JP3797131B2 - 電気泳動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微量のタンパクや核酸、薬物などを分析する電気泳動装置に関し、さらに詳しくは、電気泳動部材として透明板状部材の内部にサンプルが電気泳動により分離される分離流路を備えたマイクロチップを用いるマイクロチップ電気泳動装置、及び電気泳動部材としてキャピラリを用いるキャピラリ電気泳動装置を含む電気泳動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
微量のタンパク質や核酸などを分析するための電気泳動装置として、キャピラリ電気泳動装置が主として用いられてきた。近年になって、キャピラリに代わってマイクロチップを用いるマイクロチップ電気泳動装置が使用されるようになっている。マイクロチップ電気泳動装置では、2枚の透明部材を接合して形成されたマイクロチップと称される電気泳動部材が使用される。そのマイクロチップの例を図5に示す。
【0003】
マイクロチップ51は、一対の透明板状の無機材料(例えばガラス、石英、シリコンなど)又はプラスチックからなる透明部材51a,51bからなり、例えば半導体製造プロセスに用いられる写真製版技術やマイクロマシニング技術などにより、一方の基材51bの表面に互いに交差する泳動用キャピラリ溝(流路)53,55を形成し、他方の基材51aにはその流路53,55の端に対応する位置に貫通孔をアノードリザーバ57a、カソードリザーバ57c、サンプルリザーバ57s、ウエイストリザーバ57wとして設けたものである。マイクロチップ51は、両基材51a,51bを(C)に示すように重ねて接合した状態で使用される。
【0004】
このマイクロチップ51を用いて電気泳動を行なう場合、分析に先立って、例えばシリンジを使った圧送により、いずれかのリザーバ、例えばアノードリザーバ57aから流路53,55内及びリザーバ57a,57c,57s,57w内に分離媒体を充填する。次いで、リザーバ57a,57c,57s,57w内に充填された分離媒体を除去し、短い方の流路(サンプル注入流路)53の一方の端に対応するサンプルリザーバ57sにサンプルを注入し、他のリザーバ57a,57c,57wにバッファ液を注入する。
【0005】
分離媒体、サンプル及びバッファ液を注入したマイクロチップ51を電気泳動装置に装着する。各リザーバ57a,57c,57s,57wに所定の電圧を印加し、サンプルを流路53中に泳動させて両流路53,55の交差部59に導く。各リザーバ57a,57c,57s,57wに印加する電圧を切り換えて、長い方の流路(分離流路)55の両端のリザーバ57a,57c間の電圧により、交差部59に存在するサンプルを分離流路55内に電気泳動的に導入する。
【0006】
分離流路55内にサンプルを導入した後、リザーバ57a,57c,57s,57wに収容された溶液の電気伝導度の差に起因する電気泳動の不安定要素を除くために、リザーバ57s内に収容されているサンプルをリザーバ57a,57c,57wに収容されているのと同じバッファ液で置換する。
その後、各リザーバ57a,57c,57s,57wに電気泳動用の電圧を印加して、分離流路55内に注入したサンプルを分離流路55内で分離させる。
【0007】
キャピラリ電気泳動装置では、キャピラリの一端にサンプルを注入し、そのキャピラリの両端間に泳動電圧を印加することにより、サンプルをキャピラリ内で電気泳動させて分離させる。
【0008】
このような電気泳動装置において分離成分の検出を行なう1つの方法として、例えば紫外可視分光光度計などの吸光光度計の検出器を分離流路の適当な位置に配置しておき、その位置で、目的成分の光吸収があるサンプル吸収波長の光の吸光度を測定し、その吸光度の時間的変化をモニターすることにより成分の分離をモニターする方法がある。
他の検出方法としては、分離流路の所定の範囲にわたって光を照射し、分離流路に沿って配列された複数個の受光素子を備えた光検出器により分離流路内で分離された目的成分による光の吸収を分離流路に沿った所定の範囲にわたって同時に2次元的に捕らえる方法も提案されている(特開平10−132783号公報参照。)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
光吸収を検出することで成分を検出する場合、気泡や泳動媒体中の不純物(微粒子)などが分離流路内に存在すると、目的成分由来ではない泳動媒体中の気泡や不純物に起因する光吸収が検出されることがあり、ノイズの原因になる。その結果、検出精度が低下するという問題があった。
【0010】
そこで本発明は、電気泳動装置において、目的成分の吸光度感度を落とすことなく、気泡や不純物に起因するノイズ信号を低減することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、透明部材にて形成され、その内部にサンプルが電気泳動により分離される分離流路を備えた電気泳動部材と、上記分離流路の両端間に泳動電圧を印加する泳動電源装置と、前分光又は後分光により、上記分離流路の所定の位置に又は所定の範囲にわたって光を照射し、上記分離流路の所定の位置又は所定の範囲からの、目的成分の光吸収があるサンプル吸収波長の光及び目的成分の光吸収がないか又は少なく、サンプル吸収波長とは異なる波長域のリファレンス波長の光を検出する光学検出部と、サンプル吸収波長での上記光学検出部のサンプル検出信号と同波長でのバックグラウンド光量とからそのサンプル吸収波長での吸光度を算出し、前記リファレンス吸収波長での前記光学検出部のサンプル検出信号と同波長でのバックグラウンド光量とからそのリファレンス波長での吸光度を算出する吸光度計算部と、上記吸光度計算部が算出したサンプル吸収波長での吸光度からリファレンス波長での吸光度を差し引いて補正吸光度を算出する吸光度補正部とを備えている電気泳動装置である。
ここで、リファレンス波長において「目的成分の光吸収が少なく」というのは、「目的成分の吸光度感度を落とさない程度に少なく」という意味である。
【0012】
気泡や泳動媒体中の不純物などの光吸収は波長依存性が少ないため、サンプル吸収波長でもリファレンス波長でも同程度の光吸収をもつ。これにより、サンプル吸収波長での吸光度からリファレンス波長での吸光度を引き算して補正することで、目的成分の吸光度感度を落とすことなく、気泡や不純物に起因するノイズ信号のみを効果的に低減できる。
【0013】
上記電気泳動部材の例として、マイクロチップとキャピラリを挙げることができる。本発明は、マイクロチップ電気泳動装置又はキャピラリ電気泳動装置に適用するのに相応しいが、他の電気泳動装置にも適用できるものである。
【0014】
【実施例】
図1は、一実施例を示すブロック図である。図2は、その実施例を一部ブロック図を含んで示す概略構成図である。電気泳動部材としては図5に示したマイクロチップを用いた。図1、図2及び図5を参照して一実施例の構成を説明する。
【0015】
光源としての例えば重水素ランプ1からの光の光路にはミラー3、スリット5及びミラー7が設けられており、重水素ランプ1からの光は、ミラー3、スリット5及びミラー7により平行光にされる。ミラー7による反射光の光路には、平行光にされた重水素ランプ1からの光を分光する分光器9が設けられている。分光器9により分光された光の光路には、その分光された光のうち、特定波長の光(単色光)をマイクロチップ51の分離流路55の所定範囲に導くミラー13が設けられている。分光器9には、分光器9を回転させて分離流路55に照射する単色光の波長を選択する波長選択部11が接続されている。図1ではミラー3、スリット5、ミラー7及びミラー13の図示は省略されている。
【0016】
マイクロチップ51の光入射側とは反対側には、分離流路55からの光を測定するための複数のフォトダイオードが分離流路55に沿って配列されたフォトダイオードアレイ15が備えられている。マイクロチップ51の近傍には分離流路55,53の両端に高電圧を印加するための高圧電源17が配置されている。マイクロチップ51の近傍には、分離媒体やバッファ液などの泳動媒体及びサンプルを供給するための送液系19も配置されている。
フォトダイオードアレイ15には、フォトダイオードアレイ15に配置された各フォトダイオードの検出信号をA/D変換器などの信号処理回路21を介して取り込むデータ処理部23が電気的に接続されている。
【0017】
データ処理部23には、サンプル吸収波長バックグラウンド光量記憶部25s、リファレンス波長バックグラウンド光量記憶部25r、サンプル吸収波長光量記憶部27s及びリファレンス波長光量記憶部27rが設けられている。記憶部25s,25r,27s,27rは信号処理回路21に電気的に接続されている。サンプル吸収波長バックグラウンド光量記憶部25sは、目的成分の光吸収があるサンプル吸収波長の光がサンプル分離前の分離流路55に照射されたときの光量をバックグラウンド光量として記憶する。リファレンス波長バックグラウンド光量記憶部25rは、目的成分の光吸収がないリファレンス波長の光がサンプル分離前の分離流路55に照射されたときの光量をバックグラウンド光量として記憶する。サンプル吸収波長光量記憶部27sは、サンプル吸収波長がサンプル分離後の分離流路55に照射されたときの光量を記憶する。リファレンス波長光量記憶部27rは、リファレンス波長がサンプル分離後の分離流路55に照射されたときの光量を記憶する。
【0018】
データ処理部23には、サンプル吸光波長バックグラウンド光量記憶部25sに記憶されたバックグラウンド光量及びサンプル吸光波長光量記憶部27sに記憶された光量に基づいてサンプル吸収波長での吸光度を計算するサンプル吸収波長吸光度計算部29sと、リファレンス波長バックグラウンド光量記憶部25rに記憶されたバックグラウンド光量及びリファレンス波長光量記憶部27rに記憶された光量に基づいてリファレンス波長での吸光度を計算するリファレンス波長吸光度計算部29rと、サンプル吸収波長吸光度計算部29sが算出したサンプル吸収波長での吸光度からリファレンス波長吸光度計算部29rが算出したリファレンス波長での吸光度を差し引いて補正吸光度を算出する吸光度補正部31が設けられている。吸光度補正部31が算出した補正吸光度データは、例えば補正吸光度データの解析や印刷、保存などを行なうパーソナルコンピュータへ伝送される。
【0019】
本発明を構成する吸光度計算部は、サンプル吸収波長バックグラウンド光量記憶部25s、リファレンス波長バックグラウンド光量記憶部25r、サンプル吸収波長光量記憶部27s、リファレンス波長光量記憶部27r、サンプル吸収波長吸光度計算部29s及びリファレンス波長吸光度計算部29rにより構成される。
サンプル吸収波長バックグラウンド光量記憶部25s、リファレンス波長バックグラウンド光量記憶部25r、サンプル吸収波長光量記憶部27s及びリファレンス波長光量記憶部27rは例えば1つ又は複数の記憶装置により実現され、サンプル吸収波長吸光度計算部29s、リファレンス波長吸光度計算部29r及び吸光度補正部31は例えば1つ又は複数のCPU(中央演算処理装置)により実現される。
【0020】
この実施例の動作を説明する。ここではサンプルとしてDNA(デオキシリボ核酸)を用いる場合について説明する。
マイクロチップ51を所定の位置に配置する。送液系19により、いずれかのリザーバ、例えばアノードリザーバ57aから流路53,55内及びリザーバ57a,57c,57s,57w内に分離媒体を充填する。次いで、リザーバ57a,57c,57s,57w内に充填された分離媒体を除去し、サンプル注入流路53の一方の端に対応するサンプルリザーバ57sにサンプルを注入し、他のリザーバ57a、57c,57wにバッファ液を注入する。
【0021】
高圧電源17により、各リザーバ57a,57c,57s,57wに所定の電圧を印加し、サンプルをサンプル注入流路53中に泳動させて両流路53,55の交差部59に導く。各リザーバ57a,57c,57s,57wに印加する電圧を切り換えて、分離流路55の両端のリザーバ57a,57c間の電圧により、交差部59に存在するサンプルを分離流路55内に電気泳動的に導入する。
分離流路55内にサンプルを導入した後、リザーバ57a,57c,57s,57wに収容された溶液の電気伝導度の差による電気泳動の不安定要素を除くため、リザーバ57s内に収容されているサンプルをリザーバ57a,57c,57wに収容されているのと同じバッファ液で置換する。
【0022】
波長選択部11により、分光器9の角度を制御して、サンプル吸収波長の光、例えば波長が260nmの光を分離流路55の所定範囲に照射する。このとき、分離流路55の所定範囲にサンプルが存在しない状態である。そのときの分離流路55の所定範囲からの光をフォトダイオードアレイ15により検出し、信号処理回路21を経てサンプル吸収波長バックグラウンド光量記憶部25sに記憶する。
【0023】
波長選択部11により、分光器9の角度を変更して、リファレンス波長の光、例えば波長が320〜350nmの光、ここでは320nmの光を分離流路55の所定範囲に照射する。このときも、分離流路55の所定範囲にサンプルが存在しない状態である。そのときの分離流路55の所定範囲からの光をフォトダイオードアレイ15により検出し、信号処理回路21を経てリファレンス波長バックグラウンド光量記憶部25rに記憶する。
【0024】
高圧電源17により、リザーバ57a,57c,57s,57wに所定の泳動電圧を印加して、サンプルを分離流路55内で分離させる。分離が完了した時点でリザーバ57a,57c,57s,57wに印加する高圧を切り、泳動を停止する。
【0025】
波長選択部11により、分光器9の角度を制御して、サンプル吸収波長である260nmの光を分離流路55の所定範囲に照射する。このとき、分離流路55の所定範囲でサンプルが分離している状態である。そのときの分離流路55の所定範囲からの光をフォトダイオードアレイ15により検出し、信号処理回路21を経てサンプル吸収波長光量記憶部27sに記憶する。
【0026】
波長選択部11により、分光器9の角度を変更して、リファレンス波長である320nmの光を分離流路55の所定範囲に照射する。このときも、分離流路55の所定範囲でサンプルが分離している状態である。そのときの分離流路55の所定範囲からの光をフォトダイオードアレイ15により検出し、信号処理回路21を経てリファレンス波長光量記憶部27rに記憶する。
【0027】
図3は、吸光度データを示す波形図であり、(A)はサンプル吸収波長(260nm)での波形図、(B)はリファレンス波長(320nm)での波形図、(C)は補正吸光度データを示す波形図である。縦軸は吸光度、横軸は分離流路位置を示す。
サンプル吸収波長吸光度計算部29sにより、記憶部25sに記憶されたバックグラウンド光量及び記憶部27sに記憶された光量に基づいて、Lambert-Beerの式を適用して、サンプル吸収波長での吸光度を計算する((A)参照)。
サンプル吸収波長の吸光度=
-log({サンプル吸収波長光量}/{サンプル吸収波長バックグラウンド光量})
ここで対数の底は10である。
サンプル吸収波長での吸光度データ(A)には、目的成分のピークPのほか、気泡に起因するノイズNが見られる。また、ベースラインには、気泡や不純物に起因する細かなノイズが多数見られる。
【0028】
リファレンス波長吸光度計算部29rにより、記憶部25rに記憶されたバックグラウンド光量及び記憶部27rに記憶された光量に基づいて、Lambert-Beerの式を適用して、リファレンス波長での吸光度を計算する((B)参照)。
リファレンス波長の吸光度=
-log({リファレンス波長光量}/{リファレンス波長バックグラウンド光量})
ここで対数の底は10である。
リファレンス波長での吸光度データ(B)には、サンプル吸収波長での吸光度データ(A)と同じ分離流路位置に気泡に起因するノイズN’が見られる。また、ベースラインには、サンプル吸収波長での吸光度データ(A)の分離流路位置に対応して気泡や不純物に起因する細かなノイズが多数見られる。
【0029】
吸光度補正部31により、サンプル吸収波長吸光度計算部29sが算出した吸光度からリファレンス波長吸光度計算部29rが算出した吸光度を差し引いて補正吸光度を算出する((C)参照)。
補正吸光度={サンプル吸収波長吸光度}−{リファレンス波長吸光度}
補正吸光度データ(C)では、バッファ液溶液中の気泡や微粒子などに起因するノイズが低減され、目的成分のピークP’が明確になっているのが分かる。このように、バッファ液溶液中の気泡や微粒子などに起因するノイズを目的成分に対する感度を損なわずに効果的に低減できる。
得られた補正吸光度データをパーソナルコンピュータに伝送し、解析、印刷、保存などを行なう。
【0030】
この実施例では、サンプル吸収波長として260nm、リファレンス波長として320nmを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、サンプル吸収波長は目的成分の吸収が最大になる波長を選択し、リファレンス波長は目的成分の吸収が少なく、なおかつノイズが少ない波長(光源の輝度が十分にある波長など)を選択することができる。
【0031】
また、この実施例では、分離流路の所定範囲での吸光度を測定しているが、本発明が適用される電気泳動装置はこれに限定されるものではなく、検出器を分離流路の適当な位置に配置しておき、その位置での吸光度の時間的変化をモニターすることにより成分の分離をモニターする電気泳動装置にも適用することができる。図4にその電気泳動装置の一実施例を示す。
【0032】
図4は、他の実施例を一部ブロック図を含んで示す概略構成図である。図2と同じ機能を果たす部分には同じ符号を付し、その説明は省略する。
重水素ランプ1からの光の光路にはミラー3a、スリット5a、ミラー7a及び分光器9が設けられている。重水素ランプ1からの光は、ミラー3aによりスリット5aに結像される。スリット5aを通過した光はミラー7aに照射される。ミラー7による反射光の光路には分光器9が設けられている。分光器9により分光された光の光路には、その分光された光のうち、特定波長の光(単色光)をスリット5bに結像するミラー13aが設けられている。スリット5bを通過した光は集光レンズ14によりマイクロチップ51の分離流路55の所定位置に結像される。分光器9には波長選択部11が接続されている。
【0033】
マイクロチップ51の光入射側とは反対側には、分離流路55からの光を測定するためのフォトダイオード15aが備えられている。マイクロチップ51の近傍には高圧電源17及び送液系19が配置されている。
フォトダイオード15aには、フォトダイオード15aの検出信号を信号処理回路21を介して取り込むデータ処理部23が電気的に接続されている。データ処理装置23は、図1に示す構成と同じである。
【0034】
マイクロチップ51の分離流路55にサンプルが存在しない状態でサンプル吸収波長の光とリファレンス波長の光を順に照射して、バックグランド光量をサンプル吸収波長バックグラウンド光量記憶部25sとリファレンス波長バックグラウンド光量記憶部25rに記憶した後、高圧電源17によりマイクロチップ51に泳動電圧を印加してサンプルの分離を開始する。
【0035】
波長選択部により分光器9の角度を制御して、分離流路55にサンプル吸収波長の光とリファレンス波長の光を交互に照射し、サンプル吸収波長の光が照射されたときのフォトダイオード15aの検出信号の時間的変化をサンプル吸収波長光量記憶部27sに記憶し、リファレンス波長の光が照射されたときのフォトダイオード15aの検出信号の時間的変化をリファレンス吸収波長光量記憶部27sに記憶する。
【0036】
サンプル吸収波長吸光度計算部29sにより、サンプル吸収波長バックグラウンド光量記憶部25s及びサンプル吸収波長光量記憶部27sに記憶された光量に基づいてサンプル吸収波長での吸光度の時間的変化を計算する。リファレンス波長吸光度計算部29rにより、リファレンス波長バックグラウンド光量記憶部25r及びリファレンス波長光量記憶部27rに記憶された光量に基づいてサンプル吸収波長での吸光度の時間的変化を計算する。
【0037】
吸光度補正部31により、サンプル吸収波長吸光度計算部29sが算出したサンプル吸収波長での吸光度からリファレンス波長吸光度計算部29rが算出したリファレンス波長での吸光度を、時間位置を対応させて差し引いて、補正吸光度データを得る。これにより、目的成分の吸光度感度を落とすことなく、気泡や不純物に起因するノイズ信号を低減することができる。
このように、本発明を、検出器を分離流路の適当な位置での吸光度の時間的変化をモニターする電気泳動装置にも適用できる。
【0038】
上記の実施例では、光源からの光を分光器により単色光にして分離流路に照射する電気泳動装置(前分光)に本発明を適用しているが、本発明が適用される電気泳動装置はこれに限定されるものではなく、分離流路からの光を分光器により分光してサンプル吸収波長の光及びリファレンス波長の光を検出する電気泳動装置(後分光)に適用することもできる。
また、上記の実施例では、本発明をマイクロチップ電気泳動装置に適用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャピラリ電気泳動装置など、他の電気泳動装置にも提供することができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明の電気泳動装置では、電気泳動部材と、泳動電源装置と、分離流路からのサンプル吸収波長の光及びサンプル吸収波長とは異なる波長域のリファレンス波長の光を検出する光学検出部と、光学検出部の検出信号に基づいてサンプル吸収波長での吸光度及びリファレンス波長での吸光度をそれぞれ算出する吸光度計算部と、吸光度計算部が算出したサンプル吸収波長での吸光度からリファレンス波長での吸光度を差し引いて補正吸光度を算出する吸光度補正部とを備えているようにしたので、サンプル吸収波長での吸光度からリファレンス波長での吸光度を引き算して補正することにより、目的成分の吸光度感度を落とすことなく、気泡や不純物に起因するノイズ信号を効果的に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例を示すブロック図である。
【図2】同実施例を一部ブロック図を含んで示す概略構成図である。
【図3】吸光度データを示す波形図であり、(A)はサンプル吸収波長(260nm)での波形図、(B)はリファレンス波長(320nm)での波形図、(C)は補正吸光度データを示す波形図である。
【図4】他の実施例を一部ブロック図を含んで示す概略構成図である。
【図5】マイクロチップの一例を表す図であり、(A)は一方の基材の上面図、(B)は他方の基材の上面図、(C)は両基材を重ね合わせた状態での側面図である。
【符号の説明】
1 重水素ランプ
3,7,13 ミラー
5 スリット
9 分光器
11 波長選択部
15 フォトダイオードアレイ
17 高圧電源
19 送液系
21 信号処理回路
23 データ処理部
25s サンプル吸収波長バックグラウンド光量記憶部
25r リファレンス波長バックグラウンド光量記憶部
27s サンプル吸収波長光量記憶部
27r リファレンス波長光量記憶部
29s サンプル吸収波長吸光度計算部
29r リファレンス波長吸光度計算部
31 吸光度補正部

Claims (2)

  1. 透明部材にて形成され、その内部にサンプルが電気泳動により分離される分離流路を備えた電気泳動部材と、
    前記分離流路の両端間に泳動電圧を印加する泳動電源装置と、
    前分光又は後分光により、前記分離流路の所定の位置に又は所定の範囲にわたって光を照射し、前記分離流路の所定の位置又は所定の範囲からの、目的成分の光吸収があるサンプル吸収波長の光及び目的成分の光吸収がないか又は少なく、サンプル吸収波長とは異なるリファレンス波長の光を検出する光学検出部と、
    前記サンプル吸収波長での前記光学検出部のサンプル検出信号と同波長でのバックグラウンド光量とからそのサンプル吸収波長での吸光度を算出し、前記リファレンス吸収波長での前記光学検出部のサンプル検出信号と同波長でのバックグラウンド光量とからそのリファレンス波長での吸光度を算出する吸光度計算部と、
    前記吸光度計算部が算出したサンプル吸収波長での吸光度からリファレンス波長での吸光度を差し引いて補正吸光度を算出する吸光度補正部と、を備えたことを特徴とする電気泳動装置。
  2. 前記電気泳動部材はマイクロチップ又はキャピラリである請求項1に記載の電気泳動装置。
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