JP3796690B2 - 人工漁礁、並びに該人工漁礁を使用した堰堤・ダム工法、河川の河床工法、取水口工法、及び河川側壁工法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚道として使用される用水路、溝、側溝等又は河川若しくは海中に設置される人工漁礁に関する。特に、自然石の残材、廃材等を利用した人口漁礁の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、魚道として使用される用水路等に自然石、砂利等を敷くなどして漁礁としていた。また、公開特許公報の特開2002−115243に記載の発明は、複数の隔壁を設けた可動式の水路設備であり、ダムや堰に設置されるものである。当該水路設備は、湛水池の水位変動に応じて、魚類の遡上が可能なように可動式としたものである。また、当該公開特許公報の発明前は、一般的に、ダムや堰の魚道設備としては、階段式魚道水路設備であった。
【0003】
また、人工漁礁としては、公開特許公報の特開2002−125514に見られるように、複数本の使用済みのプレストレストコンクリート製枕木を四角形の井桁状に互いに交叉させた枠組みを海底に設置した漁礁がある。当該発明は、別途の資源を必要とせず、かつ低コストの人工漁礁を提供するものである。また、各枕木の空間や各枠組みの隙間に石材を投入して、自然の環境に近いものとし、魚類が滞留し易いようにしたものである。
【0004】
尚、プレストレストコンクリートとは、予め応力を与えられたコンクリートであって、コンクリートの中にコンクリート以外の部材を埋め込んだものである。この部材には、一般にPC鋼線又はPC綱より線と称されているものが使用されている。すなわち、プレストレストコンクリートは、PC鋼線又はPC綱より線を引っ張って張力を与えた後コンクリートを固定するので、引っ張られたPC鋼線又はPC綱より線は元に戻ろうとしてコンクリートに圧縮力を与えることができる。従って、プレストレストコンクリートは圧縮に強いが引っ張りに弱いコンクリートの弱点を克服することができる。
【0005】
また、公開特許公報の特開2002―125513には、互いに対向させて配置した矩形状の2個の枠部材で、複数本の使用済みのコンクリートポールを水平かつ同一方向に向けて支持し、水平方向に開口した四角形の筒状の輪郭を形成するように配列した人工漁礁がある。当該発明は、別途の資源を必要とせず、かつ低コストの人工漁礁を提供するものである。また、使用済みのコンクリートポールの廃棄処理に伴うコストや環境への影響を軽減したものである。
【0006】
また、特開2002−101785には、金網製籠体内に、重石としての重量部材と廃棄対象物としての貝殻を収納した人工漁礁がある。当該発明の廃棄対象物としての貝殻には、魚類の隠れ場になる海藻が付着・生息し易く、そして、貝殻という廃棄対象物を利用しているため、製作費も安価にしたものである。
【0007】
また、特開2000−287579には、石材をベースとして、古タイヤをピラミッド型に鉄骨で組み上げた人口漁礁がある。当該発明は、海流による波の力の分散化を図り、かつ古タイヤの浮力に対し、沈下力を与えるものであり、当該発明の人工漁礁内においてプランクトンである微生物から貝類、海藻類、そして小魚、中魚を一単位とした海中生態系を至るところで確立できるように、産業廃棄物である石材や古タイヤを利用して人工漁礁とし、該人工漁礁に適度な空間を創り出したものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開2002−115243の魚道水路に設けられた複数の隔壁では、単なる壁を水路に複数個設けただけであり、魚類が滞留し易く安心して寄り付けるような隠れ場所としての人工漁礁としては不適当である。
【0009】
また、特開2002−125514の使用済みのプレストレストコンクリート製枕木を四角形の井桁状に組み込んだ人工漁礁は、海底には適切であっても、用水路等には、形状及び大きさ共に不適当であり、用水路等に生息する魚類が安心して寄り付いてくれる人工漁礁としては不適当である。
【0010】
また、特開2002―125513の使用済みのコンクリートポールを四角形の筒状の輪郭を形成するように配列した人工漁礁では、海底には適切であっても、用水路等には、前記特開2002−125514と同様に、形状及び大きさ共に不適当であり、用水路等に生息する魚類が安心して寄り付いてくれる人工漁礁としては不適当である。
【0011】
また、特開2002−101785の金網製籠体内に重量部材と廃棄対象物とを収納した人工漁礁では、海底には適切であっても、用水路等には、前記特開2002−125514及び特開2002−125513と同様に、形状及び大きさ共に不適当であり、用水路等に生息する魚類が安心して寄り付いてくれる人工漁礁としては不適当である。
【0012】
また、特開2000−287579の古タイヤをピラミッド型に鉄骨で組み上げた人口漁礁では、形状がピラミッド形状であり、しかも大きさも大きく不適当であり、用水路等に生息する魚類が安心して寄り付いてくれる用水路等の人工漁礁としては不適当である。
【0013】
従って、本発明の人工漁礁は、魚道として使用される用水路、溝、側溝等又は河川若しくは海中に設置される人工漁礁であって、魚類が十分に住みつき易い空間をもったものを提供することを目的とする。
【0014】
すなわち、本発明の人工漁礁は、魚道として使用される用水路である溝・側溝又は河川若しくは海中に設置されるものであり、これらの用水路等に適切な形状であって、魚類が滞留し易く魚類の隠れ場となるように棲家として十分に住み付き易い空間を持ったもので、製作も容易であり、用水路等に設置するとき施工性の良い形状であり、用水路等の水流の速さを適宜の速さに抑えることができ、しかも水流によどみがないような形状としたものを提供することである。しかも、素材としては自然素材を選択することにより環境に優しいものを提供することを目的とする。
【0015】
また、本発明の人工漁礁は、魚類が河川に設置された堰堤・ダムを遡上できるようにし、更に、河川の河床としても使用でき、特にダム・堰堤の下流側、すなわち堰堤・ダムの水流の落下位置の河床としても有効に使用できるものを提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明の人工漁礁を使用して、堰堤若しくはダムに魚道を確保する堰堤・ダム工法、河川の河床に敷設する河床工法、堰堤・ダムの取水口工法及び河川側壁工法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の人工漁礁においては、下記のような手段を取った。
【0018】
請求項1記載の本発明は、魚道として使用される用水路、溝、側溝等又は河川若しくは海中に設置される人工漁礁において、複数の乱型多角材を積重ねて、該複数の乱型多角材にそれぞれ穿設された孔に棒材を挿入して、該棒材の両端を固定部材で固定することによって、該複数の乱型多角材を固定したことを特徴とする人工漁礁である。尚、前記乱型多角材とは、形を限定されない多角形で、表面は平滑であることを限定するものでは無く、凹凸があっても良い。
【0019】
これは、複数の乱型多角材を使用することにより、多数の魚類の棲家としての空間を提供することができる。しかも、該複数の乱型多角材を積重ねたものを棒材で固定するだけの簡単なものであり、工場で製作できるので、大量生産にも容易に対応でき、しかも運搬にも便利でかさばらないものである。また、棒材と固定部材との固定方法には、ボルトナット方式、割ピン方式等の多様な方法が採用できるので、製作方法を限定せず、種々な方法をとることができる。
【0020】
請求項2記載の本発明は、魚道として使用される用水路、溝、側溝等又は河川若しくは海中に設置される人工漁礁において、複数の乱型多角材を積重ねて、該複数の乱型多角材にそれぞれ穿設された孔に紐材を挿入して、該紐材の両端を結束することによって、該複数の乱型多角材を固定したことを特徴とする人工漁礁である。
【0021】
これは、前記乱型多角材の孔に簡便な紐材を通して該紐材を結束して固定することにより製作するので、より製作しやすいものとなった。当該紐材としては、綿・麻等の天然繊維の紐、鋼線の撚り線、又は、開発が進められている生分解性プラスチックの紐が適切である。いずれの材料も環境に配慮した素材である。
【0022】
尚、生分解性プラスチックとは、使用中に通常のプラスチックと同程度の機能を保ちながら、使用後は自然界に存在する微生物の働きによって低分子化合物に分解され、最終的に炭酸ガスや水などの無機物に分解される高分子素材と定義されているものであり、現在開発が進められている。
【0023】
請求項3記載の本発明は、請求項1〜2記載の人工漁礁であって、前記複数の乱型多角材は自然石としたことを特徴とする人工漁礁である。
【0024】
これは、前記複数の乱型多角材を自然石とすることにより、環境に配慮した素材を選択したものである。用水路、溝、側溝、河川等に使用するので、環境に配慮した素材の選択が重要である。尚、当該自然石は、残材、廃材の使用が可能である。むしろ、環境に配慮することが社会的な要請であり、これらの残材、廃材を積極的に使用することが良い。
【0025】
請求項4記載の本発明は、請求項1〜2記載の人工漁礁であって、前記複数の乱型多角材はそれぞれ凹凸のある平形で、かつ種々の大中小の組合せとしたことを特徴とする人工漁礁である。
【0026】
これは、前記複数の乱型多角材をそれぞれ凹凸のある平形で、かつ種々の大中小の組合せとし、当該乱型多角材を積重ねる構成としたことにより、魚類の棲家である空間を作りやすいようにしたものである。これらの多数の空間により、魚類は、水流の流れに逆らわずに、ゆっくりと休息も取れるし、外敵からの危険も避けることができる。
【0027】
請求項5記載の本発明は、請求項1〜4記載の人工漁礁であって、前記複数の乱型多角材は、それぞれ安山岩系の鉄平石とし、該鉄平石を種々の大中小の凹凸のある平形に破砕したものを使用し、棒材若しくは紐材は、2個としたことを特徴とする人工漁礁である。
【0028】
これは、前記複数の乱型多角材に安山岩系の鉄平石を使用すると、当該安山岩系の鉄平石は、飛石として使用されているように、平形に破砕し易いので、乱型多角材を製作するのに容易な素材である。よって、本発明の人工漁礁の製作に適切な素材であり、全体として製作も容易となるものである。
【0029】
請求項6記載の本発明は、請求項1〜5記載の人工漁礁であって、前記複数の乱型多角材は、凹凸のある平形で、かつ該平形の表面に適宜に設けられた魚道用孔若しくは該平形の側面に切り欠きを設けた乱型多角材を適宜の個数若しくは全てに使用したこと、を特徴とする人工漁礁である。
【0030】
これは、前記複数の乱型多角材の適宜の個数若しくは全てに魚道用孔若しくは切り欠きを設けることにより、当該発明の人工漁礁に魚道を確保することができる。換言すれば、当該複数の乱型多角材の全てに魚道用孔若しくは切り欠きを設ける必要はなく、適宜数の乱型多角材に設けることでもよい。なぜならば、当該複数の乱型多角材は、形状が一定しているものではないので、魚道としての道筋若しくは隙間等があるので、適宜数の乱型多角材に魚道用孔若しくは切り欠きを設けることでよい。また、1個の乱型多角材に魚道用孔及び切り欠きを同時に設けてもよく、いずれか一方を設けても良い。なお、魚道用孔を複数個設けても良い。勿論、魚道用の切り欠きを複数個所設けても良い。
【0031】
なお、本発明による人工漁礁は、石積みの堰堤若しくはダムに縦方向に設置すると、魚道としての効果がある。魚類は、この人工漁礁に設けられた魚道用孔若しくは切り欠きを魚道として使用するので、魚類は河川の堰堤若しくはダムを遡上していくことができる。
【0032】
請求項7記載の本発明は、請求項6記載の人工漁礁であって、前記複数の乱型多角材は、それぞれ凹凸のある平形で、かつ種々の大中小の組合せとしたものとし、該複数の乱型多角材のうち、大に属する複数の乱型多角材には、平形の表面に適宜に設けられた魚道用孔若しくは該平形の側面に切り欠きを設けたこと、を特徴とする人工漁礁である。
【0033】
これは、前記複数の乱型多角材の大に属する複数の乱型多角材に、魚道用孔若しくは切り欠きを設けることにより、当該発明の人工漁礁に魚道を確保することができる。また、当該大に属する複数の乱型多角材に魚道用孔若しくは切り欠きを設けたので、大の乱型多角材には、魚道が確保されるのは、当然であるが、中及び小の乱型多角材には、魚道用孔若しくは切り欠きがなくても、大の乱型多角材との大きさの段差及び側面の凹凸等で、魚道が確保されている。従って、複数の乱型多角材の全てについて魚道が確保されているので、魚道として適切なものとなる。なお、大に属する乱型多角材に魚道用孔若しくは切り欠きを設けたが、中及び小の乱型多角材にも魚道用孔若しくは切り欠きを設けても良い。更に、1個の大に属する乱型多角材に魚道用孔及び切り欠きを同時に設けてもよく、いずれか一方を設けても良い。なお、魚道用孔を複数個設けてもよい。勿論、魚道用の切り欠きを複数個所設けても良い。
【0034】
請求項8記載の本発明は、請求項1〜7記載の人工漁礁であって、前記複数の乱型多角材には2個の紐材用の孔が穿設されており、前記紐材は、積重ねられた前記複数の乱型多角材の一方端に位置する乱型多角材に穿設された紐材用の孔に挿通し、順次積重ねられた乱型多角材の紐材用の孔に挿通し、他端の乱型多角材の紐材用の孔に挿通した後、該紐材をU形に曲げて、該他端の乱型多角材の他方の紐材用の孔に挿通し、順次積重ねられた乱型多角材の他方の紐材用の孔に挿通し、前記一方端に位置する乱型多角材の紐材用の孔に挿通した後、該紐材の両端を結束したこと、を特徴とする人工漁礁である。
【0035】
これは、1本の紐材を使用することにより、容易に複数の乱型多角材を積重ねることができ、しかも結束時には、堅く結束してもよく、緩く結束しても良い。堅く結束した場合は、用水路、溝、側溝等に水流に沿って設置したときなど、魚道を確保し易い。なぜならば、複数の乱型多角材は、しっかりと固定されているので、各乱型多角材がお互いにずれてしまうことも無く、魚道を確保し易い。一方、緩く結束したときは、河川の河床等に敷設したときに、しっかりと、河床に固定され易い利点がある。
【0036】
請求項9記載の本発明は、請求項1〜8記載の人工漁礁であって、前記複数の乱型多角材は、それぞれ安山岩系の鉄平石若しくは変成岩とし、該鉄平石若しくは変成岩を種々の大中小の凹凸のある平形に破砕したものを使用したこと、を特徴とする人工漁礁である。
【0037】
これは、本発明の乱型多角材に、平形に成型し易い石材として、鉄平石若しくは変成岩を使用したことにより、製作し易い人工漁礁となるものである。
【0038】
さらに、請求項1〜9記載の本発明は、堰堤・ダムに設置すると、魚類が河川に設置された堰堤・ダムを遡上できるようになり、また、河川の河床としても使用でき、特にダム・堰堤の下流側、すなわちダム・堰堤の水流の落下位置の河床としても有効に使用できるものである。
【0039】
すなわち、本発明による人工漁礁は、石積みの堰堤もしくはダムの斜面に縦方向に設置すると、魚類の魚道として使用できるので、魚類が遡上することができる。特に、魚道用孔若しくは切り欠きを設けた複数の乱型多角材を積重ねた人工漁礁では、その効果が大きい。また、ダムの取水口は通常は取水しないときには、放水しているが、この取水口のダムの斜面に人工漁礁を縦方向に設置すると、前記同様に、魚類の魚道として使用できるので、魚類が遡上することができる。
【0040】
また、通常の河川の河床は、用水路、溝、側溝等又は河川の川底を掘削若しくは浚渫して、砂利・小石、廃材のコンクリートブロック等を敷き詰めて生コンクリートを流し込んで固めて河床としているか、またはコンクリート製の河床(すなわち、生コンクリートを流し込んで敷き詰めた河床)としているが、その設置作業に工数及びコストが掛かっている。しかし、本発明の人工漁礁を掘削若しくは浚渫した河底に敷き詰めれば、河床とすることができ、河川が洗われない効果もある。また、水量が少ないときに、曝気してやれば浄化されるので問題ない。また、コンクリートによる灰汁も発生せず、水の浄化にも効果がある。特にダム・堰堤の下流側、すなわちダム・堰堤の水流の落下位置の河床として使用すると効果がある。
【0041】
請求項10記載の本発明は、請求項1〜9記載の人工漁礁を、堰堤若しくはダムの傾斜面に沿って複数個の該人工漁礁を縦方向に設置して、魚類の遡上する魚道を確保することを特徴とする堰堤若しくはダム工法である。
【0042】
これは、魚類が河川を遡上する際に、堰堤若しくはダムで遡上を阻まれないように、堰堤若しくはダムの傾斜面に沿って複数個の前記人工漁礁を縦方向に設置する堰堤若しくはダムの工法である。当該工法による堰堤若しくはダムは、前記複数個の人工漁礁によって、魚道を確保することができるので、魚類が河川を遡上することができる。
【0043】
請求項11記載の本発明は、請求項1〜9記載の人工漁礁を、河川の河底を掘削若しくは浚渫後、該河底に沿って複数個の該人工漁礁を敷設して、河川の河床としたことを特徴とする河床工法である。
【0044】
従来、河川の河床工法においては、河川の河底を掘削若しくは浚渫後、小石・砂利等を敷設し、生コンクリートで埋める等の工法であったが、本発明の河床工法は、河川の川底を掘削若しくは浚渫後、直ちに複数個の前記人工漁礁を敷設する工法である。当該河床工法により、工数及びコストの削減に寄与することができる。
【0045】
請求項12記載の本発明は、請求項1〜9記載の人工漁礁を、河川のダム若しくは堰堤の下流側の水流の落下位置の河底を掘削若しくは浚渫後、該河底に複数個の該人工漁礁を敷設して、水流の落下位置の河床としたことを特徴とする河床工法である。
【0046】
従来、、河川のダム若しくは堰堤の下流側の水流の落下位置の河床工法においては、水流の落下位置の河底を掘削若しくは浚渫後、小石・砂利等を敷設し、生コンクリートで埋める等の工法であったが、本発明の河床工法は、水流の落下位置の河底を掘削若しくは浚渫後、直ちに複数個の前記人工漁礁を敷設する工法である。当該河床工法により、工数及びコストの削減に寄与することができる。
【0047】
請求項13記載の本発明は、請求項1〜9記載の人工漁礁を、堰堤若しくはダムの取水口の傾斜面に沿って複数個の該人工漁礁を縦方向に設置して、魚類の遡上する魚道を確保することを特徴とする堰堤若しくはダムの取水口工法である。
【0048】
これは、魚類が河川を遡上する際に、堰堤若しくはダムで遡上を阻まれないように、堰堤若しくはダムの取水口の傾斜面に沿って複数個の前記人工漁礁を縦方向に設置する堰堤若しくはダムの取水口工法である。当該工法による堰堤若しくはダムは、当該取水口に設置された前記複数個の人工漁礁によって、魚道を確保することができるので、魚類が河川を遡上することができる。
【0049】
請求項14記載の本発明は、請求項1〜9記載の人工漁礁を、河川の側壁を掘削後、該河川側壁に沿って複数個の該人工漁礁を敷設して、河川の側壁としたことを特徴とする河川側壁工法である。
【0050】
従来、河川側壁工法においては、河川の側壁を掘削後、小石・砂利等を敷設し、生コンクリートで埋める等の工法であったが、本発明の河川側壁工法は、河川の側壁を掘削後、直ちに複数個の前記人工漁礁を敷設する工法である。当該河川側壁工法により、工数及びコストの削減に寄与することができる。また、河川側壁に蛇籠(河川の護岸に用いる円筒形に編んだかごに石を詰めたもの)を敷設する工法もあるが、本発明の河川側壁工法は、この蛇籠に替わって人工漁礁を使用した工法である。このように、蛇籠に替わって人工漁礁を使用することにより、工数及びコストの削減に寄与することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面にもとづいて説明する。
【0052】
図1は、本発明による人工漁礁の斜視図である。図2は、本発明による人工漁礁に用いられる乱型多角材の斜視図である。図3は、本発明による人工漁礁を用水路に使用したときの実施例を説明する斜視図である。図4は、本発明による複数の人工漁礁を用水路に使用したときの実施例を説明する斜視図である。図5は、他の実施例の人工漁礁である。図6は、人工漁礁に使用される他の実施例における棒材と鍔付きボルトを説明する斜視図である。
【0053】
更に、図7は、本発明による人工漁礁に用いられる乱型多角材の他の実施例の斜視図である。図8は、第三の実施例の人工漁礁である。図9は、本発明による人工漁礁を堰堤及び堰堤の下流の河床に使用したときの概略図である。図10は、本発明による人工漁礁を河川の河床に使用したときの概略図である。図11は、本発明による人工漁礁をダムの魚道及びダムの下流の河床に使用したときの概略図である。
【0054】
本発明による人工漁礁について説明する。
図1に示すように、乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nを積重ねて、該乱型多角材1a、1b、・・・、1nに穿設された孔1a1、1a2、・・・に棒材2a、2bを挿入し、該棒材2a、2bの両端を固定部材3a、3bにより固定して、人工漁礁Gとなる。また、固定方法としては、棒材2a、2bの両端部に雄ネジを設け、固定部材3a、3bを雌ネジのナットとすると良い。また、該棒材2a、2bの両端部の雄ネジは、雌ネジであってもよい。この場合は、固定部材3a、3bのナットに代わりに六角ボルト等の鍔付きボルトを使用すると良い。詳細は、後記する。尚、固定部材3a、3bのナット若しくは六角ボルトの外径は、当然ながら乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nが棒材より抜け出ない大きさが必要である。また、固定部材3a、3bとして、割ピン等を使用しても良い。この場合は、棒材に割ピン用の孔を穿設する必要がある。また、棒材は丸棒に限定するものではなく、四角形、六角形等の多角形状であっても良い。尚、図1は、主として乱型多角材1a側について図示しているが、乱型多角材1n側も同様であるので省略する。
【0055】
また、乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nのお互いの空間5a、5b、5c、・・・、5mは、魚類の棲家として最適である。すなわち、魚類が滞留し易く魚類の隠れ場となるように棲家として十分に住み付き易い空間5a、5b、5c、・・・、5mを持つことができる。また、該空間5a、5b、5c、・・・、5mは、用水路等の水流の速さを適宜の速さに抑えることができ、しかも水流によどみがないようにすることができる。
【0056】
また、当然のことながら棒材2a、2bは、いずれか一本の棒材でも良い。棒材2a、2bを二本に限定するものではない。一本若しくは複数の棒材で良い。但し、一本の棒材2aとすると、乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nを固定することが若干難しくなることもあるが、人工漁礁Gとしての機能に支障をきたすことは無い。また、該乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nは、凹凸のある平面であるので、お互いの凹凸の組合せのなかで固定される場合もある。以上のことを考慮すると、望ましくは、棒材は二本が良い。
【0057】
また、棒材2a、2b及び固定部材3a、3bは、鋼材、アルミ材等の金属材料を選択すると良い。環境問題のある合成樹脂系の素材は避けることが望ましい。
【0058】
また、乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nは、平型の形状であるが、この平型は表面及び裏面共に凹凸のあるものであり特別な形状をもたないものである。そして、水中に沈めるために、比重1以下の重量物であれば良い。例えば、凹凸の墓石、飛石、建築用石材、道路舗装用石材等に用いられる石材及びその残材、廃材等を利用すると良い。尚、乱型多角材は、自然石の石材に限定するものでは無く、人工石、コンクリート材等でも良く、それらの残材でも良い。あらゆる素材が適用できるが、用水路、河川、海底等に使用するものであるので、環境に優しい素材を適宜選択することが良い。
【0059】
また、自然石の石材の比重は、石材の種類にもよるが、例えば、安山岩では、約2.5〜2.8程度であり、用水路・河川等の人工漁礁としては、流速にも流されず、適材である。しかし、石材の種類を限定するものではない。例えば、花崗岩では、比重2.6〜2.7程度であり、凝灰岩では比重2.3〜2.8程度である。また、これらの石材は自然石であり、比重が一定しているものではなく、産地等により相違がある。また、本発明の人工漁礁Gに対しては、比重2.5〜3.0程度を選択すれば良いと思われる。しかし、比重を限定するものでも無い。適宜、使用する場所に応じた流速等を勘案して適宜選択すればよい。おおむね、比重2.5〜3.0程度が目安と考えられる。
【0060】
また、前記複数の乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nの素材は、飛石に使用されている安山岩系の鉄平石とし、該鉄平石を種々の大中小の凹凸のある平形に破砕したものを使用すると良い。また、乱型多角材を積重ねるときは、大中小の順番に限定するものではない。大小大中・・・、大小中小大・・・、等種々の組み合せが考えられるが、特に限定するものではない。
【0061】
次に、図2により、乱型多角材の詳細について説明する。乱型多角材1は、素材を平面状に破断・切削等されたものである。但し、平滑である必要は無い。該乱型多角材1の表面11c及び裏面11d共に凹凸があることが望ましい。また、該乱型多角材1の側面11eに凹凸があっても良い。それらの凹凸は、魚類の隠れ場所としての空間を容易に作ることができるので、漁礁の基本的な機能である魚類の棲家を成す為には必要な形状である。
【0062】
また、乱型多角材1は、飛石に使用されている安山岩の一種である鉄平石を使用すると、薄型に剥離し易いので、乱型多角材1を製作するのに便利である。更に、人工漁礁Gは、工場で組立てができるので、該人工漁礁Gを準備して、設置場所へ運んで、用水路等に設置すれば良い。このように施工性に優れた人工漁礁を提供することができる。
【0063】
次に、図3により、本発明による人工漁礁を用水路に使用したときの実施例について説明する。本発明の人工漁礁Gを用水路Yの溝底Yaに設置したものである。当然のことながら、該人工漁礁Gの外形の大きさは、該用水路Yの幅及び深さより、小さいものであり、該溝底Yaに設置するのに何等不具合のない大きさである。用水路Yの中を泳いでいる魚類Sは、該人工漁礁Gと用水路Yとの隙間を通って自由に泳ぎまわることができる。また、人工漁礁Gの空間で遊んだり、休息したりして楽しむこともできる。また、人工漁礁Gの空間に住み着くこともできる。人工漁礁Gは、その乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nの重ね合わせの中で、様々な空間を提供しているので、魚類Sの遊び場所、休息場所を提供していることになる。
【0064】
尚、図3では、人工漁礁Gの設置場所をコンクリート製の用水路Yを想定しているが、コンクリート製の用水路Yに限定するものではなく、土地を掘削した溝、側溝等でも良い、また、河川と称される大小さまざまな大きさの河川でも良い。夫々の溝幅に合ったものを選択すればよい。また、人工漁礁Gには、隙間、空間があり、魚の住み着き易い場所を提供しているので、人工漁礁Gを設置することができるところならば、設置場所の選定に条件はない。場合によっては、海中でも良い。いずれにしろ、人工漁礁Gの乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nの素材は自然石の石材等の環境に安全なものを選択すると良い。
【0065】
また、用水路Y等の溝底Yaに砂利Yb、小石Yc等を撒き、その上に人工漁礁Gを設置しても良い。尚、用水路Yの清掃時には、人工漁礁Gを用水路Yから、一旦引上げてから清掃作業することもできるので、取り扱いに便利な人工漁礁Gとなる。
【0066】
次に、図4により、複数の人工漁礁を使用した場合について説明する。図1と同様に、用水路Yに人工漁礁G1、G2、G3を設置する。夫々の人工漁礁G1、G2、G3の間隔は、用水路Y、人工漁礁G1、G2、G3の大きさ、魚類Sの生態等に応じて、適宜定めれば良い。また、図4では、人工漁礁は、3個設置した場合を示しているが、3個に限定するものではない。用水路Yに応じて適宜定めれば良い。また、図4では、コンクリート製の用水路Yを想定しているが、土地を掘削した溝、側溝等でも同様に複数個設置できる。当然ながら、河川若しくは海中でも複数個設置することができる。
【0067】
次に、図5により、人工漁礁の他の実施例について説明する。図1と同様に、乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nを積重ねて、該乱型多角材1a、1b、・・・、1nの孔1a1、1a2、・・・に紐材4a、4bを挿入し、該紐材4a、4bの両端を結束4c、4dし固定して、人工漁礁GHとなる。尚、当然のことながら紐材4a、4bは、いずれか一本の紐材でも良い。紐材4a、4bを二本に限定するものではない。一本若しくは複数の紐材で良い。また、紐材として、鋼線の撚り線が良い。また、綿、麻等の天然繊維を素材とした紐材も適切であり、更に、現在、開発が進められている環境に配慮した生分解性プラスチックを素材とした紐材も適用できる。
【0068】
また、図6により、棒材の他の固定方法について説明する。図1においては、棒材2a、2bを固定部材3a、3bのナットで締結・固定したが、図6は、棒材2a1の両端部を雌ネジとしたものである。この場合の締結方法として、鍔付きボルト3a1を使用するものである。鍔付きボルト3a1の鍔径D1は、棒2a1の軸径D2よりも大きいことが必要である。当然ながら、乱型多角材1a、1b、1c、・・・、1nが、棒2a1より抜け出さないためである。
【0069】
また、図7により、乱型多角材の他の実施例について説明する。図7は、図2の乱型多角材に対して魚道用孔若しくは切り欠きを設けたものである。すなわち、図7の乱型多角材1は、凹凸のある平形で、かつ該平形の表面11cに設けられた魚道用孔12a及び該平形の側面11eに切り欠き13aを設けたものである。この切り欠き13aも、魚道用孔12aと同様に、魚道となるものである。これらの魚道用孔12a及び切り欠き13aは、いずれか一方を設ける場合もあり、両方を設ける場合もあり、複数の魚道用孔12a又は複数の切り欠き13aを設ける場合もある。いずれの場合も魚道を確保するためであり、その魚道用孔12a及び切り欠き13aのいずれかを選択するか、若しくは両方を選択するかを限定するものではなく、また、それらの個数を限定するものでもない。
【0070】
また、これらの魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを設けた乱型多角材1を複数個準備し、該複数の乱型多角材1a、1b、・・・、1nを積重ねることによって、図1及び図5に示す人工漁礁G、GHが組み上がる。このとき、魚道用孔12a若しくは切り欠き13aは両方を設ける場合もあり、いずれか一方を設ける場合もある。なお、複数の乱型多角材1a、1b、・・・、1nのうち一部は、魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを、いずれも設けない場合もある(図2の乱型多角材を使用する場合)。これらの乱型多角材のいずれを使用するかは、当該人工漁礁G、GHの設置場所、大きさ等により選択されるものである。
【0071】
更に、人工漁礁G、GHに使用されている大中小の乱型多角材1a、1b、・・・、1nのうち、大に属する乱型多角材に魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを設ける場合もある。このときは、中小に属する乱型多角材は、大に属する乱型多角材に比較すると、魚道用の隙間を確保することができるので、殊更に、魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを設ける必要はないのである。しかし、人工漁礁G、GHの設置場所、大きさ等によっては、大中小の乱型多角材の全てに魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを設けた方が良い場合もある。
【0072】
なお、当該切り欠き13aの形状は、数学的に一定した形状である必要は無い。種々のU形、V形、角形等が考えられるが、これらの形状も数学的な形状を意味するものではなく、魚道用の切り欠きとして適切であれば良い。当該乱型多角材1を自然石とした場合などは、これらの切り欠き13aの表面は、凹凸があり形状が一定しないのは当然であり、魚道用の切り欠きとして使用できるものであれば良い。
【0073】
また、魚類Sは、図9及び図11に示すように、石積みの堰堤DT若しくはダムDを遡上することは難しいが、この魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを設けた複数の乱型多角材1a、1b、・・・、1nを使用した人工漁礁G、GHでは、魚道を確保することができるので、河川の堰堤DT若しくはダムDを遡上していくことができる。更に、魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを大きくすることによって、大きな魚類でも遡上することができる。なお、当該人工漁礁G、GHの使用は、ダムDの大きさに限定されるものではなく、大きなダムDの場合は、図11に示すように、当該人工漁礁G、GHを縦方向に積み上げていけばよい。
【0074】
また、図8により、1本の紐材で複数の乱型多角材を結束したものについて説明する。図8に示す人工漁礁は、図5の2本の紐材4a、4bで複数の乱型多角材を結束したものに対して、1本の紐材4eで結束したものである。すなわち、図8に示す人工漁礁GHは、複数の乱型多角材1a、1b、・・・、1nに2個の紐材用の孔1a1、1a2、・・・、1n1、1n2が穿設されており、紐材4eは、積重ねられた前記複数の乱型多角材1a、1b、・・・、1nの一方端の位置する乱型多角材1aに穿設された紐材用の孔1a1に挿通し、順次積重ねられた乱型多角材の紐材用の孔に挿通し、他端の乱型多角材1nの紐材用の孔1n1に挿通した後、該紐材4eをU形に曲げて、他端の乱型多角材1nの他方の紐材用の孔1n2に挿通し、順次積重ねられた乱型多角材の他方の紐材用の孔に挿通し、前記一方端に位置する乱型多角材1aの紐材用の孔1a2に挿通した後、該紐材4eの両端を結束4fして人工漁礁GHとなる。なお、図8の人工漁礁GHは、図2の乱型多角材1を使用しているが、図7の魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを設けた乱型多角材1を使用しても良い。更には、図2及び図7の乱型多角材の組合せでも良い。当然ながら、図8の人工漁礁GHは、複数の乱型多角材の魚道用孔及び切り欠きの有無を限定するものではない。
【0075】
また、当該人工漁礁GHは、1本の紐材4eを使用することにより、容易に複数の乱型多角材1a、1b、・・・、1nを積重ねることができ、しかも結束時には、堅く結束4fしても良く、緩く結束4fしても良い。堅く結束4fした場合は、用水路、溝、側溝等に水流に沿って設置したときなど、魚道を確保し易い(図3及び図4参照)。なぜならば、複数の乱型多角材1a、1b、・・・、1nは、しっかりと固定されているので、お互いにずれてしまうことも無く、魚道を確保し易い。一方、緩く結束4fしたときは、河川の河床や河川側壁へ敷設したときに、しっかりと、河床や河川側壁に固定され易い利点がある。
【0076】
また、図9により、堰堤に本発明による人工漁礁を設置した場合及び河床に設置した場合について説明する。図9は、河川Kに自然石を利用して積み上げて作る、いわゆる石積みの堰堤DTである。この石積みの堰堤DTは、魚類Sが遡上しにくいとの欠点があるが、本発明の人工漁礁G、GHとを組み合せて堰堤DTを作ると、該人工漁礁G、GHの隙間5a、5b、・・・、5n(図1及び図8に示す隙間。図5の2本の紐材を使用したときも同様である)、または図7に示した乱型多角材1に設けられた魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを魚道として魚類Sは遡上することができるのである。図9では、人工漁礁G1、G2、G3、G4の4個と自然石とを組み合せて堰堤DTを作った場合を図示している。なお、当該人工漁礁G、GHは4個に限定するものではなく、適宜の個数を設定することができる。なお、図9は、堰堤に人工漁礁を設置した場合について説明したが、ダムに設置して場合も同様である。
【0077】
また、図9に示すように、堰堤DTの下流側に人工漁礁G5〜G10が敷設されている。これは、堰堤DTの水流の落下位置の河床が洗われないよにするためである。通常は、河床の水流による洗われを防ぐために、テトラポッド(商標名。海岸、河川などに使用される円錐状の4本の脚からなるコンクリートブロック。)を使用している。しかし、該テトラポッドは、その形状から水流に流され易い欠点があるが、当該人工漁礁G、GHは、そのようなことが無い。
【0078】
なお、通常の河川の河床は、用水路、溝、側溝等又は河川の河底を掘削若しくは浚渫して、砂利・小石、廃材のコンクリートブロック等を敷き詰めて生コンクリートを流し込んで固めて河床としているか、またはコンクリート製の河床(すなわち、生コンクリートを流し込んで敷き詰めた河床)としているが、その設置作業に工数及びコストが掛かっている。しかし、本発明の人工漁礁G、GHを掘削若しくは浚渫した河底に敷き詰めれば、河床とすることができ、河川が洗われない効果もある。また、水量が少ないときに、曝気(微生物が有機物を分解するのに必要な酸素を供給するために空気を吹き込んだり攪拌したりすること)してやれば浄化されるので問題ない。また、コンクリートによる灰汁も発生せず、水の浄化にも効果があるので魚類Sにも良い。特にダム・堰堤の下流側、すなわちダム・堰堤の水流の落下位置の河床として使用すると効果がある。
【0079】
また、人工漁礁G1〜G4を図8に示す人工漁礁GHを使用したときは、その結束4fを堅くすると、堰堤DTが崩れない。また、堰堤DTの下流の河床に使用したときには、結束4fを緩くすると、河床に固定され易い利点がある。更に、図示していないが、河川側壁KBに人工漁礁G、GHを敷設しても良い。このときは、いわゆる蛇籠(河川の護岸に用いる円筒形に編んだかごに石を詰めたもの)の役目をなすことになる。
【0080】
また、図10により、人工漁礁を河床に敷設したところを外観図により説明する。なお、図10の左右は断面されている。河川Kの水流に対して、人工漁礁G1、G2、G3は、横置きになっているが、縦置きにしても良い。当該河川Kは、河川側壁KBと河床KSとからなり、河川の土手・堤には、木KWが植樹され、草KGが生えている。当該河床KSには、小石Yc、砂利Yb等が撒かれている。当該河川Kには、魚類Sが泳いでいる。ところで、一般にこの河川Kの河床KSは、河川Kの河底を掘削若しくは浚渫して、砂利・小石、廃材のコンクリートブロック等を敷き詰めて生コンクリートを流し込んで固めて河床としているか、またはコンクリート製の河床(すなわち、生コンクリートを流し込んで敷き詰めた河床)としているが、その設置作業に工数及びコストが掛かっている。しかし、図10に示すように、人工漁礁G1、G2、G3を掘削若しくは浚渫した河底に敷き詰めれば、河床KSとすることができ、河川が洗われない効果もある。また、水量が少ないときに、曝気してやれば浄化されるので問題ない。また、コンクリートによる灰汁も発生せず、水の浄化にも効果がある。このように、河床KSに人工漁礁G、GHを使用すると、自然環境を破壊することも無く適切である。
【0081】
また、図8の人工漁礁GHを使用するときは、結束4fを緩くすると、河床KSに固定され易い利点がある。更に、図示していないが、河川側壁KBに人工漁礁G、GHを敷設しても良い。このときは、いわゆる蛇籠(河川の護岸に用いる円筒形に編んだかごに石を詰めたもの)の役目をなすことになる。
【0082】
また、図11により、河川のダムに魚道を人工漁礁により設置したものについて説明する。図示するように、魚道としてダムDの左側の取水口DS側に人工漁礁G1〜G5を縦方向に並べている。当該人工漁礁G1〜G5は、乱型多角材1に魚道用孔12a若しくは切り欠き13aを設けたものを使用すると良い。魚類Sの遡上を助けることとなる。ところで、図11では、取水口DSは開いた状態で水が下流へ流されている状態の図である。これは、人工漁礁G1〜G5の説明のためであり、取水口DSがいつも開いている訳ではない。図示しないが、取水のときは、取水口DSは適切なる手段で閉じた状態であるのは言うまでもない。なお、図8に示す人工漁礁GHを使用するときは、結束4fを堅くしたものを使用すると、当該人工漁礁GHが崩れることもなく、しっかりとダムDに設置することができる。
【0083】
また、ダムDの水流の落下場所には、人工漁礁G1〜Gnを敷設すると良い。従来はテトラポッドを敷設している例が多いが、前記するように、テトラポッドでは、当該テトラポッドが流されたり、河床が洗われたりするので、図2、図5又は図8の人工漁礁G、GHを敷設することが良い。また、図8の人工漁礁GHを使用したときには、結束4fを緩くすると、河床に固定され易い利点がある。なお、ダムDの貯水量を調整するために放水口Hが設けられている。当然ながら、この放水口Hの下側では、河床が洗われ易い。
【0084】
また、図11では、河川Kの下流側の左側の河川側壁KBに人工漁礁G6、G7、G8を敷設した例を示している。このように、人工漁礁G、GHを河川側壁KBに敷設すると、いわゆる蛇籠(河川の護岸に用いる円筒形に編んだかごに石を詰めたもの)の役目をなすことになる。
【0085】
また、図9により、前記人工漁礁を使用した堰堤若しくはダム工法について説明する。図9は、堰堤工法の場合について図示しているが、ダム工法の場合についても同様である。図示するように、堰堤DTの傾斜面に沿って人工漁礁G1、G2、G3、G4を縦方向に配置して、魚類の遡上する魚道を確保することを特徴とする堰堤工法である。なお、図示する堰堤DTは自然石を利用した石積みの堰堤であるが、当該石積みの堰堤に限定するものではなく、コンクリートブロック製等についても同様である。
【0086】
ところで、図9の人工漁礁G1、G2、G3、G4は、図1、図5及び図8のいずれの人工漁礁G、GHを使用しても良い。また、当該人工漁礁G、GHに使用する乱型多角材1a、1b、・・・、1nは、図2又は図7のいずれの乱型多角材1を使用しても良い。しかし、図7の魚道用孔12a又は切り欠き13aを設けた乱型多角材1を使用すると、魚道を確保し易い利点がある。
【0087】
また、図10により、前記人工漁礁を利用した河川の河床工法について説明する。図示するように、河川Kの河底を掘削若しくは浚渫後、当該河底に沿って人工漁礁G1、G2、G3を敷設して、河川の河床としたことを特徴とする河床工法である。図示では、当該人工漁礁G1、G2、G3は、水流に対して横方向に敷設しているが、縦方向に敷設しても良い。また、当該人工漁礁G1、G2、G3は、図1、図5及び図8のいずれの人工漁礁G、GHを使用しても良い。
【0088】
なお、通常の河川の河床工法は、河川の河底を掘削若しくは浚渫して、砂利・小石、廃材のコンクリートブロック等を敷き詰めて生コンクリートを流し込んで固めて河床とした河床工法であるか、またはコンクリート製の河床(すなわち、生コンクリートを流し込んで敷き詰めた河床)とした河床工法であるが、それらの河床工法は、その工法に工数及びコストが掛かっている。また、本発明の人工漁礁G、GHを掘削若しくは浚渫した河底に敷き詰めた河床工法とすれば、河川が洗われない効果もある。また、河川の浄化に対しては、水量が少ないときに、当該河床を曝気(微生物が有機物を分解するのに必要な酸素を供給するために空気を吹き込んだり攪拌したりすること)してやれば浄化されるので問題ない。また、コンクリートによる灰汁も発生せず、水の浄化にも効果があるので魚類Sにも良い。
【0089】
また、図11により、前記人工漁礁を利用した河川のダムの下流側の水流の落下位置の河床工法について説明する。図示するように、河川KのダムDの下流側の水流の落下位置の河底を掘削若しくは浚渫後、当該河川KのダムDの下流側の水流の落下位置の河底に人工漁礁G1〜Gnを敷設して、水流の落下位置の河床としたことを特徴とする河床工法である。図示では、当該人工漁礁G1〜Gnは、水流に対して横方向に敷設しているが、縦方向に敷設しても良い。また、当該人工漁礁G1〜Gnは、図1、図5及び図8のいずれの人工漁礁G、GHを使用しても良い。なお、図11は、ダムDの水流の落下位置の河床工法について説明したが、堰堤の水流の落下位置の河床工法についても同様である。
【0090】
なお、通常の河川のダムの下流側の水流の落下位置の河床工法は、河川の河底を掘削若しくは浚渫して、砂利・小石、廃材のコンクリートブロック等を敷き詰めて生コンクリートを流し込んで固めて河床とした河床工法であるか、またはコンクリート製の河床(すなわち、生コンクリートを流し込んで敷き詰めた河床)とした河床工法であるが、それらの河床工法は、その工法に工数及びコストが掛かっている。また、本発明の人工漁礁G、GHを掘削若しくは浚渫した河底に敷き詰めた河床工法とすれば、河川が洗われない効果もある。また、河川の浄化に対しては、水量が少ないときに、当該河床を曝気してやれば浄化されるので問題ない。また、コンクリートによる灰汁も発生せず、水の浄化にも効果があるので魚類Sにも良い。
【0091】
また、図11により、前記人工漁礁を利用した河川のダムの取水口工法について説明する。図11のダムDの左側に示すように、ダムDの取水口DSの傾斜面に沿って人工漁礁G1、G2、G3、G4、G5を縦方向に設置して、魚類Sの遡上する魚道を確保することを特徴とするダムDの取水口工法である。図示では、取水口DSの傾斜面の上側に人工漁礁G1、G2を設置し、下側に人工漁礁G3、G4、G5を設置しているが、この設置に限定するものではない。また、当該人工漁礁G1〜G5は、図1、図5及び図8のいずれの人工漁礁G、GHを使用しても良い。また、当該人工漁礁G、GHに使用する乱型多角材1a、1b、・・・、1nは、図2又は図7のいずれの乱型多角材1を使用しても良い。しかし、図7の魚道用孔12a又は切り欠き13aを設けた乱型多角材1を使用すると、魚道を確保し易い利点がある。なお、図11は、ダムDの取水口工法について説明したが、堰堤の取水口工法についても同様である。
【0092】
また、図11により、前記人工漁礁を利用した河川側壁工法について説明する。図11のダムDの左側に示すように、ダムDの河川側壁DSを掘削後、当該河川側壁DSに沿って人工漁礁G6、G7、G8を敷設して、河川の側壁としたことを特徴とする河川側壁工法である。また、当該人工漁礁G6、G7、G8は、図1、図5及び図8のいずれの人工漁礁G、GHを使用しても良い。なお、当該人工漁礁は、3個に限定するものでは無い。その設置場所により、適宜選択されるものである。
【0093】
従来、河川側壁工法においては、河川Kの河川側壁KSを掘削後、小石・砂利等を敷設し、生コンクリートで埋める等の工法であったが、本発明の河川側壁工法は、河川Kの河川側壁KSを掘削後、直ちに人工漁礁G6、G7、G8を敷設する工法である。当該河川側壁工法により、工数及びコストの削減に寄与することができる。また、河川側壁KSに蛇籠(河川の護岸に用いる円筒形に編んだかごに石を詰めたもの)を敷設する工法もあるが、本発明の河川側壁工法は、この蛇籠に替わって人工漁礁G6、G7、G8を使用した工法である。このように、蛇籠に替わって人工漁礁G6、G7、G8を使用することにより、工数及びコストの削減に寄与することができる。
【0094】
【発明の効果】
本発明は、以上の説明から、以下に記載されるような効果を奏する。
【0095】
本発明の人工漁礁は、複数の乱型多角材を積重ねて、該複数の乱型多角材にそれぞれ穿設された孔に棒材を挿入して、該棒材の両端を固定部材で固定することによって、人工漁礁としたもので、魚道として使用される用水路、溝、側溝等に適宜な形状となっている。また、河川若しくは海中にも設置することができる。
【0096】
また、本発明の人工漁礁は、複数の乱型多角材を積重ねて使用することにより、魚類が滞留し易く隠れ場となるように棲家として住み付き易い空間を提供すると共に、用水路等及び河川に魚を呼び寄せることのできる場所をも提供し、しかも乱型多角材に自然石を使用すると環境にも優しいものとなった。
【0097】
また、本発明の人工漁礁は、複数の乱型多角材を積重ねて、該複数の乱型多角材にそれぞれ穿設された孔に棒材を挿入して、該棒材の両端を固定部材で固定したので、製作も容易である。しかも、該人工漁礁は、全体として凹凸のある円柱体若しくは長方体の形状に近似しているので、施工性の良い形状であり、設置場所への運搬及び設置の施工性の容易なものとなっている。また、棒材に替わって、紐材を使用して結束した場合も同様の効果がある。
【0098】
また、本発明の人工漁礁は、用水路等の適宜場所に複数個設置することもできるので、魚類の棲家を用水路等全体に与えて、魚類に更に住みよい場所を提供することが出来るようになった。
【0099】
さらに、本発明による人工漁礁は、乱型多角材に自然石の適宜の比重のものを選択できるので、河川の流れに流されることも無く、一定の場所に定住させることができるので、メンテナンスの必要も少なくなった。
【0100】
さらに、本発明による人工漁礁は、用水路等に使用したときに、人工漁礁の周りが汚濁したときなど、人工漁礁を引上げて、該用水路等を清掃し、人工漁礁を清掃して、再度設置すると、用水路等の汚濁も無くなり、周囲の環境にも、美感を呈すすものとなった。
【0101】
さらに、本発明の人工漁礁は、施工性が良く、工場で組立てができ、水流を穏やかにするものである。また、階段状の漁礁では上がれない魚類もあるが、本発明の人工漁礁は、複数の大中小の乱型多角材を使用しているので、上流への移動も容易になる利点もある。自然石を利用しているので、環境にも優しい。
【0102】
また、本発明の人工漁礁は、複数の乱型多角材の適宜の個数若しくは全てに魚道用孔若しくは切り欠きを設けたことにより、魚道をより有効に確保することができたので、魚類が河川に設置された堰堤・ダムを遡上できるようになった。
【0103】
また、本発明の人工漁礁は、河川の河床としても使用でき、特にダム・堰堤の下流側、すなわちダム・堰堤の水流の落下位置の河床としても有効に使用できるものとなった。従って、自然石を使用したときには、環境にも良い河床を提供することができるようになった。
【0104】
また、本発明の人工漁礁を使用して、堰堤若しくはダムに魚道を確保する堰堤・ダム工法、河川の河床に敷設する河床工法、堰堤・ダムの取水口工法及び河川側壁工法を提供することができるようになった。このように、本発明の人工漁礁は、種々の使用方法を提供できる。
【0105】
以上の説明は、開示された実施の形態のすべての点で例示であり制限的なものではない。従って、本発明の範囲は、上記の説明に限定されたものではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内のすべての変更が含まれることが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による人工漁礁の斜視図である。
【図2】図2は、本発明による人工漁礁に用いられる乱型多角材の斜視図である。
【図3】図3は、本発明による人工漁礁を用水路に使用したときの実施例を説明する斜視図である。
【図4】図4は、本発明による複数の人工漁礁を用水路に使用したときの実施例を説明する斜視図である。
【図5】図5は、他の実施例の人工漁礁である。
【図6】図6は、人工漁礁に使用される他の実施例における棒材と鍔付きボルトを説明する斜視図である。
【図7】図7は、本発明による人工漁礁に用いられる乱型多角材の他の実施例の斜視図である。
【図8】図8は、第三の実施例の人工漁礁である。
【図9】図9は、本発明による人工漁礁を堰堤及び堰堤の下流の河床に使用したときの概略図である。
【図10】図10は、本発明による人工漁礁を河川の河床に使用したときの概略図である。
【図11】図11は、本発明による人工漁礁をダムの魚道及びダムの下流の河床に使用したときの概略図である。
【符号の説明】
G、G1、G2、G3、G4、G5、G6、G7、G8、・・・、Gn、GH 人工漁礁
S 魚類
Y 用水路
Ya 溝底 Yb 砂利 Yc 小石
D1 鍔付きボルトの鍔径
D2 棒材の軸径
D ダム DT 堰堤 DS 取水口 H 放水口
K 河川 KS 河床 KB 河川側壁 KW 木
KG 草
1、1a、1b、1c、・・・、1n 乱型多角材
11a、11b、1a1、1a2、・・・、1n1、1n2 孔
11c 表面
11d 裏面
11e 側面
12a 魚道用孔
13a 切り欠き
2a、2b、2a1 棒材
3a、3b 固定部材
4a、4b、4e 紐材
4c、4d、4f 結束
3a1 鍔付きボルト
5a、5b、5c、・・・、5m 空間
Claims (1)
- 魚道として使用される用水路、溝、側溝等又は河川若しくは海中に設置される人工漁礁において、複数の乱型多角材を積重ねて、該複数の乱型多角材にそれぞれ穿設された孔に棒材を挿入して、該棒材の両端を固定部材で固定するか又は両脚を結束することによって、該複数の乱型多角材を固定したことを特徴とする人工漁礁であって、前記複数の乱型多角材は、凹凸のある平形で、かつ該平形の表面に適宜に設けられた魚道用孔若しくは該平形の側面に切り欠きを設けた乱型多角材を適宜の個数若しくは全てに使用したこと、
を特徴とする人工漁礁。
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