
12 スライドベース
13 テープカセット
14 リニアモータ
49 マグネット
60 カッター機構
61 上刃
62 軸
63 下刃
Claims (4)
- 機台上にスライド自在に載置され、多数の部品供給ユニットを搭載したユニットベースを水平移動させて部品供給位置に到達した所望の部品供給ユニットから電子部品が取出されたテープ屑を切断するカッター機構を具備し、前記カッター機構の下刃が一軸を支点に上刃側に揺動し、かつ前記ユニットベースの水平移動と前記カッター機構の切断作業とがオーバーラップしてなる電子部品供給装置において、
前記下刃形状がその中央部を境にして両端部に向かって所定角度の傾斜を有していることを特徴とする電子部品供給装置。 - 機台上にスライド自在に載置され、多数の部品供給ユニットを搭載したユニットベースを水平移動させて部品供給位置に到達した所望の部品供給ユニットから電子部品が取出されたテープ屑を切断するカッター機構を具備し、前記カッター機構の下刃が一軸を支点に上刃側に揺動し、かつ前記ユニットベースの水平移動と前記カッター機構の切断作業とがオーバーラップしてなる電子部品供給装置において、
前記カッター機構が、その一端部が下刃に嵌合され、その他端部が揺動されることで当該下刃を上下動可能にする揺動体と、前記揺動体の揺動による前記下刃の上下動時に当該下刃をガイドするガイド体とを有するもので、その下刃形状がその中央部を境にして両端部に向かって所定角度の傾斜を有していることを特徴とする電子部品供給装置。 - 前記下刃形状が凸型形状をしていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の電子部品供給装置。
- 前記所定角度がおよそ10度であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の電子部品供給装置。
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