JP2550222B2 - 芝刈機のカッターハウジング装置 - Google Patents

芝刈機のカッターハウジング装置

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JP2550222B2
JP2550222B2 JP3018389A JP1838991A JP2550222B2 JP 2550222 B2 JP2550222 B2 JP 2550222B2 JP 3018389 A JP3018389 A JP 3018389A JP 1838991 A JP1838991 A JP 1838991A JP 2550222 B2 JP2550222 B2 JP 2550222B2
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scroll
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康弘 杉本
一弘 坂本
正憲 武石
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芝刈機の略水平回転す
るカッターブレードを収納するカッターハウジング装置
に関し、特に上壁部にスクロール部を膨出形成して、周
壁部にスクロール部と連続する放出ダクト部を介して放
出口を有するカッターハウジングの上壁部及び周壁部の
内面に沿って着脱自在なインナー部材に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】芝刈機において、略水平回転するカッタ
ーブレードを収納するカッターハウジングの周壁部に放
出ダクト部を介して放出口を設けたものは、米国特許第
3,132,457号明細書により公知である。また上
壁部の全周に放出口を有するスクロール部を膨出形成し
たカッターハウジングにおいて、その全周スクロール部
内に放出口を塞ぐ環状形のインナー部材を取り付けて、
密閉式のカッターハウジングとし、カッターブレードに
より刈り芝を細断するようにする技術も、米国特許第
4,189,903号明細書により公知となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記米国特
許第3,132,457号明細書で公知の如く放出ダク
ト部を介して放出口を設けたディスチャージ式のカッタ
ーハウジングにおいて、例えば密閉式として用いるため
に、前記米国特許第4,189,903号明細書で公知
の如く放出口を塞ぐ環状形のインナー部材を取り付け
て、刈り芝の細断化を図るようすることは可能である。
そして放出口を有するディスチャージ式のカッターハウ
ジングにおいては、側方に刈り芝を放出したり、または
放出口にシュータを介してグラスバッグを接続して、刈
り芝をグラクバッグ内に収納する場合に用いられるもの
であるが、例えば側方に放出する場合に、刈り芝を更に
細断して放出するようにすることも考えられる。しかし
ながら、前記米国特許第4,189,903号明細書で
公知の如く環状形のインナー部材を取り付けて、放出口
を塞いでしまうと、上述の如く刈り芝を更に細断して放
出する場合に対処できなくなる。
【0004】そこで本発明の目的は、略水平回転するカ
ッターブレードを収納するディスチャージ式のカッター
ハウジングにおいて、その放出口を塞ぐインナー部材を
スクロール部内に設けて、刈り芝の細断化に対処できる
とともに、スクロール部内にインナー部材を設けたまま
必要に応じ放出ダクト部及び放出口を開口して、側方に
放出する場合の刈り芝の細断化にも対処できる芝刈機の
カッターハウジング装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決すべく
本発明は、略水平回転するカッターブレードを収納し、
上壁部にスクロール部を膨出形成するとともに、周壁部
にスクロール部と連続する放出ダクト部を介して放出口
を有するカッターハウジングを備える芝刈機において、
前記カッターハウジングの上壁部及び周壁部の内面に沿
って着脱自在なインナー部材を、前記スクロール部内に
着脱自在で内側に断面円弧状部を有する第1インナー部
材と、この第1インナー部材に連続し、前記放出ダクト
部内に着脱自在で内側に断面円弧状部を有して前記放出
口を塞ぐ第2インナー部材との分割体で構成したことを
特徴とする。
【0006】更に本発明は、前記インナー部材内側の前
記断面円弧状部に、前記カッターブレードにより切断さ
れた刈り芝を下方から上方に向けて、且つ上方から内方
に移動させるガイドリブを設けたことも特徴とする。
【0007】
【作用】スクロール部内に第1インナー部材を取り付
け、放出ダクト部内に第2インナー部材を取り付けて放
出口を塞ぐことで、カッターハウジングを密閉にして、
刈り芝の細断化に対処でき、またスクロール部内に第1
インナー部材を設けたまま放出ダクト部内の第2インナ
ー部材を外して放出口を開口することで、側方に放出す
る場合の刈り芝の細断化にも対処できる。
【0008】またインナー部材内側の断面円弧状部に設
けたガイドリブによりカッターブレードにより切断され
た刈り芝を下方から上方に向けて、且つ上方から内方に
移動させて、刈り芝の細断化を促進できる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。本発明を適用した一例としての芝刈機を示す図1
及び図2において、1は機体、2は前輪、3は後輪、4
はハンドル、5は座席、6はエンジン、10はカッター
ハウジング、21はカッターブレードである。図示の如
く機体1の略中央部下方に前後一対のリンク7,8を介
してカッターハウジング10が配設され、このカッター
ハウジング10内に収納したカッターブレード21中央
の垂直軸20に、エンジン6からの動力がベルトプーリ
装置9等を介して伝達される。これによりカッターブレ
ード21は略水平回転を行なう。
【0010】下面を開放した平面視略円形のカッターハ
ウジング10は、図3及び図4にも示す通り、その上壁
部11に後部を除いて上方に膨出するスクロール部12
を形成するとともに、周壁部15の一側部に放出ダクト
部16を介して側方に開口する放出口17を形成して成
る。また上壁部11の中央部には、三個の空気取り入れ
口13…が形成されている。ここで、スクロール部12
は、カッターブレード21の回転方向R(図3参照)に
沿って一側方の放出ダクト部16に向かい風量を増大す
べく次第に高く形成(図4参照)されており、放出ダク
ト部16は、スクロール部12に図3の如く外周側の点
Pで接線方向に連続して形成されている。尚、放出口1
7には、図1の如くシュータ18を介して機体1後部の
グラクバッグ19に接続可能である。
【0011】そしてカッターブレード21は、図9及び
図10にも拡大して示す通り、その側縁に刈刃22を形
成して、この刈刃22の回転方向後側端部を上方への起
風片23に形成するとともに、この起風片23と中央部
との間を上方への膨出部24に形成して、この膨出部2
4の回転方向後側部分を平面視略三角形状の押し下げ片
25に形成して成る。また上方への膨出部24と中央部
にかけては、その段差部にわたる二条の下方への凹溝2
7,27が形成されている。ここで、刈刃22は、端部
から上方への膨出部24にわたり形成されており、押し
下げ片25は、そのブレード回転方向Rに向かう面を、
カッターブレード21の回転中心部に向けた傾斜面26
として形成されている。尚、カッターブレード21は、
その中央部をブレードホルダ29を介して前記垂直軸2
0の下端に取り付けられる。
【0012】以上のカッターブレード21を収納するカ
ッターハウジング10内には、図5に示す通り、分割体
で構成される第1インナー部材31と第2インナー部材
41が必要に応じて着脱自在となっている。即ち第3図
のように、第1インナー部材31は、スクロール部12
内の高さが低い側部から前部にわたり外周側内面に装着
されるもので、その内側が断面円弧状部32に形成され
ており、また第2インナー部材41は、放出ダクト部1
6内に装着されるもので、その内側が断面円弧状部42
に形成されるとともに、下方に垂下する放出口閉塞部4
3を一体に有している。ここで、第1インナー部材31
は、スクロール部12内に取り付けた場合、カッターハ
ウジング10の一部を形成している。また第2インナー
部材41は、放出口17を一時的に塞ぎマルチング作用
するマルチングキットである。そして第1インナー部材
31内側の断面円弧状部32には、図6及び図7にも示
す通り、ブレード回転方向Rに沿って下方から上方に向
かう複数本(図示では3本)のガイドリブ33,34,
35が間隔を設けて形成されており、更に図3に示した
通り、第1インナー部材31に連続する第2インナー部
材41内側の断面円弧状部42にも、ガイドリブ35に
連続するガイドリブ45が形成されている。以上のガイ
ドリブ33,34,35,45は、カッターブレード2
1の刈刃22と対向する面形状となっており、これによ
り断面円弧状部32,42は、ガイドリブ33,34,
35,45を境とする段差部となっている。尚、第2イ
ンナー部材42には必ずしもガイドリブ45を設けなく
ても良く、第1インナー部材31のガイドリブ33,3
4,35だけでも芝の細断が充分に行なえる。また第1
インナー部材31と第2インナー部材41とを離して使
用しても良い。
【0013】以上の第1インナー部材31及び第2イン
ナー部材41は、合成樹脂製であり、第1インナー部材
31は、図8にも示す通り、スクロール部12内面と周
壁部15内面の上部に当接して、そのコーナー部でボル
ト36…及びナット37…によりカッターハウジング1
0内に取り付けられる。そして第2インナー部材41
は、図3乃至図5のように、放出口17を外側から覆う
金属製カバー51を外面にボルト46…及びナット47
…により結合し、放出ダクト部16内面に嵌合して、金
属製カバー51の上片を放出口17上面のボルト52…
及びナット53…により結合することで、カッターハウ
ジング10内に取り付けられる。
【0014】次の芝刈り作業について説明する。先ず図
3及び図4に示すように、カッターハウジング10内に
第1インナー部材31及び第2インナー部材41をとも
に取り付けた場合は、密閉式のカッターハウジング10
となり、R方向に回転するカッターブレード21の両刈
刃22,22により切断された刈り芝は、図4に矢印で
示す通り、両起風片23,23による起風作用で上方に
上がり、第1インナー部材31及び第2インナー部材4
1の両断面円弧状部32,42に沿ってハウジング上壁
部11の中央部下面側に移動する。この時、両断面円弧
状部32,42には、ブレード回転方向Rに沿って下方
から上方に向かうとともに、カッターブレード21の刈
刃22と対向する面形状のガイドリブ33,34,3
5,45が設けられているので、刈り芝は、各ガイドリ
ブ33,34,35,45に沿って上方から内方に効果
的に移動させられる。そしてハウジング上壁部11の空
気取り入れ口13…からの空気吸引により、刈り芝は、
カッターブレード21の膨出部24,24の旋回軌跡上
への落下を促進されて、刈刃22,22により再び細か
く切断されてから、ブレード膨出部24,24に設けた
各押し下げ片25,25のブレード回転方向Rに向か
い、且つカッターブレード21の回転中心部に向けた両
傾斜面26,26によって、細断後の刈り芝は、図4に
矢印で示す通り、ブレード回転中心付近に向けて均一に
分散されて芝地に落下する。
【0015】またスクロール部12内に第1インナー部
材31を設けた状態のままで、放出ダクト部16内の第
2インナー部材41を外して放出口17を開口状態とし
ても、第1インナー部材31の断面円弧状部32及びそ
の各ガイドリブ33,34,35による刈り芝のガイド
機能が得られ、即ち前述と略同様に刈り芝を細断できる
とともに、放出ダクト部16内を通して放出口17から
側方に刈り芝の一部を放出したり、放出口17から図1
に示す如くシュータ18を介して機体1後部のグラクバ
ッグ19内に刈り芝を収納できる。この側方への放出の
際、第1インナー部材31の終端側は、放出ダクト部1
6がスクロール部12に接線方向で連続する外周側の点
P(図3参照)までとなっており、放出ダクト部16内
に突出していないので、放出ダクト16内での円滑な風
の流れを阻害することなく、刈り芝の放出性や収納性が
良好に得られる。このように刈り芝の細断化を促進しな
がらサイドディスチャージやグラスバック19への収納
にも対処可能である。
【0016】そして風量を増大させて、単純なサイドデ
ィスチャージや、グラクバッグ19への刈り芝の収納を
行なう場合には、両インナー部材31,41を用いず
に、図1に示す通り、カッターハウジング10のスクロ
ール部12をそのまま使って、そのスクロール部12内
の風量を確保して、放出口17から側方に刈り芝を放出
したり、グラスバック19に刈り芝を収納できる。
【0017】ところで、実施例の芝刈機においては、ス
クロール部の内側にインナー部材を装着した状態が、米
国特許第3,085,386号明細書で知られるボーレ
ンスタイプのカッターハウジングとなり、このようなボ
ーレンスタイプのカッターハウジングの採用により、刈
り芝を内側上方により多く集めて浮上させ、中央附近よ
り刈り芝を落下させて、再びカッターブレードで砕断さ
せ、刈り芝を芝内に均一に落とす構成のマルチングモア
となる。尚、実施例では乗用芝刈機を基に説明したが、
他の歩行型芝刈機にも本発明は適用可能であり、また細
部構造についても適宜に変更可能である。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、芝刈機の
略水平回転するカッターブレードを収納するディスチャ
ージ式のカッターハウジングにおいて、その上壁部及び
周壁部の内面に沿って着脱自在なインナー部材を、スク
ロール部内に着脱自在で内側に断面円弧状部を有する第
1インナー部材と、この第1インナー部材に連続し、放
出ダクト部内に着脱自在で内側に断面円弧状部を有して
放出口を塞ぐ第2インナー部材との分割体で構成したた
め、スクロール部内に第1インナー部材を取り付け、放
出ダクト部内に第2インナー部材を取り付けて放出口を
塞ぐことにより、カッターハウジングを密閉にして、刈
り芝の細断化に対処することができるとともに、スクロ
ール部内に第1インナー部材を設けたまま放出ダクト部
内の第2インナー部材を外して放出口を開口することに
より、側方に放出する場合の刈り芝の細断化にも対処す
ることができる。
【0019】また請求項2の如くインナー部材内側の断
面円弧状部に、カッターブレードにより切断された刈り
芝を下方から上方に向けて、且つ上方から内方に移動さ
せるガイドリブを設けることで、刈り芝の細断化を促進
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した一例としての芝刈機を示す要
部を破断した概略側面図
【図2】その概略平面図
【図3】本発明に係るカッターハウジング装置の内部を
示す底面図
【図4】その縦断背面図
【図5】インナー部材の分解斜視図
【図6】ガイドリブを示す部分斜視図
【図7】図3の矢印A−A線に沿った断面図
【図8】図3の矢印B−B線に沿った断面図
【図9】カッターブレードの半部拡大斜視図
【図10】その平面図
【符号の説明】
10…カッターハウジング、11…上壁部、12…スク
ロール部、15…周壁部、16…放出ダクト部、17…
放出口、21…カッターブレード、31…第1インナー
部材、32…断面円弧状部、33,34,35…ガイド
リブ、41…第2インナー部材、42…断面円弧状部、
43…放出口閉塞部、45…ガイドリブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武石 正憲 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 河本 大 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−144607(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略水平回転するカッターブレードを収納
    し、上壁部にスクロール部を膨出形成するとともに、周
    壁部にスクロール部と連続する放出ダクト部を介して放
    出口を有するカッターハウジングを備える芝刈機におい
    て、前記カッターハウジングの上壁部及び周壁部の内面
    に沿って着脱自在なインナー部材を、前記スクロール部
    内に着脱自在で内側に断面円弧状部を有する第1インナ
    ー部材と、この第1インナー部材に連続し、前記放出ダ
    クト部内に着脱自在で内側に断面円弧状部を有して前記
    放出口を塞ぐ第2インナー部材との分割体で構成したこ
    とを特徴とする芝刈機のカッターハウジング装置。
  2. 【請求項2】 前記インナー部材内側の前記断面円弧状
    部に、前記カッターブレードにより切断された刈り芝を
    下方から上方に向けて、且つ上方から内方に移動させる
    ガイドリブを設けたことを特徴とする請求項1記載のカ
    ッターハウジング装置。
JP3018389A 1991-01-18 1991-01-18 芝刈機のカッターハウジング装置 Expired - Lifetime JP2550222B2 (ja)

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