JP3804103B2 - ガス調理機器の制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス調理機器の制御装置に係わり、とくに燃焼検知と操作認識とを確実にして安全性の向上を図る手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来のガス調理機器の制御装置について図面を参照しながら説明する。
【0003】
図3は従来のガス調理機器の制御装置における燃焼検知回路の構成を示す回路図である。図において、1は交流電源、2はガス調理機器の炎を検知するためのフレームロッド、3は電界効果トランジスタ、4は電界効果トランジス3のドレイン、5はドレイン4に直流電圧を供給する5VDC電源、6はガス調理機器の燃焼状態を監視するマイクロコンピュータである。なお、交流電源1は制御基板に搭載した低圧トランスの2次側巻線などにより構成される。
【0004】
上記構成においてその動作を説明する。フレームロッド2には交流電源1の交流電圧が印加され、ガス調理機器が燃焼しているときには炎を介してフレームロッド電流7aが流れ、炎がないときは電流が流れない。したがって、ガス調理機器が燃焼状態になるとフレームロッド2にフレームロッド電流7aが流れ、フレームロッド電流7aは電界効果トランジスタ3により燃焼検知電圧信号8aに変換され、燃焼検知電圧信号8aをマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)6に入力することにより、マイコン6がガス調理機器の燃焼状態を監視する。燃焼状態のときは燃焼検知電圧信号8aが入力され、非燃焼状態のときは0Vが入力するようになっていた。
【0005】
図4は従来のガス調理機器の制御装置における操作回路の構成を示す回路図である。図において、11、12、13はそれぞれマイコン6のポート、14、15、16はそれぞれポート11、12、13に接続された入力抵抗、17は立ち上がり、立ち下がりのタイミングが相互に異なるパルス信号D、E、Fを発生する発振装置、18はキーボードである。キーボード18にはオーブンスイッチ19、レンジスイッチ20、調理開始スイッチ21、調理停止スイッチ22などを備えている。
【0006】
上記構成においてその動作を説明する。発振装置17から立ち上がり、立ち下がりのタイミングが相互に異なるパルス信号D、E、Fが出力され、パルス信号D、E、Fはキーボード18の操作によりオンとなったスイッチを介してマイコン6のポート11、12、13に入力される。このとき、マイコン6はパルス信号の立ち上がりのタイミングを監視して操作されたスイッチを認識するように構成されている。たとえば、ポート11がG点のタイミングでハイレベルを認識すればオーブンスイッチ19の操作を認識し、また、H点のタイミングでハイレベルを認識すればレンジスイッチ20の操作を認識するように構成される。また、調理開始スイッチ21と調理停止スイッチ22とは同一の前記パルス信号Fの信号ラインに接続され、マイコン6に入力されるときは異なったポート12とポート13に入力するようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のガス調理機器の制御装置では、フレームロッド電流7aを電界効果トランジスタ3により燃焼検知電圧信号8aに変換し、マイコン6は燃焼検知電圧信号8aを入力して燃焼状態を監視するので、燃焼検知後に失火し、電界効果トランジスタ3のドレイン4が開放故障した場合でも、燃焼信号として燃焼検知電圧信号8aがマイコン6に入力されるため、失火しているにもかかわらず燃焼しているとマイコン6が判断し、ガスの弁を開放状態に保持するため、生ガスが流出すると言う問題があった。
【0008】
また、調理開始スイッチ21と調理停止スイッチ22とが同一のパルス信号Fの信号ラインに接続され、マイコン6には異なったポート12とポート13に接続される構成なので、調理停止スイッチ22の入力抵抗16が開放故障した場合、調理開始後の調理停止スイッチ22のオン信号がマイコン6に入力されないため、通常の操作によりガス調理機器を停止することは不可能であると言う問題があった。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するもので、燃焼検知回路に故障が発生しても安全性を確保できるガス調理機器の制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる本発明は、交流電圧を出力する交流電源と、前記交流電圧をフレームロッドに印加することにより炎の有無を検知するフレームロッド回路と、スイッチングパルスにより駆動されて前記フレームロッドに印加する前記交流電圧を所定周期で開閉する開閉手段と、前記フレームロッドに印加された交流電圧により炎を介して流れるフレームロッド電流を燃焼検知電圧信号に変換する変換手段と、前記燃焼検知電圧信号を入力してそのレベルにより燃焼状態を監視するマイクロコンピュータとを備え、前記マイクロコンピュータは前記燃焼検知電圧信号の波形が前記スイッチングパルスの波形に同期している場合のみ炎を検知したと判断するようにしたガス調理機器の制御装置である。
【0011】
これにより、交流電源を用いたフレームロッド回路において、燃焼時には燃焼検知電圧信号はパルス信号波形を備えるが、燃焼検知後に失火し、かつフレームロッドの電流を燃焼検知電圧信号に変換する電界効果トランジスタのドレインが開放故障した場合には、燃焼検知電圧信号が、たとえば5Vの直流信号になるので、マイコンは異常と判断してガスの弁を閉状態に制御することができ、安全性を確保することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
請求項1に係わる本発明において、交流電圧を出力する交流電源と、前記交流電圧をフレームロッドに印加することにより炎の有無を検知するフレームロッド回路と、スイッチングパルスにより駆動されて前記フレームロッドに印加する前記交流電圧を所定周期で開閉する開閉手段と、前記フレームロッドに印加された交流電圧により炎を介して流れるフレームロッド電流を燃焼検知電圧信号に変換する変換手段と、前記燃焼検知電圧信号を入力してそのレベルにより燃焼状態を監視するマイクロコンピュータとを備え、前記マイクロコンピュータは前記燃焼検知電圧信号の波形が前記スイッチングパルスの波形に同期している場合のみ炎を検知したと判断するようにしたものであり、請求項2に係る発明とし て、スイッチングパルスをマイクロコンピュータから供給するようにしたものである。
【0013】
また、変換手段はフレームロッド電流を電圧に変換する手段であればよく、実施例では従来例と同様に電界効果トランジスタを用いるが、これに限定されるものではない。なお、同期関係は位相が逆転していても判断可能である。
【0014】
以下、実施例について説明する。
【0015】
(実施例1)
以下、本発明のガス調理機器の制御装置の実施例1について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は本実施例の構成を示す回路図である。なお、図3に示した従来例と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例が従来例と異なる点は、マイコン6のスイッチングパルス9により交流電源1の交流電圧を開閉するフォトトライアック10を備えたことにある。なお、本実施例では交流電源1の交流電圧を開閉するスイッチング素子として無接点素子のフォトトライアック10を例に説明するが、開閉制御を低速で行う場合にはリレーなどの有接点素子でもよい。なお、マイコン6のポート数およびポート容量が不足する場合にはスイッチングパルス9を通常電子部品による回路でも供給できるが、マイコン6との連動が不可欠である。
【0017】
上記構成においてその動作を説明する。マイコン6からのスイッチングパルス9によりフォトトライアック10を駆動し、交流電源1の交流電圧を開閉する。燃焼が始まるとフレームロッド電流7が炎を介してアースに流れる。なお、フレームロッド2に印加される交流電圧がパルス波形であるため、フレームロッド電流7もパルス波形となる。このフレームロッド電流7を電界効果トランジスタ3により燃焼検知電圧信号8に変換し、マイコン6に入力する。なお、フレームロッド電流7がパルス波形であるため、燃焼検知電圧信号8もパルス波形となる。
【0018】
マイコン6からのスイッチングパルス9と、マイコン6に入力される燃焼検知電圧信号8とは同じ位相であり、マイコン6により比較を行い、異なった位相である場合にはマイコン6は異常と判断してガスの弁を閉にする。たとえば、電界効果トランジスタ3のドレイン4が開放故障になった場合、燃焼検知電圧信号8は常時5VDCになるため、スイッチングパルス9とは異なった位相になる。したがって、マイコン6は異常と判断し、ガスの弁を閉にする。
【0019】
なお、上記説明では同一位相を正常としたが、燃焼検知電圧信号8を生成する都合で互いに逆位相になる場合でも燃焼検知電圧信号8のパルス性の有無によって正常であるか否かの判定は可能であり、また、位相関係にずれがあっても同様に判定可能であり、結局、同期関係を見ることにより判定することができる。
【0020】
(実施例2)
以下、本発明のガス調理機器の制御装置の実施例2について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図2は本実施例の構成を示す回路図である。なお、図4に示した従来例と同じ構成要素には同一番号を付与して詳細な説明を省略する。本実施例が従来例と異なる点は、調理開始スイッチ21の一方の接点と調理停止スイッチ22の一方の接点とを入力抵抗16を介して同一のポート13に接続し、他方の接点をそれぞれタイミングが互いに異なるパルス信号Eの信号ラインとパルス信号Fの信号ラインに接続したことにある。なお、発振装置17は、通常、マイコン6により構成するが、マイコン6のポート不足、容量不足の場合には個別電子部品による回路でも構成できる。ただし、マイコン6との連動が不可欠である。
【0022】
上記構成においてその動作を説明する。パルス信号D、E、Fはキーボード18で操作されてオンとなったスイッチを介してポート11、12、13に入力される。調理開始スイッチ21の信号ラインと、調理停止スイッチ22の信号ラインとは異なっているが、マイコン6のポート13は同一である。したがって、入力抵抗16が開放故障した場合には、調理停止スイッチ22のオン信号はマイコン6に入力されないが、調理開始スイッチ21のオン信号もマイコン6に入力されないため、ガス調理機器が最初から起動せず、したがって安全が確保される。
【0023】
【発明の効果】
請求項1に係わる本発明は、燃焼の炎を検知するためのフレームロッドに印加する交流電圧を開閉駆動して燃焼検知電圧信号をパルス波形化することにより、燃焼検知後に失火し、フレームロッドの電流を燃焼検知電圧信号に変換する電界効果トランジスタのドレインが開放故障した場合でも、マイコンは異常を判断でき、ガスの弁を閉に制御することができ、生ガスが流出しないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガス調理機器の制御装置の実施例1の構成を示す回路図
【図2】 本発明のガス調理機器の制御装置の実施例2の構成を示す回路図
【図3】 従来のガス調理機器の制御装置における燃焼検知回路の構成を示す回路図
【図4】 同従来例における操作回路の構成を示す回路図
【符号の説明】
1 交流電源
2 フレームロッド
3 電界効果トランジスタ(変換手段)
4 ドレイン
5 5VDC電源
6 マイクロコンピュータ
7 フレームロッド電流
8 燃焼検知電圧信号
9 スイッチングパルス
10 フォトトライアック(開閉手段)

Claims (3)

  1. 交流電圧を出力する交流電源と、前記交流電圧をフレームロッドに印加することにより炎の有無を検知するフレームロッド回路と、スイッチングパルスにより駆動されて前記フレームロッドに印加する前記交流電圧を所定周期で閉する開閉手段と、前記フレームロッドに印加された交流電圧により炎を介して流れるフレームロッド電流を燃焼検知電圧信号に変換する変換手段と、前記燃焼検知電圧信号を入力してそのレベルにより燃焼状態を監視するマイクロコンピュータとを備え、前記マイクロコンピュータは前記燃焼検知電圧信号の波形が前記スイッチングパルスの波形に同期している場合のみ炎を検知したと判断するようにしたガス調理機器の制御装置。
  2. スイッチングパルスをマイクロコンピュータから供給するようにした請求項1記載のガス調理機器の制御装置。
  3. 発振手段をマイクロコンピュータで構成した請求項1または2記載のガス調理機器の制御装置。
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