JP3795208B2 - リベット止め方法およびリベット止め治具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、それぞれのリベット孔を位置合わせして2枚の板材を重ね合わせ、両リベット孔にリベットの軸部を挿通し、軸部の突出部分をリベット止め治具の打撃により押し潰してかしめ部となすリベット止め方法およびこの方法に用いるリベット止め治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリベット止め方法を説明する。
【0003】
まず、図11(a)に示すように、2枚の板材1,2をそれらのリベット孔1a,2aを合致させた状態で重ね合わせる。ここで用いるリベット3は、頭部3aと軸部3bとからなる。
【0004】
そして、リベット3の軸部3bをリベット孔1a,2aに挿通し、頭部3aを板材1の板面に当接する。
【0005】
この頭部3aを台盤4で支持した状態でリベット3の突出部分3b1 の軸端3cをリベット止め治具5の平坦面5aで打撃することにより、図11(b)に示すように、突出部分3b1 を軸方向に直角に押し広げるように潰してかしめ部3dとなし、頭部3aとかしめ部3dとで両板材1,2を挟圧するようにしてリベット3にて両板材1,2を結合する。
【0006】
なお、上述したリベット止め治具5として、図12(a),(b)に示すように、かしめ部3dの形を所期形状に誘導するための凹部5bが形成されたものを用いる場合もある。
【0007】
また、リベット3として、図13(a)に示すように、付け根側の大径軸部3b2 とそれに連なる小径軸部3b3 とを有するものを用いる場合もある。この場合、リベット孔への挿通が容易に行える。リベット3の軸端3cをリベット止め治具5の平坦面5aで打撃することにより、図13(b)に示すように、小径軸部3b3 の突出部分を軸方向に直角に押し広げるように潰してかしめ部3dとなすとともに、小径軸部3b3 を太らせてリベット孔2aの内周面に圧着させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、使用するリベット3によっては、次のような不都合が発生することがある。
【0009】
例えば図11(d)に示すように、リベット3の軸端3cが軸方向に垂直な面に対して傾斜している場合、リベット止め治具5の平坦面5aで傾斜軸端3cを打撃すると、打撃圧は軸心まわりで均等にかからず、軸端3cの傾斜面に垂直な分力成分が生じる結果、図11(c)に示すように、軸部3bのうちリベット孔からの突出部分3b1 が一方向に折れ曲がってしまう。また、2枚の板材1,2の境目に相当する箇所において軸部3bに座屈によるくびれ3eが生じる。
【0010】
そして、図12の場合、かしめ部3dを所期形状に誘導するための凹部5bがあっても、凹部5bの平坦な底面の径が軸部3bの径よりかなり大きいため、リベット3の軸端3cが傾斜しているときは誘導がうまく行われず、図12(c)に示すように、突出部分3b1 がやはり折れ曲がってしまう。
【0011】
さらに、図13の場合も同様に、図13(c)に示すように、リベット3の突出部分3b1 が折れ曲がってしまい、また、くびれ3eも生じ、さらに小径軸部3b2 の太りが生じにくい。
【0012】
以上のように、リベット3の軸端3cが傾斜している場合には、いずれの場合でも、かしめ部の形状が不良となり、2枚の板材1,2の結合不良を招くことになる。
【0013】
したがって、本発明は、かしめ部の形状が良好で2枚の板材の結合性の高いリベット止め方法およびリベット止め治具を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る請求項1のリベット止め方法は、それぞれのリベット孔を位置合わせして2枚の板材を重ね合わせ、両リベット孔にリベットの軸部を挿通し、軸部の突出部分をリベット止め治具の打撃により押し潰してかしめ部となすリベット止め方法であって、リベット止め治具としてリベットの軸部の径よりやや大きい開口径をもつ軸端規制凹部と、軸端規制凹部に連通し、軸端規制凹部よりさらに大きい開口径をもつ整形用凹部が形成されたものを用い、リベット止め治具の軸端規制凹部にリベットの軸部の突出部分を係合させた状態で打撃して、整形用凹部でガイドして形を整えながら押し潰してかしめ部を作る。
【0015】
このような請求項1では、まずリベットの軸部突出部分の軸端を軸端規制凹部または軸端規制底面と整形用凹部との境界部に係合させて軸端の位置規制を行い、この軸端位置規制状態で軸部突出部分を押し潰してゆくから、軸部突出部分の軸端が傾斜していても、軸部突出部分の折れ曲がりを防止しつつ、軸部突出部分を軸方向に対して直角に周方向で均等に押し広げるようにしてかしめ部とする。
【0016】
本発明に係る請求項2のリベット止め方法は、請求項1の2枚の板材が、玉軸受用波形保持器を構成する2枚の波形環状板とされ、この波形環状板の円周数カ所に有する玉収容用湾曲部それぞれの間の平坦部どうしがリベット止めされるものである。
【0017】
このような請求項2では、玉軸受波形保持器のリベットによる結合を強固にできるようになるとともに、回転動作時において玉の衝突に対してリベットが破損しにくくなる。
【0018】
本発明に係る請求項3のリベット止め治具は、互いに重ね合わされた2枚の板材の各リベット孔に挿通されたリベットの軸部の突出部分を打撃して押し潰しかしめ部となすリベット止め治具であって、リベットの軸部の径よりやや大きい開口径をもち打撃に際して軸部の突出部分を係合するための軸端規制凹部と、軸端規制凹部に連通し、軸端規制凹部よりさらに大きい開口径をもち軸部の突出部分をガイドして形を整えながら押し潰すための整形用凹部が形成されている。
【0019】
このような請求項3では、軸部突出部分の軸端が傾斜していても、軸端を位置規制し軸部突出部分の折れ曲がりを防止しつつ軸部突出部分を押し潰すもので、軸部突出部分を軸方向に対して直角に周方向で均等に押し広げたかしめ部とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施形態1〜実施形態4は参考例であり、実施形態5〜実施形態8が本発明の実施形態である。以下、各実施形態においては、軸端が軸方向に垂直な面に対して傾斜しているリベットをかしめる場合について説明するが、軸端が軸方向に垂直となっている正常なリベットをかしめる場合はいうまでもなく良好なかしめを行うことができる。
【0021】
〔実施形態1〕
図1(a)〜(d)は実施形態1に係るリベット止め方法の状況を順次に示す概略図である。図示を分かりやすくするため、断面を示すハッチングは図示を省略している。
【0022】
図1の(a)に示すように、リベット孔1a,2aを位置合わせした状態で2枚の板材1,2を重ね合わせ、リベット孔1a,2aにリベット3の軸部3bを挿通し、頭部3aの座面を板材1の板面に当接する。軸部3bの先端側は突出している。その突出部分3b1 の端面であるリベット3の軸端3cは、ここでは軸方向に垂直な面に対して傾斜しているものとする。
【0023】
軸部3bの突出部分3b1 をかしめるに際して、台盤4とリベット止め治具6を用いる。
【0024】
リベット止め治具6は、底面の平坦面6aに軸部3bの径dよりやや大きい径Dの開口6bをもつ上方に向かう軸端規制凹部6cが形成されたものである。軸端規制凹部6cの横断面形状は、リベット3の軸部3bの横断面形状である円形に合わせて円形となっている。
【0025】
リベット3の頭部3aを台盤4で支持し、リベット3の軸部3bの突出部分3b1 の上方において軸部3bの軸心に対して軸端規制凹部6cの軸心が一致するようにしながらリベット止め治具6を位置決めする。
【0026】
次に、リベット止め治具6を打ち下げると、図1(b)に鎖線で示すように、まず、円形の軸端規制凹部6cの開口6bが傾斜軸端3cの最も高い部位に係合する。
【0027】
こうして、傾斜軸端3cの直近の軸部3bの突出部分3b1 に軸端規制凹部6cがガイドされる状態でリベット止め治具6が引き続いて下降し、図1(b)に実線で示すように、傾斜軸端3cの最も低い部位にまで軸端規制凹部6cの開口6bが係合されるようになる。これにより、軸部3bの突出部分3b1 の先端はリベット止め治具6の円形の軸端規制凹部6cに嵌入し、位置規制される。
【0028】
軸部3bの突出部分3b1 の先端を軸端規制凹部6cに嵌入し位置規制した状態でリベット止め治具6が引き続いて下降し、図1(c)に示すように、軸端規制凹部6cの底面を打ちつけることにより突出部分3b1 の軸端3cの高い側の部分から順次に押し潰してゆく。
【0029】
これに並行して、板材2の上面におけるリベット孔2aの周辺の肩部2bとリベット止め治具6の平坦面6aにおける軸端規制凹部6cの周辺の肩部6dとで軸部3bの突出部分3b1 を軸方向に挟圧するので、軸部3bの突出部分3b1 が軸方向に対して直角に押し広げられ始める。
【0030】
さらにリベット止め治具6が引き続いて下降し、図1(d)に示すように、円形の軸端規制凹部6cの底面により軸端3cは平坦に潰されるとともに、両肩部2b,6dの挟圧により軸部3bの突出部分3b1 を軸方向に対して直角に周方向で均等に押し広げるように潰してゆき、かしめ部3dとなす。このリベット3のかしめ部3dと頭部3aとで両板材1,2を挟圧するようにして2枚の板材1,2を結合する。
【0031】
以上のように、リベット3の軸端3cが傾斜軸端となっていても、リベット止め治具6による打撃の初期段階で軸端3cの近傍の軸部突出部分3b1 の先端を軸端規制凹部6cに嵌入して位置規制してしまうから、軸部突出部分3b1 の折れ曲がりを避けるとともに、リベット孔1a,2aに挿入されている軸部3bの途中部分にくびれが生じることを避けることができ、軸心を中心として周方向で均等に押し潰された回転体状のかしめ部3dを形成させることができる。
【0032】
このような実施形態1においては軸端規制凹部6cが円形の凹部であったが、軸端規制凹部6cの形状は以下に説明する実施形態2〜8のように種々のものがある。
【0033】
〔実施形態2〕
図2は実施形態2を説明する概略図である。この実施形態2のリベット止め治具6は、図2(a)に示すように、平坦面6aにおける軸端規制凹部6cを半球状に形成したものである。半球状の軸端規制凹部6cの開口6bの径Dはリベット3の軸部3bの径dよりやや大きくなっている。
【0034】
その他の構成は実施形態1と同様であるので、対応する部分に同一符号を付すにとどめ、説明を省略する。
【0035】
動作についても実施形態1の場合と同様である。つまり、リベット3の軸部突出部分3b1 の軸端3cが傾斜していても、鎖線で示すように、半球状の軸端規制凹部6cによりリベット3の軸部突出部分3b1 を嵌入して位置規制した状態でリベット止め治具6による打撃を行うので、図2(b)に示すように、軸部突出部分3b1 の折れ曲がりを防止しつつ、軸端3cを半球状に潰し、かつ軸部突出部分3b1 を周方向で均等に押し潰した回転体状のかしめ部3dを形成することができる。
【0036】
〔実施形態3〕
図3は実施形態3を説明する概略図である。この実施形態3のリベット止め治具6は、図3(a)に示すように、平坦面6aにおける軸端規制凹部6cを円錐状に形成したものである。円錐状の軸端規制凹部6cの開口6bの径Dはリベット3の軸部3bの径dよりやや大きくなっている。
【0037】
その他の構成は実施形態1と同様であるので、対応する部分に同一符号を付すにとどめ、説明を省略する。
【0038】
動作についても実施形態1の場合と同様である。つまり、リベット3の軸部突出部分3b1 の軸端3cが傾斜していても、鎖線で示すように円錐状の軸端規制凹部6cによりリベット3の軸部突出部分3b1 を嵌入して位置規制した状態でリベット止め治具6による打撃を行うので、図3(b)に示すように、軸部突出部分3b1 の折れ曲がりを防止しつつ、軸端3cを円錐状に潰し、かつ軸部突出部分3b1 を周方向で均等に押し潰した回転体状のかしめ部3dを形成することができる。
【0039】
〔実施形態4〕
図4は実施形態4を説明する概略図である。この実施形態4のリベット止め治具6は、実施形態3の円錐状の軸端規制凹部6cに代えて截頭円錐状の軸端規制凹部6cとしている。
【0040】
その他の構成は実施形態3と同様であるので、対応する部分に同一符号を付すにとどめ、説明を省略する。
【0041】
動作についても同様に、リベット3の軸部突出部分3b1 の軸端3cが傾斜していても、軸部突出部分3b1 の折れ曲がりを防止しつつ、軸端3cを截頭円錐状に潰し、かつ軸部突出部分3b1 を周方向で均等に押し潰した回転体状のかしめ部3dを形成することができる。
【0042】
なお、図2の半球状の軸端規制凹部6cに対してこの実施形態4と同様に截頭を施して実施してもよい。
【0043】
〔実施形態5〕
図5は実施形態5を説明する概略図である。この実施形態5のリベット止め治具6は、図5(a)に示すように、平坦面6aにおいてかしめ部3dの形状を整えるための截頭円錐状の整形用凹部6eを形成するとともに、この整形用凹部6eの奥部に円形の軸端規制凹部6cを形成したものである。円形の軸端規制凹部6cの開口径Dはリベット3の軸部3bの径dよりやや大きくなっている。
【0044】
その他の構成は実施形態1と同様であるので、対応する部分に同一符号を付すにとどめ、説明を省略する。
【0045】
動作については、軸端規制凹部6cによる作用は実施形態1の場合と同様である。つまり、リベット3の軸部3bの軸端3cが傾斜していても、円形の軸端規制凹部6cにより軸部3bの突出部分3b1 を嵌入して位置規制した状態でリベット止め治具6による打撃を行うので、図5の(b)に示すように軸部突出部分3b1 の折れ曲がりを防止しつつ、軸端3cを平坦に潰す。
【0046】
そして、截頭円錐状の整形用凹部6eによって軸部突出部分3b1 を押し潰した回転体状のかしめ部3dを形成するので、平坦な肩部6dで押し潰す実施形態1の場合に比べて、板材2に対してより強く押しつけた、また周方向での形状の均等性がより高い回転体状のかしめ部3dとすることができる。
【0047】
なお、截頭円錐状の整形用凹部6eと、図2の半球状の軸端規制凹部6cとの組み合わせ、または図3の円錐状の軸端規制凹部6cとの組み合わせ、あるいは図4の截頭円錐状の軸端規制凹部6cとの組み合わせで実施してもよい。
【0048】
〔実施形態6〕
図6は実施形態6を説明する概略図である。この実施形態6のリベット止め治具6は、図6(a)に示すように、平坦面6aにおいてかしめ部3dの形状を整えるための整形用凹部6eを部分球面状に形成するとともに、この整形用凹部6eの奥部に円形の軸端規制凹部6cを形成したものである。円形の軸端規制凹部6cの開口径Dはリベット3の軸部3bの径dよりやや大きくなっている。
【0049】
その他の構成は実施形態5と同様であるので、対応する部分に同一符号を付すにとどめ、説明を省略する。
【0050】
動作については、軸端規制凹部6cによる作用は実施形態1の場合と同様である。つまり、リベット3の軸部3bの軸端3cが傾斜していても、円形の軸端規制凹部6cにより軸部3bの突出部分3b1 を嵌入して位置規制した状態でリベット止め治具6による打撃を行うので、図6(b)に示すように、軸部突出部分3b1 の折れ曲がりを防止しつつ、軸端3cを平坦に潰す。
【0051】
そして、部分球面状の整形用凹部6eによって軸部突出部分3b1 を押し潰した回転体状のかしめ部3dを形成するので、平坦な肩部6dで押し潰す実施形態1の場合に比べて、板材2に対してより強く押しつけた、また周方向での形状の均等性がより高い回転体状のかしめ部3dとすることができる。
【0052】
なお、部分球面状の整形用凹部6eと、図2の半球状の軸端規制凹部6cとの組み合わせ、または図3の円錐状の軸端規制凹部6cとの組み合わせ、あるいは図4の截頭円錐状の軸端規制凹部6cとの組み合わせで実施してもよい。
【0053】
〔実施形態7〕
図7は実施形態7を説明する概略図である。この実施形態7のリベット止め治具6は、実施形態5の軸端規制凹部6cを中心角の小さい凹面鏡状に形成している。
【0054】
このリベット止め治具6は、図7(a)に示すように、平坦面6aにおいてかしめ部3dの形状を整えるための截頭円錐状の整形用凹部6eを形成するとともに、この整形用凹部6eの奥部に上記したとおり凹面鏡状の軸端規制凹部6cを形成したものである。凹面鏡状の軸端規制凹部6cの開口径Dは、リベット3の軸部3bの径dよりやや大きくなっている。
【0055】
その他の構成は実施形態5と同様であるので、対応する部分に同一符号を付すにとどめ、説明を省略する。
【0056】
動作については、軸端規制凹部6cによる作用は実施形態1の場合と同様である。つまり、リベット3の軸部3bの軸端3cが傾斜していても、凹面鏡状の軸端規制凹部6cにより軸部3bの突出部分3b1 を嵌入して位置規制した状態でリベット止め治具6による打撃を行うので、図7(b)に示すように、軸部突出部分3b1 の折れ曲がりを防止しつつ、軸端3cを凹面鏡状に潰す。
【0057】
そして、截頭円錐状の整形用凹部6eによって軸部突出部分3b1 を押し潰した回転体状のかしめ部3dを形成するので、平坦な肩部6dで押し潰す実施形態1の場合に比べて、板材2に対してより強く押しつけることができて、周方向での形状の均等性がより高い回転体状のかしめ部3dとすることができる。
【0058】
〔実施形態8〕
図8は実施形態8を説明する概略図である。この実施形態8のリベット止め治具6は、実施形態5の軸端規制凹部6cの深さを極限まで小さくしている。
【0059】
このリベット止め治具6は、図8(a)に示すように、平坦面6aにおいてかしめ部3dの形状を整えるための截頭円錐状の整形用凹部6eを形成するとともに、この整形用凹部6eの奥部を平坦にして軸端規制底面6c′に形成したものである。軸端規制底面6c′の径Dはリベット3の軸部3bの径dよりやや大きくなっている。
【0060】
その他の構成は実施形態5と同様であるので、対応する部分に同一符号を付すにとどめ、説明を省略する。
【0061】
動作については、図8(b)〜(d)に示すように、リベット3の軸部3bの軸端3cが傾斜していても、リベット3の傾斜軸端3cの最も高い部位に対して軸端規制底面6c′と截頭円錐状の整形用凹部6eとの境界部が係合し、そのまま位置規制しながら軸端3cを順次に潰して平坦化し、引き続いて軸部3bの突出部分3b1 を截頭円錐状の整形用凹部6eにてガイドして形を整えながら、軸部突出部分3b1 を軸方向に対して直角に押し広げるように押し潰して回転体状のかしめ部3dを形成する。
【0062】
したがって、軸部突出部分3b1 の折れ曲がりを防止するとともに、実施形態5に比べて軸端規制凹部6cがない分だけ板材2に対してより強く押しつけたかしめ部3dとすることができる。
【0063】
なお、このような軸端規制底面6c′と、図6に示す部分球面状の整形用凹部6eとの組み合わせで実施してもよい。
【0064】
以上、いずれの実施形態においても、リベット3の軸端3cの傾斜の有無のいかんにかかわらず、周方向で均等に押し潰された形状の良好な回転体状のかしめ部3dを作ることができるため、2枚の板材1,2の結合性を良好なものにすることができる。
【0065】
なお、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0066】
例えば、リベット3としては、図9に示すように付け根側の大径軸部3b2 とそれに連なる小径軸部3b3 とを有するものを対象としてもよい。このような段付きのリベット3に対するかしめの作用については、小径軸部3b3 の径が太ってリベット孔1a,2aに密着するようになるほかは、上記の各実施形態と同様となる。なお、軸端規制凹部6cの横断面形状はリベット3の軸部3bの横断面形状と相似形でなくてもよい。
【0067】
また、上述したいずれかの実施形態を玉軸受用波形保持器に適用した場合には、その波形保持器の信頼性を向上させることができる。
【0068】
具体的に、波形保持器の一例を図10に示す。2枚の板材製の波形環状板11,12はそれぞれ半円状の湾曲部11a,12aと平坦部11b,12bとを交互に有している。転動体である玉13を収容するポケット14を作る状態で両湾曲部11a,12aどうしを対接させるとともに両平坦部11b,12bどうしを対接させ、両平坦部11b,12bどうしをリベット15でかしめ止めすることにより玉軸受用波形保持器16を製作している。
【0069】
ところで、図示しない外輪と内輪とに摺接して転動する玉13は対接する湾曲部11a,12aの両方に同時に等しく衝突する場合だけでなく、個別的に衝突する。個別的に衝突したときにリベット15に剪断力が作用するが、上記の実施形態のようにかしめ部が良好な形状をしたリベット止めをしておくと、リベット15の破損を確実に抑制し、波形保持器16の信頼性を向上させることができるのである。
【0070】
【発明の効果】
本発明に係る請求項1のリベット止め方法によれば、リベットの軸部突出部分の軸端を軸端規制凹部または軸端規制底面と整形用凹部との境界部に係合させて軸端の位置規制を行い、この軸端位置規制状態で軸部突出部分を押し潰してゆくから、軸部突出部分の軸端が傾斜していても、軸部突出部分の折れ曲がりを防止しつつ、軸部突出部分を軸方向に対して直角に周方向で均等に押し広げたかしめ部とすることができる。
【0071】
本発明に係る請求項2のリベット止め方法では、上記請求項1において、玉軸受用波形保持器のリベットによる結合に適用したものであり、これにより、波形保持器の結合を強固にできるようになるとともに、回転動作時において玉の衝突に対してリベットが破損しにくくなる。
【0072】
本発明に係る請求項3のリベット止め治具によれば、軸部突出部分の軸端が傾斜していても、軸端を位置規制し軸部突出部分の折れ曲がりを防止しつつ軸部突出部分を押し潰すもので、軸部突出部分を軸方向に対して直角に周方向で均等に押し広げたかしめ部とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1のリベット止め方法を示す概略図
【図2】実施形態2のリベット止め方法を示す概略図
【図3】実施形態3のリベット止め方法を示す概略図
【図4】実施形態4のリベット止め方法を示す概略図
【図5】実施形態5のリベット止め方法を示す概略図
【図6】実施形態6のリベット止め方法を示す概略図
【図7】実施形態7のリベット止め方法を示す概略図
【図8】実施形態8のリベット止め方法を示す概略図
【図9】他の実施形態のリベット止め方法を示す概略図
【図10】玉軸受用波形保持器の斜視図
【図11】従来のリベット止め方法を示す概略図
【図12】従来のリベット止め方法を示す概略図
【図13】従来のリベット止め方法を示す概略図
【符号の説明】
1 板材
1a リベット孔
2 板材
2a リベット孔
3 リベット
3a 頭部
3b 軸部
3b1 突出部分
3c 軸端
3d かしめ部
4 台盤
6 リベット止め治具
6c 軸端規制凹部
6c′ 軸端規制底面
6e 整形用凹部
11 波形環状板
11a 湾曲部
11b 平坦部
12 波形環状板
12a 湾曲部
12b 平坦部
13 玉
15 リベット
16 玉軸受用波形保持器
Claims (3)
- それぞれのリベット孔を位置合わせして2枚の板材を重ね合わせ、両リベット孔にリベットの軸部を挿通し、軸部の突出部分をリベット止め治具の打撃により押し潰してかしめ部となすリベット止め方法であって、リベット止め治具としてリベットの軸部の径よりやや大きい開口径をもつ軸端規制凹部と、軸端規制凹部に連通し、軸端規制凹部よりさらに大きい開口径をもつ整形用凹部が形成されたものを用い、リベット止め治具の軸端規制凹部にリベットの軸部の突出部分を係合させた状態で打撃して、整形用凹部でガイドして形を整えながら押し潰してかしめ部を作る、ことを特徴とするリベット止め方法。
- 請求項1に記載のリベット止め方法において、前記2枚の板材が、玉軸受用波形保持器を構成する2枚の波形環状板とされ、この波形環状板の円周数カ所に有する玉収容用湾曲部それぞれの間の平坦部どうしがリベット止めされるものである、ことを特徴とするリベット止め方法。
- 互いに重ね合わされた2枚の板材のリベット孔に挿通されたリベットの軸部の突出部分を打撃して押し潰しかしめ部となすリベット止め治具であって、リベットの軸部の径よりやや大きい開口径をもち打撃に際して軸部の突出部分を係合するための軸端規制凹部と、軸端規制凹部に連通し、軸端規制凹部よりさらに大きい開口径をもち軸部の突出部分をガイドして形を整えながら押し潰すための整形用凹部が形成されている、ことを特徴とするリベット止め治具。
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