JP3805002B2 - 精子充填ストローの冷却用フロート - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、精子充填ストローの冷却用フロートに関し、特にトランスジェニックマウスおよびノックアウトマウス精子充填ストローの凍結保存に用いるマウス精子充填ストローの冷却用フロートに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、トランスジェニックマウス(Tgマウスという)およびノックアウトマウス(KOマウスという)の作製技術が確立され、いろいろな分野で種々のTgマウスやKOマウスが次々と作製されている。そして、その系統はおびただしい数になることが予想される。現在、これらのTgマウスおよびKOマウスは一般に生体のままで系統維持が成されているが、飼育スペース、経費および労力の面で限度があり、最近では作成された多数のTgマウスおよびKOマウスの系統保存として、初期胚の凍結保存が行われている。しかし、Tgマウスにおいては、導入された遺伝子、また、KOマウスは、破壊された特定の遺伝子以外の遺伝子が子孫に伝達されればよい良いわけで、必ずしも胚で凍結しておく必然性はなく、精子を凍結保存しておけばよい。この精子の凍結保存は、将来その系統を再確立するのに十分である多数の精子を最小のスペースで保存できるという利点がある。
【0003】
しかしながら、従来のマウス精子充填ストローの冷却は、0.3〜0.5℃/分という速度で緩慢に凍結したものや液体窒素に直接に浸漬する急速凍結したものでは、融解して体外受精、胚移植あるいは人工授精といった手段での結果が、新鮮精子のものに比べてよくなかった。そこで、前記精子充填ストローを手動で徐々に徐々に冷媒中に浸漬を行う必要があり、その冷却操作が面倒であるという問題があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、精子を充填したストローが、適度な速度で冷却することができる精子充填ストローの冷却用フロートを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の精子充填ストローの冷却用フロートは、プラスチック製取手棒の端部に、プラスチック製筒状体が固定され、前記プラスチック製筒状体内の底部に発泡プラスチックが充填されていることを特徴とする。
【0006】
以下に本発明を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0007】
図1は、本発明の実施態様を示す一部破断側面図である。図中の1は、プラスチック製の取手棒であり、その材質は超低温に耐えるものであれば特に限定されることなく、例えばアクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレ、ポリ塩化ビニル等の棒状体のものがあげられる。また、その太さや断面形状も特に限定されず、例えば直径または一辺が3〜6mm程度の円形、角形のいずれでもよい。さらに、取手棒の長さは、図2に示すデュワービン6の中の液体窒素8にフロートを浮かせた際に取手棒がデュワービンの入口7の外に出る程度であればよい。
【0008】
また、図中の2は、図2に示されるように精子充填ストロー4を収納して冷却するプラスチック製の筒状体である。この筒状体は有底でも無底でもよいが、底の無い場合は発砲プラスチックで底を形成する。またその筒状体の横断面は、円に限らず楕円、三角形その外の多角形であってもよい。このプラスチックの材質は、特に限定されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル等があげられるが、特に透明性が求められる場合は、アクリル樹脂がよい。また、この容量は、前記の精子充填ストローを収納できる空間5のあるものであれば特に制限はなく、通常は50mlの注射器外筒程度の容量のものが用いられる。
【0009】
また、このプラスチック製の筒状体内の底部には、発泡プラスチックが充填されている。この発泡プラスチックの例としては、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタン等があげられる。また、その充填量は、図2に示すようにデュワービン6中の液体窒素8の表面に対し、前記発泡プラスチックの充填上面が少なくとも下にならない浮力を持たせる程度に必要である。このプラスチック製の筒状体に50mlの注射器外筒を用いた場合には、厚さにして2〜3cmの充填が好ましい。また、その充填は筒の内径よりやや大きめにカットしたものを底部にきつめに押入し込み固定する。
【0010】
次に、前記のプラスチック製取手棒1と前記プラスチック製筒状体2との固定は、どのような手段によってもよい。例えば、プラスチック製筒状体2に穿穴してプラスチック製取手棒1とを針金10で結束するか、あるいは接着、さらには嵌合等により固定すること等があげられるが、その外の手段によってもよい。
【0011】
【作用】
本発明の精子充填ストローの冷却用フロートは、液体窒素の冷媒に浮上して窒素ガスにより、精子充填ストローを緩慢あるいは超急速に冷却することなく、30〜40℃/分の適切な速度で冷却することができる。
【0012】
【実施例】
以下に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0013】
実施例1
容量50mlの注射器の外筒上部の縁を切り取り前記外筒の内径よりやや大きめにカットした厚さ約2.5cmの発泡ポリスチレンを下部にきつめに押し込み、下部の注射針接続部の穴を融着して閉塞した。
【0014】
次いで、この外筒を長さ約40cmで断面が5mm角のアクリル樹脂製の棒に、前記外筒の上部の穿穴部と下部の注射針接続部とを針金10で結び止めて固定してストロー冷却用フロートとした。
【0015】
このストロー冷却用フロートに、マウスの精子を充填してシールしたストローを空間5に入れ、図2に示すように予め中央まで液体窒素入れておいたデュアービンの液体窒素上に浮かせ約10分間放置することにより窒素ガスで室温より約−190℃まで30〜40℃/分の速度で冷却することができた。次いで、このフロートを液体窒素中に沈め液体窒素を満した後、前記ストローを液体窒素保存容器に移して凍結保管した。
【0016】
なお、前記凍結精子の融解操作後の精子を用いた体外受精成積と得られた胚の移植成績と、体外受精率は若干低いが、得られた胚の移植後の新生仔への発生率は比較的良好で新鮮精子から得られた胚のそれと比べて差は認められなかった。
【0017】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の冷却用フロートは、液体窒素の冷媒上に浮上し、窒素ガスにより精子充填ストローを緩慢あるいは超急速に冷却することなく適切な速度で冷却することができる。また、この冷却速度による凍結精子を用いた体外受精成績も新鮮精子からのものと比べて差のない良好なものである。さらに、冷却用フロートの作成は、入手の容易な材料から比較的簡便な手段で多量に作成することができる。
【0018】
従って、本発明の精子充填ストローの冷却用フロートは、マウスや外の体外受精用精子の冷却用としても有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の精子充填ストローの冷却用フロートの実施例を示す一部破断側面図である。
【図2】図1における使用(冷却)状態を示す略断面図である。
【符号の説明】
1 プラスチック製取手棒
2 プラスチック製筒状体
3 発泡プラスチック
4 精子充填ストロー
5 フロート空間
Claims (2)
- プラスチック製取手棒の端部に、プラスチック製筒状体が固定され、
前記プラスチック製筒体内の底部に発泡プラスチックが充填されている精子充填ストローの冷却用フロートであって、
前記発泡プラスチックは、その充填層上面が、該冷却用フロートを液体窒素の表面に対し少なくとも下にならない浮力を持たせるように充填された
ことを特徴とする精子充填ストローの冷却用フロート。 - 前記発泡プラスチックの充填層の厚さが前記筒状体の容積が50mlの場合に、2〜3cmである請求項1に記載の精子充填ストローの冷却用フロート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP15684795A JP3805002B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 精子充填ストローの冷却用フロート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15684795A JP3805002B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 精子充填ストローの冷却用フロート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08322860A JPH08322860A (ja) | 1996-12-10 |
JP3805002B2 true JP3805002B2 (ja) | 2006-08-02 |
Family
ID=15636679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15684795A Expired - Fee Related JP3805002B2 (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 精子充填ストローの冷却用フロート |
Country Status (1)
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1995
- 1995-05-31 JP JP15684795A patent/JP3805002B2/ja not_active Expired - Fee Related
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