JP3797894B2 - 映像表示装置およびこれに用いられる発光表示素子の故障検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画素として発光表示素子が配列された映像表示装置、およびこれに用いられる発光表示素子の故障素子検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光素子を面状に配列して映像表示画面を構成する形式の映像表示装置がある。例えば放電素子を並べたいわゆるプラズマディスプレイや発光ダイオードを配列したLEDディスプレイなどがある。このようなデイスプレイをこの発明では総称して映像表示装置という。
このような映像表示装置で使用している発光素子はきわめて故障しにくいものが使用されているが、使用数が膨大であるから、たまには故障して発光できなくなるものが生じることもある。この場合発光しない部分は黒い点として視認され映像の品質を低下させるので、早期に発見して交換などの処置を行う必要がある。
【0003】
そこで映像表示装置の故障した発光素子を発見するための装置が従来から提案されている。図11は特開平10−20831号公報に開示されたもので、直流放電ランプを用いて構成した映像表示装置の不点灯となっているランプの検出回路を廉価に構成することを目的とした故障検出回路のブロック図である。
図において、30、31は1ドットの発光機能単位で、それぞれ直流放電ランプ21と22を含んでいる。発光機能単位の構成はどれも同じなので、以下発光機能単位30について説明する。放電ランプ21は、熱陰極型の直流放電ランプであり、電源38はそれらのフィラメントの電源である。
【0004】
電源37は放電ランプ21の点灯電流用の電源であり、抵抗24とトランジスタ33はともに放電ランプ21に対して定電流駆動回路を構成している。放電ランプ21に対してはトランジスタ28が対応し、点灯状態を制御する。
【0005】
電源39と抵抗27は、トランジスタ33の“ON”状態の時のべ一ス電位をコントロールする。電源39の電圧の大きさはトランジスタ33のべースーエミッタ間の電圧の4〜5倍程度の大きさに設定される。抵抗24の抵抗値の大きさは放電ランプ21に流すべき電流と電源39の電圧の大きさより設定される。
【0006】
トランジスタ33は直流増幅率100以上、抵抗27の抵抗値の大きさは抵抗24の4〜5倍程度の大きさとする。コンパレータ43は、トランジスタ33のべース電位をセンスするために設けられ、ダイオード25によりべース電位をセンスする。また、ダイオード25により、最も電位の低い状態をセンスできるように構成されている。
【0007】
コンパレータ43の出力は不点灯チエックシーケンサ40に入力される。不点灯チェックシーケンサ40は、表示制御信号発生部41に対して、“ON”させるランプを指示し、その指示に応じてトランジスタ28のゲート電圧を制御する。不点灯チェックシーケンサ40は、不点灯
情報メモリ42に対して不点灯情報を書き込める構成とする。
【0008】
次に図11のものの動作について説明する。
電源37、抵抗24およびトランジスタ33により構成される定電流駆動回路により放電ランプ21に一定の電流が流れる。トランジスタ33の状態は、トランジスタ28により制御され、トランジスタ28が“ON”のときには放電ランプ21は電流が流れずに消灯する。トランジスタ28が“OFF”のときに放電ランプ21は電流が流れて点灯する。トランジスタ28の状態は、表示制御信号発生部41より出力される電圧により制御される。
【0009】
トランジスタ33のべ一ス電位は、電源39に比べ抵抗27で発生する電圧降下分だけ高い電位となる。放電ランプ21に電流が流れる状態の時に、抵抗24にはエミッタ電流による電圧降下が生じ、抵抗27にはべース電流による電圧降下が生じる。トランジスタ33を直流増幅率100以上、抵抗27の抵抗値の大きさを抵抗24の4〜5倍程度の大きさとすると、放電ランプ21に電流が流れる時に、抵抗24の電圧降下は抵抗27の電圧降下の20倍程度の大きさとなる。
【0010】
電源39の電圧の大きさをトランジスタ33のべ一スーエミッタ間の電圧の4〜5倍程度の大きさに設定すると、放電ランプ21に電流が流れる時には、抵抗24の電圧はほぼ一定に制御され、その結果、ランプにはほぼ一定の電流が流れる。トランジスタ28が“ON”の時に、トランジスタ33のべ一ス電位は、電源19のプラス側と同じ値となり、抵抗27の電圧降下は、電源19の電圧と同じ大きさとなり、抵抗24の電圧降下はゼロとなる。
【0011】
放電ランプ21が何らかの故障で、電流が流れないときには、トランジスタ33には、コレクタ電流が流れないためにエミッタ電流=べース電流となって、抵抗24での電圧降下は放電ランプ21の電流が流れるときよりも十分小さな値となり、トランジスタ33のべース電位は、ほぼ電源39のプラス側からトランジスタ33のべースーエミッタ電圧分低い電位となる。
【0012】
コンパレータ43の入力端子35は、トランジスタ33のべース端子にダイオード25により接続される。これにより、入力端子35にはトランジスタ33のべース電位のうちの低い方の電位よりダイオードの電圧降下分大きい電位が現れる。入力端子36には、基準電位発生用電源34が接続され、電源34は、トランジスタ33のべ一ス電位の変化に対して、放電ランプ21のランプ電流が流れた時の入力端子35の電位よりも高く、放電ランプ21のランプ電流が流れない時の入力端子35の電位よりも低く設定される。
【0013】
コンパレータ43は、入力端子35の電位が入力端子36の電位よりも大きいときにHレベルを、入力端子35の電位が入力端子36の電位よりも小さいときにLレベルを出力する。これにより、いずれかの放電ランプに電流が流れたときに入力端子35に入力端子36よりも小さい電位が現れ、コンパレータ43の出力はLレベルとなる。
【0014】
発光機能単位30のトランジスタ28と、発光機能単位31の同じトランジスタのうちどちらか一方のみを“OFF”状態とし、放電ランプ21、22の一方のみに電流を流そうとした時の、コンパレータ出力をチェックすることにより、放電ランプ21、22の不点灯を知ることができる。
【0015】
図11において、不点灯チェックシーケンサ40は、表示制御信号発生部41に対し、ランプ21、22の一方のみを点灯する指令を与える。表示制御信号発生部41の出力信号により放電ランプ21、22の状態が決まり、コンパレータ43から電流の状態を示すレベルが出力され、不点灯チェックシーケンサ40は、現在点灯しているランプの点灯/不点灯を知ることができ、その情報を不点灯情報メモリ42に保持しておく。
【0016】
しかして、表示制御信号発生部41は、多数配列されている放電ランブのうちの1個だけを点灯させ、その点灯を総ての放電ランプについて順番にシーケンス的に実行する。これらの点灯に対応して、コンパレータ13はその都度入力端子15の電位を入力端子16の基準電位との比較を行い、その比較結果を不点灯チエックシーケンサ40に転送する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
従来の映像表示装置では、点検の対象とする発光表示素子または全ての発光表示素子を点検しようとするときは、あらかじめ入力してある検査プログラムに従って、検査するランプを順に点灯させる必要がある。順番に点灯する表示灯は、画面上に光点の移動として視認されるので、映像表示を一時的に停止して点検を行うことが必要で、実際上、映像表示運転中には点検が実施できない。また、映像表示中に発生した発光表示素子の故障は検出できないという課題があった。
【0018】
この発明は、上記のような課題を解消し、検査中の光点が視認されず、従って、映像表示中であるか否かに関わりなく発光表示素子の故障検出が実行できる発光表示素子の故障検出方法と、この故障検出方法を用いた映像表示装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
この発明による映像表示装置は、複数の発光表示素子を配列して構成した映像表示画面、
前記複数の発光表示素子に1フィールドの映像信号を送って映像を表示させる映像表示期間と、この映像表示期間に連続して設けられ前記映像を表示させない垂直帰線期間とを設けて前記映像表示画面を制御する表示制御ロジック、
前記垂直帰線期間中に前記複数の発光表示素子の少なくとも1個に電圧を印加して発光させ、このとき前記発光表示素子の各々に流れる電流の値があらかじめ定めたレベル以下のとき、当該発光素子が異常であると判定して、当該発光素子の前記映像表示画面上の位置データを含む警報信号を出力するとともに、
前記垂直帰線期間中に前記電圧を印加したタイミングに続くタイミングで、前記電圧を印加した発光表示素子を除いた他の全ての発光表示素子に対して、前記垂直帰線期間中に電圧を印加することにより、前記垂直帰線期間中の見かけの画面輝度を均一化する不点灯素子検出回路を備えたものである。
【0020】
この発明による発光表示素子の故障検出方法は、映像表示画面を構成する発光表示素子の中から、故障検出の対象とする素子を選定し、その位置データを得る素子選定手順、
1の垂直帰線期間中に前記対象とした発光表示素子に電圧を印加する電圧印加手順、
前記印加した電圧によって対象とした発光表示素子に流れる電流の大きさがあらかじめ定めた所定のレベル以下か否かを判定する判定手順、
前記判定手順で以下であると判定したときこの発光表示素子が異常であるとして警報を出力する警報手順、
前記警報を出力した発光表示素子の位置データを出力する位置データ出力手順、
前記垂直帰線期間中に前記対象とした発光表示素子以外の発光表示素子に電流を流して画面の輝度を均一化する均一化手順、
1フィールドごとに前記全ての手順を繰り返す反復手順を含むものである。
【0021】
また、電圧印加手段により1帰線期間中に複数の前記発光表示素子に電圧を印可するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
この発明の実施の形態1による映像表示装置の構成を図1に示す。また、図1の構成による発光表示素子の動作を説明するタイムチャートを図2に、映像表示画面上の動作説明を図3、図4に示す。
図1において、1は発光表示素子用電源(以下電源という)である。2は電源1と発光表示素子3との間に挿入された発光表示素子の不点灯検出回路(以下不点灯素子検出回路という)である。ここでは発光表示素子3は1個のみ示しているが、面状に多数の素子を配置して映像表示画面(図示しない)が構成されている。4はこの映像表示装置に外部から入力される画像データである。5は画像データ4を一時的に記憶するRAMである。6は発光表示素子3の不点灯故障情報や、マイコン10の作業データを一時保管するRAM、7はRAM5から映像データを読み込んで発光表示素子3のドライバ駆動用信号の生成などを行う表示制御ロジックである。8は発光表示素子3を駆動するドライバ回路、9はこの画像表示装置に表示素子の点検の実行などを指令する外部命令、10はこれらを統括制御するマイコンである。11は制御ロジック7などを含む制御ブロック、12はプログラムやマイコンの初期設定値などを記憶する不揮発性ROMである。50は映像表示装置であり、図1の映像データ4と外部命令9を除くそれ以外の部分を含んでいる。
【0023】
次に動作について説明する。
映像データ4を表示するための動作については、公知の従来の表示動作と同じなので、簡略に説明する。外部から入力される映像データ4は、一旦、表示制御ブロック7に取り込まれ、映像データ用RAM5に記憶される。この記憶された映像データは、1フィールド分づつ再度表示制御ロジック7に読み込み、必要な演算処理例えばコントラストなどの調整処理を行った後、ドライバ回路8へ出力する。図2にこのように出力される映像信号のタイミングを示す。第n番目のフィールドの映像信号101と次の(n+1番目)のフィールドの映像信号102との間には、光点の走査位置を画面の端(一般には下端)から他の端(上端)に戻すための時間などが必要であるため、映像信号が出力されない期間(垂直帰線期間)101a、102a・・・が設けられている。
【0024】
図1の表示制御ブロック7は,図2の垂直帰線期間、例えば101aの間に、任意の発光表示素子(例えば1個)を対象とした不点灯故障検出を行う。この不点灯故障検出は、前記1個の素子に対する点検用点灯信号と、上記の対象以外の全ての発光表示素子を対象として、前記不点灯故障検出用信号の点灯/不点灯指令を反転した信号とを、続けて出力する。そして次の垂直帰線期間中例えば102aに別の1個を対象とした同様の信号を出力し、これを各垂直帰線期間中に順次繰り返す。そして、例えば映像表示素子が全部でA個あったとすると、A個のフィールドを表示し終えたとき全ての表示素子の点検が一巡する。
点検用点灯信号によって点灯した発光表示素子3には所定の電流が流れるので、この電流の大きさを、例えばマイコン10を用いて監視すれば異常(不点灯)を検出することができる。
【0025】
この不点灯故障検出用信号とその反転信号とのタイミングを図3に説明する。図3(a)は1フィールドの映像信号101と不点灯故障検出用信号110aおよびその反転信号111aを示し、図3(b)はその拡大図である。図において110は垂直帰線期間101aの前半部で点灯指令期間という。111は同じく後半部で反転点灯指令期間という。点灯指令期間110と反転点灯指令期間111とは、ほぼ同じ時間長さに区切られている。
そして、この垂直帰線期間101aの中の点灯指令期間110の間に、故障検出を行う発光表示素子1個に対して点灯指令110aを出力し、同じくこの垂直帰線期間101aの中の反転点灯指令期間111の間に故障検出を行わない発光表示素子に対して点灯指令111aを出力する。
【0026】
ここで点灯指令期間110も反転点灯指令期間111もともにその全期間の中での時間位置が画面を構成する発光表示素子の一つ一つに対応している。すなわち、発光表示素子ドライバ8の内部はシフトレジスタとラッチで構成してあり、これを駆動するドライブ信号は表示制御ロジック7内で演算されたのちシリアル信号として入力されるので、この映像データ上の位置により、どの位置のデータであればどの位置の発光表示素子に対応するかをあらかじめ決めることができる。点灯指令期間110と画面上の対応する発光素子の位置関係の一例を図4に示す。また、反転点灯指令期間111についても同様である。
【0027】
図4において、51は画面、52は水平走査線である。l,k,m,nは説明の都合上、点灯指令期間110の上に設けた位置を示しており、L,K,M,Nは位置l,k,m,nに対応する画面上の発光素子の位置を示している。すなわち、点灯指令期間110または反転点灯指令期間111の左端から右端に至る位置は、画面51の左上から画面の水平/垂直走査線に沿って右下へと順に対応している。
故障検出のため発光表示素子3を点灯する時間110aはきわめて短いので、これによる発光は光点としてはわずかにしか視認されないとはいうものの、点灯指令期間110しか設けていない場合、この光点がフィールドごとに規則正しく移動するため、線として視認されてしまう。しかし本発明では故障検出のための点灯指令期間110のすぐ後に反転点灯指令期間111を設けて、故障検出の対象でない表示灯全部を点灯させているので、図5に示すように、画面全体としては均一に光り、光点あるいは線として視認されることがない。図5において118は点灯指令期間110のある瞬間の画面、119は前記画面の直後の反転点灯指令期間111の画面、120は結果として目に見える画面の状態を表したものである。
以上の説明において、1フィールドで故障検出する発光素子は1個であるとして説明したが、複数個を同時に検出しても良い。
【0028】
以上の動作を発光表示素子3の故障検出方法としてその手順を図6のフローチャートに示し説明する。図6において、ステップS1は故障検出の対象とする素子を選定する素子選定手順である。この選定によって対象素子の位置データを得る。ステップS2は垂直帰線期間101a中に対象とする発光表示素子に電圧を印加する(定電流回路から電流を流す)電圧印加手順である。ステップS3は対象素子に流れる電流の大きさがあらかじめ定めた所定のレベル以下か否かを判定する判定手順である。ステップS4はステップS3の判定手順で以下であると判定したとき、この素子が異常であるとして警報を出力する警報手順である。ステップS5は警報を出力した発光表示素子の位置データを出力する位置データ出力手順である。ステップS6は次のフィールドで行う次の故障検出の対象素子位置を変更する手順である。ステップS7はステップS2に続いて同じ垂直帰線期間中に故障検出のため電流を流さなかった素子に電流を流して画面の輝度を均一化する均一化手順である。以上の各ステップを毎フィールドごとに繰り返す(反復手順)。
【0029】
実施の形態2.
実施の形態1の説明では発光表示素子3に流れる電流を、例えばマイコンを用いて監視すると説明したが、以下に説明するようなアナログ回路で構成することもできる。
実施の形態1の図1の発光表示素子の素子不点灯険出回路2の一例を図7に示す。図3の点灯指令110aの入力により発光表示素子3が発光すると、発光表示素子3に直列接続したダイオード16に消費電流が流れ、発光しないと消費電流が流れない。
110aのタイミングで、不点灯故障検出用ダイオード16に電流が流れないとコンパレータ入力のマイナス端子の電圧よりも,コンパレータ入力のプラス端子は高い電圧になるように抵抗値があらかじめ設定されていて、コンパレータ出力はHとなる。
【0030】
発光表示素子3が正常なときは故障検出ダイオード16には電流が流れ、故障検出ダイオードのカソード電位が下がり、コンパレータ入力(一)の基準電圧よりもコンパし一タ入力(+)が低くなるとコンパレータ出力はLとなる。
このように、不点灯素子検出回路2は発光表示素子に流れる表示素子電流を監視して発光しているかいないか、つまり、不点灯故障か否かを判定することが可能になる。図7で故障検出用ダイオード16の挿入箇所は図の位置に限るものではなく、発光表示素子3に直列接続された位置でさえあればよい。
図7の不点灯素子検出回路2の出力はそのタイミングから故障している素子の位置を判定し、その結果を表示制御ロジック7へと出力し、メモリ6に出力して外部から参照することを可能にする。
上記の故障検出は、検出対象とする素子の位置を順次移動し、図8に示すように1フイールドごとに一点ずつ検査する。フィールドが進むごとに検査対象となる表示灯の位置が変化する。
【0031】
図7の回路では、1個のコンパレータ15を全表示灯に対応させているため、例えば1垂直帰線期間中に2個を点検するようにした場合、2個の故障/正常を分離して出力することができなくなる。しかし、不点灯故障は表示画面をよく見れば見つけることができるので、例えば隣同士の2個の内、いずれか一方が故障であるという情報が出力されれば実用上は十分であり、検出の効率は2倍に高くなるので、1垂直帰線期間中に複数個を点検するときにも同じ回路を使用することができる。
【0032】
実施の形態3.
実施の形態1、2の故障検出方法では、検出のため発光表示素子3に電流を流すので、素子が点灯し、画面が無用の発光をするため、それだけ画像品質が低下する。そこでこの発光をできるだけ低くする方法を説明する。
図9は不点灯故障の検出を行うための短縮した点灯指令期間110と反転点灯指令期間111とを示すもので、いずれも基線期間101aの例えば1/2とか1/3の時間に縮小している。
このようにした場合、実施の形態2で説明した電流検出のためのコンパレータ15は動作速度をより速くしたものを使用する必要があるが、例えば発光表示素子3として発光ダイオードを使用した例について説明すると、点灯指令期間110を2μsとしても、十分に不点灯故障の検出が可能であった。このとき1フィールド16.6msにおける不点灯故障検出発光率は0.01%と微少輝度となって、ほとんど視認することができない程度であった。この故障検出可能な最小時間は発光素子の種類により変わるので、不点灯素子検出回路2としては調整可能にしておくことが望ましい。
なお、点灯指令期間110と反転点灯指令期間111の垂直帰線期間101a内における位置は図の位置に限定されるものではなく、前後してもよく、たとえば反転点灯指令期間111が前に、点灯指令期間110が後になつていても良い。
【0033】
実施の形態4.
実施の形態2の図8において、点検する対象素子の位置はフィールドごとに規則正しく移動すると説明したが、規則正しく移動すると、反転点灯により平均化されているとはいえ、それだけ目に付きやすくなる。そこで、1フィールドごとに故障検出対象の表示素子の位置を、例えば、乱数表を用いて不規則(無秩序)に決定しても良い。ここで言う不規則(無秩序)とは順次選択される表示素子の位置に規則性がないことを言う。
【0034】
実施の形態5.
実施の形態1から4の説明では、1フィールドごとに1個の発光表示素子の故障の検出を行っているが、実施の形態3で説明したように、検出時間を短くすると1フィールド中に複数の発光素子の故障検出を行うことも可能である。
図10は、1フィールド中に3個の発光表示素子の故障検出を実行するようにした場合を示す。図において130、131、132はそれぞれ第1個目、第2個目、第3個目の不点灯故障検出用信号、133は反転点灯信号である。
第1個目、第2個目、第3個目の不点灯故障検出用信号130、131、132の位置は規則性を持たせても不規則にしてもどちらでも良いが、同時に同じ点の検出を行わないようにする方が望ましい。
【0035】
【発明の効果】
以上のように、この発明の映像表示装置は垂直帰線期間中に発光表示素子の故障検出を実行しているので、映像表示を続行しながら故障検出を行うことができる。
また、故障検出する発光素子と、故障検出の対象でない発光素子とを少しのタイミング差でともに点灯させるので、画面が均一に発光して故障検出する素子の発光が目たたず、映像表示の品質を落とすことがない。
【0036】
この発明の発光表示素子の故障検出方法は、垂直帰線期間中に対象とする発光表示素子に電圧を印加してその電流のレベルにより素子の異常を検出する手順を含んでいるので、映像表示を継続しながら故障の検出を行うことができる。
【0037】
また、この発光表示素子の故障検出方法は、1帰線期間中に複数の素子の点検を行う方法なので点検効率がよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による映像表示装置の構成図である。
【図2】 図1の動作を説明する映像信号のタイミング説明図である。
【図3】 図2の詳細説明図である。
【図4】 図2の動作説明図である。
【図5】 図2の動作説明図である。
【図6】 実施の形態1の動作を説明するフローチャートである。
【図7】 実施の形態2の故障判定のための電流比較回路である。
【図8】 実施の形態3の故障検出を実行するタイミングの説明図である。
【図9】 実施の形態4のタイミングの説明図である。
【図10】 実施の形態5のタイミングの説明図である。
【図11】 従来の映像表示装置の構成図である。
【符号の説明】
1 発光表示素子用電源、 2 不点灯素子検出回路、 3 発光表示素子、
7 表示制御ロジック、 8 ドライバ回路、 10 マイコン、
11 制御ブロック、101 n番目のフィールドの映像信号、
101a 垂直帰線期間、 110 点灯指令期間、 111 反転点灯指令期間。
Claims (3)
- 複数の発光表示素子を配列して構成した映像表示画面、
前記複数の発光表示素子に1フィールドの映像信号を送って映像を表示させる映像表示期間と、この映像表示期間に連続して設けられ前記映像を表示させない垂直帰線期間とを設けて前記映像表示画面を制御する表示制御ロジック、
前記垂直帰線期間中に前記複数の発光表示素子の少なくとも1個に電圧を印加して発光させ、このとき前記発光表示素子の各々に流れる電流の値があらかじめ定めたレベル以下のとき、当該発光素子が異常であると判定して、当該発光素子の前記映像表示画面上の位置データを含む警報信号を出力するとともに、
前記垂直帰線期間中に前記電圧を印加したタイミングに続くタイミングで、前記電圧を印加した発光表示素子を除いた他の全ての発光表示素子に対して、前記垂直帰線期間中に電圧を印加することにより、前記垂直帰線期間中の見かけの画面輝度を均一化する不点灯素子検出回路を備えたことを特徴とする映像表示装置。 - 映像表示画面を構成する発光表示素子の中から、故障検出の対象とする素子を選定し、その位置データを得る素子選定手順、
1の垂直帰線期間中に前記対象とした発光表示素子に電圧を印加する電圧印加手順、
前記印加した電圧によって対象とした発光表示素子に流れる電流の大きさがあらかじめ定めた所定のレベル以下か否かを判定する判定手順、
前記判定手順で以下であると判定したとき、この発光表示素子が異常であるとして警報を出力する警報手順、
前記警報を出力した発光表示素子の位置データを出力する位置データ出力手順、
前記垂直帰線期間中に前記対象とした発光表示素子以外の発光表示素子に電流を流して画面の輝度を均一化する均一化手順、
1フィールドごとに前記全ての手順を繰り返す反復手順を含むことを特徴とする発光表示素子の故障検出方法。 - 電圧印加手段により1帰線期間中に複数の前記発光表示素子に電圧を印可することを特徴とする請求項2に記載の発光表示素子の故障検出方法。
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