JP3803035B2 - 磁気ヘッドサスペンションの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)に用いられる磁気ヘッドサスペンションの製造方法に関し、より詳しくは、磁気ヘッド配線を構成するFPC(Flexible Printed Circuits)がサスペンション基体に接着されてなる磁気ヘッドサスペンションの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ヘッドサスペンションに支持される磁気ヘッドとプリアンプ基板とを接続する磁気ヘッド配線として、従来においてはワイヤが使用されていた。しかしながら、磁気ヘッドの小型化に伴い、ワイヤの剛性が磁気ヘッドの浮上特性安定化の障害となってきたことから、近年においては、前記磁気ヘッド配線として、サスペンション基体に一体的に形成された一体型配線や、サスペンション基体に接着されたFPCが使用されている。
【0003】
前記一体型配線は、前記サスペンション基体に一体的に積層されるPI(ポリイミド)フィルム絶縁層と、該PI絶縁層上に積層される導体層とを有している。
他方、前記FPCは、PIフィルムからなるベースフィルムと、該ベースフィルム上に積層される導体層とを有しており、前記ベースフィルムがサスペンション基体に接着されるようになっている。
【0004】
ところで、前記FPCにおける前記PIベースフィルムは一般的に25〜50μmの厚みを有し、前記一体型配線における前記PIフィルム層の3〜5倍の厚みとされる。従って、磁気ヘッドの浮上特性安定化の為には厚いPIベースフィルムを備えたFPC自体の剛性を低減させる必要がある。
【0005】
斯かる要望に応える為に、特開昭52-12815号公報や米国特許第4616279号明細書には、サスペンション基体のディスク対向面とは反対側の裏面(以下、裏面という)にFPCを接着すると共に、該FPCにおける磁気ヘッド近傍箇所に配線導体のみからなる空中配線部を設けてなる磁気ヘッドサスペンションが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報及び米国特許明細書に記載の磁気ヘッドサスペンションにおいては、FPCをサスペンション基体の下面に接着した後、該FPCのヘッド側端子部を磁気ヘッド側に折り曲げる必要があり、その為、FPCの剛性を十分に低減させることができないと共に、FPC接着工程から磁気ヘッド接着工程までの組立工程が複雑になるという問題がある。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、FPCの剛性を十分に低減させて磁気ヘッドの浮上特性の安定化を図り得る製造簡単な磁気ヘッドサスペンションの製造方法を提供することを、一の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成する為に、サスペンション基体に少なくとも絶縁性ベースフィルムと該ベースフィルム上に配された配線導体とを有するFPCが接合されてなり、且つ、該FPCが少なくとも一部に前記配線導体のみからなる空中配線部を有している磁気ヘッドサスペンションの製造方法であって、前記絶縁性ベースフィルムを構成するポリイミドフィルムであって、一方面側に接着剤層が設けられてなるポリイミドフィルムを用意する第1の工程と、前記空中配線部を形成する為の間隙によって互いに分離された磁気ヘッド側領域及びプリアンプ側領域と、前記間隙の幅方向外方において前記両領域を接続する接続部とを有するように、前記ポリイミドフィルムを成形する第2の工程と、前記接着剤層の全面に前記配線導体を構成する導体層を接合する第3の工程と、前記導体層のうち,配線導体として残すべき領域上にレジストパターンを形成する第4の工程と、前記ポリイミドフィルムの他方面側にエッチング保護層を形成する第5の工程と、前記レジストパターン及びエッチング保護層をマスクに前記導体層をエッチングして配線導体を形成する第6の工程と、前記レジストパターン及びエッチング保護層を除去する第7の工程と、前記ポリイミドフィルムの他方面を前記サスペンション基体のディスク対向面に接合する第8の工程と、前記ポリイミドフィルムの接続部を切断する第9の工程とを備えた磁気ヘッドサスペンションの製造方法を提供する。
【0009】
好ましくは、前記第6の工程の後に、前記配線導体の所望部分を囲繞するカバーコート層を形成する工程を、さらに備えることができる。
又、好ましくは、前記第7の工程の後に、前記配線導体の露出表面にメッキを施す工程を、さらに備えることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの製造方法の好ましい一実施の形態につき、添付図面を参照しつつ説明する。図1及び図2は、それぞれ、本実施の形態に係る製造方法による磁気ヘッドサスペンション1の上面図及び下面図である。又、図3は該磁気ヘッドサスペンション1におけるサスペンション基体部分の拡大上面図であり、図4及び図5は、それぞれ、該磁気ヘッドサスペンション1におけるFPC単体の上面図及び下面図である。さらに、図6及び図7は、該磁気ヘッドサスペンションにおけるサスペンション基体10の上面図及び下面図である。なお、前記上面及び下面は、それぞれ、磁気ヘッドサスペンションにおける磁気ディスク対向面及び該ディスク対向面とは反対側の裏面を意味する。
【0011】
前記磁気ヘッドサスペンション1は、サスペンション基体10と、該サスペンション基体の磁気ディスク対向面に接着されたFPC50とを備えている。
前記サスペンション基体10は、基端側がアーム(図示せず)に固着されるベースプレート20と、該ベースプレート20に長手方向に沿って連結されるロードビーム30と、該ロードビーム30に長手方向に沿って連結されるフレクシャ40とを有している。
【0012】
前記ベースプレート20,ロードビーム30及びフレクシャ40は、それぞれ、例えば、厚さ0.2mm〜0.3mm,厚さ30μm〜70μm及び厚さ20μm〜30μmのステンレスを用いて形成されており、これら3つの部材30,40,50は、好ましくは、溶接によって接合される。
【0013】
前記ベースプレート20には、裏面側に突出した円筒状ボス21が形成されている。該ボス21は、前記アーム(図示せず)との連結の為に備えられる。即ち、該ボス21を前記アーム(図示せず)に形成されたボス孔に挿入させた状態で、該ボス21内の貫通孔22に該貫通孔の内径よりやや大きい直径のボールを挿通させることによって、前記ベースプレート20は前記アームにかしめられて固着される。
【0014】
前記ロードビーム30は、基端側に形成された荷重曲げ部31と、先端側に形成されたディンプル32とを有している。
前記荷重曲げ部31は、前記フレクシャ40の先端部に支持される磁気ヘッドを磁気ディスクへ向けて押しつける為の荷重を発生させるものであり、本実施の形態においては、該ロードビーム先端部が磁気ディスクへ近づく方向への曲げ加工が施されている。
前記ディンプル32は、前記ロードビーム先端側の磁気ディスク対向面に形成されている。該ディンプル32は、後述するフレクシャ40の磁気ヘッド搭載部42の裏面に当接しており、前記ロードビーム30の荷重曲げ部31で発生した荷重を磁気ヘッドに有効に加え得るようになっている。
なお、図中、符号33は、ロードビームの剛性を高める為に必要に応じ備えられるフランジ曲げ部である。
【0015】
前記フレクシャ40は、前記ロードビーム30に接合される基端部41と、前記磁気ヘッドを支持する磁気ヘッド搭載部42と、前記基端部41と磁気ヘッド搭載部42とを連結する連結部43とを有している。
【0016】
該フレクシャ40は、磁気ヘッドの安定支持の為に前記磁気ヘッド搭載部42の幅方向(横方向)剛性は高く維持しつつ、且つ、磁気ディスクのうねりに対する磁気ヘッドの追従性向上の為に該磁気ヘッド搭載部42のピッチ方向及びロール方向剛性を低くすることが望まれている。
【0017】
その為、本実施の形態においては、図6及び図7に示すように、前記連結部43を、前記基端部41の幅方向両端部から先方へ延びる一対のアーム部43aと、該一対のアーム部の先端部を連結するブリッジ部43bと、該ブリッジ部43bの略中央部から後方へ延びて前記磁気ヘッド搭載部42に連結された支持部43cとを有するように構成している。
【0018】
前述のように、前記ロードビーム30のディンプル32は前記フレクシャ40の磁気ヘッド搭載部42の裏面に当接しており、従って、前記磁気ヘッドは該ディンプル32と磁気ヘッド搭載部42との当接点を中心にピッチ方向及びロール方向へ揺動する。
【0019】
前記FPC50は、ベースフィルム51と、該ベースフィルム51上に積層された配線導体52と、該配線導体を囲繞するカバーコート53とを備えている。
前記ベースフィルム51,配線導体52及びカバーコート53は、それぞれ、例えば、厚さ25μm〜50μmのPI,厚さ12μm〜18μmの電解銅箔又は圧延銅箔及び厚さ5μm〜30μmの樹脂によって形成される。
なお、図4及び図5中の符号51cは、ベースフィルム51に形成された磁気ヘッド接地用開口である。
【0020】
前記カバーコート53は、配線導体52を保護する為に所望箇所に備えられるものである。本実施の形態においては、FPC50の長手方向のうち,基端側にのみカバーコート53を形成している(図1及び図4参照)。
【0021】
前記配線導体52は、好ましくは、最少幅/最少間隔が25μm/25μm〜50μm/50μmとされ、より好ましくは、腐食防止の為に表面にNi/Au(1μm/1μm)メッキが施される。なお、前記ベースフィルム51と前記配線導体52との間には、厚さ10μm〜20μm程度の接着剤層が介挿される場合もある。
該配線導体52は、少なくとも先端部及び基端部において外部に露出しており、それぞれ、ヘッド側端子52a及プリアンプ基板側端子52bを形成している。本実施の形態においては、配線導体52の先端側にはカバーコートが形成されておらず、従って、配線導体52のヘッド側端子52aは外部に露出している。他方、配線導体52のプリアンプ基板側端子52bは、前記ベースフィルム51の基端側に形成された開口51aを介して外部に露出している。
【0022】
斯かる構成のFPC50は、接着剤を用いて前記ベースフィルム51がサスペンション基体10の磁気ヘッド対向面に接着される。
図8に、FPC50とサスペンション基体10との接着領域を示す上面図を示す。
本実施の形態においては、図8に良く示されるように、前記ロードビーム30は、幅方向中央に位置し、前記荷重曲げ部31及びディンプル32が形成された本体部30aと、該本体部30aから幅方向外方に突出したFPC支持板30bとを一体的に有しており、該FPC支持板30bの磁気ヘッド対向面に前記FPC50を接着させている。図8において、接着領域を一点鎖線で示している。又、図8中の符号100が磁気ヘッドである。
なお、前記FPC50のサスペンション基体10に対する位置合わせは、該FPC50及びサスペンション基体10にそれぞれ形成された位置決め孔50a,10aを用いて行うことができる。
【0023】
前記ヘッド側端子52aは、磁気ヘッドの対応する端子にAuボールディング等によって接続される。
他方、前記プリアンプ基板側端子52bは、前記アームに固定されたプリアンプ基板の対応端子にはんだ又は超音波ボンディングによって接続される。即ち、前記アームの基部には、磁気ヘッドの読取素子からの信号を増幅し、及び/又は書込素子に信号を供給するプリアンプIC基板が固定されており、前記プリアンプ基板側端子52bは該基板の対応端子に接続される。
【0024】
なお、図4及び図5に示すように、前記FPC50は、製品化前の状態では、前記プリアンプ基板側端子52bより基端側に、順に検査用パッド部55及びシャンティングタブ部56を有している。
【0025】
最も基端側に位置する前記シャンティングタブ部56においては、4本の配線導体が互いに短絡されており、磁気ヘッドとFPCとを接続する際に、該磁気ヘッドの読取素子及び書込素子(特に、MR素子又はGMR素子等の読取素子)が静電破壊されることを防止している。
該シャンティングタブ部56は、磁気ヘッドの接着、及び磁気ヘッドの端子とFPC50のヘッド側端子52aとの接続完了後に、切断される。
【0026】
前記シャンティングタブ部56と前記プリアンプ基板側端子52bとの間に位置する前記検査用パッド部55は、ベースフィルム51に形成された開口部51bを介して外部に露出されている。
該検査用パッド55部は、前記シャンティングタブ部56切断後に、プローブが接触され、前記磁気ヘッドの電気特性検査が行われる。
斯かる検査後、前記検査用パッド部55も切り離され、その後、FPCのプリアンプ基板側端子52bとプリアンプ基板とが接続される。
【0027】
図1〜図5に示すように、前記FPC50は、さらに、サスペンション基体10に支持されていない領域において、配線導体52のみからなる空中配線部54を有しており、これにより、FPC50のピッチ方向剛性及びロール方向剛性を低減させている。
【0028】
特に、本実施の形態においては、前述の通り、FPC50がサスペンション基体10のディスク対向面側に位置しているから、該FPC50のヘッド側端子52aを磁気ヘッドに接続するに際し前記空中配線部54を折り曲げることなく、該空中配線部54のピッチ方向剛性及びロール方向剛性を低減させることができ、これにより、磁気ヘッドの浮上特性の安定化を図ることができる。
【0029】
より好ましくは、図1〜図3に示すように、前記空中配線部54を、フレクシャ基体10の長手方向軸と直交する幅方向軸であって前記ディンプル32を通る幅方向中心軸Y上に位置させることができ、これにより、磁気ヘッドのピッチ方向動作に対するFPC50の剛性による影響をさらに低減させることができる。
【0030】
即ち、前述の通り、磁気ヘッドはディンプル32を中心にピッチ方向及びロール方向に動作(揺動)する。言い換えると、磁気ヘッドは、前記幅方向中心軸Yを中心軸としてピッチ方向動作を行い、且つ、前記ディンプル32を通るフレクシャ基体10の長手方向中心軸Xを中心軸としてロール方向動作を行う。
【0031】
従って、前述のように、前記幅方向中心軸Y上に前記空中配線部54を位置させることによって、磁気ヘッドのピッチ方向動作に対するFPC剛性の悪影響をより低減させることができる。
【0032】
さらに、本実施の形態においては、FPC50を折り曲げる必要がないので、FPC50をサスペンション基体10に接着させた後、そのままの状態で磁気ヘッドを接着させ且つ該磁気ヘッドとFPC50との端子間ボンディングを行うことができる。従って、極めて容易に製造することができる。
【0033】
実施の形態2.
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの製造方法の他の実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。図9及び図10は、それぞれ、本実施の形態に係る製造方法による磁気ヘッドサスペンション1'の上面図及び下面図である。又、図11は該磁気ヘッドサスペンション1'におけるサスペンション基体付近の拡大上面図であり、図12及び図13は、それぞれ、該磁気ヘッドサスペンション1'におけるFPC50'単体の上面図及び下面図である。さらに、図14は、FPC50'とサスペンション基体10との接着領域を示す上面図である。
なお、本実施の形態においては、前記実施の形態1におけると同一又は相当部材には同一符号を付してその説明を省略する。
【0034】
本実施の形態においては、FPC50'は、前記空中配線部54を含む領域において前記サスペンション基体10の長手方向中心線Xに対して対称とされている。
具体的には、本実施の形態におけるFPC50'は、基端側がロードビーム30のFPC支持板30bに支持されてサスペンション基体10の幅方向側方に位置し、且つ、先端側がロードビーム30の本体部30aに支持されてサスペンション基体10の幅方向中央に位置している。
【0035】
ベースフィルム51'のうち,前記FPC50'の先端側に位置する部分は、サスペンション基体10の幅方向中央に位置する基体部51A'と、該基体部51A'の両側縁部から先方へ延びる一対のアーム部51B'と、該一対のアーム部51B'から分離された離間部51C'とを有しており、前記一対のアーム部51B'はサスペンション基体10の長手軸方向中心線Xに対して線対称に構成されている。
【0036】
又、配線導体52'のうち,前記FPC50'の先端側に位置する部分は、サスペンション基体10の長手軸方向中心線Xに対して互いに対称な2系路52A',52B'に分岐されている。即ち、一方の系路の配線導体52A'は、前記基体部51A'の幅方向一方側側縁部及び一方のアーム部51B'上を通り、空中配線部54を経て、前記離間部51C'上に位置するようになっている。そして、他方の系路の配線導体52B'は、前記基体部51A'の幅方向他方側側縁部及び他方のアーム部51B'上を通り、空中配線部54を経て、前記離間部51C'上に位置するようになっている。
【0037】
斯かる構成の磁気ヘッドサスペンション1'においては、前記実施の形態1における効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
即ち、本実施の形態においては、FPC50'を、空中配線部54を含む領域においてサスペンション基体10の長手軸方向中心線Xに対して対称となるように構成したので、サスペンションのロール方向剛性をロール方向両側において等しくすることができる。従って、磁気ヘッドのロール方向動作を、ロール方向両側において均一化することができる。
【0038】
さらに、好ましくは、前記ベースフィルム51'のうち前記サスペンション基体10に接着されていない部分に孔Hを形成することができ、これにより、ベースフィルム51'に起因する剛性をより低減させて磁気ヘッドの浮上特性のさらなる安定化を図ることができる。なお、本実施の形態においては、ベースフィルム51'の一対のアーム部51B'に孔を形成している。
【0039】
又、本実施の形態においては、FPC50'の先端側がロードビーム30の本体部30a上に位置している為、FPCを含むサスペンション全体のディスク対向面積を減少させることができ、これにより、HDD内のディスク回転に伴う気流によるサスペンションの振動を低減させることができる。
【0040】
以下、本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの一製造方法について、実施の形態2の磁気ヘッドサスペンション1'を用いて説明する。
該磁気ヘッドサスペンションはTAB(Tape Automated Bonding)技術を用いて製造することができる。
【0041】
即ち、まず、一方面に接着剤層が設けられたテープ状のポリイミドフィルムにプレス打ち抜き加工を施し、所定の形状を得る。該ポリイミドフィルムはFPC50'におけるベースフィルム51'を形成するものであり、前記所定形状には、ベースフィルム51'の外形形状,空中配線部54を形成する為の間隙h2,位置合わせ用開口50a及び剛性低減用開口h1が含まれる。
【0042】
但し、打ち抜き加工時には、図15及び図16に示すように、ベースフィルム51'のうち,前記空中配線を形成する為の間隙h2を挟んで、磁気ヘッド側に位置する領域とプリアンプ基板側に位置する領域とを、前記間隙h2から幅方向外方に位置する部分において接続する接続部58を残すように、打ち抜き加工を行う。
なお、好ましくは、1枚のテープ状ポリイミドフィルムに複数のFPC50'を形成する。該複数のFPC50'は、互いにブリッジ部(図示せず)によって連結されている。
【0043】
次に、前記ポリイミドフィルムの一方面に設けられた接着剤層全面に銅箔を熱圧着する。
この後、前記銅箔上に感光性レジストを塗布し、配線導体に対応する領域のみを露光した後、現像を行い、レジストパターンを形成する。
【0044】
そして、前記ポリイミドフィルムの他方面全面にレジスト又は樹脂フィルムからなる保護層を形成する。該保護層は、後段のエッチング工程において、前記ポリイミドフィルムに形成された空中配線用間隙や位置決め開口等の開口部からエッチング液が侵入して、銅箔のうち配線導体として残すべき必要な部分がエッチング除去されることを防止する為のものである。
【0045】
前記保護層形成後に、前記レジストパターンをマスクとして用いて、前記銅箔の不要部分をエッチング除去する。
その後、ソルダーレジストからなるカバーコート53を、配線導体の所望箇所に形成する。好ましくは、該カバーコート53は、FPC50'のうち,FPC支持板で支持されていない領域に形成することができる。該カバーコート53は、例えば、スクリーン印刷によって形成され得る。
【0046】
そして、前記レジストパターン及び保護層を除去した後、配線導体の露出表面にNi/Auメッキを施す。
その後、前記連結部を切断することによって、テープ状ポリイミドフィルムに形成された複数のFPC中間体を個別に切り出す。なお、該FPC中間体は、前述の接続部58を有した状態である(図A及びB参照)。
【0047】
次に、切り出されたFPC中間体を、前記サスペンション基体10のディスク対向面に接着する。斯かる接着には、例えば、エポキシ系接着剤又はアクリル系接着剤を用いることができる。
【0048】
前記FPC中間体をサスペンション基体10に接着した後、前記ベースフィルム51'の接続部58を切断線Lに沿って切断し、配線導体52'のみからなる空中配線部54を形成する(図17参照)。この切断は、金型又はレーザ光を用いて行うことができる。
【0049】
斯かる製造方法によれば、TAB技術を用いて容易にFPCを製造できると共に、FPCをサスペンション基体に接着する際には該FPCが接続部を有している為、FPCとサスペンション基体との接着工程時に前記空中配線部が変形及び/又は損傷することを有効に防止し得る。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係る磁気ヘッドサスペンションの製造方法によれば、少なくとも一部に配線導体のみからなる空中配線部を備えたFPCをサスペンション基体のディスク対向面側に接合してなる磁気ヘッドサスペンションを、歩留まり良く製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に係る製造方法による磁気ヘッドサスペンションの一形態の上面図である。
【図2】 図2は、図1に示す磁気ヘッドサスペンションの下面図である。
【図3】 図3は、図1に示す磁気ヘッドサスペンションにおけるサスペンション基体部分の拡大上面図である。
【図4】 図4は、図1〜図3に示す磁気ヘッドサスペンションにおけるFPC単体の上面図である。
【図5】 図5は、図4に示すFPC単体の下面図である。
【図6】 図6は、図1〜図3に示す磁気ヘッドサスペンションにおけるサスペンション基体の上面図である。
【図7】 図7は、図6に示すサスペンション基体の下面図である。
【図8】 図8は、図1〜図3に示す磁気ヘッドサスペンションにおけるFPCとサスペンション基体との接合領域を示す上面図である。
【図9】 図9は、本発明に係る製造方法による磁気ヘッドサスペンションの他の形態の上面図である。
【図10】 図10は、図9に示す磁気ヘッドサスペンションの下面図である。
【図11】 図11は、図9に示す磁気ヘッドサスペンションのサスペンション基体付近の拡大上面図である。
【図12】 図12は、図9〜図11に示す磁気ヘッドサスペンションにおけるFPC単体の上面図である。
【図13】 図13は、図12に示すFPC単体の下面図である。
【図14】 図14は、図9〜図11に示す磁気ヘッドサスペンションにおけるFPCとサスペンション基体との接合領域を示す上面図である。
【図15】 図15は、図9〜図11に示す磁気ヘッドサスペンションのFPC製造工程を示す為の上面図である。
【図16】 図16は、図9〜図11に示す磁気ヘッドサスペンションのFPC製造工程を示す為の下面図である。
【図17】 図17は、図15及び図16に示すFPCの空中配線部近傍の拡大上面図である。
【符号の説明】
1,1' 磁気ヘッドサスペンション
10 サスペンション基体
30 ロードビーム
32 ディンプル
40 フレクシャ
50 FPC
51,51' ベースフィルム
52,52' 配線導体
54 空中配線部
X サスペンション基体長手方向中心軸
Y サスペンション基体幅方向中心軸
h1 孔
Claims (3)
- サスペンション基体に少なくとも絶縁性ベースフィルムと該ベースフィルム上に配された配線導体とを有するFPCが接合されてなり、且つ、該FPCが少なくとも一部に前記配線導体のみからなる空中配線部を有している磁気ヘッドサスペンションの製造方法であって、
前記絶縁性ベースフィルムを構成するポリイミドフィルムであって、一方面側に接着剤層が設けられてなるポリイミドフィルムを用意する第1の工程と、
前記空中配線部を形成する為の間隙によって互いに分離された磁気ヘッド側領域及びプリアンプ側領域と、前記間隙の幅方向外方において前記両領域を接続する接続部とを有するように、前記ポリイミドフィルムを成形する第2の工程と、
前記接着剤層の全面に前記配線導体を構成する導体層を接合する第3の工程と、
前記導体層のうち,配線導体として残すべき領域上にレジストパターンを形成する第4の工程と、
前記ポリイミドフィルムの他方面側にエッチング保護層を形成する第5の工程と、
前記レジストパターン及びエッチング保護層をマスクに前記導体層をエッチングして配線導体を形成する第6の工程と、
前記レジストパターン及びエッチング保護層を除去する第7の工程と、
前記ポリイミドフィルムの他方面を前記サスペンション基体のディスク対向面に接合する第8の工程と、
前記ポリイミドフィルムの接続部を切断する第9の工程とを備えていることを特徴とする磁気ヘッドサスペンションの製造方法。 - 前記第6の工程の後に、前記配線導体の所望部分を囲繞するカバーコート層を形成する工程を、さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
- 前記第7の工程の後に、前記配線導体の露出表面にメッキを施す工程を、さらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ヘッドサスペンションの製造方法。
Priority Applications (1)
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