JP3801577B2 - 鋼管柱を使用した鉄骨構造物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば建築物の骨組みとなる鋼管柱を使用した鉄骨構造物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の鉄骨構造物の鋼管柱において、支柱側に対してダイヤフラムを取り付ける方式としては、たとえば通しダイヤフラム方式や内ダイヤフラム方式や外ダイヤフラム方式などが提供されている。
【0003】
このうち通しダイヤフラム方式は、支柱が、その長さ方向において下部支柱とパネルゾーン用のコラムと上部支柱とに切断(分断)されている。すなわち、柱応力の一番大きくなる位置で、上下の2箇所が切断されたのち、上下のダイヤフラムを介在しての溶接になるために、時間と費用の面で問題となる。
【0004】
また内ダイヤフラム方式は、支柱が、その長さ方向において下部支柱と上部支柱とに切断(分断)されている。この場合も、柱応力の一番大きくなる位置で1箇所が切断されたのち、上下のダイヤフラムの溶接になるために、強度面で問題となる。さらに、溶接完了後の検査や手直しが困難となる。
【0005】
そして外ダイヤフラム方式は、支柱外部の構造物が大型、重量大となり、精度も荒くなり、しかも溶接長さが長いものとなる。
これらを解決するものとして、所定の板厚の長尺鋼管と、この長尺鋼管よりも板厚が厚くかつ梁材連結部を形成する長さの短尺鋼管とからなり、これら長尺鋼管と短尺鋼管との外周形状を同一状に形成して、短尺鋼管を梁材連結位置として長さ方向で溶接結合して構成した鋼管柱が提供されている。
【0006】
この従来構成によると、短尺鋼管の両端に長尺鋼管を溶接結合することで、この短尺鋼管によって梁材連結部を形成でき、その際に二箇所の溶接でよいことから、組立て工数を削減できるとともに溶接長さを短くでき、以て全体を簡略化して経済的となり、かつ溶接歪などが生じ難いものにできる。また長尺鋼管と短尺鋼管とは、その外周形状を同一状として相当接間を長さ方向で溶接結合することで、その溶接結合は十分に強固にかつ綺麗に行うことができる。さらに梁材連結部は、短尺鋼管の予め厚い板厚によって十分な強度を確保でき、梁材の溶接結合は何ら支障なく行うことができる(たとえば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−303661号公報(第1−2頁、第1図、第2図、第14図、第15図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来構成によると、短尺鋼管の両端に長尺鋼管を溶接結合する際に、周方向や横方向において位置ずれなどが生じないように慎重に作業しなければならない。またフラツトバーなどをセットする作業も面倒となる。さらに、建築現場において、短尺鋼管の外面に梁材を溶接結合する作業は複雑かつ面倒となる。
【0009】
そこで本発明の請求項1記載の発明は、パネルゾーンを形成するための溶接作業を容易にかつ安定して強固に行え、しかも建築現場における梁材の結合作業を簡単かつ容易に行える鋼管柱を使用した鉄骨構造物を提供することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明の請求項1記載の鋼管柱を使用した鉄骨構造物は、熱間成形した長尺鋼管におけるパネルゾーン形成部に、このパネルゾーン形成部に相当する長さでかつ熱間成形した短尺鋼管を外嵌して溶接結合するとともに、短尺鋼管の外面の所定箇所に取り付けプレートを溶接結合により固定することで鋼管柱を構成し、梁材は、上下一対のフランジ部とウエブ部とからなり、両フランジ部を前記鋼管柱の短尺鋼管にブラケット材を介して締結結合するとともに、ウエブ部を前記鋼管柱の取り付けプレートに締結結合したことを特徴としたものである。
【0011】
したがって請求項1の発明によると、溶接結合する際のセット作業は、長尺鋼管における長さ方向の2箇所に対してそれぞれ短尺鋼管の位置合わせすることと、両短尺鋼管間に取り付けプレートを位置させることのみであることから、容易に迅速に行える。また長尺鋼管と短尺鋼管の熱間成形によって、長尺鋼管の外周面形状と短尺鋼管の内周面形状を容易にして同一状にし得、これにより、長尺鋼管の外周面と短尺鋼管の内周面とを密着状とした嵌合となる。このようにして構成した鋼管柱の短尺鋼管側に対する梁材の結合は、両短尺鋼管にそれぞれブラケット材を締結結合し、そして両ブラケット材に梁材のフランジ部を締結結合することと、取り付けプレートに梁材のウエブ部を締結結合することとにより、簡単かつ容易に、しかも強固に行える。
【0012】
また本発明の請求項2記載の鋼管柱を使用した鉄骨構造物は、熱間成形した長尺鋼管におけるパネルゾーン形成部に、このパネルゾーン形成部に相当する長さでかつ熱間成形した短尺鋼管を外嵌して溶接結合するとともに、短尺鋼管の外面の所定箇所に取り付けプレートを溶接結合により固定することで鋼管柱を構成し、梁材は、上下一対のフランジ部とウエブ部とからなり、両フランジ部を前記鋼管柱の短尺鋼管にブラケット材を介して締結結合するとともに、ウエブ部を前記鋼管柱の取り付けプレートに締結結合したことを特徴としたものである。
【0013】
したがって請求項2の発明によると、溶接結合する際のセット作業は、長尺鋼管の長さ方向に対して短尺鋼管を位置合わせすることと、短尺鋼管に取り付けプレートを位置させることのみであることから、容易に迅速に行えるとともに、短尺鋼管に対する溶接は2箇所でよいことになる。また長尺鋼管と短尺鋼管の熱間成形によって、長尺鋼管の外周面形状短尺鋼管の内周面形状を容易にして同一状にし得、これにより、長尺鋼管の外周面と短尺鋼管の内周面とを密着状とした嵌合となる。このようにして構成した鋼管柱の短尺鋼管側に対する梁材の結合は、短尺鋼管にブラケット材を締結結合し、そしてブラケット材に梁材のフランジ部を締結結合することと、取り付けプレートに梁材のウエブ部を締結結合することとにより、簡単かつ容易に、しかも強固に行える。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の第1の実施の形態を、四角形の角形鋼管を採用した状態として、図1〜図7に基づいて説明する。
【0015】
図3、図4に示されるように、熱間成形した長尺角形鋼管(長尺鋼管の一例)1におけるパネルゾーン形成部の2箇所に、熱間成形した短尺角形鋼管(短尺鋼管の一例)2を外嵌したのち、隅肉溶接方式で溶接結合3することで、角形鋼管柱(鋼管柱の一例)5を構成し得る。なお、短尺角形鋼管2が溶接結合3される2箇所とは、梁材における一対のフランジ部が対向される部分(後述する。)とされている。
【0016】
前記長尺角形鋼管1は所定の板厚tであり、そして短尺角形鋼管2は、この長尺角形鋼管1の板厚tに対して板厚Тを厚くしている。ここで所定の板厚tとは、鉄骨構造物の規模に応じて採用される角形鋼管柱5の外寸Wなどにより決定されるもので、たとえば外寸Wが200〜1000mmのときに板厚tは9〜70mmである。また短尺角形鋼管2の板厚Tは50〜150mmとされ、そして長さ(高さ)lは40〜120mmとされている。
【0017】
前記長尺角形鋼管1と短尺角形鋼管2とは、薄い板厚tの長尺角形鋼管1における四隅(コーナ部)の外周曲率半径1rと、厚い板厚Tの短尺角形鋼管2における四隅(コーナ部)の内周曲率半径2rとが同一状に形成されている。
【0018】
すなわち通常、プレス成形などにより形成された角形鋼管においては、薄い板厚の角形鋼管におけるコーナ部の曲率半径に対して、厚い板厚の角形鋼管におけるコーナ部の曲率半径は大であり、そのコーナ部の形状は異なっている。したがって、薄い板厚の角形鋼管に厚い板厚の角形鋼管を外嵌させて溶接結合する場合、すなわち、薄い板厚の角形鋼管におけるコーナ外周面に厚い板厚の角形鋼管におけるコーナ内周面を当接させた状態で溶接結合する場合、薄い板厚の角形鋼管における平板部外面と厚い板厚の角形鋼管における平板部内面との間に隙間が生じて、溶接結合は好適に行えない(図5のZ部参照。)。
【0019】
これに対して第1の実施の形態では、薄い板厚tの長尺角形鋼管1における外周曲率半径1rと厚い板厚Tの短尺角形鋼管2における内周曲率半径2rとを同一状に形成するために、図6に示されるように、薄い板厚tでかつコーナ部が大きい外周曲率半径21Rの半成形長尺角形鋼管(原鋼管)21に対して熱間成形を行うとともに、厚い板厚Tでかつコーナ部が大きい内周曲率半径22Rの半成形角形鋼管(原鋼管)22に対して熱間成形を行う。
【0020】
すなわち図5に示されるように、所定の長さLの半成形長尺角形鋼管21や、適宜の長さLの半成形角形鋼管22が、共通または別個の加熱手段(加熱炉など)25において所定温度(A変態点の近辺で、たとえば850℃〜1050℃)に加熱される。
【0021】
そして、加熱された半成形長尺角形鋼管21は、図6に示されるように、成形手段(成形ロール装置など)26において熱間成形され、その後に放冷などすることで、所定の外寸Wでかつ四隅(コーナ部)を所定の外周曲率半径1rとした長尺角形鋼管1とし得る。また、加熱された半成形角形鋼管22は、成形手段(成形ロール装置など)27において熱間成形され、その後に放冷などすることで、四隅(コーナ部)を所定の内周曲率半径2rとした成形角形鋼管22Aとし得る。
【0022】
そして図7に示されるように、成形角形鋼管22Aを切断手段28によって輪切り状に切断することで、四隅(コーナ部)を所定の内周曲率半径2rとしかつ所定の長さlの短尺角形鋼管2とし得る。
【0023】
その後に長尺角形鋼管1に短尺角形鋼管2を外嵌し、この短尺角形鋼管2をパネルゾーン形成部の2箇所に位置させたのち溶接結合3することで、図3、図4に示されるように、短尺角形鋼管2を梁材連結位置として角形鋼管柱5を構成し得る。そして、両短尺角形鋼管2間において長尺角形鋼管1の外面の所定箇所には、取り付けプレート6が溶接結合7により固定されている。なお、取り付けプレート6の外端側には複数のボルト孔6aが形成されている。また所定の複数箇所には、短尺角形鋼管2から長尺角形鋼管1に亘っての貫通孔8がドリルなどにより形成されている。
【0024】
このような角形鋼管柱5は、所定本数が建築現場などに運搬され、そして図1、図2に示されるように、梁材連結部を形成する一対の短尺角形鋼管2の外面間に、梁材10がブラケット材12を介して締結結合される。すなわち梁材10は、上下一対のフランジ部10Aとウエブ部10Bとからなり、このウエブ部10Bの遊端には、前記取り付けプレート6側のボルト孔6a群に連通自在なボルト孔10b群が形成され、さらに両フランジ部10Aの遊端にも、それぞれ複数のボルト孔10aが形成されている。
【0025】
前記ブラケット材12は、フランジ部12Aと、このフランジ部12Aの中間部分から直角状に連設されるウエブ部12Bとにより横向きТ型材状に形成されている。そしてフランジ部12Aの両端側には、前記貫通孔8群に連通自在なボルト孔12a群が形成され、さらにウエブ部12Bの遊端には、フランジ部10Aのボルト孔10a群に連通自在なボルト孔12b群が形成されている。
【0026】
したがって建築現場において、角形鋼管柱5側の貫通孔8群にブラケット材12側のボルト孔12a群を連通させた状態で、ボルト孔12aから貫通孔8へとワンサイドボルト13をねじ込むことで、角形鋼管柱5における両短尺角形鋼管2の所定箇所に、それぞれブラケット材12を締結結合し得る。
【0027】
そして、上下一対のブラケット材12に対して梁材10の端部が位置され、ボルト孔10a群をボルト孔12b群に連通させた状態で、ボルト・ナット(締結具の一例)14を締結作用させることで、両ブラケット材12間に亘って梁材10を締結結合し得る。これと同時に、ボルト孔10b群を取り付けプレート6側のボルト孔6a群に連通させた状態で、ボルト・ナット(締結具の一例)11を締結作用させることで、角形鋼管柱5側に対する梁材10の連結をより強固に行える。
【0028】
なお角形鋼管柱5は、内蔵リブや裏当て金などがない状態に仕上げ得、したがって、中にコンクリートなどを充填させる構成も容易に採用し得る。
上述した第1の実施の形態の角形鋼管柱5を使用した鉄骨構造物によると、長尺角形鋼管1におけるパネルゾーン形成部に、熱間成形した短尺角形鋼管2を外嵌して溶接結合3することにより角形鋼管柱5を構成したことによって、溶接結合3する際のセット作業は、長尺角形鋼管1の長さ方向に対する短尺角形鋼管2の位置合わせのみであることから、容易に迅速に行える。
【0029】
また短尺角形鋼管2の熱間成形によって、長尺角形鋼管1の外周面形状に対して短尺角形鋼管2の内周面形状を容易にして同一状にし得、これにより、長尺角形鋼管1の外周面と短尺角形鋼管2の内周面とを密着状とした嵌合となって、溶接作業を容易にかつ安定して行えるとともに、溶接結合3を十分に強固に行え、以てパネルゾーンを有する角形鋼管柱5を容易に構成し得る。そして、角形鋼管柱5の短尺角形鋼管2側に梁材10を、ブラケット材12を介して締結結合することによって、建築現場における梁材10の結合作業を簡単かつ容易に行える。
【0030】
さらに、熱間成形した短尺角形鋼管2を使用することにより、地震時に、応力のかかるパネルゾーン(梁材連結位置)において、特に鉄本来の粘りを発揮し、塑性変形性能に優れ、脆性破壊を未然に防止し得るなど、角形鋼管柱5を高品質化し得る。なお、短尺角形鋼管2を熱間成形することで、その全長において各コーナ部の内周曲率半径2rを揃えることができ、しかも平板部とコーナ部とを均質化し得る。
【0031】
上述した第1の実施の形態の角形鋼管柱5を使用した鉄骨構造物によると、パネルゾーン形成部の2箇所に熱間成形した短尺角形鋼管2を外嵌して溶接結合3することで角形鋼管柱5を構成し、この角形鋼管柱5の両短尺角形鋼管2にブラケット材12を締結結合するとともに、両ブラケット材12間に亘って梁材10を締結結合したことによって、溶接結合3する際のセット作業は、長尺角形鋼管1の長さ方向の2箇所に対してそれぞれ短尺角形鋼管2を位置合わせするのみであることから、容易に迅速に行え、そして角形鋼管柱5の両短尺角形鋼管2間に梁材10を、それぞれブラケット材12を介して締結結合することによって、建築現場における梁材10の結合作業を簡単かつ容易に行える。
【0032】
上述した第1の実施の形態の角形鋼管柱5によると、熱間成形した長尺角形鋼管1を使用することによって、長尺角形鋼管1の外周面形状と短尺角形鋼管2の内周面形状との同一状化を、より容易にして行える。
【0033】
上述した第1の実施の形態の角形鋼管柱5によると、長尺角形鋼管1の板厚tに対して短尺角形鋼管2の板厚Tを厚くしたことによって、パネルゾーン(梁材連結部)を、短尺角形鋼管2の厚い板厚Tによって強固に形成して十分な強度を確保し得、以て梁材10の締結結合は何ら支障なく行える。
【0035】
次に、本発明の第2の実施の形態を、図8、図9に基づいて説明する。
すなわち、熱間成形した長尺丸形鋼管(長尺鋼管の一例)31におけるパネルゾーン形成部の2箇所に、熱間成形した短尺丸形鋼管(短尺鋼管の一例)32を外嵌したのち、隅肉溶接方式で溶接結合33することで、丸形鋼管柱(鋼管柱の一例)35を構成し得る。なお、短尺丸形鋼管32が溶接結合33される2箇所とは、梁材における一対のフランジ部が対向される部分(後述する。)とされている。
【0036】
前記長尺丸形鋼管31は所定の板厚tであり、そして短尺丸形鋼管32は、この長尺丸形鋼管31の板厚tに対して板厚Тを厚くしている。ここで所定の板厚tとは、鉄骨構造物の規模に応じて採用される丸形鋼管柱35の外寸などにより決定されるもので、たとえば外寸が200〜1000mmのときに板厚tは9〜70mmである。また短尺丸形鋼管32の板厚Tは50〜150mmとされ、そして長さ(高さ)lは40〜120mmとされている。
【0037】
前記長尺丸形鋼管31と短尺丸形鋼管32とは、それぞれ熱間成形によって、薄い板厚tの長尺丸形鋼管31における外寸(外径)Dと、厚い板厚Tの短尺丸形鋼管32における内寸(内径)dとが同一状に形成されている。そして第1の実施の形態と同様にして、ブラケット材12を介して梁材10が締結結合される。ここでブラケット材12のフランジ部12Aは、短尺丸形鋼管32の外周円弧面に沿うように円弧状に形成されている。
【0038】
なお丸形鋼管柱35は、内蔵リブや裏当て金などがない状態に仕上げ得、したがって、中にコンクリートなどを充填させる構成も容易に採用し得る。そして、長尺丸形鋼管31や短尺丸形鋼管32の加熱、熱間成形は、成形手段のロール形状や配置などを考慮した状態で、上述した第1の実施の形態と同様にして行われる。
【0039】
上述した第2の実施の形態の丸形鋼管柱35を使用した鉄骨構造物によると、長尺丸形鋼管31におけるパネルゾーン形成部に、熱間成形した短尺丸形鋼管32を外嵌して溶接結合33することにより丸形鋼管柱35を構成したことによって、溶接結合33する際のセット作業は、長尺丸形鋼管31の長さ方向に対する短尺丸形鋼管32の位置合わせのみであることから、容易に迅速に行える。
【0040】
また短尺丸形鋼管32の熱間成形によって、長尺丸形鋼管31の外周面形状に対して短尺丸形鋼管32の内周面形状を容易にして同一状にし得、これにより、長尺丸形鋼管31の外周面と短尺丸形鋼管32の内周面とを密着状とした嵌合となって、溶接作業を容易にかつ安定して行えるとともに、溶接結合33を十分に強固に行え、以てパネルゾーンを有する丸形鋼管柱35を容易に構成し得る。そして、丸形鋼管柱35の短尺丸形鋼管32側に梁材10を、ブラケット材12を介して締結結合することによって、建築現場における梁材10の結合作業を簡単かつ容易に行える。
【0041】
さらに、熱間成形した短尺丸形鋼管32を使用することにより、地震時に、応力のかかるパネルゾーン(梁材連結位置)において、特に鉄本来の粘りを発揮し、塑性変形性能に優れ、脆性破壊を未然に防止し得るなど、丸形鋼管柱35を高品質化し得る。
【0042】
上述した第2の実施の形態の丸形鋼管柱35を使用した鉄骨構造物によると、パネルゾーン形成部の2箇所に熱間成形した短尺丸形鋼管32を外嵌して溶接結合33することで丸形鋼管柱35を構成し、この丸形鋼管柱35の両短尺丸形鋼管32にブラケット材12を締結結合するとともに、両ブラケット材12間に亘って梁材10を締結結合したことによって、溶接結合33する際のセット作業は、長尺丸形鋼管31の長さ方向の2箇所に対してそれぞれ短尺丸形鋼管32を位置合わせするのみであることから、容易に迅速に行え、そして丸形鋼管柱35の両短尺丸形鋼管32間に梁材10を、それぞれブラケット材12を介して締結結合することによって、建築現場における梁材10の結合作業を簡単かつ容易に行える。
【0043】
上述した第2の実施の形態の丸形鋼管柱35によると、熱間成形した長尺丸形鋼管31を使用することによって、長尺丸形鋼管31の外周面形状と短尺丸形鋼管32の内周面形状との同一状化を、より容易にして行える。
【0044】
上述した第2の実施の形態の丸形鋼管柱35によると、長尺丸形鋼管31の板厚tに対して短尺丸形鋼管32の板厚Tを厚くしたことによって、パネルゾーン(梁材連結部)を、短尺丸形鋼管32の厚い板厚Tによって強固に形成して十分な強度を確保し得、以て梁材10の締結結合は何ら支障なく行える。
【0046】
次に、本発明の第3の実施の形態を、図10に基づいて説明する。
すなわち、熱間成形した長尺角形鋼管(長尺鋼管の一例)1におけるパネルゾーン形成部の箇所に、このパネルゾーン形成部に相当する長さlでかつ熱間成形した短尺角形鋼管(短尺鋼管の一例)2Aを外嵌したのち、隅肉溶接方式で溶接結合3することで、角形鋼管柱(鋼管柱の一例)5Aを構成し得る。そして第1の実施の形態と同様にして、ブラケット材12を介して梁材10が締結結合される。ここでブラケット材12は、共通の短尺角形鋼管2Aにおける上下2箇所(所定の2箇所)に締結結合される。
【0047】
この第3の実施の形態によると、第1の実施の形態に比べて少し長い短尺角形鋼管2Aを使用することでコストアップになるが、反面、溶接結合3の箇所が4箇所から2箇所に減少することでコストダウンとなる。
【0048】
なお、第3の実施の形態に示す共通の短尺角形鋼管2Aを採用する形式は、上述した第2の実施の形態に示す丸形鋼管柱の形式にも採用し得るものである。
上記した第1、第3の実施の形態において、角形鋼管としては、たとえば、ロール成形によるワンシーム角形鋼管、プレス成形による一対のみぞ形材を向き合わせて突き合わせ溶接したツーシーム角形鋼管、一対の圧延みぞ形材を溶接してなるツーシーム角形鋼管、圧延山形材を一対、向き合わせて溶接したツーシーム角形鋼管、四面ボックス、シームレス角形鋼管など、いずれも既製の角形鋼管が適宜に使用される。
【0049】
上記した第1、第3の実施の形態では、角形鋼管として断面で正四角形状のものを採用しているが、これは断面で長方形の角形鋼管も同様に採用し得るものである。さらには、正五角形や正六角形など、各種の多角形の角形鋼管にも同様に採用し得るものである。
【0050】
上記した第2の実施の形態において、丸形鋼管としては、ワンシーム丸形鋼管、ツーシーム丸形鋼管、シームレス丸形鋼管など、いずれも既製の丸形鋼管が適宜に使用される。
【0051】
上記した各実施の形態では、炭酸ガスアーク溶接機やミグアーク溶接機による溶接であり、これによると、短時間で高品質の溶接を行うことができる。なお、レーザなど他の溶接方式であってもよい。
【0052】
【発明の効果】
上記した本発明の請求項1によると、溶接結合する際のセット作業は、長尺鋼管における長さ方向の2箇所に対してそれぞれ短尺鋼管の位置合わせすることと、両短尺鋼管間に取り付けプレートを位置させることのみであることから、容易に迅速に行うことができる。また長尺鋼管と短尺鋼管の熱間成形によって、長尺鋼管の外周面形状短尺鋼管の内周面形状を容易にして同一状にでき、これにより、長尺鋼管の外周面と短尺鋼管の内周面とを密着状とした嵌合となって、溶接作業を容易にかつ安定して行うことができるとともに、溶接結合を十分に強固に行うことができ、以てパネルゾーンを容易に形成できる。そして、構成した鋼管柱の短尺鋼管側に対する梁材の結合は、両短尺鋼管にそれぞれブラケット材を締結結合し、そして両ブラケット材に梁材のフランジ部を締結結合することと、取り付けプレートに梁材のウエブ部を締結結合することとにより、簡単かつ容易に、しかも強固に行うことができる。
【0053】
その際に短尺鋼管は熱間成形によって、たとえば鍛造成形に比べて、容易にかつ安価に得ることができる。さらに、熱間成形した短尺鋼管を使用することにより、地震時に、応力のかかるパネルゾーン(梁材連結位置)において、特に鉄本来の粘りを発揮し、塑性変形性能に優れ、脆性破壊を未然に防止し得るなど、鋼管柱を高品質化できる。
【0054】
また上記した本発明の請求項2によると、溶接結合する際のセット作業は、長尺鋼管の長さ方向に対して短尺鋼管を位置合わせすることと、短尺鋼管に取り付けプレートを位置させることのみであることから、容易に迅速に行うことができるとともに、短尺鋼管に対する溶接は2箇所でよいことになってコストダウンできる。また長尺鋼管と短尺鋼管の熱間成形によって、長尺鋼管の外周面形状短尺鋼管の内周面形状を容易にして同一状にでき、これにより、長尺鋼管の外周面と短尺鋼管の内周面とを密着状とした嵌合となって、溶接作業を容易にかつ安定して行うことができるとともに、溶接結合を十分に強固に行うことができ、以てパネルゾーンを容易に形成できる。そして、構成した鋼管柱の短尺鋼管側に対する梁材の結合は、短尺鋼管にブラケット材を締結結合し、そしてブラケット材に梁材のフランジ部を締結結合することと、取り付けプレートに梁材のウエブ部を締結結合することとにより、簡単かつ容易に、しかも強固に行うことができる。
その際に短尺鋼管は熱間成形によって、たとえば鍛造成形に比べて、容易にかつ安価に得ることができる。さらに、熱間成形した短尺鋼管を使用することにより、地震時に、応力のかかるパネルゾーン(梁材連結位置)において、特に鉄本来の粘りを発揮し、塑性変形性能に優れ、脆性破壊を未然に防止し得るなど、鋼管柱を高品質化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示し、鋼管柱を使用した鉄骨構造物における要部の一部切り欠き正面図である。
【図2】同鋼管柱を使用した鉄骨構造物における要部の横断平面図である。
【図3】同鋼管柱を使用した鉄骨構造物における角形鋼管柱の要部の一部切り欠き正面図である。
【図4】同鋼管柱を使用した鉄骨構造物における角形鋼管柱の平面図である。
【図5】同鉄骨構造物に使用する角形鋼管の製造において、加熱工程の説明図である。
【図6】同鉄骨構造物に使用する角形鋼管の製造において、熱間成形工程の説明図である。
【図7】同鉄骨構造物に使用する角形鋼管の製造において、切断工程の説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態を示し、鋼管柱を使用した鉄骨構造物における要部の一部切り欠き正面図である。
【図9】同鋼管柱を使用した鉄骨構造物における要部の横断平面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示し、鋼管柱を使用した鉄骨構造物における要部の一部切り欠き正面図である。
【符号の説明】
1 長尺角形鋼管(長尺鋼管)
1r 外周曲率半径
2 短尺角形鋼管(短尺鋼管)
2A 短尺角形鋼管(短尺鋼管)
2r 内周曲率半径
3 溶接結合
5 角形鋼管柱(鋼管柱)
5A 角形鋼管柱(鋼管柱)
6 取り付けプレート
6a ボルト孔
8 貫通孔
10 梁材
10a ボルト孔
10b ボルト孔
11 ボルト・ナット(締結具)
12 ブラケット材
12a ボルト孔
12b ボルト孔
13 ワンサイドボルト
14 ボルト・ナット(締結具)
21 半成形長尺角形鋼管(原鋼管)
22 半成形角形鋼管(原鋼管)
22A 成形角形鋼管
25 加熱手段(加熱炉)
26 成形手段(成形ロール装置)
27 成形手段(成形ロール装置)
28 切断手段
31 長尺丸形鋼管(長尺鋼管)
32 短尺丸形鋼管(短尺鋼管)
33 溶接結合
35 丸形鋼管柱(鋼管柱)

Claims (2)

  1. 熱間成形した長尺鋼管におけるパネルゾーン形成部の2箇所に熱間成形した短尺鋼管を外嵌して溶接結合するとともに、両短尺鋼管間において長尺鋼管の外面の所定箇所に取り付けプレートを溶接結合により固定することで鋼管柱を構成し、梁材は、上下一対のフランジ部とウエブ部とからなり、両フランジ部を前記鋼管柱の短尺鋼管にブラケット材を介して締結結合するとともに、ウエブ部を前記鋼管柱の取り付けプレートに締結結合したことを特徴とする鋼管柱を使用した鉄骨構造物。
  2. 熱間成形した長尺鋼管におけるパネルゾーン形成部に、このパネルゾーン形成部に相当する長さでかつ熱間成形した短尺鋼管を外嵌して溶接結合するとともに、短尺鋼管の外面の所定箇所に取り付けプレートを溶接結合により固定することで鋼管柱を構成し、梁材は、上下一対のフランジ部とウエブ部とからなり、両フランジ部を前記鋼管柱の短尺鋼管にブラケット材を介して締結結合するとともに、ウエブ部を前記鋼管柱の取り付けプレートに締結結合したことを特徴とする鋼管柱を使用した鉄骨構造物。
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