JP3804707B2 - 電動機制御装置及び電動機制御の切り換え方法 - Google Patents

電動機制御装置及び電動機制御の切り換え方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電流を調節するパワーアンプを有して電動機を制御する電動機制御装置と、電動機制御装置での制御の切り換え方法に関し、特に、少なくともパルス幅変調(PWM:Pulse Width Modulation)制御によって電動機を制御する電動機制御装置と、電動機制御装置においてリニア増幅制御とPWM制御とを切り換える電動機制御の切り換え方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】
電動機は、通常、指令に応じて電動機の駆動電流を変化あるいは変調することによって制御される。この場合、電流の制御方法として、一般に、パルス幅変調制御(以下、PWM制御という)とリニア増幅制御によるものが知られている。PWM制御は、パワーバイポーラトランジスタやパワーMOSトランジスタなどのパワー素子をオン/オフのスイッチングモードで使用し、オン/オフの動作デューティを変えて電流を調節する方法であり、リニア増幅制御はパワー素子をその線形動作領域で使用して電流を調節する方法である。
【0003】
しかし、これらの制御方法には、それぞれいくつかの欠点がある。PWM制御は、損失が少なくて高効率であるが、出力電流が小さいときに電流の脈動成分の割合が大きくなり、また、パワー素子のスイッチング時のむだ時間(デッドタイム、遅れ時間など)により、高精度な電流制御が困難である。一方、リニア増幅制御は、電流の分解能や線形性などがよくて高い制御性能を有するが、電力損失が大きく効率が悪い。
【0004】
そこで、これら2つの制御方法を組み合わせてそれぞれの特徴を有効に結びることにより、具体的には、リニア増幅制御とPWM制御とを切り換えて制御することによって、高効率で高精度、高分解能の電流制御が可能となる。
【0005】
電動機の制御においてリニア増幅制御とPWM制御とを切り換える切り換え方法として、大電流領域(高効率領域)と小電流領域(高分解能領域)とを区分するために予めしきい値を設定し、指令値(電流指令や推力/トルク指令など)とこのしきい値とを比較した結果に応じてリニア増幅制御とPWM制御を切り換える方法がある。
【0006】
図6は、従来のこのようにしきい値を設定してリニア増幅制御とPWM制御を切り換える電動機制御装置の構成を示すブロック図である。ここでは、電動機として3相の電動機86が用いられるとする。電動機86に対する各相の電流指令IUref,IVref,IWrefをデジタル値として生成するマイクロプロセッサ81と、マイクロプロセッサ81からの電流指令IUref,IVref,IWrefをデジタル/アナログ変換してそれぞれ電流指令IU,IV,IWとするD/A変換器部82と、これら3相の電流指令IU,IV,IWに対応した電流U,V,Wを電動機86に供給して電動機86を駆動するパワーアンプ部83とから構成されている。なお、電流指令に対応した電流を電動機86に供給して電動機86を駆動する状態を通常動作時あるいはサーボオン時という。
【0007】
パワーアンプ部83には、各相ごとに、電流指令と電流フィードバック値Ifbとの偏差を検出して増幅するリニア増幅制御アンプ91と、同様に電流指令と電流フィードバック値Ifbとの偏差を検出して増幅するPWM制御アンプ92と、所定の周波数のキャリア信号とPWM制御アンプ92の出力とを比較することによりパルス幅変調された信号を生成するコンパレータ93と、出力端に抵抗96の一端が接続され、この抵抗96を介して出力が帰還しているオペアンプ95と、上述の抵抗96を介して入力するオペアンプ95からの出力とリニア増幅制御アンプ91の出力とを切り換えて出力するアナログスイッチ84と、このアナログスイッチ84の出力を入力するパワーアンプ94と、を備えている。パワーアンプ94にはパワー素子が内蔵され、このパワーアンプ94の出力が、対応する相の駆動電流として、電動機86に供給されている。
【0008】
抵抗96とアナログスイッチ84の接続点と、接地点との間には、アナログスイッチ84への入力電圧を振幅制限するために、2本のツェナーダイオード97が直列にかつ相互に逆極性となるように接続して、挿入されている。すなわち、オペアンプ95の出力電圧は、抵抗96とツェナーダイオード97によって、ツェナーダイオード97のツェナー電圧と順方向電圧の和の電圧に、振幅制限されることになる。PWM制御時には、この振幅制御された出力信号がパワーアンプ94の指令となり、パワーアンプ94で電力変換され、その結果、電流指令に応じた電流で電動機96が駆動されることになる。
【0009】
アナログスイッチ84は、マイクロプロセッサ81の指示で切り換わるように構成されている。マイクロプロセッサ81は大電流領域(高効率領域)と小電流領域(高分解能領域)とを区分するしきい値が予め設定されており、マイクロプロセッサ81は、指令値(電流指令や推力/トルク指令など)とこのしきい値とを比較してその結果に応じてアナログスイッチ84に対する切り換え信号を変化させる。その結果、この電動機制御装置は、大電流時にはアナログスイッチ84をコンパレータ95側に切り換え、PWM制御を行って効率の低下を防止し、一方、小電流時にはアナログスイッチ84をリニア増幅制御アンプ91側に切り換え、リニア増幅制御を行って精度の高い制御を行う。
【0010】
さて、リニア増幅制御時の損失Pd-LINは、式(1)で表される。
【0011】
【数1】
Figure 0003804707
sは電源電圧であり、RM,LM,VMは、それぞれ、負荷(電動機86)の抵抗値、インダクタンス値、逆起電力であり、ILは出力電流、Voは出力電圧である。逆起電圧VMは、電動機の場合、誘起電圧定数をKE、速度をωとすると、
【0012】
【数2】
M = KE × ω (2)
で表され、速度ωが分かれば、逆起電力VMを得ることができる。リニア増幅制御時の損失Pd-LINは、負荷定数(RM,LM,VM)に依存するところが大きい。
また、PWM制御時の損失Pd-PWMは、式(3)で表される。
【0013】
【数3】
d-PWM = E(sat) + Esw (3)
ここで、E(sat)は飽和損失(定常損失)であり、Eswはスイッチング損失である。定常損失E(sat)は出力電流に、スイッチング損失Eswはスイッチング周波数(キャリア信号の周波数)に比例することが知られている。
【0014】
図7は、式(1),(3)より求められる、ある負荷時の出力電流と損失との関係を示すグラフである。上述した従来の電動機制御装置の場合、電動機での定格電流時のPWM制御の損失Pd-PWM(図中b点)を考え、リニア増幅制御の時の損失Pd-LINがこれと同じになる出力電流(図中a点)を求め、この出力電流を発生する指令値(電流指令など)を切り換えしきい値とする。そして、この切り換えしきい値によって、PWM制御による大電流領域(高効率領域)とリニア増幅制御による小電流領域(高分解能領域)とを区分している。
【0015】
しかしながら、負荷定数の違いやキャリア周波数が高い場合、パワー素子の特性が悪い場合などに、定格電流でのPWM制御の損失P'd-PWM(図中b'点)がリニア増幅制御の損失Pd-LINよりも大きくなる場合がある。これは、定格電流の範囲内で、リニア増幅制御での損失とPWM制御での損失が同一である点(図中e点)が複数ある場合に相当する。このような場合には、出力電流が大電流領域であってもリニア増幅制御をした方が、パワーアンプ部の発生損失を低下させることができる。
結局、上述した従来の電動機制御装置や上述したような電動機制御の切り換え方法では、低損失化が不十分であり、またその分、パワー素子用の放熱器が大きくなる。その結果、電動機制御装置の小型化、低コスト化が難しくなる。
【0016】
図8は、図6に示す電動機制御装置のパワーアンプ94からの出力波形の一例を示す図である。パワーアンプ94の電圧ゲインをGとすると、通常動作のPWM制御時はパワーアンプ94に入力する電圧指令が電圧ゲインG倍され、出力電圧Vo、電流指令に応じた出力電流Io'として、パワーアンプ94から出力される。このとき、パワーアンプ94での定常損失E(sat)は、図中の斜線部で表される。
図6に示す電動機制御装置の場合、PWM制御の場合を考えると、パワーアンプ94に入力する電圧指令がツェナーダイオードによって振幅制御されているため、振幅の制限値がダイオードによって決まることとなってこの制限値を自由に設定することができず、また、振幅の制限値があまり正確でない。さらに、ツェナーダイオードを用いているために、高速動作ができないなどの問題点がある。さらに、オペアンプ93のオフセット電圧により、このオフセット電圧を調整しないと、電圧指令の正側と負側の振幅に違いが出てくる。すなわち、図8に示すように、接地電位(GND)すなわち0Vを基準として、+Vs側の振幅と−Vs側の振幅とが異なるようになる。正負でこのように振幅の違いが生ずると、パワーアンプ94の定常損失が増加し、パワーアンプの安全動作領域(SOA)を超えてパワーアンプの破損を生じたり、安全動作領域内で動作させようとしてパワーアンプの放熱系が大きくなってしまうなどの問題点も生じる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の電動機制御装置には、PWM制御時に振幅の制限値があまり正確でない上に高速動作が難しく、また出力電圧の振幅は正側と負側とで異なってパワーアンプ部での定常損失が大きいという問題点があり、さらに、PWM制御とリニア増幅制御との切り換えにおいて、負荷定数の違いやキャリア周波数が高い場合、パワー素子の特性が悪い場合などに、低損失化、小型化、低コスト化が難しいという問題点がある。
【0018】
本発明の目的は、パワーアンプの出力電圧における正側と負側の振幅の違いが整正されて定常損失を最小限に抑える電動機制御装置と、負荷定数の違いやキャリア周波数が高い場合、パワー素子の特性が悪い場合などであっても低損失であって装置の小型化、低コスト化が可能な電動機制御の切り換え方法とを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
請求項1に記載の発明は、電動機を駆動するパワーアンプ部を備え、前記パワーアンプ部がリニア増幅制御アンプとPWM制御アンプといずれかのアンプを選択できる第2のアナログスイッチとを有し、リニア増幅制御とPWM制御のうちの選択された一方に前記第2のアナログスイッチを切り換えて制御する電動機制御装置において、前記PWM制御アンプの出力とキャリア信号とを比較して得られる、パルス幅変調された信号に基づいて動作する第1のアナログスイッチを備え、前記第1のアナログスイッチが、振幅可変のパルス幅変調の矩形波信号を出力するものである。
【0020】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載における前記矩形波信号の振幅は、前記第1のアナログスイッチの入力である、予め設定された電圧により整正されるものであり、前記予め設定された電圧は、パワーアンプの電圧ゲインGの逆数1/Gを乗じた正負2つの電圧であるものである。
【0021】
請求項3に記載の発明は、電動機を駆動するパワーアンプ部を備え、前記パワーアンプ部がリニア増幅制御アンプとPWM制御アンプといずれかのアンプを選択できる第2のアナログスイッチとを有し、リニア増幅制御とPWM制御のうちの選択された一方に前記第2のアナログスイッチを切り換えて制御する電動機制御の切り換え方法において、常時演算するパワーアンプの損失値と予め設定された切り換えしきい値との比較に基づいて、前記リニア増幅制御と前記PWM制御のいずれかを選択するものであり、前記損失値が、前記予め設定された切り換えしきい値を超える場合、前記PWM制御を選択し、前記損失値が、前記予め設定された切り換えしきい値以下の場合、前記リニア増幅制御を選択して制御するのである。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項3記載における前記予め設定された切り換えしきい値は、電動機駆動における全電流制御範囲において、前記リニア増幅制御の場合のパワーアンプの損失値を算出し、前記PWM制御の場合のパワーアンプの損失値を算出し、算出した両方の損失値が予め設定された範囲内で一致した場合、その損失値とする、という手順で設定するのである。
【0023】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》
図1は、本発明の第1の実施形態の電動機制御装置の構成を示すブロック図である。この電動機制御装置においても、しきい値が設定され、リニア増幅制御とPWM制御とが切り換えられるものとする。ここでは、電動機として3相の電動機6が用いられるとする。
電動機制御装置は、しきい値が設定されるとともに電動機6に対する各相の電流指令IUref,IVref,IWrefをデジタル値として生成するマイクロプロセッサ1と、マイクロプロセッサ1からの電流指令IUref,IVref,IWrefをデジタル/アナログ変換してそれぞれ電流指令IU,IV,IWとするD/A変換器部2と、これら3相の電流指令IU,IV,IWに対応した電流U,V,Wを電動機6に供給して電動機6を駆動するパワーアンプ部3とから構成されている。なお、電流指令に対応した電流を電動機6に供給して電動機6を駆動する状態を通常動作時あるいはサーボオン時という。
【0024】
パワーアンプ部3には、各相ごとに、電流指令と電流フィードバック値Ifbとの偏差を検出して増幅するリニア増幅制御アンプ11と、同様に電流指令と電流フィードバック値Ifbとの偏差を検出して増幅するPWM制御アンプ12と、所定の周波数のキャリア信号とPWM制御アンプ12の出力とを比較することによりパルス幅変調された信号を生成するコンパレータ13と、コンパレータ13が出力するパルス幅された信号に応じて動作するアナログスイッチ5と、アナログスイッチ5からの出力とリニア増幅制御アンプ1の出力とを切り換えて出力するアナログスイッチ4と、このアナログスイッチ4の出力が入力するパワーアンプ14と、を備えている。パワーアンプ14は、リニア増幅制御とPWM制御の双方に共通のものとして設けられてパワー素子を内蔵しており、このパワーアンプ14からの出力が、対応する相の駆動電流として、電動機6に供給されている。アナログスイッチ4は、第2のアナログスイッチに対応し、リニア増幅制御とPWM制御とを切り換えるためのものであり、アナログスイッチ5は、第1のアナログスイッチに対応し、PWM制御時の矩形波信号を振幅整正するためのものである。また、リニア増幅制御アンプ11は第2のアンプに対応し、PWM制御アンプ12は第1のアンプに対応する。
【0025】
アナログスイッチ5は2入力のものであり、予め設定された電圧をVrefとして、これら2つの入力にはそれぞれ+Vrefと−Vrefが供給されている。電圧Vrefは、パワーアンプ14のゲインをGとして、パワーアンプ14の最大出力電圧に対してゲインGの逆数1/Gを乗じた電圧として、設定される。このようなアナログスイッチ5をコンパレータ13の出力信号で動作させることにより、アナログスイッチ5の出力信号は、一定電圧±Vrefの振幅で整正されたパルス幅変調の矩形波信号となる。
一方、アナログスイッチ4は、マイクロプロセッサ1からの指示(切り換え信号)によって切り換わるように構成されている。上述したようにマイクロプロセッサ1では大電流領域(高効率領域)と小電流領域(高分解能領域)とを区分するしきい値が予め設定されており、マイクロプロセッサ1は、指令値(電流指令や推力/トルク指令など)とこのしきい値とを比較してその結果に応じ、アナログスイッチ4に対する切り換え信号を変化させる。
【0026】
小電流時には、アナログスイッチ4がリニア増幅制御アンプ11側に切り換わってリニア増幅制御が実行される。通常動作のリニア増幅制御には、電流指令と電流フィードバック値Ifbとの偏差がリニア増幅制御アンプ11によって検出され、この偏差がパワーアンプ14への指令となってパワーアンプ14で電力変換される。その結果、電流指令に応じた電流で電動機6が駆動されることになる。大電流時には、アナログスイッチ4がアナログスイッチ5側に切り換わってPWM制御が実行される。通常動作のPWM制御時には、電流指令と電流フィードバック値Ifbとの偏差がPWM制御アンプ12によって検出され、コンパレータ13がこの偏差とキャリア信号とを比較してパルス幅変調された信号を出力し、この信号によってアナログスイッチ5が動作する。これにより、上述したように、一定電圧すなわち±Vrefの振幅で整正されたパルス幅変調の矩形波信号がアナログスイッチ5から出力され、この振幅整正された矩形波信号がパワーアンプ14への指令となってパワーアンプ14で電力変換される。その結果、電流指令に応じた電流で電動機6が駆動されることになる。
【0027】
図2は、PWM制御時におけるこの電動機制御装置のパワーアンプ14の出力波形を示している。通常動作のPWM制御時、前述した±Vrefを振幅とした電圧指令は、パワーアンプ14で電圧ゲインG倍され、このパワーアンプ14は、V(sat)=(±Vref×G)を振幅とした出力電圧Voと電流指令に応じた出力電流Ioを出力する。このときのパワーアンプ14の定常損失E(sat)は、簡単には、
【0028】
【数4】
(sat) = (Vs − V(sat))×Io (4)
と計算できる。この定常損失E(sat)は、図2において斜線部の面積に対応する。
【0029】
結局、本実施形態では、パワーアンプ部3のPWM制御系にアナログスイッチ5を設け、パワーアンプ14の最大出力電圧に対するパワーアンプのゲインGの逆数1/Gとなる予め設定された電圧(±Vref)をこのアナログスイッチ5に入力する。アナログスイッチ5からは、この入力値により振幅整正されたパルス幅変調の矩形波信号が出力し、この矩形波信号によってパワーアンプ14が駆動されるため、パワーアンプ14の定常損失を最小限に抑えることが可能になる。また、アナログスイッチ5への入力値すなわち±Vrefを変えることで振幅設定を自由にかつ正確に行うことができる。アナログスイッチ5での切り換えによって矩形波信号を発生するため、高速動作が可能である。
【0030】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。この実施形態は、電動機制御の切り換え方法に関するものであって、負荷定数の違いやキャリア周波数が高い場合、パワーアンプ内のパワー素子の特性が悪い場合などに、同一出力電流に対するリニア増幅制御での損失とPWM制御での損失が同一となる点を検出してその点での損失値(電流値)を切り換えしきい値とし、この切り換えしきい値によってリニア増幅制御とPWM制御を切り換えることによって、一層の低損失化を図っている。
図3は、この第2の実施形態の切り換え方法の実施に使用される電動機制御装置の構成の一例を示すブロック図である。この電動機制御装置は、図1に示す第1の実施形態の電動機制御装置と比べ、振幅整正用のアナログスイッチが設けられておらず、コンパレータ13の出力がアナログスイッチ4に直接入力している点で相違する。もちろん、この実施形態において、上述の第1の実施形態の電動機制御装置を使用することも十分に可能である。また、この実施態様では、マイクロプロセッサ1は、パワーアンプ部3での電力損失を演算できるものであるとする。
【0031】
以下、本実施形態の電動機制御の切り換え方法の手順について、図4のフローチャートを用いて説明する。この手順は、リニア増幅制御とPWM制御とを切り換えるための切り換えしきい値を求める手順であり、この切り換えしきい値を求める手順は、電動機制御の通常動作に先立って実行される。
【0032】
まず、処理1として、アナログスイッチ4をリニア増幅制御アンプ11側に切り換えて制御方法をリニア増幅制御に固定し、電動機負荷の全電流制御範囲に対して、電流指令をあるステップ幅で段階的に変えながら、電流指令の各ステップごとに電動機6に電流を流し、上述の式(1)により、リニア増幅制御の損失Pd-LINを演算する。この場合、マイクロプロセッサ1は、電流指令をステップ状に変化させてパワーアンプ部3に向けて出力するとともに、アナログスイッチ4をリニア増幅制御側に固定し、損失Pd-LINを演算し、演算結果をマイクロプロセッサ1の記憶領域内に格納する。このとき、電動機6に電流が流れるので、電動機6をロックしておく必要がある。ステップ幅は、例えば、定格電流の1/10とする。
【0033】
次に、処理2として、アナログスイッチ4をコンパレータ13側に切り換えて制御方法をPWM制御に固定し、電動機負荷の全電流制御範囲に対して、電流指令をあるステップ幅で段階的に変えながら、電流指令の各ステップごとに電動機6に電流を流し、上述の式(2)により、PWM制御の損失Pd-PWMを演算する。この場合、マイクロプロセッサ1は、電流指令をステップ状に変化させてパワーアンプ部3に向けて出力するとともに、アナログスイッチ4をPWM制御側に固定し、損失Pd-PWMを演算し、演算結果をマイクロプロセッサ1の記憶領域内に格納する。このときも、電動機6に電流が流れるので、電動機6をロックしておく必要がある。ステップ幅は、例えば、定格電流の1/10とする。
そして、処理3として、マイクロプロセッサ1は、上述の処理1及び処理2により記憶領域内に格納された損失値Pd-LIN,Pd-PWMを各電流指令ステップごとに比較し、処理4に進む。
【0034】
処理4では、予め設定された範囲内で両方の損失値が一致した場合に、その損失値を切り換えしきい値(図5のc点、d点)とし、処理を終了する。電流指令を連続的に変化させた場合に図5に示すようにPWM制御での損失とリニア増幅制御での損失が一致する点(図示e点)が存在するとしても、電流指令をステップ状に変化させた場合、ステップの幅によっては、予め設定された範囲が小さすぎると、その範囲内では両方の損失値が一致しないことがある。そこで、予め設定された範囲としては、大電流領域でPWM制御での損失よりもリニア増幅制御での損失が小さくなる条件の場合には、必ず、その一致する損失値が決定できるようなものとする。
【0035】
なお、上述したように範囲を設定しても一致する損失値がない場合、すなわち、大電流領域ではPWM制御の損失よりもリニア増幅制御の損失の方が必ず大きくなる条件の場合には、従来の技術で述べたのと同じ値、すなわち、定格電流時のPWM制御損失値を切り換えしきい値とする。
以上のようにして切り換えしきい値が設定されたら、電動機制御の通常動作を実行する。マイクロプロセッサ1は、パワーアンプ部3での損失値を常時演算しており、切り換えしきい値と演算した損失値とを比較し、比較結果に応じてアナログスイッチ4に対して切り換え信号を出力することにより、リニア増幅制御とPWM制御とを切り換える。
【0036】
図5は、大電流領域においてPWM制御での損失よりもリニア増幅制御での損失の方が小さくなる条件の場合に、本実施形態により求められた切り換えしきい値(c点、d点)と従来の方法の切り換えしきい値(b点)とを示しており、これらの場合の出力電流と損失との関係をグラフとして示している。本実施形態によれば、求められた切り換えしきい値である損失は、b点での損失からc点あるいはd点での損失を差し引いた分だけ、従来の方法の切り換えしきい値よりも小さくなる。切り換えしきい値が小さくなれば、パワーアンプ部で発生する損失を低下させることができ、また、パワー素子用の放熱器を小さくすることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の電動機制御装置は、アナログスイッチを用いてPWM制御用の矩形波信号を振幅整正することにより、パワーアンプでの定常損失が最小限に抑えることが可能になるとともに振幅設定を自由にかつ正確に行うことができるようになり、また、高速動作が可能になるという効果がある。
本発明の電動機制御の切り換え方法は、リニア増幅制御での損失とPWM制御での損失を演算してその演算結果の比較を行い、損失の同一点を切り換えしきい値としてPWM制御とリニア増幅制御との切り換えを行うことにより、パワーアンプ部の低損失化や小型化、低コスト化を達成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の電動機制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電動機制御装置のパワーアンプからの出力波形を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態の電動機制御の切り換え方法が適用される電動機制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】第2の実施形態の電動機制御の切り換え方法を説明するフローチャートである。
【図5】第2の実施形態におけるPWM制御時とリニア増幅制御時の出力電流と損失との関係を示すグラフである。
【図6】従来の電動機制御装置の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す電動機制御装置におけるPWM制御時とリニア増幅制御時の出力電流と損失との関係を示すグラフである。
【図8】図6に示す電動機制御装置のパワーアンプからの出力波形を示す図である。
【符号の説明】
1 マイクロプロセッサ
2 D/A変換器部
3 パワーアンプ部
4,5 アナログスイッチ
6 電動機
11 リニア増幅制御アンプ
12 PWM制御アンプ
13 コンパレータ
14 パワーアンプ

Claims (4)

  1. 電動機を駆動するパワーアンプ部を備え、前記パワーアンプ部がリニア増幅制御アンプとPWM制御アンプといずれかのアンプを選択できる第2のアナログスイッチとを有し、リニア増幅制御とPWM制御のうちの選択された一方に前記第2のアナログスイッチを切り換えて制御する電動機制御装置において、
    前記PWM制御アンプの出力とキャリア信号とを比較して得られる、パルス幅変調された信号に基づいて動作する第1のアナログスイッチを備え、
    前記第1のアナログスイッチが、振幅可変のパルス幅変調の矩形波信号を出力することを特徴とする電動機制御装置。
  2. 前記矩形波信号の振幅は、前記第1のアナログスイッチの入力である、予め設定された電圧により整正されるものであり、
    前記予め設定された電圧は、パワーアンプの電圧ゲインGの逆数1/Gを乗じた正負2つの電圧であることを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
  3. 電動機を駆動するパワーアンプ部を備え、前記パワーアンプ部がリニア増幅制御アンプとPWM制御アンプといずれかのアンプを選択できる第2のアナログスイッチとを有し、リニア増幅制御とPWM制御のうちの選択された一方に前記第2のアナログスイッチを切り換えて制御する電動機制御の切り換え方法において、
    常時演算するパワーアンプの損失値と予め設定された切り換えしきい値との比較に基づいて、前記リニア増幅制御と前記PWM制御のいずれかを選択するものであり、
    前記損失値が、前記予め設定された切り換えしきい値を超える場合、前記PWM制御を選択し、
    前記損失値が、前記予め設定された切り換えしきい値以下の場合、前記リニア増幅制御を選択して制御することを特徴とする電動機制御の切り換え方法。
  4. 前記予め設定された切り換えしきい値は、電動機駆動における全電流制御範囲において、前記リニア増幅制御の場合のパワーアンプの損失値を算出し、
    前記PWM制御の場合のパワーアンプの損失値を算出し、
    算出した両方の損失値が予め設定された範囲内で一致した場合、その損失値とする、
    という手順で設定することを特徴とする請求項3記載の電動機制御の切り換え方法。
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