JP3800148B2 - 信号処理装置およびその制御方法を実現するためのプログラム - Google Patents

信号処理装置およびその制御方法を実現するためのプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の入力端子を介して外部から入力された、複数チャンネルの信号に対して信号処理を施した後、複数の出力端子を介して外部に出力する信号処理装置およびその制御方法を実現するためのプログラムに関し、特に、前記入出力端子に名称を付与することができる信号処理装置およびその制御方法を実現するためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複数の入力端子を介して外部から入力された、複数チャンネルの信号に対して信号処理を施した後、複数の出力端子を介して外部に出力する信号処理装置として、たとえば、ミキシング装置(ミキサ)がある。
【0003】
ミキシング装置は、複数の入力端子を介して外部から入力された、複数チャンネルの信号に対して、レベル調整や効果付与等の信号処理を施し、この信号処理後の各信号を、ユーザの指示に応じて混合(ミキシング)し、複数の出力端子を介して外部に出力するように構成されている。
【0004】
そして、ミキシング装置には、少なくとも1つの入力端子を備えたカード(ボード)を複数枚差し込み可能なユニット複数個により、複数の入力端子を構成し(複数の出力端子も同様)、ユニットの個数や、ユニットに差し込むカードの個数等を適宜選択することにより、入力端子および出力端子の個数や配列を自由に設定できるものがある。
【0005】
このようなミキシング装置は、通常、入力端子毎および出力端子毎に名称を付与することができるようになっている。名称は、ユーザによって指定されたものがそのまま、または所定のルールに従って自動的に、付与される。後者の場合、すなわち自動的に名称を付与する場合は、各端子の物理的な位置に基づいた名称が付与されていた。具体的には、ある端子に名称を付与する場合、その端子が属するユニット、カードおよびカード内の位置の各情報が、その名称に、少なくとも間接的に付加されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の信号処理装置では、各端子に自動的に名称を付与する場合、該各端子の物理的な位置に基づいた情報が、その名称に、少なくとも間接的に付加されるので、各信号に対する処理を行うときに、ユーザは、どの入力信号がどの位置の入力端子から入力され、どの出力信号がどの位置の出力端子から出力されるかを、正確に把握しておく必要があるが、このような信号の入出力先に関する正確な把握は、各信号に対する処理を行う際には、却って不便になることがあった。
【0007】
本発明は、この点に着目してなされたものであり、各信号に対する処理に最適な端子名称を付与することができる信号処理装置およびその制御方法を実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の信号処理装置は、外部から複数種類の信号を入力する複数の入力端子からなる入力端子群と、該入力端子群から入力された複数種類の信号を処理することにより、少なくとも1チャンネルの信号を生成する信号処理手段と、該信号処理手段によって処理されて生成された、少なくとも1チャンネルの信号を外部に出力する複数の出力端子からなる出力端子群と、前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子であって、有効なものに対して、付番する付番手段とを有し、前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子の個数は、任意に変更可能であることを特徴とする。
【0009】
ここで、「有効」な端子とは、その端子が有効に機能しているものを意味する。したがって、端子が実際に設けられていても、たとえばソフトウェアによって、無効が設定されている場合には、その端子は、「有効」なものではない。また、付番とは、数字のみを付与するという狭い意味ではなく、順序づけられる記号(たとえばアルファベット)を付与することも含む広い意味である。さらに、端子の機能を検出できるようにすれば、その機能を示す記号を、付番の際に付加するようにしてもよい。以上の事情は、以下、請求項が変わっても、同様である。
【0010】
また、請求項2に記載の信号処理装置は、外部から複数種類の信号を入力する複数の入力端子からなる入力端子群と、該入力端子群から入力された複数種類の信号のそれぞれを1つの入力チャンネルに割り当てる割り当て手段と、該割り当て手段によって割り当てられた複数の入力チャンネルの信号を処理することにより、少なくとも1出力チャンネルの信号を生成する信号処理手段と、該信号処理手段によって処理されて生成された、少なくとも1出力チャンネルの信号を外部に出力する複数の出力端子からなる出力端子群と、前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる複数の端子であって、有効なものに対して、該各端子をそれぞれ区別可能な名称を付与する端子名称付与手段と、前記各入力または出力チャンネルに対して、名称を付与するチャンネル名称付与手段と、該チャンネル名称付与手段によって付与された名称をチャンネルに対応づけて表示する表示手段と、該表示手段に表示されたチャンネルの信号が入力または出力される入力端子または出力端子の、前記端子名称付与手段によって付与された端子名称と、当該チャンネル名称とを、前記表示手段に切り替えて表示するように制御する表示制御手段とを有し、前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子の個数は、任意に変更可能であることを特徴とする。
【0011】
ここで、各端子をそれぞれ区別するために付与される名称は、ユーザによって指定されたものでもよいし、請求項1のように、付番されたものでもよい。以上の事情は、以下、請求項が変わっても、同様である。
【0012】
また、請求項3に記載の信号処理装置は、外部から複数種類の信号を入力する入力端子をそれぞれ有する複数の入力端子群と、該複数の入力端子群から入力された複数種類の信号を処理することにより、少なくとも1チャンネルの信号を生成する信号処理手段と、該信号処理手段によって処理されて生成された、少なくとも1チャンネルの信号を外部に出力する出力端子をそれぞれ有する複数の出力端子群と、前記複数の入力端子群乃至前記複数の出力端子群のうちのいずれかを選択する選択手段と、名称を入力する名称入力手段と、前記選択手段によって選択された入力端子群または出力端子群に対して、前記名称入力手段によって入力された名称を付与する名称付与手段と、該名称付与手段によって付与された名称を表示する表示手段とを有し、前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子の個数は、任意に変更可能であることを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項4〜6に記載の各プログラムは、それぞれ、請求項1〜3と同様の技術的思想によって実現できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態に係る信号処理装置の概略構成を示すブロック図であり、本発明の信号処理装置をミキシング装置に適用したものである。
【0016】
同図に示すように、本実施の形態の信号処理装置は、入力信号または出力信号の信号レベルを調整するためのフェーダ(図5参照)、表示内容を切り替えるための表示切替スイッチ(図5参照)および表示されたカーソル(図3参照)を移動させるための操作子(図示せず)を含む、複数の操作子からなる操作子群1と、装置全体の制御を司るCPU2と、該CPU2が実行する制御プログラムや、各種テーブルデータ等を記憶するフラッシュメモリ3と、各種入力情報および演算結果等を一時的に記憶するRAM4と、各種情報等を表示する、たとえば液晶ディスプレイ(LCD)および発光ダイオード(LED)等を備えた表示器5と、図示しない、外部のパーソナルコンピュータ(PC)とデータの送受信を行う入出力インターフェース(PCI/O)6と、入力信号に各種信号処理を施した後、外部に出力する信号処理部7とにより、主として構成され、上記構成要素1〜7は、バス12を介して相互に接続されている。
【0017】
信号処理部7の入力側には、複数個(図示例では、10個)の入力コネクタ9が接続され、各入力コネクタ9には、それぞれ、1個の入力ユニット8が接続できるようになっている。同様に、信号処理部7の出力側も、複数個(図示例では、6個)の出力コネクタ10が接続され、各出力コネクタ10には、それぞれ、1個の出力ユニット11が接続できるようになっている。
【0018】
各入力ユニット8には、それぞれ、複数枚(たとえば8枚)の入力カード(図示せず)を差し込み可能なスロット(図示せず)が設けられている。各入力カードは、それぞれ、複数個(たとえば4個)の入力ポート(信号の入力端子)を備え、この入力ポートから信号(アナログ信号またはデジタル信号)を入力する。なお、入力カードには、後述するように、タイプ(機能)の異なるものが複数種類用意され、ユーザは、好みのタイプを選択することができる。
【0019】
同様に、各出力ユニット11にも、それぞれ、複数枚(たとえば8枚)の出力カード(図示せず)を差し込み可能なスロット(図示せず)が設けられ、各出力カードは、それぞれ、複数個(たとえば4個)の出力ポート(信号の出力端子)を備え、この出力ポートから信号(アナログ信号またはデジタル信号)を出力できるように構成されている。なお、出力カードにも、後述するように、タイプ(機能)の異なるものが複数種類用意され、ユーザは、好みのタイプを選択することができる。
【0020】
なお、本実施の形態では、入力カードも出力カードも、その個数を可変できるように構成した、すなわち、入力ポート数も出力ポート数も可変できるように構成したが、これに限らず、いずれか一方のみ可変できるように構成してもよい。
【0021】
図2は、信号処理部7の詳細な構成を示すブロック図である。
【0022】
同図に示すように、信号処理部7は、入力パッチ部7a、入力チャンネル(ch)部7b、混合(MIX)部7c、出力チャンネル(ch)部7dおよび出力パッチ部7eによって、主として構成されている。
【0023】
入力パッチ部7aには、入力ユニット8に差し込まれた入力カードの各ポートを介して、各種信号が入力される。
【0024】
入力カードとしては、タイプの異なるものが複数種類(たとえば3種類)用意されている。具体的には、(1)4ポートのうち2ポートをアナログマイク入力用とするととともに、残りの2ポートをアナログライン入力用とし、前者のポート(アナログマイク入力用ポート)と後者のポート(アナログライン入力用ポート)とを排他的に切り替えて、同時に最大2チャンネル分のアナログ信号を入力し、このアナログ信号をデジタル信号に変換するもの(M/LADin)、(2)4ポートのそれぞれから1チャンネルのアナログ信号を入力して、同時に最大4チャンネル分のアナログ信号を入力し、これをデジタル信号に変換するもの(ADin)、(3)4ポートのそれぞれから1チャンネルのデジタル信号を入力し、このデジタル信号のそれぞれを2チャンネルに対して出力することにより、同時に最大8チャンネル分のデジタル信号を入力するもの(Din)の3種類のタイプの入力カードが用意されている。
【0025】
このように、入力カードは、そのタイプに応じて、入力可能な信号のチャンネル数が異なるものの、ポート数は、そのタイプに拘わらず、4ポートである。したがって、装置全体の最大入力ポート数は、4ポート(入力カード1枚当たりの入力ポート数)×8(入力ユニット1枚に差し込み可能な入力カード数)×10(装置に接続可能な入力ユニット数)=320ポートとなる。
【0026】
なお、本実施の形態では、入力カードに設けられた入力ポート数は、入力カードのタイプに拘わらず、一定、すなわち4個としたが、もちろん、これに限らず、入力カードのタイプに応じて異なるようにしてもよい。
【0027】
入力パッチ部7aは、各入力信号をそれぞれ入力チャンネル部7bの各チャンネルに割り当てる(結線する)。
【0028】
入力チャンネル部7bは、リミッタ、コンプレッサ、イコライザ、フェーダ、パン、出力先選択部および出力レベル調整部(すべて図示せず)等を備え、最大96チャンネルの信号を処理する。出力先選択部は、ユーザの指示に応じて、各チャンネルの信号の出力先を混合部7cの複数チャンネル(たとえば48チャンネル)のいずれかに決定する。
【0029】
混合部7cは、出力先選択部によって同一チャンネルが選択されている複数の信号を混合して、出力チャンネル部7dに出力する。
【0030】
出力チャンネル部7dは、リミッタ、コンプレッサ、イコライザおよびフェーダ等を備え、最大48チャンネルの信号を処理する。
【0031】
出力チャンネル部7dから出力された信号は、出力パッチ部7eに供給される。出力パッチ部7eは、各チャンネルの信号を、出力ユニット11に差し込まれた出力カードの出力ポートに供給する。
【0032】
出力カードとしては、タイプの異なるものが複数種類(たとえば2種類)用意されている。具体的には、(1)同時に最大4チャンネルのデジタル信号をそれぞれアナログ信号に変換し、4ポートのそれぞれから1チャンネルのアナログ信号を出力するもの(Aout)、(2)4ポートのそれぞれから1チャンネルのデジタル信号を出力するとともに、このデジタル信号のそれぞれを2チャンネルに対して出力することにより、同時に最大8チャンネル分のデジタル信号を出力するもの(Dout)の2種類のタイプの出力カードが用意されている。
【0033】
このように、出力カードは、そのタイプに応じて、出力可能な信号のチャンネル数が異なるものの、ポート数は、そのタイプに拘わらず、4ポートである。したがって、装置全体の最大出力ポート数は、4ポート(出力カード1枚当たりの出力ポート数)×8(出力ユニット1枚に差し込み可能な出力カード数)×6(装置に接続可能な出力ユニット数)=192ポートとなる。
【0034】
なお、本実施の形態では、出力カードに設けられた出力ポート数は、出力カードのタイプに拘わらず、一定、すなわち4個としたが、もちろん、これに限らず、出力カードのタイプに応じて異なるようにしてもよい。
【0035】
このように、本実施の形態では、本発明をミキシング装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、複数の入出力端子を備え、複数の入力端子を介して入力された複数チャンネルの入力信号を処理して、複数の出力端子を介して外部に出力するようなものであれば、本発明の適用形態は問われない。
【0036】
以上のように構成された信号処理装置が実行する制御処理を、図3〜図5を参照して説明する。
【0037】
本実施の形態の信号処理装置には、
(1)有効な入力ユニット8および出力ユニット11に、ユーザが指定した名称を付与するユニット名付与機能
(2)有効な入力ポートおよび出力ポートに、ユーザが指定した名称を付与するポート名付与機能
(3)有効な入力ポートおよび出力ポートに、自動的に付番する自動付番機能(“AUTO NUMBERING”)
(4)有効なチャンネルに対して、ユーザが指定した名称を付与するチャンネル名付与機能
(5)上記(4)のチャンネル名付与機能によって付与されたチャンネル名と、そのチャンネルに割り当てられている信号が入力または出力されるポート名とを切り替え表示する切り替え表示機能
の5種類の機能が、少なくとも設けられている。
【0038】
ここで、「有効な」入力ユニット8とは、主として、前記入力コネクタ9に接続されている入力ユニットを意味するが、入力コネクタ9に接続されていても、入力ユニットに対して、ソフトウェア等により、無効の設定ができるように構成されている場合には、無効の設定がなされていないものであることを意味する。「有効な」出力ユニット11も、「有効な」入力ユニット8と同様の意味である。
【0039】
また、「有効な」入力ポートとは、主として、その入力ポートが備えられた入力カードが、「有効な」入力ユニット8のスロットに差し込まれていることを意味するが、「有効な」入力ユニット8のスロットにカードが差し込まれていても、そのカードに備えられた各ポートに対して、ソフトウェア等により、無効の設定ができるように構成されている場合には、無効の設定がなされていないものであることを意味する。「有効な」出力ポートも、「有効な」入力ポートと同様の意味である。
【0040】
さらに、「有効な」チャンネルとは、主として、信号が割り当てられているチャンネルを意味するが、信号が割り当てられていても、チャンネルに対して、無効の設定ができるように構成されている場合には、無効の設定がなされていないものであることを意味する。
【0041】
以下、上記(1)〜(5)の各機能を順に説明する。
【0042】
図3は、表示器5に表示された、各種名称付けを行うための表示画面の一例を示す図であり、同図(a)の表示画面5aは、複数の入力ユニット8のうちの最初のユニット(IN1)にユニット名を付与している状態、すなわち(1)のユニット名付与機能が選択されて実行されている状態を示している。
【0043】
ユーザが、まず、「UNIT SELECT」欄に表示されている、複数の入力ユニット8のうちの最初のユニット(IN1)にカーソルCを合わせて、所定の操作(たとえばクリック操作)を行うと、図3(a)に示すように、“IN1”欄5a1が反転表示されて、選択されたユニットに関する情報が、表示領域5a2に一覧表示される。
【0044】
次に、ユーザが、「ユニットネーム」欄5a3にカーソルCを合わせ、クリック操作を行うと、「ユニットネーム」欄5a3が反転表示される(図示例では、その表示状態を斜線で表現している)。
【0045】
そして、表示されたキーボード5a5の各キーをカーソルCで指定することで、ユーザが好みの文字を入力すると、その文字が文字入力欄5a4に表示され(図示例では“SOURCE”が入力され、表示されている)、ユーザが「ENTER」キー5a6にカーソルを合わせて、クリック操作を行うと、文字入力欄5a4の文字が、上記反転表示された「ユニットネーム」欄5a3に移動するとともに、その「ユニットネーム」が、前記フラッシュメモリ3に記憶される。
【0046】
図4は、本実施の形態の信号処理装置、特にCPU2が実行する名称付け処理の手順を示すフローチャートであり、本名称付け処理は、主として、前記(1)〜(3)の各機能、すなわち、ユニット名付与機能、ポート名付与機能および自動付番機能の各機能を実現する。なお、本名称付け処理には、ユーザがユニットを選択すると、選択したユニットの情報をフラッシュメモリ3から読み出して、表示画面5aの表示領域5a2に表示する処理(ステップS1→S2)、および、所定の条件、具体的には、ユーザがその他のメニューを選択するという条件が満たされたときに、本名称付け処理を終了する処理(ステップS17→終了)も記載されている。
【0047】
図4のフローチャートでは、上記ユニット名付与機能は、ステップS4,S8およびS10の各処理によって実現される。すなわち、ユーザが「ユニットネーム」欄を選択すると、その表示欄を反転することで、そのとき選択されているユニットに対して、名称を付与する準備がなされ(ステップS3→S4)、前記図3(a)のキーボード5a5を用いて、ユーザが、付与すべき名称を示す文字を入力すると、その文字が図3(a)の文字入力欄5a4に表示され(ステップS7→S8)、その状態で、ユーザが図3の「ENTER」キー5a6を押すと、文字入力欄5a4に表示されている文字が「ユニットネーム」欄5a3に移動して、「ユニットネーム」欄5a3の表示内容が書き直されるとともに、入力された「ユニットネーム」が、前記フラッシュメモリ3に記憶される(ステップS9→S10)。
【0048】
このように、ユニット名付与機能によれば、各ユニットに対して、たとえば、その機能を表現する名称を付与すれば、各ユニットの機能を一目で理解することができる。
【0049】
図3に戻り、前記(2)のポート名付与機能によってなされる制御処理は、上記ユニット名付与機能によってなされる制御処理に対して、名付けたいポートをカーソルCで選択する操作が異なるのみである。
【0050】
図4のフローチャートでは、このポート名付与機能は、ステップS6,S8およびS10の各処理によって実現される。すなわち、ユーザが、図3(a)の表示領域5a2に一覧表示されているポートのうち、名付けたいポートを選択すると、選択されたポートの名称を表示する欄(ポート名表示欄)が反転表示され、名称を付与する準備がなされ(ステップS5→S6)、キーボード5a5を用いて、ユーザが、付与すべき名称を示す文字を入力すると、その文字が文字入力欄5a4に表示され(ステップS7→S8)、その状態で、ユーザが「ENTER」キー5a6を押すと、文字入力欄5a4に表示されている文字が、反転表示されているポート名表示欄に移動して、ポート名表示欄の表示内容が書き直されるとともに、入力されたポート名が、フラッシュメモリ3に記憶される(ステップS9→S10)。
【0051】
図3に戻り、前記(3)の自動付番機能は、ユーザが「AUTO NUMBERRING」キー5a7をカーソルCで押すことにより、有効なすべての入力ポートおよび出力ポートに対して、その先頭のポートから自動的に番号を振って行く機能である。入力ポートの状態(数や配列等の状態)は、入力コネクタ9に接続される入力ユニット8の状態(つまり、各入力コネクタ9には、それぞれ入力ユニット8が接続されているとは限らない)および入力ユニット8に差し込まれているカードの状態(つまり、接続されている入力ユニット8の各スロットに、それぞれ入力カードが差し込まれているとは限らない)に応じて変化する。同様に、出力ポートの状態も、出力コネクタ10に接続される出力ユニット11の状態および出力ユニット11に差し込まれているカードの状態に応じて変化する。自動付番機能は、有効なポート、すなわち、差し込まれているカードの、実際に機能しているポート(入力ポートおよび出力ポート)についてのみ、その先頭から順次番号を付与して行く。したがって、図3(b)に示すように、接続されていないユニットや、ユニットは接続されていても、差し込まれていないカードがあって、ポートが歯抜け状態になっている場合でも、実際に存在するポートだけに連続した番号が付けられる。
【0052】
図4のフローチャートでは、この自動付番機能は、ステップS12〜S16の各処理によって実現される。すなわち、ユーザが「AUTO NUMBERRING」キー5a7を押すと、まず、入力コネクタ9および出力コネクタ10に接続されている入力ユニット8および出力ユニット11内の各スロットに差し込まれているカード(入力カードおよび出力カード)の状態(差し込み状態)を検出し(ステップS11→S12)、続いて、差し込まれているカードの種類を検出する(ステップS13)。そして、順番に付加する番号を決定し(ステップS14)、表示画面5aの表示領域5a2に表示されたポート名表示欄を、ステップS14によって決定された番号で書き直し(ステップS15)、決定された番号をポートに対応させて、フラッシュメモリ3に記憶する(ステップS16)。
【0053】
このように、自動付番機能によれば、すべての入力ユニット8および出力ユニット11に含まれるポートであって、有効なものに対して、付番されるので、つまり、各ポートの物理的な位置に関する情報が排除されて、有効なポートに対して、単純な順序づけがなされるので、各信号に対する処理に最適なポート名称を付与することができる。
【0054】
なお、本実施の形態の自動付番機能は、すべてのユニットを跨いで、すなわち、接続されている入力ユニット8および出力ユニット11すべてに亘って、有効なポートに付番するようにしたが、これに限らず、すべての入力ユニット8を跨いで、または、すべての出力ユニット11を跨いで、有効なポートに付番するようにしてもよい。さらに、各入力ユニット8毎または各出力ユニット11毎に、有効なポートに付番するようにしてもよいし、各入力カード毎または各出力カード毎に、有効なポートに付番するようにしてもよい。
【0055】
また、付番は、数字を用いて行うものに限らず、順序づけられる記号(たとえばアルファベット)であれば、どのようなものを用いてもよい。さらに、前記ステップS13で検出したカードの種類(タイプ)を、付番する際に加えるようにしてもよい。具体的には、あるポートに対して、“0005”を付与する場合、そのポートを含むカードが、アナログ信号を入力してデジタルに変換するタイプのものであるときには、たとえば“ADin”を“0005”の前または後に付加して、“ADin0005”または“0005ADin”とするようにである。もちろん、ポート毎に、ポートのタイプを検出できるようになっていれば、ポート毎に、そのタイプを付加するようにすればよい。
【0056】
前記(4)のチャンネル名付与機能は、図3(a)と同様な表示画面であって、チャンネル名を付与できるようなものを表示し、表示されたキーボードの各キーをカーソルで指定することで、ユーザが好みの文字を入力すると、この文字をチャンネル名として登録する機能である。
【0057】
図5は、前記(5)の切り替え表示機能によってなされる制御処理を説明するための図である。
【0058】
同図に示すように、前記フェーダ1aのそれぞれに対応して、小液晶パネル5bが設けられ、各フェーダ1aに割り当てられたチャンネルの名称を表示できるように構成されている。本実施の形態では、1つのチャンネルと1つのフェーダ1aとが1対1で対応づけられており、チャンネルとフェーダ1aは同視できる。もちろん、これに限らず、チャンネル数よりフェーダ数を少なくし、たとえばスイッチ操作により、1つのフェーダで複数チャンネルを制御するようにしてもよい。
【0059】
小液晶パネル5bの表示内容は、ユーザが表示切替スイッチ1bを操作することにより、切り替えることができる。たとえば、表示切替スイッチ1bを押す毎に、チャンネルの名称と、そのチャンネルに割り当てられている信号が入力または出力されるポートの名称とをトグルで表示する。ここで、ポートの名称は、通常は、前記(2)のポート名付与機能で付与された名称が表示されるが、前記(3)の自動付番機能によって自動的に付番された場合には、ポート名付与機能で付与された名称は書き換えられるので、番号が表示される。
【0060】
このように、切り替え表示機能によれば、チャンネルとそのチャンネルに割り当てられている信号に対応する端子とを一目で確認することができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、ユーザは、ユニット毎またはポート毎に、その名称を付与することができるようにしたが、これに加えて、カード毎に、その名称を付与できるようにしてもよい。また、複数のユニット、複数のカードまたは複数のポートを一まとめにし、それに名称を付与するようにしてもよい。
【0062】
また、本実施の形態では、各ポートに付与された名称は、図3(a)の表示画面5aでのみ確認することができるようになっているが、これに限らず、各ポートの近傍に、前記図5の小液晶パネル5bのようなパネルを設け、各ポートに付与された名称を、実際のポートに対応させて表示するようにしてもよい。
【0063】
なお、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータ(またはCPU2やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0064】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0065】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、たとえば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、フラッシュメモリ3などを用いることができる。また、他のMIDI機器や通信ネットワークを介してサーバコンピュータからプログラムコードが供給されるようにしてもよい。
【0066】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0067】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU5などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1または4に記載の発明によれば、入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子であって、有効なものに対して、付番されるので、つまり、各端子の物理的な位置に関する情報が排除されて、有効な端子に対して、単純な順序づけがなされるので、各信号に対する処理に最適な端子名称を付与することが可能となる。
【0069】
請求項2または5に記載の発明によれば、表示手段に表示されたチャンネルの信号が入力または出力される入力端子または出力端子の端子名称と、当該チャンネル名称とが、前記表示手段に切り替えて表示されるので、チャンネルとそのチャンネルに割り当てられている信号に対応する端子とを一目で確認することができる。
【0070】
請求項3または6に記載の発明によれば、選択手段によって選択された入力端子群または出力端子群に対して、名称入力手段によって入力された名称が付与され、この名称が表示手段に表示されるので、各端子群に対して、たとえば、その機能を表現する名称を付与すれば、各端子群の機能を一目で理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る信号処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の信号処理部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】 図1の表示器に表示された、各種名称付けを行うための表示画面の一例を示す図である。
【図4】 図1の信号処理装置、特にCPUが実行する名称付け処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】 切り替え表示機能によってなされる制御処理を説明するための図である。
【符号の説明】
1b 表示切替スイッチ(表示制御制御手段),2 CPU(信号処理手段、付番手段、端子名称付与手段、チャンネル名称付与手段、表示制御手段、選択手段、名称入力手段、名称付与手段),5 表示器(表示手段、選択手段、名称入力手段),5a4 文字入力欄(端子名称付与手段、チャンネル名称付与手段、名称入力手段、名称付与手段),5a5 キーボード(端子名称付与手段、チャンネル名称付与手段、名称入力手段、名称付与手段),5a6 「ENTER」キー(端子名称付与手段、チャンネル名称付与手段、名称入力手段、名称付与手段),5a7 「AUTO NUMBERRING」キー(付番手段),7 信号処理部(信号処理手段),8 入力ユニット(入力端子群),11 出力ユニット(出力端子群)

Claims (6)

  1. 外部から複数種類の信号を入力する複数の入力端子からなる入力端子群と、
    該入力端子群から入力された複数種類の信号を処理することにより、少なくとも1チャンネルの信号を生成する信号処理手段と、
    該信号処理手段によって処理されて生成された、少なくとも1チャンネルの信号を外部に出力する複数の出力端子からなる出力端子群と、
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子であって、有効なものに対して、付番する付番手段と
    を有し、
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子の個数は、任意に変更可能である
    ことを特徴とする信号処理装置。
  2. 外部から複数種類の信号を入力する複数の入力端子からなる入力端子群と、
    該入力端子群から入力された複数種類の信号のそれぞれを1つの入力チャンネルに割り当てる割り当て手段と、
    該割り当て手段によって割り当てられた複数の入力チャンネルの信号を処理することにより、少なくとも1出力チャンネルの信号を生成する信号処理手段と、
    該信号処理手段によって処理されて生成された、少なくとも1出力チャンネルの信号を外部に出力する複数の出力端子からなる出力端子群と、
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる複数の端子であって、有効なものに対して、該各端子をそれぞれ区別可能な名称を付与する端子名称付与手段と、
    前記各入力または出力チャンネルに対して、名称を付与するチャンネル名称付与手段と、
    該チャンネル名称付与手段によって付与された名称をチャンネルに対応づけて表示する表示手段と、
    該表示手段に表示されたチャンネルの信号が入力または出力される入力端子または出力端子の、前記端子名称付与手段によって付与された端子名称と、当該チャンネル名称とを、前記表示手段に切り替えて表示するように制御する表示制御手段と
    を有し、
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子の個数は、任意に変更可能である
    ことを特徴とする信号処理装置。
  3. 外部から複数種類の信号を入力する入力端子をそれぞれ有する複数の入力端子群と、
    複数の入力端子群から入力された複数種類の信号を処理することにより、少なくとも1チャンネルの信号を生成する信号処理手段と、
    該信号処理手段によって処理されて生成された、少なくとも1チャンネルの信号を外部に出力する出力端子をそれぞれ有する複数の出力端子群と、
    前記複数の入力端子群乃至前記複数の出力端子群のうちのいずれかを選択する選択手段と、
    名称を入力する名称入力手段と、
    前記選択手段によって選択された入力端子群または出力端子群に対して、前記名称入力手段によって入力された名称を付与する名称付与手段と、
    該名称付与手段によって付与された名称を表示する表示手段と
    を有し、
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子の個数は、任意に変更可能である
    ことを特徴とする信号処理装置。
  4. 外部から複数チャンネルの信号を入力する複数の入力端子からなる入力端子群と、
    該入力端子群から入力された複数チャンネルの信号を処理することにより、少なくとも1チャンネルの信号を生成する信号処理手段と、
    該信号処理手段によって処理されて生成された、少なくとも1チャンネルの信号を外部に出力する複数の出力端子からなる出力端子群と
    を備え、
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子の個数は、任意に変更可能である信号処理装置を制御する制御方法を実現するためのプログラムであって、
    前記制御方法は、
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子であって、有効なものに対して、付番する付番ステップ
    を有する
    ことを特徴とするプログラム。
  5. 外部から複数チャンネルの信号を入力する複数の入力端子からなる入力端子群と、
    該入力端子群から入力された複数種類の信号のそれぞれを1つの入力チャンネルに割り当てる割り当て手段と、
    該割り当て手段によって割り当てられた複数の入力チャンネルの信号を処理することにより、少なくとも1出力チャンネルの信号を生成する信号処理手段と、
    該信号処理手段によって処理されて生成された、少なくとも1チャンネルの信号を外部に出力する複数の出力端子からなる出力端子群と
    を備え
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子の個数は、任意に変更可能である信号処理装置を制御する制御方法を実現するためのプログラムであって、
    前記制御方法は、
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる複数の端子であって、有効なものに対して、該各端子をそれぞれ区別可能な名称を付与する端子名称付与ステップと、
    前記各入力または出力チャンネルに対して、名称を付与するチャンネル名称付与ステップと、
    該チャンネル名称付与ステップによって付与された名称をチャンネルに対応づけて表示手段に表示させる表示ステップと、
    該表示手段に表示されたチャンネルの信号が入力または出力される入力端子または出力端子の、前記端子名称付与ステップによって付与された端子名称と、当該チャンネル名称とを、前記表示手段に切り替えて表示するように制御する表示制御ステップと
    を有する
    ことを特徴とするプログラム。
  6. 外部から複数チャンネルの信号を入力する入力端子をそれぞれ有する複数の入力端子群と、
    複数の入力端子群から入力された複数チャンネルの信号を処理することにより、少なくとも1チャンネルの信号を生成する信号処理手段と、
    該信号処理手段によって処理されて生成された、少なくとも1チャンネルの信号を外部に出力する出力端子をそれぞれ有する複数の出力端子群と
    前記複数の入力端子群乃至前記複数の出力端子群のうちのいずれかを選択する選択手段と、
    名称を入力する名称入力手段と
    を備え
    前記入力端子群および前記出力端子群の、少なくとも一方の端子群に含まれる端子の個数は、任意に変更可能である信号処理装置を制御する制御方法を実現するためのプログラムであって、
    前記制御方法は、
    前記選択手段によって選択された入力端子群または出力端子群に対して、前記名称入力手段によって入力された名称を付与する名称付与ステップと、
    該名称付与ステップによって付与された名称を表示手段に表示する表示ステップと
    を有する
    ことを特徴とするプログラム。
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