JP3803865B2 - 入力装置及びそれを用いた携帯型情報端末 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は入力装置及びそれを用いた携帯型情報端末に係り、特にキー入力する入力装置、及びそれを用いて入力したキー入力情報に基づき各種の動作を行う携帯電話機等の携帯型情報端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)のサービスインに伴い、携帯電話機では通話機能以外の様々な用途が求められるようになった。すなわち、電子メールや短い文字メッセージを送受信できるサービスであるSMS(Short Message Service)などの文字情報をはじめとして、iモーションやTV電話などの画像及び音声を扱う現在のマルチメディア端末において、その機能は増加の一途を辿っている。このため、この機能の増加に伴い、携帯電話機及び入力装置で必要とするキー数の増加が求められている。すなわち、従来はキー入力の検出は、「押されている」か「押されていない」かの2通りであるため、機能増加にはメニューの階層化やキー数の増加、長押しなどで対応している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、携帯電話機の小型軽量化を追及した場合、キーを配置できる筐体上の面積が極めて狭く制限されることとなるために、もはやキー数の数を容易に増加させることができないのが現状である。また、外付けのキーボードに代表される外部入力装置は、余計な設置スペースやコストが必要な上、互換性、汎用性が無く、携帯電話機としての一般的な用途には不向きである。
【0004】
また、従来、キーが受ける押圧力に応じて感圧センサでキー入力を識別し、同じキーで複数のキー入力を可能にする方法も知られている(特開平4−297916号公報)。しかし、このものは、キー押圧力のアナログ検知の際に、キーをゆっくり深く押し込んだ場合や押したままの状況に対する対策が不充分であり、誤検知の可能性がある。
【0005】
本発明は以上の点に鑑みなされたもので、一つのキー当たりの入力情報数を増加するに際し、キー押下量を正確にアナログ検知し得る入力装置及びそれを用いた携帯型情報端末を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、第1の発明の入力装置は、情報入力時に押下される複数のキーと、複数のキーのそれぞれに対応して設けられ、対応して設けられたキーの押下方向又は押下方向とは反対方向に、キーと共に移動自在に設けられた、第1及び第2の導体部を有する検出器と、複数のタップ端子を有し、両端に所定の電圧が印加される可変抵抗と、キーの押下に伴い検出部の第1の導体部が摺動するように配設され、かつ、キー及び検出器の移動方向に交互に配設された、複数の導電体部と複数の絶縁体部とからなり、各導電体部がそれぞれ伝送路を介して可変抵抗の複数のタップ端子のうち対応するタップ端子に接続された第1の摺動部と、キーの押下に伴い検出部の第2の導体部が摺動すると共に信号線に接続された導体部からなる第2の摺動部とを有すると共に、キーが押下されていない待機位置では可変抵抗の抵抗値が最大値を示し、キーが最大量押下されたときには可変抵抗の抵抗値が最小値を示し、キーが待機位置から最大量の押下位置までの押下量範囲内に押下されたときは、検出器の第1の導体部が第1の摺動部を構成する複数の導電体部のうち、キー押下量に対応した位置の導電体部に接触し、その接触している導電体部に伝送路を介して接続されている可変抵抗のタップ端子と可変抵抗の一端との間の抵抗値で所定の電圧を抵抗分圧した電圧を、押下量検出電圧として信号線へ取り出す出力部とを備えた押下量検出手段と、第1の摺動部を構成する複数の導電体部の位置に対応したキーの複数の押下量検出範囲毎に予め割り当てられた複数の情報のうち、押下量検出手段により検出された押下量検出範囲に割り当てられた一の情報が入力されたものと判断する情報入力判断手段とを有することを特徴とする。
【0007】
この発明では、キー毎に予め複数の入力情報が割り当てられており、そのキーの押下の強さ(押下量)を検出する押下量検出手段の複数の押下量検出範囲を上記の複数の入力情報に対応付けるようにしたため、実際にキーが押下されたときの強さが、上記の押下量検出手段の複数の押下量検出範囲のどの検出範囲に属するかにより、キー入力情報を判断することができる。
【0008】
また、上記の目的を達成するため、第2の発明の入力装置は、複数のキーのそれぞれに対応して設けられ、対応して設けられたキーの押下量に応じた応力を付与する応力付与手段を更に有し、第1の発明の押下量検出手段が、キーの押下がそのキーに対応して設けられた応力付与手段により複数の押下量検出範囲のどの押下量検出範囲の強さで行われたか、予め定めた時間内に検出するチャタリング制御機能を備えていることを特徴とし、第3の発明の入力装置は、キーの押下時間検出手段を更に有し、情報入力判断手段は、押下量検出手段で検出された押下量とキーの押下時間検出手段により検出された押下時間との組み合わせにより、予め割り当てられた複数の情報のうちの一の情報が入力されたものと判断することを特徴とする。第2の発明では、誤検出を防止でき、第3の発明では、更にキーの押下時間の長短情報に応じてキー入力情報を判断することができる。
【0009】
また、上記の目的を達成するため、第4の発明の入力装置は、押下量検出手段の使用の有無を制御する制御手段と、押下量検出手段の使用の有無を表示する表示手段とを更に有し、制御手段により押下量検出手段の不使用時は、情報入力判断手段は、キーが押下されたか否かの判断のみにより情報入力を判断することを特徴とする。
【0010】
また、上記の目的を達成するため、第5の発明の携帯型情報端末は、複数のデジットキーと表示部とを少なくとも備えた携帯型情報端末において、複数のデジットキーのそれぞれに対応して設けられ、対応して設けられたデジットキーの押下方向又は押下方向とは反対方向に、デジットキーと共に移動自在に設けられた、第1及び第2の導体部を有する検出器と、複数のタップ端子を有し、両端に所定の電圧が印加される可変抵抗と、キーの押下に伴い検出部の第1の導体部が摺動するように配設され、かつ、キー及び検出器の移動方向に交互に配設された、複数の導電体部と複数の絶縁体部とからなり、各導電体部がそれぞれ伝送路を介して可変抵抗の複数のタップ端子のうち対応するタップ端子に接続された第1の摺動部と、キーの押下に伴い検出部の第2の導体部が摺動すると共に信号線に接続された導体部からなる第2の摺動部とを有すると共に、デジットキーが押下されていない待機位置では可変抵抗の抵抗値が最大値を示し、デジットキーが最大量押下されたときには可変抵抗の抵抗値が最小値を示し、デジットキーが待機位置から最大量の押下位置までの押下量範囲内に押下されたときは、検出器の第1の導体部が第1の摺動部を構成する複数の導電体部のうち、キー押下量に対応した位置の導電体部に接触し、その接触している導電体部に伝送路を介して接続されている可変抵抗のタップ端子と可変抵抗の一端との間の抵抗値で所定の電圧を抵抗分圧した電圧を、押下量検出電圧として信号線へ取り出す出力部とを備えた押下量検出手段と、第1の摺動部を構成する複数の導電体部の位置に対応したデジットキーの複数の押下量検出範囲毎に予め割り当てられた複数の情報のうち、押下量検出手段により検出された押下量検出範囲に割り当てられた一の情報が入力されたものと判断する情報入力判断手段とを有する構成としたものである。
【0011】
この発明では、デジットキー毎に予め複数の入力情報が割り当てられており、そのデジットキーの押下の強さ(ストローク量)を検出する押下量検出手段の複数の押下量検出範囲を上記の複数の入力情報に対応付けるようにしたため、実際にデジットキーが押下されたときの強さが、上記の押下量検出手段の複数の押下量検出範囲のどの検出範囲に属するかにより、デジットキー入力情報を判断することができる。
【0012】
また、上記の目的を達成するため、第6の発明の携帯型情報端末は、複数のデジットキーのそれぞれに対応して設けられ、対応して設けられたデジットキーの押下量に応じた応力を付与する応力付与手段を更に有し、第5の発明の押下量検出手段は、デジットキーの押下がそのデジットキーに対応して設けられた応力付与手段により複数の押下量検出範囲のどの押下量検出範囲の強さで行われたか、予め定めた時間内に検出するチャタリング制御機能を備えていることを特徴とし、また第7の発明の携帯型情報端末は、デジットキーの押下時間検出手段を更に有し、情報入力判断手段は、押下量検出手段で検出された押下量とデジットキーの押下時間検出手段により検出された押下時間との組み合わせにより、予め割り当てられた複数の情報のうちの一の情報が入力されたものと判断することを特徴とする。第6の発明では誤検出を防止でき、第7の発明では、更にデジットキーの押下時間の長短情報に応じてデジットキー入力情報を判断することができる。
【0013】
更に、上記の目的を達成するため、第8の発明の携帯型情報端末は、上記のデジットキーを下部筐体の内側面に配置され、表示部は上部筐体の内側面に配置されて、下部筐体と上部筐体の各端部がヒンジ機構により、互いの内側面が密接する閉状態か互いの内側面が離間する開状態のいずれかとされる折り畳み型携帯電話機を構成し、押下量検出手段及び情報入力判断手段は下部筐体内に配置されることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。図1は本発明になる携帯型情報端末の一実施の形態の要部の概略斜視図を示す。この実施の形態の携帯型情報端末は折り畳み型携帯電話機の例で、下部筐体1と上部筐体2の各一側端部がヒンジ機構3により回動自在に結合されており、下部筐体1と上部筐体2の互いの内側面が密接する閉状態(折り畳み状態)か、互いの内側面が所定角度離間されて保持される開状態とされる。
【0015】
下部筐体1の内側面には、4行3列に規則的に配列された12個のデジットキー4a〜4lと、メニュー等操作用の十字キー5と、送話部(マイク)6とが設けられている。デジットキー4a〜4l及びメニュー等操作用の十字キー5は、後述するように、キーの押し加減(ストローク量)を加味したアナログ入力に対応した構造であるため、例えば2mm程度の厚みを持っている。折り畳み型携帯電話機では、大きなボタン(キー)を確保しやすい大きさで、ある程度の厚みを持っているので、アナログ入力キーに好適である。
【0016】
また、上部筐体2の内側面には、表示部7や図示しない受話部(レシーバ)などが設けられている。ユーザは電子メールやjavaを利用したiモード端末専用のアプリケーションソフト(iアプリ)、更には各種メニューを使用する際に、従来のようにデジットキー4a〜4lで文字入力したり、アプリケーション毎に定められた操作を行う。なお、デジットキー4a〜4lには、クリアキーや終話通話キーなども含む。
【0017】
デジットキー4a〜4lのそれぞれは、押下されていない状態と、弱く押下された状態と、強く押下された状態の3つの状態とされる。すなわち、図2(A)はデジットキー8が押下されていない状態、同図(B)はデジットキー8が弱く押下された状態、同図(C)はデジットキー8が強く押下された状態の概略断面図を示す。ここで、図2(A)〜(C)中、デジットキー8は、図1に示したデジットキー4a〜4lのうちの任意の一のデジットキーを代表して示している。また、図2(A)〜(C)中、押下量の検出器9は、下部筐体1の内部に設けられており、その底部の導電体部が伝送路10、11及び12のいずれかに接続される。
【0018】
図3は本発明入力装置の要部である押下量検出手段の一実施の形態の構成図を示す。同図中、図2と同一構成部分には同一符号を付してある。図3において、デジットキー8は下部筐体に設けられた穴17内を図示しない上下機構により上下動できるようになされており、また押下されていないときには図示の位置に保持されている。また、柱状体9aと導電体板9bとは、図2に示した検出器9を構成している。検出器9を構成する柱状体9aと導電体板9bとは、定常状態では図3に示すように、デジットキー8よりも小径の柱状体9aの上端部がデジットキー8の底部と離間した位置に保持されている。柱状体9aは底部に導電体板9bが取り付けられており、更にその導電体板9bの下面中心部にはスプリング16の一端が固定されている。スプリング16の他端は下部筐体内の所定位置に固定されている。
【0019】
デジットキー8が押下されると、その底部が柱状体9aの上端部に接触し、更にその接触状態のまま、図2(B)、(C)と共に説明したように、デジットキー8と共に柱状体9aが導電体板9bと共に図3の下方向に移動する。図3中、9a’は柱状体9aの最下端位置、9b’は導電体板9bの最下端位置、16’は最下端位置におけるスプリング16の圧縮状態を示す。ユーザがデジットキー8から指を離すと、スプリング16のばね力により検出器9(柱状体9a及び導電体板9b)は図3に実線で示す定常状態の位置に自動復帰すると共にデジットキー8も図3に示す位置に自動復帰する。
【0020】
また、穴17の壁面には図4に示すように、導電体部23と絶縁体部24とが交互にピッチ間隔pで配設されており、柱状体9a及び導電体板9bの図3中、下方向の移動に伴い、導電体板9bの側面が穴17の壁面を摺動して、上記の導電体部23又は絶縁体部24に接触するように構成されている。上記の複数の導電体部23は、図3に示すように、対応して設けられた伝送路18(図2の伝送路10、11、12に相当)を介して可変抵抗19に各タップ端子に接続されている。
【0021】
可変抵抗19の一端は信号線25に接続され、他端は信号線26に接続されており、信号線25は可変抵抗19の一端から上記のタップ端子までの抵抗値と、伝送路18を介して導電体板9bが接触する導電体部23に接続され、更に導電体板9bを介して穴17の壁面に設けられた導電体部に接続された信号線27に接続された閉回路が構成され電流が流れる。従って、導電体板9bが接触する導電体部23の位置、すなわちデジットキー8の押下量に応じて可変抵抗19の抵抗値が変化し、可変抵抗19の両端に発生する電圧Vrが変化する。
【0022】
従って、電圧Vrをアナログ検出することで、デジットキー8の押下量を判定することができる。電圧Vrのアナログ検出にはしきい値Vnを用い、しきい値の数nを増やすほど多段階のアナログ検出が可能となる。ただし、これだけだとデジットキー8を強く押した場合、導電体板9bが複数の導電体部23と次々に通過して接触するので、弱く押したものと誤検出されるおそれがあるため、本実施の形態では、チャタリング制御を行い、定めた時間内に検出した電圧Vrの値で判定することで誤検出を回避するようにされている。
【0023】
また、デジットキー8への押下を解除することにより、前述したようにデジットキー8、柱状体9a及び導電体板9bは図3に実線で示す待機位置に自動復帰するが、このときにも導電体板9bが複数の導電体部23と次々に通過して接触するので、キー押下時と誤検出される可能性がある。従って、本実施の形態では、キー押下を検出した後は、押下されているデジットキー8が元の待機位置に復帰するまで、他のキー(終話キー除く)の入力を受け付けないようにソフト制御することで誤検出を防ぐようにしている。デジットキー8が待機位置に復帰したことは、電圧Vrが最小値を示すため(可変抵抗19の抵抗値が最大になるため)、これを検出することで復帰状態を検出する。
【0024】
ただし、押しっぱなし入力を認める場合(例えば、後述のゲーム)では、通常時とキー入力検出とを切り分ける必要がある。その制御はデジットキー毎に行うようにされる。
【0025】
図5はスプリング16のばね特性の一例を示す。同図中、横軸はキー押下量を、縦軸はスプリング16の応力(キー押下時の手ごたえ)を示す。図5に示すように、スプリング16はデジットキー8を弱く押して圧縮量が少ないときには応力が小さく、デジットキー8を強く押して圧縮量が大きいときには応力が大きいので、ユーザはデジットキー8を強く押したときと弱く押したときでは応力が違うことから押下量を指先で感じることができる。
【0026】
次に、本実施の形態の動作について説明する。いま、図2(A)及び図3に示すように、デジットキー8が押下されていない状態では、その底部が検出器9の上部と非接触で下部筐体1の上面位置13にある。また、このとき導電体板9bは所定の位置(図2の10)上にあり、導電体板9bは図3の伝送路18のうち一番上の伝送路に導電体部23を介して接続された状態にあり、可変抵抗19が最大値を示し、電圧Vrはデジットキー8が押下されていないことを示す最小値とされる。
【0027】
次に、図2(B)に示すように、デジットキー8が弱い力で押下された状態では、その底部が検出器9の上部に接触して小さな押下量で検出器9を下方に押し込み、それに伴い図3に示す導電体板9bが図3の伝送路18のうち一番上の伝送路と一番下の伝送路を除く中間位置にある、押下量(押下力)に応じた一つの伝送路に導電体部23を介して接続された状態となるため、押下量(押下力)に応じた電圧Vrが発生し、これを図示しない中央処理装置でしきい値Vnと比較することでデジットキー8の押下量を検出することができる。
【0028】
次に、図2(C)に示すように、デジットキー8が強い力で押下された状態では、その底部が検出器9の上部に接触して大きな押下量(押下力)で検出器9を下方に押し込み、それに伴い図3に示す導電体板9bが図3の伝送路18のうち一番下の伝送路に導電体部23を介して接続されて可変抵抗19の抵抗値が最小となるため、最も高い電圧Vrが発生し、これを図示しない中央処理装置でしきい値Vnと比較することで、デジットキー8が最大の押下量(押下力)で押下されたことを検出することができる。
【0029】
このように、本実施の形態では、一つのデジットキー8について、複数の押下量(押下力)を検出することで、複数種類の押下状態を検出できるようにしたため、一つのデジットキー8について予め複数種類の情報を割り当てておき、デジットキー8の押下量を検出する検出器9の複数の押下量検出範囲のどの押下量検出範囲に属するかにより、複数種類の情報のうちの一の情報を入力することができる。例えば、図1のデジットキー4bを弱い力で押下したときには数字「2」が入力され、強い力で押下したときにはひらがな「か」を入力されたものとして検知することができる。
【0030】
この結果、従来に比べて一つのデジットキーで入力できる情報の数が多くできるため、従来と同じ数のデジットキーで従来よりも多い機能を実現でき、また従来と同じ機能数であれば、モード切替の場面を少なくできる。従って、iアプリでゲームをする場合にも、デジットキーを弱く短く押した場合と、強く長く押した場合などで入力情報を区別することができるので、操作幅を拡大でき、キャラクタの複雑な動きも表現できる。
【0031】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、例えば、押下時間が所定の閾値よりも長いか短いかを検出することにより、押下時間の2つの検出範囲のどの範囲に属するかを、上記の検出器9の押下量検出範囲の検出と組み合わせるようにしてもよい。
【0032】
また、上記のデジットキーの押下量を無段階で検知できるようにして、連続的な情報入力(送信)を可能とすることもできる。例えば、図4に示した導電体部23と絶縁体部24とのピッチ間隔pを1.0μmとすると、3mmの押下量に対して3000段階の検出が可能となる。実使用において、ユーザはキーを3000段階も押し分けることができないため、実質上無段階のキー入力検出ができる。
【0033】
また、上記の連続的な情報入力とは、時間的に、また押下力の強弱の境界がはっきりしないキー入力を意味する。無段階な連続情報入力はゲーム等の応用が考えられる。例えば、レースゲームにおいてデジットキーをアクセルに対応させると、強・中・弱だけでなく、多段階の微妙なアクセルワークが可能になる。ただし、その際、少しのキータッチで情報入力を受け付けてしまったり、使用するアプリケーションで不具合が起こらないように、「キーを押し続けていること」の判断は場面毎にソフトで制御を変え、誤動作防止とする。例えば、メニュー選択中とゲーム中とでキーの押し続けを無効/有効に切り替えるなどがある。
【0034】
また、検出器9の使用をメニュー上などで制限することにより、ユーザの意思で従来通りのユーザ操作を行うこともできる。例えば、ソフトメニューで検出器9のオン/オフの項目を設け、オフとした場合に従来の携帯電話機と同じキー操作方法とするなどが考えられる。具体的な方法は、図3において検出した電圧Vrがしきい値V1より高いか低いかで、キーが押されているか否かを判断する。更に、本発明は、折り畳み型携帯電話機に適用する場合に限らず、それ以外の携帯電話機その他携帯型情報端末一般に適用することができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、キー毎に予め複数の入力情報が割り当てられており、そのキーの押下の強さ(押下量)を検出する検出器の複数の検出範囲を上記の複数の入力情報に対応付けることにより、実際にキーが押下されたときの強さが、上記の検出器の複数の検出範囲のどの検出範囲に属するかにより、キー入力情報を判断するようにしたため、従来と同じ入力情報数のときには従来よりもキーの数を減少することができ、従来と同じキー数のときには従来よりも多数の情報することができ、近年の携帯型情報端末の飛躍的な機能増加に対応できる。また、チャタリング制御により、キーをゆっくり押し込んだ場合や、押したままの状況を誤動作せずに検出することができる。
【0036】
また、本発明によれば、キーの押下時間の長短情報に応じてキー入力情報を判断するようにしたため、上記の検出器によるキー押下量検出との組み合わせにより、同じキーの数でより一層多数の情報を入力することができる。
【0037】
また、本発明によれば、携帯型情報端末に適用した場合、外付けのキーボードに代表される外部入力装置が不要であり、余計な設置スペースやコストが不要である上、互換性、汎用性があり、更に、十字キーを除くデジットキーの押下量などをアナログ検出することで、軽量化、低消費電力化を実現でき、携帯電話機としての一般的な用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の要部の斜視図である。
【図2】本発明における各種のキー入力状態を模式的に説明する拡大断面図である。
【図3】本発明の要部の押下量検出手段の一実施の形態の構成図である。
【図4】図3中の穴の壁面の一例の構成図である。
【図5】図3中のスプリングの一例の特性図である。
【符号の説明】
1 下部筐体
2 上部筐体
3 ヒンジ機構
4a〜4l、8 デジットキー
5 十字キー
6 送話部
7 表示部
9 検出器
9a 柱状体
9b 導電体板
16 スプリング
17 穴
18 伝送路
19 可変抵抗
23 導電体部
24 絶縁体部
Claims (8)
- 情報入力時に押下される複数のキーと、
前記複数のキーのそれぞれに対応して設けられ、対応して設けられたキーの押下方向又は該押下方向とは反対方向に、該キーと共に移動自在に設けられた、第1及び第2の導体部を有する検出器と、
複数のタップ端子を有し、両端に所定の電圧が印加される可変抵抗と、
前記キーの押下に伴い前記検出部の第1の導体部が摺動するように配設され、かつ、前記キー及び検出器の移動方向に交互に配設された、複数の導電体部と複数の絶縁体部とからなり、各導電体部がそれぞれ伝送路を介して前記可変抵抗の複数のタップ端子のうち対応するタップ端子に接続された第1の摺動部と、前記キーの押下に伴い前記検出部の第2の導体部が摺動すると共に信号線に接続された導体部からなる第2の摺動部とを有すると共に、前記キーが押下されていない待機位置では前記可変抵抗の抵抗値が最大値を示し、前記キーが最大量押下されたときには前記可変抵抗の抵抗値が最小値を示し、前記キーが前記待機位置から前記最大量の押下位置までの押下量範囲内に押下されたときは、前記検出器の第1の導体部が前記第1の摺動部を構成する複数の導電体部のうち、キー押下量に対応した位置の導電体部に接触し、その接触している導電体部に前記伝送路を介して接続されている前記可変抵抗のタップ端子と該可変抵抗の一端との間の抵抗値で前記所定の電圧を抵抗分圧した電圧を、押下量検出電圧として前記信号線へ取り出す出力部とを備えた押下量検出手段と、
前記第1の摺動部を構成する複数の導電体部の位置に対応した前記キーの複数の押下量検出範囲毎に予め割り当てられた複数の情報のうち、前記押下量検出手段により検出された押下量検出範囲に割り当てられた一の情報が入力されたものと判断する情報入力判断手段と
を有することを特徴とする入力装置。 - 前記複数のキーのそれぞれに対応して設けられ、対応して設けられたキーの押下量に応じた応力を付与する応力付与手段を更に有し、前記押下量検出手段は、前記キーの押下が該キーに対応して設けられた前記応力付与手段により複数の押下量検出範囲のどの押下量検出範囲の強さで行われたか、予め定めた時間内に検出するチャタリング制御機能を備えていることを特徴とする請求項1記載の入力装置。
- 前記キーの押下時間検出手段を更に有し、前記情報入力判断手段は、前記押下量検出手段で検出された押下量と前記キーの押下時間検出手段により検出された押下時間との組み合わせにより、予め割り当てられた複数の情報のうちの一の情報が入力されたものと判断することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
- 前記押下量検出手段の使用の有無を制御する制御手段と、前記押下量検出手段の使用の有無を表示する表示手段とを更に有し、該制御手段により前記押下量検出手段の不使用時は、前記情報入力判断手段は、前記キーが押下されたか否かの判断のみにより情報入力を判断することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
- 複数のデジットキーと表示部とを少なくとも備えた携帯型情報端末において、
前記複数のデジットキーのそれぞれに対応して設けられ、対応して設けられたデジットキーの押下方向又は該押下方向とは反対方向に、該デジットキーと共に移動自在に設けられた、第1及び第2の導体部を有する検出器と、
複数のタップ端子を有し、両端に所定の電圧が印加される可変抵抗と、
前記キーの押下に伴い前記検出部の第1の導体部が摺動するように配設され、かつ、前記キー及び検出器の移動方向に交互に配設された、複数の導電体部と複数の絶縁体部とからなり、各導電体部がそれぞれ伝送路を介して前記可変抵抗の複数のタップ端子のうち対 応するタップ端子に接続された第1の摺動部と、前記キーの押下に伴い前記検出部の第2の導体部が摺動すると共に信号線に接続された導体部からなる第2の摺動部とを有すると共に、前記デジットキーが押下されていない待機位置では前記可変抵抗の抵抗値が最大値を示し、前記デジットキーが最大量押下されたときには前記可変抵抗の抵抗値が最小値を示し、前記デジットキーが前記待機位置から前記最大量の押下位置までの押下量範囲内に押下されたときは、前記検出器の第1の導体部が前記第1の摺動部を構成する複数の導電体部のうち、キー押下量に対応した位置の導電体部に接触し、その接触している導電体部に前記伝送路を介して接続されている前記可変抵抗のタップ端子と該可変抵抗の一端との間の抵抗値で前記所定の電圧を抵抗分圧した電圧を、押下量検出電圧として前記信号線へ取り出す出力部とを備えた押下量検出手段と、
前記第1の摺動部を構成する複数の導電体部の位置に対応した前記デジットキーの複数の押下量検出範囲毎に予め割り当てられた複数の情報のうち、前記押下量検出手段により検出された押下量検出範囲に割り当てられた一の情報が入力されたものと判断する情報入力判断手段と
を有することを特徴とする携帯型情報端末。 - 前記複数のデジットキーのそれぞれに対応して設けられ、対応して設けられたデジットキーの押下量に応じた応力を付与する応力付与手段を更に有し、前記押下量検出手段は、前記デジットキーの押下が該デジットキーに対応して設けられた前記応力付与手段により複数の押下量検出範囲のどの押下量検出範囲の強さで行われたか、予め定めた時間内に検出するチャタリング制御機能を備えていることを特徴とする請求項5記載の携帯型情報端末。
- 前記デジットキーの押下時間検出手段を更に有し、前記情報入力判断手段は、前記押下量検出手段で検出された押下量と前記デジットキーの押下時間検出手段により検出された押下時間との組み合わせにより、予め割り当てられた複数の情報のうちの一の情報が入力されたものと判断することを特徴とする請求項5記載の携帯型情報端末。
- 前記デジットキーは下部筐体の内側面に配置され、前記表示部は上部筐体の内側面に配置されて、前記下部筐体と前記上部筐体の各端部がヒンジ機構により、互いの内側面が密接する閉状態か互いの内側面が離間する開状態のいずれかとされる折り畳み型携帯電話機を構成し、前記押下量検出手段及び前記情報入力判断手段は前記下部筐体内に配置されることを特徴とする請求項5記載の携帯型情報端末。
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