JP3799775B2 - 出力バッファ回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能回路ブッロクの最終段等に設けられ、入力信号を同位相で出力する出力バッファ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3および図4に、CMOS集積回路における従来の出力バッファ回路を例示する。ここで、図3はnチャネル型MOSトランジスタ(nMOSトランジスタ)から出力を取り出す場合、図4はpチャネル型MOSトランジスタ(pMOSトランジスタ)から出力を取り出す場合である。
【0003】
図3に示す出力バッファ回路30は、カレントミラー形構成であり、出力用のnMOSトランジスタM1とpMOSトランジスタM2、これら出力用トランジスタM1,M2に所定のミラー電流i3を流すことによって当該出力回路の駆動能力を定める電流源I3、及び電流源I3の負荷として出力用トランジスタM1,M2と対称に設けられたnMOSトランジスタM3とpMOSトランジスタM4から構成されている。なお、図3中、T3inは入力端子、T3out は出力端子を示す。
【0004】
電源電圧VDDの供給線(VDD線5)と接地線6との間に、出力用nMOSトランジスタM1と出力用pMOSトランジスタM2が直列接続され、両トランジスタの接続ノードが出力端子T3out に接続されている。
同じくVDD線5と接地線6との間に、nMOSトランジスタM3、pMOSトランジスタM4、及び電流源I3が直列接続されている。nMOSトランジスタM3は、前記出力用nMOSトランジスタM1とゲート同士が接続され、その接続ノードが入力端子T3inに接続されている。また、pMOSトランジスタM4は前記出力用pMOSトランジスタM2とゲート同士が接続され、そのゲート同士の接続ノードがpMOSトランジスタM4のドレインに接続されている。なお、MOSトランジスタM1〜M4の基板またはウェルは、それぞれソースに接続されている。
【0005】
図4に示す出力バッファ回路40の基本的な構成は、図3の場合と同様である。すなわち、出力バッファ回路40は、同じくカレントミラー形構成であり、出力用nMOSトランジスタM1とpMOSトランジスタM2、これら出力用トランジスタM1,M2に所定のミラー電流i4を流すことによって当該出力回路の駆動能力を定める電流源I4、及び電流源I4の負荷として出力用トランジスタM1,M2と対称に設けられたnMOSトランジスタM3とpMOSトランジスタM4から構成され、入力端子T4in、出力端子T4out を備える。
また、VDD線5,接地線6および出力端子T4out に対する、これら4つのMOSトランジスタM1〜M4および電流源I4の接続関係も図3の場合と同様である。すなわち、VDD線5と接地線6との間に、出力用nMOSトランジスタM1と出力用pMOSトランジスタM2が直列接続され、両トランジスタの接続ノードが出力端子T4out に接続されている。また、同じくVDD線5と接地線6との間に、nMOSトランジスタM3、pMOSトランジスタM4、及び電流源I4が直列接続されている。
さらに、nMOSトランジスタM1,M3のゲート同士、pMOSトランジスタM2,M4のゲート同士が相互に接続されていること、MOSトランジスタM1〜M4の基板またはウェルがそれぞれソースに接続されていることは、図3の場合と同じである。
【0006】
この図4に示す出力バッファ回路40は、図3の場合と異なり、入力端子T4inがnMOSトランジスタM1,M3のゲート同士の接続ノードではなく、pMOSトランジスタM2,M4のゲート同士の接続ノードに接続されている。また、ゲートとドレインが短絡されているのは、pMOSトランジスタM4ではなく、nMOSトランジスタM3である。
【0007】
このようなカレントミラー構成の出力バッファ回路30,40では、電流源I3,I4で流す電流i3またはi4と同じミラー電流が出力用トランジスタM1,M2に流れ、入力信号が同位相で出力用トランジスタM1またはM2から出力される。
これら出力バッファ回路30,40は、例えば、CMOS集積回路における機能回路ブロックの最終段に設けられ、前段までで所定の処理が施された信号を同位相で高速に出力し、当該機能回路ブロックの出力インピーダンスを下げたい場合に用いられる。
【0008】
これと同じ構成の出力バッファ回路は、nMOSトランジスタM1,M3をnpn型のバイポーラトランジスタで置き換え、pMOSトランジスタM2,M4をpnp型のバイポーラトランジスタで置き換えることにより、バイポーラ集積回路において実現可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようにpチャネル型又はnチャネル型の出力トランジスタ(例えば、図3のM1または図4のM2)をソースフォロア(又はエミッタフォロア)として用いる出力バッファ回路では、nチャネル型の出力トランジスタをソースフォロアに用いた場合は、入力信号電圧に対する出力信号電圧が低下し、pチャネル型の出力トランジスタをソースフォロアに用いた場合は、入力信号電圧に対する出力信号電圧が上昇し、この結果、当該出力バッファ回路のダイナミックレンジが狭くなるといった不利益がある。
【0010】
たとえば、図3に示す出力バッファ回路30では、その入力端子T3inに入力信号が印加され、その入力信号のある時間の電圧をVin、出力用nMOSトランジスタM1のゲート閾値電圧をVthM1とすると、入力電圧Vinに対応して出力端子T3out に現れる出力信号の電圧Vout は次式で表され、入力電圧Vinに対する出力電圧値Vout の低下は明らかである。
【0011】
【数1】
Vout =Vin−VthM1 …(1)
【0012】
かかる不都合が生じうるのは、出力用MOSトランジスタがp型である図4の場合も同様であり、この場合の出力用pMOSトランジスタM2のゲート閾値電圧をVthM2とすると、上記(1)式と同様な次式が成り立つ。
【0013】
【数2】
Vout =Vin+VthM2 …(2)
【0014】
とくに、かかる出力バッファ回路を後段の機能素子などを駆動するドライバーIC等、その出力ダイナミックレンジが重要なファクターであるICに用いた場合、当該出力バッファ回路の出力ダイナミックレンジの低下は重大となる。したがって、出力バッファ回路の出力ダイナミックレンジ低下を有効に低減する、或いは防止するといった改善手段が、従来から強く望まれていた。
【0015】
本発明は、このような実情に鑑みてなされ、入力電圧に対し出力電圧が変化することを有効に防止して、出力ダイナミックレンジがひろい出力バッファ回路を新たに提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術の問題点を解決し、上記目的を達成するために、本発明の出力バッファ回路は、入力端子を介して制御電極に印加される入力電圧を、制御電極以外の2つの電極のうち一方電極から出力する出力用トランジスタと、前記入力端子と前記制御電極との間に接続され、入力端子に印加される入力電圧を一方のキャパシタ電極で保持する電圧保持キャパシタと、前記電荷保持キャパシタの他方電極と基準電圧供給線との間に接続されているダイオード接続トランジスタと、前記他方電極と前記基準電圧供給線との間に、前記ダイオード接続トランジスタと並列に接続されているスイッチと、前記スイッチ又は前記ダイオード接続トランジスタに一定電流を流す電流源とを有することを特徴とする。
好適には、前記入力端子と前記電圧保持キャパシタとの間に、前記一方電極に入力電圧が印加される前は導通し、印加後に遮断する入力遮断スイッチを有する。
【0017】
前記ダイオード接続トランジスタは、前記出力用トランジスタとチャネル導電型またはトランジスタサイズが同じとするのが望ましい。
また、前記スイッチは、前記出力用トランジスタと前記ダイオード接続トランジスタがnチャネル型の場合、前記入力遮断スイッチの遮断前は導通し、前記入力遮断スイッチと同時か若干遅れて遮断するように制御される。逆にpチャネル型の場合、前記スイッチは、最初遮断し、前記入力遮断スイッチの遮断と同時か若干遅れて導通するように制御される。
【0018】
このような構成の出力バッファ回路では、前記出力用トランジスタとダイオード接続トランジスタがnチャネル型の場合、その入力端子に入力信号が印加される前では、前記電圧調整部内のスイッチが導通し、前記電流源による一定電流が当該スイッチを介して基準電圧供給線に流れるので、前記電荷保持キャパシタの他方電極が基準電圧(例えば、0V)で保持されている。
この状態で、入力端子に印加された入力信号が電荷保持キャパシタの一方電極に伝わると、前記入力遮断スイッチが導通状態から遮断状態に遷移し、これと同時か若干遅れて電圧調整部内のスイッチも遮断する。すると、電流源による一定電流の経路がスイッチ側からダイオード接続トランジスタ側に切り換わる。このダイオード接続トランジスタを、その等価ダイオードの向きが電荷保持キャパシタから基準電圧供給線に向かうように予め接続しておくと、電荷保持キャパシタの他方電極の電位が基準電位から当該ダイオード接続トランジスタのしきい値電圧だけ上昇する。このため、電荷保持キャパシタの一方電極で保持された入力信号の電圧が前記ダイオード接続トランジスタのしきい値電圧分だけ上昇し、後段回路側に伝達される。
出力用トランジスタの電圧変化がそのしきい値電圧で決まり、出力用トランジスタがnチャネル型の場合、入力電圧に対して出力電圧が低下する一方で、入力電圧が前記ダイオード接続トランジスタのしきい値電圧分だけ上昇することから、この電位差が低減する。この場合、特にダイオード接続トランジスタのしきい値を出力用トランジスタのしきい値電圧と同じに設定すると、入力電圧に対する出力電圧の変化による出力ダイナミックレンジの低下を完全に防止できる。
【0019】
一方、前記出力用トランジスタとダイオード接続トランジスタがpチャネル型の場合は、そのゲートしきい値分だけ後段回路における出力電圧が入力電圧に対して上昇するので、電圧調整部内のスイッチのON/OFFを入力遮断スイッチに対して上記の場合と逆に制御し、出力用トランジスタによる電圧変化を低減又は相殺させる。
【0020】
この入力電圧に対し出力電圧の変化を完全に防止するには、出力用トランジスタとダイオード接続トランジスタ間のしきい値電圧について、その変動方向と変動量を揃える必要がある。具体的には、前記ダイオード接続トランジスタと出力用トランジスタのチャネル導電型とサイズを揃えるとよい。一般に、トランジスタのしきい値電圧はウェーハ内で場所依存性があり、ウェーハ全体では大きく変動していても局所的には殆ど揃っているので、電圧調整部を有する当該出力バッファ回路では、両トランジスタのチャネル導電型とサイズを揃えるだけで出力電圧の低下を完全に防止し、出力のダイナミックレンジを最大にすることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
出力バッファ回路は種々の形態が存在するが、ここでは、従来技術で例示したカレントミラー形の出力バッファ回路に改良を加えた場合を例として、以下、本発明の出力バッファ回路を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
第1実施形態
図1は、本実施形態に係る出力バッファ回路を示す回路図である。
【0023】
この出力バッファ回路1は、大別すると、カレントミラー形の出力部、サンプルホールド入力部、及び電圧調整部とから構成されている。
カレントミラー形の出力部は、出力用のnMOSトランジスタM1とpMOSトランジスタM2、電流源I3、及び電流源負荷用のnMOSトランジスタM3とpMOSトランジスタM4から構成されている。
サンプルホールド入力部は、入力遮断スイッチS1、及び電荷保持キャパシタCから構成されている。
電圧調整部は、ダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5、電流制御用スイッチS2、及び電流源Iから構成されている。
また、T1inとT1out は当該オフセット補償回路1の入力端子と出力端子、5と6は電源電圧VDDの供給線(VDD線)と基準電圧の供給線(例えば、接地線)を示す。
なお、カレントミラー形の出力部は、その構成および動作が図3に示し先に従来例として説明した出力バッファ回路30と何ら変わらないので、ここでの説明は省略する。
【0024】
入力遮断スイッチS1は、当該出力バッファ回路1の入力端子T1inと出力端子T1out との間に接続され、当該入力遮断スイッチS1と出力端子T1out との接続ノードNDaに電圧保持キャパシタCの一方電極が接続されている。
電圧保持キャパシタCの他方電極と接地線6との間に、ダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5と、電流制御用スイッチS2とが並列に接続されている。また、当該電圧保持キャパシタCの他方電極側の接続ノードNDbとVDD線5との間に、電流源Iが接続されている。
なお、当該出力バッファ回路1は、入力遮断スイッチS1と電圧保持キャパシタCからなるサンプルホールド回路の基本構成を備えていることから、ダイナミックレンジを改善したバッファ出力段を備えたサンプルホールド回路といった範疇で捉えることもできる。この場合に入力遮断スイッチS1は必須であるが、それ以外の場合で、かつ当該出力バッファ回路1の前段に接続される回路の出力インピーダンスをその回路動作により高くでき、それによって電圧保持キャパシタCによる電荷保持に支障をきたさなければ、入力遮断スイッチS1を省略することも可能である。
【0025】
ダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5は、そのドレインとゲートが短絡され、これによりダイオード接続が達成されている。このダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5は、バッファ出力部の出力用nMOSトランジスタM1と同じトランジスタサイズを有し、望ましくは同一基板内の近接箇所に同一プロセスを経て同時形成される。
また、ダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5は、出力バッファ回路30のトランジスタと同様、そのソースと基板又はウェルとが短絡されている。
【0026】
つぎに、当該出力バッファ回路1の動作について説明する。
初期状態では、入力遮断スイッチS1が導通し、電荷保持キャパシタCの一方電極側ノードNDaは入力端子T1inに接続される。また、電流制御用スイッチS2が導通し、電流源Iによる一定電流iは電流制御用スイッチS2を介して接地線6に流れる。このため、電荷保持キャパシタCの他方電極側ノードNDbの電位Vbは基準電圧(例えば、接地電位GND)で保持され、ダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5のソースとドレイン間に電圧がかからず当該トランジスタM5はオフしている。
【0027】
入力端子T1inに入力信号が印加され、これが電荷保持キャパシタCの一方電極に伝わると、このときの入力信号の電圧値VinがノードNDaに保持され、その電位Vaは次式を満たす。
【0028】
【数3】
Va=Vin …(3)
【0029】
この後直ぐに入力遮断スイッチS1がオフされるが、この(3)式の電位Vaは、ホールド容量CによりスイッチS1のオフ後も維持される。
また、このホールド電位Vaは、バッファ出力部に伝わる。このときの入力端子T3inの入力電圧をVin、出力端子T3out に現れる出力電圧をVout とすると、前記(1)式より次式が成り立つ。
【0030】
【数4】
Vout =Vin−VthM1
=Va−VthM1 …(4)
【0031】
入力遮断用スイッチS1のオフと同時か若干遅れて、電流制御用スイッチS2もオフされ、電流源Iによる一定電流iがダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5を流れる。このダイオード接続されたnMOSトランジスタM5に一定電流iが流れると、その等価ダイオードの順方向電圧、即ちnMOSトランジスタM5のゲート閾値電圧だけ電圧降下があるので、ノードNDbの電位Vbは、基準電圧よりゲート閾値電圧だけ上昇する。これにともなって、ノードNDaの電位Vaも同じ量だけ上昇する。
ここで、ダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5のゲート閾値電圧をVthM5とすると、ノードNDb,ノードNDaの上昇後の電位は次式の如くなる。
【0032】
【数5】
Vb=VthM5 …(5-1)
Va=Vin+VthM5 …(5-2)
【0033】
この(5-2) 式を前記(4)式に代入すると、当該バッファ出力部の出力電圧Vout が次式の如く得られる。
【0034】
【数6】
Vout =Vin+(VthM5−VthM1) …(6)
【0035】
ここで、バッファ出力部の出力用nMOSトランジスタM1のゲート閾値電圧VthM1のバラツキ成分を(±ΔVthM1)、ダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5のゲート閾値電圧VthM5のバラツキ成分を(±ΔVthM5)とする。
これらバラツキ成分を考慮して上記(6)式を書き改めると次式の如くなる。
【0036】
【数7】
Vout =Vin+(VthM5±ΔVthM5)−(VthM1±ΔVthM1)…(7)
【0037】
ところで、一般にMOSトランジスタのゲート閾値電圧Vthは、ソースとバックゲート(基板又はウェル)間電圧VBSの依存性をもち、次式で表される。
【0038】
【数8】
Vth=B×(VBS)1/2 +φ …(8)
ここで、Bおよびφは物理定数,不純物濃度,仕事関数等で与えられる所定係数である。
【0039】
本例の出力バッファ回路1の出力用nMOSトランジスタM1,オフセット補償用nMOSトランジスタM5の基板又はウェルは、それぞれのソースに接続されているため、(8)式においてソースとバックゲート間電圧VBS=0となる。
また、一般に、同一チップ内の同一サイズのnMOSトランジスタにおいて、そのレイアウト位置が近接していれば、不純物濃度分布はほぼ均一であることが知られている。当然、物理定数、仕事関数も等しくなる。したがって、この場合の上記(8)式における定数Bおよびφはほぼ等しくなる。
【0040】
実際のIC設計において、図1に示す出力用nMOSトランジスタM1とダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5とを設計上、同じサイズで同じパターンの同一デバイスとし、回路的に、それぞれのソースとバックゲート間を短絡しVBS=0とした上で近接パターンレイアウトを行う。このときの出力用nMOSトランジスタM1のゲート閾値電圧VthM1(設計中心値)と、ダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5のゲート閾値電圧VthM5(設計中心値)は、等しく見積もることができる。
そして、IC製造過程において出力用nMOSトランジスタM1とダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5とを同一基板上に一括形成する。この製造過程において、ゲート閾値電圧は設計値からずれることが多い。両トランジスタが離れているかサイズが異なればゲート閾値電圧の相違は無視できないが、この場合、出力用nMOSトランジスタM1とダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5とは設計上、近接パターンレイアウトされた同一デバイスであることから、両トランジスタのゲート閾値電圧がばらつく方向と量はほぼ等しい。
【0041】
この結果、出力用nMOSトランジスタM1のゲート閾値電圧ΔVthM1のバラツキ成分(±ΔVthM1)と、ダイナミックレンジ改善用nMOSトランジスタM5のゲート閾値電圧VthM5のバラツキ成分(±ΔVthM5)とは、同等であると見積もることができる。
よって、(VthM5±ΔVthM5)≒(VthM1±ΔVthM1)となり、この関係を前記(7)式に適用すれば次式が成り立つ。
【0042】
【数9】
Vout ≒Vin …(9)
【0043】
すなわち、本実施形態の出力バッファ回路1は、その内蔵スイッチS1,S2を適宜制御するだけで、その入力電圧Vinに対する出力電圧Vout の低下量がゼロになり、この結果、当該の出力バッファ回路1の出力ダイナミックレンジが最大となる。
【0044】
なお、上記説明では、設計上、同一デバイスを近接したパターンレイアウトとすることでゲート閾値電圧を揃えることを条件としたが、この設計上の条件を満たすことができない、製造条件を同じにできない、或いは設計および製造条件は同じでも実際に作ってみるとゲート閾値電圧差があり、これが無視できない場合にあっては、出力ダイナミックレンジを最大にはできないまでも、本実施形態の出力バッファ回路1では、ダイナミックレンジが改善される効果を少なくとも得ることができる。
また、入力電圧に対し出力電圧が低下する出力バッファ回路を複数持つICを考えた場合、その回路ごとに本発明における改良を加えれば、個々の出力バッファ回路において出力低下が低減又は完全に防止され、当該ICの出力のダイナミックレンジが大きく低下するといった従来の問題を回避することが可能となる。さらに、複数の出力バッファ回路の各出力電圧を入力信号として用いる後段回路がある場合、その後段回路の各入力信号間のバラツキが抑えられ、当該後段回路が誤動作することがない。
【0045】
第2実施形態
本実施形態は、出力MOSトランジスタにp型を用いた前記図4の出力バッファ回路40を改良した場合を例とした、本発明の出力バッファ回路の他の形態について示すものである。
図2は、本実施形態に係る出力バッファ回路を示す回路図である。
【0046】
この出力バッファ回路2が第1実施形態の出力バッファ回路1と異なる点は、ダイナミックレンジ改善用トランジスタM6のチャネル導電型がp型であることである。
その他の構成、即ち入力遮断スイッチS1、電荷保持キャパシタC、電流制御用スイッチS2、電流源Iを有すること、及びダイナミックレンジ改善用pMOSトランジスタM6を含む各構成間の接続関係は、pMOSトランジスタM6のゲートが基準電圧の供給線6に接続されていることを除き、第1実施形態と同じである。また、ダイナミックレンジ改善用pMOSトランジスタM6はゲートとドレインがダイオード接続のため短絡され、ソースが基板又はウェルに接続されていることは、第1実施形態と同様である。このダイナミックレンジ改善用pMOSトランジスタM6は、バッファ出力部の出力用pMOSトランジスタM2と同じトランジスタサイズを有し、望ましくは同一基板内の近接箇所に同一プロセスを経て同時形成される。ここで、T2inとT2out は当該出力バッファ回路2の入力端子と出力端子、5と6は電源電圧VDDの供給線(VDD線)と基準電圧の供給線(例えば、接地線)を示す。
なお、バッファ出力部の構成および動作は、先の従来例(図4)の場合と同様なので、ここでの説明は省略する。
【0047】
このような構成の出力バッファ回路2の基本的な動作は、入力遮断スイッチに対する電流制御用スイッチS2のON/OFFの制御が逆であることを除き、先の第1実施形態と同様である。すなわち、電流制御用スイッチS2は、最初に入力遮断用スイッチS1がオンしているときはオフし、S1がオフと同時か若干遅れてオンする。
これは、本例の出力用pMOSトランジスタM2が出力端子T4out のGND側に接続され、そのゲート閾値電圧VthM2だけ出力電圧Vout(40) が入力電圧Vin(40)より高くなるので、これを低減またはキャンセルするために、電流制御用スイッチS2をオフからオンにスイッチングすることによってキャパシタCの他方電極(又はノードNDb)の電位をpMOSトランジスタM6のゲート閾値電圧VthM6だけ引き下げるためである。
【0048】
以上の理由から本実施形態では、第1実施形態におけるゲート閾値電圧VthM1を出力用pMOSトランジスタM2のゲート閾値電圧(−VthM2)に、ゲート閾値電圧VthM5をダイナミックレンジ改善用pMOSトランジスタM6のゲート閾値電圧(−VthM6)に置き換え、又、第1実施形態におけるバラツキ成分(±ΔVthM1)と(±ΔVthM5)を、それぞれVthM2のバラツキ成分(±ΔVthM2)とVthM6のバラツキ成分(±ΔVthM6)に置き換えることによって、上記第1実施形態における動作説明をそのまま適用できる。
【0049】
つまり、第1実施形態における(5)式,(6-2) 式,(7)式は、それぞれ次に示す(10)式,(11)式,(12)式の如くになる。
また、第1実施形態における(8)式は本例において次の(13)式の如くなる。
【0050】
【数10】
Vout(40) =Vin(40)+VthM2
=Va +VthM2 …(10)
Va =Vin−VthM6 …(11)
Vout(40) =Vin+(VthM2−VthM6) …(12)
Vout(40) =Vin+(VthM2±ΔVthM2)−(VthM6±ΔVthM6)…(13)
ここで、Vout は当該出力バッファ回路2の出力端子T4out に現出する出力電圧、Vinは当該出力バッファ回路2の入力端子T2inに印加される入力信号のホールド電圧を示す。
【0051】
実際のIC設計において、図2に示す出力用pMOSトランジスタM2とダイナミックレンジ改善用pMOSトランジスタM6とを設計上、同じサイズで同じパターンの同一デバイスとし、回路的に、それぞれのソースとバックゲート間を短絡しVBS=0とした上で近接パターンレイアウトを行うとすれば、両トランジスタのゲート閾値電圧の設計値を同じに見積ることができる。また、IC製造過程において両トランジスタM2,M6を同一基板上に一括形成すると、この製造過程におけるゲート閾値電圧のずれ方、即ちゲート閾値電圧がばらつく方向と量は両トランジスタM2,M6間でほぼ等しい。
【0052】
この結果、第1実施形態と同様に、(VthM6±ΔVthM6)≒(VthM2±ΔVthM2)となり、この関係を前記(13)式に適用すれば、出力バッファ回路2の入力電圧Vinに対する出力電圧Vout の低下が完全に防止され、第1実施形態と同く前記(9)式の結論式が得られる。
【0053】
本実施形態の出力バッファ回路2によって、第1実施形態と同様な効果が得られる。すなわち、本出力バッファ回路2では、入力電圧Vinに対する出力電圧Vout の変化が低減され或いはほぼ完全に防止され、この結果、出力のダイナミックレンジが改善(拡大)される。また、本出力バッファ回路2を複数用いる場合、それぞれ入力電圧に対して出力電圧が変化する複数の出力バッファ回路によってICの出力が大きくばらつく、或いは値がばらついた複数の出力バッファ回路の出力を入力信号とするため後段回路が誤動作するといった従来の問題を回避することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る出力バッファ回路によれば、電荷保持キャパシタ(及び入力遮断スイッチ)によるサンプルホールド機能を有し、かつ、例えばダイナミックレンジ改善用のダイオード接続トランジスタ、電流源、及びスイッチを備えることから、キャパシタの保持電圧を、後段回路の出力低下を低減または完全に防止する方向に調整することができる。そのため、当該出力バッファ回路の出力のダイナミックレンジを拡大し、また容易に最大化できる。
また、本発明の出力バッファ回路を複数用いた場合、複数の出力バッファ回路の各出力ダイナミックレンジの改善を図り、或いは出力のバラツキをなくすことによって、これら複数出力を入力する後段回路の誤動作を有効に防止したり、複数の出力バッファ回路を内蔵するIC出力のダイナミックレンジを大幅に改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る出力バッファ回路を示す回路図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る出力バッファ回路を示す回路図である。
【図3】CMOS集積回路においてnMOSトランジスタから出力を取り出す構成の従来の出力バッファ回路を示す回路図である。
【図4】CMOS集積回路においてpMOSトランジスタから出力を取り出す構成の従来の出力バッファ回路を示す回路図である。
【符号の説明】
1,2…出力バッファ回路、5…電源電圧VDDの供給線、6…基準電位(例えば、接地電位GND)の供給線、30,40…従来の出力バッファ回路、M1,M2…出力用トランジスタ、M3,M4…電流源負荷用トランジスタ、M5,M6…ダイナミックレンジ改善用トランジスタ、C…電圧保持キャパシタ、I,I3,I4…電流源、S1…入力遮断スイッチ、S2…電流制御用スイッチ(スイッチ)、T1in,T2in等…入力端子、T1out ,T2out 等…出力端子、Vin…入力電圧、Vout …出力電圧。

Claims (7)

  1. 入力端子を介して制御電極に印加される入力電圧を、制御電極以外の2つの電極のうち一方電極から出力する出力用トランジスタと、
    前記入力端子と前記制御電極との間に接続され、入力端子に印加される入力電圧を一方のキャパシタ電極で保持する電圧保持キャパシタと、
    前記電荷保持キャパシタの他方電極と基準電圧供給線との間に接続されているダイオード接続トランジスタと、
    前記他方電極と前記基準電圧供給線との間に、前記ダイオード接続トランジスタと並列に接続されているスイッチと、
    前記スイッチ又は前記ダイオード接続トランジスタに一定電流を流す電流源と、
    を有する出力バッファ回路。
  2. 前記入力端子と前記電圧保持キャパシタとの間に、前記一方のキャパシタ電極に入力電圧が印加される前は導通し、印加後に遮断する入力遮断スイッチを有する
    請求項1に記載の出力バッファ回路。
  3. 前記出力用トランジスタと前記ダイオード接続トランジスタは、同じトランジスタサイズを有する
    請求項に記載の出力バッファ回路。
  4. 前記出力用トランジスタは、電源電圧供給線と出力端子との間に接続されているnチャネル型のトランジスタであり、
    前記ダイオード接続トランジスタは、その制御電極と、制御電極以外の2つの電極のうち前記電荷保持キャパシタに接続されている電極とを短絡したnチャネル型のトランジスタである
    請求項に記載の出力バッファ回路。
  5. 前記出力用トランジスタは、基準電圧供給線と出力端子との間に接続されているpチャネル型のトランジスタであり、
    前記ダイオード接続トランジスタは、その制御電極が基準電圧供給線に接続されているpチャネル型のトランジスタである
    請求項に記載の出力バッファ回路。
  6. 前記入力端子と前記電圧保持キャパシタとの間に、前記一方のキャパシタ電極に入力電圧が印加される前は導通し、印加後に遮断する入力遮断スイッチを有し、
    前記スイッチは、前記入力遮断スイッチの遮断前は導通し、前記入力遮断スイッチと同時か若干遅れて遮断するように制御される
    請求項に記載の出力バッファ回路。
  7. 前記入力端子と前記電圧保持キャパシタとの間に、前記一方のキャパシタ電極に入力電圧が印加される前は導通し、印加後に遮断する入力遮断スイッチを有し、
    前記スイッチは、前記入力遮断スイッチの遮断前は遮断し、前記入力遮断スイッチの遮断と同時か若干遅れて導通するように制御される
    請求項に記載の出力バッファ回路。
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