JP3801742B2 - 温度感応型ファン・ドライブ - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【0001】
【発明の関係する分野】
この発明は、ファン・カップリング、ファン・クラッチ、ファン・クラッチ・ドライブ、ファン・ドライブとも呼ばれる温度感応型ファン・ドライブに関し、さらに詳細に述べると、ラジエータの直後に配置されてエンジンで回転され、そして、車速風が期待できなくなる自動車が止められている際にもそのラジエータに通風を行ってそのラジエータに放熱能力を確保するところの冷却ファンに用いられ、そしてそこでは、空気温度に応じてファン回転を制御する温度感応型ファン・ドライブに関する。
【0002】
【背景技術】
その種の温度感応型ファン・ドライブは、ケーシングがボール・ベアリングあるいはニードル・ベアリングでドライブ・シャフト上に回転可能に支持される構造を採用している。そして、そのボール・ベアリングおよびニードル・ベアリングは、グリース潤滑によるので、厳しい条件下の長期間の使用では、焼付きを生じる恐れがあった。そのように、軸受の寿命は使用条件に影響された。
【0003】
【発明の課題】
この発明の課題は、冷却も兼ねる軸受の強制潤滑ができ、使用条件に影響されずにその軸受の焼付けが未然に防止され、そして、その軸受の寿命が確保できて長期間の使用ができ、また、各種の軸受が使用でき、特に、すべり軸受が使用可能になってコストダウンおよびサイズダウンが図られるところの温度感応型ファン・ドライブの提供にある。
【0004】
【課題に相応する手段およびそれの作用】
この発明は、エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのドライブ・ディスクの外周側でそのトルク伝達室に配置される油回収ダムと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路とを含み、そして、その油循環路を通ってそのトルク伝達室からその油溜り室に導かれる油の一部が、その給油路でそのトルク伝達室からその給油室に導かれてそのベアリングを強制的に潤滑する。
【0005】
また、この発明は、エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのドライブ・ディスクの外周側でそのトルク伝達室に配置される油回収ダムと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・ディスクの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路と、その給油路の途中からそのトルク伝達室に油を逃がすバイパスと、その給油路のそのバイパスの分岐箇所に配置されるリリーフ・バルブとを含み、そして、その油循環路を通ってそのトルク伝達室からその油溜り室に導かれる油の一部が、その給油路でそのトルク伝達室からその給油室に導かれてそのベアリングを強制的に潤滑し、また、その給油室に導かれる油の圧力が設定値を越えて高くなると、そのリリーフ・バルブがその油の一部あるいは全量をそのトルク伝達室にそのバイパスを経て逃がす。
【0006】
さらに、この発明は、エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのドライブ・ディスクの外周側でそのトルク伝達室に配置される油回収ダムと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路と、その給油路に配置される絞りとを含み、そして、その油循環路を通ってそのトルク伝達室からその油溜り室に導かれる油の一部が、その給油路でそのトルク伝達室からその給油路に導かれてそのベアリングを強制的に潤滑し、また、そのトルク伝達室からその給油路に流れ込む油の圧力が高くなると、その絞りがその油の流量を調整してその給油室に過度に流れる油を抑制する。
【0007】
またさらに、この発明は、エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのトルク伝達室においてそのドライブ・ディスクの外周でそのケーシングに配置される外周油回収ダムと、そのトルク伝達室においてそのドライブ・ディスクの内周側でそのケーシングおよびドライブ・ディスクの間に配置される内周油回収ダムと、そのトルク伝達室のその外周油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜の間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその内周油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路とを含み、そして、その油循環路を通ってそのトルク伝達室のその外周油回収ダム側からその油溜り室に導かれる油の一部がその給油路でそのトルク伝達室のその内周油回収ダム側からその給油室に導かれてそのベアリングを強制的に潤滑する。
【0008】
【具体例の説明】
以下、この発明の温度感応型ファン・ドライブの特定された具体例について、図面を参照して説明する。図1は、自動車に搭載されるエンジン(図示せず)の冷却系統においてそのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブの具体例10を示している。この温度感応型ファン・ドライブ10は、そのエンジンのプーリ・シャフト(図示せず)に結合されるドライブ・シャフト11と、ベアリング15でハブ14をそのドライブ・シャフト11に組み付け、そのドライブ・シャフト11上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端34に組み付けられるカバー13で内側に空間16を形成するケーシング12と、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィス18を穴明けされてそのケーシング12のその空間16を油溜り室19およびトルク伝達室20に区画する仕切り板17と、そのトルク伝達室20内に回転可能にされてそのドライブ・シャフト11に固定的に支持され、そして、そのケーシング12にトルクを伝達可能にするドライブ・ディスク21と、そのオイル・コントロール・オリフィス18を開閉するバルブ22と、そのカバー13の外側に配置され、そして、空気温度に応じてそのバルブ22を動かす感温手段23と、そのドライブ・ディスク21の外周側でそのトルク伝達室20に配置される油回収ダム24,25と、そのトルク伝達室20のその油回収ダム24側からその油溜り室19に油を導く油循環路26と、そのドライブ・シャフト11の軸線方向においてそのベアリング15から外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフト11とそのハブ14との間に配置され、そして、それらの間に給油室28を形成するシール27と、そのケーシング12においてそのトルク伝達室20のその油回収ダム25側からその給油室28に油を導く給油路29とを備えるところの構造に具体化される。
【0009】
そのドライブ・シャフト11は、根元にフランジ31を備え、一方、そのプーリ・シャフトが先端にフランジを備えてそのエンジンの前面に配置されるので、そのフランジ31をそのプーリ・シャフトのそのフランジに突き合わせ、そして、複数のボルト−ナットで締め付けられてそのプーリ・シャフトのその先端に一体的に結合される。
【0010】
そのケーシング12は、そのカバー13を含む構造でそのハブ14を外側に突き出し、そして、その開口端34で外周から外側にフランジ35を突き出すところの皿形構造に鋳造され、そして、そのカバー13がその開口端34に突き合わせ結合されてその空間16がその内側に形成され、そしてさらに、その冷却ファンを構成する一体成形ファン・ブレード(図示せず)がその外周にねじ止めされる。このケーシング12は、また、そのベアリング15にすべり軸受を使用し、そして、そのすべり軸受15でそのハブ14をそのドライブ・シャフト11に組み付けられてそのドライブ・シャフト11上に回転可能に支持される。そのすべり軸受15は、そのドライブ・シャフト11の先端側に寄せられてそのハブ14をそのドライブ・シャフト11上に回転可能に組み付ける。また、そのハブ14は、そのケーシング12の外側に突き出される端面36にリング・ショルダ37が段付け加工されてそのシール27がそのリング・ショルダ37にはめ込まれる。
【0011】
そのカバー13は、同様に、センタ・ボス42、一対のバイメタル支柱44,44、およびバイメタル・カバー支柱45を外側に突き出し、そして、開口端39で外周から外側にフランジ40を突き出すところの皿形構造に鋳造される。そして、このカバー13は、シールの下にその開口端39をそのケーシング12のその開口端34に突き合わせ、そのフランジ40をそのケーシング12のそのフランジ35に複数のボルト46で締め付けてそのケーシング12に一体的に組み合わせられ、そして、そのケーシング12の内側にその空間16を形成する。
【0012】
そのセンタ・ボス42は、そのドライブ・シャフト11の軸線方向においてガイド・ボア43が穴明けされる。そして、このセンタ・ボス42は、そのガイド・ボア43にプッシュ・ピン57を往復摺動可能にはめ合わせて保持し、そして、そのプッシュ・ピン57をそのバルブ22に押し付け可能に案内する。また、その一対のバイメタル支柱44,44は、そのセンタ・ボス42の両側に所定の間隔を置いてそのカバー13の外側に突き出されてその感温手段23の両端を支持する。そのバイメタル・カバー支柱45は、そのバイメタル支柱44,44の一方から外周寄りに所定の間隔を置いてそのカバー13の外側に突き出されてバイメタル・カバー58を支持する。
【0013】
その仕切り板17は、リング・ディスクに作られ、外周寄りにそのオイル・コントロール・オリフィス18が穴明けされ、そして、そのカバー13の内壁面88に段付け加工されたリング・ショルダ41にはめ込んでそのカバー13に保持されてそのケーシング12のその空間16をその油溜り室19とそのトルク伝達室20とに区画する。
【0014】
そのドライブ・ディスク21は、センタに心合わせ穴49が穴明けされてそのドライブ・シャフト11の先端面に突き出されるセンタだぼ32にその心合わせ穴49をはめ合わせ、複数のボルト55,55でそのドライブ・シャフト11のその先端面に締め付けられてそのドライブ・シャフト11に支持され、そして、そのトルク伝達室20内に回転可能にされる。また、そのドライブ・ディスク21は、両ディスク面47,48の外周部分に耐摩耗材51,52がコーティングされる。その結果、そのドライブ・ディスク21は、そのケーシング12およびカバー13との隙間を狭くできてトルクをそのケーシング12に効率的に伝達可能にする。勿論、そのドライブ・ディスク21は、その両ディスク面47,48の外周部分にフェーシングが取り付けられてもよい。その場合、そのドライブ・ディスク21とそのケーシング12との間、また、そのドライブ・ディスク21とそのカバー13との間の隙間は、その耐摩耗材51,52の場合のそれに比べて僅かに広くなる。さらに、そのドライブ・ディスク21は、複数の大きな穴50,50が明けられてそのすべり軸受15を強制的に潤滑した油がそのトルク伝達室20に戻り易くされている。
【0015】
そのバルブ22は、細長い板ばねで作られ、そして、その仕切り板17においてそのオイル・コントロール・オリフィス18に対向する外周側で油溜り室側面に根元がかしめ止めされて先端でそのオイル・コントロール・オリフィス18を開閉する。この場合、そのバルブ22は、先端にバルブ・ヘッド56を備え、そして、遠心力によってそのバルブ・ヘッド56をオイル・コントロール・オリフィス18に近づけ遠ざけてそのオイル・コントロール・オリフィス18を開閉し、そして、その油溜り室19からそのトルク伝達室20に供給される油を調整する。
【0016】
その感温手段23は、バイメタルが使用され、細長い板片に作られてその両端でその一対のバイメタル支柱44,44に支持され、そして、その冷却系統のラジエータ通過後の空気温度に応じてたわんでそのプッシュ・ピン57をそのバルブ22に押し付け、そして、そのバルブ22を開閉する。具体的には、空気が低温であると、そのバイメタル23は、たわみが小さくなるので、そのバルブ22のばね力に抗してそのプッシュ・ピン57をそのバルブ22に押し付け、そして、そのバルブ22にそのオイル・コントロール・オリフィス18を閉じさせる。また、空気が高温になると、そのバイメタル23は、たわみが大きくなるので、そのプッシュ・ピン57がそのバルブ22のばね力で押し戻されてそのバイメタル23はそのバルブ22にそのオイル・コントロール・オリフィス18を開かせる。そのようにして、このバイメタル23は空気温度に応じてそのバルブ22にそのオイル・コントロール・オリフィス18を開閉させてその油溜り室19からそのトルク伝達室20に供給される油の流量を調節する。そのように、その供給油量が調節されるに伴ってそのドライブ・ディスク21からそのケーシング12に伝達されるトルクが変えられる。その感温手段23は、また、形状記憶合金を用いて作られてもよい。
【0017】
その油回収ダム24,25は、そのドライブ・ディスク21の外周に寄せられてそのドライブ・ディスク21のその両ディスク面47,48とそのトルク伝達室20の両内壁面33,38との間に形成される隙間53,54に配置され、そして、その油循環路26を経てそのトルク伝達室20からその油溜り室19に導かれる油がそのドライブ・ディスク21で加圧されるところで機能する。すなわち、その油回収ダム24,25は、所謂、サイド・ダムでそのエンジンが運転されていると、常にそのドライブ・ディスク21にポンピングの作用をさせる。特に、その油回収ダム25は、ベアリング・オイル・ダムとして機能している。
【0018】
その油循環路26は、入口59が回転方向においてその油回収ダム24の手前に寄せられてそのトルク伝達室20に開口され、一方、出口60がその油溜り室19に開口されるところでそのカバー13に穴明けされ、そして、そのトルク伝達室20のその油回収ダム24の手前側からその油溜り室19に油を導く。勿論、その油循環路26は、パイプを用いて作られてもよく、その場合、そのパイプは、そのカバー13に鋳込まれるかあるいはそのカバー13の外側に配管される。
【0019】
そのシール27は、そのハブ14のそのリング・ショルダ37にはめ込まれ、そして、そのドライブ・シャフト11とそのハブ14との間を密封してそのドライブ・シャフト11の軸線方向においてそのすべり軸受15の外側でそのドライブ・シャフト11とそのハブ14との間にその給油室28を形成する。
【0020】
その給油路29は、入口61が回転方向においてそのベアリング・オイル・ダム25の手前に寄せられてそのトルク伝達室20に開口され、一方、出口62がその給油室28に開口されるところでそのケーシング12に穴明けされ、そして、そのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25の手前側からその給油室28に油を導いてそのすべり軸受15を強制的に潤滑可能にする。。勿論、その給油路29は、パイプを用いて作られてもよく、その場合、そのパイプはそのケーシング12に鋳込まれるかあるいは、そのケーシング12の外側に配管される。
【0021】
次に、その上述された温度感応型ファン・ドライブ10がその冷却系統のそのラジエータ通過後の空気温度に応じて行うところの動作、すなわち、カップリング動作ともクラッチ動作とも呼ばれる動作、そして、その際のそのすべり軸受15の強制潤滑について説明する。そのエンジンが運転されていると、そのドライブ・シャフト11はそのプーリ・シャフトで回転され、それに伴ってそのドライブ・ディスク21はそのトルク伝達室20内に回転される。その際、空気温度が低いと、そのバルブ22がそのバイメタル23によってそのオイル・コントロール・オリフィス18を閉じて油がその油溜り室19からそのトルク伝達室20に供給されず、それに伴ってそのトルク伝達室20に残留する油は少なくなって小さなトルクがそのドライブ・ディスク21からそのケーシング12に伝達される。その結果、その冷却ファンは低速で回転される。
【0022】
また、その際、そのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25の手前側に導かれる油の一部は、その給油路29を経てそのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25の手前側からその給油室28に導かれ、そして、その給油室28からそのすべり軸受15に供給されてそのすべり軸受15を強制的に潤滑する。そしてその後、その油はそのトルク伝達室20に戻される。
【0023】
また、空気温度が高くなると、そのバイメタル23が大きくたわみ、そして、そのバルブ22が自身のばね力でそのプッシュ・ピン57を押し戻すので、そのバルブ22はそのオイル・コントロール・オリフィス18を大きく開いて油はその油溜り室19からそのトルク伝達室20に多く供給され、それに伴ってそのトルク伝達室20に存在してトルク伝達に寄与する油は多くなって大きなトルクがそのドライブ・ディスク21からそのケーシング12に伝達される。その結果、その冷却ファンは高速で回転される。
【0024】
その際、そのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25の手前側に導かれる油の一部は、その給油路29を経てそのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25の手前側からその給油室28に導かれ、そして、その給油室28からそのすべり軸受15に供給されてそのすべり軸受15を強制的に潤滑する。そして後、その油はそのトルク伝達室20に戻される。
【0025】
図2は、自動車に搭載されるエンジンの冷却系統においてそのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブの別の具体例70を示している。この温度感応型ファン・ドライブ70は、その前述された温度感応型ファン・ドライブ10でそのベアリング15に用いられるそのすべり軸受15をニードル・ベアリング71に置き換えている。
【0026】
具体的には、その温度感応型ファン・ドライブ70は、そのエンジンのそのプーリ・シャフトに結合されるそのドライブ・シャフト11と、そのニードル・ベアリング71でそのハブ14をそのドライブ・シャフト11に組み付け、そのドライブ・シャフト11上に回転可能に支持され、そして、そのシールの下にその開口端34に組み付けられるそのカバー13で内側にその空間16を形成するケーシング12と、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィス18を穴明けされてそのケーシング12のその空間16をその油溜り室19およびトルク伝達室20に区画する仕切り板17と、そのトルク伝達室20内に回転可能にされてそのドライブ・シャフト11に固定的に支持され、そして、そのケーシング12にトルクを伝達可能にするドライブ・ディスク21と、そのオイル・コントロール・オリフィス18を開閉するバルブ22と、そのカバー13の外側に配置され、そして、空気温度に応じてそのバルブ22を動かす感温手段23と、そのドライブ・ディスク21の外周側でそのトルク伝達室20に配置される油回収ダム24,25と、そのトルク伝達室20のその油回収ダム24側からその油溜り室19に油を導く油循環路26と、そのドライブ・シャフト11の軸線方向においてそのニードル・ベアリング71から外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフト11とそのハブ14との間に配置され、そして、それらの間に給油室28を形成するシール27と、そのケーシング12においてそのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25側からその給油室28に油を導く給油路29とを備えるところの構造に具体化される。
【0027】
さらに、その温度感応型ファン・ドライブ70の詳細なところは、図1に示されたその温度感応型ファン・ドライブ10の符号で示してその説明を省く。勿論、そのニードル・ベアリング71は、その前述されたすべり軸受15と同様に強制的に潤滑される。
【0028】
図3は、自動車に搭載されるエンジンの冷却系統においてそのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブのさらに別の具体例80を示している。この温度感応型ファン・ドライブ80は、その前述された温度感応型ファン・ドライブ10でそのベアリング15に用いられるそのすべり軸受15をボール・ベアリング81に置き換えている。
【0029】
具体的には、その温度感応型ファン・ドライブ80は、そのエンジンのそのプーリ・シャフトに結合されるそのドライブ・シャフト11と、そのボール・ベアリング81でそのハブ14をそのドライブ・シャフト11に組み付け、そのドライブ・シャフト11上に回転可能に支持され、そして、そのシールの下にその開口端34に組み付けられるそのカバー13で内側にその空間16を形成するケーシング12と、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィス18を穴明けされてそのケーシング12のその空間16をその油溜り室19およびトルク伝達室20に区画する仕切り板17と、そのトルク伝達室20内に回転可能にされてそのドライブ・シャフト11に固定的に支持され、そして、そのケーシング12にトルクを伝達可能にするドライブ・ディスク21と、そのオイル・コントロール・オリフィス18を開閉するバルブ22と、そのカバー13の外側に配置され、そして、空気温度に応じてそのバルブ22を動かす感温手段23と、そのドライブ・ディスク21の外周側でそのトルク伝達室20に配置される油回収ダム24,25と、そのトルク伝達室20のその油回収ダム24側からその油溜り室19に油を導く油循環路26と、そのドライブ・シャフト11の軸線方向においてそのボール・ベアリング81から外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフト11とそのハブ14との間に配置され、そして、それらの間に給油室28を形成するシール27と、そのケーシング12においてそのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25側からその給油室28に油を導く給油路29とを備えるところの構造に具体化される。
【0030】
さらに、その温度感応型ファン・ドライブ80の詳細なところは、図1に示されたその温度感応型ファン・ドライブ10の符号で示してその説明を省く。勿論、そのボール・ベアリング81は、その前述されたすべり軸受15と同様に強制的に潤滑される。
【0031】
図4は、自動車に搭載されるエンジンの冷却系統においてそのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブの具体例90を示している。この発明の温度感応型ファン・ドライブ90は、その前述された発明の温度感応型ファン・ドライブ10にバイパス91およびリリーフ・バルブ92を付加的に備える。そのバイパス91は、ベアリング・バイパスであり、そして、そのリリーフ・バルブ92は、そのベアリング15を潤滑する油の圧力が設定値に達すると、油の一部あるいは全量を戻り側に逃がしてその油の圧力をその設定値以下に制限する。
【0032】
具体的には、その温度感応型ファン・ドライブ90は、そのエンジンのそのプーリ・シャフトに結合されるそのドライブ・シャフト11と、そのベアリング15でそのハブ22をそのドライブ・シャフト11に組み付け、そのドライブ・シャフト11上に回転可能に支持され、そして、シールの下にその開口端34に組み付けられるそのカバー13で内側にその空間16を形成するケーシング12と、所定の位置にそのオイル・コントロール・オリフィス18を穴明けされてそのケーシング12のその空間16をその油溜り室19およびトルク伝達室20に区画するその仕切り板17と、そのトルク伝達室20内に回転可能にされてそのドライブ・シャフト11に固定的に支持され、そして、そのケーシング12にトルクを伝達可能にするドライブ・ディスク21と、そのオイル・コントロール・オリフィス18を開閉するバルブ22と、そのカバー13の外側に配置され、そして、空気温度に応じてそのバルブ22を動かすその感温手段23と、そのドライブ・ディスク21の外周側でそのトルク伝達室20に配置されるその油回収ダム24,25と、そのトルク伝達室20のその油回収ダム24側からその油溜り室19に油を導くその油循環路26と、そのドライブ・シャフト11の軸線方向においてそのベアリング15から外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフト11とそのハブ14との間に配置され、そして、それらの間にその給油室28を形成するそのシール27と、そのケーシング12においてそのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25側からその給油室28に油を導くその給油路29と、そのケーシング12においてその給油路29の途中からそのトルク伝達室20に油を逃がすそのバイパス91と、その給油路29のそのバイパス91の分岐箇所に配置されるそのリリーフ・バルブ92とを備えるところの構造に具体化され、そして、そのベアリング15にそのすべり軸受が用いられる。勿論、そのすべり軸受15はそのニードル・ベアリング71およびボール・ベアリング81などに置き換え可能である。
【0033】
さらに、その温度感応型ファン・ドライブ90の詳細なところは、図1に示されたその温度感応型ファン・ドライブ10の符号で示してその説明を省く。勿論、この温度感応型ファン・ドライブ90では、その油循環路26を通ってそのトルク伝達室20のその油回収ダム24の手前側からその油溜り室19に導かれる油の一部が、その給油路29を経てそのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25の手前側からその給油室28に導かれてそのすべり軸受15を強制的に潤滑する。また、その温度感応型ファン・ドライブ90では、その給油室28に導かれる油の圧力が設定値を越えて高くなると、その油の一部あるいは全量がそのリリーフ・バルブ92でそのバイパス91を経てそのトルク伝達室20に逃がされてそのすべり軸受15の過度の強制潤滑が抑制され、そして、そのシール27も保護される。
【0034】
図5は、自動車に搭載されるエンジンの冷却系統においてそのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブの具体例100を示している。この発明の温度感応型ファン・ドライブ100は、その前述された発明の温度感応型ファン・ドライブ10に絞り101を付加的に備える。その絞り101は、その給油路29を経てそのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25の手前側からその給油室28に流れ込む油の圧力が高くなると、その油の流量を調整してその油の過度の流れを抑制する。
【0035】
具体的には、その温度感応型ファン・ドライブ100は、そのエンジンのそのプーリ・シャフトに結合されるそのドライブ・シャフト11と、そのベアリング15でそのハブ14をそのドライブ・シャフト11に組み付け、そのドライブ・シャフト11上に回転可能に支持され、そして、シールの下にその開口端34に組み付けられるそのカバー13で内側にその空間16を形成するケーシング12と、所定の位置にそのオイル・コントロール・オリフィス18を穴明けされてそのケーシング12のその空間16をその油溜り室19およびトルク伝達室20に区画するその仕切り板17と、そのトルク伝達室20内に回転可能にされてそのドライブ・シャフト11に固定的に支持され、そして、そのケーシング12にトルクを伝達可能にするドライブ・ディスク21と、そのオイル・コントロール・オリフィス18を開閉するそのバルブ22と、そのカバー13の外側に配置され、そして、空気温度に応じてそのバルブ22を動かすその感温手段23と、そのドライブ・ディスク21の外周側でそのトルク伝達室20に配置されるその油回収ダム24,25と、そのトルク伝達室20のその油回収ダム24側からその油溜り室19に油を導くその油循環路26と、そのドライブ・シャフト11の軸線方向においてそのベアリング15から外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフト11とそのハブ14との間に配置され、そして、それらの間にその給油室28を形成するシール27と、そのケーシング12においてそのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25側からその給油室28に油を導くその給油路29と、その給油路29に配置されるその絞り101とを備えるところの構造に具体化され、そして、そのベアリング15にそのすべり軸受が用いられる。勿論、そのすべり軸受15はそのニードル・ベアリング71およびボール・ベアリング81などに置き換え可能である。
【0036】
さらに、その温度感応型ファン・ドライブ100の詳細なところは、図1に示されたその温度感応型ファン・ドライブ10の符号で示してその説明を省く。勿論、この温度感応型ファン・ドライブ100では、その油循環路26を通ってそのトルク伝達室20のその油回収ダム24の手前側からその油溜り室19に導かれる油の一部が、その給油路29を経てそのトルク伝達室20のそのベアリング・オイル・ダム25の手前側からその給油室28に導かれてそのすべり軸受15を強制的に潤滑する。また、その温度感応型ファン・ドライブ100では、その給油室28に導かれる油の圧力が高くなると、その絞り101がその油の流量を調整してその給油室28に過度に流れ込む油を抑制する。その結果、そのすべり軸受15の過度の強制潤滑が抑制され、そして、そのシール27も保護される。その絞り101には、固定絞りあるいは可変絞りが用いられる。
【0037】
図6は、自動車に搭載されるエンジンの冷却系統において、そのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブの具体例110を示している。この発明の温度感応型ファン・ドライブ110は、その前述された発明の温度感応型ファン・ドライブ10のその油回収ダム24,25および給油路29に代えて外周ダム111、内周ダム112、および給油路113を用いる。
【0038】
具体的には、その温度感応型ファン・ドライブ110は、そのエンジンのそのプーリ・シャフトに結合されるそのドライブ・シャフト11と、そのベアリング15でそのハブ14をそのドライブ・シャフト11に組み付け、そのドライブ・シャフト11上に回転可能に支持され、そして、そのシールの下にその開口端34に組み付けられるそのカバー13で内側にその空間16を形成するそのケーシング12と、所定の位置にそのオイル・コントロール・オリフィス18を穴明けされてそのケーシング12のその空間16をその油溜り室19およびトルク伝達室20に区画するその仕切り板17と、そのトルク伝達室20内に回転可能にされてそのドライブ・シャフト11に固定的に支持され、そして、そのケーシング12にトルクを伝達可能にするドライブ・ディスク21と、そのオイル・コントロール・オリフィス18を開閉するそのバルブ22と、そのカバー13の外側に配置され、そして、空気温度に応じてそのバルブ22を動かすその感温手段23と、そのトルク伝達室20においてそのドライブ・ディスク21の外周側でそのカバー13およびドライブ・ディスク21の間に配置されるその外周ダム111と、そのトルク伝達室20においてそのドライブ・ディスク21の内周側でそのケーシング12およびドライブ・ディスク21の間に配置されるその内周ダム112と、そのトルク伝達室20のその外周ダム111側からその油溜り室19に油を導くその油循環路26と、そのドライブ・シャフト11の軸線方向においてそのベアリング15から外側に適宜の間隔を置いてそのドライブ・シャフト11とそのハブ14との間に配置され、そして、それらの間にその給油室28を形成するそのシール27と、そのケーシング12においてそのトルク伝達室20のその内周ダム112側からその給油室28に油を導く給油路113とを備えるところの構造に具体化される。
【0039】
その外周ダム111は、そのトルク伝達室20においてそのドライブ・ディスク21に向い合ってそのケーシング12に配置され、そして、その油循環路26を経てそのトルク伝達室20からその油溜り室19に導かれる油がそのドライブ・ディスク21で加圧されるところで機能する。
【0040】
その内周ダム112は、そのドライブ・ディスク21のそのディスク面48の内周側に開口されるリング溝114に位置されてそのケーシング12とそのドライブ・ディスク21との間に配置され、そしてそれに伴ってその給油路113は、入口115が回転方向においてその内周ダム112の手前に寄せられてそのトルク伝達室20に開口され、一方、出口116がその給油室28に開口されるところでそのケーシング12に穴明けされる。また、そのベアリング15はそのすべり軸受が用いられる。勿論、そのすべり軸受15はそのニードル・ベアリング71およびボール・ベアリング81などに置き換え可能である。
【0041】
さらに、その温度感応型ファン・ドライブ110の詳細なところは、図1に示されたその温度感応型ファン・ドライブ10の符号で示してその説明を省く。勿論、この温度感応型ファン・ドライブ110では、その油循環路26を通ってそのトルク伝達室20のその外周ダム111の手前側からその油溜り室19に導かれる油の一部が、その給油路113を経てそのトルク伝達室20のその内周ダム112の手前側からその給油室28に導かれてそのすべり軸受15を強制的に潤滑する。さらに具体的に述べると、その内周ダム112がそのベアリング・オイル・ダム25に比べてそのドライブ・ディスク21の内周側に位置されるので、空気温度が高くなってそのバイメタル23が大きくたわみ、それに伴ってそのオイル・コントロール・オリフィス18がそのバルブ22で広く開かれ、そして、油がそのオイル・コントロール・オリフィス18を通ってその油溜り室19からそのトルク伝達室20に多量に供給され、また、油はそのトルク伝達室20のその外周ダム111の手前側からその油溜り室に多く導かれると、その油の一部は、その給油路29を経てそのトルク伝達室20のその内周ダム112の手前側からその給油室28に導かれてそのすべり軸受15を強制的に潤滑する。そのように、この温度感応型ファン・ドライブ110は、トルクがそのドライブ・ディスク21からそのケーシング12に伝達される時にのみ、すなわち、接続時のみそのベアリング15を強制的に潤滑する。一方、その前述された温度感応型ファン・ドライブ10、70、80、90、および100は、常時そのベアリング15を強制的に潤滑する。
【0042】
先に図面を参照して説明されたところのこの発明の特定された具体例から明らかであるように、この発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者にとって、この発明の内容は、その発明の性質(nature)および本質(substance)に由来し、そして、それらを内在させると客観的に認められる別の態様に容易に具体化される。勿論、この発明の内容は、その発明の課題に相応し(be commensurate with)、そして、その発明の成立に必須である。
【0043】
【発明の便益】
上述から理解されるように、この発明の温度感応型ファン・ドライブは、エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのドライブ・ディスクの外周側でそのトルク伝達室に配置される油回収ダムと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのケーシングにおいてそのトルク伝達室のその油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路とを含むので、この発明の温度感応型ファン・ドライブでは、そのドライブ・ディスクおよびケーシングが摩擦面間に狭い隙間を確保できてトルクが効率的に伝達され、そして、そのトルクが確実に伝達および可変でき、また、軸受が冷却も兼ねて強制的に潤滑可能になり、使用条件に影響されずにその軸受の焼付けが未然に防止され、そして、その軸受の寿命が確保できて使用が長期間可能になり、さらに、各種の軸受が使用でき、特に、すべり軸受が使用可能になってコストダウンおよびサイズダウンが図られ、その結果、自動車エンジンの冷却系統にとって非常に有用で実用的である。
【0044】
また、この発明の温度感応型ファン・ドライブは、エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのドライブ・ディスクの外周側でそのトルク伝達室に配置される油回収ダムと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路と、その給油路の途中からそのトルク伝達室に油を逃がすバイパスと、その給油路のそのバイパスの分岐箇所に配置されるリリーフ・バルブとを含むので、この発明の温度感応型ファン・ドライブでは、そのドライブ・ディスクおよびケーシングが摩擦面間に狭い隙間を確保できてトルクが効率的に伝達され、そして、そのトルクが確実に伝達および可変でき、また、軸受が冷却も兼ねて強制的に潤滑可能になり、使用条件に影響されずにその軸受の焼付けが未然に防止され、そして、その軸受の寿命が確保できて使用が長期間可能になり、また、その給油室に導かれる油の圧力が設定値を越えて高くなると、その油の一部あるいは全量がそのリリーフ・バルブでそのバイパスを経てそのトルク伝達室に逃がされてその軸受の過度の強制潤滑が抑制され、それに伴ってそのシールが保護され、さらに、各種の軸受が使用でき、特に、すべり軸受が使用可能になってコストダウンおよびサイズダウンが図られ、その結果、自動車エンジンの冷却系統にとって非常に有用で実用的である。
【0045】
さらに、この発明の温度感応型ファン・ドライブは、エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのドライブ・ディスクの外周側でそのトルク伝達室に配置される油回収ダムと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路と、その給油路に配置される絞りとを含むので、この発明の温度感応型ファン・ドライブでは、そのドライブ・ディスクおよびケーシングが摩擦面間に狭い隙間を確保できてトルクが効率的に伝達され、そして、そのトルクが確実に伝達および可変でき、また、軸受が冷却も兼ねて強制的に潤滑可能になり、使用条件に影響されずにその軸受の焼付けが未然に防止され、そして、その軸受の寿命が確保できて使用が長期間可能になり、また、その給油室に導かれる油の圧力が高くなると、その油がその絞りで調整されてその給油室に過度に流れ込む油が抑制されてその軸受の過度の強制潤滑が抑制され、それに伴ってそのシールが保護され、さらに、各種の軸受が使用でき、特に、すべり軸受が使用可能になってコストダウンおよびサイズダウンが図られ、その結果、自動車エンジンの冷却系統にとって非常に有用で実用的である。
【0046】
またさらに、この発明の温度感応型ファン・ドライブは、エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのトルク伝達室においてそのドライブ・ディスクの外周側でそのカバーおよびドライブ・ディスクの間に配置される外周ダムと、そのトルク伝達室においてそのドライブ・ディスクの内周側でそのケーシングおよびドライブ・ディスクの間に配置される内周ダムと、そのトルク伝達室のその外周ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜の間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその内周ダム側からその給油室に油を導く給油路とを含むので、この発明の温度感応型ファン・ドライブでは、そのドライブ・ディスクおよびケーシングが摩擦面間に狭い隙間を確保できてトルクが効率的に伝達され、そして、そのトルクが確実に伝達および可変でき、また、軸受が冷却も兼ねて強制的に潤滑可能になり、使用条件に影響されずにその軸受の焼付けが未然に防止され、そして、その軸受の寿命が確保できて使用が長期間可能になり、さらに、各種の軸受が使用でき、特に、すべり軸受が使用可能になってコストダウンおよびサイズダウンが図られ、その結果、自動車エンジンの冷却系統にとって非常に有用で実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車に搭載されるエンジンの冷却系統においてそのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブの具体例を軸線方向に断面して示した断面図である。
【図2】図1に示されたこの発明の温度感応型ファン・ドライブの別の具体例を軸線方向に断面して示した断面図である。
【図3】図1に示されたこの発明の温度感応型ファン・ドライブのさらに別の具体例を軸線方向に断面して示した断面図である。
【図4】自動車に搭載されるエンジンの冷却系統においてそのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブの具体例を軸線方向に断面して示した断面図である。
【図5】自動車に搭載されるエンジンの冷却系統においてそのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブの具体例を軸線方向に断面して示した断面図である。
【図6】自動車に搭載されるエンジンの冷却系統においてそのエンジンで回転される冷却ファンに適用されるところのこの発明の温度感応型ファン・ドライブの具体例を軸線方向に断面して示した断面図である。
【符号の説明】
11 ドライブ・シャフト
12 ケーシング
13 カバー
14 ハブ
15 ベアリング/すべり軸受
16 空間
17 仕切り板
18 オイル・コントロール・オリフィス
19 油溜り室
20 トルク伝達室
21 ドライブ・ディスク
22 バルブ
23 感温手段/バイメタル
24 油回収ダム/外周ダム
25 油回収ダム/外周ダム/ベアリング・オイル・ダム
26 油循環路
27 シール
28 給油室
29 給油路
91 バイパス/ベアリング・バイパス
92 リリーフ・バルブ
101 絞り/固定絞り/可変絞り
111 外周ダム
112 内周ダム
113 給油路

Claims (11)

  1. エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのドライブ・ディスクの外周側でそのトルク伝達室に配置される油回収ダムと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路とを含む温度感応型ファン・ドライブ。
  2. エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのドライブ・ディスクの外周側でそのトルク伝達室に配置される油回収ダムと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路と、その給油路の途中からそのトルク伝達室に油を逃がすバイパスと、その給油路のそのバイパスの分岐箇所に配置されるリリーフ・バルブとを含む温度感応型ファン・ドライブ。
  3. そのベアリングが、すべり軸受である請求項1または2に記載の温度感応型ファン・ドライブ。
  4. そのベアリングが、ニードル・ベアリングである請求項1または2に記載の温度感応型ファン・ドライブ。
  5. そのベアリングが、ボール・ベアリングである請求項1または2に記載の温度感応型ファン・ドライブ。
  6. そのドライブ・ディスクが、ディスク面の外周部分に耐摩耗材をコーティングする請求項1または2に記載の温度感応型ファン・ドライブ。
  7. そのドライブ・ディスクが、ディスク面の外周部分にフェーシングを取り付ける請求項1または2に記載の温度感応型ファン・ドライブ。
  8. エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのドライブ・ディスクの外周側でそのトルク伝達室に配置される油回収ダムと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜に間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路と、その給油路に配置される絞りとを含む温度感応型ファン・ドライブ。
  9. その絞りが、固定絞りである請求項8に記載の温度感応型ファン・ドライブ。
  10. その絞りが、可変絞りである請求項8に記載の温度感応型ファン・ドライブ。
  11. エンジンのプーリ・シャフトに結合されるドライブ・シャフトと、ベアリングでハブをそのドライブ・シャフトに組み付け、そのドライブ・シャフト上に回転可能に支持され、そして、シールの下に開口端に組み付けられるカバーで内側に空間を形成するケーシングと、所定の位置にオイル・コントロール・オリフィスを穴明けされてそのケーシングのその空間を油溜り室およびトルク伝達室に区画する仕切り板と、そのトルク伝達室内に回転可能にされてそのドライブ・シャフトに固定的に支持され、そして、そのケーシングにトルクを伝達可能にするドライブ・ディスクと、そのオイル・コントロール・オリフィスを開閉するバルブと、そのカバーの外側に配置され、そして、温度に応じてそのバルブを動かす感温手段と、そのトルク伝達室においてそのドライブ・ディスクの外周でそのケーシングに配置される外周油回収ダムと、そのトルク伝達室においてそのドライブ・ディスクの内周側でそのケーシングおよびドライブ・ディスクの間に配置される内周油回収ダムと、そのトルク伝達室のその外周油回収ダム側からその油溜り室に油を導く油循環路と、そのドライブ・シャフトの軸線方向においてそのベアリングから外側に適宜の間隔を置いてそのドライブ・シャフトとそのハブとの間に配置され、そして、それらの間に給油室を形成するシールと、そのトルク伝達室のその内周油回収ダム側からその給油室に油を導く給油路とを含む温度感応型ファン・ドライブ。
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