JP4321910B2 - マルチキャピラリー電気泳動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のキャピラリーカラムが配列され、複数の試料が1つずつキャピラリーカラムに注入されて、全てのキャピラリーカラムで同時に電気泳動されるマルチキャピラリー電気泳動装置に関するものである。
このようなマルチキャピラリー電気泳動装置は、生化学分野や臨床検査などに用いられ、特にDNAシーケンスに用いられて成果をあげている。
【0002】
【従来の技術】
ヒトゲノムのような長大な塩基配列をもつDNAの塩基配列決定には、高感度で、高速で、かつ大処理能力をもったDNAシーケンサが必要となる。その1つの方法として、平板状のスラブゲルを用いたものに代わってゲルを充填したキャピラリーカラムを複数本配列したマルチキャピラリー電気泳動装置が提案されている。キャピラリーカラムは、スラブゲルに比べて、試料の取扱いや注入が容易であるだけでなく、高速に泳動させて高感度で検出できる。つまり、スラブゲルで高電圧を印加すれば、ジュール熱の影響によりバンドが広がったり、温度勾配が生じるなどの問題が生じるが、キャピラリーカラムではそのような問題は少なく、高電圧を印加して高速泳動をさせても、バンドの広がりが少なく高感度検出ができるのである。
【0003】
特開平10−206384号公報に開示されているマルチキャピラリー電気泳動装置(従来技術1)では、複数本のキャピラリーカラムは、一端側が試料注入側となって試料注入側ホルダにより二次元的に配列されて固定され、他端側が検出側となって検出側ホルダにより平面上に一列に配列されて固定されてキャピラリーアレイを構成している。検出側ホルダにはキャピラリーカラムの配列方向に長孔開口が形成されており、その長孔開口で露出されるキャピラリーカラムの部分は被検出部を構成する。4種類の蛍光物質により標識されたDNAフラグメントを含む試料を分離検出する場合、その被検出部に励起光を照射して、被検出部に泳動されてきた試料成分から発生する蛍光を検出し、試料成分を識別している。
【0004】
従来技術1では、励起・受光光学系として、被検出部で1本のキャピラリーカラムに励起光を集光して投光するとともに、そのキャピラリーカラムを泳動中の試料から発生する蛍光を受光する集光レンズを対物レンズとして備え、励起光の投光と蛍光の受光を同じレンズで行なう落射光学系を採用している。この対物レンズをキャピラリーカラムの被検出部での配列面と平行で泳動方向と直交する1直線に沿って走査させることにより、すべてのキャピラリーカラムについて蛍光の検出を行なっている。
このような光学系では、検出感度の観点から、少しでも多くの蛍光を集光すべく、対物レンズは被検出部に接近して配置されることが好ましい。そのため対物レンズとして焦点距離の短い集光レンズが用いられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
対物レンズとして焦点距離の短い集光レンズを用いると、キャピラリーアレイの被検出部の位置が励起光の照射方向にわずかにずれただけでも集光される蛍光の量が減少し、検出感度の低下を招く。そのため、検出側ホルダの作成及び検出側ホルダへのキャピラリーカラムの固定時に高い加工精度が要求される。
そこで、本発明は、かかる加工精度の要求を緩和するとともに、キャピラリーアレイの被検出部の位置を再現性よく装置に固定でき、検出感度の低下を抑制することができるマルチキャピラリー電気泳動装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数のキャピラリーカラムが配列され、キャピラリーカラムは一端側が試料注入側となって試料注入側ホルダにより固定され、他端側が検出側となって検出側ホルダにより平面上に一列に配列されて固定され、キャピラリーカラムの検出側ホルダ位置に被検出部が設けられたキャピラリーアレイと、試料注入側ホルダ及び検出側ホルダが固定され、キャピラリーカラムに試料が1つずつ注入されて、試料注入側の端部がバッファ液に浸され、検出側の端部が別のバッファ液に浸されるとともに、両バッファ液間を通して泳動電圧が印加されて、全てのキャピラリーカラムで同時に電気泳動されるマルチキャピラリーアレイ泳動部と、キャピラリーアレイの被検出部に光を照射し、その光と試料との相互作用による検出光を検出する検出部とを備えたマルチキャピラリー電気泳動装置であって、マルチキャピラリーアレイ泳動部は、検出側ホルダを固定する検出側ホルダ固定部と、検出部と被検出部との平行度を調整する平行度調整機構とを備えたものである。
平行度調整機構により検出部と被検出部との平行度を調整することにより、被検出部の場所によらず一定感度で検出を行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
検出部の検出方式は、被検出部のキャピラリーカラムを1本ずつ順次検出していく走査方式である。走査方式による検出部は、被検出部の1本のキャピラリーカラムに光を集光して投光するとともにその光と試料との相互作用による検出光を受光する落射光学系と、その落射光学系をキャピラリーアレイの被検出部での配列面と平行で泳動方向と直交する1直線に沿って往復方向に移動させる走査機構とを備え、その場合には平行度調整機構は落射光学系の走査軸と被検出部との平行度を調整するものとなる。
【0008】
走査方式では、検出側ホルダを検出側ホルダ固定部に固定した後、走査機構を動作させて落射光学系を泳動方向と直交する方向に往復移動させ、そのときの検出部の検出信号に基づいて、平行度調整機構により落射光学系の走査軸と被検出部との平行度を調整する。
【0009】
平行度調整機構の一態様は、検出側ホルダ固定部の取付角度をネジの回転により調整するあおり調整機構であることが好ましい。その結果、簡略な構造及び簡便な操作により、落射光学系の走査軸と被検出部との平行度を調整することができる。
平行度調整機構の他の態様は、落射光学系を走査させたときの検出信号に対応して検出側ホルダ固定部のあおり角度を自動で調整するアクチュエータを備えることが好ましい。その結果、オペレータの負担が軽減することができる。
【0010】
また、検出部は、被検出部の1本のキャピラリーカラムに光を集光して投光するとともにその光と試料との相互作用による検出光を受光する落射光学系と、落射光学系を泳動方向と直交する1直線に沿って往復方向に移動させるとともに、その一直線に沿って走査させたときの検出信号に対応して被検出部と落射光学系との距離を自動的に調整する走査機構とを備えていることが好ましい。その結果、平行度調整機構を設けることなく、被検出部と落射光学系との距離を適したものにすることができる。
さらに、検出側ホルダ固定部は、検出側ホルダ固定部は、被検出部と落射光学系との間に配置され、被検出部に対応する位置に開口が形成され、被検出部の一方の面が接触される平面を備えた検出位置部材と、被検出部を検出位置部材とは反対側から検出位置部材に押さえつける平面を備えた被検出部押さえつけ部材とを備えることが好ましい。その結果、被検出部における複数本のキャピラリーカラムを検出位置部材の平面上に再現性よく固定することができる。
【0011】
【実施例】
図1は一実施例を概略的に示す側面断面図である。
キャピラリーアレイ2は分離媒体のゲルが充填された複数のキャピラリーカラムが配列されたものであり、その一端側(下端側)2aが試料注入側となって試料注入側ホルダ4により二次元的に配列されて固定されており、試料注入用リザーバの試料又は泳動用の下側リザーバのバッファ液と接触する。キャピラリーアレイ2の他端側(上端側)2bは検出側となって検出側ホルダ6によりキャピラリーカラムが一列に配列されており、上側リザーババッファ液と接触する。キャピラリーアレイの検出側(2b側)には、キャピラリーカラムが一列に配列されて検出側ホルダ6に支持されている位置に被検出部2cが設けられている。
【0012】
図2、図3及び図4は、この実施例に装着されるキャピラリーアレイの一例を表す概略構成図である。図2は正面図、図3は左側面図、図4は上面図である。
試料注入側ホルダ4は、ガラスキャピラリーカラムを2次元的に配列するための樹脂製のホルダ板4a,4bの間に、キャピラリーカラムを穴で挟持して固定するシリコーンゴム製のゴム板4dが挾み込まれ、固定ネジ4cにより一体化されたものである。ホルダ板4a,4bには、試料導入に使用する384穴マイクロプレートの各穴の位置に対応して、キャピラリーカラムを通す穴が16×24箇所に設けられている。それらのホルダ板4a,4bの穴はキャピラリーカラムの外径よりも大きく設定されている。キャピラリーカラムは両ホルダ板4a,4b及びその間に挾まれたゴム板4dを貫通し、ゴム板4dの穴内にゴムの弾性により挟持されることによりホルダ4との間に気密を保って固定されている。
【0013】
検出側ホルダ6は、密着して平面上に並べられたキャピラリーカラムを下側からはホルダ板6aにより、上側からはシリコーンゴム製のゴム板6dにより挾むことによって固定している。ゴム板6dによりキャピラリーカラムをホルダ板6aに押しつけて固定するために、キャピラリーカラムの配列の両側部でゴム板6dをホルダ板6aに固定するホルダ板6bが設けられている。ホルダ板6aと6bは固定ネジ6cにより固定されている。
【0014】
キャピラリーカラムの全長は約500mmであり、試料注入側の端部から約400mmの位置に被検出部2cが設けられている。被検出部2cに検出用ウィンドウを形成するために、ホルダ板6a,6b及びゴム板6dにはキャピラリーカラムの配列方向に延びた長円形の開口8がそれぞれ開けられ、開口8の重なった部分が被検出部2cとなっている。電気泳動の際の信号検出は、その開口8を通して行なわれる。
また、本発明によるマルチキャピラリー電気泳動装置には、後述のように、ホルダ6を固定位置に案内する位置決めピン44aが検出部に設けられており、ホルダ6にはその位置決めピン44aが通る位置決め穴44bが設けられている。
【0015】
キャピラリーカラムは、石英ガラスやホウケイ酸ガラス等を材質とするものであり、外形が200〜300μm、内径が75〜100μmのものである。キャピラリーカラムはその外周をSiO2など、紫外領域から近赤外領域の励起光によっては蛍光を発生しないか、発生しても蛍光測定の妨げにならない程度である無蛍光材質の被膜により被覆されたものが好ましい。その場合には、被検出部2cでも被膜を除去する必要がない。それに対し、キャピラリーカラムが被膜として蛍光を発する樹脂被膜をもったものである場合は、被検出部2cではその被膜を除去しておく。
【0016】
キャピラリーカラム内には分離媒体のゲルとして、ポリアクリルアミドゲル、リニアアクリルアミドゲル、ポリエチレンオキサイド(PEO)ゲルなどが充填されている。各キャピラリーカラムには末端塩基別に異なる蛍光物質FAM、JOE、TAMRA、ROX、R6G、R−110などの蛍光物質から選ばれた4種類の蛍光物質により標識された4種類のDNAフラグメントを含む試料がそれぞれ注入され、同時に電気泳動がなされる。
【0017】
図1に戻って説明を続けると、標識蛍光物質を励起するための励起光源として、アルゴンガスレーザ装置10が設けられている。アルゴンガスレーザ装置10は出力が40〜100mWで、マルチラインタイプであり、488nmや514.5nmなどの波長のレーザ光を同時に発振する。
被検出部2cのキャピラリーアレイにレーザ装置10からのレーザビームを励起光として照射し、被検出部2cからの蛍光を検出する光学系12は、図5(A)に詳細に示された落射光学系である。16はレーザ装置10からのレーザビーム14を被検出部2cのキャピラリーアレイの面に垂直に照射するミラー、18は中央部に穴をもち、その穴から励起光ビームを透過させ、鏡面で蛍光を反射させるトンネルミラー、20は励起光を1本のキャピラリーカラムに集光して投光するとともに、そのキャピラリーカラムを泳動中の試料から発生する蛍光を受光する集光レンズからなる対物レンズである。対物レンズ20は励起光の投光と蛍光の受光を同じレンズで行なうものであり、落射光学系を構成している。対物レンズ20で集光された蛍光はトンネルミラー18の鏡面で反射される。
【0018】
22はその反射光から励起光成分を遮蔽し、蛍光を透過させる光学フィルター、24は検出視野を限定するためのピンホールスリット、26は光学フィルター22を透過した蛍光をピンホールスリット24の位置に結像させる絞りレンズである。キャピラリーカラムでの蛍光発生点がピンホ−ルスリット24の位置に結像されることにより、共焦点光学系を構成している。励起光除去のための光学フィルター22としては、エッジフィルターや色ガラスを利用することができる。ピンホールスリット24は検出視野を小さくして隣接するキャピラリーカラムからの迷光侵入を防ぐためのものである。
【0019】
ピンホールスリット24での蛍光像を4つの光束に分割するために、図5(B)に示されるレンズパネル28が配置されている。レンズパネル28は単レンズをカットして張りあわせたものや、ガラスモールド成形品として製作することができる。その4つに分割された光束のそれぞれの光路上には図5(C)に示される各標識蛍光物質用の異なる分光用フィルターからなるフィルターパネル30が配置されている。フィルターパネル30はバンドパスフィルターであり、各標識蛍光物質に対応した4種類の波長特性の異なるフィルターがそれぞれの光路上にくるように並列配置されたものである。各フィルターの透過波長は、末端塩基がA(アデニン),G(グアニン),C(シトシン),T(チミン)となる各断片試料を標識している蛍光物質の発光波長に対応したものである。それぞれのフィルターを透過した蛍光を検出するために、それぞれの光路上には4つの光電子増倍管32が配置されている。
【0020】
ミラー16、トンネルミラー18、対物レンズ20、光学フィルター22、ピンホールスリット24、絞りレンズ26、レンズパネル28、フィルターパネル30及び光電子増倍管32を含む落射光学系12は、走査機構34のステージに取りつけられており、被検出部2cでの全てのキャピラリーカラムからの蛍光を検出するために、キャピラリーアレイ2の被検出部2cの面に平行で、泳動方向と直交する一直線(図1では紙面垂直方向、図5(A)では上下方向)に沿って往復方向に移動させられるようになっている。レーザービーム14がミラー16に入射する方向は、この落射光学系12の走査方向と平行になるように設定されており、落射光学系12の走査によってもレーザービーム14の光軸が変動しないようになっている。
【0021】
図6は、検出側ホルダ固定部及びその周辺の一実施例を表す構成図であり、(A)は上方から見た断面図、(B)は(A)のB−B’線に沿った正面から見た断面図、(C)は(A)のC−C’線に沿った側方から見た断面図であり、(A)は(B)及び(C)のA−A’線に沿ったものである。ただし、(A)及び(B)において上側電極58及び検出側キャピラリー端押さえつけ部材60の図示は省略され、(A)においては被検出部押さえつけ部材62の図示も省略されている。
【0022】
検出側ホルダ6が固定される位置に可動板36が備えられている。図7は可動板36を表す構成図であり、(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。
可動板36は基板36aと検出位置板36bとから構成されている。基板36aには、落射光学系12が走査される方向に長孔開口38が形成されている。開口38上には、検出側ホルダ6の開口8より少し小さい寸法をもつ検出位置板36bが配置されている。検出位置板36bには、基板36a側に落射光学系走査溝40が形成されており、その走査溝40の底面には光照射窓42となる長孔開口が形成されている。落射光学系12の対物レンズ20側は長孔開口38及び走査溝40内に配置されて長孔開口38に沿って走査される。
【0023】
基板36aには、ホルダ6の位置決め穴44bに対応する位置に位置決めピン44aが2つ配置されている。ホルダ6は、位置決めピン44aと位置決め穴44bの位置及び検出位置板36bとホルダ6の開口8の位置を合わせることにより、可動板36に正確に配置される。
さらに基板36aには、ホルダ6の4角に対応する位置に止めネジ46が配置されている。止めネジ46を回転させて、止めネジ46が基板36aから突出する長さを調整することにより、ホルダ6が配置される高さを調整することができる。
【0024】
さらに基板36aには、基板36aの一辺側の2箇所に基板36aを貫通して設けられた2つのあおり調整ネジ48aと、あおり調整ネジが配置された一辺側と対向する一辺側の検出位置板36bとは反対側の面に設けられたあおり調整支点ピン48bとから構成されるあおり角度調整機構が備えられている。あおり調整ネジ48aを回転させることにより、可動板36と落射光学系12の走査軸との平行度を調整することができる。
ホルダ6は、可動板36の両端側付近に設けられた2個のクランプ50を締め付けることにより可動板36に固定される。
【0025】
可動板36が配置される付近にはキャピラリーアレイ端2bが浸されるバッファ液を収容する上側リザーバ52と、可動板36上及び上側リザーバ52上を被うカバー54が設けられている。カバー54は、カバー開閉軸56を中心として開閉できるようになっている。
カバー54には、筒状の絶縁部材に被われて上側電極58が取りつけられており、カバー54を被せた状態で上側電極58が上側リザーバ52のバッファ液に接触する。カバー54にはキャピラリーアレイ端押さえつけ部材60が配置されており、キャピラリーアレイ端2bは押さえつけ部材60により上側リザーバ52側に曲げられてバッファ液に浸される。
【0026】
カバー54には、被検出部2cに対応する位置に被検出部押さえつけ部材62が設けられている。押さえつけ部材62にはホルダ6の開口8より小さい寸法の平面が形成されており、その平面にはシリコーンゴム製のゴム板64が貼り付られている。押さえつけ部材62は、カバー54に設けられた4本の棒状部材66により、被検出部2cの面に直交する方向に摺動可能に取り付けられている。棒状部材66にはカバー54と押さえつけ部材62との間にバネ68がそれぞれ配置されており、ホルダ6を可動板36に配置した後、カバー54を閉じたときに、押さえつけ部材62がシリコーンゴム板64を介して被検出部2cを検出位置板36bに適当な圧力で押さえつけるようになっている。
本発明の検出側ホルダ固定部は、可動板36、あおり調整ネジ48a、あおり調製支点ピン48b、クランプ50及び被検出部押さえつけ部材62から構成される。
【0027】
図1に示されるように、検出側ホルダ4は泳動チャンバ66内に固定される。チャンバ66の下側には下側電極68が取りつけられており、試料注入用リザーバ又は泳動用の下側リザーバのバッファ液がキャピラリーアレイ2の下端2aに接触する位置まで押し上げられたときに、下側電極68がその下側のリザーバ内のバッファ液に接触してキャピラリーアレイ2の下端2aと導通するようになっている。両電極58,68を通して高圧電源装置から両リザーバのバッファ液間に試料注入用電圧又は泳動電圧が印加される。その電源電圧は例えば30kVで、電流容量は10〜30mAである。
【0028】
キャピラリーアレイ2の試料注入側端2aの下側には、泳動用リザーバと試料注入用リザーバ70が水平面内に並べて、X−Zサンプルステージ72上に支持されている。X−Zサンプルステージ72は、サンプルステージ移動機構74により、いずれかのリザーバを試料注入側端2aの下方に位置決めする水平方向(X方向:図1では紙面垂直方向)の移動と、リザーバ内のバッファ液を試料注入側端2aに接触させたり、試料注入側端2aから引き離したりするための垂直方向(Z方向:図1では上下方向)の移動を行なう。
【0029】
リザーバ70にはキャピラリーアレイ2の下端2aのキャピラリー端の配列に対応したウエルが形成されたサンプルタイタープレート76が乗せられる。サンプルタイタープレート76はウエルの底が貫通し、その貫通した底にはメンブレンが張られ、それぞれのウエルのメンブレン上には試料が吸着されている。リザーバ70中のバッファ液がメンブレンと接触し、バッファ液を通して下側電極68から試料注入側端2aのキャピラリーカラム端に試料注入用の電圧が印加される。
【0030】
次に、検出側ホルダ6を可動板36に固定し、被検出部2cの平面と落射光学系12の走査軸との平行度を調整する動作を説明する。
各キャピラリーカラムの被検出部2cに蛍光色素を充填したキャピラリーアレイ2を用意し、そのキャピラリーアレイ2のホルダ6をカバー54を開けて位置決めピン44aと位置決め穴44bの位置を合わせて可動板36に配置し、クランプ50により締め付けて固定する。これにより、キャピラリーアレイ2の被検出部2Cを再現性よく装置に固定することができる。
カバー54を閉めて、押さえつけ部材62により被検出部2cを検出位置板36bに押しつけて検出位置板36bの平面に沿って光照射窓42上に固定するとともに、押さえつけ部材60によりキャピラリーアレイ2の検出側端2b上側リザーバ52のバッファ液に浸す。
【0031】
落射光学系12を走査させ、ピンホールスリット24上に結像される像を観察し、被検出部2cと対物レンズ20との距離が適当であるか否かを判断する。被検出部2cと対物レンズ20との距離が適当でない場合は、あおり調整ネジ48aを回転させて被検出部2cと対物レンズ20との距離を調整する。これにより、検出側ホルダの作成及びキャピラリーアレイの作成における加工精度の要求を緩和し、検出感度の低下を抑制することができる。さらに、被検出部2cと落射光学系12との距離を調整することができるので、キャピラリーアレイ2に配列されるキャピラリーカラムの種々の外径寸法に適応することができる。さらに、キャピラリーカラムの製造ロット差による外径寸法公差を許容することもできる。
【0032】
この実施例では、あおり角度調整機構として、2個のあおり調整ネジとあおり調整支点ピンとを用いているが、これに限定されるものではなく、例えばピエゾ素子などのアクチュエータを用いて、落射光学系を走査させたときの検出信号に対応してあおり角度を自動的に調整するようにしてもよい。
また、あおり角度調整機構の代わりに、落射光学系を照射光の光軸方向に移動させるアクチュエータを設けて、落射光学系を走査させたときの検出信号に対応して被検出部と落射光学系との距離を自動的に調整するようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明のマルチキャピラリー電気泳動装置では、被検出部押さえつけ部材によりキャピラリーアレイの被検出部を可動板の平面上に固定した後、あおり調整機構により可動板のあおり角度を調整して、被検出部と落射光学系の走査軸との平行度を調整できるようにしたので、検出側ホルダの作成及び検出側ホルダへのキャピラリーカラムの固定時の加工精度の要求を緩和するとともに、被検出部の位置を再現性よく装置に固定でき、検出感度の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一実施例を概略的に示す側面断面図である。
【図2】 同実施例に装着されるキャピラリーアレイの一例を表す正面図である。
【図3】 同キャピラリーアレイの左側面図である。
【図4】 同キャピラリーアレイの上面図である。
【図5】 同実施例における光学系を表す概略図であり、(A)は側面断面図、(B)は(A)に用いられるレンズパネルを表す斜視図、(C)は(A)で用いられるフィルタパネルを表す斜視図である。
【図6】 同実施例における検出側ホルダ固定部及びその周辺の一実施例を表す概略構成図であり、(A)は上方から見た断面図、(B)は(A)のB−B’線に沿った断面図、(C)は(A)のC−C’線に沿った断面図であり、(A)は(B)及び(C)のA−A’線に沿ったものである。
【図7】 同検出側ホルダ固定部における可動板を表す概略構成図であり、(A)は上面図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。
【符号の説明】
2 キャピラリーアレイ
2a キャピラリーアレイの試料注入側端
2b キャピラリーアレイの検出側端
2c 被検出部
4 試料注入側ホルダ
6 検出側ホルダ
8 開口
12 落射光学系
36 可動板
36a 基板
36b 検出位置板
38 長孔開口
40 落射光学系走査溝
42 光照射窓
46 止めネジ
48a あおり調整ネジ
48b あおり調整支点ピン
50 クランプ
52,70 リザーバ
54 カバー
58,68 電極

Claims (4)

  1. 複数のキャピラリーカラムが配列され、前記キャピラリーカラムは一端側が試料注入側となって試料注入側ホルダにより固定され、他端側が検出側となって検出側ホルダにより平面上に一列に配列されて固定され、前記キャピラリーカラムの前記検出側ホルダ位置に被検出部が設けられたキャピラリーアレイと、前記試料注入側ホルダ及び前記検出側ホルダが固定され、前記キャピラリーカラムに試料が1つずつ注入されて、試料注入側の端部がバッファ液に浸され、検出側の端部が別のバッファ液に浸されるとともに、両バッファ液間を通して泳動電圧が印加されて、全てのキャピラリーカラムで同時に電気泳動されるマルチキャピラリーアレイ泳動部と、前記キャピラリーアレイの前記被検出部に光を照射し、その光と試料との相互作用による検出光を検出する検出部とを備えたマルチキャピラリー電気泳動装置において、
    前記検出部は、前記被検出部の1本のキャピラリーカラムに光を集光して投光するとともにその光と試料との相互作用による検出光を受光する落射光学系と、前記落射光学系を前記キャピラリーアレイの前記被検出部での配列面と平行で泳動方向と直交する1直線に沿って往復方向に移動させる走査機構とを備えており、
    前記マルチキャピラリーアレイ泳動部は、前記検出側ホルダを固定する検出側ホルダ固定部と、前記落射光学系の走査軸と前記被検出部との間の平行度を調整する平行度調整機構とを備えていることを特徴とするマルチキャピラリー電気泳動装置。
  2. 前記平行度調整機構は、前記検出側ホルダ固定部の取付角度をネジの回転により調整するあおり調整機構である請求項に記載のマルチキャピラリー電気泳動装置。
  3. 前記平行度調整機構は、前記落射光学系を走査させたときの検出信号に対応して前記検出側ホルダ固定部のあおり角度を自動で調整するアクチュエータを備えた請求項に記載のマルチキャピラリー電気泳動装置。
  4. 前記検出側ホルダ固定部は、前記被検出部と前記落射光学系との間に配置され、前記被検出部に対応する位置に開口が形成され、前記被検出部の一方の面が接触される平面を備えた検出位置部材と、前記被検出部を前記検出位置部材とは反対側から前記検出位置部材に押さえつける平面を備えた被検出部押さえつけ部材とを備える請求項1,2又は3に記載のマルチキャピラリー電気泳動装置。
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