JP3796686B2 - キーボードの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、コンピュータ、ワードプロセッサなどのキー入力装置に用いるキーボードを製造するための方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キーボードの製造は、一般には複数種類(通常、11種類)あるキーキャップ(キートップ)を種類ごとに射出成形し、これらキーキャップを、キーボードの筐体を搬送するコンベアラインに沿って設定した複数の組立ステーション(組立工程)に供給して、専用のキャップ挿入装置を用いて筐体のキー挿入孔にキーキャップを1個または数個単位で順次挿入するようにしていた。しかし、このような方法では、キーキャップの種類ごとに成形装置を用意しなければならないことに加え、専用のキャップ挿入装置を複数用意しなければならず、設備の多重投資による設置スペースの拡大や設備コストの増大が避けられず、その上、生産管理や品質管理に多くの負担がかかって、製造コストの増大が避けられないようになる。
【0003】
そこで、例えば、特開平09−198954号公報には、キーボード1台に必要な全てのキーキャップを、該キーボードにおける配列と同じ配列およびピッチで射出成形した後、型開き状態の下金型をワーク受台として用いて、該下金型に対してメカシャーシ(筐体)を接近させ、そのキー挿入孔に必要数のキーキャップを一括して挿入することが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、キーボード1台に必要な全てのキーキャップを射出成形する場合は、成形型内に有する多数(百数個にもおよぶ)の成形部に均等に樹脂をゆきわたらせるのが極めて困難となり、特にキーボードにおける配列と同じ配列およびピッチで射出成形しようとすると、スプル、ランナおよびゲートを思うように設計できず、いわゆる樹脂回りが不十分となって不良品が多く発生することになる。因みに、特開2001−9875号公報に記載のものでは、主ランナから分岐した副ランナとゲートとの流路断面積を、スプルから離間するに従って大きく設定することにより所望の樹脂回りを確保しているが、この場合でも、キーボードにおけるピッチと同じピッチで成形する条件(制約)は外している。
【0005】
本発明は、上記した技術的背景に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、設備の多重投資を行うことなくかつ成形性を犠牲にすることなく、キーボード1台に必要な全てのキーキャップを一括して筐体に組付けできるようにし、もって設置スペースの削減並びに製造コストの低減に大きく寄与するキーボードの製造方法および製造装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明に係るキーボードの製造方法は、キーボード1台に必要な全てのキーキャップを、該キーボードにおける配列と同じ配列で射出成形した後、その配列および成形ピッチを維持したまま搬送機によりキャップ集合装置に搬送してキーボードと同じピッチに集合させ、しかる後、前記集合状態を維持したままキーキャップの全てをキャップ挿入装置に移して、キーボードの筐体のキー挿入孔に一括して挿入するキーボードの製造方法において、前記射出成形に際し、ランナー部に連接してパッド部を一体成形し、前記搬送機に持たせた吸着装置にキーキャップ群を移載すると同時に、前記パッド部を介してランナー部を含むスクラップを移載し、前記キャップ集合装置への搬送途中で該吸着装置の吸引を解除して前記スクラップを排除することを特徴とする。
また、本発明に係るキーボードの製造装置は、キーボード1台に必要な全てのキーキャップを、該キーボードにおける配列と同じ配列で射出成形する成形装置と、該成形装置で成形されたキーキャップ群をその配列状態を維持したまま受入れ、キーボードと同じピッチに集合させるキャップ集合装置と、該キャップ集合装置からキーキャップ群をその集合状態を維持したまま受取り、キーボードの筐体のキー挿入孔に一括して挿入するキャップ挿入装置と、キーキャップ群を吸着可能な吸着装置を有し、該吸着装置に前記成形装置内の成形型からキーキャップ群を受取り、かつ前記キャップ集合装置へ搬送する搬送手段とを備えているキーボードの製造装置において、前記成形装置は、その成形型にランナーに連接して複数のパッド成形部を設けており、前記搬送手段の吸着装置は、板面を起立させた垂直姿勢と板面を水平にした水平姿勢とに姿勢変換可能なプレート上に、キーキャップを吸着する複数のキャップ用吸盤と前記パッド成形部で成形されたパッド部を介してランナ部を含むスクラップを吸着する複数のスクラップ用吸盤とを浮動可能に設けており、常時は前記板面に対して前記スクラップ用吸盤がキャップ用吸盤よりも高位に位置決めされることを特徴とする。
このように構成したキーボードの製造方法および製造装置においては、キーボードにおける配列と同じ配列で射出成形を行うので、ピッチにとらわれずにスプル、ランナおよびゲートを設計でき、前記特開2001−9875号公報に記載のものと同様に樹脂回りは良好となって、必要数のキーキャップを高品質に成形することができる。また、成形後のキーキャップは、一旦キャップ集合装置においてキーボードと同じピッチに集合させてからキャップ挿入装置に移すので、筐体のキー挿通孔に効率よくかつ円滑にキーキャップを挿入することができる。さらに、成形装置からキャップ集合装置への搬送途中でスクラップを排出するので、スクラップ処理のための余分な時間を短縮できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0008】
図1および図2は、本発明に係るキーボードの製造装置の全体的な構成を示したものである。図において、1は射出成形機、2は、この射出成形機1の側方にこれと平行に設置された組付架台、3は、前記射出成形機1および組付架台2の上方に横断的に設置された主搬送架台である。射出成形機1の成形型は、キーボード1台に必要な全てのキーキャップC(図7、図18参照)を、該キーボードにおける配列と同じ配列で成形できるように設計されており、この射出成形機1で成形されたキーキャップCは、前記主搬送架台3に移動可能に配設した後述の成形品用搬送機(搬送手段)4に持たせた吸着装置5に一括して移載されるようになっている。
【0009】
組付架台2上には、前記搬送機4からキーキャップ(キーキャップ群)Cを受取り、キーボードと同じピッチに集合させる後述のキャップ集合装置6を配置した集合ステーションS1と、キャップ集合装置6からキーキャップ群Cをその集合状態を維持したまま受取り、キーボードの筐体Wのキー挿入孔に一括して挿入する後述のキャップ挿入装置7を配置した挿入ステーションS2と、製品用搬送機8および筐体用搬送機9を周りに配置した受渡ステーションS3とが順に設定されている。なお、説明の便宜のため、以下では、前記各ステーションS1〜S3の配列方向をX−X´方向、このX−X´方向に直交する水平方向をY−Y´方向として説明する。
【0010】
組付架台2上にはまた、前記挿入ステーションS2と受渡ステーションS3との間を往復動する後述の可動テーブル10が設置されている。この可動テーブル10は、キャップ挿入装置7によるキーキャップ挿入に際してのワーク受台として用いられるもので、受渡ステーションS3においてその上面にキーボードの筐体Wを受取った後、挿入ステーションS2側へ移動して、その上の筐体Wを所定の挿入位置に位置決めすると共に、キャップ挿入装置7によるキーキャップ挿入後は、受渡ステーションS3側へ移動してその上の製品(キーボード)Pを所定の払出し位置に位置決めする。
【0011】
上記組付架台2にはさらに、各ステーションS1〜S3の設定レベルの下側に位置させてコンベア11が設置されている。このコンベア11は、組付架台2の一端側(図1、2の左側)から他端側(右側)へ製品Pを搬送するためのもので、その一端部には、前記製品用搬送機8から製品Pが移載されるようになっている。製品用搬送機8は、組付架台2の片側に立設した副搬送架台12に沿ってX−X´方向へ移動するスライダ13と、このスライダ13にガイドバー14を介して昇降可能に支持された吸着装置15と、この吸着装置15を昇降駆動するシリンダ16とを備えており(図2)、受渡ステーションS3に位置決めされた可動テーブル10上からその吸着装置15に製品Pを受取り、これを前記コンベア11上へ移すように作動する。
【0012】
また、組付架台2の一端側には、筐体Wを受渡ステーションS3の側方位置に搬入する筐体用コンベア17が付設されている。筐体Wは、このコンベア17の終端付近に配置した、ダンパを備えたストッパ(図示略)に当接して所定の位置に停止するようになっており、この位置で前記筐体用搬送機9に移載される。筐体用搬送機9は、組付架台2上に設けられた後述の副搬送架台18に架設した支持フレーム19に沿ってY−Y´方向へ移動するスライダ20と、このスライダ20にガイドバー21を介して昇降可能に支持された吸着装置22と、この吸着装置22を昇降駆動するシリンダ23とを備えており(図2)、前記筐体用コンベア17からその吸着装置22に筐体Wを受取り、これを前記受渡ステーションS3に位置決めされた可動テーブル10上に移すように作動する。
【0013】
一方、組付架台2の他端側には、前記コンベア11から製品Pを受取って、組付架台2の上方に一端部が導入された製品搬出用コンベア24に受渡す昇降装置25が配設されている。この昇降装置25は、モータ26を駆動源としてエンドレスに回転するチェーン27により昇降駆動される昇降台28と、前記コンベア11からこの昇降台28上に移載された製品Pを製品搬出用コンベア24に押出す押しバー29とを備えており、その昇降台28および押しバー29の作動は、センサ信号に基づいて制御されるようになっている。
【0014】
ここで、上記射出成形機1は、図1に示すように、固定板30に取付けられた固定型31と可動板32にスペーサ32aを介して取付けられた可動型33とをX−X´方向に対向して配置した横型の構成となっている。可動板32は、その背後に配置した型締シリンダ33bと固定板30とを連結するタイバー34に摺動可能に装着され、型締シリンダ33bのラム33aにより駆動されるようになっている。そして、可動型33は、前記可動板32の摺動に応じて固定型31に合された型閉じ状態と固定型31から所定距離だけ離間する型開き状態(図1に、2点鎖線で示す)とに任意位置決めされる。一方、固定板30の背後には射出装置35が配置されており、該射出装置35から固定板30を通して固定型31と可動型33との合せ部に形成される成形部36(図3、4)に溶融樹脂が充填されるようになる。
【0015】
上記固定型31および可動型33(成形型)は、前記した特開2001−9875号公報に記載のものと実質同じ構造となっており、固定型31と可動型33との合せ部にはキーボード1台に必要な数の成形部36が設けられている。図3および4はその一部を示したもので、グループ単位で設定した1つのスプル37に対して1つの主ランナ38が設けられると共に、1つの主ランナ38に対して複数の副ランナ39が分岐して設けられ、さらに各副ランナ39に対してゲート40を介して各成形部36が連接されている。各成形部36は、固定型31に設けた凹部41と、可動型33に設けた凸部42と可動型33に内装したコア43とから形成されており、凹部41と凸部42との間の空隙が後述のキーキャップC(図7、図18)の成形空間として、凸部42とコア43との間の空隙が、筐体Wのキー挿入孔に挿入される柱状部Ca(図7、図18)の成形空間としてそれぞれ供されるようになっている。なお、可動型33には、可動板32上に配置したエジェクタ機構(図示略)から延ばした多数のエジェクタピン44が嵌挿されている。
【0016】
上記主ランナ38から分岐した副ランナ39は、図4に示すように、スプル37から離間するに従って大きな流路断面積となるようにその直径dが設定されている。この直径dは、樹脂流れを流動解析することにより決定され、これによりスプル37からの遠近によらず各成形部36には円滑に溶融樹脂が充填されるようになる。また、固定型31と可動型33との合せ部には、主ランナ38に連接して複数のパッド成形部45が設けられている。このパッド成形部45は、前記成形品用搬送機4に持たせた吸着装置5に対する吸着用パッドを一体成形するためのもので、この吸着用パッドについては、後にさらに述べる。
【0017】
このように構成した射出成形機1においては、射出装置35から射出された溶融樹脂は、各スプル37から主ランナ38、副ランナ39およびゲート40を経て各成形部36に流入し、そのまま所定時間放置することで固化し、キーボードの1基分に必要な全て(例えば、11種類、105個)のキーキャップCの成形が完了する。この時、主ランナ38から分岐した副ランナ39は、スプル37から離間するに従って流路断面積が大きくなっているので、スプル37から離れている成形部36の成形空間への溶融樹脂の流入が促進され、結果として、スプル37からの距離に関係なく、各成形部36にはほぼ一様に溶融樹脂が充填され、これにより品質的に優れたキーキャップCが安定的に得られるようになる。
【0018】
上記成形品用搬送機4は、図1および図2に示すように、前記主搬送架台3にスライドガイド140を介して摺動可能に基端部が結合された二又の支持フレーム141と、この支持フレーム141にX−X´方向へ摺動可能に搭載されたスクリュユニット142とを備えている。スクリュユニット142は、モータ(図示略)により回転駆動されるナット部材(図示略)を内蔵する回転ボックス143とこの回転ボックス143を挿通して鉛直方向へ延ばされ、前記ナットの回転に応じて軸方向移動するスクリュ144とからなっており、そのスクリュ144に前記吸着装置5を下端に有する昇降ロッド145が同心に連結されている。
【0019】
一方、上記成形品用搬送機4に持たせた吸着装置5は、図5〜図7によく示されるように、上記昇降ロッド145の下端部にヒンジピン46を用いて回動可能に支持されたバックプレート47と、このバックプレート47にこれと平行をなすように浮動機構48を介して浮動可能に支持されたベースプレート49とを備えている。前記浮動機構48は、バックプレート47にホルダ50を用いて垂直に立設されたガイドピン51と、ベースプレート49の背面に垂直に立設され前記ガイドピン51に摺動可能に嵌合するガイド筒52と、ガイドピン51に外装され一端を前記ホルダ50に、他端をガイド筒52にそれぞれ係合させたばね53とからなっており、ベースプレート49は、常時は前記浮動機構48内のばね53の付勢力によりバックプレート47からわずか浮上する状態を維持するようになっている。また、バックプレート47の背面に設けたブラケット54には、昇降ロッド145の下端部に取付けた旋回用シリンダ(エアシリンダ)55のピストンロッド55aの先端部が連結されている。バックプレート47およびベースプレート49は、前記シリンダ55のピストンロッド55aの伸縮に応じてヒンジピン46を軸中心に一体的に回転し、それぞれの板面を垂直方向に起立させた垂直姿勢と板面を水平にした水平姿勢とに任意位置決めされる。
【0020】
上記ベースプレート49のおもて面には、複数のキャップ用吸盤56を保持してなる吸盤ホルダ57が所定の列数(ここでは、6列)となるように配設されている。各吸盤56は、図6に示されるように前記射出成形機1で成形されたキーキャップCに対応して必要数設けられており、吸盤ホルダ57からの負圧供給に応じて各キーキャップCの天面Cbを吸着するようになっている。しかして、キーキャップCとしては、図7に示すように、筐体Wのキー挿入孔への挿入部である柱状部Caに対してその天面Cbを傾斜させたものがあり、各吸盤56は、このように傾斜した天面Cbを有するキーキャップCであっても、その柱状部Caをベースプレート49の面方線方向へ起立させることができるように、ベースプレート49に対して所定の角度で傾斜して配置されている。この場合、図7の左側の二列に示すように、吸盤ホルダ57に対して、例えばスペーサ58を介してキャップ受59を設けるようにして、これにより傾斜した天面Cbを有するキーキャップCをより正確に位置決めできるようになる。さらに、キーキャップCとしては、図6に示すように横長のものC´も存在するので、必要によりこのような横長のキーキャップC´に対しては、複数(2または3個)の吸盤56を配置するようにしている。なお、吸盤56は、剛体からなる中空の支柱部56aとこの支柱部56aに接合された弾性体から吸着部56bとからなっており、その支柱部56aに設けたねじ部(図示略)を吸盤ホルダ57にねじ込むことにより該吸盤ホルダ57に植立されている。
【0021】
射出成形機1により成形された成形品は、図6に2点鎖線で示されるように、各キーキャップCの周りに、前記成形型のスプル37、ランナシステム(主ランナ38および副ランナ39)に対する充填樹脂であるスプル部S、ランナ部Rを有するほか、前記パッド成形部45(図4)に対する充填樹脂であるパッド部PDを有している。吸着装置5は、前記パッド部PDを吸着するためのスクラップ用吸盤60をさらに備えている。このスクラップ用吸盤60は、図7に示されるように、前記バックプレート47に基端部が支持された中空の支柱部61とこの支柱部61の先端部に結合された吸着部62とを備え、その支柱部61がベースプレート49に穿設した貫通孔63を挿通して延ばされている。支柱部61は、テレスコピック式に伸縮可能に構成されており、常時はこれに外装したばね64により伸長方向へ付勢され、これにより吸着部62の先端は、前記キャップ用吸盤56よりもわずか前方に位置するように位置決めされている。なお、ベースプレート49には、前記スプル部Sを挿通させるための逃げ孔65が形成されている。また、ベースプレート49の隅部には、位置決めピンを受入れて前記可動型33(図1)および前記整列装置6に対して吸着装置5を位置決めするピンガイド66(図5、図6)が突設されている。
【0022】
上記のように構成された吸着装置5は、射出成形機1の成形型から成形品を受取るに際して、図5に示したようにバックプレート47およびベースプレート49を直立姿勢として、搬送機4のスクリュユニット142のX方向への動きにより可動型33側へ移動する。この時、浮動機構48のばね53をたわませながらキャップ用吸盤56が可動型33内のキーキャップCの天面Cbに、ばね64をたわませながらスクラップ用吸盤60が吸着用パッド部PDにそれぞれ当接し、これに合せて各吸盤56、60に負圧が供給される。一方、この負圧供給に合せて射出成形機1のエジェクタ機構(図示略)が作動し、エジェクタピン44(図3)により成形品が可動型33から払い出され、そのまま(成形ピッチを維持したまま)各吸盤56、60に吸着される。その後、吸着装置5は、搬送機4のスクリュユニット142のX´方向への動きにより可動型33から離間し、これによりキーキャップCはキャップ用吸盤56に、スプル部S、ランナ部Rを含むスクラップはパッド部PDを介してスクラップ用吸盤60にそれぞれ移載される。この時、各ばね53、64の付勢力により、スクラップ用吸盤60がキャップ用吸盤56よりわずか前方位置に戻り、これにより、前記スクラップがゲート部を境にキーキャップCから分離し(図7)、それぞれ個別に吸着装置5に支持される。
【0023】
成形品用搬送機4は、その吸着装置5に成形品を移載した後、スクリュユニット142の作動により吸着装置5を射出成形機1の上方まで上昇させ、キーキャップCを前記キャップ集合装置6へ搬送するが、この搬送途中で、旋回用シリンダ55(図5)のピストンロッド55aを短縮させて吸着装置5を90度旋回させ、そのベースプレート49を水平に位置決めする。そして、図1に示したスクラップ排出シュート67の上方で、スクラップ用吸盤60の吸引を解除する。すると、吸着用パッド部PDを介して該吸盤60に吸着されていたスクラップ(スプル部S、ランナ部R)がスクラップ排出シュート67に落下し、系外へ排出される。
【0024】
上記キャップ集合装置6は、図8〜図10に示されるように、前記組付架台2上に支柱(六角支柱)70を用いて固定された2つの支持台71、72を備えている。2つの支持台71、72はX−X´方向に離間して配置され、それぞれの上面には、長短2つのスライドレール73、74がY−Y´方向に延ばして平行に敷設されている(図9)。そして、比較的長めのスライドレール73のそれぞれには3基のスライド部材74A、74C、74Eが、比較的短めのスライドレール74のそれぞれには2基のスライド部材74B、74Dが摺動可能に結合されている(図9)。2つの支持台71、72の相互間で対をなすスライド部材74A、74B、74C、74D、74Eには、X−X´方向へ延ばされたL字形の支持バー75A、75B、75C、75D、75Eがそれぞれ搭載されている。すなわち、これら支持バー75A〜75Eは、対応するスライド部材74A〜74Eと一体にスライドレール73、74に沿って平行移動するようになっている。さらに、組付架台2の片側には、図示を略す支柱を用いて1本の支持バー76が固設されており、したがって、このキャップ集合装置6は、可動の5本の支持バー75A〜75Eと固定の1本の支持バー76とを備えている。
【0025】
各支持バー75A〜75Eおよび76のそれぞれには、図10、図11および図12によく示されるように、その小段部を利用してスライドレール77が固定されており、このスライドレール77には、スライド部材78を介して前記キーキャップCを支承する多数の受駒79が摺動可能に装着されている。各受駒79はキーキャップCの大きさ(種類)に合せて種々の大きさのものが用意され、それぞれは、キーキャップCの柱状部Caを受入れるための嵌合凹部79aを上部側に有している。なお、各支持バー75A〜75Eおよび76の中心D付近に配置される受駒79は位置固定的に各支持バーに取付けられている。
【0026】
一方、組付架台2上の、上記2つの支持台71と72との間に位置する部分には、上記スライドレール73、74と平行に延ばしてロッドレスシリンダ80が配設されている。このロッドレスシリンダ80は、図10によく示されるように、シリンダ部81とこのシリンダ部81内のピストン(図示略)に作動連結された移動体82とを備え、シリンダ部81内への空気の給排に応じてその移動体82がY−Y´方向へ往復移動するようになっている。この移動体82には、固定の支持バー76から最も離れた側の支持バー75Aの下面に先端部を連結した連結部材83の基端部が固定されており、該支持バー75Aはロッドレスシリンダ80の移動体82と一体に移動する。なお、組付架台2の一側には、前記移動体82が固定の支持バー76側へ移動した際、これに衝合して円滑に停止させるダンパー84が固設されている。
【0027】
上記各支持バー75A〜75Eおよび76のうち、相隣接する同士は、図13に示すように1個または2個のリンク85により相互に連結されている。各リンク85は長孔86を有し、各長孔86には、当該リンク85を軸着した支持バーに隣接する支持バーに設けたピン87が配置されている。なお、支持バー75A、75B,75Cおよび75Dの組と支持バー75Eおよび76の組とでは、長孔86が逆相となるように設定されている。このように各支持バー75A〜75Eおよび76の相隣接する同士をリンク85で連結することにより、いま、上記ロッドレスシリンダ80の作動により片側の支持バー75Aを固定の支持バー76側へ移動させると、各ピン87が長孔86内で移動して、各可動の支持バー75A〜75Eが、図13の右側に示すように相互間隔を詰めながら固定の支持バー76側へ寄せられる。一方、この状態からロッドレスシリンダ80の再作動により支持バー75Aを固定の支持バー76から離れる方向へ移動させると、リンク85を介して各支持バー75A〜75Eが相互にけん引され、図11の左側に示すように各支持バー75A〜75Eおよび76は、相互に間隔を開けた元の状態に再配列する。したがって、前記スライド部材74A〜74E、ロッドレスシリンダ80、リンク85等は各支持バー75A〜75Eおよび76のピッチを変更するバーピッチ変更手段を構成している。
【0028】
一方、各支持バー75A〜75Eおよび76の両端部には、ブラケット88が上方へ向けて固定されており、このブラケット88には、各支持バー75A〜75Eおよび76と同じ方向へ延ばして駒用シリンダ(エアシリンダ)89が取付けられている。各シリンダ89のピストンロッド89aの先端には自在継手90を介して連結ロッド91が接続されており、この連結ロッド91の先端部は前記各支持バー75A〜75Eおよび76に装着された受駒のうちの、最端部側に位置する受駒79に連結されている。
【0029】
各支持バー75A〜75Eおよび76に装着された受駒79のうち、相隣接する同士は、図14に示すようにリンク92により相互に連結されている。各リンク92は長孔93を有し、各長孔93には、当該リンク92を軸着した受駒に隣接する受駒79に設けたピン94が配置されている。なお、長孔93はリンク92により種々の長さに設定されている。このように各支持バー75A〜75Eおよび76上の受駒79の相隣接する同士をリンク92で連結することにより、いま、上記駒用シリンダ89のピストンロッド89aを伸長させて一端側の受駒79を中心D側へ前進させると、各ピン94が長孔93内で移動して、各受駒79が、図14の上側に示すように相互間隔を詰めながら中心Dへ寄せられる。一方、この状態からシリンダ89のピストンロッド89aを短縮させて端部側の受駒79を後退させると、リンク92を介して各受駒79がけん引され、図14の下側に示すように各受駒79は、相互に間隔を開けた元の状態に再配列する。したがって、前記シリンダ89、リンク92は受駒79のピッチを変更する駒ピッチ変更手段を構成している。
【0030】
上記のように構成したキャップ集合装置6においては、可動の支持バー75A〜75Eが固定の支持バー76側へ寄せられることで、各支持バー75A〜75Eおよび76に装着されている各受駒79は、相互にY−Y´方向に面する側面を密着させ、これにより各受駒79に支承されるキーキャップCは、キーボードにおける列間ピッチと同じ列間ピッチで配列する。また、各支持バー75A〜75Eおよび76上で各受駒79が中心側へ寄せられることで、各受駒79は、相互にX−X´方向に面する側面を密着させ、これにより各受駒79に支承されるキーキャップCは、キーボードにおける列方向ピッチと同じ列方向ピッチで配列する。ただし、列によっては、キーキャップCの相互間にかなりの間隔が開く箇所があるので、本実施の形態においては、図12に示すように受駒79の相互間に、嵌合凹部79aを有しないダミーの受駒79´を配置し、このダミーの受駒79´で受駒79の列方向の配列ピッチを調整するようにしている。
【0031】
一方、各支持バー75A〜75Eおよび76が相互に間隔を開けた元の状態に再配列することで、各受駒79に支承されるキーキャップCは、射出成形機1で成形されたキーキャップCの列間ピッチ(成形ピッチ)と同じ列間ピッチで配列する。また、各支持バー75A〜75Eおよび76上で各受駒79が相互に間隔を開けた元の状態に再配列することで、各受駒79に支承されるキーキャップCは、前記射出成形機1で成形されたキーキャップCの列方向ピッチ(成形ピッチ)と同じ列方向ピッチで配列する。
すなわち、各支持バー75A〜75E、76および各受駒79を相互に間隔を開けた状態に再配列することで、各受駒79は、射出成形機1で成形されたキーキャップCを、その配列および成形ピッチを維持したまま受入れできるように展開する。本キャップ集合装置6は、この受駒79を展開させた状態を待機状態として作動制御されるようになっており、前記キャップ用搬送機4に持たせた吸着装置5から、成形品としてのキーキャップ(群)Cをそのまま受駒79に受入れることができる。そして、キーキャップ(群)Cを受入れると同時にロッドレスシリンダ80および駒用シリンダ89が同期して作動し、各受駒79が密に集合して、各駒79に支承されたキーキャップ(群)Cがキーボードにおける配列と同じ配列およびピッチで集合するようになる。
【0032】
上記キャップ挿入装置7は、図15〜図17に示すように、前記キャップ集合装置6からキーキャップ(群)Cを取出しかつ前記可動テーブル10上の筐体WにキーキャップCを挿入するための、後述の挿入治具101を保持する昇降ユニット102と、該昇降ユニット102を介して前記挿入治具101に挿入荷重を加える加圧ユニット103とから概略構成されている。
【0033】
キャップ挿入装置7を構成する昇降ユニット102は、組付架台2上に設けた前記副搬送架台18の左右一対の主桁18aの下面に設けたレール104にスライド部材105を介して摺動可能に結合され、該レール104に沿ってX−X´方向へ移動する移動板106と、この移動板106に垂設した複数(4本)のガイドバー107にスリーブ108を介して摺動可能に装着された昇降板109と、この昇降板109と前記移動板106との間に介装され、昇降板109を駆動する昇降用シリンダ(エアシリンダ)110と、副搬送架台18の側方にブラケット111を用いて配設され、ピストンロッド112aの先端を前記移動板106の前端に連結した前後移動用シリンダ(エアシリンダ)112とを備えている。昇降ユニット102は、その昇降板109に保持させた挿入治具101を前記挿入ステーションS2(図2)の直上に位置させる状態がX方向への前進端、挿入治具101を集合ステーションS1の直上に位置させる状態がX´方向への後退端となっており、前後移動用シリンダ112のピストンロッド112aの伸縮に応じて前記前進端と後退端との何れかに位置決めされる。また、各ガイドバー107の下端には昇降板109の下降端を規制するストッパ113が設けられている。これらストッパ113のうち、少なくとも昇降用シリンダ110と同列(Y−Y´方向)に配置される2つのストッパは高さ調整可能に構成されており、これにより挿入治具10の下降位置を微調整できるようになっている。
【0034】
一方、キャップ挿入装置7を構成する加圧ユニット103は、副搬送架台18の一端側の横桁18b上に直立姿勢で固定された押込用シリンダ(エアシリンダ)114と、このシリンダ114のピストンロッド114aの先端部にばね115を介して取付けられた加圧ヘッド116とを備えている。加圧ユニット103は、挿入ステーションS2の直上位置に位置固定的に配置されており、特別の対策を施さないと、そのピストンロッド114aが、前進端に移動する上記昇降ユニット102の移動板106と干渉してしまうことになる。そこで、本実施の形態においては、前記移動板106にピストンロッド114aを逃がすU字状切欠117を形成し(図16)、両者の干渉を回避している。なお、昇降ユニット102の昇降板109の側面には、前記ストッパ113に付設したドグ118と協働して、昇降板109が下後端に接近したことを検知するセンサ119が取付けられているが(図15)、このセンサ119の役割については後に述べる。
【0035】
上記昇降ユニット102の昇降板109に保持させる挿入治具101は、図17および図18に示すように、昇降板109に取付けられるベースプレート120と、このベースプレート120に重合固定された吸盤ホルダ121と、この吸盤ホルダ121に重合固定されたキャップ受122とを備えている。キャップ受122には、種々のキーキャップCをその柱状部Caが垂直下方向に起立するように嵌合できる嵌合凹部123と、各嵌合凹部123の底から背面側へ貫通する貫通孔124とが設けられており、各貫通孔124内には吸盤126が配置されてる。吸盤126は、剛体からなる中空の支柱部126aとこの支柱部126aに接合された弾性体から吸着部126bとからなっており、その支柱部126aに設けたねじ部を吸盤ホルダ121にねじ込むことにより所定の姿勢(傾斜または直立姿勢)で該吸盤ホルダ121に植立されている。なお、吸盤ホルダ121には各吸盤126に負圧を供給するための負圧通路127が形成されている。また、ベースプレート120には、前記可動テーブル10に設けた位置決めピン(図示略)を挿入させて筐体Wに対して挿入治具101を位置決めするためのピンガイド128が設けられている。
【0036】
上記のように構成したキャップ挿入装置7は、挿入ステーションS2の上方に昇降ユニット102を位置させた状態を待機状態として作動制御される。そして、前記キャップ集合装置6においてキーキャップ(群)Cの集合が終了した信号に基づいて前後移動用シリンダ112が作動し、昇降ユニット102の移動板106が集合ステーションS1側へ移動し、昇降ユニット102の全体がキャップ集合装置6の上方に停止する。この段階では、キャップ集合装置6の事前の作動によりキーキャップCが既に集合状態にあり、前記停止後、直ちに昇降ユニット102内の昇降用シリンダ110が作動し、昇降板109と一体に挿入治具101が下降して、そのキャップ受122の各嵌合凹部123にキーキャップCが嵌入する。昇降板109は、キャップ受122の嵌合凹部123にキーキャップCがわずか嵌入した時点で下降停止されるが、各キーキャップCは、その天面Cbが吸盤126に吸着されることで嵌合凹部123の底に着底するまで吸引され、これにより全てのキーキャップCが挿入治具101に一括して移載される。その後、昇降用シリンダ110が再作動して挿入治具101が昇降板109と一体に上昇し、この上昇完了により前後移動用シリンダ112が再び作動して移動板106と共に昇降ユニット102が挿入ステーションS2側へ移動し、前記待機状態に戻る。
【0037】
昇降ユニット102が待機状態に戻った際、挿入ステーションS2には、筐体Wを位置決め載置した可動テーブル10が位置決めされており、前記昇降ユニット102の戻り完了信号により加圧ユニット103の押込用シリンダ114が作動し、そのピストンロッド114aが伸長して、ピストンロッド114aの先端の加圧ヘッド116が昇降板109に当接し、これを押し下げる。この昇降板109の押し下げは、挿入治具101に吸引保持されているキーキャップCの柱状部Caの先端が筐体Wのキー挿入孔にわずか挿入された時点で、前記センサ119(図15)からの信号により一旦停止され、この段階で挿入治具101内の吸盤126による吸引が解放される。これにより各キーキャップCは、自重で筐体Wのキー挿入孔内に落下し、これにタイミングを合せて押込用シリンダ114が再び作動し、加圧ヘッド116により昇降板109を介して挿入治具101にばね115のばね力で決まる一定の挿入力が付加され、これにより全てのキーキャップCが筐体Wのキー挿入孔に一括して押し込まれる。この場合、前記したように吸盤126による吸引を解放して自由落下により初期的な挿入を行うので、筐体Wに寸法的なバラツキがあってもキーキャップCを円滑に挿入することができる。また、ばね115のばね力を利用して挿入するので、万一、キーキャップCの一部に挿入不具合があっても該ばね115がたわんでこれを吸収し、これによりキャップ受122や筐体Wの破損が未然に防止される。
【0038】
上記可動テーブル10は、図19および図20に示すように、前記筐体Wの載置面を提供する受台130と、この受台130をスペーサ131を介して所定の高さに保持する基台132とを備えており、前記基台132は、その下面に設けた複数対(ここでは、三対)のスライド部材133を、組付架台2上に載置固定したベース板134上の一対のスライドレール135に摺動可能に結合させている。スライドレール135は、前記挿入ステーションS2と受渡ステーションS3との間を延ばされており、したがって、可動テーブル10は、スライドレール135上に沿って両ステーションS2とS3の間を往復移動できるようになっている。一方、組付架台2上には、X−X´方向に延ばしてシリンダ(エアシリンダ)136が配設されており、このシリンダ136のピストンロッド136aの先端が、前記基台132の前端に固定したブラケット137に連結されている。可動テーブル10は、受渡ステーションS3を待機位置として作動制御されるようになっており、シリンダ136のピストンロッド136aの短縮に応じて挿入ステーションS2へ移動する。なお、受台130の上面には筐体Wを位置決めするためのガイド部材138が設けられている。また、組付架台2上には、可動テーブル10の端面に衝突して停止時の衝撃を緩和するためのダンパ139が固設されている。
【0039】
以下、上記のように構成した装置によるキーボードの製造方法を説明する。
射出成形機1による射出完了および型開き信号により、成形品用搬送機4が射出成形機1の上方へ移動し、そのスクリュユニット142を作動させて固定型31と可動型33との間に吸着装置5を下降させ、さらに該吸着装置5を可動型33に対して接近させる。すると、可動型33に張付いているキーキャップCは吸着装置5内のキャップ用吸盤56に、スプル部Sおよびランナ部Rを含むスクラップはパッド部PDを介して吸着装置5内のスクラップ用吸盤60にそれぞれ吸着され、これと同時に射出成形機1内のエジェクタ機構(図示略)が作動して、エジェクタピン44により成形品が可動型33から払い出される。すなわち、成形品としてのキーキャップCは、その成形ピッチを維持したまま吸着装置5に移載され、この時、スプル部S、ランナ部Rを含むスクラップがキーキャップCから分離する。そして、この移載完了後、吸着装置5は可動型33からわずか後退すると同時に、射出成形機1の上方まで上昇し、成形品用搬送機4により集合ステーションS1へ搬送される。そして、この搬送途中で、旋回用シリンダ55(図5)により水平に姿勢制御され、さらに、スクラップ用吸盤60の吸引を解除してスクラップ(スプル部S、ランナ部R)をスクラップ排出シュート67に落下させる。
【0040】
上記成形品用搬送機4は、集合ステーションS1の上方で移動停止し、そのスクリュユニット142を作動させて吸着装置5を下降させる。この時、キャップ集合装置6は受駒79を展開させた待機状態にあり、前記吸着装置5の下降に応じて、該吸着装置5に吸着されていたキーキャップ(群)Cをそのまま受駒79に受入れる。そして、キーキャップ(群)Cの受入れ完了と同時にキャップ集合装置6内のロッドレスシリンダ80および駒用シリンダ89が同期して作動し、これにより各受駒79が密に集合して、各駒79に支承されたキーキャップ(群)Cがキーボードにおける配列と同じ配列およびピッチで集合する。なお、成形品用搬送機4は、前記受駒79に対するキーキャップCの受渡し完了によりその吸着装置5を上昇させ、該吸着装置5を、次の成形を行っている射出成形機1側へ移動させる。
【0041】
一方、上記キャップ集合装置6によるキーキャップCの集合にタイミングを合せてキャップ挿入装置7の昇降ユニット102が、挿入ステーションS2の上方の待機状態から集合ステーションS1の上方に移動し、昇降用シリンダ110の作動により昇降板109と一体に挿入治具101が下降する。この挿入治具101の下降により、キャップ集合装置6内の受駒79に支承されていたキーキャップCの全てが挿入治具101のキャップ受122に移載され、その後、昇降用シリンダ110が再作動して挿入治具101が昇降板109と一体に上昇し、昇降ユニット102は挿入ステーションS2の上方の前記待機状態に戻る。なお、キャップ集合装置6は、キャップ挿入装置7の挿入治具101に対するキーキャップCの移載完了に応じて、その受駒79を元の展開状態に戻す。
【0042】
上記昇降ユニット102が待機状態に戻った時点では、挿入ステーションS2に筐体Wを位置決め載置した可動テーブル10が位置決めされており、前記待機状態への戻り完了と同時にキャップ挿入装置7内の加圧ユニット103の押込用シリンダ114が作動し、昇降板109を押し下げる。これにより挿入治具101に吸引保持されているキーキャップCの全てが筐体Wのキー挿入孔に一括して挿入され、これにてキーキャップCの挿入は完了する。なお、この挿入に際しては、吸盤126による吸引を所定のタイミングで解放して自由落下により初期的な挿入を行うことは前記したとおりである。
【0043】
可動テーブル10は、上記キーキャップCの挿入を終えた製品Pを積んで、挿入ステーションS2から受渡レーションS3に戻り、この戻り完了により、製品用搬送機8が作動し、その吸着装置15に可動テーブル10上から製品Pを受取り、これをコンベア11上に落とす。製品Pは、コンベア11の回転により組付架台2の反対側へ搬送され、そのまま昇降装置25内の昇降台28上に移る。昇降装置25は、前記製品Pの受取り完了と同時に昇降台28を上昇させ、その上昇端で押しバー29を作動させて昇降台28上の製品を製品搬出用コンベア24上に移し、これにより製品Pは系外へ搬出される。なお、製品Pが不良であった場合は、前記コンベア11を逆転させて、不良品排出シュート67´(図1)へ不良品を排出する。
【0044】
一方、製品用搬送機8により可動テーブル10上から製品Pが運び出されると同時に筐体用搬送機9が作動し、筐体用コンベア17上からその吸着装置22に筐体Wを受取り、これを受渡ステーションS3に待機している可動テーブル10上に搬入する。なお、筐体Wは、スイッチ基板を搭載したバックプレートに、キー挿入孔を有するアッパケースを被蓋したサブアセンブリ体(図示略)として構成されており、多数存在するキー挿入孔の内面には、例えば、特願2000−81944の明細書(未公知)に記載される治具を用いて、事前にキーキャップの摺動性を高めるためのオイルが供給される。
【0045】
このようにして、キーボード一台の製造は完了するが、本製造装置は、射出成形機1、キャップ集合装置6およびキャップ挿入装置7のそれぞれを合理的に設計し、かつ射出成形機1とキャップ集合装置6との間を吸着装置5を持つ成形品用搬送機4により結合しているので、小スペースの中できわめて効率よく一台のキーボードを完成させることができる。因みに、一台のキーボードの完成に要する時間は、10秒以内となっている。また、本実施の形態においては、可動テーブル10をキーキャップ挿入のワーク受として用いて、これを挿入ステーションS2と受渡ステーションS3との間で移動させると共に、受渡ステーションS3の周りに製品用搬送機8および筐体用搬送機9を配置しているので、前記製造サイクルに合せて、筐体Wの搬入、製品Pの搬出を効率よく行うことができ、全体として生産性に優れたものとなる。
【0046】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明に係るキーボードの製造方法および製造装置によれば、設備の多重投資を行うことなくかつ成形性を犠牲にすることなく、キーボード1台に必要な全てのキーキャップを一括して効率よく筐体に組付けでき、設置スペースの削減並びに製造コストの低減に大きく寄与する効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキーボードの製造装置の全体的な構成を模式的に示す平面図である。
【図2】本製造装置の全体的な構成を示す側面図である。
【図3】本製造装置を構成する射出成形機の成形型の構造を示す断面図である。
【図4】射出成形機の成形型におけるランナシステムを示す平面図である。
【図5】本製造装置を構成する成形品用搬送機に持たせた吸着装置の構造を示す側面図である。
【図6】図5に示した吸着装置の構造を示す平面図である。
【図7】図5に示した吸着装置の要部構造を示す断面図である。
【図8】本製造装置を構成するキャップ集合装置の構造を示す正面図である。
【図9】図8に示したキャップ集合装置における作動機構を示す平面図である。
【図10】図8に示したキャップ集合装置の要部構造を示す断面図である。
【図11】図8に示したキャップ集合装置における受駒の配置状態を模式的に示す平面図である。
【図12】図8に示したキャップ集合装置における受駒の配置状態を示したもので、上側は平面図、下側は側面図である。
【図13】図8に示したキャップ集合装置における支持バー駆動用のリンク機構を示す模式図である。
【図14】図8に示したキャップ集合装置における受駒駆動用のリンク機構を示す模式図である。
【図15】本製造装置を構成するキャップ挿入装置の全体的な構造を示す正面図である。
【図16】図15に示したキャップ挿入装置の一部を示す平面図である。
【図17】図15に示したキャップ挿入装置に装備する挿入治具の構造を一部断面として示す側面図である。
【図18】図15に示したキャップ挿入装置に装備する挿入治具の構造を示す断面図である。
【図19】本製造装置を構成する可動テーブルの構造を示す側面図である。
【図20】図19に示した可動テーブルの構造を示す正面図である。
【符号の説明】
1 射出成形機
2 組付架台
3 主搬送架台
4 成形品用搬送機(搬送手段)
5 吸着装置
6 キャップ集合装置
7 キャップ挿入装置
10 可動テーブル
11 コンベア
56 吸着装置のキャップ用吸盤
60 吸着装置のスクラップ用吸盤
75A〜75E、76 集合装置の支持バー
79 キャップ集合装置の受駒
80 ロッドレスシリンダ(バーピッチ変更手段)
85 リンク(バーピッチ変更手段)
89 シリンダ(駒ピッチ変更手段)
92 リンク(駒ピッチ変更手段)
102 キャップ挿入装置の昇降ユニット
103 キャップ挿入装置の加圧ユニット
122 キャップ挿入装置のキャップ受
C キーキャップ
W 筐体
S1 集合ステーション
S2 挿入ステーション
S3 受渡ステーション
S スプル部
R ランナ部
Pd 吸着用パッド

Claims (6)

  1. キーボード1台に必要な全てのキーキャップを、該キーボードにおける配列と同じ配列で射出成形した後、その配列および成形ピッチを維持したまま搬送機によりキャップ集合装置に搬送して、キーボードと同じピッチに集合させ、しかる後、前記集合状態を維持したままキーキャップの全てをキャップ挿入装置に移して、キーボードの筐体のキー挿入孔に一括して挿入するキーボードの製造方法において、前記射出成形に際し、ランナー部に連接してパッド部を一体成形し、前記搬送機に持たせた吸着装置にキーキャップ群を移載すると同時に、前記パッド部を介してランナー部を含むスクラップを移載し、前記キャップ集合装置への搬送途中で該吸着装置の吸引を解除して前記スクラップを排除することを特徴とするキーボードの製造方法。
  2. 筐体のキー挿入孔にキーキャップを挿入する挿入ステーションをキャップ集合装置に隣接して設定し、該挿入ステーションと前記キャップ集合装置との間でキャップ挿入装置の一部または全体を移動させることを特徴とする請求項1に記載のキーボードの製造方法。
  3. キーボードの筐体を可動テーブルに載置し、該可動テーブルをキーキャップ挿入に際してのワーク受台として用いることを特徴とする請求項2に記載のキーボードの製造方法。
  4. キーボード1台に必要な全てのキーキャップを、該キーボードにおける配列と同じ配列で射出成形する成形装置と、該成形装置で成形されたキーキャップ群をその配列状態を維持したまま受入れ、キーボードと同じピッチに集合させるキャップ集合装置と、該キャップ集合装置からキーキャップ群をその集合状態を維持したまま受取り、キーボードの筐体のキー挿入孔に一括して挿入するキャップ挿入装置と、キーキャップ群を吸着可能な吸着装置を有し、該吸着装置に前記成形装置内の成形型からキーキャップ群を受取り、かつ前記キャップ集合装置へ搬送する搬送手段とを備えているキーボードの製造装置において、前記成形装置は、その成形型にランナーに連接して複数のパッド成形部を設けており、前記搬送手段の吸着装置は、板面を起立させた垂直姿勢と板面を水平にした水平姿勢とに姿勢変換可能なプレート上に、キーキャップを吸着する複数のキャップ用吸盤と前記パッド成形部で成形されたパッド部を介してランナ部を含むスクラップを吸着する複数のスクラップ用吸盤とを浮動可能に設けており、常時は前記板面に対して前記スクラップ用吸盤がキャップ用吸盤よりも高位に位置決めされることを特徴とするキーボード製造装置。
  5. キャップ集合装置が、キーボードの筐体の列に対応して平行に配置された複数の支持バーと、各支持バーに摺動可能に装着され、キーキャップを個々に載置可能な複数の受駒と、各支持バーの配列ピッチを変更するバーピッチ変更手段と、各支持バー上の受駒の配列ピッチを変更する駒ピッチ変更手段とを備えており、前記バーピッチ変更手段および前記駒ピッチ変更手段は、前記支持バーおよび受駒の相隣接する同士を、長孔を有するリンクにて連結されていることを特徴とする請求項4に記載のキーボードの製造装置。
  6. キャップ挿入装置が、キャップ集合装置の上方と該キャップ集合装置に隣接して設定した挿入ステーションの上方とを結ぶ搬送架台に沿って移動する昇降ユニットと前記挿入ステーションの上方に位置固定的に配設された加圧ユニットとからなり、前記昇降ユニットは、キーキャップ群を保持する挿入治具と該挿入治具を昇降させる昇降用シリンダとを備え、前記加圧ユニットは、前記挿入治具に挿入圧力を加える押込用シリンダを備えていることを特徴とする請求項4または5に記載のキーボードの製造装置。
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