JP3794972B2 - 帯域制御システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ファイルの配信を行う際に使用する帯域の制御を行う帯域制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、衛星配信は、送信元である地上の地球局から通信衛星に対して電波で信号を送り、通信衛星に搭載されている中継器において信号を増幅して、送信先の地球局に対して送信することにより行われている。従って、衛星配信は、通信回線等の物理的な伝送路を経由することなく、衛星配信事業者等毎に割り当てられた帯域を用いて行われている。また、衛星配信事業者等と契約しているユーザには、衛星配信において使用可能な帯域を論理的に分割し、この分割された帯域を割り当てている。そして、各ユーザは、この割り当てられた帯域を用いて衛星配信を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、配信されるファイルに対して高度な数学的論理に基づく所定の関数を用いた演算を行うことにより所定のパケットを生成し、配信されるファイルを構成している一部のパケットが欠落した場合であっても、所定数のパケットを受信していればファイルを復元することができる通信方法が開発されている(特開2001−189665号公報参照)。このような通信方法を用いれば、受信確認に用いるACK/NAK(送達確認)が必要ないので送信側において送信レートを制御することができる。しかし、この通信方法を、そのまま実際の情報システムに適用する場合には、複数のファイルを並行に送受信できるようにし、更に、経路上のネットワークが輻輳しないよう、システム全体における帯域管理が必要になる。
【0004】
この発明の課題は、予め設定されている帯域内で効率的に複数のファイルを並行に配信できるように帯域を制御する帯域制御システムを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の帯域制御システムは、予め設定された帯域が割り当てられたチャンネルを使用してファイルの配信を行う帯域制御システムにおいて、ファイルの配信に使用するチャンネルの情報及び配信されるファイルの配信優先度を含む所定の情報を受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記所定の情報を記憶するデータ記憶手段と、配信されるファイルを配信ファイルとして記憶する配信ファイル記憶手段と、前記配信ファイル記憶手段に記憶されている配信ファイルを配信する際に、前記配信優先度に基づいて、前記配信ファイルの優先度を判断する優先度判断手段と、前記優先度判断手段により、前記配信ファイルの配信優先度が高いと判断された場合に、前記チャンネルの中に、前記所定の情報により指定されたチャンネル以外に使用可能なチャンネルが存在するか否かを判断する使用可能チャンネル判断手段と、前記使用可能チャンネル判断手段により使用可能なチャンネルが存在すると判断された場合に、前記所定の情報により指定されたチャンネルと前記使用可能なチャンネルとを、一つの前記配信ファイルの配信に同時に使用するチャンネルとして指定するチャンネル指定手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この請求項1記載の帯域制御システムによれば、ファイルの配信優先度が高い場合には、ファイルを配信するために予め指定されたチャンネルに加えて、ファイルを配信する際に空いている他のチャンネルを同時に使用して一つの配信ファイルの衛星配信を行っている。従って、予め設定された帯域を超えることなく、予め設定された帯域が割り当てられたチャンネルを有効に利用して効率的に配信を行うことができる
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態に係る帯域制御システムについて説明する。図1は、実施の形態に係る帯域制御システムを含む衛星配信システム全体のブロック構成図である。
【0012】
この帯域制御システムを含む衛星配信システムは、ファイルの配信等を行う配信運用拠点2を備え、この配信運用拠点2は、衛星ネットワークを介して各拠点10a、10bに設置されている複数の端末装置と接続されている。ここで、衛星ネットワークは、配信運用拠点2に設置されている送信器4、通信衛星6及び各拠点10a、10bにそれぞれ設置されている受信器8a、8bにより構成されている。また、配信運用拠点2は、配信運用拠点2とは別に設置されているファイルの配信に関する指示等を行う運用拠点14及び各拠点10a、10bと地上系のネットワーク12を介して相互に接続されている。
【0013】
配信運用拠点2は、ファイルの配信等の指示を行う運用PC20a、20b、ファイルの配信等の処理を行うファイル配信サーバ30及びファイルの配信等を管理する配信管理サーバ40を備えている。また、運用PC20a、20b、ファイル配信サーバ30及び配信管理サーバ40はLAN(Local Area Network)を介して相互に接続されている。
【0014】
ファイル配信サーバ30は、配信されるファイルに基づいて所定のパケットを生成する等の処理を行うデータ処理部32を備え、このデータ処理部32には、配信管理サーバ40及び送信器4との間の通信を制御する通信制御部34及び生成された所定のパケット等を記憶するデータ記憶部36が接続されている。
【0015】
配信管理サーバ40は、配信管理情報の作成及びファイルの配信を行う際に使用する帯域の制御等の処理を行うデータ処理部42を備え、このデータ処理部42には、運用PC20a、20b、ファイル配信サーバ30及び送信器4との間の通信を制御する通信制御部44及びファイルの配信に関する所定の情報等を記憶するデータ記憶部46が接続されている。
【0016】
ここで、配信管理情報とは、配信されるファイル毎に作成される情報であり、どのファイルがいつ配信され、そのファイルを受信する端末装置はどの端末装置かを指定する情報(端末装置指定情報)等が含まれている。この配信管理情報は、配信運用拠点2と衛星ネットワークを介して接続されている全ての端末装置に対して衛星ネットワークを介して送信される。
【0017】
また、ファイルの配信を行う際に使用する帯域とは、ファイル配信サーバ30から衛星ネットワークを介して各拠点10a、10bに対してファイルを配信する際に使用する帯域であり、複数のチャンネルに分割されている。即ち、図2に示すように、例えば、使用可能帯域として10Mbpsの帯域が指定されている場合に、チャンネル1として2Mbps、チャンネル2として3Mbps、チャンネル3として4Mbpsに分割し、残りの帯域をチャンネル1で配信するファイルの配信管理情報を送信するチャンネル、チャンネル2で配信するファイルの配信管理情報を送信するチャンネル、チャンネル3で配信するファイルの配信管理情報を送信するチャンネルとして分割している。
【0018】
拠点10a内には、端末装置50、52が設置されており、受信器8aと端末装置50、52はLAN(Local Area Network)を介して相互に接続されている。同様に、拠点10b内には、端末装置60、62、64が設置されており、受信器8bと端末装置60、62、64はLAN(Local Area Network)を介して相互に接続されている。また、運用拠点14は、1又は2以上の図示しない運用PCを備え、地上系ネットワーク12を介して配信管理サーバ40に対してファイルの配信等の指示を行う。
【0019】
次に、図面を参照して帯域制御システムにおいて行われるファイルの配信を行う際に使用する帯域の帯域制御処理について説明する。
【0020】
図3は、配信管理サーバ40におけるファイルの配信予定を登録する処理を説明するためのフローチャートである。なお、以下においては、運用PC20aからファイルの配信を指示された場合を例として説明する。
【0021】
まず、運用PC20aから送信されたファイル配信情報を通信制御部44を介して受信し(ステップS10)、データ記憶部46に登録する(ステップS11)。即ち、ファイル配信情報には、図4(a)に示すように、ファイルID、コマンド及び受信結果等を送信する結果送信時間が含まれており、これらの情報を含むファイル配信情報をデータ記憶部46に記憶する。ここで、ファイルIDは、配信するファイル毎に付与されるユニークな番号等であり、コマンドは、ファイルが配信された後に、各端末装置において配信されたファイルに対して実行される処理コマンドである。また、結果送信時間は、配信されたファイルの受信結果と、配信されたファイルに対してコマンドを実行したコマンド実行結果を端末装置から配信管理サーバ40に対して送信するために指定された時間である。
【0022】
次に、運用PC20aから送信された配信スケジュール情報を通信制御部44を介して受信し(ステップS12)、データ記憶部46に登録する(ステップS13)。即ち、配信スケジュール情報には、図4(b)に示すように、ファイルの配信を開始する時刻、終了する時刻、ファイルを配信する配信先の端末装置の端末装置ID(端末装置指定情報)、使用チャンネル及び優先度(配信優先度)が含まれている。端末装置IDは、衛星ネットワークを介して配信運用拠点2と接続されている全ての端末装置に付されているユニークな番号等である。また、使用チャンネルとは、衛星配信においてファイルの配信に用いられるチャンネルである。優先度とは、ファイルの種類、内容、用途等により任意に設定される配信の優先度であり、例えば、少しでも早く配信を完了したい場合には優先度が高く設定され、所定時間内に配信されていればよい場合には優先度が低く設定される。なお、配信スケジュール情報にはファイル配信情報に含まれているファイルIDと同一のファイルIDが付されており、このファイルIDに対応させて配信スケジュール情報をデータ記憶部46に記憶する。
【0023】
次に、運用PC20aから送信されるファイル(配信ファイル)を受信し、受信した配信ファイルをデータ記憶部46に記憶する(ステップS14)。なお、運用PC20aから送信される配信ファイルには、ファイル配信情報のファイルIDと同一のファイルIDが付与されている。そのため、受信された配信ファイルは、ファイルIDに対応させてデータ記憶部46に記憶される。
【0024】
なお、ステップS10〜ステップS14の処理は、運用拠点14からの所定の指示に基づいて行うようにしてもよい。即ち、運用拠点14に設置されている図示しない運用PCから送信されるファイル配信情報、配信スケジュール情報及び配信ファイルを受信してステップS10〜ステップS14の処理を行うようにしてもよい。
【0025】
上述のステップS10〜ステップS14の処理において、複数のファイル配信情報及び配信スケジュール情報が登録され、複数の配信ファイルが記憶されることによって、図5に示すファイルの配信予定が作成され、データ記憶部46に登録される。即ち、どの配信ファイルがどのチャンネルを用いて、いつ配信されるかを登録し、更にそれぞれの配信ファイルに対応する配信管理情報の送信予定をそれぞれの配信ファイルを配信するチャンネルに対応するチャンネルに登録する。
【0026】
図5に示す例では、チャンネル2においては13時〜15時の間にファイルBを、15時〜16時半の間にファイルCを配信し、チャンネル3においては14時〜17時の間にファイルDを配信することが登録されている。そして、チャンネル2用の配信管理情報を送信するチャンネルにおいては、ファイルBを配信する時刻と同一時刻にファイルBに対応する配信管理情報を、次にファイルCを配信する時刻と同一時刻にファイルCに対応する配信管理情報を送信し、チャンネル3用の配信管理情報を送信するチャンネルにおいてはファイルDに対応する配信管理情報を送信するというファイルの配信予定が登録されている。
【0027】
次に、図6に示すフローチャートを参照して、配信管理サーバ40におけるファイルを配信する際の帯域制御処理について説明する。なお、以下においてはファイルDを配信する際の帯域制御処理を例として説明する。また、この場合には、ファイルDを配信するためのチャネルが予め手動で登録されているものとする。
【0028】
まず、配信ファイルの配信を開始する配信開始時刻の所定時間前になっているか否かを判断し(ステップS20)、所定時間前になっている場合には、配信ファイルの優先度を判断する(ステップS21)。即ち、ファイルDを配信する優先度が高く設定されているか、低く設定されているかを、データ記憶部46に記憶されている配信スケジュール情報を参照することにより判断する。
【0029】
尚、ファイルを配信する優先度は、予め定められた所定の基準値に対して高いか、低いかが設定される。また所定の基準値は、ユーザが任意に変更できるものである。
【0030】
優先度が高く設定されている場合には(ステップS21)、空チャンネルが存在するか否かを判断する(ステップS22)。即ち、図5に示すようにファイルDをチャンネル3を用いて14時〜17時に配信するファイルの配信予定が登録されている場合、14時〜17時の間で他に空いているチャンネルが存在するか否かを判断する。
【0031】
空チャンネルが存在すると判断された場合(ステップS22)、使用チャンネルを複数とする配信指示を作成する(ステップS23)。即ち、図5に示すように、チャンネル1を用いて14時〜17時の間に配信するファイルが存在しない場合には、チャンネル1が空チャンネルとなる。そのような場合には、チャンネル1とチャンネル3を用いてファイルDの配信を行うように指示する配信指示を作成する。
【0032】
一方、ファイルDを配信する優先度が低い場合(ステップS21)及び空チャンネルが存在しないと判断された場合には(ステップS22)、ファイルDを配信する際に用いるチャンネルとして登録されているチャンネル、即ち、チャンネル3を用いてファイルDの配信を行うように指示する配信指示を作成する(ステップS24)。
【0033】
次に、ファイル配信サーバ30に対し、通信制御部44を介して配信指示を送信する(ステップS25)。即ち、ファイルD、ファイルDのファイルID、そのファイルDの配信開始時刻、配信終了時刻及び使用チャンネルを含む配信指示を、ファイル配信サーバ30に対して送信する。なお、配信指示は、ファイル配信サーバ30におけるパケット生成処理等に必要な時間を考慮して、ファイルの配信開始時刻の所定時間前、例えば、2分前等に送信される。
【0034】
次に、ファイルの復元に必要なパケット数の情報を通信制御部44を介して受信する(ステップS26)。即ち、ファイル配信サーバ30においては、予め所定のパケットを生成するための所定の関数が定められているため、ファイルDを受信した時点で、ファイルDを復元するために必要なパケットの数が明らかになる。従って、ステップS25において、ファイル配信サーバ30に対して配信指示を送信した後、ファイル配信サーバ30から折り返し送信されるファイルDを復元するために必要なパケットの数の情報を受信する。
【0035】
ステップS26において受信したファイルDの復元に必要なパケットの数の情報、データ記憶部46に登録されたファイル配信情報及び配信スケジュール情報に基づいて配信管理情報を作成する(ステップS27)。即ち、図7に示すように、ファイルDのファイルID、端末装置ID、ファイルDを復元するために必要なパケットの数、端末装置においてファイルDに対して実行されるコマンド、配信開始時刻、配信終了時刻、受信結果及びコマンドの実行結果通知の要否及、及びこれらの結果を端末装置から配信管理サーバ40に対して送信する結果送信時間とを含む配信管理情報が作成される。
【0036】
次に、配信開始時刻となっているか否かを判断し(ステップS28)、配信開始時刻となっている場合には、配信管理情報を衛星ネットワーク、即ち、送信器4、通信衛星6及び受信器8a、8bを介して各拠点10a、10bに対して送信する(ステップS29)。即ち、チャンネル1とチャンネル3に対応する配信管理情報を送信するチャンネルを用いて、衛星ネットワークを介して配信運用拠点2と接続されている全ての端末装置に対して配信管理情報を送信する。
【0037】
次に、ファイルの配信を終了する配信終了時刻となっているか否かを判断し(ステップS30)、配信終了時刻になっていない場合には、ステップS29に戻り、衛星ネットワークを介して再び配信管理情報を送信する。即ち、配信管理情報は、気象条件等の影響により、端末装置において受信されていない可能性があるため、配信終了時刻になるまで繰り返し送信される。一方、配信終了時刻になっている場合には(ステップS30)、配信管理情報の送信を終了する。
【0038】
次に、図8に示すフローチャートを参照して、ファイル配信サーバにおけるファイルの配信処理について説明する。
【0039】
まず、配信管理サーバ40から送信される配信指示を通信制御部34を介して受信する(ステップS40)。即ち、配信指示として、ファイルD、ファイルDのファイルID、ファイルDの配信開始時刻、配信終了時刻及び使用チャンネルを受信する。
【0040】
次に、ステップS40において受信したファイルDに基づいて、ファイルDを復元するために必要なパケット数の情報を、通信制御部34を介して配信管理サーバ40に対して送信する(ステップS41)。即ち、ファイル配信サーバ30においては、例えば米国のデジタル・ファウンテン社により開発された技術に基づいて所定のパケットを生成する。そして、この所定のパケットからなる配信ファイルは、数学的理論に基づく所定の関数を用いて、配信ファイルに対して演算を施すことによって生成されるため、送信された順番に拘わらず、また、送信される全てのパケットを受信していなくても必要なパケット数を受信できれば復元することができる(特開2001−189665号公報参照)。そのため、ファイルDを受信した場合には、ファイルDを復元するために必要となる所定のパケットの数を予め配信管理サーバ40に対して通知する。
【0041】
次に、ファイルDの配信開始時刻から配信管理情報送信時間と配信管理情報解釈時間途を経過したか否かを判断し(ステップS42)、その時間を経過している場合には、ファイルDに基づいて、所定のパケットを生成する(ステップS43)。即ち、ファイルDに対して所定の関数を用いて演算を施すことにより所定のパケットを生成し、生成した所定のパケットをデータ記憶部36に記憶する。
【0042】
そして、配信ファイルDを構成する所定のパケットを衛星ネットワークを介して各拠点10a、10bに対して配信する(ステップS44)。即ち、ファイル配信サーバ30は、ファイル管理サーバ40において指定されたチャンネル1とチャンネル3の両方のチャンネルに基づく帯域を使用してファイルDの配信を行う。
【0043】
次に、ファイルの配信終了時刻となっているか否かを判断し、配信終了時刻となっていない場合には(ステップS45)、ステップS44に戻り、ファイルの配信を継続する。一方、配信終了時刻となっている場合には(ステップS45)、ファイルを配信する処理を終了する。
【0044】
次に、図9に示すフローチャートを参照して、端末装置において行われる処理を、端末装置50においてファイルDを受信する処理を例として説明する。
【0045】
まず、配信管理サーバ40から、衛星ネットワークを介して送信された配信管理情報を受信する(ステップS50)。即ち、受信器8aにおいて受信された配信管理情報は、拠点10a内のLAN(Local Area Network)を介して拠点10a内の全ての端末装置に送信される。
【0046】
次に、端末装置50の端末装置IDと配信管理情報に含まれている端末装置IDとを照合する(ステップS51)。即ち、端末装置IDの照合を行うことによって、受信した配信管理情報に対応する配信ファイルを受信する端末装置として指定されているか否かを確認する。なお、複数の配信管理情報を受信した場合には、それぞれの配信管理情報に対応する配信ファイルを受信する端末装置として指定されているか否かを確認する。その際に、複数の配信管理情報が一つの配信ファイルに対応している場合には、一つの配信ファイルが複数のチャンネルを用いて配信されていることを認識することができる。
【0047】
端末装置50の端末装置IDと配信管理情報に含まれている端末装置IDとが一致しなかった場合には(ステップ52)、端末装置50はこの配信管理情報に対応する配信ファイルを受信する必要がないため処理を終了する。
【0048】
一方、端末装置50の端末装置IDと配信管理情報に含まれている端末装置IDとが一致した場合には(ステップS52)、所定のパケットからなるファイルDを受信する(ステップS53)。即ち、配信管理情報の内容を確認した後、ファイル配信サーバ30により衛星ネットワークを介して配信されるファイルDの受信を開始する。なお、ファイルDがチャンネル1とチャンネル3を用いて配信されているため、チャンネル1とチャンネル3のどちらからでも、又はチャンネル1とチャンネル3の両方からファイルDを受信することができる。
【0049】
次に、配信管理情報により予め通知された配信ファイルの復元に必要な数のパケットを受信しているか否かを判断する(ステップS54)。そして、必要な数に達していない場合には、ステップS53に戻り、必要な数に達するまで配信ファイルの受信を行う。
【0050】
一方、必要な数に達している場合には(ステップS54)、受信した必要な数の所定のパケットからなるファイルDを復元する(ステップS55)。即ち、受信した所定のパケットに対して所定の関数を用いて演算を施すことによってファイルDを復元する。
【0051】
次に、復元されたファイルDに対して配信管理情報に含まれている所定のコマンドを実行する(ステップS56)。即ち、所定のコマンド、例えば、所定のアプリケーションのバージョンアップを行うコマンド等の場合には、復元されたファイルDに対してコマンドを実行することにより、アプリケーションのバージョンアップ等の処理を行う。
【0052】
次に、配信管理情報において配信管理サーバ40の結果送信時間がどのように指定されているかを判断する(ステップS57)。即ち、コマンド実行後、即時に受信結果及びコマンド実行結果を送信するように指定されている場合には(ステップS57)、コマンド実行後、即時に受信結果及びコマンド実行結果を地上系ネットワーク12を介して配信管理サーバ40に対して送信する(ステップS60)。
【0053】
一方、所定時間帯内に受信結果及びコマンド実行結果を送信するように指定されている場合には(ステップS57)、受信結果及びコマンド実行結果を配信管理サーバ40に対して送信する時間を算出する(ステップS58)。例えば、配信管理サーバ40の結果送信時間が、所定の時刻から10分間と指定されている場合には、その10分間内のどのタイミングで送信するかを、端末装置50に予め設定されている乱数表を用いて算出する。
【0054】
次に、ステップS58において算出された送信時刻になったか否かを判断する(ステップS59)。ここで、送信時刻となっている場合には、受信結果及びコマンド実行結果を地上系ネットワーク12を介して配信管理サーバ40に対して送信する(ステップS60)。なお、受信結果及びコマンド実行結果は、受信したファイルのファイルID及び端末装置50の端末装置IDと併せて送信される。
【0055】
次に、図10に示すフローチャートを参照して、端末装置50から受信結果及びコマンド実行結果を送信された配信管理サーバ40における処理を説明する。
【0056】
まず、端末装置50から地上系ネットワーク12を介して送信された受信結果及びコマンド実行結果を、通信制御部44を介して受信する(ステップS70)。
【0057】
次に、受信結果及びコマンド実行結果と併せて送信されたファイルIDに基づいて、データ記憶部46に記憶されているファイル配信情報のファイルIDを参照する(ステップS71)。即ち、どのファイルに対する受信結果であるかを、データ記憶部46に記憶されているファイルIDを参照することによって特定する。
【0058】
次に、端末装置50の端末装置IDに基づいて、データ記憶部46に記憶されている配信スケジュール情報の配信先端末装置IDを参照する(ステップS72)。即ち、配信先端末装置として指定した端末装置のうち、どの端末装置から送信された受信結果及びコマンド実行結果であるかを、データ記憶部46に記憶されている端末装置IDを参照することによって特定する。
【0059】
次に、受信結果及びコマンド実行結果をファイルID及び端末装置IDに対応させてデータ記憶部46に記憶する(ステップS73)。なお、運用PC20a、20b及び運用拠点14に配置されている図示しない運用PCは、配信管理サーバ40のデータ記憶部46に記憶されている受信結果及びコマンド実行結果を任意に参照することができる。
【0060】
次に、図12のフローチャートを参照して、配信管理サーバ40における他の帯域制御処理を説明する。なお、以下においては、図11に示すようなファイルの配信予定が登録されている場合に、ファイルDの配信を行う場合の帯域制御処理を例として説明する。
【0061】
まず、配信ファイル、即ち、ファイルDの配信を開始する配信開始時刻の所定時間前になっているか否かを判断し(ステップS80)、配信開始時刻の所定時間前になっている場合には、ファイルDを配信する優先度を判断する(ステップS81)。そして、ファイルDの優先度が高く設定されている場合には、空チャンネルが存在するか否かを判断する(ステップS82)。これらのステップS80〜ステップS82の処理は、図6に示すステップS20〜ステップS22と同様の処理であるため説明を省略する。
【0062】
空チャンネルが存在しない場合には(ステップS82)、他のファイルの優先度とファイルDの優先度とを比較する(ステップS83)。即ち、図11に示すように、ファイルDと同じ時間帯に複数のファイルを配信するファイルの配信予定が登録されている場合には、ファイルD以外のファイルの優先度とファイルDの優先度を比較する。一方、空チャンネルが存在する場合には、ステップS86に進む(ステップS82)。
【0063】
ファイルDより優先度が低いファイルが存在する場合には(ステップS84)、ファイルDを配信する際に用いるチャンネルの帯域を拡張することができるか否かを判断する(ステップS85)。即ち、ファイル配信サーバ30により配信されるファイルは、ファイルに対して所定の関数を用いて演算を施すことにより作成された所定のパケットからなっているため、送信される全てのパケットを受信していなくてもファイルを復元することができる。従って、例えば、ファイルAの優先度がファイルDより低い場合、ファイルAを復元するために必要なパケット数を所定時間内に配信するためにはチャンネル1の帯域としてどれだけの帯域幅が必要かを判断する。
【0064】
ファイルDを配信するチャンネルの帯域を拡張することができる場合(ステップS85)、チャンネルを拡張する(ステップS86)。例えば、ファイルAが500MBであり、このファイルAを2Mbpsのチャンネル1を使用して14時〜15時30分の間で配信するとすれば、270%分のファイルAを配信することができる。ファイルを復元するためには、既定数分、例えば105%分受信していればよいため、例えば、チャンネル1の帯域を1Mbpsとしても、135%分のファイルAを配信することができ、チャンネル1の帯域としては1Mbpsあれば良いことになる。従って、チャンネル1の帯域を1Mbps狭め、チャンネル3の帯域をチャンネル1を狭めた1Mbps分だけ拡張する。なお、空チャンネルが存在する場合には(ステップS82)、空チャンネル分だけチャンネル3の帯域を拡張する(ステップS86)。
【0065】
次に、拡張されたチャンネルを使用するチャンネルとする配信指示を作成する(ステップS87)。即ち、5Mbpsのチャンネル3でファイルDの配信を行うように指示する配信指示を作成する。
【0066】
一方、ファイルDの優先度が低い場合(ステップS81)、ファイルDより優先度の低いファイルが存在しない場合(ステップS84)及びチャンネルの帯域の拡張を行うことができない場合には(ステップS85)、ファイルの配信予定において登録されているチャンネルを使用して、即ち、4Mbpsのチャンネル3でファイルDの配信を行うように指示する配信指示を作成する(ステップS88)。
【0067】
次に、ファイル配信サーバ30に対し、通信制御部44を介して配信指示を送信する(ステップS89)。そして、ファイルの復元に必要なパケット数のデータを通信制御部44を介して受信し(ステップS90)、配信管理情報を作成する(ステップS91)。
【0068】
次に、配信開始時刻となっているか否かを判断し(ステップS92)、配信開始時刻となっている場合には、配信管理情報を衛星ネットワーク、即ち、送信器4、通信衛星6及び受信器8a、8bを介して拠点10a、10bに対して送信する(ステップS93)。そして、ファイルの配信を終了する配信終了時刻となっているか否かを判断し(ステップS94)、配信終了時刻になっていない場合には、ステップS93に戻り、衛星ネットワークを介して再び配信管理情報を送信する。一方、配信終了時刻になっている場合には(ステップS94)、配信管理情報の送信を終了して処理を終了する。
【0069】
以上のステップS89〜ステップS94の処理は、図6に示すステップS25〜ステップS30と同様の処理であるため説明を省略する。また、この後のファイル配信サーバ30、各端末装置及び配信管理サーバ40における処理も図8、図9及び図10に示すフローチャートと同様であるため、説明を省略する。
なお、この図12のフローチャートで示す帯域制御処理は、ファイルの配信前に行っているが、ファイルの配信中においても、この帯域制御処理を行うようにしてもよい。
【0070】
この実施の形態の帯域制御システムによれば、予め指定された帯域を複数のチャンネルに分割し、ファイル毎に配信する際に使用するチャンネルを指定して配信を行っている。従って、ファイル毎に適切な配信を行うことができると共に、予め設定されている帯域を超えて配信が行われないように帯域の制御を行うことができる。
【0071】
また、優先度が高く設定されているファイルを配信する場合には、そのファイルを配信する時間帯に空いているチャンネルが存在するか否かを判断し、空いているチャンネルが存在する場合には、登録されているチャンネルと空いているチャンネルを使用してファイルの配信を行っている。従って、より一層効率的にファイルの配信を行うことができると共に、予め設定された帯域を有効に利用することができる。
【0072】
また、同一の時間帯に全てのチャンネルにファイルの配信予定が登録されている場合には、ファイル毎の優先度を判断し、より優先度の高いファイルを優先して配信すべく、優先度が高いファイルを配信するチャンネルの帯域を拡張している。従って、空チャンネルが存在しない場合であっても、予め設定された帯域内において優先度の高いファイルを優先的に配信するように、適切に帯域の制御を行うことができる。
【0073】
なお、この実施の形態に係る帯域制御システムは、上述の実施の形態に限定されるものではなく、全てのパケットを受信していなくても所定の数のパケットを受信することによりファイルの復元が可能な他の通信方法を用いてファイルの配信を行って、帯域制御を行うようにしてもよい。
【0074】
【発明の効果】
この発明によれば、配信ファイルに基づいて、予め設定された帯域内においてファイルの配信に使用するチャンネルを変更している。従って、予め設定された帯域を超えることなく、予め設定された帯域内を有効に利用してファイルの配信を行うことができる。
【0075】
また、配信する優先度が高い配信ファイルを配信する際には、その配信ファイルを配信するチャンネルとその配信ファイルを配信する際に空いているチャンネルとを使用して衛星配信を行っているため、予め設定された帯域を超えることなく、配信の優先度が高いファイルを優先的に配信することができる。
【0076】
また、全てのチャンネルが使用されている場合であっても、他のチャンネルの帯域を狭めることによって優先度の高いファイルを配信する際に使用するチャンネルを拡張しているため、予め設定された帯域内において配信する優先度が高いファイルを優先的に配信することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る帯域制御システムを含む衛星配信システムのブロック構成図である。
【図2】この発明の実施の形態に係る使用可能帯域の分割状況を説明するための図である。
【図3】この発明の実施の形態に係る配信管理サーバにおけるファイルの配信予定を登録する処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態に係るファイル配信情報及び配信スケジュール情報を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態に係るファイルの配信予定の登録状況を説明するための図である。
【図6】この発明の実施の形態に係る配信管理サーバにおける帯域制御処理を説明するための図である。
【図7】この発明の実施の形態に係る配信管理情報を説明するための図である。
【図8】この発明の実施の形態に係るファイル配信サーバにおける配信ファイルの配信処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態に係る端末装置における配信ファイルを受信する処理を説明するための図である。
【図10】この発明の実施の形態に係る受信結果及びコマンド実行結果を受信した配信管理サーバにおける処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態に係る他のファイル配信予定の登録状況を説明するための図である。
【図12】この発明の実施の形態に係る配信管理サーバにおける他の帯域制御処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
2…配信運用拠点、4…送信器、6…通信衛星、8a、8b…受信器、10a、10b…拠点、12…地上系ネットワーク、14…運用拠点、20a、20b…運用PC、30…ファイル配信サーバ、32…データ処理部、34…通信制御部、36…データ記憶部、40…配信管理サーバ、42…データ処理部、44…通信制御部、46…データ記憶部、50、52、60、62、64…端末装置

Claims (1)

  1. 予め設定された帯域が割り当てられたチャンネルを使用してファイルの配信を行う帯域制御システムにおいて、
    ファイルの配信に使用するチャンネルの情報及び配信されるファイルの配信優先度を含む所定の情報を受信する受信手段と、
    前記受信手段により受信された前記所定の情報を記憶するデータ記憶手段と、
    配信されるファイルを配信ファイルとして記憶する配信ファイル記憶手段と、
    前記配信ファイル記憶手段に記憶されている配信ファイルを配信する際に、前記配信優先度に基づいて、前記配信ファイルの優先度を判断する優先度判断手段と、
    前記優先度判断手段により、前記配信ファイルの配信優先度が高いと判断された場合に、前記チャンネルの中に、前記所定の情報により指定されたチャンネル以外に使用可能なチャンネルが存在するか否かを判断する使用可能チャンネル判断手段と、
    前記使用可能チャンネル判断手段により使用可能なチャンネルが存在すると判断された場合に、前記所定の情報により指定されたチャンネルと前記使用可能なチャンネルとを、一つの前記配信ファイルの配信に同時に使用するチャンネルとして指定するチャンネル指定手段と
    を備えることを特徴とする帯域制御システム。
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