JP3802587B2 - 改良されたシロキサンクラッキング法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、環状シロキサンの製法に関する。詳細には、シリコーン加水分解物のクラッキング反応により環状シロキサンを製造するための、高沸点アルコールの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
オルガノシロキサンポリマーは、二つの基本的方法を使用して工業規模で調製されている。その一つは縮合法であり、シラノール末端シロキサンのモノマー又はオリゴマーの頭−尾縮合を促進する。もう一つは平衡法であり、シロキサン結合の接触転位を行なって平衡混合物を形成する。「平衡」なる用語は、直鎖状オルガノシロキサンポリマー対環状オルガノシロキサンオリゴマーの比が一定の値に保たれる時に存在する現象を記述するために使用される。平衡過程中、平衡点に達するまではシロキサン結合の恒常的な分解と形成が生じている。この大規模なシロキサン結合の分解と形成は連鎖停止剤の使用を可能にし、その反応によりポリシロキサン分子の末端に連鎖延長を阻む末端基を形成する。
【0003】
平衡法によって有用なシリコーンポリマーを生成するためには、三官能性単位は極めて少量でなければならず、しばしば 10ppm未満でなければならない。三官能性含有量の低いシロキサンの生産は、「クラッキング」として知られる方法によらなければ極めて困難で経費も掛かる。クラッキング法では、100ppmを超える三官能性を含有するシロキサン混合物を、真空下で 135℃よりも高温でKOHに接触させて、シロキサン塊を環状シロキサンに戻し、これを反応系から蒸留して取り出す。シロキサンは、通常、直鎖種と環状種とを含有するシリコーン油の加水分解物であり、これは反応器に連続的に供給されて、環状シロキサンとして反応器の頂上から取り出される。三官能性単位はKOHと反応して「カリウムT塩」を形成し、この塩は不揮発性なので環状シロキサンと一緒に蒸留されないことは広く知られている。このようにしてシロキサンから三官能性が除去され、クラッキング法によって生成された環状体から低三官能性ポリマーが製造され得る。しかし、三官能性単位の若干は反応器内のシロキサン加水分解物の中に残存しており、この三官能性の濃度は、クラッキング過程中に時間と共に増大し続ける。三官能性が蓄積すると、反応器内のシロキサン加水分解物の粘度が実質的に増大する。この溶液は、高い粘度のために反応が終結を余儀なくされるまで濃くなり続ける。反応器に供給されるシロキサン材料の三官能性が多いほど、高粘度への到達が早まり、ランの長さが短くなる。加えて、ランの期間に粘度が増大するので、環状体の「取り出し」速度が減少し、ランの過程で30%あるいはそれ以上の減少もしばしばである。ランの終結時に、反応器内の塊は、多量の三官能性を含有するので、この塊はゲル化し又は架橋する。反応器は、多量の固いゲル塊を除去するために、頻繁に作業停止されなければならない。このゲルには有用な用途がないので、大概は有害廃棄物質の埋立地に廃棄せざるを得ない。
【0004】
Bluestein に発行された米国特許第 4,111,973号は、ジオルガノポリシロキサンのクラッキング反応に於て、クラッキング触媒に加えて安定化添加物として効果量の高級脂肪族アルコールを使用することによって、フルオロアルキルシクロトリシロキサンの収量及び純度を高める、改良された方法を教示している。この特許は、特にシクロトリシロキサンの製法を指向している。フルオロアルキルシロキサンは、クラッキング反応器内で極めて低い粘度を有するので、反応器内のシロキサン加水分解物は、ランの過程でゲル化しない。アルコールは、シリコーン加水分解物の粘度を低下させるためというよりは寧ろ、触媒を活性化させるために添加される。
【0005】
Halmらに発行された米国特許第 4,764,631号は、シクロポリジオルガノシロキサン生成物の調製法を提供しており、この方法は、別のシクロポリジオルガノシロキサン類又はそれらの混合物の、蒸気相での転位による。蒸気相での平衡は、ゲルの形成を実質的に消滅させる。
Fletcherに発行された米国特許第 2,860,152号は、出発シロキサンとは異なった組成を有する環状ジオルガノシロキサンを生成する方法を教示しており、この方法は、出発ジオルガノシロキサンと、シロキサン重量を基準として少なくとも20重量%の、 250℃よりも高温で沸騰する不活性溶媒との混合物を、アルカリ性触媒の存在下で、溶媒の蒸留をもたらすに至らない温度及び圧力の条件下で、反応帯域から所望の環状ジオルガノシロキサンを同時に取り出しながら、加熱する段階を含んでいる。不活性溶媒は、反応器のポリマー/環状体の平衡を、環状体方向に移動させる。反応器内に環状体が増えるほど、反応塊はゲル化しにくくなる。Fletcherは、ゲル化を遅らせるために、少なくとも20%の溶媒を要求する。しかし、過大量の溶媒が系内に投入されると反応は緩慢化する。更に、反応塊がランの終結時にゲル化すると、ゲルからシロキサン/溶媒を分離することができないので、反応内容物を全て放棄しなければならない。このように、Fletcherは、ゲル化の課題を完全には解決していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記の各参考文献には、三官能性単位を多量に含有するシロキサン加水分解物が、ゲルを形成せずに液相で連続的にクラッキングされ得るような方法について、如何なる示唆も証明も存在しない。
そのため、年来、商業規模の量で、可及的最低限の経費で、環状シロキサンの製法の効率を高めることが必要とされている。
【0007】
また、シリコーン加水分解物のクラッキング反応から環状シロキサンを形成する際に、収量及び生成速度を最大限に高める必要性もある。
更に、重大な生態学的問題を抱える現代社会では、クラッキング法で生成した、環境に悪影響を与える方式で廃棄されなければならない望ましからぬゲルを消去することが必要である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の各課題に従って、本発明により、効果量の高沸点アルコールを液体シロキサン加水分解物に添加することによる、改良されたシロキサンクラッキング法が提供される。高沸点アルコールは、平衡反応器の内容物を液状に保ち、且つ、連鎖停止剤として役立つばかりでなく、反応器のポリマー/環状体の平衡を環状体側に移動させる溶媒としても役立つ。高沸点アルコールの使用により、極めて効率の良い方式で三官能性種が除去され、また、ゲルの形成が完全に消滅する。残留物内のシロキサン及びアルコールは回収されて再使用され得る。
本発明の詳説
本発明は、下式の環状シロキサンを生成する効率的な方法を提供する。
【0009】
(R2 SiO)x (I)
式中、各Rは個別に、アルキル基、アルケニル基、アリール基、及び、アルカリール基から成る群から選択される。xは3〜7から選択される整数である。
本発明で使用される出発物質は、直鎖状及び環状のジオルガノシロキサンポリマーを含有するシロキサン混合物である。このようなシロキサン混合物は、メチルトリクロロシランを100ppmを超えて含有するジメチルジクロロシランの水性加水分解によって生成する。加水分解過程で生じたHClは、シリコーン加水分解物から除去されて、別途再利用される。
【0010】
クラッキング反応は、触媒量のクラッキング触媒、好適にはアルカリ金属化合物、更に好適には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化セシウム、の存在下で実施される。最適な触媒はKOHである。
本発明の主要な特徴は、ゲル化を防ぎ、且つ、ランの全期間に亙って環状体の生成速度を高くに保つために、効果量の高沸点アルコールを添加することである。この高沸点アルコールが反応器内にとどまり、環状シロキサンと一緒に蒸留されてしまわないようにして、これにより一面では環状シロキサンを汚染せず、他面では、反応内容物を流動性に保つために反応器内に存在し続けるように、好適な高沸点アルコールは、沸点が 300℃を超えるものとする。炭素原子の総合含有量が、炭素数12〜30の近辺の値であれば、殆どのアルコールが本発明で効果的である。最適なアルコールはステアリルアルコールであり、その沸点は約 350℃である。沸点が 250℃程にも低いアルコールも使用できるが、分別機器が要求されるので、クラッキング設備への投資額が増大するであろう。
【0011】
反応器内で使用されるアルコールの量は、シロキサン加水分解物内の三官能性単位の量に概ね応じて変化する。シリコーン加水分解物内の三官能性単位の量が少ないほど、少ない量のアルコールが要求される。シリコーン加水分解物の3重量%未満であれば、アルコールは主として連鎖停止剤として作用する。シリコーン加水分解物の3重量%よりも多ければ、アルコールは連鎖停止剤となると同時に、多量の三官能性(二官能性内に 1000ppmを超える三官能性)濃度水準を許容するための加工助剤となる。好適なアルコール濃度は、シリコーン加水分解物の凡そ3〜30重量%である。アルコール量は、更に好適には、シリコーン加水分解物の6〜25重量%であり、最適には10〜18重量%である。
【0012】
本発明の方法は、連続操作にも非連続操作にも適している。バッチ操作では、アルコール、シロキサン及び触媒が反応器に投入され、然る後に、所望の環状シロキサンが反応器から蒸留されるのに必要な温度及び圧力下で、加熱される。これらの諸条件は、環状シロキサンが全て取り出されるまで保持される。
或いはその代わりに、反応は連続的にも実施され得る。空の反応器に、まずステアリルアルコールを投入する。次に、反応器を密封して、KOHの45%溶液とシロキサン加水分解物との混合物を連続的に反応器に供給する。KOH溶液は、加水分解物を投入した後に加えても良いし、加水分解物と同時に供給しても良い。KOHが、シロキサン構造MeSiO3/2 と反応してカリウムT塩を生成することは広く知られている。この「塩」は塩基性であるが、クラッキング反応に関してはKOHほど強くないので、ランの過程においてカリウムT塩が生ずるにつれて、KOHはMeSiO3/2 に拘束されていく。ラン過程のKOH量を一定に保つには、ランの全期間に亙ってKOH溶液を連続して加えると好適である。加水分解物内の三官能性含有量が高いほど、多量のKOHが要求される。取り出し速度が低下したら、KOHの添加速度を速めなければならない。
【0013】
操作開始期間中に、300ppmを超える三官能性を含有するシリコーン加水分解物は、反応器内でゲル化する可能性がある。これは、反応器内で生ずる最初の反応が、加水分解物の直鎖部分の高重合体への縮合反応であるからである。加えて、シラノール末端直鎖体はKOHと「会合」ポリマーを形成することがあり、これもまた反応器内の粘度を増大させる。これらの反応は60〜90℃にて生起する。これらの温度では、KOHは平衡触媒として作用せずに、極めて効果的な縮合触媒となる。それ故に、反応器内の温度をできるだけ速やかに 130℃に上昇させる方が良い。反応器の温度が 130℃に到達したらKOHは平衡触媒として作用し始める。これが起これば、KOHは、連鎖停止剤となるようにアルコールを平衡化させて、ポリマーの分子量を低下させる。ゲルは、平衡化が開始したら分解し始める。
【0014】
反応器内の温度及び圧力の各条件は、直鎖種と環状種との混合物の平衡が所望の環状種の形成に有利なように変化するよう、制御される。クラッキング反応に関する好適な条件は、 140℃を超える温度、及び、40mmHg以下の低圧である。更に好適な条件は、凡そ 140〜 165℃の範囲の温度及び凡そ10〜40mmHgの範囲の圧力である。
【0015】
この時点で、クラッキング過程で生成した環状シロキサンは、蒸留法等の既知のあらゆる手法で分離され得る。環状シロキサンを、形成と同時に留去することによって、シリコーン加水分解物からの環状シロキサンの収量が最大となる。
系内に高沸点アルコールを添加することによってゲル化が完全に消滅し得るので、反応時間は実質的に延長される。ランの長さは、カリウムT塩の蓄積量に応じて変化する。一般には、反応は、カリウムT塩が反応器内の全内容物の凡そ30〜40%になった時に終結される。反応操作の折り返しを開始するには、供給を遮断して、取り出し速度が実用上過度に遅くなるまで、反応器を「煮詰める」。この過程の結果、反応器内のアルコール量は2倍以上に増大する。クラッキング装置は、煮詰めた後、約90℃に冷却される。この手順により、反応器内の内容量が減少し、水洗のための空間が残される。
【0016】
反応器には、熱を吸収し且つ蒸気生成を防ぐために、多量の水が添加される。反応器内の反応残留物と等容積の水を加えると、かなりの発熱を示しながら、最終的な温度は凡そ68〜75℃となる。少量の水が添加されただけでは、反応残留物は単一相となる。更に水を加えると、反応器の内容物は容易に二相に分離する。シロキサン/アルコール層と水層とを充分に分離するためには、反応器内のシロキサン/アルコールの1容積あたり少なくとも1容積の水を添加することが肝要である。
【0017】
水を全て添加した後、攪拌機を停止して、内容物を若干の時間、放置して鎮静化する。底の水相は、未反応のKOHとT塩とが存在するので極めて高密度を有し、比重は多くの場合1.24〜1.30である。「有機層」は、連続的な単一の相ではない。この層は、一般には、水性「母液」に懸濁した微細なシロキサン/アルコール微「粒子」から成る。有機層は「水」をも含有するが、恐らくはたかだか25〜50%であり、依然として有機層は底の水層から容易に分離する。全過程を通じ、反応内容物の温度を、ステアリルアルコールの融点、即ち56℃よりも高くに保持しておく方が良い。
【0018】
従来法では、ゲル化のため反応が終結を余儀なくされる時に、残留物内のゲルとシロキサンとを分離する効果的な方法がない。残留物内のシロキサンは、放棄しなければならない。本発明は、ステアリルアルコールと残留シロキサン加水分解物とを含有する「有機層」を、当業界で公知のあらゆる方法で、水層から分離することができる。「有機層」内のシロキサンおよびアルコールの両者とも、一回より多いランに再循環することができる。
【0019】
系内に高沸点アルコールが存在しなければ、ラン期間の終結時の残留物は、反応器から除去して反応器の内壁を清浄化するのが困難な固いゲルとなるであろう。本発明の方法は、クラッキング過程中のゲル化を完全に消滅させる。各ランの終結時の残留物は、極めて液状の有機相である。反応器の内壁は清浄で、そこに付着するゲルは存在しない。液状残留物を除去した後、反応器は、次回のランに直ちに使用できる。折り返し時間は実質的に短縮され、経費も実質的に減少する。
【0020】
従来法で生成していたゲルは、有用な用途がないので埋め立てなければならない。大規模な商業的実施の場では、ゲル埋立の経費が消滅することにより数10万ドルの節減になる。更に重要なのは、本発明は、望ましくない有害廃棄物を消滅させ、環境保護上の大きな改善をもたらす。
従来法では、反応内容物の粘度が増大すると、生成環状シロキサンの取り出し速度は低下する。クラッキング過程に於て高沸点アルコールを添加することにより、この取り出し速度はランの過程で低下することがない。ランの長さは、系内の三官能性の量に応じて、実質的に数週間又は数か月間に延長される。こうして、生成環状シロキサンの全体的収量が実質的に増大する。但し、生産性は、シリコーン加水分解物内のトリオルガノシロキサンの量や、トリオルガノシロキサンのモル数対クラッキング触媒のモル数の比、反応器内のアルコール量等々の種々の因子に応じて変化する。
【0021】
最後に、本発明で使用される高沸点アルコールは、ステアリルアルコールに限定されるのではなく、充分に高い沸点を有し、高温及び高いKOH量を含めた反応条件下で安定な物質であれば、如何なるアルコール又はアミンをも含み得る点を理解されたい。2種以上の適当なアルコールを含む混合物も使用できる。適切な高沸点アルコールは、以下の通りであるが、これらに限定されるのではない。
【0022】
高沸点アルコール 沸 点
1225OH 254℃
1427OH 297℃
1629OH 330℃
1837OH 350℃
当業者が本発明をより良く実施できるように、説明のため以下に実施例を掲げるが、限定のためではない。粘度は全て25℃にて測定された。特に記載のない限り、部は全て重量による。
【0023】
【実施例】
例1(比較例)
撹拌機、真空下にある反応器への液体添加手段、真空吸引管、7〜8枚の理論棚板を有する精留塔、及び、凝集器/収集容器を取り付けて、反応器を組み立てた。不純物としてメチルトリクロロシラン1500ppmを含有するジメチルジクロロシランを加水分解することによって製造されたシリコーン加水分解物100部を、水酸化カリウムの45%水溶液5部と共に反応器に投入した。反応器を徐々に加熱して150℃とし、真空吸引して30torrに保持した。反応器を加熱すると、少量の環状シロキサンを含む水の第一留分が収集された。この混合物を収集した。この量の環状シロキサンは回収された。水は廃棄した。150℃及び30torrの操作条件下で、環状シロキサンは反応器内でのクラッキングを経て受け器に収集された。収集速度は1時間あたり30部であった。受け器に25部が収集された後、真空下で反応器に新たな加水分解物を1時間あたり30部の速度で追加した。これにより、反応期間中、反応器の内容物の容積は一定に保たれた。このラン中に、蒸留により取り出される環状シロキサン100部あたりKOH水溶液0.2部の速度で、KOH水溶液を追加した。
【0024】
反応器の内容物の粘度はランの開始時には低く、5000cps 未満と推定された。反応器に加水分解物が供給されて、生成物が反応器から取り出されるにつれて、反応塊の粘度は高まり始めた。生成物 300部が収集された後は、反応器の内容物の粘度が極めて高くなったので、大きな気泡が生じて発泡した。生成物の収集を1時間あたり30部に保つために、攪拌機の速度を速めた。バッチが進行するにつれて、粘度は高まり続けた。発泡問題が悪化し、気泡は更に大きくなって、ランの後期2/3の期間は全般に取り出し速度が低下を余儀なくされた。ランの終結時近くでは、取り出し速度は1時間あたり約15部であった。取り出し速度が低下するにつれて、反応器に供給される加水分解物の量及びKOHの45%水溶液の量は、呼応して減少された。生成物4800部が収集された後、反応器内の粘度は極めて高くなったので、攪拌機が殆ど停滞した。加水分解物及びKOHの添加を中止し、反応器を煮詰めて、できるだけ多くの生成物を回収した。反応器の内容物はゲル化しており、本工程は終了を余儀なくされた。水はゲル化した塊を小径〜中径の塊に破壊し得るので、反応器が95℃に冷却した時に、ゲルを除去しやすくするために反応器に水を加えた。反応器の内壁はゲルで厚く覆われており、次回のバッチの間の表面の伝熱効果を高めるために、強硬に除去しなければならなかった。収集され廃棄されたゲルの量は25部であった。
【0025】
実施例2
機器構成は例1と同様とした。反応器に、例1と同一の加水分解物100部と、KOHの45%水溶液5部とを投入した。加えて、反応器にステアリルアルコール15部をも添加した。工程を開始し、取り出しを1時間あたり30部として、例1と正確に同様にランを実施した。バッチの粘度が著しく増大することはなかった。取り出し速度を、ランの全期間に亙って30部/時間に保持することができた。生成物の取り出し総合量は13300部であった。ランの終結時、粘度は依然として低く、ゲルは見られなかった。反応器を煮詰めると、反応器内には反応内容物60部が残った。反応器を90℃に冷却した。水80部を反応器に加えて、攪拌した。撹拌機を停止すると、反応器の内容物は二相に分離した。底の水相の比重は1.20であり、これは、カリウムTシラノレートと未反応のKOHとを含んだ可溶性塩であることを意味していた。水層を廃棄し、反応器に更に50部の水を追加して、攪拌した。完全に分離した後、第二の水層を廃棄した。
【0026】
このラン期間は、例1の約2倍の長さであった。ゲルは形成せず、廃棄さるべきシロキサンは存在しなかった。加えて、反応器の内壁は清浄であり、直ちに次回のランに使用することができた。
次回のランを始めるために、同上の加水分解物50部と、KOHの45%水溶液5部とを、第1回のランから得た反応器残留物に加えた。KOHの45%水溶液は、1時間あたり0.2部で添加された。ランの全期間を通じて粘度は低いままであり、生成物として10000部が収集されるまで、取り出しは1時間あたり30部に保持された。反応器を50部にまで煮詰めて、内容物を前回と正確に同じく2回水洗した。ここでも、反応器内にゲルは見られず、廃棄する必要のあるシロキサンは存在しなかった。反応器の内壁にはゲルは存在しなかった。
【0027】
操作開始、供給及び1時間あたり30部の取り出しの全手順を3回目に実施したが、著しい粘度増大はなかった。この回のランは、生成物10,000部が収集されるまで継続された。このバッチを前回と正確に同じく水洗した。残留物中にゲルは存在せず、シロキサンは廃棄されなかった。
例1 実施例2 (1回目) 実施例2 (2回目)
供給物(部)
油分 100 100 50+実施例2(1回目) からの
残留シロキサン加水分解物
45% KOH 5 5 5
ステアリルアルコール 0 15 15
生成物(部)
環状シロキサン 4,800 13,000 10,000
ラン時間(日) 7 13.3 10.2
残留物特性 固いゲル ゲルなし ゲルなし
粘度<10,000cps 粘度<10,000cps
平均取り出し 1.0 1.3 1.3
平均収率(%) 99 100 100
生産可能時間 85% 90% 88%
[生産/(生産+折り返し)]
全体の相対効率 1.0 1.5 1.4
上述の詳説に照らし合わせれば、当業者には本発明の多くの変化形態がおのずと明らかになろう。そのような明白な改変点は全て、冒頭の請求項の全意図範囲内にある。

Claims (9)

  1. 次式の環状シロキサンの製造方法であって、
    (R2SiO)x (I)
    (式中、各Rはアルキル基、アルケニル基、アリール基及びアルカリール基から成る群から選択され、xは3〜7から選択される整数である。)
    (a)三官能性単位を含有する加水分解シロキサン生成物を、触媒量のクラッキング触媒と混合する段階と、
    (b)上記段階(a)の混合物に、上記加水分解シロキサン生成物の3〜30重量%の量の高沸点アルコールを添加する段階と、
    (c)環状シロキサンの形成に有利な140℃を超える温度及び40mmHg以下の反応条件に制御する段階と、
    (d)上記段階(c)と同時に環状シロキサンを回収する段階と、
    (e)反応混合物に充分な量の水を添加する段階と、
    (f)反応混合物中のシロキサン及びアルコールを回収する段階と
    を含む方法。
  2. 前記クラッキング触媒がアルカリ金属化合物である、請求項1記載の方法。
  3. 前記アルカリ金属化合物が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項2記載の方法。
  4. 前記アルコールの沸点が250℃よりも高い、請求項1記載の方法。
  5. 前記アルコールが直鎖状脂肪族アルコール、分岐状脂肪族アルコール、アリールアルキルアルコール及びこれらの混合物から成る群から選択される、請求項1記載の方法。
  6. 前記アルコールがステアリルアルコールである、請求項5記載の方法。
  7. 前記段階(c)の反応条件の制御が、反応混合物を10〜40mmHgの真空下で140〜165℃に加熱することを含む、請求項1記載の方法。
  8. 生成環状シロキサンを蒸留によって回収する、請求項1記載の方法。
  9. 前記段階(e)で添加される水の容積が、反応混合物中のシロキサン及びアルコールの容積と少なくとも等しい、請求項1記載の方法。
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