JP3800354B2 - マルチング芝刈機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カッタハウジング内に略水平に回転する2組のカッタブレードを配置した回転式芝刈機に関し、特に、カッタブレードの先端近接部分の芝の刈り残しをなくし、カッタブレードにより刈り取られた刈り芝を細かに切断して刈り跡に排出し、該刈り跡の芝の表面下に沈めて根を覆うようにしたマルチング芝刈機に関する。
【0002】
【従来技術】
マルチング芝刈機においては、カッタブレードにより細断された刈り芝がカッタハウジング直下の刈り跡に上方から比較的均一に排出され、該刈り跡の芝の表面下に沈むので、刈り芝を適当な場所に捨てる作業が不必要であり、しかも刈り跡の外観も良好である。
【0003】
かかるマルチング芝刈機として、米国特許第 5,133,176号明細書に、下方に向かって開放したカッタハウジング内に略水平に回転する複数のカッタブレードを左右に並設し、かつ隣接する左右のカッタブレードをそれぞれの回転軌跡が前後方向に見て僅かに重なり合うよう前後方向に位置をずらして配置したものが開示されている。
【0004】
このマルチング芝刈機においては、周縁に沿って側壁を垂設したカッタハウジング内に、さらに、並設された3個のカッタブレードをそれぞれ囲んで円形のカッティングチャンバーを形成するシュラウドが垂設されており、これらのシュラウドが前記各円形のカッティングチャンバーが連通するよう開口部を介して互いに接続されて、前記3個のカッタブレードを一括してその外周部分を完全に囲む囲壁を形成している。
【0005】
そしてこの囲壁内で、並設された3個のカッタブレードがいずれも同じ方向に回転するようになされており、かつ前記各カッティングチャンバー内において、カッタハウジングの上壁下面にキッカーが突設されており、カッタブレードにより刈り取られてカッティングチャンバー内を循環する刈り芝がこのキッカーにより下方へ向かい、直下の刈り跡に排出されるようになっている。
【0006】
【解決しようとする課題】
マルチング芝刈機においては、カッタハウジングの側壁部に放出口がないので、刈り取られた芝はカッタブレードの外周部を包囲する囲壁の内面に沿って循環することにより周方向に均一に分散されるとともに、カッタブレードの回転により該外周部に生ずる下向きの風により、カッタハウジングの下方へ排出される。
【0007】
しかし、隣接する各カッタブレードの先端回転軌跡が互いに近接する部分には上記のような囲壁を設けることができず、前述のようにこの部分は連通開口部となっており、囲壁によって刈り芝が案内されないので、この部分に特に多量の刈り芝が落下することとなり、刈り跡へ刈り芝が均一に分散して落下せず、美観が損なわれる。
【0008】
また、上記部分においては風は下向きに排出され、刈り取る前の芝を倒して、その上をカッタブレードが通過する為、刈り残しが発生し易い。
【0009】
従って本発明は、隣接するカッタブレードの先端回転軌跡が互いに近接する部分における均一な刈り芝排出および芝刈り性能の向上を図ったマルチング芝刈機を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明においては、下方に向かって開放したカッタハウジング内に、略水平に回転する2組のカッタブレードを左右に並設し、該左右のカッタブレードの先端回転軌跡に僅かな間隔を隔てて沿い、該左右の先端回転軌跡を連ねた外周部分を瓢箪形に包囲する包囲壁を前記カッタハウジングの上壁下面に垂設し、該包囲壁の前壁部分および後壁部分をそれぞれ、左右のカッタブレードの先端回転軌跡に僅かな間隔を隔てて沿う左右の円弧状部分を該円弧状部分の曲率半径よりも小さな曲率半径の中央部を介して接続して形成し、かつ前記前壁部分の中央部の曲率半径を前記後壁部分の中央部の曲率半径よりも小さく設定し、該包囲壁前記左右のカッタブレードの周囲に、前記左右の先端回転軌跡が近接する中央部分で互いに連通する円形のカッタ室をそれぞれ形成して成るマルチング芝刈機において、前記左右のカッタブレードを、先端が芝刈機の左右方向外側において前方から後方へ移動するよう、互いに逆方向に回転させるとともに、前記各カッタ室内にそれぞれ、前記包囲壁の後壁部分の前記左右の先端回転軌跡が近接する中央部分に臨む位置付近から前記カッタブレードの回転方向を横切って該カッタブレードの回転軸近傍まで延び、かつ前記カッタハウジングの上壁下面と前記カッタブレードとの間にほぼ垂直に延在する板状のセパレータ部片を設ける。
【0011】
上記各カッタ室内には、カッタブレードの回転により生起した風が該カッタブレードの回転方向に旋回しており、両カッタ室内のこの風が、前記左右の先端回転軌跡が近接する中央部分(以下ブレード近接部分と称する)にそれぞれ後方から流入し合流する。
【0012】
本発明によれば、各カッタ室内の、風が上記ブレード近接部分に流入する箇所に板状のセパレータ部片が設けられており、このセパレータ部片は、上記流入箇所の上方部分すなわちカッタハウジングの上壁下面とカッタブレードとの間において、カッタブレードの回転方向すなわち風の方向を横切って、ほぼ垂直に延在しているので、ブレード近接部分に流入しようとする風は、その上方部分を前記セパレータ部片により遮られ、該セパレータ部片の下方を通ってのみブレード近接部分に流入する。
【0013】
風を遮っているセパレータ部片の下流側は低圧状態となるので、下方からブレード近接部分に流入した風は上方の低圧部分へ向かって流れ、かくしてブレード近接部分に上向きの風が生ずる。この上向きの風によりブレード近接部分における刈り取る前の芝が起立し、次いで通過するカッタブレードにより切断されるので、刈り残しなくかつ良好な仕上がりで該芝を刈ることができる。
【0014】
また、ブレード近接部分に上記のように上向きの風が生ずることにより、該部分から落下する芝の量も減じ、従来のようにこの部分で特に多量の芝が刈り跡に落下することがなくなる。さらにセパレータ部片が風を遮る結果その上流側に高圧部分が生じ、これによって生ずる下向きの風によっても刈り芝が排出されるので、カッタハウジング下方の刈り跡に刈り芝が、局部的に片寄ることなく良好に分散して排出され、刈り跡の美観が向上する。
【0015】
さらに、前記包囲壁の前壁部分および後壁部分をそれぞれ、左右のカッタブレードの先端回転軌跡に僅かな間隔を隔てて沿う左右の円弧状部分を該円弧状部分の曲率半径よりも小さな曲率半径の中央部を介して接続して形成し、かつ前記前壁部分の中央部の曲率半径を前記後壁部分の中央部の曲率半径よりも小さく設定する。
【0016】
従来、前述したように前記ブレード近接部分において特に多量の刈り芝が落下、排出された原因として、さらに、該ブレード近接部分に後方から進入して来た刈り芝が包囲壁の前壁部分に直接衝突して下方に落下することが挙げられる。
【0017】
しかし、上記本発明によれば、刈り芝が衝突する前壁部分中央部が小曲率半径部分となっているので、刈り芝はこの小曲率半径部分によって左右の円弧状部分に沿って流れるようにそらされ、さらに後壁部分中央部の曲率半径は比較的大きくしてあるので、後壁部分に沿ってブレード近接部分に流入して来る刈り芝は左右方向に適当に分散されて前壁部分中央部に衝突する刈り芝の量が減少する。従って包囲壁の前壁部分に直接衝突して下方に落下する刈り芝の量は著しく減少し、刈り芝の良好な分散性が確保される。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は本発明を適用した乗用マルチング芝刈機の一例を示す側面図である。この芝刈機1はそれぞれ左右1対の前輪2、2および後輪3、3によって支持された車体フレーム4の中心下部にカッタハウジング5を昇降可能に懸吊支持している。
【0019】
車体フレーム4上には、前部にエンジン6が搭載されるとともに後部に座席7が設けられ、両者の間にハンドル8が配置されている。そして後輪3がエンジン6によって駆動され、前輪2がハンドル8によって操舵される。
【0020】
カッタハウジング5は互いに平行な前後のリンク9a、9bを介して車体フレーム4に懸吊支持されており、リンク9bの後端に昇降ロッド10を介して連結された昇降レバー11を枢軸11aを中心として上下に揺動させれば、カッタハウジング5は車体フレーム4との平行関係を維持しながら上下する。
【0021】
カッタハウジング5の前部左右両側にそれぞれローラ12、12がブラケット13を介して回転自在に軸支されている。ローラ12はブラケット13に高さを調節可能に取付けられており、ローラ12の高さを調節することにより、カッタハウジング5の最下降位置すなわち芝の刈り高さを適切に設定することができる。
【0022】
図2はカッタハウジング5の内部を下方から見た平面図で、図3および図4はそれぞれ図2のIII −III 線およびIV−IV線に沿うカッタハウジング5の部分的横断面図である。
【0023】
図1ないし図4に示すように、カッタハウジング5は、平らな上壁14と、その周縁に沿って垂設された側壁15とを有し、下方に向かって開放している。なお、本実施形態においては、カッタハウジング5内部は側壁15の後端面部分に形成された開口16を通じて後方に向けても開放されている。
【0024】
カッタハウジング5内には左右2個の回転軸17a、17bが垂直に配置されている。これらの回転軸17a、17bは上壁14に装着された軸受部材18a、18bを介して回転自在に上壁14を貫通し、カッタハウジング5内の下端部にカッタブレード19a、19bが固着され、上壁14から上方へ突出した上端部には被駆動プーリ20a、20bが固着されている。各カッタブレード19a、19bはそれぞれ同形の2枚のブレード211 、212 を上下に配置して構成されている。
【0025】
回転軸17a、17bは前記エンジン6によって駆動される。このため、図1に示すように、車体フレーム4の前部下方にエンジン6の動力取出軸22が延出し、その下端に駆動プーリ23が設けられ、該駆動プーリ23と前記被駆動プーリ20とが巻掛伝動装置24により連結されている。そして左右のカッタブレード19a、19bは図2において矢印aで示すように、すなわち芝刈機の進行方向前方の半回転の間はそれぞれ左右方向内側から外側へ向かって移動するように、換言すれば各カッタブレード19a、19bの先端部が左右方向外側においては進行方向前方から後方へ向かって移動するように、互いに反対方向に回転する。
【0026】
図2における2点鎖線の円25a、25bはそれぞれカッタブレード19a、19bの先端の回転軌跡である。図示のようにこれらの先端回転軌跡25a、25bは互いに接しているが、回転軸17a、回転軸17bは前後方向にxだけずれており、従って先端回転軌跡25aと先端回転軌跡25bとは前後方向に見た時yだけ重なり合っている。先端回転軌跡25a、25bのこのような配置により、芝刈機1の前進に伴い左右のカッタブレード19a、19bにより、その中間に刈り残しを生ずることなく、カッタハウジング5の巾全体にわたって芝刈りを進めていくことができる。なお、左右の先端回転軌跡25a、25bが平面的に重なり合い、左右のカッタブレード19a、19bが一定の位相差を持ち同期して回転するようにしても良い。
【0027】
カッタハウジング5の前記側壁15の左右方向外側の両側壁部分26a、26bは、前記先端回転軌跡25a、25bに僅かな間隔を隔ててその外側にほぼ半周近くにわたって沿っている。そしてこれらの側壁部分26a、26bの先端回転軌跡25a、25bの外周部から離脱し始める前端部26af、26bfどうしが前壁部分27によって連結されている。前壁部分27は、側壁部分26aの前端部26afから先端回転軌跡25aに僅かな間隔を隔てて沿いながら内側へ延びる円弧状部分27aと、側壁部分26bの前端部26bfから先端回転軌跡25bに僅かな間隔を隔てて沿いながら内側へ延びる円弧状部分27bとを、両者が接近する内側すなわち中央部27cにおいて小さな曲率でなめらかに接続して形成されたかもめ状の部片から成り(図5参照)、上端面27dをカッタハウジング5の上壁14の下面に溶着され、該下面から垂下している。なお、前壁部分27をカッタハウジング5に対してボルト、ナット等で着脱自在としてもよく、このようにすればカッタハウジング5の前下部の清掃が容易になる。
【0028】
側壁部分26a、26bの、先端回転軌跡25a、25bの外周部から離脱し始める後端部26ar、26brどうしは、後壁部分28によって連結されている。後壁部分28も前記前壁部分27と同様に両側の円弧状部分28a、28bを中央部28cにおいて接続して形成されたかもめ状の部片から成っているが(図6)、この後壁部分28はカッタハウジング5の上壁14に取付片29を介して着脱自在に取付けられている。従って後壁部分28を取り外すことにより、この芝刈機を、刈り芝を後方に放出あるいは後方に設けたグラスバッグに収納するタイプの乗用芝刈機として使用することもできる。
【0029】
上記両側の側壁部分26a、26b、前壁部分27および後壁部分28は、左右のカッタブレード19a、19bの外周部分を完全に包囲する連続した包囲壁を形成し、それぞれ該包囲壁の側壁部分、前壁部分および後壁部分を構成している。この包囲壁は、前後の壁部分27、28の各中央部27c、28cを除いた大部分においてカッタブレード19a、19bの先端回転軌跡25a、25bに近接して沿い、中央部27c、28cにおいてくびれた瓢箪形をなしている。すなわち、該包囲壁により左右のカッタブレード19a、19bの周囲にそれぞれ円形のカッタ室30a、30bが形成され、これらのカッタ室30a、30bが、左右の先端回転軌跡25a、25bが互いに近接する中央部分(ブレード近接部分)31で互いに連通している。
【0030】
前記のように各カッタブレード19a、19bはそれぞれ2枚のブレード211 、212 を上下に配置して構成されている。ブレード211 、212 はそれぞれ半径方向外方部の回転方向前縁部に刄部32を有し、後縁部に斜め上方へ起立した羽根部33を有する同一形状のものであるが、上方のブレード211 を下方のブレード212 よりも回転方向へ角度αだけずらして回転軸17に装着してある。従って、図8に示すように、カッタブレード19が回転するとその前方の芝34は先ず上方のブレード211 によって比較的長く刈られた後、下方のブレード212 により短く刈られ、このように2段に刈られるため短く細断された刈り芝35が得られる。カッタブレード19の周囲は前記包囲壁に包囲されているので、この刈り芝35はしばらく該包囲壁内に滞留し、この間にブレード211 、212 の刄部32に当たるとさらに細断される。
【0031】
前記包囲壁で囲まれた各カッタ室30a、30bの内部には、回転するブレード211 、212 の羽根部33によつて風が生起し、この風が一部において下方の開放部から下向きに吹き出す排出風となるので、前記刈り芝35は包囲壁内に閉じ込められて飛散しているうちにこの排出風によって下方の刈り跡に落下し、芝の表面下に沈む。
【0032】
図9は、前記のように左右のカッタ室30a、30bを中央のブレード近接部分31で連通させた形状の包囲壁内部における上記排出風の分布状態を示す。ただしこれは後述する本発明によるセパレータを設置しない場合の状態であり、図中、斜線を施した部分36が下向きの排出風が生ずる箇所(排出部)である。排出部36はカッタブレード19a、19bの先端回転軌跡25a、25bに沿い該軌跡の全域にわたって形成されている。
【0033】
排出部36が包囲壁の内面に沿っている部分においては、刈り芝35は該内面に沿って循環することにより周方向に均一に分散され、下向きの排出風により、先端回転軌跡25の接線方向に下方へ排出される。しかし、カッタ室30a側の刈り芝とカッタ室30b側の刈り芝が後方から合流するブレード近接部分31には包囲壁が存在せず、刈り芝が包囲壁によって所定方向に案内されないので、この部分に特に多量の刈り芝が落下することとなり、刈り跡に刈り芝が均一に分散して落下せず、美観が損なわれる。
【0034】
また、ブレード近接部分31において下方へ吹出す排出風により刈り取る前の芝が倒され、その上をカッタブレード19が通過するので、刈り残しが発生し易い。
【0035】
このような不具合を解消するために、本実施形態においては、カッタハウジング上壁14の回転軸17貫通部分に形成された左右の凹部37の下面側に、それぞれ回転軸17を包囲してリング38が垂設され、該リング38の外周面から接線方向に延出したセパレータ部片39の先端が後壁部分28の前記中央部28cの近傍にまで達している。図4および図7に示すように、セパレータ部片39は長方形の板状をなし、それぞれ対応するカッタ室30内において、後壁部分中央部28cの近辺からカッタブレード19の回転方向を横切って延び、回転軸17を包囲するリング38の周面に固定されている。そしてカッタハウジング5の上壁14とカッタブレード19との間において垂直に延在している。なお、包囲したリング38が矩形でもよい。さらにリング38の代りに回転軸17a,17bをシールする部材をブレード上方に設け、セパレータ部片39と連結してもよい。またセパレータ部片39内端をリング38から離して、セパレータ部片39はカッタハウジング上壁下面に取付けてもよい。
【0036】
このようなセパレータ部片39が、各カッタ室30内の、ブレード回転方向の風が前記ブレード近接部分31に流入する箇所に設けられているので、ブレード近接部分31に流入し、下方へ排出しようとする風は、その上方部分をセパレータ部片39により遮られ、該セパレータ部片39の下方を通ってのみブレード近接部分31に流入する。従って風を遮っているセパレータ部片39の下流側は低圧状態となるので、下方からブレード近接部分31に流入した風は上方の低圧部分へ向かって流れ、ブレード近接部分31に上向きの風が生ずる。
【0037】
図10はセパレータ部片39を設けた場合の包囲壁内における排出部36の分布状態を示す。セパレータ部片39を有しない図9においてはブレード近接部分31に存在していた排出部36aが、セパレータ部片39を有する図10においては消滅している。ブレード近接部分31におけるこのような排出部分布状態の変化により、該部分から落下する芝の量も減じ、従来のようにこの部分で特に多量の芝が刈り跡に落下することがなくなる。さらに、セパレータ部片39が風を遮る結果その上流側に高圧部分が生じ、これによって下向きの風が生ずるが、セパレータ部片39は後壁部分28からカッタブレード回転方向へ向けて斜めに延出し、半径方向内方において前記リング38に接線状に接続しているので、図10に示すように、セパレータ部片39の上流側かつカッタ室30の半径方向内方部分すなわちカッタブレード回転方向に対して後方内側にも排出部36bが生ずる。かくして、カッタハウジング下方の刈り跡に刈り芝が、局部的に片寄ることなく良好に分散して排出され、刈り跡の美観が向上する。
【0038】
また、前記のようにしてブレード近接部分31に生ずる上向きの風により該部分における刈り取る前の芝が起立し、次いで通過するカッタブレード19により切断されているので、刈り残しなくかつ良好な仕上がりで該芝を刈ることができる。前記リング38はセパレータ部片を支持するとともに刈り芝が回転軸17の軸受部分に進入するのを防止し、またカッタ室内に生じる風を整流する作用を有する。
【0039】
セパレータ部片39の高さh1 、はカッタハウジングの高さh2 の約半分程度、例えばh2 が100mmの時h1 は約50mmとするのがよい(図4)。なお、カッタハウジング5の前方下部には隙間40が形成され、前方の刈り取り前の芝がカッタハウジング5内に入り込み易くしてある(図3)。
【0040】
ブレード近接部分31に後方から進入して来る刈り芝はまた、前壁部分27の中央部27cに直接衝突することによっても落下して、該部分における刈芝排出量を多くするので、前記中央部は小さな曲率半径R1 を有するように形成してある。このように中央部27cの曲率半径R1 を小さくすることにより、図11に示すように、刈り芝はこの小曲率半径部分によって左右の円弧状部分27a、27bに沿って流れるようにそらされ、前壁部分に対する刈り芝の直撃面積Aが小さくなるので、衝突して落下する刈り芝の量が減少する。
【0041】
一方、後壁部分28の中央部28cの曲率半径R2 は前記中央部27cの曲率半径R1 よりも大きく設定してある。曲率半径R2 を大きくすることにより、図11に矢印Bで示すように、後壁部分28の左右の円弧状部分28a、28bに沿ってブレード近接部分31に進入して来る刈り芝の進入方向が、前記直撃面積A部分へ向かう方向から大きく外れることとなるので、ブレード近接部分31において前壁部分に衝突して落下する刈り芝の量はさらに一層減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した乗用マルチング芝刈機の一例を示す側面図である。
【図2】カッタハウジングの内部を下方から見た平面図である。
【図3】図2のIII −III 線に沿うカッタハウジングの部分的横断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿うカッタハウジングの部分的横断面図である。
【図5】前壁部分の斜視図である。
【図6】後壁部分の斜視図である。
【図7】リングおよびセパレータ部片の斜視図である。
【図8】カッタブレードによる芝刈り時の状態を示す概略斜視図である。
【図9】セパレータ部片設置前の風の排出部の分布状態を示す図2と同様な図である。
【図10】セパレータ部片設置後の風の排出部の分布状態を示す図2と同様な図である。
【図11】前壁部分および後壁部分の中央部の形状を示す説明図である。
【符号の説明】
1…芝刈機、2…前輪、3…後輪、4…車体フレーム、5…カッタハウジング6…エンジン、7…座席、8…ハンドル、9…リンク、10…昇降ロッド、11…昇降レバー、12…ローラ、13…ブラケット、14…上壁、15…側壁、16…開口、17…回転軸、18…軸受部材、19…カッタブレード、20…被駆動プーリ、21…ブレード、22…動力取出軸、23…駆動プーリ、24…巻掛伝動装置、25…先端回転軌跡、26…側壁部分、27…前壁部分、28…後壁部分、29…取付片、30…カッタ室、31…ブレード近接部分、32…刄部、33…羽根部、34…芝、35…刈り芝、36…排出部、37凹部、38…リング、39…セパレータ部片、40…隙間。

Claims (5)

  1. 下方に向かって開放したカッタハウジング内に、略水平に回転する2組のカッタブレードを左右に並設し、該左右のカッタブレードの先端回転軌跡に僅かな間隔を隔てて沿い、該左右の先端回転軌跡を連ねた外周部分を瓢箪形に包囲する包囲壁を前記カッタハウジングの上壁下面に垂設し、該包囲壁の前壁部分および後壁部分をそれぞれ、左右のカッタブレードの先端回転軌跡に僅かな間隔を隔てて沿う左右の円弧状部分を該円弧状部分の曲率半径よりも小さな曲率半径の中央部を介して接続して形成し、かつ前記前壁部分の中央部の曲率半径を前記後壁部分の中央部の曲率半径よりも小さく設定し、該包囲壁が前記左右のカッタブレードの周囲に、前記左右の先端回転軌跡が近接する中央部分で互いに連通する円形のカッタ室をそれぞれ形成して成るマルチング芝刈機において、前記左右のカッタブレードを、先端が芝刈機の左右方向外側において前方から後方へ移動するように、互いに逆方向に回転させるとともに、前記各カッタ室内にそれぞれ、前記包囲壁の後壁部分の前記左右の先端回転軌跡が近接する中央部分に臨む位置付近から前記カッタブレードの回転方向を横切って該カッタブレードの回転軸近傍まで延び、かつ前記カッタハウジングの上壁下面と前記カッタブレードとの間にほぼ垂直に延在する板状のセパレータ部片を設けたことを特徴とするマルチング芝刈機。
  2. 前記前壁部分の中央部は後方から進入する刈芝の一部を直接衝突させて地面に落下させる直撃面積部分を備え、かつ該中央部の前記曲率は刈芝が左右の円弧状部分に沿って流れる曲率とされ、また、後壁部分の中央部の前記曲率は刈芝の進入方向が前記前壁中央部の直撃面積部分へ向う方向から左右方向に分散される曲率とされている請求項1のマルチング芝刈機。
  3. 前記各組のカッタブレードが、上下に配置した2枚のブレードによって構成されている請求項1のマルチング芝刈機。
  4. 前記セパレータ部片の前記カッタブレード回転軸近傍における端部が、該回転軸を同心状に包囲するリング部片の外周面に固着されている請求項1のマルチング芝刈機。
  5. 前記セパレータ部片を、該部片の前記カッタブレード回転方向に対して後方内側に刈芝が落ちるように構成した請求項1のマルチング芝刈機。
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