JP3803803B2 - 貨物自動車用荷台被覆装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、貨物自動車の荷台が雨に濡れるのを防ぐため等に使用される荷台被覆装置に関し、特に軽トラック等の小型貨物車に好適な荷台被覆装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トラック等の貨物自動車における積載物が雨に濡れたり外部へ飛散したりするのを防止するために、貨物自動車の荷台に積載された荷物(以下「積載物」という)を覆うようにシートを被せ、ロープやゴムバンド等でシートを固定するということが行われている。また、このような作業を効率化することを目的とした荷台被覆装置や荷台用開閉式テントも考案されている。例えば、特開平8−58466号公報には、巻き取り方向に付勢された伸縮性シートを荷台の前端から後端まで引き出して荷台を被覆する構成とすることにより簡単に且つ短時間で積載物を被覆できるようにした荷台被覆装置が開示されている。また、登録実用新案第3067584号公報には、幌状シートを荷台のドア上部に取り付け、アコーディオン状に開閉・収納可能な構成とすることにより、積載作業や積載物の被覆作業の容易化や効率化を図った小型貨物自動車荷台用開閉式テント又は覆蓋が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−58466号公報
【特許文献2】
登録実用新案第3067584号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、個人商店等の小規模事業者が軽トラック等の小型貨物自動車で商品の配達等を行う場合には、走行距離も短く走行速度も低い。また、荷台に荷物が満載されることも少ない。したがって、このような場合には、積載物を被覆すべき幌としてのシート等を簡便に展開/収納することができ、荷物が雨に濡れるのを短時間だけ防ぐことができれば十分である。
【0005】
これに対し、貨物自動車における荷台の積載物を被覆するための上記従来技術は、雨や風圧に十分に耐えられるように積載物を完全に被覆できる構成となっている。このため、個人商店等で扱う商品を配達するための軽トラック等において使用するには、荷台被覆装置として過剰な仕様となっており、コスト面等から導入が容易ではない。また、上記従来技術では、荷台に荷物が満載された場合にも対応できる構成となっていることから、積載物を覆うシート等によって運転席の後部窓からの視界が遮られ、後方の視認性が低下するという問題もあった。
【0006】
そこで本発明の目的は、軽トラック等の小型貨物自動車においても容易に導入できるような簡単な構成であって、積載物を被覆する幌としてのシートを容易に展開/収納できる貨物自動車用荷台被覆装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、そのように簡単な構成で幌としてのシートを容易に展開/収納可能にしつつ、運転席からの後方の視認性も良好に保つことができるようにした貨物自動車用荷台被覆装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、貨物自動車の荷台を覆うための荷台被覆装置であって、
前記貨物自動車の運転席後部の外側壁面または当該外側壁面近傍に取り付けられ、前記荷台の左右方向に延びる主要部を有するガイド部材と、
前記ガイド部材の長手方向にのみ移動可能に前記ガイド部材に案内される複数のスライド部材と、
前記ガイド部材の前記主要部の長さに略等しい幅を有するシート材と、
前記シート材に幅方向に所定間隔で取り付けられ、前記複数のスライド部材にそれぞれ対応する複数の骨部材とを備え、
各骨部材の一端は、当該各骨部材に対応するスライド部材に、当該対応するスライド部材が前記主要部に位置するときに当該各骨部材が前記荷台の前後方向に略水平に延びるように固定され、
前記ガイド部材は、前記複数のスライド部材が前記ガイド部材における少なくとも一方の端部に位置するときに前記複数の骨部材が前記外側壁面に平行となるように当該端部近傍において捩られていることを特徴とする。
【0008】
このような第1の発明によれば、各スライド部材をガイド部材の主要部に移動させて所定間隔で配置することにより、積載物を覆うための幌としてのシートが展開され、各スライド部材を所定の端部に移動させることにより、幌としてのシートが折り畳まれて骨部材と共に運転席後部の外側壁面に沿った状態で(荷台へ突起物を出すことなく)収納される。このようにして簡単な構成でシートの展開/収納を容易に行うことができるので、幌としてのシートを容易に展開/収納可能な荷台被覆装置を低コストで提供することができる。また、シートの展開時には、各骨部材が略水平状態となり、シートは運転席後部窓に略垂直となるので、幌としてのシートを展開しても運転席からの後方の視認性を良好に保つことができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、
前記複数のスライド部材は、揺動することなく前記ガイド部材の長手方向にのみ移動可能に前記ガイド部材に案内され、
各骨部材は、180度の角度範囲内でのみ折れ曲がり可能に構成され、
各骨部材の一端は、当該各骨部材に対応するスライド部材に、当該対応するスライド部材が前記主要部に位置するときに当該各骨部材が前記荷台の前後方向に略水平に延び且つ上方向にのみ折れ曲がり可能となるように固定されていることを特徴とする。
【0010】
このような第2の発明によれば、第1の発明と同様、幌としてのシートを容易に展開/収納可能な荷台被覆装置を低コストで提供することができる。これに加えて、展開時に直線状に延びていた各骨部材が収納時には折り曲げられるので、幌としてのシートの展開時のサイズを縮小することなく収納スペースを低減することができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、
前記ガイド部材は、前記外側壁面に平行であり、かつ、前記複数のスライド部材が前記端部に位置するときに前記複数の骨部材が前記複数のスライド部材から略上方に延びるように前記端部の近傍において捩られつつUターン状に湾曲していることを特徴とする。
【0012】
このような第3の発明によれば、各スライド部材をガイド部材の主要部に移動させて所定間隔で配置することにより、積載物を覆うための幌としてのシートが展開され、各スライド部材を所定の端部に移動させて骨部材を折り曲げることにより、幌としてのシートが略上下方向に向いた状態で収納される。このため、幌としてのシートを容易に展開/収納可能な荷台被覆装置を低コストで提供できると共に、降雨等によって展開時にシートに付着した水が収納時に流れ落ち、シートの水切りがよくなる。また、展開時には直線状に延びていた各骨部材は、収納時には折り曲げられるので、シートの展開時のサイズを縮小することなく収納スペースを低減することができる。
【0013】
第4の発明は、第1または第2の発明において、
前記ガイド部材は、前記外側壁面に平行であり、かつ、前記複数のスライド部材が前記端部に位置するときに前記複数の骨部材が斜め上方または斜め下方を向くように前記端部の近傍において捩られつつ斜め下方向に湾曲していることを特徴とする。
【0014】
このような第4の発明によれば、各スライド部材をガイド部材の主要部に移動させて所定間隔で配置することにより、積載物を覆うための幌としてのシートが展開され、各スライド部材を所定の端部に移動させて骨部材を折り曲げることにより、幌としてのシートが斜め上方または斜め下方向に向いた状態で収納される。このため、幌としてのシートを容易に展開/収納可能な荷台被覆装置を低コストで提供できると共に、降雨等によって展開時にシートに付着した水が収納時に流れ落ち、シートの水切りがよくなる。
【0015】
第5の発明は、第1または第2の発明において、
前記複数のスライド部材が前記主要部に位置するときに、前記シートの幅が後方に向かうに従って狭くなることを特徴とする。
【0016】
このような第5の発明によれば、幌としてのシートは展開時において先端部分(荷台被覆装置としての後方部分)が絞り気味となるので、貨物自動車の走行により荷台被覆装置の受ける風圧が低減される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.構成>
図1は、軽トラックの荷台に備え付けられた本発明の一実施形態に係る荷台被覆装置をその軽トラックの斜め後方から見た斜視図である。なお、以下において、本実施形態に係る荷台被覆装置が備え付けられた軽トラック100の進行方向を前方、その進行方向と逆の方向を後方とし、進行方向に向かい上方から見て左手方向を左方、右手方向を右方とする。
【0018】
本実施形態に係る荷台被覆装置は、左右方向に水平に延びる主要部(ただし、その両端部はやや下方に湾曲)を有するガイドレール10と、そのガイドレール10に摺動可能に嵌装された複数のスライダー12と、荷台を覆うための防雨性のシートであってガイドレール10の主要部の長さにほぼ等しい幅を有する防雨性シート20と、その防雨性シート20にその幅方向(左右方向)に一定間隔で例えば繋止されることによって取り付けられた複数の骨部材30とを備えている。
【0019】
軽トラック100には、運転席の後方窓102の外側であって荷台110の前端部に相当する位置に、鳥居に類似の形状のフレーム材(以下、単に「鳥居」という)104が直立した状態で固定されており、この鳥居104に上記ガイドレール10がボルトまたは溶接等により取り付けられている。このガイドレール10は、全体的に運転席後部の外側壁面(後方窓102を含む)と平行に配置され、すなわち全体的に当該外側壁面と一定間隔を保持するように配置され、かつ、その主要部分を占める中央部では左右方向に水平に延び、少なくとも一方の端部近傍でUターン状に湾曲しつつ後述のように捩られている。すなわち図1に示す例では、左方端部近傍において下方に湾曲した後に右方に湾曲しつつ後述のように捩られている。そして、このガイドレール10は、概ね水平方向に延びる主要部が軽トラック100の運転席の後方窓102の上部縁近傍であって当該上部縁に沿うように、鳥居104に取り付けられている。
【0020】
上記ガイドレール10は、図2および図3に示すように、断面が中空の矩形状であって、その矩形の4辺に対応する4つの側面のうち1つの側面のほぼ中央には、長手方向に走る開口部11を有している。ここで、図2はガイドレール10の中央部を示す斜視図であり、図3は当該中央部を示す断面図である。これら図2および図3に示すように、ガイドレール10の主要部では、後方を向く側面に開口部11が設けられている。しかし、ガイドレール10のうち上記端部近傍においてUターン状に湾曲した部分では、ガイドレール10の側面のうち開口部11が設けられた側面が、当該Uターン状に湾曲した部分のうち端部により近い水平部分(以下「Uターン状湾曲端部」という)10eにおいて図5(a)に示す如く上方を向くように、ガイドレール10はUターン状湾曲端部10eの近傍で図1に示す如く捩られた構造となっている。
【0021】
スライダー12は、図2および図3に示すように、断面が中空の矩形状であるガイドレール10内に嵌装されたサイコロ状(直方体状)の部材であって、揺動することなくガイドレール10の長手方向にのみ摺動可能となるように嵌装されている。
【0022】
骨部材30は、図3に示すように、傘骨に類似した構造の部材であって、少なくとも1つの回動軸35を中心に180度の角度範囲内でのみ折れ曲がり可能に結合された2つの部材31および部材32からなる。ただし、通常の傘骨よりも太くて強度の大きいものが使用される。この骨部材30は、スライダー12の個数だけ設けられていて、骨部材30とスライダー12とは1対1に対応している。そして図3に示すように、各スライダー12には、それに対応する1本の骨部材30の一端が固定されている。より詳しくは、各スライダー12がガイドレール10の主要部である水平部分に位置するときに、各スライダー12に対応する骨部材30がガイドレール10の開口部11から出て後方へ略水平に延び、かつ、上方向にのみ折れ曲がり可能となるように、当該対応する骨部材30の一端が各スライダー12に固定されている。前述のようにスライダー12は、サイコロ状であって、断面が中空の矩形状のガイドレール10に長手方向にのみ摺動可能に嵌装されており、ガイドレール10のUターン状湾曲端部10eでは開口部が上方を向くように捩られた構造となっている(図1)。したがって、スライダー12がガイドレール10のUターン状湾曲端部10eに位置するとき、そのスライダー12に固定された骨部材30は図5(a)に示すようにほぼ上下方を向くことになる。
【0023】
本実施形態では、荷台110に積載すべき荷物を覆う幌としての防雨性シート20を収納する際(荷台被覆装置を収納状態とする際)に、荷台被覆装置を使用する運転者等の使用者は、図4(a)に示すように各スライダー12をガイドレール10におけるUターン状湾曲端部10eに移動させると共に、図5(a)に示すように各骨部材30をほぼ180度(180度よりも若干小さい角度)だけ折り曲げる。これにより、各骨部材30はほぼ上下方向を向いて密集した状態となり、それに伴って防雨性シート20が折り畳まれて上下方向に長い柱状となる。本実施形態に係る荷台被覆装置では、防雨性シート20を骨部材30と共に収納するための可撓性(好ましくは弾性)の収納補助部材としてバンド部材40が備え付けられており、使用者は、このバンド部材40により、上記のように折り畳まれて柱状となった防雨性シート20と共に骨部材30を束ねる(図4(a)参照)。これにより、防雨性シート20の収納が終了する。なお本実施形態では、収納補助部材として可撓性のバンド部材40が使用されるが、防雨性シート20と共に骨部材30を束ねることができる収納補助部材であれば剛性の部材であってもよい。
【0024】
一方、本実施形態において上記のように収納された防雨性シート20を展開する際(荷台被覆装置を展開状態とする際)には、使用者は、防雨性シート20と共に各骨部材30を束ねているバンド部材40を外して、スライダー12をガイドレール10のUターン状湾曲端部10eから主要部へ移動させつつ、折り曲げられた各骨部材30を直線状に展開する。本実施形態に係る荷台被覆装置では、ガイドレール10の主要部における両端部(水平方向から下方へ湾曲する部分)に、スライダー12のガイドレール10上の位置を固定するためのストッパー14が設けられている。使用者は、これらのストッパー14により、展開された防雨性シート20の左右端部における骨部材30に対応するスライダー(「端部スライダー」という)12の位置を固定する。これにより、防雨性シート20は、図1に示すように展開された状態となる。なお、ストッパー14の構成は限定されないが、例えば、ガイドレール10の主要部の上記両端部の側壁にねじ溝を有する貫通孔を設けておき、それら貫通孔が設けられた位置に端部スライダー12を移動させ、それらの貫通孔にボルトをねじ込むことにより端部スライダー12の位置を固定する構成とすればよい。なお、このストッパー14が上記位置に設けられていることから、展開状態において、防雨性シート20の左右端部に配置される骨部材30は、図1に示すように、中央部に配置される骨部材30よりも下方に位置することになる。
【0025】
図6は、上記実施形態に係る荷台被覆装置の防雨性シート20が展開された状態を示す平面図である。防雨性シート20が展開されている状態では、各スライダー12は、ガイドレール10の主要部に配置されている。各骨部材30は一定の間隔で防雨性シート20に取り付けられているので、この展開時においてガイドレール10の主要部にスライダー12が配置される間隔もその一定の間隔となる。しかし、本実施形態では、骨部材30の間隔および防雨性シート20の幅が後方に行くにしたがって狭くなっている。このための具体的構成としては、図6に示すように、各骨部材30と当該各骨部材30の一端が固定されるスライダー12の面とを完全に垂直にせずに、骨部材30の間隔が後方に行くにしたがって狭くなるように各骨部材30をスライダー12に固定する。また、これに代えて又はこれと共に、防雨性シート20の幅(左右方向の幅)が後方に行くにしたがって狭くなるようにしてもよい。上記いずれかの構成により、防雨性シート20の展開時における骨部材30の間隔が後方に行くにしたがって狭くなるようにすると、軽トラック100の走行により荷台被覆装置の受ける風圧が低減される。
【0026】
また、上記実施形態では、図1に示すようにガイドレールの主要部の両端は中央部よりやや下方に湾曲していて、その主要部の両端部にストッパー14が配置されている。その結果、防雨性シート20の展開時において、防雨性シート20の左右の端部に取り付けられた骨部材30は、既述のように、中央部に取り付けられた骨部材30よりも下方に位置することになる。このため、上記のように防雨性シート20の幅(左右方向の幅)が後方に行くにしたがって狭くなっている場合、防雨性シート20の中央部に取り付けられた骨部材30には後方において下方に力が加わる。これにより、展開された防雨性シート20において前後方向に勾配が生じ、防雨性シート20の後部が若干下がった状態となる。この勾配は、防雨性シート20の水切りをよくするという効果を生じさせるが、運転席後部窓からの後方の視認性を悪化させるほどのものではない。
【0027】
<2.効果>
上記実施形態によれば、荷台110に積載すべき荷物を被覆する幌としての防雨性シート20に所定間隔で取り付けられている複数の骨部材30の一端がスライダー12に固定されていて、各スライダー12はガイドレール10にその長手方向にのみ摺動可能に嵌装されている。このような簡単な構成により、各スライダー12をガイドレール10に沿って移動させることで、荷台110を被覆する防雨性シート20の収納および展開を容易に行うことができるので、幌としての防雨性シート20の収納および展開が容易な荷台被覆装置を低コストで実現することができる。
【0028】
また、上記実施形態によれば、ガイドレール10の主要部すなわち水平方向に延びる部分が軽トラック100の運転席後方窓102の上部縁に沿って取り付けられており、しかも防雨性シート20は、各骨部材30と共に略水平に展開される(図1参照)。したがって、幌としての防雨性シート20が展開されて荷台110の荷物を覆う状態となっても、運転席から軽トラック100の後方につき良好な視認性を保つことができる。なお、荷台110に荷物が満載されていない場合には、略水平に展開された防雨性シート20と荷物との間から後方を確認することも可能である。
【0029】
さらに、上記実施形態では、ガイドレール10は少なくとも一方の端部でUターン状に湾曲しており、Uターン状湾曲端部10eは、開口部11が設けられた側面が上方を向くように捩られた構造となっている(図1参照)。このため、幌としての防雨性シート20を収納する際には、このUターン状湾曲端部10eに各スライダー12を移動させることにより、各スライダー12に一端が固定された骨部材30はほぼ上下方向を向き、それに伴って防雨性シート20は折り畳まれて上下方向に長い柱状となる(図4(a)参照)。これにより、降雨等によって展開時の防雨性シート20に付着した水が流れ落ち、防雨性シート20の水切りがよくなる。なお、この収納時には、図5(a)に示すように各骨部材30がほぼ180度折り曲げられるので、防雨性シート20の展開時のサイズを縮小することなく収納スペースを低減することができる。一方、展開時においては、各骨部材30は上方向にのみ折り曲がり可能な構成となっているので(図3)、防雨性シートは垂れ下がることなく略水平に保持される(図1)。
【0030】
さらにまた、上記実施形態では、展開時において幌としての防雨性シート20の先端部分(荷台被覆装置としての後方部分)が若干絞り気味となっているので(図6)、軽トラック100の走行により荷台被覆装置の受ける風圧が低減される。このため、骨部材30等の本荷台被覆装置の構成部材に要求される強度が小さくて済むことになる。
【0031】
<3.変形例>
上記実施形態では、ガイドレール10が軽トラック100の鳥居104に取り付けられているが、ガイドレール10の取り付け態様はこれに限定されるものではなく、例えば、軽トラック100の車体に直接にガイドレール10を取り付けてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、各骨部材30が180度の角度範囲内で折り曲げ可能に構成されているが、折り曲げできない直線状の部材であってもよい。ただし、この場合には、収納時のスペースとして上記実施形態よりも広い空間が必要となる。なお、各骨部材30が折り曲げ可能な構成の場合における折り曲げる位置(すなわち回動軸35の位置)は、上記実施形態の図3や図4(a)に示される位置に限定されるものではない。
【0033】
さらに、上記実施形態では、ガイドレール10のUターン状湾曲端部10e、すなわち収納時にスライダー12を移動させるべきガイドレール10の部分(以下「収納部」という)10eでは、図4(a)に示すように、開口部11が設けられる側面(以下「開口側面」という)が上方を向いているが、ガイドレール10の収納部10eにおける開口側面の向きは、上方に限定されるものではなく、運転席後部の外部壁面に垂直な方向であればよい。すなわち、スライダー12がガイドレール10の収納部10eに位置するときに当該スライダー12に固定された骨部材30が運転席後部の外側壁面に平行となるように(すなわち荷台110へ突起物を出さないように)、ガイドレール10が収納部10e近傍において捩られている構造となっていればよい。また、ガイドレール10の収納部10eの近傍は、必ずしもUターン状に湾曲している必要はない。したがって、例えば、図4(b)に示す如く、ガイドレール10が左方端部において斜め下方に湾曲すると共に、スライダー12が収納部10eに位置するときに当該スライダー12に固定された骨部材30が運転席後方の外側壁面に平行でかつ水平方向よりも若干上方(図4(b)の実線参照)または下方(図4(b)の点線参照)を向くようにガイドレール10が収納部10e近傍で捩られている構造であってもよい。ここで、収納時における骨部材30の方向は水平方向でもよいが、上記のように骨部材30が水平方向よりも若干上方または下方を向くようにすることにより(すなわち骨部材30が斜め上方または斜め下方に延びるようにすることにより)、降雨等によって展開時に防雨性シート20に付着した水が収納時に流れ落ち、防雨性シート20の水切りがよくなる。また、軽トラック100等の貨物自動車の荷台における幅方向は上下方向に比べて大きいので、この場合、各骨部材30は折り曲げできない構造となっていてもよい。なお、上記実施形態のようにガイドレール10の収納部10e近傍がUターン状に湾曲していて、収納部10eであるUターン状湾曲端部10eにおいて開口側面が図5(b)に示す如く下方を向くようにガイドレール10がUターン状湾曲端部近傍において捩られている構造であってもよい。この場合においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0034】
さらにまた、上記実施形態では図2に示すように、サイコロ状(直方体状)のスライダー12が使用され、ガイドレール10の断面形状もそれに応じたものとなっているが、スライダー12に相当するスライド部材およびガイドレール10に相当するガイド部材の形状および機構は、上記実施形態の形状および機構に限定されるものではない。したがって、スライド部材がガイド部材の長手方向にのみ移動可能にガイド部材に案内される構成であれば、例えば車輪やころ軸受け等を用いた構成であってもよい。ただし、上記実施形態のように各骨部材30が180度の角度範囲内で折り曲げ可能に構成されている場合には、スライド部材が揺動しないようにガイド部材に案内される構成とする必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る荷台被覆装置をそれが取り付けられた軽トラックの斜め後方から見た斜視図である。
【図2】上記実施形態におけるガイドレールの中央部を示す斜視図である。
【図3】上記実施形態におけるガイドレールの中央部における断面図である。
【図4】上記実施形態において防雨性シートが収納された状態を示す斜視図(a)、および、上記実施形態の変形例において防雨性シートが収納された状態を示す斜視図(b)である。
【図5】上記実施形態におけるガイドレールのUターン状湾曲端部(収納部)における断面図(a)、および、上記実施形態の変形例におけるガイドレールのUターン状湾曲端部(収納部)における断面図(b)である。
【図6】上記実施形態に係る荷台被覆装置を示す平面図である。
【符号の説明】
10 …ガイドレール
10e …Uターン状湾曲端部(収納部)
11 …開口部
12 …スライダー
14 …ストッパー
20 …防雨性シート(幌)
30 …骨部材
35 …回動軸
40 …バンド部材
100 …軽トラック
102 …後方窓
110 …荷台
【発明の属する技術分野】
本発明は、貨物自動車の荷台が雨に濡れるのを防ぐため等に使用される荷台被覆装置に関し、特に軽トラック等の小型貨物車に好適な荷台被覆装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トラック等の貨物自動車における積載物が雨に濡れたり外部へ飛散したりするのを防止するために、貨物自動車の荷台に積載された荷物(以下「積載物」という)を覆うようにシートを被せ、ロープやゴムバンド等でシートを固定するということが行われている。また、このような作業を効率化することを目的とした荷台被覆装置や荷台用開閉式テントも考案されている。例えば、特開平8−58466号公報には、巻き取り方向に付勢された伸縮性シートを荷台の前端から後端まで引き出して荷台を被覆する構成とすることにより簡単に且つ短時間で積載物を被覆できるようにした荷台被覆装置が開示されている。また、登録実用新案第3067584号公報には、幌状シートを荷台のドア上部に取り付け、アコーディオン状に開閉・収納可能な構成とすることにより、積載作業や積載物の被覆作業の容易化や効率化を図った小型貨物自動車荷台用開閉式テント又は覆蓋が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−58466号公報
【特許文献2】
登録実用新案第3067584号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、個人商店等の小規模事業者が軽トラック等の小型貨物自動車で商品の配達等を行う場合には、走行距離も短く走行速度も低い。また、荷台に荷物が満載されることも少ない。したがって、このような場合には、積載物を被覆すべき幌としてのシート等を簡便に展開/収納することができ、荷物が雨に濡れるのを短時間だけ防ぐことができれば十分である。
【0005】
これに対し、貨物自動車における荷台の積載物を被覆するための上記従来技術は、雨や風圧に十分に耐えられるように積載物を完全に被覆できる構成となっている。このため、個人商店等で扱う商品を配達するための軽トラック等において使用するには、荷台被覆装置として過剰な仕様となっており、コスト面等から導入が容易ではない。また、上記従来技術では、荷台に荷物が満載された場合にも対応できる構成となっていることから、積載物を覆うシート等によって運転席の後部窓からの視界が遮られ、後方の視認性が低下するという問題もあった。
【0006】
そこで本発明の目的は、軽トラック等の小型貨物自動車においても容易に導入できるような簡単な構成であって、積載物を被覆する幌としてのシートを容易に展開/収納できる貨物自動車用荷台被覆装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、そのように簡単な構成で幌としてのシートを容易に展開/収納可能にしつつ、運転席からの後方の視認性も良好に保つことができるようにした貨物自動車用荷台被覆装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、貨物自動車の荷台を覆うための荷台被覆装置であって、
前記貨物自動車の運転席後部の外側壁面または当該外側壁面近傍に取り付けられ、前記荷台の左右方向に延びる主要部を有するガイド部材と、
前記ガイド部材の長手方向にのみ移動可能に前記ガイド部材に案内される複数のスライド部材と、
前記ガイド部材の前記主要部の長さに略等しい幅を有するシート材と、
前記シート材に幅方向に所定間隔で取り付けられ、前記複数のスライド部材にそれぞれ対応する複数の骨部材とを備え、
各骨部材の一端は、当該各骨部材に対応するスライド部材に、当該対応するスライド部材が前記主要部に位置するときに当該各骨部材が前記荷台の前後方向に略水平に延びるように固定され、
前記ガイド部材は、前記複数のスライド部材が前記ガイド部材における少なくとも一方の端部に位置するときに前記複数の骨部材が前記外側壁面に平行となるように当該端部近傍において捩られていることを特徴とする。
【0008】
このような第1の発明によれば、各スライド部材をガイド部材の主要部に移動させて所定間隔で配置することにより、積載物を覆うための幌としてのシートが展開され、各スライド部材を所定の端部に移動させることにより、幌としてのシートが折り畳まれて骨部材と共に運転席後部の外側壁面に沿った状態で(荷台へ突起物を出すことなく)収納される。このようにして簡単な構成でシートの展開/収納を容易に行うことができるので、幌としてのシートを容易に展開/収納可能な荷台被覆装置を低コストで提供することができる。また、シートの展開時には、各骨部材が略水平状態となり、シートは運転席後部窓に略垂直となるので、幌としてのシートを展開しても運転席からの後方の視認性を良好に保つことができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、
前記複数のスライド部材は、揺動することなく前記ガイド部材の長手方向にのみ移動可能に前記ガイド部材に案内され、
各骨部材は、180度の角度範囲内でのみ折れ曲がり可能に構成され、
各骨部材の一端は、当該各骨部材に対応するスライド部材に、当該対応するスライド部材が前記主要部に位置するときに当該各骨部材が前記荷台の前後方向に略水平に延び且つ上方向にのみ折れ曲がり可能となるように固定されていることを特徴とする。
【0010】
このような第2の発明によれば、第1の発明と同様、幌としてのシートを容易に展開/収納可能な荷台被覆装置を低コストで提供することができる。これに加えて、展開時に直線状に延びていた各骨部材が収納時には折り曲げられるので、幌としてのシートの展開時のサイズを縮小することなく収納スペースを低減することができる。
【0011】
第3の発明は、第2の発明において、
前記ガイド部材は、前記外側壁面に平行であり、かつ、前記複数のスライド部材が前記端部に位置するときに前記複数の骨部材が前記複数のスライド部材から略上方に延びるように前記端部の近傍において捩られつつUターン状に湾曲していることを特徴とする。
【0012】
このような第3の発明によれば、各スライド部材をガイド部材の主要部に移動させて所定間隔で配置することにより、積載物を覆うための幌としてのシートが展開され、各スライド部材を所定の端部に移動させて骨部材を折り曲げることにより、幌としてのシートが略上下方向に向いた状態で収納される。このため、幌としてのシートを容易に展開/収納可能な荷台被覆装置を低コストで提供できると共に、降雨等によって展開時にシートに付着した水が収納時に流れ落ち、シートの水切りがよくなる。また、展開時には直線状に延びていた各骨部材は、収納時には折り曲げられるので、シートの展開時のサイズを縮小することなく収納スペースを低減することができる。
【0013】
第4の発明は、第1または第2の発明において、
前記ガイド部材は、前記外側壁面に平行であり、かつ、前記複数のスライド部材が前記端部に位置するときに前記複数の骨部材が斜め上方または斜め下方を向くように前記端部の近傍において捩られつつ斜め下方向に湾曲していることを特徴とする。
【0014】
このような第4の発明によれば、各スライド部材をガイド部材の主要部に移動させて所定間隔で配置することにより、積載物を覆うための幌としてのシートが展開され、各スライド部材を所定の端部に移動させて骨部材を折り曲げることにより、幌としてのシートが斜め上方または斜め下方向に向いた状態で収納される。このため、幌としてのシートを容易に展開/収納可能な荷台被覆装置を低コストで提供できると共に、降雨等によって展開時にシートに付着した水が収納時に流れ落ち、シートの水切りがよくなる。
【0015】
第5の発明は、第1または第2の発明において、
前記複数のスライド部材が前記主要部に位置するときに、前記シートの幅が後方に向かうに従って狭くなることを特徴とする。
【0016】
このような第5の発明によれば、幌としてのシートは展開時において先端部分(荷台被覆装置としての後方部分)が絞り気味となるので、貨物自動車の走行により荷台被覆装置の受ける風圧が低減される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<1.構成>
図1は、軽トラックの荷台に備え付けられた本発明の一実施形態に係る荷台被覆装置をその軽トラックの斜め後方から見た斜視図である。なお、以下において、本実施形態に係る荷台被覆装置が備え付けられた軽トラック100の進行方向を前方、その進行方向と逆の方向を後方とし、進行方向に向かい上方から見て左手方向を左方、右手方向を右方とする。
【0018】
本実施形態に係る荷台被覆装置は、左右方向に水平に延びる主要部(ただし、その両端部はやや下方に湾曲)を有するガイドレール10と、そのガイドレール10に摺動可能に嵌装された複数のスライダー12と、荷台を覆うための防雨性のシートであってガイドレール10の主要部の長さにほぼ等しい幅を有する防雨性シート20と、その防雨性シート20にその幅方向(左右方向)に一定間隔で例えば繋止されることによって取り付けられた複数の骨部材30とを備えている。
【0019】
軽トラック100には、運転席の後方窓102の外側であって荷台110の前端部に相当する位置に、鳥居に類似の形状のフレーム材(以下、単に「鳥居」という)104が直立した状態で固定されており、この鳥居104に上記ガイドレール10がボルトまたは溶接等により取り付けられている。このガイドレール10は、全体的に運転席後部の外側壁面(後方窓102を含む)と平行に配置され、すなわち全体的に当該外側壁面と一定間隔を保持するように配置され、かつ、その主要部分を占める中央部では左右方向に水平に延び、少なくとも一方の端部近傍でUターン状に湾曲しつつ後述のように捩られている。すなわち図1に示す例では、左方端部近傍において下方に湾曲した後に右方に湾曲しつつ後述のように捩られている。そして、このガイドレール10は、概ね水平方向に延びる主要部が軽トラック100の運転席の後方窓102の上部縁近傍であって当該上部縁に沿うように、鳥居104に取り付けられている。
【0020】
上記ガイドレール10は、図2および図3に示すように、断面が中空の矩形状であって、その矩形の4辺に対応する4つの側面のうち1つの側面のほぼ中央には、長手方向に走る開口部11を有している。ここで、図2はガイドレール10の中央部を示す斜視図であり、図3は当該中央部を示す断面図である。これら図2および図3に示すように、ガイドレール10の主要部では、後方を向く側面に開口部11が設けられている。しかし、ガイドレール10のうち上記端部近傍においてUターン状に湾曲した部分では、ガイドレール10の側面のうち開口部11が設けられた側面が、当該Uターン状に湾曲した部分のうち端部により近い水平部分(以下「Uターン状湾曲端部」という)10eにおいて図5(a)に示す如く上方を向くように、ガイドレール10はUターン状湾曲端部10eの近傍で図1に示す如く捩られた構造となっている。
【0021】
スライダー12は、図2および図3に示すように、断面が中空の矩形状であるガイドレール10内に嵌装されたサイコロ状(直方体状)の部材であって、揺動することなくガイドレール10の長手方向にのみ摺動可能となるように嵌装されている。
【0022】
骨部材30は、図3に示すように、傘骨に類似した構造の部材であって、少なくとも1つの回動軸35を中心に180度の角度範囲内でのみ折れ曲がり可能に結合された2つの部材31および部材32からなる。ただし、通常の傘骨よりも太くて強度の大きいものが使用される。この骨部材30は、スライダー12の個数だけ設けられていて、骨部材30とスライダー12とは1対1に対応している。そして図3に示すように、各スライダー12には、それに対応する1本の骨部材30の一端が固定されている。より詳しくは、各スライダー12がガイドレール10の主要部である水平部分に位置するときに、各スライダー12に対応する骨部材30がガイドレール10の開口部11から出て後方へ略水平に延び、かつ、上方向にのみ折れ曲がり可能となるように、当該対応する骨部材30の一端が各スライダー12に固定されている。前述のようにスライダー12は、サイコロ状であって、断面が中空の矩形状のガイドレール10に長手方向にのみ摺動可能に嵌装されており、ガイドレール10のUターン状湾曲端部10eでは開口部が上方を向くように捩られた構造となっている(図1)。したがって、スライダー12がガイドレール10のUターン状湾曲端部10eに位置するとき、そのスライダー12に固定された骨部材30は図5(a)に示すようにほぼ上下方を向くことになる。
【0023】
本実施形態では、荷台110に積載すべき荷物を覆う幌としての防雨性シート20を収納する際(荷台被覆装置を収納状態とする際)に、荷台被覆装置を使用する運転者等の使用者は、図4(a)に示すように各スライダー12をガイドレール10におけるUターン状湾曲端部10eに移動させると共に、図5(a)に示すように各骨部材30をほぼ180度(180度よりも若干小さい角度)だけ折り曲げる。これにより、各骨部材30はほぼ上下方向を向いて密集した状態となり、それに伴って防雨性シート20が折り畳まれて上下方向に長い柱状となる。本実施形態に係る荷台被覆装置では、防雨性シート20を骨部材30と共に収納するための可撓性(好ましくは弾性)の収納補助部材としてバンド部材40が備え付けられており、使用者は、このバンド部材40により、上記のように折り畳まれて柱状となった防雨性シート20と共に骨部材30を束ねる(図4(a)参照)。これにより、防雨性シート20の収納が終了する。なお本実施形態では、収納補助部材として可撓性のバンド部材40が使用されるが、防雨性シート20と共に骨部材30を束ねることができる収納補助部材であれば剛性の部材であってもよい。
【0024】
一方、本実施形態において上記のように収納された防雨性シート20を展開する際(荷台被覆装置を展開状態とする際)には、使用者は、防雨性シート20と共に各骨部材30を束ねているバンド部材40を外して、スライダー12をガイドレール10のUターン状湾曲端部10eから主要部へ移動させつつ、折り曲げられた各骨部材30を直線状に展開する。本実施形態に係る荷台被覆装置では、ガイドレール10の主要部における両端部(水平方向から下方へ湾曲する部分)に、スライダー12のガイドレール10上の位置を固定するためのストッパー14が設けられている。使用者は、これらのストッパー14により、展開された防雨性シート20の左右端部における骨部材30に対応するスライダー(「端部スライダー」という)12の位置を固定する。これにより、防雨性シート20は、図1に示すように展開された状態となる。なお、ストッパー14の構成は限定されないが、例えば、ガイドレール10の主要部の上記両端部の側壁にねじ溝を有する貫通孔を設けておき、それら貫通孔が設けられた位置に端部スライダー12を移動させ、それらの貫通孔にボルトをねじ込むことにより端部スライダー12の位置を固定する構成とすればよい。なお、このストッパー14が上記位置に設けられていることから、展開状態において、防雨性シート20の左右端部に配置される骨部材30は、図1に示すように、中央部に配置される骨部材30よりも下方に位置することになる。
【0025】
図6は、上記実施形態に係る荷台被覆装置の防雨性シート20が展開された状態を示す平面図である。防雨性シート20が展開されている状態では、各スライダー12は、ガイドレール10の主要部に配置されている。各骨部材30は一定の間隔で防雨性シート20に取り付けられているので、この展開時においてガイドレール10の主要部にスライダー12が配置される間隔もその一定の間隔となる。しかし、本実施形態では、骨部材30の間隔および防雨性シート20の幅が後方に行くにしたがって狭くなっている。このための具体的構成としては、図6に示すように、各骨部材30と当該各骨部材30の一端が固定されるスライダー12の面とを完全に垂直にせずに、骨部材30の間隔が後方に行くにしたがって狭くなるように各骨部材30をスライダー12に固定する。また、これに代えて又はこれと共に、防雨性シート20の幅(左右方向の幅)が後方に行くにしたがって狭くなるようにしてもよい。上記いずれかの構成により、防雨性シート20の展開時における骨部材30の間隔が後方に行くにしたがって狭くなるようにすると、軽トラック100の走行により荷台被覆装置の受ける風圧が低減される。
【0026】
また、上記実施形態では、図1に示すようにガイドレールの主要部の両端は中央部よりやや下方に湾曲していて、その主要部の両端部にストッパー14が配置されている。その結果、防雨性シート20の展開時において、防雨性シート20の左右の端部に取り付けられた骨部材30は、既述のように、中央部に取り付けられた骨部材30よりも下方に位置することになる。このため、上記のように防雨性シート20の幅(左右方向の幅)が後方に行くにしたがって狭くなっている場合、防雨性シート20の中央部に取り付けられた骨部材30には後方において下方に力が加わる。これにより、展開された防雨性シート20において前後方向に勾配が生じ、防雨性シート20の後部が若干下がった状態となる。この勾配は、防雨性シート20の水切りをよくするという効果を生じさせるが、運転席後部窓からの後方の視認性を悪化させるほどのものではない。
【0027】
<2.効果>
上記実施形態によれば、荷台110に積載すべき荷物を被覆する幌としての防雨性シート20に所定間隔で取り付けられている複数の骨部材30の一端がスライダー12に固定されていて、各スライダー12はガイドレール10にその長手方向にのみ摺動可能に嵌装されている。このような簡単な構成により、各スライダー12をガイドレール10に沿って移動させることで、荷台110を被覆する防雨性シート20の収納および展開を容易に行うことができるので、幌としての防雨性シート20の収納および展開が容易な荷台被覆装置を低コストで実現することができる。
【0028】
また、上記実施形態によれば、ガイドレール10の主要部すなわち水平方向に延びる部分が軽トラック100の運転席後方窓102の上部縁に沿って取り付けられており、しかも防雨性シート20は、各骨部材30と共に略水平に展開される(図1参照)。したがって、幌としての防雨性シート20が展開されて荷台110の荷物を覆う状態となっても、運転席から軽トラック100の後方につき良好な視認性を保つことができる。なお、荷台110に荷物が満載されていない場合には、略水平に展開された防雨性シート20と荷物との間から後方を確認することも可能である。
【0029】
さらに、上記実施形態では、ガイドレール10は少なくとも一方の端部でUターン状に湾曲しており、Uターン状湾曲端部10eは、開口部11が設けられた側面が上方を向くように捩られた構造となっている(図1参照)。このため、幌としての防雨性シート20を収納する際には、このUターン状湾曲端部10eに各スライダー12を移動させることにより、各スライダー12に一端が固定された骨部材30はほぼ上下方向を向き、それに伴って防雨性シート20は折り畳まれて上下方向に長い柱状となる(図4(a)参照)。これにより、降雨等によって展開時の防雨性シート20に付着した水が流れ落ち、防雨性シート20の水切りがよくなる。なお、この収納時には、図5(a)に示すように各骨部材30がほぼ180度折り曲げられるので、防雨性シート20の展開時のサイズを縮小することなく収納スペースを低減することができる。一方、展開時においては、各骨部材30は上方向にのみ折り曲がり可能な構成となっているので(図3)、防雨性シートは垂れ下がることなく略水平に保持される(図1)。
【0030】
さらにまた、上記実施形態では、展開時において幌としての防雨性シート20の先端部分(荷台被覆装置としての後方部分)が若干絞り気味となっているので(図6)、軽トラック100の走行により荷台被覆装置の受ける風圧が低減される。このため、骨部材30等の本荷台被覆装置の構成部材に要求される強度が小さくて済むことになる。
【0031】
<3.変形例>
上記実施形態では、ガイドレール10が軽トラック100の鳥居104に取り付けられているが、ガイドレール10の取り付け態様はこれに限定されるものではなく、例えば、軽トラック100の車体に直接にガイドレール10を取り付けてもよい。
【0032】
また、上記実施形態では、各骨部材30が180度の角度範囲内で折り曲げ可能に構成されているが、折り曲げできない直線状の部材であってもよい。ただし、この場合には、収納時のスペースとして上記実施形態よりも広い空間が必要となる。なお、各骨部材30が折り曲げ可能な構成の場合における折り曲げる位置(すなわち回動軸35の位置)は、上記実施形態の図3や図4(a)に示される位置に限定されるものではない。
【0033】
さらに、上記実施形態では、ガイドレール10のUターン状湾曲端部10e、すなわち収納時にスライダー12を移動させるべきガイドレール10の部分(以下「収納部」という)10eでは、図4(a)に示すように、開口部11が設けられる側面(以下「開口側面」という)が上方を向いているが、ガイドレール10の収納部10eにおける開口側面の向きは、上方に限定されるものではなく、運転席後部の外部壁面に垂直な方向であればよい。すなわち、スライダー12がガイドレール10の収納部10eに位置するときに当該スライダー12に固定された骨部材30が運転席後部の外側壁面に平行となるように(すなわち荷台110へ突起物を出さないように)、ガイドレール10が収納部10e近傍において捩られている構造となっていればよい。また、ガイドレール10の収納部10eの近傍は、必ずしもUターン状に湾曲している必要はない。したがって、例えば、図4(b)に示す如く、ガイドレール10が左方端部において斜め下方に湾曲すると共に、スライダー12が収納部10eに位置するときに当該スライダー12に固定された骨部材30が運転席後方の外側壁面に平行でかつ水平方向よりも若干上方(図4(b)の実線参照)または下方(図4(b)の点線参照)を向くようにガイドレール10が収納部10e近傍で捩られている構造であってもよい。ここで、収納時における骨部材30の方向は水平方向でもよいが、上記のように骨部材30が水平方向よりも若干上方または下方を向くようにすることにより(すなわち骨部材30が斜め上方または斜め下方に延びるようにすることにより)、降雨等によって展開時に防雨性シート20に付着した水が収納時に流れ落ち、防雨性シート20の水切りがよくなる。また、軽トラック100等の貨物自動車の荷台における幅方向は上下方向に比べて大きいので、この場合、各骨部材30は折り曲げできない構造となっていてもよい。なお、上記実施形態のようにガイドレール10の収納部10e近傍がUターン状に湾曲していて、収納部10eであるUターン状湾曲端部10eにおいて開口側面が図5(b)に示す如く下方を向くようにガイドレール10がUターン状湾曲端部近傍において捩られている構造であってもよい。この場合においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0034】
さらにまた、上記実施形態では図2に示すように、サイコロ状(直方体状)のスライダー12が使用され、ガイドレール10の断面形状もそれに応じたものとなっているが、スライダー12に相当するスライド部材およびガイドレール10に相当するガイド部材の形状および機構は、上記実施形態の形状および機構に限定されるものではない。したがって、スライド部材がガイド部材の長手方向にのみ移動可能にガイド部材に案内される構成であれば、例えば車輪やころ軸受け等を用いた構成であってもよい。ただし、上記実施形態のように各骨部材30が180度の角度範囲内で折り曲げ可能に構成されている場合には、スライド部材が揺動しないようにガイド部材に案内される構成とする必要がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る荷台被覆装置をそれが取り付けられた軽トラックの斜め後方から見た斜視図である。
【図2】上記実施形態におけるガイドレールの中央部を示す斜視図である。
【図3】上記実施形態におけるガイドレールの中央部における断面図である。
【図4】上記実施形態において防雨性シートが収納された状態を示す斜視図(a)、および、上記実施形態の変形例において防雨性シートが収納された状態を示す斜視図(b)である。
【図5】上記実施形態におけるガイドレールのUターン状湾曲端部(収納部)における断面図(a)、および、上記実施形態の変形例におけるガイドレールのUターン状湾曲端部(収納部)における断面図(b)である。
【図6】上記実施形態に係る荷台被覆装置を示す平面図である。
【符号の説明】
10 …ガイドレール
10e …Uターン状湾曲端部(収納部)
11 …開口部
12 …スライダー
14 …ストッパー
20 …防雨性シート(幌)
30 …骨部材
35 …回動軸
40 …バンド部材
100 …軽トラック
102 …後方窓
110 …荷台
Claims (5)
- 貨物自動車の荷台を覆うための荷台被覆装置であって、
前記貨物自動車の運転席後部の外側壁面または当該外側壁面近傍に取り付けられ、前記荷台の左右方向に延びる主要部を有するガイド部材と、
前記ガイド部材の長手方向にのみ移動可能に前記ガイド部材に案内される複数のスライド部材と、
前記ガイド部材の前記主要部の長さに略等しい幅を有するシート材と、
前記シート材に幅方向に所定間隔で取り付けられ、前記複数のスライド部材にそれぞれ対応する複数の骨部材とを備え、
各骨部材の一端は、当該各骨部材に対応するスライド部材に、当該対応するスライド部材が前記主要部に位置するときに当該各骨部材が前記荷台の前後方向に略水平に延びるように固定され、
前記ガイド部材は、前記複数のスライド部材が前記ガイド部材における少なくとも一方の端部に位置するときに前記複数の骨部材が前記外側壁面に略平行となるように当該端部近傍において捩られていることを特徴とする荷台被覆装置。 - 前記複数のスライド部材は、揺動することなく前記ガイド部材の長手方向にのみ移動可能に前記ガイド部材に案内され、
各骨部材は、180度の角度範囲内でのみ折れ曲がり可能に構成され、
各骨部材の一端は、当該各骨部材に対応するスライド部材に、当該対応するスライド部材が前記主要部に位置するときに当該各骨部材が前記荷台の前後方向に略水平に延び且つ上方向にのみ折れ曲がり可能となるように固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の荷台被覆装置。 - 前記ガイド部材は、前記外側壁面に平行であり、かつ、前記複数のスライド部材が前記端部に位置するときに前記複数の骨部材が前記複数のスライド部材から略上方に延びるように前記端部の近傍において捩られつつUターン状に湾曲していることを特徴とする、請求項2に記載の荷台被覆装置。
- 前記ガイド部材は、前記外側壁面に平行であり、かつ、前記複数のスライド部材が前記端部に位置するときに前記複数の骨部材が斜め上方または斜め下方を向くように前記端部の近傍において捩られつつ斜め下方向に湾曲していることを特徴とする、請求項1または2に記載の荷台被覆装置。
- 前記複数のスライド部材が前記主要部に位置するときに、前記シートの幅が後方に向かうに従って狭くなることを特徴とする、請求項1または2に記載の荷台被覆装置。
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