JP3796723B2 - 揺動窓用の制動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は揺動窓の急開閉動作を摩擦力で阻止する制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒンジの改良や窓枠の軽量化等によって、近年の揺動窓はごく小さな操作力で開閉できる。とくに、窓自体の断熱性能を向上するために、窓枠をプラスチックサッシュ化した、いわゆる樹脂サッシ窓の場合には窓重量が軽く、その開閉を小さな力で行える。しかし、開閉に要する操作力があまりにも小さ過ぎるために、弊害を生じている。例えば窓を開放するとき、勢い余って上半身を窓外へ突き出し、バランスを崩して転落する危険がある。ごく僅かな風を受けるだけで窓が急開閉して、外壁や開口枠と衝突し損傷することもある。
【0003】
上記のような窓の急開閉を防ぐための制動装置として、図10に示す制動ユニットが実用に供されている(文献不詳)。そこでは、開口枠にガイドレール55を埋設し、ガイドレール55に装填した制動ユニットと窓枠とを牽制アームで連結する。制動ユニットは、プラスチック製の箱形のケース57と、ケース57と同行移動するくさびブロック58、およびブレーキ板59とからなり、ビス60をねじ込むことにより、ブレーキ板59をレール溝の溝底に圧接し、同時にくさびブロック58でケース57の前後壁61・62を拡開変形させて、これらをレール溝の前後面に圧接させている。その結果、窓の開閉に連動してケース57がレール溝内をスライド移動するとき、ケース57およびブレーキ板59とガイドレール55との間で摩擦抵抗を生じて窓の急開閉を防ぐ。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の制動ユニットは、施工当初には窓の急開閉をよく防止できる。しかし、使用期間が長びくと徐々にブレーキ力が低下し、十分な制動作用が得られなくなる。摩擦面におけるブレーキ板59およびケース57の摩耗が主因であると考えられる。詳しくは、ブレーキ板59と溝底とのいずれか一方が僅かでも摩耗すると、その分だけブレーキ板59の圧接力が低下する。さらに、摩耗した分だけくさびブロック58の拡開力が減少し、全体として僅かな摩耗でブレーキ力が急減するようになっている。
【0005】
ブレーキ力が減少した場合であっても、ビス60をねじ込み操作して、ブレーキ板59の押し付け力を再調整すると、制動力を増加し回復させることができる。しかし、そのためには比較的短い周期で制動装置の制動力を確認し再調整する必要があり、メンテナンスに多くの手間と費用が掛かる。
【0006】
本発明の目的は、摩擦面の摩耗に伴うブレーキ力の減少を抑止して、長期にわたって十分な制動作用を発揮でき、従って施工時のメンテナンス作業を著しく簡略化できる揺動窓用の制動装置を提供することにある。本発明の目的は、制動機構とは別に、窓を所定の開放位置で開閉不能に固定するための開量調整機構を備えている揺動窓用の制動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の制動装置は、窓2と開口枠1とのいずれか一方に、ガイド溝7を有するレール3を固定し、他方に牽制アーム5の一端をブラケット4を介して連結する。牽制アーム5の他端に連結した制動ユニットを、レール3のガイド溝7で往復スライド可能に案内する。制動ユニットは、ガイド溝7でスライド案内されるケース9と、ケース9内にそれぞれ収容したブレーキ体12、およびブレーキ体12を押圧保持する押え枠11と、押え枠11を介してブレーキ体12をガイド溝7の溝底に押し付け操作するねじ13とを含む。ブレーキ体12は、ガイド溝7の溝底に圧接する制動壁25と、ケース9の前後壁15・16を拡開操作するばね壁26とを一体に備えている。ばね壁26はブレーキ体12の押圧方向へ弾性変形できるよう屈曲形成する。
【0008】
具体的には、ブレーキ体12は、制動壁25と、制動壁25の両端に連続して湾曲する一対のばね壁26とを備えている断面C字状のプラスチック成形品で形成する。ケース9は前後壁15・16と、前後壁15・16どうしを接続する端壁18とを含んで、ガイド溝7の溝底へ向かって開口する箱体状のプラスチック成形品からなる。端壁18に前後壁15・16の拡開変形を許す薄肉部19を形成する。
【0009】
ブラケット4と牽制アーム5との間に、所定の窓開放位置において牽制アーム5の回動を阻止する開量調整機構を設ける。開量調整機構は、牽制アーム5と同行回動する係合板29と、ブラケット4で出没自在に支持したロック体38とからなる。ロック体38は、係合板29に設けたロック穴40に係脱するピン39と、ピン39を出没操作するノブ41と、ピン39がロック穴40と係合する向きにロック体38を突出付勢するばね43とからなる。
【0010】
開量調整機構としては、図8および図9に示すごとく牽制アーム5の揺動軌跡に臨む状態で窓2に設けたロック体38と、牽制アーム5の長手方向に沿って設けた複数のロック穴40とからなり、ロック体38が、ロック穴40に係脱するピン39と、ピン39をロック穴40と係合する向きに突出付勢するばね51と、ばね51の付勢力に抗してピン39を退入操作するノブ52と、これらの部材39・51・52を支持するケース53とからなるものにしてもよい。
【0011】
【作用】
使用状態において、ブレーキ体12の制動壁25と、ばね壁26で拡開操作されたケース9の前後壁15・16とは、それぞれレール3のガイド溝7の溝底および前後面壁に押し付けられて摩擦抵抗を生じ、制動ユニットが急速にスライド変位すること、すなわち窓2が急開閉するのを阻止する。このとき、ばね壁26はねじ13の押し付け力と、ケース9の前後壁15・16から受ける拡開反力とを同時に受けて、ブレーキ体12の押圧方向へ弾性変形している。そのため、例えば制動壁25が摩耗すると、ばね壁26は摩耗分を吸収するように伸びて制動壁25を溝底に圧接し続ける。このときのばね壁26の伸び変形量は、弾性変形量に比べて小さく、変形応力の変化量は極く僅かでしかない。従って、摩擦面の摩耗に伴うブレーキ力の減少を十分に抑止できる。
【0012】
断面C字状に形成したブレーキ体12は、ばね壁26の押圧方向への変形量が大きいので、摩耗吸収作用を長期間維持するのに役立つ。ケース9の端壁18に薄肉部19を設けてあると、前後壁15・16の拡開変形を容易化して、前後壁15・16のガイド溝7に対する接触面積を増加し、より大きなブレーキ力を発生できる。
【0013】
ブラケット4と牽制アーム5との間に開量調整機構を付加してあると、窓を所定の開放位置に固定保持して、突風等によって窓2があおられ、外壁や開口枠1に衝突し損傷するのをよく防止する。
【0014】
【実施例】
図1ないし図6は本発明に係る制動装置の実施例を示す。図2および図3において符号1は開口枠、2は樹脂サッシで形成した窓である。窓2は開口枠1に固定した上下一対のヒンジ8で支持されており、閉じ位置と90度以上開放した全開位置との間にわたって揺動開閉できる。窓2は図外の錠で閉じ位置に固定保持できる。
【0015】
窓2を開閉操作するとき急開閉するのを防ぐために、窓2の下枠と開口枠1との間に制動装置を有する。制動装置は、窓2の下枠下面に埋設固定したレール3と、レール3でスライド案内される制動ユニットと、開口枠1に締結固定したブラケット4と、制動ユニットとブラケット4を連結する牽制アーム5と、ストッパー6などで構成する。さらに所定の窓開放位置において牽制アーム5の回動を阻止する開量調整機構が制動装置に付加されている。
【0016】
図6において、レール3は下向きに開口する断面四角形状のガイド溝7を有するアルミニウム条材からなり、前後の溝開口縁の内外に受壁3aとフランジ壁3bとが張り出し形成されている。受壁3aは、ガイド溝7に嵌め込んだ制動ユニットを離脱不能に受け止める。
【0017】
図4において制動ユニットは、ガイド溝7でスライド案内される左右横長のケース9と、ケース9内にそれぞれ収容される雌ねじ板10、押え枠11およびブレーキ体12と、雌ねじ板10にねじ込まれるビス(ねじ)13などで構成する。
【0018】
ケース9は、図5に示すごとく断面逆凸字形の箱状のプラスチック成形品からなり、その内部に上記の各部材10〜12を収容する左右横長の室14を上向きに開口する状態で形成する。室14の前後壁15・16の左右2個所には、図4に示すごとくブレーキ体12を上下スライド可能に案内する溝17を設ける。さらに前後壁15・16の下端どうしを接続する端壁18には、内面の前後中央にスリット状の溝18aを形成して薄肉部19を形成する。その機能は後述する。端壁18の左右中央にはビス13用の挿通孔を設け、挿通孔に連続して逃げ凹部を形成する。室14の右方端にはブロック状の連結部20を形成する。連結部20の下面は端壁18の下面より下方へ突設してあり、ケース9をガイド溝7に組み込んだ状態において、連結部20の下面が溝外に臨む。
【0019】
雌ねじ板10は、左右横長のステンレス板材の中央下面にねじボス10aを突設したプレス成形品からなる。雌ねじ板10はケース9の室14に嵌め込み装着され、このときねじボス10aとの干渉を避けるために、先の逃げ凹部がケース9側に設けられている。押え枠11は銅合金製の条材からなり、ベース壁22の上面中央に連結壁23を突設し、連結壁23の突出基部の前後にブレーキ体12を連結するための一対の溝24を凹み形成する。ベース壁22の左右長さおよび前後幅は、室14の左右長さおよび前後幅より僅かに小さく設定する。
【0020】
ブレーキ体12は、制動壁25と、その前後端に連続して逆向きに湾曲する一対のばね壁26とを有する断面C字形のプラスチック成形品からなり、ばね壁26の前後面の左右に爪片27をそれぞれ突設する。ブレーキ体12は弾性と耐摩耗性に優れたプラスチック材で形成することが好ましく、先のケース9も同一素材で形成する。自由状態におけるばね壁26の前後間隔は、ケース9の室14の前後間隔と同じか、これより僅かに小さく寸法設定する。ブレーキ体12の側端開口から、押え枠11の連結壁23をブレーキ体12の内部間に差し込み、各ばね壁26の遊端を溝24に係合することにより、ブレーキ体12と押え枠11を一体化できる。この組み付け状態において、連結壁23の突端と制動壁25とは図5に示すごとく小間隔を置いて対向している。
【0021】
雌ねじ板10をケース9に組み、押え枠11および連結ブレーキ体12のアッセンブリを室14に装填し、その爪片27を溝17に嵌め込むことにより、制動ユニットを一個の部品として取り扱うことができる。ビス13は雌ねじ板19にねじ込まれる。
【0022】
図2において、牽制アーム5は揺動基端側に半円状の係合板29を有し、係合板29の左側端に連続して帯状のアーム部を突設したステンレス板材製のプレス成形品からなる。アーム部の突端は先に説明したケース9の連結部20にピン30を介して相対揺動自在に連結する。このとき、連結部20にコ字形の補強枠31を側端側から外嵌しておく。半円形の係合板29の円弧中心に軸32をかしめ固定し、この軸32をブラケット4に係合連結する。ブラケット4は平面視が台形状のプレス成形品からなる。
【0023】
図2において開量調整機構は、牽制アーム5とブラケット4との間に設ける。詳しくは、ブラケット4でロック体38を上下出没自在に支持し、ロック体38のピン39に係合するロック穴40を係合板29の円弧周面に沿って4個通設する。4個のロック穴40は全閉位置と、30度、60度、90度の各開放位置に対応して貫通状に設ける。ロック体38は、図3に示すごとくブラケット4の板面をそれぞれ上下に貫通する前記ピン39およびノブ41を有し、ブラケット40の下面側に配置した連結板42にピン39とノブ41の下端をかしめ固定して一体化する。ノブ41とブラケット4との間には、ロック体38の全体を上向きに突出付勢するばね43を設ける。ピン39は、各ロック穴40の回動軌跡に臨む状態で設けてある。従って、任意のロック穴40がピン39の真上に位置した状態では、ピン39がロック穴40のひとつに係合して係合板29が軸32を中心に回動するのを阻止できる。つまり、窓2を所定の開き位置で開閉不能にロック固定できる。
【0024】
窓2が90度開放位置を越えて過剰に開放されるのを防ぐために、レール3の吊元側寄りにストッパー6を有する。このストッパー6は、図3に示すごとくガイド溝7に嵌め込まれるゴムブロック45と、ゴムブロック45の下面にピンを介してかしめ固定されるねじ板46とからなり、ねじ板46にねじ込んだビス47の突端をガイド溝7の溝底に強圧して固定する。
【0025】
施工時には、牽制アーム5が連結された制動ユニットをレール3のガイド溝7に嵌め込み、レール3を窓2の下枠に埋設固定する。ストッパー6もレール3に組み付けておく。さらに、ブラケット4を開口枠1の所定位置にビスで締結固定する。窓2をヒンジ8を介して開口枠1に吊り込んだ後、牽制アーム5の基端をブラケット4に連結する。
【0026】
最後に、窓2の開閉に要する操作力を確認しながら、図5に示すごとくビス13を締緩操作して制動ユニットのブレーキ力を調整する。適正に調整された制動ユニットでは、ブレーキ体12がビス13で押え枠11を介して押圧変形されており、制動壁25がガイド溝7の溝底に圧接している。また、ばね壁26は上下に弾性変形されてケース9の前後壁15・16に圧接し、前後壁15・16のそれぞれを拡開操作してガイド溝7の内面の前後面壁に押し付ける。このとき、前後壁15・16の拡開変形を容易化して、ガイド溝7との接触面積を増加するために、ケース9の端壁18に前述の薄肉部19が設けられている。
【0027】
上記のように、制動壁25およびケース9の前後壁15・16をガイド溝7に圧接した制動ユニットは、レール3との間で大きな摩擦抵抗を生じて、窓2が急開閉するのを確実に防止する。必要があれば、ロック体38のピン39を係合板29のロック穴40に係合して、窓2を所定の開放位置に固定保持できる。
【0028】
使用期間が経過するのに伴って、制動ユニットとレール3との摩擦面において摩耗が進行する。しかし、ブレーキ体12は全体が上下に弾性変形しているので、例えば制動壁25や前後壁15・16が摩耗すると、摩耗分を吸収するように伸長して、制動壁25および前後壁15・16をそれぞれガイド溝7に圧接し続ける。従って、摩擦面の摩耗に伴ってブレーキ力が急激に減少するのを解消できる。もちろん、ばね壁26が伸長することで変形応力は減少するが、その変化量は極く僅かでしかなく、制動壁25および前後壁15・16の圧接力は殆ど変化せず、長期にわたって十分な制動作用を発揮する。
【0029】
本発明者らは、制動ユニットの耐久度を確認するために試験を行った。同時に、図10に示す従来の制動装置を入手して、同一条件で試験を行い、その結果を比較した。試験時には、制動ユニットをレール3に沿って往復スライド操作し、摩擦面の摩耗に伴う摩擦抵抗力の減少度合を計測した。制動ユニットの往復ストロークは約150mmとし、当初の摩擦抵抗力は静止状態の制動ユニットがスライドし始めるときの操作力を8Kgfとした。
【0030】
上記の試験の結果、従来の制動ユニットでは、1万回往復した時に操作力が7Kgfに低下した。一方、上記実施例に係る制動ユニットでは、2万回往復した後にも操作力の低下が数gf程度しか認められず、摩耗に伴うブレーキ力の低下が微少であることを確認した。この試験回数を実際の使用期間に換算すると約6〜8年分に相当し、殆どメンテナンスの必要がないことが判った。
【0031】
図7(a)・(b)にブレーキ体12の変形例を示す。図7(a)のブレーキ体12では、これの内面に沿って金属ばね板49をインサート固定し、大形の窓2に対応できるようにした。図7(b)のブレーキ体12は断面楕円状に形成し、その一方の長円部周面に押え枠11用の平坦な接合面50を形成した。接合面50の長手方向の複数個所には、連結孔50aを設けた。
【0032】
上記以外に、ブレーキ体12の制動壁25とばね壁26とを別部品として形成しておき、例えば、ばね壁26を制動壁25に締結固定することができる。ばね壁26の断面形状はく字形やW字状に形成してもよい。ケース9の前後壁15・16の外面は外膨らみ状に形成することができる。ねじ13はビス以外にねじ軸で形成でき、複数個設けてもよい。ケース9の端壁18にビス13をねじ込んで、雌ねじ板10を省略することもできる。
【0033】
図8および図9は窓下枠と牽制アーム5との間に設けた開量調整機構の別実施例を示す。そこでは、牽制アーム5を連続山形に形成し、その板面に4個のロック穴40を設ける。さらに、牽制アーム5の揺動軌跡に臨む窓2の下枠に、ロック穴40と係合するピン39を備えたロック体38を配置する。ロック体38は、ピン39と、これを下向きに進出付勢する圧縮コイル形のばね51と、ばね51の付勢力に抗してピン39を退入操作するノブ52と、これらの部材39・51・52を支持するケース53とで構成した。ノブ52の内端には、ピン39を退入操作する傾斜カム面54を設ける。55はノブ52を出没自在にガイドするピンである。
【0034】
窓2を開放操作すると、牽制アーム5が同行揺動し、各ロック穴40はピン39の真下を通過する。従って、閉じ位置から30度、60度、90度の各開放位置において、ピン39をロック穴40に係合させることにより、窓2を開閉不能に固定保持できる。
【0035】
なお、本発明の制動装置は開量調整機構を省略した形態で使用できる。制動装置は、レール3を開口枠1側に設け、ブラケット4を窓2側に設ける使用形態を採ってもよい。本発明で言う揺動窓は、内倒し窓や外倒し窓、あるいは回転窓等の一軸まわりに揺動回転する窓のすべてを含む。牽制アーム5は多連リンク状に構成してあってもよい。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、ブレーキ体12を制動壁25と、屈曲するばね壁26とで例えば断面C字状に形成し、ばね壁26を弾性変形させて制動壁25をレール3の溝底に圧接し、さらにばね壁26でケース9の前後壁15・16を拡開操作して、これらをガイド溝7に圧接させるようにしたので、長期使用に伴って制動壁25や前後壁15・16が摩耗した場合でも、ばね壁26が伸長して摩耗分を吸収し、制動壁25および前後壁15・16をガイド溝7に対して十分に圧接し続けることができる。従って、摩擦面の摩耗に伴うブレーキ力の減少を抑止して、長期にわたって十分な制動作用を発揮できる制動装置が得られ、その施工後のメンテナンスに要する手間を著しく簡略化できる。
【0037】
制動機構とは別に、開量調整機構を付加した制動装置によれば、窓2を所定の開放位置で固定保持して換気等を行え、突風等によって窓2が急開閉し、外壁や開口枠に衝突して損傷するのを確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】制動ユニットの一部を破断した斜視図である。
【図2】制動装置の平面図である。
【図3】制動装置の正面図である。
【図4】制動ユニットを分解した状態の断面図である。
【図5】図3におけるA−A線断面図である。
【図6】図3におけるB−B線断面図である。
【図7】ブレーキ体の別実施例を示す縦断側面図である。
【図8】開量調整機構の別実施例を示す平面図である。
【図9】図8におけるC−C線断面図である。
【図10】従来の制動装置を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 開口枠
2 窓
3 レール
4 ブラケット
5 牽制アーム
7 ガイド溝
9 ケース
11 押え枠
12 ブレーキ体
13 ねじ
15 前壁
16 後壁
25 制動壁
26 ばね壁
Claims (5)
- 窓2と開口枠1とのいずれか一方に、ガイド溝7を有するレール3が固定され、他方に牽制アーム5の一端がブラケット4を介して連結されており、
牽制アーム5の他端に連結した制動ユニットが、レール3のガイド溝7で往復スライド可能に案内してある揺動窓用の制動装置であって、
制動ユニットは、ガイド溝7でスライド案内されるケース9と、ケース9内にそれぞれ収容したブレーキ体12、およびブレーキ体12を押圧保持する押え枠11と、押え枠11を介してブレーキ体12をガイド溝7の溝底に押し付け操作するねじ13とを含み、
ブレーキ体12は、ガイド溝7の溝底に圧接する制動壁25と、ケース9の前後壁15・16を拡開操作するばね壁26とを一体に備えており、
ばね壁26が、ブレーキ体12の押圧方向へ弾性変形できるよう屈曲形成してある揺動窓用の制動装置。 - ブレーキ体12が、制動壁25と、制動壁25の両端に連続して湾曲する一対のばね壁26とを備えている断面C字状のプラスチック成形品からなる請求項1記載の揺動窓用の制動装置。
- ケース9が、前後壁15・16と、前後壁15・16どうしを接続する端壁18とを含んで、ガイド溝7の溝底へ向かって開口する箱体状のプラスチック成形品からなり、
端壁18に前後壁15・16の拡開変形を許す薄肉部19が形成してある請求項1又は2記載の揺動窓用の制動装置。 - ブラケット4と牽制アーム5との間に、所定の窓開放位置において牽制アーム5の回動を阻止する開量調整機構が設けられており、
開量調整機構は、牽制アーム5と同行回動する係合板29と、ブラケット4で出没自在に支持したロック体38とからなり、
ロック体38が、係合板29に設けたロック穴40に係脱するピン39と、ピン39を出没操作するノブ41と、ピン39がロック穴40に係合する向きにロック体38を突出付勢するばね43とを含んでいる請求項1又は2又は3記載の揺動窓用の制動装置。 - 窓2と牽制アーム5との間に、所定の窓開放位置において牽制アーム5の回動を阻止する開量調整機構が設けられており、
開量調整機構は、牽制アーム5の揺動軌跡に臨む状態で窓2に設けたロック体38と、牽制アーム5の長手方向に沿って設けた複数のロック穴40とからなり、
ロック体38が、ロック穴40に係脱するピン39と、ピン39をロック穴40に係合する向きに突出付勢するばね51と、ばね51の付勢力に抗してピン39を退入操作するノブ52と、これらの部材39・51・52を支持するケース53とからなる請求項1又は2又は3記載の揺動窓用の制動装置。
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