JP3795307B2 - ウインター用ワイパー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車、航空機、船舶などの乗り物のフロントウインドパネルなど窓に付着した雨水やゴミを払拭することが可能なると共に寒冷地や冬季に使用されるウインター用ワイパーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のウインター用ワイパーは、例えば特開平10−16719号公報に示すようなものがある。かかる構成によれば、ブレード部材(2)の劣化に伴い、ウインター用ブレード全体を交換する必要がなく、ブレード部材(2)のみの交換ですむために、払拭面(1)を払拭可能なるブレード部材(2)と、該ブレード部材(2)の保持部(21)を出し入れ自在なると共に係合した状態で保持可能に形成され且つ該ブレード部材(2)に弾性を付与するバーティブラ(3)と、前記ブレード部材(2)を払拭駆動可能なる駆動部材(8)と、前記バーティブラ(3)及び前記駆動部材(8)間に介在支持されてなる保持レバー機構と、両端に開口部が形成される筒形状をなし且つ前記バーティブラ(3)、前記保持レバー機構、前記ブレード部材(2)の払拭部(20)を除く部位を覆う防水性を有するカバー(7)と、前記ブレード部材(2)が前記保持レバー機構からの脱落を防止するように前記カバー(7)の少なくとも一端部に装着され且つ水滴が前記カバー(7)の開口部から侵入して凍結するのを防止した防水ストッパ(10)とを備えてなる構造が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかるウインター用ワイパーにあっては、カバー(7)に防水ストッパ(10)の固定部材(91)を確実に支持するために、カバー(7)と固定部材(91)との隙間に接着剤を塗布しているので、接着剤が、該隙間からあふれ出るおそれがあり、外観を損なうことになる。また、両者(7,91)の隙間を伝わってブレード部材(2)まで接着剤が達するおそれがあり、かかる場合、ブレード部材(2)が他の部品との間で接着されて、外せなくなるおそれがある。また、接着剤が固化するまで時間がかかり、製品化への総時間が多く必要とする。更に、接着剤が他の部品に付着するおそれがあり、かかる場合、商品性を損なうことになる。
【0004】
また、防水ストッパ(10)の構造が、固定部材(91)に対して着脱部材(92)が上下に進退するタイプであり且つ該防水ストッパ(10)が露出しているため、固定部材(91)と着脱部材(92)との隙間の方向が、雪などの浸入しやすい方向となり、凍結するおそれがあり、改善が求められている。また、防水ストッパ(10)の着脱部材(92)を固定部材(91)から離脱させる際に、指又は工具等で着脱部材(92)の弾性係合爪(921)を内側に撓ませて押し込むことにより、固定部材(91)の挿入溝(915)から取り外すことができるが、意に反して両者(915,921)が離脱してしまうと、そのまま防水ストッパ(10)が脱落し紛失してしまうおそれがある。
【0005】
そこで、この発明は、防水ストッパの固定部材と着脱部材との固定手段として、接着剤を用いずに確実に支持可能なるようにすると共に固定部材と着脱部材との間に雪などが侵入しにくいようにし、更に着脱部材を保持しやすいようにしたウインター用ワイパーを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、払拭面を払拭可能なるブレード部材と、該ブレード部材の保持部を出し入れ自在なると共に係合した状態で保持可能に形成され且つ該ブレード部材に弾性を付与するバーティブラと、前記ブレード部材を払拭駆動可能なる駆動部材と、前記バーティブラ及び前記駆動部材間に介在支持されてなる保持レバー機構と、両端に開口部が形成される筒形状をなし且つ前記バーティブラ、前記保持レバー機構、前記ブレード部材の払拭部を除く部位を覆う防水性を有するカバーと、前記ブレード部材が前記保持レバー機構からの脱落を防止するように前記カバーの少なくとも一端部に装着され且つ水滴が前記カバーの開口部から侵入するのを防止した防水ストッパとを備えてなるウインター用ワイパーにおいて、前記防水ストッパは、固定部材と、着脱部材とより構成されてなり、前記固定部材は、鍔部と、該鍔部より前記カバーの内側で、該鍔部の自由端部より一段下がった位置に延在形成されてなる固定部とが、合成樹脂材により一体に形成されてなり且つ前記バーティブラの端部に支持されることで前記カバーの開口部の端末に接着剤により水密に閉塞してなると共に前記ブレード部材の保持部の着脱が可能なる出し入れ口が形成されてなり、前記鍔部は、鍔部の自由端部より延在形成されてなる固定部側に一面が平面状に形成されてなり、該一面は、前記カバーの開口部の端末に密接に接すると共に該開口部の端末に接着剤により水密に閉塞してなり、前記着脱部材は、前記固定部材に形成された螺子部に螺合されることにより前記カバーの長手方向から固定部材に螺結・離脱自在なると共に該固定部材に支持された状態で前記ブレード部材の保持部の着脱を阻止してなることを特徴とする。
【0007】
請求項1の発明によれば、前記固定部材に形成された螺子部に対して、前記カバーの長手方向から着脱部材が螺合・離脱自在なると共に該固定部材に着脱部材が支持された状態で前記ブレード部材の保持部の着脱を阻止しているので、ブレード部材の交換が可能なる構成を維持している。また、着脱部材の固定部材からの離脱は、着脱部材を回転させるだけで良いので、作業性が著しく向上する。また、接着剤を用いずに、固定部材に着脱部材を確実なる支持が可能であるので、接着剤が、隙間からあふれ出たり、隙間を伝わってブレード部材を他の部品に固着して外せなくなったり、製品化への総時間が多く必要とするなどの従来の不具合が一掃される。更に、固定部材の鍔部とカバーの開口部の端末とが密接に接すると共に該開口部の端末に接着剤により水密に閉塞されてなるので、雪などがカバーと固定部材との間に浸入することがない。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のウインター用ワイパーであって、前記固定部材の端部と前記着脱部材の端部との間には、防水性を有する弾性部材よりなるパッキングが介在されてなることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明によれば、固定部材と着脱部材との間に、雪などが入り込んでも、固定部材と着脱部材との両端部の間に介在されてなる防水性を有する弾性部材よりなるパッキングにより、該雪や水滴がそれ以上入り込むことを確実に阻止し、ブレード部材の離脱を常に可能にしている。該パッキングは、弾性を有するから、固定部材と着脱部材との弛み止め効果を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図6の図面を参照しながら、この発明の一実施形態について具体的に説明する。
【0015】
図1において、符号1は、ウインター用ワイパーであって、該ウインター用ワイパー1は、自動車のフロントウインドパネルなどの払拭面2を払拭可能なるブレード部材3と、該ブレード部材3の保持部3aを出し入れ自在なると共に係合した状態で保持可能に形成され且つ該ブレード部材3に弾性を付与するバーティブラ4と、前記ブレード部材3を払拭駆動可能なる駆動部材5と、前記バーティブラ4及び前記駆動部材5間に介在支持されてなる保持レバー機構6と、両端に開口部7aが形成される筒形状をなし且つ前記バーティブラ4、前記保持レバー機構6、前記ブレード部材3の払拭部3bを除く部位を覆うことでそれらに雪や氷等が付着するのを防ぐ防水性を有するカバー7と、前記ブレード部材3が前記保持レバー機構6からの脱落を防止するように前記カバー7の少なくとも一端部である開口部7aに装着され且つ水滴が前記カバー7の開口部7aから侵入するのを防止した防水ストッパ8とを備えてなる。該防水ストッパ8は、図1に示すように、カバー7の両方に設置されるだけでなく、どちらか一方、特にフロントウインドパネルなどの払拭面2を払拭する際に上側になる方(図1では右側)に設けられることが好ましい。
【0016】
前記バーティブラ4は、図6に示すように、Cの字を横に倒したような断面形状をなし、その切欠4aは、ブレード部材3の保持部3aと払拭部3bとの間に形成されてなる頸部3cが通過可能なるように形成されている。
【0017】
前記防水ストッパ8は、固定部材9と、着脱部材10と、前記固定部材9及び着脱部材10間に介在される弾性部材よりなるパッキング11とより構成されてなる。
【0018】
前記固定部材9は、図4乃至図6に示すように、鍔部12と、該鍔部12より前記カバー7の内側で、該鍔部12の自由端部より一段下がった位置に延在形成されてなる固定部13と、前記鍔部12より前記カバー7の外側で、該鍔部12の自由端部より一段下がった位置に延在形成されてなる支持部14とが、ナイロン、ジュラコンなどの合成樹脂材により一体に形成されてなる。
【0019】
前記鍔部12は、鍔部12の自由端部より一段下がった位置に延在形成されてなる固定部13側に一面12aが平面状に形成されてなり、該一面12aは、前記カバー7の開口部7aの端末に密接に接すると共に該開口部7aの端末に接着剤などにより水密に閉塞してなる。また、該鍔部12には、前記ブレード部材3の頸部3cが通過可能なT字形の「出し入れ口」である切欠部(図示省略)が形成されている。
【0020】
前記固定部13は、前記鍔部12の自由端部に対して、前記カバー7の開口部7aの端末分だけ段下がりした位置より、前記カバー7内に入り込む側に延在されてなる部位に形成されている。該固定部13は、前記バーティブラ4の端部4aの上面に形成された開口4bに係合支持される爪13aを有する舌片状の係合片13bと、該係合片13bを挟んだ位置に形成され且つ前記バーティブラ4の端部4aの上面、側面、下面にかけての部位に支持されてなる断面コの字状の延設部13c、13cとよりなり、該延設部13c、13cの下側の間には、前記ブレード部材3の頸部3cの通過可能な「出し入れ口」としての切欠部(図示省略)が形成されている。図6は、係合片13bを表すために、説明の便宜上、一部延設部13cを切り欠いて示しているものである。
【0021】
前記支持部14は、前記鍔部12に対して、前記カバー7の開口部7aから露出する側に延在されてなる部位に形成されている。該支持部14は、前記鍔部12から延在形成されてなる筒状部14aの周面に螺子部14bが形成されてなり、該筒状部14aには、前記鍔部12及び固定部13に形成された前記ブレード部材3の頸部3cが通過可能なT字形の「出し入れ口」である切欠部に連通した切欠部14cが形成されている。
【0022】
前記着脱部材10は、ナイロン、ジュラコンなどの合成樹脂材により、作業者の指で掴み易い所定の筒状をなす中空有底状に形成されてなり、鍔部12側の中空部10aには、前記裸子部14bに螺合可能なる雌螺子部10bが形成され、反鍔部12側の面10cには、硬貨など薄い板状の部材で、前記固定部材9の螺子部14bに対して離脱する方向に回転操作が可能な溝10dが形成されてなる。前記中空部10aの端部10aaは、図4に示すように、ブレード部材3の払拭部3bの端部を抑える位置に配される。
【0023】
このように構成されたウインター用ワイパー1によれば、前記固定部材9に形成された螺子部14bに対して、前記カバー7の長手方向から着脱部材10が螺合・離脱自在なると共に該固定部材9に着脱部材10が支持された状態で前記ブレード部材3の保持部3aの着脱を阻止しているので、ブレード部材3の交換が可能なる構成を維持している。
【0024】
また、着脱部材10の固定部材9からの離脱は、着脱部材10自体を回転させるだけで良いので、作業性が著しく向上する。
【0025】
また、接着剤を用いずに、固定部材9に着脱部材10を確実なる支持が可能であるので、接着剤が、隙間からあふれ出たり、隙間を伝わってブレード部材3を他の部品に固着してしまうことにより、ブレード部材3自体を外せなくなったり、製品化への総時間が多く必要とするなどの従来の不具合が一掃される。
【0026】
固定部材9と着脱部材10との間に、雪などが入り込んでも、固定部材9と着脱部材10との間に介在されてなる防水性を有する弾性部材よりなるパッキング11により、該雪や水滴がそれ以上入り込むことを確実に阻止し、ブレード部材3の離脱を常に可能にしている。該パッキング11は、弾性を有するから、固定部材9と着脱部材10との弛み止め効果を有する。
【0027】
また、作業者の指で掴み易い所定の筒状をなす着脱部材10は、掴み易く、手に持ち易いので、冬季など寒冷地での作業中、かじかんだ手で着脱部材10を持っても、落としにくくなり、作業性が著しく向上する。
【0028】
また、着脱部材10に形成されてなる溝10dが、硬貨など薄い板状の部材で、前記固定部材9の螺子部14bに対して離脱する方向に回転操作が可能であるので、特に工具が無くても容易にブレード部材3の交換作業が出来ることになる。
【0029】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、前記固定部材に形成された螺子部に対して、前記カバーの長手方向から着脱部材が螺合・離脱自在なると共に該固定部材に着脱部材が支持された状態で前記ブレード部材の保持部の着脱を阻止しているので、ブレード部材の交換が可能なる構成を維持している。また、着脱部材の固定部材からの離脱は、着脱部材を回転させるだけで良いので、作業性が著しく向上する。また、接着剤を用いずに、固定部材に着脱部材を確実なる支持が可能であるので、接着剤が、隙間からあふれ出たり、隙間を伝わってブレード部材を他の部品に固着して外せなくなったり、製品化への総時間が多く必要とするなどの従来の不具合が一掃される。更に、固定部材の鍔部とカバーの開口部の端末とが密接に接すると共に該開口部の端末に接着剤により水密に閉塞されてなるので、雪などがカバーと固定部材との間に浸入することがない。
【0030】
請求項2の発明によれば、固定部材と着脱部材との間に、雪などが入り込んでも、固定部材と着脱部材との両端部の間に介在されてなる防水性を有する弾性部材よりなるパッキングにより、該雪や水滴がそれ以上入り込むことを確実に阻止し、ブレード部材の離脱を常に可能にしている。該パッキングは、弾性を有するから、固定部材と着脱部材との弛み止め効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるウインター用ワイパーの一実施形態の斜視図。
【図2】図1の一部分解斜視図。
【図3】図2のウインター用ワイパーの要部の拡大斜視図。
【図4】図3のSA−SA線に沿った断面図。
【図5】図4の分解断面図。
【図6】図4及び図5の一部破断した分解斜視図。
【符号の説明】
1 ウインター用ワイパー
2 払拭面
3 ブレード部材
3a ブレード部材の保持部
3b ブレード部材の払拭部
3c ブレード部材の頸部
4 バーティブラ
5 駆動部材
6 保持レバー機構
7 カバー
7a カバーの開口部
8 防水ストッパ
9 防水ストッパの固定部材
10 防水ストッパの着脱部材
10b 着脱部材の雌螺子
10d 着脱部材の溝
11 パッキング
12 固定部材の鍔部
14 固定部材の支持部
14b 支持部の裸子部
Claims (2)
- 払拭面を払拭可能なるブレード部材と、該ブレード部材の保持部を出し入れ自在なると共に係合した状態で保持可能に形成され且つ該ブレード部材に弾性を付与するバーティブラと、前記ブレード部材を払拭駆動可能なる駆動部材と、前記バーティブラ及び前記駆動部材間に介在支持されてなる保持レバー機構と、両端に開口部が形成される筒形状をなし且つ前記バーティブラ、前記保持レバー機構、前記ブレード部材の払拭部を除く部位を覆う防水性を有するカバーと、前記ブレード部材が前記保持レバー機構からの脱落を防止するように前記カバーの少なくとも一端部に装着され且つ水滴が前記カバーの開口部から侵入するのを防止した防水ストッパとを備えてなるウインター用ワイパーにおいて、
前記防水ストッパは、固定部材と、着脱部材とより構成されてなり、
前記固定部材は、鍔部と、該鍔部より前記カバーの内側で、該鍔部の自由端部より一段下がった位置に延在形成されてなる固定部とが、合成樹脂材により一体に形成されてなり且つ前記バーティブラの端部に支持されることで前記カバーの開口部の端末に接着剤により水密に閉塞してなると共に前記ブレード部材の保持部の着脱が可能なる出し入れ口が形成されてなり、
前記鍔部は、鍔部の自由端部より延在形成されてなる固定部側に一面が平面状に形成されてなり、該一面は、前記カバーの開口部の端末に密接に接すると共に該開口部の端末に接着剤により水密に閉塞してなり、
前記着脱部材は、前記固定部材に形成された螺子部に螺合されることにより前記カバーの長手方向から固定部材に螺結・離脱自在なると共に該固定部材に支持された状態で前記ブレード部材の保持部の着脱を阻止してなることを特徴とするウインター用ワイパー。 - 請求項1に記載のウインター用ワイパーであって、
前記固定部材の端部と前記着脱部材の端部との間には、防水性を有する弾性部材よりなるパッキングが介在されてなることを特徴とするウインター用ワイパー。
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