JP3801007B2 - 重量センサ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重量センサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重量センサとして、例えば次のような構成のものがある。
【0003】
第1従来例(特開平8−238170号公報及び特開昭59−104032号公報)には、板バネに設けた歪ゲージにより重量を測定する構成が開示されている。
【0004】
第2従来例(特開昭61−162915号公報)には、外力により弾性変形するコイルスプリングの変形量をスライドボリュームで検出する構成が開示されている。
【0005】
第3従来例(特開昭61−119212号公報)には、固定電極と可動電極とを所定間隔で対向配置し、外力により可動電極を固定電極に接近したことを静電容量の変化として検出する構成が開示されている。
【0006】
第4従来例(特開昭61−36619号公報)には、外力により振動数が変化する複数の板バネにより、振動周波数として検出する構成が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記重量センサのあらゆる用途での使用を考えた場合、水滴や湿度、あるいは外部磁界の影響を避ける必要があるため、密閉構造やシールド構造を設ける必要がある。
しかしながら、前記いずれの構成によっても、密閉構造、シールド構造を採用することは困難である上、採用すれば大型化は避けられない。
【0008】
そこで、本発明は、簡単かつ安価に密閉構造、シールド構造を得ることができるコンパクトな重量センサ及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、固定電極と可動電極を所定間隔で対向配置し、重量が作用することにより、弾性部材を介して前記可動電極を変位させ、変化する静電容量に基づいて前記重量を検出するようにした重量センサにおいて、
前記可動電極と前記弾性部材とを、絶縁部材を介して連結し、
前記固定電極、前記可動電極、及び前記弾性部材をシールド本体に装着し、該シールド本体に形成した開口部に前記弾性部材を封止状態で一体化したものである。
【0010】
この構成により、内部を密閉するシールド本体の一部を弾性部材で構成することができ、非常にコンパクトに形成することが可能となる。しかも、弾性部材は、絶縁部材を介して可動電極に一体化されると共に、シールド本体の開口部に封止状態で一体化されるため、内部の可動電極及び固定電極を外部から完全に遮断することができ、水蒸気等の悪影響を確実に排除することが可能となる。
【0011】
前記絶縁部材は、前記弾性部材を前記可動電極に連結する組立作業時に変形し、その後変形状態を維持したままで硬化する材料で構成すると、弾性部材の加工誤差等を絶縁部材で吸収することができ、高精度な電極間距離を得ることが可能となる点で好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、固定電極と可動電極を所定間隔で対向配置し、重量が作用することにより、弾性部材を介して前記可動電極を変位させ、変化する静電容量に基づいて前記重量を検出するようにした重量センサの製造方法において、
前記可動電極と、重量が作用することにより弾性変形する弾性部材とを組立治具上に位置決めし、該位置決め時、前記可動電極と前記弾性部材との間に、硬化前の絶縁部材を介在させ、その後硬化させることにより前記可動電極と前記弾性部材とを連結するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る重量センサを示す。この重量センサは、シールド本体1に、弾性部材2、可動電極3、スペーサ4、固定電極5、第1支持部材6、プリント基板7、及び第2支持部材8を装着した構成である。
【0015】
シールド本体1は、ステンレス等を円筒状に形成したもので、天井面には開口部9が形成されている。
【0016】
弾性部材2は、ステンレス等からなる円板の同心円上に断面円弧状(波形)の凹凸を形成してなるダイヤフラムで構成されている。弾性部材2の中心部には平坦部10が設けられ、棒状の作動部材11(図2中、2点鎖線で示す。)等が当接して外力が作用するようになっている。弾性部材2は、前記シールド本体1の開口部9を上方から覆うように装着され、外周縁部を開口部9の縁部に接着、溶着等により封止状態に一体化される。なお、弾性部材2の厚み、凹凸の形状、材質、変形可能な領域等は、外力に対する変形量をどのように設定するのかに応じて自由に選択すればよい。
【0017】
可動電極3は、りん青銅等の導電性材料を打ち抜いて円板状としたもので、円板部3aの縁部から外周に沿って所定間隔で円弧状に弾性支持部3bが形成され、その先端から下方に向かって端子部3cが延びている。弾性支持部3bにより、限られたスペースであるにも拘わらず、可動電極3を後述する固定電極5に対して平行移動させることが可能となっている。
【0018】
前記弾性部材2と前記可動電極3とは絶縁部材25によって連結されている。絶縁部材25は、合成樹脂材料、ゴム、ガラス等の絶縁材料からなる。合成樹脂材料で連結する場合には、熱硬化性樹脂を使用することにより、後述するように、弾性部材2の加工精度を吸収して可動電極3を所望の位置とすることが可能である。
【0019】
スペーサ4は、ポリフェニリンサルファイド(PPS)等の合成樹脂材料を薄板ドーナツ状としたもので、図2に示すように、可動電極3の板厚t1に、可動電極3と後述する固定電極5との間に形成する所定の間隙寸法dを加算した板厚t2を有する。
【0020】
固定電極5は、前記可動電極同様、りん青銅、ステンレス等の導電性材料を打ち抜いて円板状としたもので、外周縁の3箇所から半径方向に延設部5a,5b,5cが形成され、その1箇所の延設部5aからさらに下方に向かって端子部5dが延設されている。固定電極5は、第1支持部材6に支持された状態で、スペーサ4を介してシールド本体1に装着される。そして、可動電極3と所定の間隙寸法dを有して対向し、いわゆるコンデンサを構成することにより、前記弾性部材2の変形に基づく可動電極3の変位量を静電容量の変化として検出することが可能となっている。
【0021】
第1支持部材6は、PPS等の合成樹脂材料を円筒状としたもので、上面開口縁部には上方に向かって突出する環状部12が形成されている。環状部12には、前記固定電極5の各延設部5a,5b,5cに対応する位置に切欠部13a,13b,13cがそれぞれ形成されている。また、第1支持部材6の外周部には、切欠部13aに対応する位置と、その位置と対称な位置とには、上下に延びる溝部14a,14bがそれぞれ形成されている。溝部14aは前記固定電極5の端子部5d用の逃がしであり、溝部14bは前記可動電極3の端子部3c用の逃がしである。
【0022】
プリント基板7は、ガラスエポキシからなる板材に図示しない種々の電子部品を実装し、演算回路等を形成したものである。これら回路により、弾性部材2の弾性変形に伴う両電極3,5間の静電容量の変化に基づいて弾性部材2に作用する重量が算出される。またプリント基板7にはスルホール15が形成され、前記両電極3,5の各端子3c,5dが挿通してハンダ付けされることにより、前記電子部品との電気接続が図られている。
【0023】
第2支持部材8は、前記第1支持部材6と同様に、PPS等の合成樹脂材料を円筒状としたもので、前記シールド本体1の下端開口部に嵌合一体化される。また第2支持部材8の外周面には3箇所等分で突起16が形成されている。これら突起16は、第2支持部材8を前記シールド本体1に装着した際に潰れて圧入状態とする。さらに第2支持部材8の上面には切除部17が形成され、プリント基板7から突出する前記固定電極5の端子部5dとの干渉が回避されている。
【0024】
前記重量センサは次のようにして組み立てる。
【0025】
予めプレス加工によりシールド本体1と弾性部材2を形成し、シールド本体1に上方から弾性部材2を装着して開口部9を閉鎖する。そして、シールド本体1の開口部9の縁部上面と弾性部材2の外周縁部とを溶接、接着等により封止状態となるように一体化する。
【0026】
続いて、図3(a)に示すように、組立治具18上に可動電極3をセットする。組立治具18は、内周側に配設される電極支持部19と、外周側に配設される本体支持部20とで構成されている。電極支持部19には、複数箇所に真空引きするための貫通孔21が形成され、上面に載置した可動電極3を吸引保持できるようになっている。電極支持部19の上面外周部には環状の逃がし溝19aを介して環状突部22が形成されている。環状突部22は、載置される可動電極3の円形部3aと弾性支持部3bとの間に位置し、可動電極3を径方向に位置決めする。電極支持部19の上面と本体支持部20の上面の位置関係、すなわち両者の上下方向の寸法差hは、スペーサ4の板厚t2から電極間距離dを引いた寸法と一致するように設計されている。また、電極支持部19と本体支持部20の間には、可動電極3の端子部との干渉を回避するための環状溝23が形成されている。
【0027】
ここで、可動電極3の中心部に、図3(b)に示すように、絶縁部材25、ここでは熱硬化性樹脂を配置する。この段階では、絶縁部材25は変形可能である。そこで、図3(c)に示すように、可動電極3の上方に弾性部材2を一体化したシールド本体1を配置する。
【0028】
ところで、弾性部材2は、弾性変形可能にプレス加工される関係上、寸法精度をそれ程高めることは不可能であり、多少のばらつきが生じることは避けられない。このため、弾性部材2と可動電極3の連結部分を常に一定の位置関係にすることは不可能である。そこで、前述のような変形可能な絶縁部材25を介在させることにより、前記連結部分の位置ずれを吸収するようにしている。したがって、組立治具18に可動電極3と、弾性部材2を一体化したシールド本体1とをセットした状態で、熱処理炉に搬入すると、可動電極3と弾性部材2とを絶縁部材25を介して上下方向に正確な位置関係が得られるように連結することが可能となる。
【0029】
シールド本体1に、弾性部材2及び可動電極3を一体化すれば、シールド本体1の下方からスペーサ4、次いで固定電極5及び第1支持部材6を挿入する。このとき、固定電極5の外周縁を環状突部22にガイドして径方向に位置決めすると共に、延設部5a,5b,5cを第1支持部材6の切欠部13a,13b,13cにガイドして周方向に位置決めしておく。また、第1支持部材6の溝部14bに可動電極3の端子部3cを位置させる。この状態では、可動電極3の端子部3cは溝部14bを介して、固定電極5の端子部5dは溝部14aを介して第1支持部材6の下面から僅かに突出する。そこで、シールド本体1内にプリント基板7を装着し、前記各端子3c,5dをスルホール15に挿通してハンダ付けする。
【0030】
その後、シールド本体1の下方開口部から第2支持部材8を装着する。第2支持部材8は、シールド本体1に収容される際、その内周面によって外周部の突起16を潰されて圧入状態となる。これにより、スペーサ4、固定電極5、第1支持部材6、及びプリント基板7が正確に位置決めされ、組立作業が完了する。
【0031】
このようにして組み立てられた重量センサでは、組立治具18を使用することにより、シールド本体1の天井面と可動電極3の下面とが、常にスペーサ4の板厚t2と一定の関係を有するように上下方向に位置決めされる。そして、第1支持部材6に支持した固定電極5の延設部5a,5b,5cがスペーサ4の下面に当接する。したがって、可動電極3と固定電極5との電極間距離dを常に所望の値とすることが可能となり、製品間で加工精度のばらつきが発生しない。また、可動電極3は組立治具18を介して、固定電極5は第1支持部材6を介して、それぞれシールド本体1に対して径方向に位置決めされる。このため、両電極3,5の中心を高精度に一致させて対向させることができ、所望の対向面積を確保することが可能となる。さらに、弾性部材2と可動電極3とは絶縁部材25を介して一体化されるので、弾性部材2を水蒸気等が含まれる雰囲気中に露出させることにより、弾性部材25に水滴が付着しても、電極3,5間の静電容量に悪影響を及ぼすことがない。したがって、弾性部材2を覆うための他の構成部品が不要となりコンパクトに構成することが可能となる。
【0032】
前記重量センサは、炊飯器の内鍋の重量検出、電子レンジのターンテーブルに載置する被加熱材料の重量検出、あるいは、石油ファンヒータの燃料タンクの重量検出等に使用することができ、次のように動作する。
【0033】
すなわち、作動部材11を介して弾性部材2の中心部に外力(重量)が作用すると、その外力の大きさに応じた変形量で弾性部材2が弾性変形する。これにより、絶縁部材25を介して可動電極3が固定電極5に向かって変位し、電極間距離すなわち静電容量が変化する。そして、静電容量の変化にもとづいてプリント基板7の各回路が演算を行い、作用する重力を算出して出力する。
【0034】
なお、前記実施形態では、プリント基板7をシールド本体1に内蔵するようにしたが、シールド本体1内には可動電極3と固定電極5のみを収容するようにしてもよい。また、弾性部材2にはダイヤフラムを採用したが、弾性変形すると共に、シール部材の開口部9を封止状態で閉鎖できるものであれば、円板等であっても採用可能である。
【0035】
また、前記実施形態では、絶縁部材25に熱硬化性樹脂を採用する例について組立方法を説明したが、接着剤等を使用しても前述の組立方法を採用することができる。また、ゴムやガラス等の別部材を採用する場合、別途接着剤等が必要となる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、重量が作用する弾性部材をシールド本体の開口部に封止状態で一体化し、絶縁部材を介して可動電極を動作可能としたので、コンパクトな構成であるにも拘わらず、封止性に優れ、水蒸気等の悪影響を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る重量センサの分解斜視図である。
【図2】 本実施形態に係る重量センサの断面図である。
【図3】 本実施形態に係る重量センサの組立工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1…シールド本体
2…弾性部材
3…可動電極
4…スペーサ
5…固定電極
6…第1支持部材
7…プリント基板
8…第2支持部材
9…開口部
10…平坦部
11…作動部材
18…組立治具
25…絶縁部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、重量センサ及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、重量センサとして、例えば次のような構成のものがある。
【0003】
第1従来例(特開平8−238170号公報及び特開昭59−104032号公報)には、板バネに設けた歪ゲージにより重量を測定する構成が開示されている。
【0004】
第2従来例(特開昭61−162915号公報)には、外力により弾性変形するコイルスプリングの変形量をスライドボリュームで検出する構成が開示されている。
【0005】
第3従来例(特開昭61−119212号公報)には、固定電極と可動電極とを所定間隔で対向配置し、外力により可動電極を固定電極に接近したことを静電容量の変化として検出する構成が開示されている。
【0006】
第4従来例(特開昭61−36619号公報)には、外力により振動数が変化する複数の板バネにより、振動周波数として検出する構成が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記重量センサのあらゆる用途での使用を考えた場合、水滴や湿度、あるいは外部磁界の影響を避ける必要があるため、密閉構造やシールド構造を設ける必要がある。
しかしながら、前記いずれの構成によっても、密閉構造、シールド構造を採用することは困難である上、採用すれば大型化は避けられない。
【0008】
そこで、本発明は、簡単かつ安価に密閉構造、シールド構造を得ることができるコンパクトな重量センサ及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するための手段として、固定電極と可動電極を所定間隔で対向配置し、重量が作用することにより、弾性部材を介して前記可動電極を変位させ、変化する静電容量に基づいて前記重量を検出するようにした重量センサにおいて、
前記可動電極と前記弾性部材とを、絶縁部材を介して連結し、
前記固定電極、前記可動電極、及び前記弾性部材をシールド本体に装着し、該シールド本体に形成した開口部に前記弾性部材を封止状態で一体化したものである。
【0010】
この構成により、内部を密閉するシールド本体の一部を弾性部材で構成することができ、非常にコンパクトに形成することが可能となる。しかも、弾性部材は、絶縁部材を介して可動電極に一体化されると共に、シールド本体の開口部に封止状態で一体化されるため、内部の可動電極及び固定電極を外部から完全に遮断することができ、水蒸気等の悪影響を確実に排除することが可能となる。
【0011】
前記絶縁部材は、前記弾性部材を前記可動電極に連結する組立作業時に変形し、その後変形状態を維持したままで硬化する材料で構成すると、弾性部材の加工誤差等を絶縁部材で吸収することができ、高精度な電極間距離を得ることが可能となる点で好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、固定電極と可動電極を所定間隔で対向配置し、重量が作用することにより、弾性部材を介して前記可動電極を変位させ、変化する静電容量に基づいて前記重量を検出するようにした重量センサの製造方法において、
前記可動電極と、重量が作用することにより弾性変形する弾性部材とを組立治具上に位置決めし、該位置決め時、前記可動電極と前記弾性部材との間に、硬化前の絶縁部材を介在させ、その後硬化させることにより前記可動電極と前記弾性部材とを連結するようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。
【0014】
図1は、本実施形態に係る重量センサを示す。この重量センサは、シールド本体1に、弾性部材2、可動電極3、スペーサ4、固定電極5、第1支持部材6、プリント基板7、及び第2支持部材8を装着した構成である。
【0015】
シールド本体1は、ステンレス等を円筒状に形成したもので、天井面には開口部9が形成されている。
【0016】
弾性部材2は、ステンレス等からなる円板の同心円上に断面円弧状(波形)の凹凸を形成してなるダイヤフラムで構成されている。弾性部材2の中心部には平坦部10が設けられ、棒状の作動部材11(図2中、2点鎖線で示す。)等が当接して外力が作用するようになっている。弾性部材2は、前記シールド本体1の開口部9を上方から覆うように装着され、外周縁部を開口部9の縁部に接着、溶着等により封止状態に一体化される。なお、弾性部材2の厚み、凹凸の形状、材質、変形可能な領域等は、外力に対する変形量をどのように設定するのかに応じて自由に選択すればよい。
【0017】
可動電極3は、りん青銅等の導電性材料を打ち抜いて円板状としたもので、円板部3aの縁部から外周に沿って所定間隔で円弧状に弾性支持部3bが形成され、その先端から下方に向かって端子部3cが延びている。弾性支持部3bにより、限られたスペースであるにも拘わらず、可動電極3を後述する固定電極5に対して平行移動させることが可能となっている。
【0018】
前記弾性部材2と前記可動電極3とは絶縁部材25によって連結されている。絶縁部材25は、合成樹脂材料、ゴム、ガラス等の絶縁材料からなる。合成樹脂材料で連結する場合には、熱硬化性樹脂を使用することにより、後述するように、弾性部材2の加工精度を吸収して可動電極3を所望の位置とすることが可能である。
【0019】
スペーサ4は、ポリフェニリンサルファイド(PPS)等の合成樹脂材料を薄板ドーナツ状としたもので、図2に示すように、可動電極3の板厚t1に、可動電極3と後述する固定電極5との間に形成する所定の間隙寸法dを加算した板厚t2を有する。
【0020】
固定電極5は、前記可動電極同様、りん青銅、ステンレス等の導電性材料を打ち抜いて円板状としたもので、外周縁の3箇所から半径方向に延設部5a,5b,5cが形成され、その1箇所の延設部5aからさらに下方に向かって端子部5dが延設されている。固定電極5は、第1支持部材6に支持された状態で、スペーサ4を介してシールド本体1に装着される。そして、可動電極3と所定の間隙寸法dを有して対向し、いわゆるコンデンサを構成することにより、前記弾性部材2の変形に基づく可動電極3の変位量を静電容量の変化として検出することが可能となっている。
【0021】
第1支持部材6は、PPS等の合成樹脂材料を円筒状としたもので、上面開口縁部には上方に向かって突出する環状部12が形成されている。環状部12には、前記固定電極5の各延設部5a,5b,5cに対応する位置に切欠部13a,13b,13cがそれぞれ形成されている。また、第1支持部材6の外周部には、切欠部13aに対応する位置と、その位置と対称な位置とには、上下に延びる溝部14a,14bがそれぞれ形成されている。溝部14aは前記固定電極5の端子部5d用の逃がしであり、溝部14bは前記可動電極3の端子部3c用の逃がしである。
【0022】
プリント基板7は、ガラスエポキシからなる板材に図示しない種々の電子部品を実装し、演算回路等を形成したものである。これら回路により、弾性部材2の弾性変形に伴う両電極3,5間の静電容量の変化に基づいて弾性部材2に作用する重量が算出される。またプリント基板7にはスルホール15が形成され、前記両電極3,5の各端子3c,5dが挿通してハンダ付けされることにより、前記電子部品との電気接続が図られている。
【0023】
第2支持部材8は、前記第1支持部材6と同様に、PPS等の合成樹脂材料を円筒状としたもので、前記シールド本体1の下端開口部に嵌合一体化される。また第2支持部材8の外周面には3箇所等分で突起16が形成されている。これら突起16は、第2支持部材8を前記シールド本体1に装着した際に潰れて圧入状態とする。さらに第2支持部材8の上面には切除部17が形成され、プリント基板7から突出する前記固定電極5の端子部5dとの干渉が回避されている。
【0024】
前記重量センサは次のようにして組み立てる。
【0025】
予めプレス加工によりシールド本体1と弾性部材2を形成し、シールド本体1に上方から弾性部材2を装着して開口部9を閉鎖する。そして、シールド本体1の開口部9の縁部上面と弾性部材2の外周縁部とを溶接、接着等により封止状態となるように一体化する。
【0026】
続いて、図3(a)に示すように、組立治具18上に可動電極3をセットする。組立治具18は、内周側に配設される電極支持部19と、外周側に配設される本体支持部20とで構成されている。電極支持部19には、複数箇所に真空引きするための貫通孔21が形成され、上面に載置した可動電極3を吸引保持できるようになっている。電極支持部19の上面外周部には環状の逃がし溝19aを介して環状突部22が形成されている。環状突部22は、載置される可動電極3の円形部3aと弾性支持部3bとの間に位置し、可動電極3を径方向に位置決めする。電極支持部19の上面と本体支持部20の上面の位置関係、すなわち両者の上下方向の寸法差hは、スペーサ4の板厚t2から電極間距離dを引いた寸法と一致するように設計されている。また、電極支持部19と本体支持部20の間には、可動電極3の端子部との干渉を回避するための環状溝23が形成されている。
【0027】
ここで、可動電極3の中心部に、図3(b)に示すように、絶縁部材25、ここでは熱硬化性樹脂を配置する。この段階では、絶縁部材25は変形可能である。そこで、図3(c)に示すように、可動電極3の上方に弾性部材2を一体化したシールド本体1を配置する。
【0028】
ところで、弾性部材2は、弾性変形可能にプレス加工される関係上、寸法精度をそれ程高めることは不可能であり、多少のばらつきが生じることは避けられない。このため、弾性部材2と可動電極3の連結部分を常に一定の位置関係にすることは不可能である。そこで、前述のような変形可能な絶縁部材25を介在させることにより、前記連結部分の位置ずれを吸収するようにしている。したがって、組立治具18に可動電極3と、弾性部材2を一体化したシールド本体1とをセットした状態で、熱処理炉に搬入すると、可動電極3と弾性部材2とを絶縁部材25を介して上下方向に正確な位置関係が得られるように連結することが可能となる。
【0029】
シールド本体1に、弾性部材2及び可動電極3を一体化すれば、シールド本体1の下方からスペーサ4、次いで固定電極5及び第1支持部材6を挿入する。このとき、固定電極5の外周縁を環状突部22にガイドして径方向に位置決めすると共に、延設部5a,5b,5cを第1支持部材6の切欠部13a,13b,13cにガイドして周方向に位置決めしておく。また、第1支持部材6の溝部14bに可動電極3の端子部3cを位置させる。この状態では、可動電極3の端子部3cは溝部14bを介して、固定電極5の端子部5dは溝部14aを介して第1支持部材6の下面から僅かに突出する。そこで、シールド本体1内にプリント基板7を装着し、前記各端子3c,5dをスルホール15に挿通してハンダ付けする。
【0030】
その後、シールド本体1の下方開口部から第2支持部材8を装着する。第2支持部材8は、シールド本体1に収容される際、その内周面によって外周部の突起16を潰されて圧入状態となる。これにより、スペーサ4、固定電極5、第1支持部材6、及びプリント基板7が正確に位置決めされ、組立作業が完了する。
【0031】
このようにして組み立てられた重量センサでは、組立治具18を使用することにより、シールド本体1の天井面と可動電極3の下面とが、常にスペーサ4の板厚t2と一定の関係を有するように上下方向に位置決めされる。そして、第1支持部材6に支持した固定電極5の延設部5a,5b,5cがスペーサ4の下面に当接する。したがって、可動電極3と固定電極5との電極間距離dを常に所望の値とすることが可能となり、製品間で加工精度のばらつきが発生しない。また、可動電極3は組立治具18を介して、固定電極5は第1支持部材6を介して、それぞれシールド本体1に対して径方向に位置決めされる。このため、両電極3,5の中心を高精度に一致させて対向させることができ、所望の対向面積を確保することが可能となる。さらに、弾性部材2と可動電極3とは絶縁部材25を介して一体化されるので、弾性部材2を水蒸気等が含まれる雰囲気中に露出させることにより、弾性部材25に水滴が付着しても、電極3,5間の静電容量に悪影響を及ぼすことがない。したがって、弾性部材2を覆うための他の構成部品が不要となりコンパクトに構成することが可能となる。
【0032】
前記重量センサは、炊飯器の内鍋の重量検出、電子レンジのターンテーブルに載置する被加熱材料の重量検出、あるいは、石油ファンヒータの燃料タンクの重量検出等に使用することができ、次のように動作する。
【0033】
すなわち、作動部材11を介して弾性部材2の中心部に外力(重量)が作用すると、その外力の大きさに応じた変形量で弾性部材2が弾性変形する。これにより、絶縁部材25を介して可動電極3が固定電極5に向かって変位し、電極間距離すなわち静電容量が変化する。そして、静電容量の変化にもとづいてプリント基板7の各回路が演算を行い、作用する重力を算出して出力する。
【0034】
なお、前記実施形態では、プリント基板7をシールド本体1に内蔵するようにしたが、シールド本体1内には可動電極3と固定電極5のみを収容するようにしてもよい。また、弾性部材2にはダイヤフラムを採用したが、弾性変形すると共に、シール部材の開口部9を封止状態で閉鎖できるものであれば、円板等であっても採用可能である。
【0035】
また、前記実施形態では、絶縁部材25に熱硬化性樹脂を採用する例について組立方法を説明したが、接着剤等を使用しても前述の組立方法を採用することができる。また、ゴムやガラス等の別部材を採用する場合、別途接着剤等が必要となる。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、重量が作用する弾性部材をシールド本体の開口部に封止状態で一体化し、絶縁部材を介して可動電極を動作可能としたので、コンパクトな構成であるにも拘わらず、封止性に優れ、水蒸気等の悪影響を排除することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施形態に係る重量センサの分解斜視図である。
【図2】 本実施形態に係る重量センサの断面図である。
【図3】 本実施形態に係る重量センサの組立工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1…シールド本体
2…弾性部材
3…可動電極
4…スペーサ
5…固定電極
6…第1支持部材
7…プリント基板
8…第2支持部材
9…開口部
10…平坦部
11…作動部材
18…組立治具
25…絶縁部材
Claims (3)
- 固定電極と可動電極を所定間隔で対向配置し、重量が作用することにより、弾性部材を介して前記可動電極を変位させ、変化する静電容量に基づいて前記重量を検出するようにした重量センサにおいて、
前記可動電極と前記弾性部材とを、絶縁部材を介して連結し、
前記固定電極、前記可動電極、及び前記弾性部材をシールド本体に装着し、該シールド本体に形成した開口部に前記弾性部材を封止状態で一体化したことを特徴とする重量センサ。 - 前記絶縁部材は、前記弾性部材を前記可動電極に連結する組立作業時に変形し、その後変形状態を維持したままで硬化する材料で構成したことを特徴とする請求項1に記載の重量センサ。
- 固定電極と可動電極を所定間隔で対向配置し、重量が作用することにより、弾性部材を介して前記可動電極を変位させ、変化する静電容量に基づいて前記重量を検出するようにした重量センサの製造方法において、
前記可動電極と、重量が作用することにより弾性変形する弾性部材とを組立治具上に位置決めし、該位置決め時、前記可動電極と前記弾性部材との間に、硬化前の絶縁部材を介在させ、その後硬化させることにより前記可動電極と前記弾性部材とを連結することを特徴とするの重量センサの製造方法。
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