JP3799437B2 - 物体変位・振動解析方法,装置および記録媒体 - Google Patents

物体変位・振動解析方法,装置および記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、全体座標系上における物体の、剛体としての変位である剛体変位と弾性体としての振動である弾性振動とを解析する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジン等、可動部品を有する機械においては、いかにして振動・騒音を低減させるかが重要な課題である。そのため、振動・騒音をより高い精度で解析できるより実用的な技術の確立が要望されている。機械要素単体の振動伝達特性に基づく振動解析については、汎用の構造解析ソフトウェア等を利用することにより、ほぼ実用レベルで実施できる段階に達していると言える。そして、近年では、複数の機械要素間の相互作用を考慮することにより、より高い精度で振動解析を行い得る技術の確立に重点が移行しつつある。
【0003】
複数の機械要素間の相互作用を取り扱うためには、可動部品である物体の剛体変位と弾性振動との連成を解析することが重要な課題の一つである。そして、その課題を解決する一理論として機構解析による理論が既に知られている。この機構解析理論は、その当初は、複数の剛体が関節において互いに結合されたものを適用対象とするとともに、関節による結合を拘束条件式で表した微分代数方程式を用いる理論として構築された。その後、この機構解析理論は、物体の弾性振動を弾性モードの重ね合わせにより表現することにより、その適用対象を剛体から弾性体へと拡張された。この機構解析理論においては、物体の位置はデカルト座標、方向はオイラーパラメータ、弾性振動はモード座標によりそれぞれ表されている。モード座標は、弾性振動をモード解析する際に使用される、互いに直交する複数のモードベクトルにより定義されるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および発明の効果】
しかし、この機構解析理論に基づく従来の物体変位・振動解析方法では、物体の剛体変位と弾性振動とを記述する運動方程式において種類の異なる複数の座標系が混在する。このことは、剛性運動と弾性振動との連成を理由に、上記運動方程式において連成項の数を増加させたり、各連成項の構成を複雑にする可能性が高いことを意味する。そのため、この従来の物体変位・振動解析方法では、物体の剛体変位と弾性振動とを解析するための運動方程式の取り扱いが複雑で、計算に多くの工程や時間が必要であった。
【0005】
さらに、この従来の物体変位・振動解析方法は、多関節の機構運動において低次の弾性振動の効果を考慮する場合には適しているが、弾性自由度が大きい弾性振動において剛体変位の効果を考慮する場合には十分に適しているとは言えなかった。
【0006】
このような事情を背景とし、本発明は、エンジンの構成部材である可動部品の剛体変位と弾性振動とを解析する技術であって、弾性自由度が大きい弾性振動において剛体変位の効果を考慮する場合にも適しているものを提供することを課題としてなされたものであり、本発明によって、下記各態様のエンジン部品変位・振動解析方法,エンジン部品変位・振動解析用記録媒体およびエンジン部品変位・振動解析装置が得られる。各態様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせのいくつかの理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合わせが以下の態様に限定されると解釈されるべきではない。
【0007】
(1)エンジンの構成部材である可動部品の、全体座標系上における剛体としての変位である剛体変位と、弾性体としての振動である弾性振動とをコンピュータにより解析する方法であって、
前記可動部品を有限要素法により解析すべく、その可動部品を複数の仮想的な要素に分割した有限要素モデルを前記可動部品の諸元に基づき作成するステップと、
前記有限要素モデルによりモード解析を行うために、前記全体座標系と、その全体座標系上を運動しつつ前記有限要素モデルを局所的に観測するための局所観測座標系であって、その有限要素モデルに固定されることなく有限要素モデルとは独立しているが少なくともその有限要素モデルの近傍に位置して運動を行うものとを設定するステップと、
それら設定した全体座標系および局所観測座標系を用いて、前記有限要素モデルの剛体変位と弾性振動とを、剛体変位は剛体モードにより、弾性振動は弾性モードによりそれぞれ表すとともに、それら剛体モードと弾性モードとを区別しないで一律に取り扱うモード解析により解析するステップと
を含み、かつ、前記全体座標系と前記局所観測座標系とを設定するステップが、前記局所観測座標系において前記可動部品を局所的に観測することを周期的に繰り返す観測周期の各々のスタート時点を除く期間において、局所観測座標系に、その局所観測座標系の変位と姿勢と速度と角速度と加速度と角加速度との中の少なくとも一つが、前記スタート時点における前記可動部品のそれと実質的に等しい大きさから変化しない運動を行わせるとともに、各観測周期のエンド時点において前記可動部品の解析結果が得られるごとに、局所観測座標系を、次回の観測に備えて、その可動部品の剛体変位に関する最新の解析結果と実質的に一致するように更新するステップを含むことを特徴とするエンジン可動部品の変位・振動解析方法(請求項1)。
この方法においては、全体座標系とは別に可動部品を観測する座標系として、その可動部品の少なくとも近傍に位置して運動を行う局所観測座標系が用いられる。この局所観測座標系は、可動部品に固定されてその可動部品の剛体変位と終始同じ運動をさせられる従来の物体固定座標系とは異なり、可動部品の有限要素モデルに固定されることなく有限要素モデルとは独立しているが、少なくとも有限要素モデルの近傍に位置して運動を行うものとされ、有限要素モデルを局所的に観測する。この局所的な観測が周期的に繰り返され、局所観測座標系は、各観測周期のスタート時点を除く期間においては、スタート時点における有限要素モデルの変位と姿勢と速度と角速度と加速度と角加速度との中の少なくとも一つが実質的に等しい大きさから変化しない運動を行わせられるとともに、各観測周期のエンド時点において有限要素モデルの解析結果が得られるごとに、局所観測座標系が、次回の観測に備えて、有限要素モデルの剛体変位に関する最新の解析結果と実質的に一致するように更新される。
の方法によれば、可動部品の剛体変位をモード解析する際の前提、すなわち、剛体変位がモード座標系上において微小であるという前提が容易に成立する。しかも、局所観測座標系の、各観測周期のスタート時点を除く期間における運動を比較的簡単に定義し得る。
よって、この方法によれば、小さな剛体変位を伴う可動部品のみならず大きな剛体変位を伴う可動部品についても容易に振動解析を行い得る。
ところで、例えば、自動車のエンジンの振動騒音を解析するためには、エンジンの回転中にそれのシリンダブロックに対してクランク軸が剛体変位すること,それらシリンダブロックの軸受とクランク軸のピンとの間に油膜が形成され、かつ、その油膜が非線形のばねとして作用すること等を考慮することが大切である。そして、この例においては、クランク軸がシリンダブロックに対して剛体変位する大きさは、そのクランク軸の弾性振動に比較すればかなり大きなものとなる。そして、本項に記載の方法は、この例の振動解析にも適用可能である。
また、本項に記載の方法は、単独の可動部品の振動解析に適用することが可能であり、また、上記の例、すなわち、シリンダブロックは車体に対して変位し、クランク軸はそのシリンダブロックに対して変位するエンジンの振動解析のように、相互作用を有する複数の可動部品の振動解析に適用することも可能である。
また、本項に記載の方法において「可動部品の少なくとも近傍に位置する」という要件は、それが成立すれば、可動部品の剛体変位をモード解析する際の前提、すなわち、剛体変位がモード座標系上において微小であるという前提が成立することになる要件であり、例えば、可動部品と局所観測座標系との相対変位(例えば、後述の個別変位ベクトルu’i )が微小範囲にあるという要件であると定義したり、可動部品と局所観測座標系とが実質的に一致するという要件であると定義することが可能である。
また、本項に記載の方法において「可動部品の剛体変位」は、その可動部品の弾性振動の影響を受ける場合と、受けない場合とがある。受ける場合には、弾性振動の解析結果を考慮して剛体変位を決定することが必要であるが、受けない場合には、弾性振動の解析結果を待つことなくそれとは独立に剛体変位を決定することが可能である。よって、可動部品の剛体変位がその可動部品の弾性振動の影響を受ける場合には、可動部品の弾性振動を考慮して局所観測座標系の運動を定義することが必要であるが、受けない場合には、可動部品の弾性振動とは独立に局所観測座標系の運動を定義することが可能である。
(2)前記モード解析を、モード座標を一般座標として用いることによって前記可動部品の剛体変位と弾性振動とを記述する運動方程式を解くことにより行う(1)項に記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法。
この方法においては、モード座標を一般座標として用いることによって可動部品を記述する運動方程式を解くことにより、可動部品の剛体変位と弾性振動とが解析される。一方、局所観測座標系は、各観測周期のスタート時点を除く期間においては可動部品の剛体変位とは独立に、時間の関数に従って運動を行わせられる。したがって、可動部品を記述する運動方程式において、局所観測座標系の運動に関連する変数をモード座標に対して定数として扱うことが可能となり、その運動方程式を用いて可動部品の剛体変位と弾性振動とを計算することが容易になる。
ここに「運動方程式」の一例はラグランジュの運動方程式である。また「モード座標」は一般に、互いに交差する複数のモードベクトルにより定義される座標であると定義される。
(3)前記モード解析を、互いに直交する複数のモードベクトルにより定義されるモード座標を用いて行う(1)項または(2)項に記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法。
この方法においては、互いに直交する複数のモードベクトルにより定義されるモード座標を用いてモード解析が行われる。したがって、この方法によれば、可動部品を記述する運動方程式において剛体モードと弾性モードとの間に生じる連成項の数を少なくしたり、連成項の構成を簡単にすることが容易になり、ひいては、運動方程式を用いた計算が容易になる。
ここに「モードベクトル」は、固有モードベクトルを選ぶことができるのはもちろんであるが、その他のモードベクトルを選ぶことも可能である。例えば、静的補正モードベクトルを選ぶことも可能であり、その静的補正モードベクトルには例えば、アタッチメントモードベクトル,拘束モードベクトル等がある。
(4)前記モード解析を行うステップが、
(i)そのモード解析のための固有値λと、前記剛体モードを含むn個の正規直交化された複数のモードベクトルφj とを取得するステップと、
(ii)前記局所観測座標系により定義されたベクトルを前記全体座標系により定義されるベクトルに変換するための方向余弦マトリクスAを計算するステップと、
(iii)最初の観測周期のスタート時点の前記全体座標系上における前記局所観測座標系の原点の位置ベクトルr,速度ベクトルvおよび加速度ベクトルaを設定するステップと、(iv)各観測周期ごとに、前記可動部品に設定された複数の節点iの各々に作用する外力Fi を取得するステップと、
(v)各観測周期ごとに、その観測周期のエンド時点における前記可動部品のモード座標系上におけるモード次数がjであるモード変位qj ,モード速度q. jおよびモード加速度q: j を計算するステップと、
(vi)前記各観測周期ごとに、次回の観測に備えて、その次回の観測周期のスタート時点の前記全体座標系上における前記局所観測座標系の原点の位置ベクトルrdt(0) ,速度ベクトルvdt(0) および加速度ベクトルadt(0) を計算するステップと、
(vii)前記各観測周期ごとに、次回の観測に備えて、前記可動部品の、モード次数がjである剛体モードのモード変位qj ,モード速度q. j およびモード加速度q: j をいずれも0に初期化するステップと
を含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法(請求項)。
(5)当該エンジン可動部品の変位・振動解析方法は、力の相互作用を有する複数の可動部品の剛体変位と弾性振動とを解析するものであり、
前記(iv)のステップが、各可動部品の節点iに作用する外力Fi を、関連する他の可動部品の節点i’との間における力の相互作用に基づいて計算するとともに、その力の相互作用を、前記全体座標系上における前記複数の可動部品の、それらの弾性振動を考慮しない場合の各位置ベクトルri ,ri'と、各速度ベクトルr. i ,r. i'と、各加速度ベクトルr: i ,r: i'との少なくとも一つに基づいて計算するステップを含む(4)項に記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法(請求項)。
この方法によれば、力の相互作用を有するエンジンの複数の可動部品の剛体変位と弾性振動とを解析することができる。
(6)前記(ii)のステップにおいて、前記可動部品に予め設定された複数の節点のうち、前記局所座標系の原点に対応する節点を基点として、互いに線形独立な3つのベクトルs’1 ,s’2 ,s’3 を生成する3つの節点を選択し、その生成された3つのベクトルs’1 ,s’2 ,s’3 に基づいて前記方向余弦マトリクスAを計算する(4)項または(5)項に記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法(請求項)。
この方法によれば、方向余弦マトリクスAを簡単に計算することができる。
(7)前記各観測周期ごとに、次回の観測に備えて、その次回の観測周期のスタート時点における前記方向余弦マトリクスAdt(0) ,前記局所観測座標系の角速度ωの歪対称マトリクスω*dt (0) およびその局所観測座標系の角加速度αの歪対称マトリクスα*dt (0) を計算し、計算した方向余弦マトリクスAdt(0) ,歪対称マトリクスω*dt (0) および歪対称マトリクスα*dt (0) を、前記n個の正規直交化された複数のモードベクトルφj により定義されるモード座標系により前記モード解析を行うことに起因する誤差が、方向余弦マトリクスAdt(0) ,歪対称マトリクスω*dt (0) および歪対称マトリクスα*dt (0) に生じないように補正する(4)項ないし(6)項のいずれかに記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法(請求項)。
(8)(1)項ないし(7)項のいずれかに記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法あるいは物体変位・振動解析方法を実施するためにコンピュータにより実行されるプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録した記録媒体。
ここにおける「記録媒体」には例えば、フレキシブルディスク,磁気テープ,磁気ディスク,磁気ドラム,磁気カード,光ディスク,光磁気ディスク,ROM,CD−ROM,ICカード,穿孔テープ等がある。
(9)コンピュータにより、エンジンの構成部材である可動部品の、全体座標系上における剛体としての変位である剛体変位と、弾性体としての振動である弾性振動とを解析するためのプログラムを記録した媒体であって、
前記プログラムは、
前記可動部品を有限要素法により解析すべく、その可動部品を複数の仮想的な要素に分割した有限要素モデルを前記可動部品の諸元に基づき作成するステップと、
前記有限要素モデルによりモード解析を行うために、前記全体座標系と、その全体座標系上を運動しつつ前記有限要素モデルを局所的に観測するための局所観測座標系であって、その有限要素モデルに固定されることなく有限要素モデルとは独立しているが少なくともその有限要素モデルの近傍に位置して運動を行うものとを設定するステップと、
それら全体座標系と局所観測座標系とを用いて、前記有限要素モデルの剛体変位と弾性振動とを、剛体変位は剛体モードにより、弾性振動は弾性モードによりそれぞれ表すとともに、それら剛体モードと弾性モードとを区別しないで一律に取り扱うモード解析により解析するステップと
を含み、かつ、前記全体座標系と前記局所観測座標系とを設定するステップが、前記局所観測座標系において前記可動部品を局所的に観測することを周期的に繰り返す観測周期の各々のスタート時点を除く期間において、局所観測座標系に、各その局所観測座標系の変位と姿勢と速度と角速度と加速度と角加速度との中の少なくとも一つが、前記スタート時点における前記可動部品のそれと実質的に等しい大きさから変化しない運動を行わせるとともに、各観測周期のエンド時点において前記可動部品の解析結果が得られるごとに、局所観測座標系を、次回の観測に備えて、その可動部品の剛体変位に関する最新の解析結果と実質的に一致するように更新するステップを含むことを特徴とする記録媒体(請求項)。
前記 (2) 項ないし (7) 項の各々に記載の特徴は、本項の記録媒体にも適用可能である。
(10)エンジンの構成部材である可動部品の、剛体としての変位である剛体変位と、弾性体としての振動である弾性振動とを解析するための装置であって、
前記可動部品を有限要素法により解析すべく、その可動部品を複数の仮想的な要素に分割した有限要素モデルを前記可動部品の諸元に基づき作成する手段と、
前記有限要素モデルによりモード解析を行うために、前記全体座標系と、その全体座標系上を運動しつつ前記有限要素モデルを局所的に観測するための局所観測座標系であって、その有限要素モデルに固定されることなく有限要素モデルとは独立しているが少なくともその有限要素モデルの近傍に位置して運動を行うものとを設定する手段と、
それら設定した全体座標系および局所観測座標系を用いて、前記有限要素モデルの剛体変位と弾性振動とを、剛体変位は剛体モードにより、弾性振動は弾性モードによりそれぞれ表すとともに、それら剛体モードと弾性モードとを区別しないで一律に取り扱うモード解析により解析する手段と
を含み、かつ、前記全体座標系と前記局所観測座標系とを設定する手段が、前記局所観測座標系において前記可動部品を局所的に観測することを周期的に繰り返す観測周期の各々のスタート時点を除く期間において、局所観測座標系に、その局所観測座標系の変位と姿勢と速度と角速度と加速度と角加速度との中の少なくとも一つが、前記スタート時点における前記可動部品のそれと実質的に等しい大きさから変化しない運動を行わせるとともに、各観測周期のエンド時点において前記可動部品の解析結果が得られるごとに、局所観測座標系を、次回の観測に備えて、その可動部品の剛体変位に関する最新の解析結果と実質的に一致するように更新する手段を含むことを特徴とするエンジン可動部品の変位・振動解析装置(請求項)。
前記 (2)項ないし(7)項の各々に記載の特徴は、本項のエンジン可動部品の剛体変位・振動解析装置にも適用可能である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のさらに具体的な一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
本実施形態は、物体の剛体変位と弾性振動とを解析する物体変位・振動解析方法である。この方法は、剛体自由度は小さいが弾性自由度は大きい機械の振動騒音の解析に適している。
【0010】
本実施形態は、種々の新たな理論に基づいて構成されており、以下、その新たな理論を説明する。
【0011】
1.局所観測座標系の導入
【0012】
図1に示すように、全体座標系{X,Y,Z}に対し、局所観測座標系{x,y,z}なる新しい概念の座標系を導入する。この座標系は、図2に示すように、従来の、物体に固定された座標系とは異なり、物体の近傍に位置しながら、物体の運動を局所的に観測するために設けられた座標系である。局所観測座標系LOCは、図3に示すように、ある時刻に物体Oと同一の運動をし、その状態から、物体Oの運動とは独立に、時間の関数に従って運動をする。
【0013】
ここで、局所観測座標系と物体との関係を、位置,速度および加速度に関してそれぞれ説明する。
【0014】
まず、図1に示すように、全体座標系から見た局所観測座標系の原点の位置ベクトルをr、方向余弦マトリクスをA、局所観測座標系から見た物体の節点iの位置ベクトルをr’i とすると、全体座標系から見た物体の節点iの位置ベクトルri は、
【0015】
【数1】
Figure 0003799437
【0016】
なる式で表される。
【0017】
ここで補足説明すれば、上記方向余弦マトリクスAは、座標系を局所観測座標系から全体座標系に変換する座標変換マトリクスの一種である。また、上記位置ベクトルr’i において「’」は、そのベクトルが局所観測座標系により定義されることを示す表記であり、この表記は他の変数を表記する際にも用いられる。また、観測すべき物体には、その物体を複数の要素に仮想的に分割するためにN個の節点が設定されており、上記節点iはそれらN個の節点のうち任意のものを示している。
【0018】
物体の剛体変位および弾性振動を考慮しない場合の、局所観測座標系から見た節点iの位置ベクトルをs’i とし、それら剛体変位と弾性振動との和を個別変位ベクトルu’i とすると、
【0019】
【数2】
Figure 0003799437
【0020】
なる式が成立する。ここで、N個の節点の全変位ベクトルu’を、
【0021】
【数3】
Figure 0003799437
【0022】
なる式で定義する。ここで、全変位ベクトルu’が十分小さく、モード解析が前提とする微小変位の範囲内にあり、かつ、全変位ベクトルu’が、弾性モードのみならず剛体モードをも含むn個の正規直交化された固有モードベクトルφj (モード次数j=1,・・・,n)の重ね合わせにより表すことができるとすると、全変位ベクトルu’が、モード変位qj を用いることにより、
【0023】
【数4】
Figure 0003799437
【0024】
なる式で表される。ここで、モードマトリクスΦを、固有モードベクトルφj を用いることにより、
【0025】
【数5】
Figure 0003799437
【0026】
なる式で定義すると、モードマトリクスΦは、固有モードの直交性を理由に、質量マトリクスMと剛性マトリクスKとの間において、
【0027】
【数6】
Figure 0003799437
【数7】
Figure 0003799437
【0028】
なる式で表される関係を有する。ここで、「I」は単位マトリクスであり、「λ」は、固有値λj を対角成分として有するマトリクス、すなわち、
【0029】
【数8】
Figure 0003799437
【0030】
である。ただし、モード次数j=1,・・・,nr が剛体モードを表すものであるとすると、固有値λi =0(j=1,・・・,nr )となる。ここで、モード変位ベクトルqを、マトリクスの転置を表す表記として「T 」を用いることにより、
【0031】
【数9】
Figure 0003799437
【0032】
なる式で定義すると、前記式(4) は、前記式(5) を用いることにより、
【0033】
【数10】
Figure 0003799437
【0034】
に変形される。前記式(3) における全変位ベクトルu’と個別変位ベクトルu’i との関係と同様に、固有モードベクトルφj を、各節点iごとに分けてφijで表すことにより、
【0035】
【数11】
Figure 0003799437
【0036】
なる式で定義すると、前記式(2) における個別変位ベクトルu’i は、
【0037】
【数12】
Figure 0003799437
【0038】
なる式で表される。したがって、前記式(1) は、前記式(2) と上記式(12)とを用いることにより、
【0039】
【数13】
Figure 0003799437
【0040】
に変形される。この式(13)における「ri 」は、図1に示すものと同じである。また、この式(13)は、局所観測座標系と物体との間の、位置に関する関係式を意味する。
【0041】
上記式(13)を時間で微分すると、局所観測座標系と物体との間の、速度に関する関係式として、
【0042】
【数14】
Figure 0003799437
【0043】
なる式が得られる。ここに、「A. 」は、方向余弦マトリクスAを時間で微分したものを意味し、「q. j 」は、モード変位qj を時間で微分したものを意味する。
【0044】
ここで、全体座標系に対する局所観測座標系の角速度ベクトルをω、その歪対称マトリクスをω* で表すと、
【0045】
【数15】
Figure 0003799437
【0046】
なる式で表される関係が成立する。この式(15)を上記式(14)に代入し、全体座標系に対する局所観測座標系の速度ベクトルを改めてvで表すと、速度の関係式として、
【0047】
【数16】
Figure 0003799437
【0048】
なる式が得られる。
【0049】
前記式(14)を時間で微分すると、局所観測座標系と物体との間の、加速度に関する関係式として、
【0050】
【数17】
Figure 0003799437
【0051】
なる式が得られる。ここに、「A: 」は、前記A. を時間で微分したものを意味し、「q: j 」は、前記q. j を時間で微分したものを意味する。一方、前記式(15)を時間で微分すると、
【0052】
【数18】
Figure 0003799437
【0053】
なる式が得られる。ここに、「ω.*」は、歪対称マトリクスω* を時間で微分したものを意味する。この式(18)に前記式(15)を代入するとともに、全体座標系に対する局所観測座標系の角加速度ベクトルをα、その歪対称マトリクスをα* としてそれぞれ表すと、
【0054】
【数19】
Figure 0003799437
【0055】
なる式が得られる。この式(19)と前記式(15)とを前記式(17)に代入するとともに、全体座標系に対する局所観測座標系の加速度ベクトルを改めてaで表すと、
【0056】
【数20】
Figure 0003799437
【0057】
なる式が得られる。
【0058】
以上のようにして、局所観測座標系{x,y,z}を導入することにより、前記式(13),式(16)および式(20)が、弾性振動のみならず剛体変位をも伴う物体の節点iの位置,速度および加速度を、全体座標系と局所観測座標系とモード座標系とを用いて記述する式として得られた。
【0059】
なお付言すれば、それら3式において全体座標系または局所観測座標系により定義される変数は、後述のように、物体の剛体変位とは独立に、時間の関数として定義される。すなわち、その変数は、時間依存変数と言うことができるのである。一方、本実施形態において採用された物体の運動方程式は、後述のように、モード座標を一般座標として用いる。したがって、その運動方程式において上記時間依存変数は、一般座標との関係においては定数として取り扱うことが可能となる。このような観点からすれば、前記3式は、局所観測座標系の導入により、弾性振動のみならず剛体変位をも伴う物体の節点iの位置,速度および加速度を、モード座標系のみを用いて上記運動方程式に組み込むことを可能にした式であると言うことができ、また、それら位置,速度および加速度を記述する座標系を、全体座標系および局所観測座標系からモード座標系に変換することを可能にした式であると言うこともできる。
【0060】
2.モード座標系による運動方程式の導出
【0061】
物体全体の運動エネルギーTは、節点iの質量をmi で表すと、
【0062】
【数21】
Figure 0003799437
【0063】
なる式で表される。また、弾性変形による歪みエネルギーUは、前記式(3) の全変位ベクトルu’を用いることにより、
【0064】
【数22】
Figure 0003799437
【0065】
なる式で表される。この式(22)に前記式(10)を代入すると、
【0066】
【数23】
Figure 0003799437
【0067】
なる式が得られ、さらに、前記式(7) により表される関係を利用すると、
【0068】
【数24】
Figure 0003799437
【0069】
なる式が得られる。
【0070】
一方、ラグランジュの運動方程式を、モード座標qk (モード次数k=1,・・・,nr )を一般座標(generalized coordinates, general coordenates)として用いて表すと、
【0071】
【数25】
Figure 0003799437
【0072】
なる式が得られる。この式(25)は、時間に依存しないため、局所観測座標系を、物体の運動とは独立に、時間の関数に従って運動させることによる影響を何ら受けない。したがって、この式(25)は、局所観測座標系の運動を考慮することなく、解くことができるのである。
【0073】
上記式(25)の右辺における「Qk 」は、モード座標系での一般化力(generalized force )を表している。
【0074】
左辺の第1項の括弧内の変数は、前記式(21)を用いることにより、
【0075】
【数26】
Figure 0003799437
【0076】
で表される。この式(26)は、前記式(16)を用いることにより、
【0077】
【数27】
Figure 0003799437
【0078】
なる式に変形され、転置して整理すると、
【0079】
【数28】
Figure 0003799437
【0080】
なる式が得られる。この式(28)を時間で微分し、前記式(15)を用いて整理すると、
【0081】
【数29】
Figure 0003799437
【0082】
なる式が得られる。
【0083】
一方、前記式(25)の左辺の第2項は、前記式(21)を用いることにより、
【0084】
【数30】
Figure 0003799437
【0085】
で表される。この式(30)は、前記式(16)を用いることにより、
【0086】
【数31】
Figure 0003799437
【0087】
に変形され、転置して整理すると、
【0088】
【数32】
Figure 0003799437
【0089】
なる式が得られる。この式(32)の右辺の項は、前記式(29)の右辺の第2項と同一であるから、それら2式を引き算すれば、
【0090】
【数33】
Figure 0003799437
【0091】
なる式が得られる。この式(33)に前記式(20)を代入すると、
【0092】
【数34】
Figure 0003799437
【0093】
なる式が得られる。ここに、方向余弦マトリクスAは正規直交マトリクスであるため、
【0094】
【数35】
Figure 0003799437
【0095】
なる式が成立する。また、前記式(6) により表される、固有モードの直交性という条件は、節点iの質量mi を用いて表すと、
【0096】
【数36】
Figure 0003799437
【0097】
となる。ただし、「δij」は、クロネッカーのデルタである。この式(36)と前記式(35)を用いると、前記式(34)は、
【0098】
【数37】
Figure 0003799437
【0099】
なる式に変形される。
【0100】
一方、前記式(25)の左辺の第3項は、前記式(24)と前記式(8) とを用いることにより、
【0101】
【数38】
Figure 0003799437
【0102】
なる式で表される。
【0103】
また、前記式(25)の右辺の一般化力Qk については、まず、全体座標系から見た節点iに作用する外力をFi として、仮想仕事δWを考えるととにも、
【0104】
【数39】
Figure 0003799437
【0105】
なる式を用いる。ここに、「δri 」は、前記位置ベクトルri の仮想的な微小変化を表す。この式(39)は、前記式(13)を用いることにより、
【0106】
【数40】
Figure 0003799437
【0107】
なる式に変形される。ここに、「δq j 」は、前記モード変位 j の仮想的な微小変化を表す。ここで、微小変化δq j の係数をまとめることにより、
【0108】
【数41】
Figure 0003799437
【0109】
なる式を定義すると、一般化力Qk は、
【0110】
【数42】
Figure 0003799437
【0111】
なる式で表され、転置して整理すると、
【0112】
【数43】
Figure 0003799437
【0113】
なる式が得られる。
【0114】
前記式(37),式(38)および式(43)を前記式(25)、すなわち、ラグランジュの運動方程式に代入して整理すると、最終的に、モード座標系により記述された運動方程式として、
【0115】
【数44】
Figure 0003799437
【0116】
なる式が得られる。
【0117】
この式(44)には、「φijj 」なる項と「φij. j 」なる項とが存在し、それらは、異なる固有モード間で振動が連成することを表す連成項であるが、前述の従来の物体変位・振動解析方法を用いて同じ振動騒音問題を解析する場合に比較して、連成項の数が少なく、また、その構成も単純である。
【0118】
3.局所観測座標系の更新
【0119】
本実施形態においては、前述のように、局所観測座標系が導入されている。しかし、この座標系を同じ位置で使用し続けると、時間の経過に伴い、前記式(2) における個別変位ベクトルu’i が微小であるという仮定が成立しなくなってしまう。そのため、本実施形態においては、個別変位ベクトルu’i が微小である状態を維持するために局所観測座標系が適切に更新されるようになっている。以下、その更新の方法を説明する。
【0120】
(1) 各種記号の定義
【0121】
図4には、時刻0における局所観測座標系{x0 ,y0 ,z0 }と、時刻0からdt秒が経過したとき(以下、「時刻dt」という)における局所観測座標系{xdt,ydt,zdt}とが示されている。時刻0においては、局所観測座標系の運動と物体の運動とは完全に一致し、その時刻を基点に、局所観測座標系は物体の運動とは独立に、時間の関数に従って運動をする。
【0122】
本実施形態においては、局所観測座標系が、時刻0から時刻dtまでの間、すなわち、一回の観測周期のうちそのスタート時点を除く期間中、その局所観測座標系の、変位と姿勢とから成る組と、変位と姿勢と速度と角速度とから成る組と、変位と姿勢と速度と角速度と加速度と角加速度とから成る組とのいずれかが、時刻0における物体のそれと実質的に等しい大きさから実質的に変化しない運動を行わせられる。そして、例えば、局所観測座標系に等加速度・等角加速度運動をさせる場合には、局所観測座標系の運動を定義する時間の関数は例えば、局所観測座標系の速度については後述の式(86)、位置については式(87)、角速度については式(88)がそれぞれ用いられる。
【0123】
上記において「実質的に等しい」とは、局所観測座標系が物体に完全に一致する場合のみならず、変位u' i が微小となる範囲に局所観測座標系が更新される場合も含む意味である。後者の場合、更新後の局所観測座標系上での剛体モードの変位,速度,加速度はゼロとならないので、これらを計算する過程が必要となる。
【0124】
一方、時刻dtにおける局所観測座標系の加速度ベクトルをa0 (dt)、速度ベクトルをv0 (dt)、位置ベクトルをr0 (dt)、角加速度ベクトルをα0 (dt)、角速度ベクトルをω0 (dt)、方向余弦マトリクスをA0 (dt)でそれぞれ表す。また、時刻dtにおいて、局所観測座標系を更新し、その新しい局所観測座標系の加速度ベクトルをadt(0) 、速度ベクトルをvdt(0) 、位置ベクトルをrdt(0) 、角加速度ベクトルをαdt(0) 、角速度ベクトルをωdt(0) 、方向余弦マトリクスをAdt(0) でそれぞれ表すとともに、それらを求める。
【0125】
なお、以上説明した各種変数または関数の右肩添字は、その時刻に決定された変数または関数であることを示している。
【0126】
(2) 局所観測座標系の原点の位置ベクトルrdt(0) に関する更新
【0127】
時刻dtにおける新しい局所観測座標系の原点の位置ベクトルrdt(0) は、モード次数j=1,・・・,nr が剛体モードを表すものであるとすると、前記式(13)を用い、かつ、原点(i=0)であることを考慮することにより、
【0128】
【数45】
Figure 0003799437
【0129】
なる式で表されるように更新される。ここに、「φ0j」は、物体の複数の節点のうち、局所観測座標系の原点に対応する節点の固有モードベクトルを示している。なお、「原点に対応する節点」の意味については後述する。
【0130】
(3) 局所観測座標系の原点の速度ベクトルvdt(0) に関する更新
【0131】
時刻dtにおける新しい局所観測座標系の原点の速度ベクトルvdt(0) は、前記式(16)を用いることにより、
【0132】
【数46】
Figure 0003799437
【0133】
なる式で表されるように更新される。
【0134】
(4) 局所観測座標系の原点の加速度ベクトルadt(0) に関する更新
【0135】
時刻dtにおける新しい局所観測座標系の原点の加速度ベクトルadt(0) は、前記式(20)を用いることにより、
【0136】
【数47】
Figure 0003799437
【0137】
なる式で表されるように更新される。
【0138】
(5) 方向余弦マトリクスAdt(0) の更新
【0139】
物体の剛体変位を考慮せず、かつ、時刻dtである場合の、全体座標系から見た節点iの位置ベクトルrdt i は、前記式(13)を用いることにより、
【0140】
【数48】
Figure 0003799437
【0141】
なる式で表される。また、時刻dtに、前記位置ベクトルs’i を全体座標系から見た場合のベクトルsdt i は、
【0142】
【数49】
Figure 0003799437
【0143】
なる式で表され、この式(49)に前記式(45)と式(48)とを代入すると、
【0144】
【数50】
Figure 0003799437
【0145】
なる式が得られる。また、上記ベクトルsdt i は、時刻dtにおける方向余弦マトリクスAdt(0) を用いることにより、
【0146】
【数51】
Figure 0003799437
【0147】
なる式で表される。この式(51)を方向余弦マトリクスAdt(0) について解くために、図4に示すように、物体の複数の節点の中から、局所観測座標系の原点と共同して四面体を構成する3つの節点であって、かつ、原点を始点、各節点を終点とする3つのベクトルs’1 ,s’2 およびs’3 が互いに線形独立であるものを選択する。この選択により、
【0148】
【数52】
Figure 0003799437
【0149】
なる式が得られる。ここに、「s’1 」,「s’2 」および「s’3 」はそれぞれ、同図において、原点を始点、節点1,2および3をそれぞれ終点とする、互いに線形独立な3つのベクトルを意味している。このように、ベクトルs’1 ,s’2 およびs’3 は互いに線形独立であるため、それらベクトルs’1 ,s’2 およびs’3 を成分とするマトリクスには逆マトリクスが存在する。よって、上記式(52)における方向余弦マトリクスAdt(0) は、
【0150】
【数53】
Figure 0003799437
【0151】
なる式で表されるように更新することができる。
【0152】
(6) 角速度の歪対称マトリクスω*dt (0) の更新
【0153】
時刻dtにおける節点iの、物体の剛体変位に起因する速度成分r.dt i は、前記式(16)を用いることにより、
【0154】
【数54】
Figure 0003799437
【0155】
なる式で表される。ベクトルsdt i を時間で微分して得られるベクトルs.dt i は、全体座標系に対して並進方向の速度成分を持たないため、
【0156】
【数55】
Figure 0003799437
【0157】
なる式で表される。この式(55)に前記式(46)と上記式(54)とを代入すると、
【0158】
【数56】
Figure 0003799437
【0159】
なる式が得られる。さらに、ベクトルs.dt i は、前記式(53)と時刻dtにおける歪対称マトリクスω*dt (0) とを用いることにより、
【0160】
【数57】
Figure 0003799437
【0161】
なる式で表される。したがって、前記式(53)と同様に、前述の、互いに線形独立なベクトルs’1 ,s’2 およびs’3 を用いることにより、
【0162】
【数58】
Figure 0003799437
【0163】
なる式が求められる。よって、角速度の歪対称マトリクスω*dt (0) は、
【0164】
【数59】
Figure 0003799437
【0165】
なる式で表されるように更新される。
【0166】
(7) 角加速度の歪対称マトリクスα*dt (0) の更新
【0167】
時刻dtにおける節点iの、物体の剛体変位に起因する加速度成分r:dt i は、前記式(20)を用いることにより、
【0168】
【数60】
Figure 0003799437
【0169】
なる式で表される。ここに、「s:dt i 」は、全体座標系に対して並進方向の加速度成分を持たないため、
【0170】
【数61】
Figure 0003799437
【0171】
なる式で表される。この式(61)に前記式(47)と上記式(60)とを代入することにより、
【0172】
【数62】
Figure 0003799437
【0173】
なる式が得られる。さらに、ベクトルs:dt i は、前記式(53)と式(59)と時刻dtにおける角加速度の歪対称マトリクスα*dt (0) とを用いることにより、
【0174】
【数63】
Figure 0003799437
【0175】
なる式で表される。よって、前記式(53)および式(58)と同様に、前述の、互いに線形独立なベクトルs’1 ,s’2 およびs’3 を用いることにより、
【0176】
【数64】
Figure 0003799437
【0177】
なる式が求められる。よって、角加速度の歪対称マトリクスα*dt (0) は、
【0178】
【数65】
Figure 0003799437
【0179】
なる式で表されるように更新される。
【0180】
(8) 方向余弦マトリクスAdt (0)の補正
【0181】
本実施形態においては、物体の剛体変位を剛体モードの重ね合わせにより解析し、その際、複数の固有モードベクトルが互いに直交するモード座標系を用いて物体の剛体変位を記述するため、前記式(53)により求めた方向余弦マトリクスAdt (0)には微小な誤差が存在する。以下、この誤差の存在を具体的に説明する。
【0182】
全体座標系から見た局所観測座標系の座標軸ベクトルをx< ,y< ,z< で表すこととすると、方向余弦マトリクスAは、
【0183】
【数66】
Figure 0003799437
【0184】
で表すことができる。各座標軸ベクトルは単位ベクトルであるため、
【0185】
【数67】
Figure 0003799437
【0186】
なる式が成立する。さらに、3つの座標軸ベクトルは互いに直交するため、
【0187】
【数68】
Figure 0003799437
【0188】
なる式が成立する。
【0189】
しかし、前記式(53)により更新された方向余弦マトリクスAdt (0)の各列ベクトルは、小さい誤差を含んだx- ,y- ,z- であるため、上記式(67)により表される関係および上記式(68)により表される関係が厳密には成立しない。
【0190】
そこで、本実施形態においては、その誤差が解消されるように、方向余弦マトリクスAdt (0)が適切に補正される。以下、その補正方法を説明する。
【0191】
まず、列ベクトルx- の方向は正しいと仮定として、列ベクトルx< を、
【0192】
【数69】
Figure 0003799437
【0193】
なる式を用いて決定される。
【0194】
次に、求めるべき列ベクトルy< は、上記のようにして求められた列ベクトルx< と列ベクトルy- と同一平面上にあるとして、列ベクトルz< が、
【0195】
【数70】
Figure 0003799437
【0196】
なる式を用いて決定される。
【0197】
最後に、列ベクトルy< が、
【0198】
【数71】
Figure 0003799437
【0199】
なる式を用いて決定される。
【0200】
(9) 角速度の歪対称マトリクスω*dt (0) の補正
【0201】
方向余弦マトリクスAdt (0)の場合と同様に、更新された角速度ωの歪対称マトリクスω*dt (0) にも微小な誤差が含まれる。そこで、本実施形態においては、歪対称マトリクスω*dt (0) も適切に補正される。以下、その補正方法を説明する。
【0202】
前記式(59)で求めた歪対称マトリクスω*dt (0) は、一般にフルマトリクスとなるが、本来は、角速度ベクトルω、すなわち、
【0203】
【数72】
Figure 0003799437
【0204】
の歪対称マトリクスであって、
【0205】
【数73】
Figure 0003799437
【0206】
なる式で表される関係を満たすはずである。ここで、誤差を含んだ歪対称マトリクスω*dt (0) の各成分を、
【0207】
【数74】
Figure 0003799437
【0208】
なる式で表す。歪対称マトリクスω*dt (0) の補正方法は種々考えられるが、本実施形態においては、次のように行われる。
【0209】
すなわち、まず、歪対称マトリクスω*dt (0) の対角成分が0でない場合にはすべて誤差であるとして、対角成分ω * ii =0(i=1,2,3)とされる。次に、基本成分ωx ,ωy ,ωz が、
【0210】
【数75】
Figure 0003799437
【数76】
Figure 0003799437
【数77】
Figure 0003799437
【0211】
のように補正される。
【0212】
(10)角加速度の歪対称マトリクスα*dt (0) の補正
【0213】
歪対称マトリクスα*dt (0) の補正方法は、歪対称マトリクスω*dt (0) の場合と基本的に同じである。以下、具体的に説明する。
【0214】
前記式(65)により更新された歪対称マトリクスα*dt (0) は、一般にフルマトリクスとなるが、本来は、角加速度ベクトル、すなわち、
【0215】
【数78】
Figure 0003799437
【0216】
の歪対称マトリクスであるため、
【0217】
【数79】
Figure 0003799437
【0218】
なる式で表される関係を満たすはずである。ここで、誤差を含んだ歪対称マトリクスα*dt (0) の各成分を、
【0219】
【数80】
Figure 0003799437
【0220】
なる式で表す。そして、歪対称マトリクスα*dt (0) の補正においては、まず、歪対称マトリクスα*dt (0) の対角成分が0でない場合にはすべて誤差であるとして、対角成分α * ii =0(i=1,2,3)とされる。次に、基本成分αx ,αy ,αz が、
【0221】
【数81】
Figure 0003799437
【数82】
Figure 0003799437
【数83】
Figure 0003799437
【0222】
のように補正される。
【0223】
(11)剛体モードの各種変数の初期化
【0224】
本実施形態においては、局所観測座標系{x,y,z}が更新されるごとに、剛体モードにおけるモード変位qj (j=1,・・・,nr ),モード速度q. j (j=1,・・・,nr )およびモード加速度q: j (j=1,・・・,nr )がすべて0に初期化される。
【0225】
以上、本実施形態を構成するために採用された理論を詳細に説明したが、次に、その構成を詳細に説明する。
【0226】
図5には、本実施形態である物体変位・振動解析方法を実施するのに好適な物体変位・振動解析装置(以下、単に「解析装置」という)が示されている。
【0227】
解析装置は、入力装置10とコンピュータ12と出力装置14と外部記憶装置16とを備えている。入力装置10はマウス,キーボード等を含むように構成される。コンピュータ12はCPU等、プロセッサ20と、ROM,RAM,ハードディスク等、メモリ22と、それらプロセッサ20とメモリ22とを接続するバス24とを含むように構成される。出力装置14はディスプレイ,プリンタ,プロッタ等を含むように構成される。外部記憶装置16は、CD−ROM30,書き込み可能なFD32(フレキシブルディスク)等、記録媒体が装填可能となっていて、装填状態においては、記録媒体に対するデータの読み取りおよび書き込みが必要に応じて行われる。
【0228】
本実施形態においては、物体の変位・振動解析(以下、単に「振動解析」という)に必要なプログラムがCD−ROM30に記憶され、また、その振動解析に必要なデータがFD32に記憶されている。振動解析に必要なプログラムには、モード解析プログラムと振動解析プログラムとがある。そして、振動解析時には、それらCD−ROM30およびFD32から必要なプログラムおよびデータが読み出されてコンピュータ12のRAMまたはハードディスクに転送され、その後、プロセッサ20によりそのプログラムが実行される。
【0229】
上記モード解析プログラムは、有限要素法により、解析すべき物体の固有値λj と固有モードベクトルφj を計算する。このプログラムは、物体を仮想的に複数の要素に分割するためのデータと、物体の属性を規定するためのデータとに基づき、固有値λj と固有モードベクトルφj を計算する。そして、このプログラムを利用すれば、各節点の番号i(i=1,・・・,N)と、各節点の座標s’i と、固有値λj (j=1,・・・,nr )と、固有モードベクトルφj (j=1,・・・,nr )とが取得できる。このプログラムの一例は、日本MSCにより開発されて「MSC−NASTRAN(バージョン68,69,70)」という商品名で販売されたプログラムである。
【0230】
図6および図7には、上記振動解析プログラムがフローチャートで表されている。このプログラムは、本発明者らにより提案された前述の振動解析理論に基づいて設計されており、よって、各ステップの内容は既に詳しく説明されている。そのため、以下、そのフローチャートを参照しつつ本実施形態である物体変位・振動解析方法の時間的な流れを詳細に説明し、各ステップの内容については簡単に説明する。
【0231】
本プログラムにおいては、まず、ステップS1(以下、単に「S1」で表す。他のステップについても同じ)において、物体を解析するために設定された時間軸に対して、その解析を開始する開始時刻sTと、終了する終了時刻eTとが入力されるとともに、それら開始時刻sTと終了時刻eTとの間の期間を細かく分割する刻み時間dtが入力される。これにより、開始時刻sTと終了時刻eTとの間において物体の観測および解析を行う観測周期が、刻み時間dtごとに繰り返されることになる。
【0232】
次に、S2において、前記モード解析プログラムの実行により、節点番号i(i=1,・・・,N)と、節点座標s’i と、固有値λj (j=1,・・・,nr )と、固有モードベクトルφj とが取得される。その後、S3において、物体の各節点が概念的に有するとされる質量mi が設定される。
【0233】
続いて、S4において、物体の複数の節点のうち、開始時刻sTにおける局所観測座標系の原点に対応するものが対応節点として選択される。一致する節点が存在する場合には直ちにそれが対応節点として選択されるが、存在しない場合には、複数の節点のいずれかが原点に一致するように局所観測座標系上で物体が平行移動させられ、その平行移動後に原点に一致する節点が対応節点とされる。その後、S5において、物体の複数の節点のうち、局所観測座標系の原点と共同することにより、互いに線形独立な3つのベクトルs’1 ,s’2 ,s’3 を生成する3つの節点を選択することにより、それら3つのベクトルs’1 ,s’2 ,s’3 が生成される。
【0234】
続いて、S6において、局所観測座標系の加速度ベクトルa,速度ベクトルv,位置ベクトルr,角加速度ベクトルα,角速度ベクトルωおよび方向余弦マトリクスAのそれぞれの初期値が設定される。その後、S7において、物体の、モード次数がjである弾性モードのモード変位qj ,モード速度q. j およびモード加速度q: j のそれぞれの初期値が設定される。
【0235】
続いて、S8において、物体の各節点iに作用する外力Fi が取得される。単独の物体の振動解析のためにその物体に対して本プログラムが実行される場合には、ユーザからの入力によって外力Fi が取得される。これに対して、力の相互作用を有する複数の物体の振動解析のためにそれら複数の物体の各々に対して本プログラムが実行される場合には、本プログラムの最新の解析結果を利用することにより外力Fi が逐次計算される。具体的には、ある物体の節点iに作用する外力Fi は、関連する他の物体の節点i’との間における相対変位と相対変位速度との少なくとも一方に基づいて計算される。相対変位は、各物体の位置ベクトルri と、関連する他の物体の位置ベクトルri'との差により計算され、また、相対変位速度は、各物体の速度ベクトルr. i と、関連する他の物体の速度ベクトルr. i'との差により計算される。また、各位置ベクトルri ,ri'は前記式(13)により、各速度ベクトルr. i ,r. i'は前記式(16)により、各加速度ベクトルr: i ,r: i'は前記式(17)によりそれぞれ計算され得る。
【0236】
さらに具体的に説明すれば、例えば、力の相互作用を有する複数の物体がばねにより連結されているとみなし得る場合には、ばねの伸縮量に相当する相対変位に基づいて外力Fi が計算され、また、相互作用を有する複数の物体がばねとダンパとにより連結されているとみなし得る場合には、ばねの伸縮量に相当する相対変位と、ダンパの速度に相当する相対変位速度とに基づいて外力Fi が計算される。
【0237】
その後、S9において、前記式(44)を時間で積分することにより、時刻t=0から刻み時間dtの経過時における物体の、モード次数がjであるモード変位qj ,モード速度q. j およびモード加速度q: j が計算される。それらモード変位qj ,モード速度q. j およびモード加速度q: j は、剛体モードで生じるものと弾性モードで生じるものとの双方を含んでいる。前記式(44)を時間で積分するためにコンピュータにおいて使用される数値積分法の一例は、4次ルンゲ・クッタ法である。
【0238】
続いて、S10において、局所観測座標系を更新するため、前述のようにして、その局所観測座標系の、次回の観測周期におけるスタート時点の位置ベクトルrdt(0) ,速度ベクトルvdt(0) および加速度ベクトルadt(0) が計算される。その後、S11において、局所観測座標系を更新するため、前述のようにして、その局所観測座標系の、次回の観測周期におけるスタート時点の方向余弦マトリクスAdt(0) ,角速度ωの歪対称マトリクスω*dt (0) および角加速度αの歪対称マトリクスα*dt (0) が計算される。その後、S13において、次回の観測に備えて、物体の、モード次数がjである剛体モードのモード変位qj ,モード速度q. j およびモード加速度q: j のそれぞれの初期値が0に設定される。
【0239】
続いて、S14において、現在の観測時刻tが、設定された終了時刻eTに到達したか否かが判定される。今回は、到達してはいないと仮定すれば、判定がNOとなり、S15において、観測時刻tが刻み時間dtだけ増加させられ、その後、S8に戻る。そして、S8ないしS13が前回と同様にして行われる。その後、それらS8ないしS15が何回か繰り返された結果、現在の観測時刻tが終了時刻eTに到達したと仮定すれば、S14の判定がYESとなり、本プログラムの一回の実行が終了する。
【0240】
図8ないし図10には、局所観測座標系LOCの運動(並進および回転)が物体Oの運動(剛体変位)との関係において概念的に示されている。
【0241】
まず、観測時刻t=0のときには、図8に示すように、局所観測座標系LOCが物体Oと同一の運動をさせられている。そのときから、刻み時間dtが経過して観測時刻t=dtとなるまでの間、すなわち、ある回の観測周期においては、局所観測座標系LOCは物体Oとは独立に運動させられる。したがって、観測時刻t=dtのときに、局所観測座標系LOCの運動と物体Oの運動とは必ずしも一致しないが、その回の観測周期のスタート時点、すなわち、観測時刻t=0のときには、両者の運動が一致させられていたため、局所観測座標系LOCは常に物体Oの近傍に位置することとなり、観測時刻t=dtのときに局所観測座標系LOCから物体Oを見ると、物体Oの剛体変位は微小となる。よって、前述の、モード解析において成立すべき前提が成立する。その後、図10に示すように、次回の観測に備えて、局所観測座標系LOCの運動が、次回の観測周期のスタート時点、すなわち、今回の観測周期のエンド時点における物体Oと同じ運動をするように更新される。以上のような処理が、各観測周期ごとに行われる。
【0242】
以上、本実施形態において採用されている理論、ならびに本実施形態の構成を詳細に説明したが、次に、それら理論および構成の妥当性を、図11に示すジャイロスコープを振動解析する場合を例にとり、説明する。
【0243】
1.解析モデルの説明
【0244】
上記ジャイロスコープは、質量mi (i=1,・・・,7)を有する7個の質点と、質量を無視できる長さl1 ,l2 のはりと、質量を無視できる直径Dの円板とで構成されている。7個の質点は、正八面体の各頂点および重心に配置されている。このジャイロスコープは、質点7の位置において、全体座標系の原点に球面ジョイントを介して連結されており、また、−Z方向に重量が作用している。このタイプのジャイロスコープは一般に、ラグランジュのこまと呼ばれている。
【0245】
2.局所観測座標系の定義および更新
【0246】
局所観測座標系は、初期状態において、図11に示す座標系{x,y,z}のように配置されており、かつ、等加速度および等角加速度で運動するようにされている。したがって、各観測周期(t=0〜dt)において、加速度ベクトルaおよび角加速度ベクトルαは、
【0247】
【数84】
Figure 0003799437
【数85】
Figure 0003799437
【0248】
なる2式でそれぞれ表される。したがって、速度ベクトルvおよび位置ベクトルrは、
【0249】
【数86】
Figure 0003799437
【数87】
Figure 0003799437
【0250】
なる2式でそれぞれ表される。また、同様に、角速度ベクトルωは、
【0251】
【数88】
Figure 0003799437
【0252】
なる式で表される。
【0253】
方向余弦マトリクスAは次のようにして計算される。
【0254】
まず、時刻0からdtまでの局所観測座標系の回転軸を表す単位ベクトルをk、回転角をθで表す。次に、その回転角θが微小であるとして、
【0255】
【数89】
Figure 0003799437
【0256】
なる式が成立すると仮定する。この式における「kθ」が表す回転と等価な回転マトリクスをRk-THで表し、ベクトルkを、
【0257】
【数90】
Figure 0003799437
【0258】
なる式で表すと、回転マトリクスRk-THは、
【0259】
【数91】
Figure 0003799437
【0260】
なる式で表される。ただし、cTH=cos θ、sTH=sin θ、vTH=1−cos θである。そして、方向余弦マトリクスAが、
【0261】
【数92】
Figure 0003799437
【0262】
なる式として計算できる。
【0263】
なお、局所観測座標系は、前述の更新方法に従い、かつ、後述の数値積分におけると同じ刻み時間dtごとに更新される。
【0264】
3.剛体変位が正しく計算できることの検証
【0265】
まず、本実施形態により剛体変位が正しく計算できることを確認するため、剛体モードのみ考慮して計算を行った。剛体モードのみ考慮すると、ジャイロスコープは質点7の位置において球面ジョイントを介して連結されているため、この運動系の自由度は3となる。そして、実際には、剛体モードとして、x,y,z各軸まわりの3つの回転モードを選び、前記式(6) により正規化した固有モードベクトルを採用した。図12には計算に必要な各種変数・定数の諸元、図13には初期条件がそれぞれ示されている。なお、前記式(44)の数値積分法として4次ルンゲ・クッタ法を用いた。
【0266】
図14において実線のグラフは、本実施形態により計算されたジャイロスコープの質点1の軌跡をXY平面に正射影することによって得られたものである。また、同図において網かけ線のグラフは、比較のために、オイラー角を一般座標として用いたラグランジュの運動方程式を用いて計算された質点1の軌跡を同様にして示すものである。いずれの軌跡も、ジャイロスコーいずれの軌跡も、ジャイロスコープが、初期角速度と重力の影響により、章動を伴いながら歳差運動をする様子を示している。両者の計算結果は一致している。一方、オイラー角を一般座標として用いたラグランジュの運動方程式を用いた計算結果は、実際値と精度よく一致することが既に証明されている。このことから明らかなように、本実施形態は剛体変位を正しく解析できる物体変位・振動解析方法である。
【0267】
4.剛体変位と弾性振動が正しく計算できることの検証
【0268】
次に、上記ジャイロスコープにおける長さl1 ,l2 のはりを弾性はりとして計算を行った。図15には、弾性はりの諸元が示されている。また、前述のMSC−NASTRANにより固有値解析を行い、その結果に基づき、固有振動数が34.727Hzである円板の並進運動を伴う2つの曲げモードを採用した。さらに、初期条件として、図13に示す条件に加えて、2つの弾性モードにそれぞれモード変位が0.005である初期変位を与えた。
【0269】
図16における実線のグラフは、本実施形態により計算した、弾性体ジャイロスコープの質点1の軌跡をXY平面に正射影したものである。この軌跡は、ジャイロスコープが弾性振動と章動を伴いながら歳差運動をする様子を示している。同図における網かけ線のグラフは、剛体モードのみを採用した場合の軌跡を示しており、図14における実線のグラフと同じものである。図16において実線と網かけ線とを互いに比較してみると、弾性はりの弾性効果により、章動の大きさが若干変化していることが分かる。このことから明らかなように、本実施形態は剛体変位のみならず弾性振動をも正確に計算できる物体変位・振動解析方法である。
【0270】
5.全エネルギーが保存されているか否かの観点からの検証
【0271】
次に、本実施形態の妥当性をエネルギーの観点から検証するため、図17には、ジャイロスコープの全エネルギーが時刻によって変化する履歴が示されている。同図における実線のグラフは、弾性体ジャイロスコープの全エネルギー、網かけ線のグラフは剛体ジャイロスコープの全エネルギーをそれぞれ示しており、図16における実線のグラフと網かけ線のグラフとにそれぞれ対応している。図17における両結果の差は、弾性ジャイロスコープに与えた初期変位の歪みエネルギー分に相当する。ジャイロスコープが弾性体である場合にも剛体である場合にも、全エネルギーが保存されていることが分かる。このことからも明らかなように、本実施形態は剛体変位のみならず弾性振動をも正確に計算できる物体変位・振動解析方法である。
【0272】
6.むすび
【0273】
以上の説明から明らかなように、本実施形態は、剛体変位および弾性振動の計算結果の観点ならびに全エネルギーの計算結果の観点からして、妥当であることが検証された。
【0277】
以上、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは文字通り例示であり、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および発明の効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である物体変位・振動解析方法において使用されている全体座標系と局所観測座標系とを示す斜視図である。
【図2】従来の物体固定座標系の運動を説明するための正面図である。
【図3】図1における局所観測座標系の運動を説明するための正面図である。
【図4】図1に示す局所観測座標系が上記物体変位・振動解析方法により更新される様子を説明するための斜視図である。
【図5】上記物体変位・振動解析方法を実施するのに好適な物体変位・振動解析装置を示すブロック図である。
【図6】図5のCD−ROMに記憶されている振動解析プログラムの前半部分を示すフローチャートである。
【図7】上記振動解析プログラムの後半部分を示すフローチャートである。
【図8】図6および図7の振動解析プログラムの実行内容を経時的に説明するための正面図である。
【図9】上記振動解析プログラムの実行内容を経時的に説明するための別の正面図である。
【図10】上記振動解析プログラムの実行内容を経時的に説明するためのさらに別の正面図である。
【図11】上記物体変位・振動解析方法の妥当性を検証するために用いた解析モデルを示す斜視図である。
【図12】上記解析モデルの諸元を表形式で示す図である。
【図13】上記解析モデルの初期条件を表形式で示す図である。
【図14】上記解析モデルを剛体と仮定した場合の解析結果を上記物体変位・振動解析方法を用いた場合と、オイラー角を一般座標とする運動方程式を用いた場合とについて対比して示すグラフである。
【図15】上記解析モデルを弾性体と仮定した場合の諸元を表形式で示す図である。
【図16】上記物体変位・振動解析方法を用いた解析結果を、上記解析モデルを弾性体と仮定した場合と剛体と仮定した場合とについて対比して示すグラフである。
【図17】上記物体変位・振動解析方法の妥当性を全エネルギーが保存されているか否かの観点から検証するためのグラフである。
【符号の説明】
12 コンピュータ
30 CD−ROM
LOC 局所観測座標系
O 物体

Claims (7)

  1. エンジンの構成部材である可動部品の、全体座標系上における剛体としての変位である剛体変位と、弾性体としての振動である弾性振動とをコンピュータにより解析する方法であって、
    前記可動部品を有限要素法により解析すべく、その可動部品を複数の仮想的な要素に分割した有限要素モデルを前記可動部品の諸元に基づき作成するステップと、
    前記有限要素モデルによりモード解析を行うために、前記全体座標系と、その全体座標系上を運動しつつ前記有限要素モデルを局所的に観測するための局所観測座標系であって、その有限要素モデルに固定されることなく有限要素モデルとは独立しているが少なくともその有限要素モデルの近傍に位置して運動を行うものとを設定するステップと、
    それら設定した全体座標系および局所観測座標系を用いて、前記有限要素モデルの剛体変位と弾性振動とを、剛体変位は剛体モードにより、弾性振動は弾性モードによりそれぞれ表すとともに、それら剛体モードと弾性モードとを区別しないで一律に取り扱うモード解析により解析するステップと
    を含み、かつ、前記全体座標系と前記局所観測座標系とを設定するステップが、前記局所観測座標系において前記可動部品を局所的に観測することを周期的に繰り返す観測周期の各々のスタート時点を除く期間において、局所観測座標系に、その局所観測座標系の変位と姿勢と速度と角速度と加速度と角加速度との中の少なくとも一つが、前記スタート時点における前記可動部品のそれと実質的に等しい大きさから変化しない運動を行わせるとともに、各観測周期のエンド時点において前記可動部品の解析結果が得られるごとに、局所観測座標系を、次回の観測に備えて、その可動部品の剛体変位に関する最新の解析結果と実質的に一致するように更新するステップを含むことを特徴とするエンジン可動部品の変位・振動解析方法。
  2. 前記モード解析を行うステップが、
    (i)そのモード解析のための固有値λと、前記剛体モードを含むn個の正規直交化された複数のモードベクトルφj とを取得するステップと、
    (ii)前記局所観測座標系により定義されたベクトルを前記全体座標系により定義されるベクトルに変換するための方向余弦マトリクスAを計算するステップと、
    (iii)最初の観測周期のスタート時点の前記全体座標系上における前記局所観測座標系の原点の位置ベクトルr,速度ベクトルvおよび加速度ベクトルaを設定するステップと、(iv)各観測周期ごとに、前記可動部品に設定された複数の節点iの各々に作用する外力Fi を取得するステップと、
    (v)各観測周期ごとに、その観測周期のエンド時点における前記可動部品のモード座標系上におけるモード次数がjであるモード変位qj ,モード速度q. jおよびモード加速度q: j を計算するステップと、
    (vi)前記各観測周期ごとに、次回の観測に備えて、その次回の観測周期のスタート時点の前記全体座標系上における前記局所観測座標系の原点の位置ベクトルrdt(0) ,速度ベクトルvdt(0) および加速度ベクトルadt(0) を計算するステップと、
    (vii)前記各観測周期ごとに、次回の観測に備えて、前記可動部品の、モード次数がjである剛体モードのモード変位qj ,モード速度q. j およびモード加速度q: j をいずれも0に初期化するステップと
    を含む請求項1に記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法。
  3. 当該エンジン可動部品の変位・振動解析方法は、力の相互作用を有する複数の可動部品の剛体変位と弾性振動とを解析するものであり、
    前記(iv)のステップが、各可動部品の節点iに作用する外力Fi を、関連する他の可動部品の節点i’との間における力の相互作用に基づいて計算するとともに、その力の相互作用を、前記全体座標系上における前記複数の可動部品の、それらの弾性振動を考慮しない場合の各位置ベクトルri ,ri'と、各速度ベクトルr. i ,r. i'と、各加速度ベクトルr: i ,r: i'との少なくとも一つに基づいて計算するステップを含む請求項2に記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法。
  4. 前記(ii)のステップにおいて、前記可動部品に予め設定された複数の節点のうち、前記局所座標系の原点に対応する節点を基点として、互いに線形独立な3つのベクトルs’1 ,s’2 ,s’3 を生成する3つの節点を選択し、その生成された3つのベクトルs’1 ,s’2 ,s’3 に基づいて前記方向余弦マトリクスAを計算する請求項2または3に記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法。
  5. 前記各観測周期ごとに、次回の観測に備えて、その次回の観測周期のスタート時点における前記方向余弦マトリクスAdt(0) ,前記局所観測座標系の角速度ωの歪対称マトリクスω*dt (0) およびその局所観測座標系の角加速度αの歪対称マトリクスα*dt (0) を計算し、計算した方向余弦マトリクスAdt(0) ,歪対称マトリクスω*dt (0) および歪対称マトリクスα*dt (0) を、前記n個の正規直交化された複数のモードベクトルφj により定義されるモード座標系により前記モード解析を行うことに起因する誤差が、方向余弦マトリクスAdt(0) ,歪対称マトリクスω*dt (0) および歪対称マトリクスα*dt (0) に生じないように補正する請求項2ないし4のいずれかに記載のエンジン可動部品の変位・振動解析方法。
  6. コンピュータにより、エンジンの構成部材である可動部品の、全体座標系上における剛体としての変位である剛体変位と、弾性体としての振動である弾性振動とを解析するためのプログラムを記録した媒体であって、
    前記プログラムは、
    前記可動部品を有限要素法により解析すべく、その可動部品を複数の仮想的な要素に分割した有限要素モデルを前記可動部品の諸元に基づき作成するステップと、
    前記有限要素モデルによりモード解析を行うために、前記全体座標系と、その全体座標系上を運動しつつ前記有限要素モデルを局所的に観測するための局所観測座標系であって、その有限要素モデルに固定されることなく有限要素モデルとは独立しているが少なくともその有限要素モデルの近傍に位置して運動を行うものとを設定するステップと、
    それら全体座標系と局所観測座標系とを用いて、前記有限要素モデルの剛体変位と弾性振動とを、剛体変位は剛体モードにより、弾性振動は弾性モードによりそれぞれ表すとともに、それら剛体モードと弾性モードとを区別しないで一律に取り扱うモード解析により解析するステップと
    を含み、かつ、前記全体座標系と前記局所観測座標系とを設定するステップが、前記局所観測座標系において前記可動部品を局所的に観測することを周期的に繰り返す観測周期の各々のスタート時点を除く期間において、局所観測座標系に、各その局所観測座標系の変位と姿勢と速度と角速度と加速度と角加速度との中の少なくとも一つが、前記スタート時点における前記可動部品のそれと実質的に等しい大きさから変化しない運動を行わせるとともに、各観測周期のエンド時点において前記可動部品の解析結果が得られるごとに、局所観測座標系を、次回の観測に備えて、その可動部品の剛体変位に関する最新の解析結果と実質的に一致するように更新するステップを含むことを特徴とする記録媒体。
  7. エンジンの構成部材である可動部品の、剛体としての変位である剛体変位と、弾性体としての振動である弾性振動とを解析するための装置であって、
    前記可動部品を有限要素法により解析すべく、その可動部品を複数の仮想的な要素に分割した有限要素モデルを前記可動部品の諸元に基づき作成する手段と、
    前記有限要素モデルによりモード解析を行うために、前記全体座標系と、その全体座標系上を運動しつつ前記有限要素モデルを局所的に観測するための局所観測座標系であって、その有限要素モデルに固定されることなく有限要素モデルとは独立しているが少なくともその有限要素モデルの近傍に位置して運動を行うものとを設定する手段と、
    それら設定した全体座標系および局所観測座標系を用いて、前記有限要素モデルの剛体変位と弾性振動とを、剛体変位は剛体モードにより、弾性振動は弾性モードによりそれぞれ表すとともに、それら剛体モードと弾性モードとを区別しないで一律に取り扱うモード解析により解析する手段と
    を含み、かつ、前記全体座標系と前記局所観測座標系とを設定する手段が、前記局所観測座標系において前記可動部品を局所的に観測することを周期的に繰り返す観測周期の各々 のスタート時点を除く期間において、局所観測座標系に、その局所観測座標系の変位と姿勢と速度と角速度と加速度と角加速度との中の少なくとも一つが、前記スタート時点における前記可動部品のそれと実質的に等しい大きさから変化しない運動を行わせるとともに、各観測周期のエンド時点において前記可動部品の解析結果が得られるごとに、局所観測座標系を、次回の観測に備えて、その可動部品の剛体変位に関する最新の解析結果と実質的に一致するように更新する手段を含むことを特徴とするエンジン可動部品の変位・振動解析装置。
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