JP3800711B2 - プラスチックレンズの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼鏡等のプラスチックレンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックレンズの製造方法としては、切削研磨法、射出成形法、圧縮成形法、注型成形法などがあるが、性能や物性の優れたプラスチックレンズを製造するためには、一般的に注型成形が用いられている。
【0003】
プラスチックレンズの原料となる液状硬化性組成物としては、ジエチレングリコールビスアリルカーボネートやメチルメタクリレートの重合体が耐衝撃性、易加工性、被染色性などにおいて優れているため、従来から一般に普及している。しかし、近年ではレンズの薄型化を狙う高屈折率樹脂や、短時間重合樹脂などが要望を高めている。
【0004】
プラスチックレンズを注型成形するには、レンズの曲率に対応して加工された2個のモールドと、粘着テープと、からなる空間に、液状硬化性組成物を注入し硬化させた後、粘着テープおよびモールドをはずすことによって行われている。
【0005】
従来、注型成形方法としては、成型用型としてガスケットを使用する方法が知られていた。ガスケットは、レンズの形状に対応したカーブを有する2個のモールドを、その対向する面を支持して密閉された空間を形成する機能と、2個のモールドの位置合わせを行う機能と、を発揮せねばならない。従って、ガスケットは柔軟性を必要とする反面、正確な形状を有する必要もあった。ガスケットの柔軟性が不充分な場合、プラスチック原料の重合収縮に対するガスケットの反発が強く、モールドとプラスチック原料の間に剥がれを生じることがある一方、過度に柔軟な場合、2個のモールドの間隔が一定しないため、または光軸がずれるため、レンズとしての光学特性に問題を生ずることがあった。
【0006】
この問題を改善する方法として、ガスケットの代わりに粘着テープを使用する方法が提案されている(特公昭64−2483号公報、特開昭55−105519号公報、特開昭56−135031号公報、特開昭57−8120号公報等)。
しかし、これらの公知技術においては、液状の硬化性化合物を注入する際、余剰の化合物があふれ出て粘着テープの背面に回り込み、その後の封止作業および封止性に著しく支障をきたすという問題があった(図7、図8)。この問題を回避するために、注入する化合物の量を少なくすると、気泡等が入り、レンズとしての製品品質を損なうという別の問題が発生してしまうという問題があった。
これらの問題点を解決するため、あふれた余剰化合物に直接接触せずに注入口を封止する方法、または、余剰化合物で背面がぬれていても密閉性が保てる封止方法等が検討されている。例えば、粘着力の強いシリコーン系コーキング剤を注入口の周囲に付着させて封止する、または粘着力の強いアクリル系粘着剤を用いたテープにより封止するといった方法が試されている。しかし、一般的な硬化性化合物、特にイソシアネート化合物は溶解性が高く、十分な封止性が得られないばかりか、レンズに着色、歪、白濁といった品質低下をひき起こし、改善が強く望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するための技術を提案することである。すなわち、本発明は、プラスチックレンズの注型成形を行うに際し、封止性を高めることによって、気泡・白濁・歪・着色等のない製品品質の優れたプラスチックレンズを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1のプラスチックレンズの製造方法は、片面が粘着面である粘着テープを2個のモールドの側面周囲に巻き付けて重合用型を組み立てる第1の工程と、この重合用型の中に液状の硬化性組成物を注入する第2の工程と、この重合用型の中に注入された硬化性組成物を重合させる第3の工程と、をこの順序で有するプラスチックレンズの製造方法において、第1の工程を実施する前に、前記粘着テープの粘着面でない方の面に撥水性を付与する処理を行う撥水性付与工程を有することを特徴とする。
【0009】
このように、第1の工程を実施する前に、前記粘着テープの粘着面でない方の面に撥水性を付与する処理を行う撥水性付与工程を実施することによって、第2の工程において重合用型の中に入りきらなかった液状の硬化性組成物はこの重合用型の表面に付着することなくころがり落ちる。その結果、その後の封止作業において完全な封止を行うことができる。
【0012】
請求項2のプラスチックレンズの製造方法は、片面が粘着面である粘着テープを2個のモールドの側面周囲に巻き付けて重合用型を組み立てる第1の工程と、この重合用型の中に液状の硬化性組成物を注入する第2の工程と、この重合用型の中に注入された硬化性組成物を重合させる第3の工程と、をこの順序で有するプラスチックレンズの製造方法において、第1の工程と第2の工程との間に、2個のモールドの側面周囲に巻回された粘着テープの表面に撥水性を付与する処理を行う撥水性付与工程を有することを特徴とする。
【0013】
このように、第1の工程と第2の工程との間に、2個のモールドの側面周囲に巻回された粘着テープの表面に撥水性を付与する処理を行うことによって、封止作業における完全な封止を確実にすることができる。
【0014】
請求項3のプラスチックレンズの製造方法は、請求項1又は請求項2に記載のプラスチックレンズの製造方法において、撥水性が付与された面の水に対する静止接触角が100度以上であることを特徴とする。
【0015】
このように、撥水性が付与された面の水に対する静止接触角を100度以上とすることによって、第2の工程において重合用型の中に入りきらなかった液状の硬化性組成物が、この重合用型の粘着テープの表面に付着することなくころがり落ちる。その結果、封止作業において完全な封止を行うことができる。
【0016】
請求項4のプラスチックレンズの製造方法は、請求項3に記載のプラスチックレンズの製造方法において、フッ素変成シリコーン系撥水処理剤をコーティングすることにより前記撥水性付与工程を実施することを特徴とする。
【0017】
このように、フッ素変成シリコーン系撥水処理剤をコーティングすることにより前記撥水性付与工程を実施することで、効果的に撥水性を付与することができる。
【0018】
請求項5のプラスチックレンズの製造方法は、片面が粘着面である粘着テープを2個のモールドの側面周囲に巻き付けて重合用型を組み立てる第1の工程と、この重合用型の中に液状の硬化性組成物を注入する第2の工程と、この重合用型の中に注入された硬化性組成物を重合させる第3の工程と、をこの順序で有するプラスチックレンズの製造方法において、第1の工程を実施する前に、前記粘着テープの粘着面でない方の面に前記硬化性組成物をはじく性質を付与する処理を行う撥硬化性組成物性付与工程を有することを特徴とする。
【0019】
このように、第1の工程を実施する前に、粘着面でない方の面に前記硬化性組成物をはじく性質を付与する処理を行う撥硬化性組成物性付与工程を実施してあるので、第2の工程において重合用型の中に入りきらなかった液状の硬化性組成物はこの重合用型の表面に付着することなくころがり落ちる。その結果、その後の封止作業において完全な封止を行うことができる。
【0022】
請求項6記のプラスチックレンズの製造方法は、片面が粘着面である粘着テープを2個のモールドの側面周囲に巻き付けて重合用型を組み立てる第1の工程と、この重合用型の中に液状の硬化性組成物を注入する第2の工程と、この重合用型の中に注入された硬化性組成物を重合させる第3の工程と、をこの順序で有するプラスチックレンズの製造方法において、第1の工程と第2の工程との間に、2個のモールドの側面周囲に巻回された粘着テープの表面に、前記硬化性組成物をはじく性質を付与する処理を行う撥硬化性組成物性付与工程を有することを特徴とする。
【0023】
このように、第1の工程と第2の工程との間に、2個のモールドの側面周囲に巻回された粘着テープの表面に、硬化性組成物をはじく性質を付与する処理を行うことによって、封止作業における完全な封止を確実にすることができる。
【0024】
請求項7記のプラスチックレンズの製造方法は、請求項5又は請求項6に記載のプラスチックレンズの製造方法において、撥硬化性組成物性が付与された面の前記硬化性組成物に対する静止接触角が100度以上であることを特徴とする。
【0025】
このように、撥硬化性組成物性が付与された面の硬化性組成物に対する静止接触角を100度以上とすることによって、第2の工程において重合用型の中に入りきらなかった液状の硬化性組成物が、この重合用型の粘着テープの表面に付着することなくころがり落ちる。その結果、封止作業において完全な封止を行うことができる。
【0026】
請求項8記のプラスチックレンズの製造方法は、請求項7に記載のプラスチックレンズの製造方法において、フッ素変成シリコーン系撥水処理剤をコーティングすることにより前記撥硬化性組成物性付与工程を実施することを特徴とする。
【0027】
このように、フッ素変成シリコーン系撥水処理剤をコーティングすることにより前記撥硬化性組成物性付与工程を実施することで、効果的に撥硬化性組成物性を付与することができる。
【0028】
本発明のプラスチックレンズの製造方法においては、前記粘着テープの基材として、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系、ポリスチレン、ABSなどのポリスチレン系、ポリイミド、アセテート、紙、布、金属などが使用できるが、ポリエチレンテレフタレート又はポリプロピレンを用いることが望ましい。また、粘着テープは、テープ状またはリボン状でもよく、それをモールド周囲に巻回できるものであればよい。粘着テープの厚さは、200μm未満が好ましく、下限は、モールドを組み立てた際、座屈が起こらない程度の厚さであればよい。
【0029】
また、本発明のプラスチックレンズの製造方法においては、粘着テープの粘着剤としては、シリコーン系、アクリル系、天然ゴム系等が使用できるが、硬化性化合物への溶け出し、耐熱性等の性能から見て、粘着成分として、シリコーンゴム成分及びシリコーンレジン成分を含有するシリコーン系粘着剤が望ましい。
【0030】
また、請求項1乃至8のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法においては、前記硬化性組成物がイソシアネート化合物及び活性水素化合物を含有することが望ましい。
【0031】
プラスチックレンズの原料である液状の硬化性組成物としては、分子中にベンゼン環、ナフタレン環、エステル結合、カーボネート結合、ウレタン結合を有するものなどが他に使用できる。また、硫黄、ハロゲン元素を含む化合物も使用でき、特に核ハロゲン置換芳香環を有する化合物も使用でき、特に核ハロゲン置換芳香環を有する化合物に好適である。かかるプラスチックレンズは、上記官能基を有する単量体を1種または2種以上用いることにより製造できる。例えば、スチレン、ジビニルベンゼン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ジアリル(イソ)フタレート、ジベンジルイタコネート、ジベンジルフマレート、クロロスチレン、核ハロゲン置換スチレン、核ハロゲン置換フェニル(メタ)アクリレート、核ハロゲン置換ベンジル(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールA誘導体の(ジ)(メタ)アクリレート、テトラブロモビスフェノールA誘導体のジアリルカーボネート、ジオルトクロロベンジルイタコネート、ジオルトクロロベンジルフマレート、ジエチレングリコールビス(オルトクロロベンジル)フマレート、(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの多官能イソシアネートの反応物、核ハロゲン置換フェノール誘導体のモノヒドロキシアクリレートと多官能イソシアネートの反応物、核ハロゲン置換ビフェニル誘導体のモノヒドロキシアクリレートと多官能イソシアネートの反応物、キシレンジイソシアネートと多官能メルカプタンの反応物、グリシジルメタクリレートと多官能メタクリレートの反応物等、およびこれらの混合物が挙げられる。
撥水性等の付与の効果は、封止の難しいイソシアネートと活性水素化合物とを含有する化合物の場合、特に大きい。
【0032】
また、本発明のプラスチックレンズの製造方法においては、片面が粘着面である粘着テープに代えて、片面が熱圧着可能面である熱圧着可能テープを用いて第1の工程を実施することをもできる。
【0033】
上記した撥水処理又は撥硬化性組成物処理(以下、「撥水処理等」ということにする。)には、一般に撥油処理、防水処理といわれているものも含まれ、一般的なプラスチックフィルムや紙などに用いる撥水処理剤および剥離剤の塗布があげられる。
【0034】
撥水処理剤又は撥硬化性組成物性処理剤(以下、「撥水処理剤等」ということにする)の種類としては、シリコーン系と、非シリコーン系に大別できる。シリコーン系では、シリコーン単独系と、シリコーン・他ポリマーの共重合体あるいはブレンド系に分類でき、非シリコーン系では、オレフィン系、長鎖アルキル基含有ポリマー系、およびフッ素系その他に分類できる。性能的にはシリコーン系、特にフッ素変成シリコーン系が優れているが、粘着テープなどの用途によっては、剥離性が過剰の場合があるので、非シリコーン系を用いても良い。また、シリコーン系で撥水処理剤等の移行による粘着剤の粘着力低下等が障害になる場合にも非シリコーン系が有効である。
撥水処理剤等としては、フッ素変成シリコーン、分子の両末端または側錯にビニール基を含有するポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンを白金系触媒下に反応させる付加型シリコーン、分子の両末端シラノール官能基含有ジメチルポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンを有機スズ系触媒の存在下に反応させる縮合型シリコーン、分子末端に(メタ)アクリル基、メルカプト基、およびエポキシ基を有するシリコーンに光重合開始剤を加えてUV硬化または、電子線硬化させるタイプ等があげられる。
撥水処理剤等の塗布方法としては、シート段階での均一性、製造コストのためには、ロールコートが最も優れているが、シートの形状、撥水処理剤等の乾燥方法、塗布時期などによっては、ディップコート、スプレーコート、スピンコートも可能である。これらの撥水処理剤は、粘着テープに予め塗布した後モールドに巻回してもよく、またモールドに巻回した後に塗布してもよい。粘着テープに粘着テープを使用する場合は、基材に粘着剤を塗布する前に予め撥水処理剤等を塗布してもよく、粘着剤を塗布した後に撥水処理剤等を塗布してもよい。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、実施例および図面により本発明をさらに詳しく説明する。尚、実施例中の部はすべて重量部を表わす。
【0036】
〔実施例1〕
幅25mm、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート2軸配向シート基材の片面に、シリコーン粘着剤(信越化学工業株式会社製 商品名X40−3004)100部、触媒(信越化学工業株式会社製 商品名DX−3004)3部、およびトルエン47部からなる粘着剤をロールコーターにより塗布した後、140℃で10分間加熱し、粘着シートを得た。こうして得られたシートの撥水処理膜と反対側の面に、フッ素変成シリコーン剥離剤(信越化学工業株式会社製 商品名X70−201)100部、触媒(信越化学工業株式会社製 商品名CAT−PL−50T)0.5部をロールコーターにより均一に塗布した後、150℃で1分間加熱し、撥水処理膜を形成した。
【0037】
レンズの光学面を形成する2個のガラスモールド1、2を、その間隔がレンズを形成するように治具で固定しておき、ガラスモールド1、2の外周の側面周囲に粘着シート3を粘着剤3cが内側、撥水処理面3aが外側になるようにして巻回した(図1、図2)。
【0038】
このようにして作成した成型用モールド10中に、硬化性組成物5としてジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート60部、4−ヒドロキシ−4’−メルカプトジフェニルスルホン40部、ジメチルチンジクロライド0.05部、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン0.05部、アルキル酸性リン酸エステル0.1部を注射針4によって注入した(図3)。注入口7からあふれた硬化性組成物は、シート上を転がり落ち、シート上には全く残らなかった(図5、図6)。このテープの硬化性組成物に対する接触角は110°であった。
【0039】
その後、注入口をフッ素樹脂テープ6(日東電気工業株式会社製 商品名ニトフロンテープ)により封止し(図4)、恒温槽中で40℃から110℃まで20時間かけて徐々に昇し、重合させた。室温まで除冷した後、シートを取り除き、モールドを取り外し、レンズを得た。
【0040】
得られたレンズは、気泡、白濁、歪、着色がなく、製品品質において満足できるものであった。
【0041】
(レンズの評価方法)
気泡・・・レンズの外周部に侵入した空気等を目視で評価した。
白濁・・・プロジェクターによりレンズの曇りを評価した。
歪・・・・ポーラリメーターによりレンズの内部歪を評価した。
【0042】
着色・・・レンズを白紙の上に置き、着色を評価した。
【0043】
〔実施例2〕
実施例1で使用したシート基材、粘着剤、組立方法、硬化性化合物、注入方法、封止方法、重合方法を用い、撥水処理剤として、分子の両末端又は側鎖にビニール基を含有するポリシロキサンとメチルハイドロジェンポリシロキサンを反応させるシリコーン系付加型剥離剤(東レダウコーニングシリコーン株式会社製 商品名SD−7226)100部および触媒(東レダウコーニングシリコーン株式会社製 商品名JRX212)0.6部を予め十分に混合しておき、ロールコーターにより均一に塗布した後100℃で10分間加熱し、撥水処理膜を形成した。
【0044】
〔実施例3〕
実施例1で使用したシート基材、粘着剤、組立方法、硬化性化合物、注入方法、封止方法、重合方法を用い、組み立て後に撥水処理剤として、3−(パフルオロヘプチル)プロピルトリアミノシランをスプレーコートにより塗布した。その後、60℃で30分間加熱し、撥水処理膜を形成した。
【0045】
〔実施例4〕
実施例2で使用したシート基材、粘着剤、撥水処理剤、組立方法、重合方法を用い、硬化性化合物として、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート100部、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート3部を予め熱風により下穴加工したシートの穴から注入した。その後、シリコーン系コーキング剤により封止した。
【0046】
〔実施例5〕
実施例1で使用した粘着剤、撥水処理剤、組立方法、硬化性化合物、注入方法、封止方法、重合方法を用い、シート基材として、幅25mm、厚さ50μmのポリプロピレンシートを使用した。
【0047】
〔実施例6〕
幅25mm厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート2軸配向シート基材の片面に、結晶化度20%未満のナイロン66を50μmの厚さに塗布し、接着剤層を形成した。この粘着テープを直径70mmφで度数が−4.00D、中心厚が2mmのレンズができるように設計された2個のガラスモールドの側面に接触させ、それと同時に250℃に加熱した熱ローラーをシートの基材側から2個のモールドの両方にかかるように圧着させ、2rpmの速度で回転させて熱圧着して巻回、組み立てした。
【0048】
このようにして組み立てたモールドに、実施例3と同様に撥水処理膜を形成し、以下実施例3と同様に注入、封止、重合を行って、レンズを得た。
【0049】
〔比較例1〕
実施例1において使用した撥水処理剤を使用せず、撥水処理膜を形成しない粘着テープを使用した以外はすべて実施例と同様に行った。注入口からあふれ出た硬化性組成物は、シート上に漏れ、注入口の周辺に広がり、フッ素樹脂テープによる封止を困難にした(図7、図8)。
【0050】
結果、得られたレンズは、注入口から侵入した気泡により外観品質を著しく損なうものであった。また、気泡発生部分から歪が発生しており、レンズ光学特性上も満足のいくものではなかった。
【0051】
〔比較例2〕
実施例1において使用した撥水処理剤を使用せず、かつ、封止方法としてシリコーン系コーキング剤により封止した。その他は全て、実施例1と同様に行った。
【0052】
結果、得られたレンズは、シリコーン系コーキング剤の溶け出しにより、黄色に着色しており、また部分的に白濁しているため、レンズとしての外観を著しく損なうものであった。
【0053】
以上の実施例1〜6および比較例1〜2の結果を表1に示す。評価のため、レンズは各々100枚ずつ成形し、プラスチックレンズ検査基準に基づき良否判定を行った。
【0054】
【表1】
Figure 0003800711

【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1における成型用モールド(重合用型)の正面図と側面図。
【図2】 図1の成型用モールドを左側面から見た断面図。
【図3】 液状の硬化性組成物の注入工程の説明図図。
【図4】 硬化性組成物を充填後の封止工程の説明図。
【図5】 実施例1における注入工程後の状態を示した断面図。
【図6】 実施例1における注入工程後の状態を示した側面図。
【図7】 比較例1における注入工程後の状態を示した断面図。
【図8】 比較例1における注入工程後の状態を示した側面図。
【符号の説明】
1、2・・ガラスモールド
3・・・・粘着シート
4・・・・注入針
5・・・・硬化性組成物
6・・・・封止テープ
7・・・・注入口
10・・・成型用モールド

Claims (9)

  1. 片面が粘着面である粘着テープを2個のモールドの側面周囲に巻き付けて重合用型を組み立てる第1の工程と、この重合用型の中に液状の硬化性組成物を注入する第2の工程と、この重合用型の中に注入された硬化性組成物を重合させる第3の工程と、をこの順序で有するプラスチックレンズの製造方法において、
    第1の工程を実施する前に、前記粘着テープの粘着面でない方の面に撥水性を付与する処理を行う撥水性付与工程を有することを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  2. 片面が粘着面である粘着テープを2個のモールドの側面周囲に巻き付けて重合用型を組み立てる第1の工程と、この重合用型の中に液状の硬化性組成物を注入する第2の工程と、この重合用型の中に注入された硬化性組成物を重合させる第3の工程と、をこの順序で有するプラスチックレンズの製造方法において、
    第1の工程と第2の工程との間に、2個のモールドの側面周囲に巻回された粘着テープの表面に撥水性を付与する処理を行う撥水性付与工程を有することを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプラスチックレンズの製造方法において、
    撥水性が付与された面の水に対する静止接触角が100度以上であることを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  4. 請求項3に記載のプラスチックレンズの製造方法において、
    フッ素変成シリコーン系撥水処理剤をコーティングすることにより前記撥水性付与工程を実施することを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  5. 片面が粘着面である粘着テープを2個のモールドの側面周囲に巻き付けて重合用型を組み立てる第1の工程と、この重合用型の中に液状の硬化性組成物を注入する第2の工程と、この重合用型の中に注入された硬化性組成物を重合させる第3の工程と、をこの順序で有するプラスチックレンズの製造方法において、
    第1の工程を実施する前に、前記粘着テープの粘着面でない方の面に前記硬化性組成物をはじく性質を付与する処理を行う撥硬化性組成物性付与工程を有することを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  6. 片面が粘着面である粘着テープを2個のモールドの側面周囲に巻き付けて重合用型を組み立てる第1の工程と、この重合用型の中に液状の硬化性組成物を注入する第2の工程と、この重合用型の中に注入された硬化性組成物を重合させる第3の工程と、をこの順序で有するプラスチックレンズの製造方法において、
    第1の工程と第2の工程との間に、2個のモールドの側面周囲に巻回された粘着テープの表面に、前記硬化性組成物をはじく性質を付与する処理を行う撥硬化性組成物性付与工程を有することを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載のプラスチックレンズの製造方法において、
    撥硬化性組成物性が付与された面の前記硬化性組成物に対する静止接触角が100度以上であることを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  8. 請求項7に記載のプラスチックレンズの製造方法において、
    フッ素変成シリコーン系撥水処理剤をコーティングすることにより前記撥硬化性組成物性付与工程を実施することを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のプラスチックレンズの製造方法において、
    前記硬化性組成物がイソシアネート化合物及び活性水素化合物を含有することを特徴とするプラスチックレンズの製造方法。
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