JP3800113B2 - プリンタヘッド,プリンタヘッドの発光制御装置,光プリンタ及びプリンタヘッドの発光制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、EL素子をライン状に配置してなり、例えば光プリンタなどの光源として使用されるプリンタヘッド、そのプリンタヘッドの発光制御装置、及びそれらを備えて構成される光プリンタ並びにプリンタヘッドの発光制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタは、主に事務用として使用され高速処理が期待されるページプリンタと、主に家庭用として使用され低コストであることが期待されるインクジェットプリンタに大別される。
【0003】
ページプリンタには、プリンタヘッドを構成する光学系が大きくなるが比較的低コストであるレーザプリンタと、光学系は小さいが比較的高コストである光プリンタがある。光プリンタは、感光体を露光するのに光源を用いるもので、その光源には複数のLEDを一列に並べたものが一般的に使用されている(LEDプリンタ)。
【0004】
LEDプリンタは、プリンタヘッドの構造が複雑であるためにコストが高い。そのプリンタヘッドは、例えば、100個前後のLEDを一括で製造したLEDチップを数10個並べることで構成される。しかも、LEDチップ間のつなぎ目に当たる部分におけるパワーのばらつきを抑えるため、特性が均一であるチップを選別する必要があり、更に、チップの取付け位置のずれも数100μ以内にしなければならない。このような条件により、プリンタヘッドの製造歩留まりは悪くならざるを得なかった。
【0005】
例えば、複数(数千〜数万個)のLEDを一括して作成することが可能であれば、プリンタヘッドの製造コストを抑えることができるが、材料の制約などから現実的にはきわめて困難である。そこで、光プリンタヘッドの光源にEL素子を用いる技術が特開平5−221019号公報に開示されている。
【0006】
この従来技術においては、アレイ状に配列したEL素子を光源とし、マイクロレンズアレイを通して正立等倍像を潜像ドラムに形成するようにしている。EL素子の発光層材料としては、ZnS:Mnを用いることが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図16に示すように、発光層にZnS:Mnを用いたEL素子は、発光の立上がり時間が数μ秒であるのに対して立下り時間は数m秒と長い。そのため、上記のEL素子を光源に用いたプリンタヘッドでは、印字速度が上昇すると紙送り方向に印字ドットが伸びてしまう。
【0008】
即ち、図17(a)は、円形のドットと楕円形に伸びたドットを1ドット印字した場合であり、図17(b)は、それらのドットを1ドットおきに印字した例である。このように、楕円形に伸びたドットでは1ドットおきに印字するとドットが重なってしまう。このような事態を回避するには、結局、印字速度或いは解像度を落とさなければならない。
【0009】
従来、EL素子はディスプレイに使用されることが多かった。人間の視覚では10m秒以下の発光変化は認識できないので、ディスプレイの発光走査周期もそれほど高速に設定されることはない。従って、上記のEL素子を用いてディスプレイを構成しても、問題は生じなかった。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より高速に印字することが可能となるEL素子を用いたプリンタヘッド、そのプリンタヘッドの発光制御装置、及びそれらを備えて構成される光プリンタ並びにプリンタヘッドの発光制御方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のプリンタヘッドによれば、EL素子に、発光出力が急速に減衰する特性を有するものを用いて構成する。即ち、上記特性を有するEL素子を用いれば、印字速度が上昇した場合でも紙送り方向に印字ドットが伸びてしまうことを極力防止できるので、より高速に印字を行うことができる。
【0012】
具体的には、EL素子の発光立下り時間を700μ秒以下とする。即ち、現在の製品水準において、十分高速であると評価される印字速度を解像度600dpiで1分間にA3用紙を8枚印字する速度と規定し、この場合に必要なプリンタヘッドの走査周期より規定されるEL素子の発光立下り時間を計算すると約700μ秒となる。従って、斯様な発光特性を有するEL素子を使用すれば、上記のように規定された速度以上で印字を行うことができる。
【0013】
また、EL素子を、発光層が絶縁層を介して電極の間に挟み込まれる構造をなす無機EL素子とする。即ち、斯様な構造を有するEL素子は、プリンタヘッドとして要求される形状に構成する場合に均一な特性を確保することが容易である。また、前記EL素子は電圧駆動型の薄膜EL素子となるので、電流駆動型の素子に比較して発熱が問題となり難く、プリンタヘッドを小型に構成することも可能である。
【0014】
そして、絶縁層に比誘電率1000以上の高誘電率材料を用いる。即ち、このような高誘電率材料を用いるとEL素子の静電容量が大きくなるので、それに伴ってEL素子の発光出力を向上させることができる。
更に、複数の走査電極をライン状に配置し、複数のデータ電極の夫々を、電極を折り曲げてクランク状に形成することで複数の走査電極の夫々に1回ずつ交差するように配置する。ここで、プリンタヘッドに使用されるEL素子の数をmn個(m,nは自然数)として考える。mn個のEL素子を1本の走査電極とmn本のデータ電極によって駆動しようとすれば、駆動回路の出力端子数は(mn+1)本となる。
これに対して、本発明の構成によれば、例えば、m本の走査電極とn本のデータ電極で駆動することができるので、必要な駆動回路の出力端子数は(m+n)本となる。従って、(m,n≧2)であれば、駆動回路の出力端子数をより少なくすることができる。そして、その出力端子数に応じて駆動回路の内部に個別の駆動源が必要となる場合は駆動回路が小型化されるので、プリンタヘッドを小型に構成することができる。
請求項2記載のプリンタヘッドによれば、発光層を構成する母体材料をSrS(硫化ストロンチウム)とする。即ち、母体材料を斯様に選択することで、発光立下り時間が短いEL素子を得ることができる。
請求項3記載のプリンタヘッドによれば、発光層を構成する発光中心材料をCe(セレニウム)とする。即ち、発光中心材料にCeを用いれば、上記母体材料との組み合わせによって、発光立下り時間が短く、且つ発光パワーが高いEL素子を得ることができる。
請求項4記載のプリンタヘッドによれば、発光層を構成する発光中心材料をEu(ユウロピウム)とする。即ち、発光中心材料にEuを用いれば、請求項3と同様に、上記母体材料との組み合わせにより、発光立下り時間が短く且つ発光パワーが高いEL素子を得ることができる。
【0025】
請求項5記載のプリンタヘッドの発光制御装置によれば、制御回路は、請求項1乃至4の何れかに記載のプリンタヘッドについて、光プリンタの1走査期間内においてEL素子を複数回連続して発光させるように制御する。従って、発光立下り時間が短いEL素子であっても、1走査期間内に連続して複数回発光させれば発光量の時間積分値を増加させることができるので、プリンタヘッドとして必要な光パワーを得ることができる。
【0026】
請求項6記載のプリンタヘッドの発光制御装置によれば、制御回路は、EL素子の両端に、1走査期間内において互いに極性が異なる第1及び第2駆動電圧を交互に出力させる。すると、EL素子の両端に交流電圧が連続的に印加されるので、EL素子は1走査期間内において複数回発光するようになる。従って、両端に交流電圧が印加されることで効率的に発光するEL素子を、良好に発光させることができる。
【0027】
請求項7記載のプリンタヘッドの発光制御装置によれば、制御回路は、1走査期間内における第1駆動電圧と第2駆動電圧の出力回数が異なるように制御する。即ち、EL素子は強誘電体としての特性を有しているため、電圧の印加が停止しても素子の内部では分極状態が維持される。そして、EL素子の特性を安定させるためには、電圧の非印加期間に維持される分極の状態についても一方の極性に偏ることは好ましくない。
【0028】
そこで、請求項7のように構成すれば駆動電圧の出力回数は奇数回となるので、電圧の印加極性は交互に反転されると共に、各走査期間の終了時に印加される駆動電圧の極性も毎回変化するようになる。従って、EL素子に交流電圧を印加することで発光を各走査期間毎に良好に行うことができ、且つ、素子の寿命を長期化することができる。
【0030】
請求項8記載のプリンタヘッドの発光制御装置によれば、制御回路は、駆動回路によってEL素子に印加される駆動電圧を、当該電圧の印加回数に応じて低下させる。即ち、EL素子のクランプ電圧は、EL素子に対して連続的に印加される電圧の回数に応じて低下する傾向を示すことが判った。従って、斯様に構成すれば、駆動電圧は、その印加回数に応じて最適となるように調整されるので、不要に高い電圧を印加することがなく、消費電力を抑制することができる。
【0031】
請求項9記載の光プリンタによれば、請求項1乃至4の何れかに記載のプリンタヘッド、または請求項5乃至8の何れかに記載のプリンタヘッドの発光制御装置を備えて構成されるので、高速で印字が可能な光プリンタを提供することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
(第1実施例)
以下、本発明を光プリンタに適用した場合の第1実施例について図1乃至図11を参照して説明する。図8は、光プリンタ30の要部構造を概略的に示すものである。
【0033】
感光ドラム31は、図8中時計回り方向に回転するようになっており、先ず、帯電部32によって表面に負電荷の帯電が行われる。続いて、EL素子アレイ33及びセルフォックレンズ34により、印刷画像データに応じた露光が行われる。感光ドラム31の露光が行われた部分は電位が上昇して静電潜像が形成される。次に、現像部35において帯電している部分にトナーが付着されてトナー像が形成される。
【0034】
感光ドラム31の表面に形成されたトナー像は、転写部36において用紙37に転写され、転写された像は定着部38において用紙37に定着される。その後、感光ドラム31は除電部39において除電され、更に、クリーニング部40においてトナーのクリーニングが行われる。
【0035】
図9は、EL素子アレイ33及びセルフォックレンズ34を中心として示す斜視図である。EL素子アレイ33はライン状をなす光源として構成されており、セルフォックレンズ34はマイクロレンズアレイとして構成されている。EL素子アレイ33とセルフォックレンズ34とを組み合わせたものがプリンタヘッド60となる。EL素子アレイ33が発した光は、セルフォックレンズ34により集光されて感光ドラム31の表面に正立等倍像として投光されるようになっている。
【0036】
次に、EL素子アレイ33の構造について図7を参照して説明する。(a)はEL素子1の平面図,(b)は(a)のA−A断面を模式的に示す図である。EL素子1は、絶縁性基板であるガラス基板51に第1電極52(走査電極9)、第1絶縁層53、発光層54、第2絶縁層55、第2電極56(データ電極10)を順次積層して構成されており、第1電極52、第1絶縁層53、第2絶縁層55、第2電極56の内、少なくとも光取出し側(表示側)が透光性を有する材料によって構成されている。
【0037】
尚、EL素子1とは、上記構成の内、1つの第2電極56と第1電極52との間の発光部分を指す。また、図7ではEL素子1が11個だけ図示されているが、実際にはより多数のEL素子1が存在する。
【0038】
例えば、第1電極52をITO(Indium Tin Oxide)膜、第1絶縁層53をAl2O3層と酸化チタンTiO2層とを交互に積層したAl2O3/TiO2積層構造膜(以下、ATO膜と称する)、発光層54をSrS:Ce膜、第2絶縁層55は第1絶縁層53と同様のATO膜、第2電極56をAl膜とする。
【0039】
EL素子アレイ33の製造プロセスについて以下に説明する。ガラス基板51上に、第1電極52として光学的に透明であるITO膜をスパッタ法により形成する。ITO膜の透過率は70%以上とし、1本の第1電極52に対して多数の素子が形成されるため、シート抵抗は10Ω/□以下となるように膜厚を250nm以上に設定する。
【0040】
第1電極52の上に、第1絶縁層53としてATO膜をALE(Atomic Layer Epitaxy)法により形成する。即ち、第1のステップで、アルミニウム(Al)の原料ガスとして三塩化アルミニウム(AlCl3)、酸素(O)の原料ガスとして水(H2O)を用いてAl2O3層を形成する。ALE法では1原子層ずつ膜を形成して行くため、原料ガスを交互に供給する。従って、この場合はAlCl3をアルゴン(Ar)のキャリアガスで反応炉に1秒間導入した後に、反応炉内のAlCl3ガスを排気するのに十分なパージを行う。このサイクルを繰り返すことにより所定の膜厚を有するAl2O3層を形成する。
【0041】
続く第2のステップで、Tiの原料ガスとして四塩化チタン(TiCl4),酸素の原料ガスとして水(H2O)を用いて酸化チタン層を形成する。即ち、第1のステップと同様にTiCl4をArキャリアガスで反応炉に1秒間導入した後に、反応炉内のTiCl4ガスを排気するのに十分なパージを行う。次に、H2Oを同様にArキャリアガスで反応炉に1秒間導入した後に、反応炉内のH2Oガスを排気するのに十分なパージを行う。このサイクルを繰り返すことにより所定の膜厚を有する酸化チタン層を形成する。
【0042】
そして、上述した第1及び第2のステップを繰り返すことで所定膜圧のAl2O3/TiO2積層構造膜を形成し、第1絶縁層53を形成する。Al2O3層、TiO2層夫々1層当たりの膜厚を5nmとして、夫々30層ずつ積層する。なお、Al2O3/TiO2積層構造膜の最上層及び最下層は、Al2O3層、TiO2層の何れであっても良い。ALE法により原子層オーダで膜を形成する場合、1層当たりの膜厚が0.5nm未満では絶縁体として機能せず、前記膜厚が100nmを超える場合は積層構造による耐電圧向上効果が低下してしまう。従って、1層当たりの膜厚は0.5nm〜100nmの範囲に設定すると良く、好ましくは1nm〜10nmの範囲に設定すると良い。
【0043】
次に、第1絶縁層53上に、SrSを母体材料とし、発光中心としてCeを添加したSrS:Ce(硫化ストロンチウム:セリウム)層を蒸着法により発光層54として形成する。即ち、所定の化学量論的組成の蒸着ペレットを作成し、そこに電子ビームを照射して成膜する。この際、所定量の硫黄が膜中に含まれないこともあるので、成膜中に硫化水素などの硫黄分を添加すると良い。SrS:Ce層の膜厚は、500nm〜2000nm程度に設定すれば良い。この膜厚の選択は、プリンタヘッド60としての仕様に応じて決定すれば良く、500nmより薄くなると発光に寄与しない領域が多くなり、発光効率が極端に低下する。また、2000nmよりも厚くすると応力が大きくなり、膜剥がれやクラックが生じるおそれがある。
【0044】
それから、第1絶縁膜53と同様のプロセスによって第2絶縁膜55をALE法で成膜し、最後に、第2電極56として、Al膜をスパッタ法で成膜する。以上のようにしてプリンタヘッド60を構成するEL素子アレイ33を作成することができる。
また、プリンタの解像度を600dpiとするためには、走査電極9の幅、及びデータ電極10の配列間隔は42μmに設定する必要がある。
【0045】
図10は、EL素子アレイ33と制御回路等の配置を示した図である。ガラス基板51は、EL素子アレイ33の基板を兼用するように構成されている。また、第1電極52(走査電極9)は、光プリンタの光源としてはEL素子1をライン状に多数配列すれば良いので、第1電極52(走査電極9)は1本のみ形成されている。
【0046】
ガラス基板51には、その他、制御回路42、走査側ドライバ(駆動回路)43、データ側ドライバ(駆動回路)44、光プリンタ本体側の制御回路と電気的に接続を行うための外部接続端子45などが搭載されている。そして、制御回路42がドライバ43,44に駆動制御信号を出力することでEL素子1を発光させる。
【0047】
上述したプロセスによって形成されたEL素子1は、発光層54としてSrS:Ce層を用いたため発光立下り時間が極めて短い。例えば、図16に示したZnS:Mn−EL素子の発光立下り時間は約5m秒であるが、図7に示すEL素子1では、数μ秒程度となる。この時間は、発光層54の化学量論的組成を変化させることである程度変化すると思われるが、本発明の発明者らが試作したものは0.5μ秒である。
【0048】
尚、発光層を構成する母体材料と発光中心材料との何れが発光立下り時間に影響を与えるのかについては、「Japan Display '86 242-245 」に記載されている。母体材料としてはSrSが好ましく、その母体材料に対しては発光中心材料をCeとすると相性が良い。組み合わせは他にも考えられるが、蒸着用ペレットの作成の容易さなどから上記の組み合わせを選択した。
【0049】
ここで、図2(a)にはEL素子1に印加したパルス幅5μ秒の駆動電圧波形であり、図2(b)にはEL素子1の発光電圧波形を示す。駆動電圧波形の立ち上がりと立下りとの夫々においてEL素子1が発光していることが分かる。尚、「発光立下り時間」とは、図1に示すように光強度の最大値を「1」とした場合に、光強度が「0.9」から「0.1」に低下するまでの時間で定義される(図1における時間B)。尚、図1の縦軸は、測定条件によって変化するため無単位であり相対値で表している。
【0050】
従って、EL素子1を、例えば、図16に示すZnS:Mn−EL素子と同様に駆動してm秒単位の間隔で発光させても(図1における時間A)光パワーが極端に低くなってしまい感光ドラム31に潜像を形成するために必要な光パワーを得ることはできない。
【0051】
そこで、本実施例では、図3(a)に示すように、制御回路42が、EL素子1を1走査期間(駆動期間)内に複数回発光させるように駆動制御する。即ち、1走査期間(時間C)内に、EL素子1の両端に印加される電圧の極性が交互に反転するようにして、走査電圧を複数回切り替えて印加する。すると、EL素子1は、電圧の印加回数に応じて発光する(実際には、図2に示すように印加電圧波形の立上りと立下りとで2回発光している)。
【0052】
ここで、複数回の電圧印加回数は奇数回となるようにしている。例えば、図3(b)に偶数回の場合を示すが、最初に正極性で印加を開始すると最後は負極性で終了となり、その状態が繰り返される。EL素子1は強誘電体としての特性を有しているため、電圧の印加が停止しても素子の内部では分極状態が維持される。そして、EL素子1の特性を安定させるためには、電圧の非印加期間に維持される分極の状態についても一方の極性に偏ることは好ましくない。
【0053】
また、図3(c)は、電圧印加回数を偶数回とした上で、最後に印加される電圧の極性を毎回反転させるようにしたパターンであるが、この場合、次の走査期間の最初に印加される電圧の極性が前回の最後と同一になってしまう。EL素子1は交流駆動でなければ十分なパワーで発光しないため、このパターンにも問題がある。
【0054】
そして、図3(a)に示すように電圧印加回数を奇数回とすれば、印加電圧極性を連続的に反転させることができると共に、各走査期間の最後に印加される電圧の極性も毎回反転させることができる。
【0055】
ここで、プリンタヘッド60を動作させる場合に適切な駆動信号のタイミングについて具体的に規定する。先ず、光プリンタに要求される印字速度について試算する。上述した特開平5−221019号において使用されているZnS:Mn−EL素子の発光立下り時間は約5m秒である。この場合、最大走査周波数は200Hzであるから、600dpi(dot per inch)の解像度でA3用紙を1枚印字するには約1分間が必要となる。これではあまりにも遅く、実用に耐え得る印字速度とはいい難い。
【0056】
そこで、現在の製品水準において十分高速であると評価される印字速度を、解像度を600dpiで1分間にA3用紙を8枚印字する速度と規定する。この場合に必要なプリンタヘッドの走査周期より規定されるEL素子の発光立下り時間を計算すると、約706μ秒となる。そして、図1に示す期間Aは光プリンタの紙送り速度に一致するので、期間Aを706μ秒に設定する。
【0057】
同図に示す電圧印加期間Cは706μ秒以内で任意に決定することができるが、プリンタの構成としては、期間Aの2〜75%に設定することが好ましい。2%未満になると印字を行うのに十分なコントラスト(発光パワー)が確保し難く、75%を超える場合は光学系設計の公差を確保することが難しくなる。
【0058】
印加電圧は、EL素子1の発光しきい値電圧と、感光ドラム31に潜像形成するために必要な光パワーが得られるように設定すれば良く、発光しきい値電圧を超えるには200V以上あれば良い。
【0059】
ここで、電圧印加期間Cは、期間Aの約14%となる100μ秒に設定する。EL素子1の発光立下り時間(期間B)が長すぎると、図17(b)に示したように、感光ドラム31の表面に投影される光の形状(ドット)が縦長になり、印字速度が速くなるとドットが繋がってしまう。期間Cを定めた場合、期間Bは(A−C)以内に設定すれば、図17(b)のようにドットが繋がるようなことはない。
【0060】
そして、本実施例では、図4に示すように、100μ秒の期間C内おいて、EL素子1を71回連続的に駆動する。即ち正極性の電圧を36回、負極性の電圧を35回印加する。この場合、駆動電圧パルス幅は約1.4μ秒となる。尚、図4(a)はオシロスコープによって観測した駆動電圧波形であり、図4(b)はEL素子の発光出力を光電子増倍管で検出し、その出力電圧をオシロスコープによって観測した例である。従って、EL素子1は、電圧印加期間Cにおいて連続的に発光するようになり、EL素子アレイ33の光源として必要な光パワーが確保される。
【0061】
図5は、横軸にパルス幅1.4μ秒の駆動電圧の印加回数をとり、縦軸にEL素子1の発光出力(パワー)をとって示すものである。発光出力は光パワーメータにより測定したが、ここでは相対値で示すため無単位である。EL素子1では、電圧印加回数に応じて発光出力がリニアに増加していることが分かる。
【0062】
同図中には、発光層にZnS:Mnを用いたEL素子についても同様の測定を行った結果を示す。ZnS:Mn−EL素子では発光立下り時間が長いため、パルス幅1.4μ秒の駆動電圧を印加すると、その発光立下り時間内に次の駆動電圧が印加されることになる。従って、発光出力は電圧の印加回数に応じて加算されなくなっている。また、電圧の印加回数が少ない領域においてZnS:Mn−EL素子の発光出力がEL素子1よりも大きくなっているのは、長い発光立下り時間内において発光出力が観測されているためである。
【0063】
また、ドライバ43、44によってEL素子1の両端に印加される電圧は、EL素子1のクランプ電圧以上の電圧とするのが好ましい。即ち、EL素子1の発光層54は、印加電圧が所定レベルを超えると絶縁体的な振る舞いから抵抗体的な振る舞いをなすように変化する。即ち、EL素子1は、発光層54が上下から第1,第2の絶縁膜53,55により挟み込まれておりコンデンサと同様の構造をなしているから、その容量は、発光層54が絶縁体的に振舞っている場合はこれら3層分の厚さを有する絶縁体に応じたものとなる。
【0064】
そして、発光層54が抵抗体的に振舞うようになると、発光層54の分だけ絶縁体の厚さが減少することになるためEL素子1の容量が大きくなる。すると、EL素子1に蓄えられる電荷量が増加する。この臨界的な電圧がクランプ電圧である。EL素子1にクランプ電圧以上の電圧を印加すれば、その電圧が変動した場合でも発光出力の変動は小さくなるため、発光出力特性のばらつきは小さくなる。
【0065】
ここで、比較のため、図11にLEDを用いたプリンタヘッド100の構成例を示す。LEDユニット101は、シリコン基板上に形成されている複数のLED素子102を単位としてカットしたものである。そのLEDユニット101を複数個用意してプリント基板103上に配列し、ドライバ104と各ユニット101上のLED素子102とを1つずつ配線している。
【0066】
即ち、EL素子アレイ33に比較すると、複数のLEDユニット101をプリント基板103上に配列しドライバ104との配線接続を行う手間がかかると共に、隣接するLEDユニット101間の境界特性を調整する手間をも要する。これに対して本実施例のEL素子アレイ33を用いれば、組立て性が良好になると共に、調整に要する手間も不要となる。
【0067】
また、LEDは、電流を流すことで発光する素子であるため発熱が大きく、その熱によりプリント基板103が反るおそれがあり、光学系に歪が生じることも考えられるため、その分を吸収できるように設計に遊びを持たせる必要がある。これに対して、本実施例のEL素子アレイ33は、EL素子1が電圧駆動型であると共にガラス基板51を用いているので、基板51の反りはほとんど生じることはない。
【0068】
更に、本実施例のEL素子アレイ33は、駆動方式が従来のものとは異なるが、その駆動制御を行う制御回路42もガラス基板51上に搭載されているので、既存のLEDを用いたプリンタヘッド100と容易に置き換えることが可能である。
【0069】
以上のように本実施例によれば、発光立下り時間が短い特性を有するEL素子1をライン状に配置してなるEL素子アレイ33を用いて、光プリンタ30の光源として使用されるプリンタヘッド60を構成したので、プリンタヘッド60を光プリンタ30に組み込むことで、光プリンタ30の印字速度、或いは解像度を向上させることができる。
【0070】
また、EL素子アレイ33が発する光を、セルフォックレンズ34により集光して、感光ドラム31に投光するようにしたので、プリンタヘッド60を安価に構成することができる。
【0071】
そして、EL素子1の発光層54を構成する母体材料をSrSとして、発光中心材料をCeとしたので、両者の組合せによって発光立下り時間を十分に短くすることができると共に、より高い発光パワーを得ることができる。また、発光層54を、絶縁層53,55を介して第1電極52(走査電極9)と第2電極56(データ電極10)との間に挟み込むことで無機EL素子として構成したので、プリンタヘッド60として要求される形状に構成する場合に均一な特性を確保することが容易である。加えて、EL素子1は電圧駆動型の薄膜EL素子となるので、電流駆動型の有機EL素子に比較して発熱が問題となり難いため、設計が容易となる。
【0072】
また、データ電極10を抵抗値が低い金属(Al)で構成したので、データ電極10を細く形成することが可能である。また、データ電極10によって伝送される信号波形のなまりも小さくなるので、例えば発光の立上り応答(時間D)を高速にすることができる。
【0073】
更に、制御回路3は、1走査期間内において互いに極性が異なる走査電圧を走査電極9に交互に出力させると共に、両電圧の出力回数が異なるように、即ち、走査電圧の出力回数を奇数回とするので、データ電極10側の出力電圧制御と協働させることでEL素子1の両端に印加する電圧の極性を連続的に反転させることができる。加えて、各走査期間の最後に印加される電圧の極性も毎回反転させることができるので、EL素子1の発光を各走査期間毎に良好に行うことができ、且つ、EL素子1の特性変動を抑制して寿命を長期化することができる。
そして、ドライバ43,44は、EL素子1のクランプ電圧以上の駆動電圧を印加するので、発光出力特性のばらつきを小さくすることができる。
【0074】
尚、本来は、要求される発光パワーに相応する発光立下り時間を有したEL素子を使用することができれば理想的ではある。しかしながら、実際にはそのように理想的な特性を有する素子を目標通りに形成することができるとは限らない。そこで、本実施例のような駆動方式を採用すれば、少なくとも製品の仕様によって要求される時間よりも短い発光立下り時間を有するEL素子を形成することができれば、駆動電圧の印加回数によって必要な発光パワーが適宜得られるように調整することが可能となる。
【0075】
(第2実施例)
図12及び図13は本発明の第2実施例を示すものであり、第1実施例と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、以下異なる部分についてのみ説明する。発明者らは、発光層54の成膜後、若しくは、第2絶縁層55の成膜後に、800℃で0.5時間〜6時間程度の熱処理(アニール)を行うことで、EL素子1の発光出力が顕著に上昇することを確認した(図12参照)。
【0076】
そして、図13に示すように、第2実施例におけるEL素子1Aについては、第2絶縁層55の成膜後に800℃で3時間程度の熱処理を行っている。但し、このように熱処理を行う場合は、ガラス基板51に代えて、より耐熱性が高い基板、例えばセラミック基板57を用いるようにする。その他、石英やアルミナ基板などを用いても良い。
【0077】
以上のように第2実施例によれば、発光層54Aに、形成後に800℃で熱処理されたものを用いたので、EL素子1Aの発光出力特性を向上させることができる。そして、熱処理された発光層54Aを備えたEL素子1Aを用いることで、プリンタヘッド60の発光パワーをより高めることができる。
【0078】
(第3実施例)
図14は本発明の第3実施例を示すものである。図14は、横軸にEL素子1に対する駆動電圧の印加回数をとり、縦軸にEL素子1のクランプ電圧をとってあらわしている。同図から明らかなように、クランプ電圧は、駆動電圧の印加回数が増加すると、それに応じて低くなる傾向を示す。
【0079】
そこで、制御回路42は、駆動電圧の印加回数に応じてドライバ43、44により出力される駆動電圧レベルを、クランプ電圧のレベルに応じて変化させるようにする。斯様に構成すれば、駆動電圧の印加回数に応じて当該電圧が最適となるように、即ち、クランプ電圧を僅かに上回るように調整することができるので、不要に高い電圧をEL素子1に印加することがなく、消費電力を抑制することができる。
【0080】
(第4実施例)
図15は本発明の第4実施例を示すものであり、第1実施例と異なる部分についてのみ説明する。第4実施例は、第1実施例と同様にEL素子をプリンタヘッドに適用した場合であるが、電極の構造が異なっている。説明を簡単にするため、15個のEL素子1をライン状に配列することを想定する。第2実施例のEL素子アレイ33と同様に構成する場合は、1本の走査電極9と15本のデータ電極10とが交差する位置にEL素子1を形成すれば良い。
【0081】
第2実施例では、図15に示すように、3(=m)本の走査電極47と、5(=n)本のデータ電極48とが交差する位置にEL素子1を形成する。即ち、5本のデータ電極48を、図15中下端側と上端側とで夫々180度折り曲げることでクランク状に形成する。そして、3本の走査電極47(1)〜47(3)の夫々が、5本のデータ電極48と1回ずつ交差するようにして、直線状に配置する。
【0082】
以上のように構成した第4実施例によれば、必要なドライバの出力数は(3+5=)8本であるが、第4実施例のEL素子アレイ33の場合は(1+15=)16本となる。従って、斯様に構成すれば、必要となるドライバの出力数を削減することができる。そして、その出力端子数に応じてドライバの内部に個別の駆動源が必要となる場合は、プリンタヘッドを小型化することができる。また、この場合、配置されるEL素子1の数が多くなるほどそのメリットは増大する。
尚、第4実施例の構成では走査電極47は3本であるが、これらは各走査周期において同時に走査電圧を出力するように制御回路によって制御されることは言うまでもない。
【0083】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
EL素子の発光立下り時間は、700μ秒以下であっても良い。即ち、上述したように、現在の製品水準において十分高速であると評価される印字速度を満たすのに必要とされるEL素子の発光立下り時間は約700μ秒である。
また、光プリンタについて設定する印字速度が個別の設計に応じて異なる場合は、夫々のケースに応じて最適となる発光立下り時間であれば良い。
【0084】
そして、EL素子に対する駆動電圧の印加回数は、発光立下り時間と、個別の設計により要求される仕様に応じて適宜設定すれば良い。
発光層の発光中心材料を、Ceに代えてEu(ユウロピウム)を用いても良い。また、母体材料として、SrSに代えてZnSを用いても良い。或いは、これらの材料以外でも、必要な発光立下り時間が得られるものであれば良い。
EL素子の特性変動が問題とならない場合には、駆動電圧の出力回数を偶数回として、図1(b)に示すパターンで駆動電圧を印介しても良い。
データ電圧(駆動電圧)の極性を交互に変化させることで、同様の制御を行っても良い。
第2実施例における発光層の熱処理温度または時間は、発酵層の材料の種類やEL素子に要求される発光出力などに応じて適宜設定すれば良い。
【0085】
EL素子の絶縁層に、例えばPZT(白金−ジルコニウム−チタンの酸化物)などの高誘電率材料を用いても良い。即ち、高誘電率材料を用いると絶縁層の静電容量が大きくなるので、それに伴ってEL素子の発光出力を向上させることができる。
例えば、輝度L[Cd]は、以下の計算式によって定めることができる。
L=0.085×C×e0.001168(t-884)×f0.888
ここで、Cは絶縁層の容量[pF],tは発光層の膜厚[nm],fは駆動電圧の印加周波数である。また、輝度と光パワーには相関関係があることを確認している。
本発明のプリンタヘッドは、光プリンタのみに適用されるものではなく、その他、同様な電子写真技術を利用する複写機やファクシミリ装置などにも適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であり、(a)はEL素子に印加する駆動電圧波形、(b)はEL素子の発光強度を示す図
【図2】(a)はパルス幅5μ秒の駆動電圧波形、(b)は実際のEL素子の発光を光電子増倍管により検出し、その出力電圧波形をオシロスコープで観測したものを示す図
【図3】(a)は本実施例におけるEL素子に対する駆動電圧印加パターン、(b)は駆動電圧の印加回数が偶数である場合のパターン(その1)、(c)は駆動電圧の印加回数が偶数である場合のパターン(その2)を原理的に示す図
【図4】実際に駆動電圧を連続的に印加した場合の電圧波形を示す図2相当図
【図5】横軸にパルス幅1.4μ秒の駆動電圧の印加回数をとり、縦軸にEL素子の発光出力(パワー)をとって示す図
【図6】印加電圧に応じてEL素子に蓄えられる電荷量が変化する状態を示す図
【図7】(a)はEL素子アレイの半導体的構造を示す平面図,(b)は(a)のA−A断面を模式的に示す図
【図8】光プリンタの要部構造を概略的に示す図
【図9】プリンタヘッド及び感光ドラムを中心として示す斜視図
【図10】EL素子アレイを用いて構成したプリンタヘッドの一部を示す図
【図11】LEDを用いたプリンタヘッドの構成例を示す図
【図12】本発明の第2実施例を示すもので、横軸にEL素子の発光層を熱処理した温度をとり、縦軸にEL素子の光パワーをとって示す図
【図13】図7相当図
【図14】本発明の第3実施例であり、駆動電圧の印加回数に応じてEL素子のクランプ電圧が変化する状態を示す図
【図15】本発明の第4実施例を示す図10相当図
【図16】従来技術を示すもので、発光層にZnS:Mnを用いたEL素子についての図1相当図
【図17】(a)は、円形のドット及び楕円形のドットを1ドット印字した場合、(b)はそれらのドットを1ドットおきに印字した例を示す図
【符号の説明】
1,1AはEL素子、9は走査電極、10はデータ電極、30は光プリンタ、33はEL素子アレイ、42は制御回路、43は走査側ドライバ(駆動回路)、44はデータ側ドライバ(駆動回路)、47は走査電極、48はデータ電極、53は第1絶縁膜、54,54Aは発光層、55は第2絶縁膜、56は第2電極(金属電極),57はセラミック基板、60はプリンタヘッドを示す。
Claims (13)
- EL素子をライン状に配置して構成されるプリンタヘッドにおいて、
前記EL素子は、
発光層が絶縁層を介して電極の間に挟み込まれる構造をなす無機EL素子であり、
前記絶縁層に、比誘電率が1000以上である高誘電率材料を用い、
発光立下り時間が700μ秒以下であるものを用いて構成し、
走査電極及びデータ電極を夫々複数備え、
前記複数の走査電極は、ライン状に配置され、
前記複数のデータ電極の夫々は、電極を折り曲げてクランク状に形成されることで前記複数の走査電極の夫々に1回ずつ交差するように配置されており、
前記EL素子は、両電極が交差する位置にライン状に配置されていることを特徴とするプリンタヘッド。 - 前記発光層を構成する母体材料は、SrSであることを特徴とする請求項1記載のプリンタヘッド。
- 前記発光層を構成する発光中心材料は、Ceであることを特徴とする請求項2記載のプリンタヘッド。
- 前記発光層を構成する発光中心材料は、Euであることを特徴とする請求項2記載のプリンタヘッド。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のプリンタヘッドの発光を制御するための発光制御装置であって、
前記EL素子を、光プリンタの1走査期間内において複数回発光させるように制御する制御回路を備えたことを特徴とするプリンタヘッドの発光制御装置。 - 前記EL素子の両端に、互いに極性が異なる第1駆動電圧,第2駆動電圧を印加可能に構成される駆動回路を備え、
前記制御回路は、前記1走査期間内において、前記駆動回路に前記第1及び第2駆動電圧を交互に出力させるように制御することを特徴とする請求項5記載のプリンタヘッドの発光制御装置。 - 前記制御回路は、前記1走査期間内における前記第1駆動電圧と前記第2駆動電圧の出力回数が異なるように制御することを特徴とする請求項6記載のプリンタヘッドの発光制御装置。
- 前記制御回路は、前記駆動回路によって前記EL素子に印加される駆動電圧を、当該電圧の印加回数に応じて低下させることを特徴とする請求項6又は7記載のプリンタヘッドの発光制御装置。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のプリンタヘッド、または請求項5乃至8の何れかに記載のプリンタヘッドの発光制御装置を備えて構成されることを特徴とする光プリンタ。
- 請求項1乃至4の何れかに記載のプリンタヘッドの発光を制御するための発光制御方法であって、
前記EL素子を、光プリンタの1走査期間内において複数回発光させることを特徴とするプリンタヘッドの発光制御方法。 - 前記EL素子の両端に、前記1走査期間内において、互いに極性が異なる第1駆動電圧,第2駆動電圧を印加するように制御することを特徴とする請求項10記載のプリンタヘッドの発光制御方法。
- 前記1走査期間内における前記第1駆動電圧と前記第2駆動電圧の出力回数が異なるように制御することを特徴とする請求項11記載のプリンタヘッドの発光制方法。
- 前記EL素子に印加する駆動電圧を、当該電圧の印加回数に応じて低下させることを特徴とする請求項10乃至12の何れかに記載のプリンタヘッドの発光制御方法。
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