JP3794740B2 - 全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブ - Google Patents

全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブ Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明に係る全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブは、トラックや各種建設用車両等の作業中に各車輪に大きな制動力を付与する為、或は助手席側に設けたブレーキペダルの踏み込みにより車輪に制動力を付与する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
トラックや各種建設用車両等には、作業中に車両が不用意に動かない様にする為、一部の車輪にのみ制動力を付与する通常の駐車ブレーキに加えて、全車輪に制動力を加える補助制動装置を設ける場合がある。この様な補助制動装置には、各車輪に付属させたブレーキシリンダ(ホイルシリンダ)に、走行している車両を停止させる為の常用制動時に於ける最大油圧よりも少し低めの油圧を加え、しかもブレーキペダルを踏まなくても、その油圧を維持する機能を持つ事が要求される。
【0003】
この為従来から、例えば実開平4−43560号公報に記載されている様に、運転者がブレーキペダルを踏み込んだ場合だけでなく、作業中に運転者がブレーキペダルを踏み込まない場合でも、上記ホイルシリンダに所定の油圧を供給できる、全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブが知られている。図2〜3は、従来から知られている全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブの1例を示している。バルブケース1は、それぞれが縦形筒状に形成された上部ケース2と下部ケース3と底蓋4とを、上下方向に亙って互いに直列に、油密に結合する事により構成している。
【0004】
このうちの、バルブケースの片半部内側である、下部ケース3の下半部内側に設けられた第一シリンダ部5内には、プライマリスプール6とセカンダリスプール7とを、上下方向に亙って互いに直列に、それぞれ第一シリンダ部5内での昇降(軸方向に亙る変位)自在に設けている。これらプライマリスプール6とセカンダリスプール7とが、請求項に記載したスプールである。このうち、セカンダリスプール7の下端部に係止した係止板25と上記底蓋4の上面との間には、圧縮コイルばねである復位ばね26を設けて、上記両スプール6、7に上方に向く弾力を付与(バルブケースの他端側に押圧)している。又、上記バルブケース1の上端部外周には取り付け基板8を、ボルト9により固定している。そして、この取り付け基板8の上面に設けた横軸10により、ブレーキペダル11の基端部(図2の右端部)を揺動自在に枢支している。このブレーキペダル11の下面中間部にはローラ12を枢支しており、このローラ12の一部外周面を、押圧ロッド13の上面に当接させている。この押圧ロッド13は、バルブケースの他半部内側である、上記上部ケース2の中心部に形成した第二シリンダ部14の内側に、昇降(軸方向に亙る変位)自在に、且つ油密に挿通している。
【0005】
又、上記押圧ロッド13の下半部(他端側部分)は、下方が開口した有底円筒状に形成してパイロットシリンダ15を構成し、このパイロットシリンダ15の内側に円柱状のパイロットピストン16を、油密に嵌装している。前記上部ケース2の側面にはパイロットポート27を設けており、このパイロットポート27と上記パイロットシリンダ15の上端部とを、上記押圧ロッド13の昇降に拘らず連通自在としている。又、上記パイロットピストン16の下端部には上側係止板17を、上記プライマリスプール6の上端部には下側係止板18を、それぞれ係止し、これら両係止板17、18の間に、圧縮コイルばねである伝達ばね19を設けている。この伝達ばね19の弾力は、上記復位ばね26の弾力よりも十分に大きい。又、上記押圧ロッド13の下端部に係止した係止板20の下面と前記下部ケース3の中間部内面との間には復位ばね21を設けて、上記押圧ロッド13に上方に向く弾力を付与している。
【0006】
一方、上記下部ケース3の片側面(図2の左側面)の上下2個所位置には、それぞれが圧油源である、互いに独立したブレーキ用アキュムレータ(図示せず)に通じる受入ポート22a、22bを、それぞれ形成している。又、上記下部ケース3の他側面(図2の右側面)の上下2個所位置には、互いに独立した図示しないブレーキシリンダ(ホイルシリンダ)に通じる吐出ポート23a、23bを、それぞれ形成している。上側に設けられた受入ポート22aと吐出ポート23aとの上下位置関係、並びに下側に設けられた受入ポート22bと吐出ポート23bとの上下位置関係は、それぞれ少しずつずれている。又、上記プライマリスプール6及びセカンダリスプール7の中間部には、それぞれ小径部24a、24bを形成している。従って、上記各受入ポート22a、22bと上記各吐出ポート23a、23bとは、上記プライマリスプール6及びセカンダリスプール7が前記復位ばね26の弾力に抗して下降した場合(バルブケースの一端側に変位した場合)にのみ、上記両小径部24a、24bを介して互いに連通する。尚、上記両スプール6、7が上記復位ばね26の弾力により上昇し切った状態では、上記両吐出ポート23a、23bと、これら両吐出ポート23a、23bよりも更に上方位置に開口した、図示しないリターンポートとが、上記両小径部24a、24bを介して互いに連通する。従って、上記両スプール6、7が上昇し切った状態では、上記各ブレーキシリンダ部分に存在する油圧が解消される。勿論、制動を行なうべく上記両スプール6、7を下降させた状態では、上記両吐出ポート23a、23bとリターンポートとの連通は断たれる。
【0007】
又、上記プライマリスプール6及びセカンダリスプール7の下部には、これら両スプール6、7の下端面に開口するリアクションチャンバ28a、28bを設けている。そして、これら各リアクションチャンバ28a、28b内に嵌装したリアクションプランジャ29a、29bの下端面を、セカンダリスプール7の上端面或は前記底蓋4の上面に突き当てている。更に、前記両小径部24a、24bと上記各リアクションチャンバ28a、28bとは、それぞれ小通孔30a、30bにより互いに連通させて、上記各リアクションチャンバ28a、28b内に、上記各吐出ポート23a、23b部分と同じ油圧を導入自在としている。
【0008】
上述の様に構成される全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブの作用は、次の通りである。走行している車両を停止させる通常の制動を行なう際には、前記ブレーキペダル11を図2に鎖線で示す状態に踏み込み、押圧ロッド13、伝達ばね19を介して、プライマリスプール6及びセカンダリスプール7を下降させる。この結果、ブレーキ用アキュムレータに通じる受入ポート22a、22bとブレーキシリンダに通じる吐出ポート23a、23bとが、上記両スプール6、7の中間部外周面に形成した小径部24a、24bを介して連通する。この結果、上記ブレーキ用アキュムレータに貯溜されていた圧油が、各車輪に設けたブレーキシリンダに送り込まれて制動が行なわれる。
【0009】
受入ポート22a、22bと吐出ポート23a、23bとが連通するのに伴なって、上記各リアクションチャンバ28a、28b内には、吐出ポート23a、23b部分に存在するのと同じ油圧が作用する。この為、プライマリスプール6及びセカンダリスプール7は、この油圧に対応した力で上方に押され、上記伝達ばね19が圧縮される。この為、ブレーキペダル11には、吐出ポート23a、23b部分に存在する油圧に見合った反力が加わる。
【0010】
次に、車両を停止した状態のまま作業を行なう為、補助制動装置を作動させる際には、図示しない補助ブレーキ用電磁切換弁を開放し、前記パイロットポート27と、図示しないパイロット用アキュムレータとを連通させる。勿論、走行時には上記補助ブレーキ用電磁切換弁は閉じたままとして、上記パイロットポート27とパイロット用アキュムレータとの連通を断っておく。
【0011】
上記補助ブレーキ用電磁切換弁を開放し、パイロットポート27とパイロット用アキュムレータとを連通させる結果、このパイロット用アキュムレータに貯溜されていた圧油が、パイロットポート27を通じてパイロットシリンダ15内に送り込まれ、このパイロットシリンダ15からパイロットピストン16を押し出す。この様にパイロットピストン16を押し出すと、上記伝達ばね19を介してプライマリスプール6及びセカンダリスプール7が下方に変位し、ブレーキペダル11を踏み込んだ場合と同様に、上記受入ポート22a、22bと吐出ポート23a、23bとが連通する。これにより、ブレーキ用アキュムレータ内の圧油が、各車輪に設けたブレーキシリンダに送り込まれ、制動が行なわれる。
【0012】
この様に吐出ポート23a、23b内にブレーキ用アキュムレータ内の圧油を導入し、リアクションチャンバ28a、28b内の油圧が上昇すると、プライマリスプール6及びセカンダリスプール7を逆方向に変位(上昇)させようとする力が発生し、上記受入ポート22a、22bと吐出ポート23a、23bとの連通が断たれる傾向となる。第一シリンダ部5内での上記各スプール6、7の動きは、上記各リアクションチャンバ28a、28b内の油圧に基づく押圧力と上記パイロット用アキュムレータからパイロットシリンダ15内に導入される油圧に基づく押圧力とが等しくなった場合に停止する。そして、この状態に於いては、吐出ポート23a、23bを通じて各車輪のブレーキシリンダには、上記パイロットポート27に送り込まれる油圧に見合う大きさの油圧が送り込まれたままの状態となる。
【0013】
尚、図2〜3に示した構造では、バルブケース1を鉛直方向に配置し、押圧ロッド13の上端面をブレーキペダル11の下面に支持したローラ12により直接押圧する様にしている。これに対して、上記バルブケース1を水平方向に配置する構造も、従来から知られている。この様な構造の場合には、ブレーキペダル11の動きを、図示しないリンク機構を介して上記押圧ロッド13に伝達し、この押圧ロッド13をプライマリスプール6に向け、水平方向に押圧する。又、教習車、或は自衛隊等で使用する軍用車両の様に、運転席だけでなく助手席にもブレーキペダルを設ける自動車の場合には、助手席側のブレーキペダルの踏み込みに伴って、上記パイロットポート27に圧油を送り込む様な構成を採用する場合もある。更に、建機等の作業用車両には、通常位置に設けた通常制動用のブレーキペダルの左側に、作業用(インチング用)の補助ブレーキペダルを設けるものがある。この様な作業用車両による作業時には、アクセルペダルを踏みながら上記補助ブレーキペダルを踏む。この補助ブレーキペダルの踏み込みに伴って、上記補助制動装置を作動させると同時に、エンジンの出力軸と変速機用のトルクコンバータとの接続を断つ。そして、アクセルペダルをふかしつつ行なう作業中に、上記トルクコンバータに負担がかからない様にする。この様な作業用の補助ブレーキペダルの踏み込みによっても、上記パイロットポート27に圧油を送り込む様な構成を採用する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
図2〜3に示した従来構造の場合、機能的には特に問題ないが、補助制動装置による制動力を確保しつつ小型化を図る事が難しい。この理由は次の通りである。補助制動装置による制動力を確保する為には、パイロットポート27からパイロットシリンダ15内に送り込む油圧を高くするか、或はこのパイロットシリンダ15の断面積(受圧面積)を大きくする必要がある。このうち、油圧を高くする事は、パイロット用アキュムレータの製作費を高くする他、油圧を発生する為のポンプの大型化、このポンプを運転するエンジンの動力損失の増大を招く為、限度がある。
【0015】
一方、上記パイロットシリンダ15の断面積を大きくする為には、押圧ロッド13の下半部を薄肉化するか、或はこの押圧ロッド13の外径を大きくする必要がある。このうちの薄肉化は、押圧ロッド13の信頼性及び耐久性の面から限度があり、外径を大きくする事は全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブ全体の大型化の原因となる為、好ましくない。本発明の全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブは、この様な事情に鑑み、補助制動装置による制動力を確保しつつ小型化を図るべく発明したものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブは、前述した従来の全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブと同様に、バルブケースと、このバルブケースの片半部内側に設けられた第一シリンダ部と、この第一シリンダ部の一部内側面にその内端を、上記バルブケースの一部外側面にその外端を、それぞれ開口させた状態で設けられ、その外端開口を圧油源に通じさせた受入ポートと、上記第一シリンダ部の一部内側面にその内端を、上記バルブケースの一部外側面にその外端を、それぞれ開口させた状態で設けられ、その外端開口をブレーキシリンダに通じさせた吐出ポートと、上記第一シリンダ部の内側に、油密に且つ軸方向に亙る変位自在に嵌装されて、上記バルブケースの一端側への変位に基づいて上記受入ポートと吐出ポートとを連通させるスプールと、これら受入ポートと吐出ポートとの連通を断つべく、このスプールを上記バルブケースの他端側に押圧する復位ばねと、上記バルブケースの他半部内側に設けられた第二シリンダ部と、この第二シリンダ部の内側に軸方向に亙る変位自在に嵌装され、その一端部をこの第二シリンダ部の一端開口から突出させて上記バルブケース外に、その他端部を上記第二シリンダ部の他端開口から上記第一シリンダの側に、それぞれ突出させた押圧ロッドと、この押圧ロッドの他端部と上記スプールの端部との間に設けられて、上記押圧ロッドの動きをスプールに伝達する、上記復位ばねよりも大きな弾力を有する伝達ばねと、上記押圧ロッドの他端側部分に、この押圧ロッドに対する軸方向に亙る変位を自在に支持されて、上記第一シリンダ部側への変位に基づいて上記伝達ばねを上記スプールに向けて押圧するパイロットピストンと、このパイロットピストンと上記押圧ロッドとの間に設けられたパイロットシリンダと、上記バルブケースの一部外側面に開口してこのパイロットシリンダに通じるパイロットポートとを備える。
【0017】
特に、本発明の全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブに於いては、上記パイロットピストンは、一端が開口した有底円筒状の主部と、上記伝達ばねの一端部を係止する為にこの主部の外周面に設けられた外向フランジ状の係止部とを備える。この主部の内側には上記押圧ロッドの他端部が油密に嵌装されており、上記パイロットシリンダは上記主部の内面と上記押圧ロッドの他端面とで囲まれる空間により構成されている。そして、上記パイロットポートと上記パイロットシリンダとは、上記押圧ロッドの他端面に開口した中心孔を介して互いに通じている。
【0018】
【作用】
上述の様に構成される本発明の全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブが、走行している車両を停止させるべく通常の制動を行なう際の作用、並びに車両を停止した状態のまま作業を行なうべく、或は助手席に設けたブレーキペダルの踏み込みに伴って制動を行なうべく、補助制動装置を作動させる際の作用は、前述した従来の全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブと同様である。特に、本発明の全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブの場合には、パイロットピストンを構成する有底円筒状の主部の内側に押圧ロッドの他端部が油密に嵌装し、上記主部の内面と上記押圧ロッドの他端面とで囲まれる空間により上記パイロットシリンダを構成している為、このパイロットシリンダの断面積を、上記押圧ロッドのうちでこのパイロットシリンダを構成する部分の断面積と等しくできる。又、上記主部の直径は、周囲に伝達ばねを設ける事ができ、且つ、この伝達ばねの外周面とこの伝達ばねの周囲に配置する部材とが干渉しない範囲で大きくできる。従って、パイロットシリンダの断面積を大きくして、補助制動装置による制動力を確保しつつ小型化を図る事が可能になる。
【0019】
【実施例】
図1は本発明の実施例を示している。尚、本発明の特徴は、補助制動装置による制動力を確保しつつ小型化を図るべく、この補助制動装置を構成するパイロットピストン31を押圧ロッド13の下端部に組み合わせる部分の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述した従来構造と同様であるから、重複する部分の図示並びに説明を、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0020】
車両を停止した状態のまま作業を行なう為の補助制動装置を構成するパイロットピストン31は、一端である上端が開口した有底円筒状の主部32を備える。又、この主部32の中間部外周面には、外向フランジ状の係止部33を形成し、伝達ばね19の上端をこの係止部33の下面に突き当てている。一方、押圧ロッド13の下端部には小径部34を形成し、この小径部34に上記主部32を油密に外嵌している。図示の実施例の場合には、上記小径部34の外周面に複数の凹溝を、それぞれ小径部34の全周に亙り形成して、この小径部34の外周面と上記主部32の内周面との間にラビリンスシールを設けている。
【0021】
上記補助制動装置の作動時に圧油を送り込む為のパイロットシリンダ15aは、上記主部32の内面と上記押圧ロッド13の下端部(他端部)に形成した小径部34の下端面(他端面)とで囲まれる空間により構成されている。更に、上部ケース2の側面に設けたパイロットポート27と上記パイロットシリンダ15aとは、上記押圧ロッド13の下端面に開口した中心孔35を介して互いに通じている。即ち、上記押圧ロッド13を挿通した第二シリンダ部14の内周面に大径部36を形成し、上記中心孔35に通じる分岐孔37の外周側開口を、この大径部36に対向させている。又、上記パイロットポート27に通じる給油孔38を、上記大径部36に通じさせている。従って、上記押圧ロッド13の昇降に拘らず、上記パイロットポート27とパイロットシリンダ15aとは連通したままとなる。
【0022】
尚、図示の実施例では、上記主部32の下半部に補助伝達ばね39の上端部を係止している。この補助伝達ばね39は、上記伝達ばね19が或る程度以上圧縮された場合に、上記係止部33とプライマリスプール6の上端部に係止した下側係止板18の上面との間で突っ張る。更に、復位ばね21の上端部は、上記押圧ロッド13の中間部に係止した係止ブラケット40の下端部に突き当てている。この係止ブラケット40は、金属板を絞り成形する事により略円筒状に造られており、上端部を上記押圧ロッド13の中間部に係止している。又、この係止ブラケット40の下端部外周面には複数の爪片41、41を、円周方向に亙って間欠的に突出形成している。上記復位ばね21の上端部は、これら各爪片41、41の下面に当接させている。
【0023】
上述の様に構成される本発明の全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブの場合には、パイロットピストン31を構成する有底円筒状の主部32の内側に押圧ロッド13の下端部に形成した小径部34を油密に嵌装する事により、上記パイロットシリンダ15aを構成している為、このパイロットシリンダ15aの断面積を、上記押圧ロッド13のうちでこのパイロットシリンダ15aを構成する部分である、上記小径部34の断面積と等しくできる。そして、この小径部34の断面積は、前記従来構造に於けるパイロットシリンダ15(図2〜3)の断面積に比べて大きくできる。即ち、上記主部32の直径は、周囲に前記伝達ばね19を設ける事ができ、且つ、この伝達ばね19の外周面と、この伝達ばね19の周囲に配置する復位ばね21やバルブケース1等の部材とが干渉しない範囲で大きくできる。従って、上記小径部34の外径を大きくする事により上記パイロットシリンダ15aの断面積を大きくして、補助制動装置による制動力を確保しつつ小型化を図る事が可能になる。言い換えれば、パイロットシリンダ15a部分で発生させる事ができる制動力が大きくなるので、このパイロットシリンダ15a内に送り込む油圧を低くできて、パイロット用アキュムレータの製作費の低廉化、油圧を発生する為のポンプの小型化、このポンプを運転するエンジンの動力損失の低減を図れる。
【0024】
尚、上述の実施例は、バルブケース1を鉛直方向に配置しているが、本発明はこの様な構造に限らず、上記バルブケース1を水平方向に配置する構造にも適用できる事は勿論である。更に、助手席に設けたブレーキペダルの踏み込みに伴って、上記パイロットポート27に圧油を送り込む様な構成を採用できる事も、又明らかである。従って、上記実施例の説明中での上下関係は、バルブケース1を鉛直方向に配置した実施例の場合のみで、特に特許請求の範囲に基づく本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0025】
【発明の効果】
本発明の全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブは、以上に述べた通り構成され作用するので、補助制動装置による制動力を確保しつつ小型化を図る事が可能になり、全油圧パワーブレーキ装置の設計の自由度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す、図2のA部に相当する部分縦断側面図。
【図2】従来構造の1例を示す縦断側面図。
【図3】図2のA部拡大図。
【符号の説明】
1 バルブケース
2 上部ケース
3 下部ケース
4 底蓋
5 第一シリンダ部
6 プライマリスプール
7 セカンダリスプール
8 取り付け基板
9 ボルト
10 横軸
11 ブレーキペダル
12 ローラ
13 押圧ロッド
14 第二シリンダ部
15、15a パイロットシリンダ
16 パイロットピストン
17 上側係止板
18 下側係止板
19 伝達ばね
20 係止板
21 復位ばね
22a、22b 受入ポート
23a、23b 吐出ポート
24a、24b 小径部
25 係止板
26 復位ばね
27 パイロットポート
28a、28b リアクションチャンバ
29a、29b リアクションプランジャ
30a、30b 小通孔
31 パイロットピストン
32 主部
33 係止部
34 小径部
35 中心孔
36 大径部
37 分岐孔
38 給油孔
39 補助伝達ばね
40 係止ブラケット
41 爪片

Claims (1)

  1. バルブケースと、このバルブケースの片半部内側に設けられた第一シリンダ部と、この第一シリンダ部の一部内側面にその内端を、上記バルブケースの一部外側面にその外端を、それぞれ開口させた状態で設けられ、その外端開口を圧油源に通じさせた受入ポートと、上記第一シリンダ部の一部内側面にその内端を、上記バルブケースの一部外側面にその外端を、それぞれ開口させた状態で設けられ、その外端開口をブレーキシリンダに通じさせた吐出ポートと、上記第一シリンダ部の内側に、油密に且つ軸方向に亙る変位自在に嵌装されて、上記バルブケースの一端側への変位に基づいて上記受入ポートと吐出ポートとを連通させるスプールと、これら受入ポートと吐出ポートとの連通を断つべく、このスプールを上記バルブケースの他端側に押圧する復位ばねと、上記バルブケースの他半部内側に設けられた第二シリンダ部と、この第二シリンダ部の内側に軸方向に亙る変位自在に嵌装され、その一端部をこの第二シリンダ部の一端開口から突出させて上記バルブケース外に、その他端部を上記第二シリンダ部の他端開口から上記第一シリンダの側に、それぞれ突出させた押圧ロッドと、この押圧ロッドの他端部と上記スプールの端部との間に設けられて、上記押圧ロッドの動きをスプールに伝達する、上記復位ばねよりも大きな弾力を有する伝達ばねと、上記押圧ロッドの他端側部分に、この押圧ロッドに対する軸方向に亙る変位を自在に支持されて、上記第一シリンダ部側への変位に基づいて上記伝達ばねを上記スプールに向けて押圧するパイロットピストンと、このパイロットピストンと上記押圧ロッドとの間に設けられたパイロットシリンダと、上記バルブケースの一部外側面に開口してこのパイロットシリンダに通じるパイロットポートとを備えた全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブに於いて、上記パイロットピストンは、一端が開口した有底円筒状の主部と、上記伝達ばねの一端部を係止する為にこの主部の外周面に設けられた外向フランジ状の係止部とを備え、この主部の内側に上記押圧ロッドの他端部が油密に嵌装されており、上記パイロットシリンダは上記主部の内面と上記押圧ロッドの他端面とで囲まれる空間により構成されており、上記パイロットポートと上記パイロットシリンダとは、上記押圧ロッドの他端面に開口した中心孔を介して互いに通じている事を特徴とする全油圧パワーブレーキ装置用ブレーキバルブ。
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