JP3794358B2 - 電源制御方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、コンピュータ・システムの管理装置(以下、マネージャと称す)に関し、特に、ローカル・エリア・ネットワーク(以下、LANと称す)や公衆回線等のネットワークによって複数のコンピュータが接続されたクライアント・サーバ・システム(以下、CSSと称す)において、ネットワークを介して、ネットワーク上の複数のコンピュータの障害や性能の監視や制御を行う管理システムに関する。
【0002】
【従来技術】
パーソナルコンピュータやワークステーション高性能化により、複数台のコンピュータをLANで接続してシステムを構築するCSSが普及してきた。CSSでは、クライアントやサーバとなるコンピュータに、様々なタイプのネットワーク・オペレーティング・システム(以下、ネットワークOSと称する)を搭載して、それぞれのコンピュータをネットワークで接続し、連携させて運用する。
【0003】
こうしたCSSシステムでは、規模が大きくなるにつれ、クライアントやサーバとなるコンピュータの台数が、数百から数千台にも及ぶため、システム管理者の人手でネットワークやそれぞれのコンピュータを管理運用した場合、システム管理者の負担とそのコストが増大し、問題となってきている。こうした問題を解決するために、LAN上の少なくとも一つのコンピュータに管理装置(以下、マネージャと称する)とLANに接続されている管理対象の各サーバやクライアントに、前記マネージャの指示にしたがって各コンピュータの管理を行う管理装置(以下、エージェントと称す)を搭載し、ネットワーク介してマネージャから一括して管理を行う管理システムが提供されている。特に、企業の基幹業務向けのCSSシステムを構築する場合には、サーバに対して高い信頼性が要求されることから、主にサーバの障害管理に焦点を置いた管理システムが提供されている。
【0004】
このような障害管理に焦点を置いたシステムでは、特開平5-257914に示されるように、コンピュータ本体の拡張インターフェイス等に、本体とは独立したプロセッサを搭載した障害監視を行うための専用の拡張ボードを接続して、拡張ボードで収集した障害情報をエージェントが受け取り、障害警告等として、ネットワークOSを介して、LANで接続された他の管理コンピュータのマネージャに送付し、障害管理を行っている。さらには、モデムと公衆回線で接続されたリモートのコンピュータからもこうした収集情報が取得できるように、前記拡張ボードに非同期インターフェイスを搭載し、モデムと公衆回線経由で、リモートの管理コンピュータからも前記拡張ボードに接続し、専用のマネージャで障害監視ができるようにしている。このようなリモートからの監視は、ネットワークOSが正常に動作できなないような致命的障害が管理対象のコンピュータで発生した場合でも、前記拡張ボード上の本体とは独立したプロセッサで障害監視や警告を行うため、障害監視を継続して行えるメリットがある(図2)。
【0005】
一方、CSSのネットワーク環境を提供するネットワークOSの最近の動きとして、LANで接続された複数のコンピュータに対してネットワーク機能を提供するだけでなく、モーバイル・コンピュータとオフィスのコンピュータを接続する等、ネットワーク接続の範囲やシステムの応用範囲を広げるために、図3に示すように、モデムと公衆回線を接続された遠隔地のコンピュータ間にもLANで接続したコンピュータとまったく等価なリモート・アクセス機能を実現し、公衆回線接続も含めて、透過的なネットワーク環境を提供するものが出てきた。ネットワークOS上で動作するアプリケーション(AP)からは、通信速度を除けば、下位のネットワークが、LANで接続されているか、回線で接続されている意識する必要がない。このようなネットワークOSの例としては、米国マイクロソフト社のWindows NTのリモート・アクセス・サービス(RAS)等があり、今後のネットワークOSの標準的な機能となりつつある。したがって、回線接続されたリモートのコンピュータに対してもLAN用の管理システムを導入でき、統一的な管理が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術による障害監視に重点を置いたシステムでは、前記のネットワークOSのリモート・アクセス機能について配慮していないため、前記リモート・アクセス機能を利用して、公衆回線によって接続されたリモートのコンピュータからもLAN接続されたコンピュータと同様のシステム管理を行おうとすると、図4のように、前記リモート・アクセス機能を利用して、エージェントを介してシステム管理を行うためのリモート管理コンピュータとそれを接続するための回線及びモデム、そして、前記拡張ボードに直接接続して管理するためのリモート管理コンピュータとやはり、それを接続するための回線及びモデムが必要となる。2台の管理コンピュータと2回線及び2つのモデムが、管理コンピュータ側に、管理対象コンピュータ側にも2回線及び2つのモデムが必要となり、運用上の障害となる可能性があった。
【0007】
本発明では、前記リモート・アクセス機能を利用して、LAN接続されている場合と同じように、リモート管理コンピュータのマネージャから管理対象コンピュータのエージェントを介して行うシステム管理は、管理対象コンピュータが正常動作している場合の定常的なシステム管理に好適であり、一方、前記拡張ボードに直接モデムと回線を接続してシステム管理を実現した場合には、管理対象コンピュータで致命的障害が発生しエージェントが動作できない場合のシステム管理に好適であるという、それぞれ異なった排他的な場面で有効なシステム管理方式であることに着目して、1台のリモート管理コンピュータと1回線と1つのモデムで、上記二つの方法によるリモートからのシステム管理を実現するための手段を提供することを目的とする。これにより、運用上の障害となる冗長なリモート管理コンピュータと回線及びモデムを削減するものである。
【0008】
また、従来、LANや公衆回線で接続されたマネージャからは実現できなかった管理対象コンピュータのリモートからの電源制御も合わせて実現し、複数のコンピュータの細かな障害からシステム・ダウンに至る重大な障害までの障害管理と管理対象コンピュータの起動・停止等の運用支援をLANや公衆回線で接続されたマネージャから一括に行う環境を提供し、システム管理者の負担と管理コストを低減するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明では、管理対象コンピュータ上で障害監視や電源制御を行うエージェントと管理対象コンピュータ本体とは独立したプロセッサにより制御され、エージェントと連携して障害の監視や電源制御を行う拡張ボードであるサービス・プロセッサ・ボード(以下、SVPボードと称す)、公衆回線、または、LANで接続された管理コンピュータ上で動作し、リモート・アクセス機能を含むネットワークOSを介してエージェントに接続し、システム管理を行うマネージャ、公衆回線で直接SVPボードに接続し、SVPボードの制御を行うSVPマネージャを有する。
【0010】
さらに、SVPボード上には、SVPボードのプロセッサに接続された非同期インターフェイスと管理対象コンピュータからアクセス可能な非同期インターフェイスのうち何れか一方を選択的に回線に接続したモデムに接続するためのスイッチ回路とその切換制御手段を有する。また、SVPボードには、管理対象コンピュータからアクセス可能な非同期インターフェイスを介して回線接続後、回線の接続状況を監視し、回線切断を契機にSVPボードのプロセッサ側に前記の非同期インターフェイスのスイッチ回路切換える回線接続監視手段を有する。
【0011】
さらに、SVPボードには、電源ユニットの電源ON/OFFを制御するための電源制御回路とその制御手段を有する。
【0012】
また、SVPマネージャには、前記の非同期インターフェイスのスイッチ回路の切換え要求をユーザ操作に合わせて送付する回線切換え手段を有する。
【0013】
【作用】
管理対象コンピュータが電源OFFの状態には、前記SVPボードの非同期インターフェイスのスイッチ回路は、SVPボードのプロセッサ側に選択しておく。また、SVPボードは、前記サブ電源により本体電源OFF時でも常時稼動状態にする。したがって、SVPマネージャがSVPボードに常時、直接接続することが可能となり、前記SVPボードの電源制御回路に電源ON要求を送付してリモートから本体電源をONすることが可能となる。
【0014】
また、管理対象コンピュータが電源ONされた後、正常に動作している状態では、前記非同期インターフェイスのスイッチ回路を前記SVPマネージャの回線切換え手段により管理対象コンピュータからアクセス可能な非同期インターフェイス側を選択する。これにより、管理コンピュータのリモート・アクセス機能と管理対象コンピュータのリモート・アクセス機能によりそれぞれネットワークOSが接続できるので、リモートからマネージャによりエージェント経由で障害監視や電源制御を行うことができる。
【0015】
さらに、前記の回線接続監視手段により、リモート・アクセス機能による接続を終了させたり、障害により接続が切断された場合には、常に、前記非同期インターフェイスのスイッチ回路をSVPボードのプロセッサ側を選択しておくことになる。したがって、管理対象コンピュータで、致命的障害が発生してネットワークOSやエージェントが動作できなくなった場合には、SVPマネージャがリモートから、直接、SVPボードに接続して、障害診断やリモート・リセット等を行うことが可能となる。
【0016】
【実施例】
図1に本発明を実現する一実施例のブロック図を示し、構成について説明する。
10は、管理対象コンピュータ、11は、管理対象コンピュータのハードウェア、12は、SVPボード、121は、SVPのプロセッサによって制御するファームウェアであるSVP制御部、122は、非同期インターフェイスのスイッチ回路、123は、SVPボードのプロセッサに接続された非同期インターフェイス(以下、非同期I/Fと称す)、124は、管理対象コンピュータ10からアクセス可能な非同期I/F、13は、電源ユニット、131は、SVPボードに、常時電源供給するサブ電源、141、142は、LANアダプタ、15は、ディスク装置、161、162、163は、コンピュータで通信を行うためのネットワークOS、1611、1631は、公衆回線経由でネットワークOSを接続さるためのリモート・アクセス機能、17は、ネットワークOS上で動作し、管理対象コンピュータ10の障害監視や電源制御を管理するエージェント、181、182は、リモート・アクセス機能1611、1631が公衆回線にアクセスするための回線ドライバ、19は、本体バスを介して、エージェント17とSVPボード12間でのデータ交換を行う行うSVPドライバ、201、202は、ネットワーク・アダプタ141、142を制御するネットワーク・ドライバ、21は、ディスク15を制御するディスク・ドライバ、22は、管理コンピュータと管理対象コンピュータを接続するLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、23は、管理対象コンピュータにLANで接続された管理コンピュータ、241、242は、ネットワークOS161、162、163により、エージェント17と接続して管理対象コンピュータ10の管理を行うマネージャ、25は、管理対象コンピュータ10あるいはSVPボード12とリモート管理コンピュータである27を接続するための公衆回線、261、262は、回線接続を行うためのモデム、28は、リモート管理コンピュータが27が、モデムに接続するための非同期I/F、29は、SVPボードに直接接続して、電源ON/OFFや致命的障害監視を行うSVPマネージャである。
【0017】
リモート管理コンピュータ27と管理対象コンピュータ10とは、回線25により接続されるが、リモート・アクセス機能1611、1631により、低速であるが、LAN22で接続された管理コンピュータとまったく等価であり、透過的なネットワーク環境が実現される。マネージャ242は、このリモート・アクセス機能により、管理対象コンピュータ10と接続されている場合に利用する管理装置であり、マネージャ241と242とはまったく同一のものであってよい。リモート・アクセス機能により公衆回線での接続を含めて透過的なシステム管理を実現できる。
【0018】
マネージャ242の障害管理部2421は、リモート・アクセス機能により接続時において、致命的な障害至らない場合の定常的な障害管理を行う。障害管理2421は、リモート・アクセス機能1631から回線25を経由して、リモート・アクセス機能1611によって、エージェント17に接続され、エージェント17を介して管理対象コンピュータの障害管理を行う。また、電源管理部2422も同様にエージェント17を介して電源管理を行う。
【0019】
エージェント17は、SVPドライバ19によって、SVPボード12の障害監視部1211からの障害情報を受け取ったり、電源制御部1212に電源ON/OFF要求を送付する。
【0020】
一方、管理対象コンピュータ10が、電源OFF時や致命的傷害を発生した後では、既に、ネットワークOS161が動作できない状況にあり、リモート・アクセス機能を介してのマネージャ242からエージェント17への接続は行えない。管理対象コンピュータに致命的障害が発生した場合でも、SVPボードは、独立したプロセッサで制御するため、正常に動作し続ける。また、本体が電源OFF状態でも、SVPボード12には、サブ電源131により常時電源供給するので動作している。
【0021】
そこで、致命的障害発生時や電源OFF時に、SVPボードに直接接続して、管理対象コンピュータ10の障害管理や電源制御を行うのが、SVPマネージャ29である。回線制御部1213は、本体電源OFF時には、非同期I/Fスイッチ回路22を非同期I/F123側に選択しておく。これにより、SVPマネージャ29は、回線管理部291によって、回線25経由で、SVPボード12の回線制御部1213と接続することが可能となる。接続後、SVPマネージャ29は、電源管理部292によって、SVPボード12の電源制御部1212に電源ON要求を送付し、管理対象コンピュータ10の電源をONすることができる。
【0022】
また、管理対象コンピュータ10で、致命的障害が発生した場合、致命的障害監視部1214は、回線制御部1213によって、自動的にダイアルし、回線25を介してSVPマネージャ29の致命的傷害管理部293に障害発生を通知する。
【0023】
図5は、SVPボード、SVPマネージャ、マネージャの構成と関係を示す詳細ブロック図である。図6から図21までは各制御手段の動作を示すフローチャートである。図1、図5、および図6から図21のフローチャートにより実施例の詳細制御を説明する。
【0024】
図6のフローチャートが示すように、まず、ユーザは、回線制御手段2912に管理対象コンピュータ10の電話番号を入力し、SVPマネージャ29からSVPボード12への回線接続要求を出す(ステップ5001)。回線接続手段2912は、非同期I/F28を介して、モデム262を制御し、回線25経由で、モデム261と回線接続する(ステップ5002)。これにより、SVPマネージャ29から非同期通信制御部12131を介して、SVPボードと通信が可能になる。以後、SVPマネージャからSVPボードへの全てのアクセスでは、この回線接続を既に行っていることを前提に説明する。
【0025】
次に、リモート電源ON/OFFについては、図7のフローチャートが示すように、ユーザは、リモート電源ON/OFF手段292に電源ON要求を出す(ステップ5011)。リモート電源ON/OFF手段292は、非同期I/F28、回線25、非同期I/F123、非同期通信制御部12131を介して(以下、同じ経路では、回線25を介してと省略する)、電源制御部12122に電源ON(OFF)要求を送付(ステップ5912)。電源制御部12122は、電源ユニット13を制御して、電源ON(OFF)する(ステップ5013)。
【0026】
次に、回線切換えについては、図8が示すように、SVP側に選択されている非同期インターフェイス・スイッチ回路22の本体側への回線切換えを行う。ユーザは、回線切換手段2911に回線切換え要求を出す(ステップ5021)。回線切換手段2911は、回線25を介して、回線切換制御部12132に回線切換え要求を送付(ステップ5022)。回線切換制御部12132は、非同期インターフェイスのスイッチ回路22を制御して、非同期I/F124側に切換える(ステップ5023)。回線ドライバ181が、モデム261の接続を検出し、リモート・アクセス機能1661に通知する(ステップ5024)。リモート・アクセス機能1661は、回線ドライバ181により、モデム261を初期化し、接続待ち状態となる(ステップ5025)。
【0027】
回線切換えで、リモート・アクセスによる接続(リモート・アクセス接続)の準備ができたので、次に、図9のように、リモート・アクセス機能接続を行う。ユーザは、リモート・アクセス機能1631に管理対象コンピュータ10側の電話番号(回線、モデムが同一なので、同一番号)を入力し、回線接続要求を出す(ステップ5031)。リモート・アクセス機能1631は、回線ドライバ182により、非同期I/F28、モデム262を制御して、回線25経由で、モデム261に回線接続する(ステップ5032)。回線ドライバ182、非同期I/F28、回線25、非同期I/F124、回線ドライバ181を介して、リモート・アクセス機能1631とリモート・アクセス機能1611との間でリモート・アクセス接続を相互に確立する(ステップ5033)。
【0028】
リモート・アクセス接続の切断は、図10のフローチャートが示すように、ユーザは、リモート・アクセス機能1631に回線切断要求を出し、リモート・アクセス機能1631との間で、相互に接続解除し、回線を切断する(ステップ5041〜5043)。回線接続監視部12133は、リモート・アクセス接続の確立を契機に、非同期I/Fと外部モデムを接続するための非同期I/Fドライバ回路125を介して、モデム261のキャリア信号により回線切断を監視する。これより、前記の回線切断を検出し、回線切換制御部12132に回線切換要求を送付し、非同期I/F切換スイッチ122を非同期I/F123側に切り換える(ステップ5044〜5045)。これにより、リモート・アクセス接続されている場合を除き、SVPマネージャ29が常に、SVPボード12に回線接続できるようになる。
【0029】
次に、管理対象コンピュータが正常に動作している定常状態での障害監視機能である障害警告とエージェント17での障害ロギングについて説明する。筐体温度異常、FANの停止、電源ユニットの異常等が障害信号として、管理対象コンピュータ10からSVPボードに通知するケーブル等を有する。障害警告は、図11のように、障害監視12111が常に、前記の本体の筐体温度センサ等から来る障害信号をモニタし、障害発生を障害イベント生成部12112に通知する(ステップ5051)。障害イベント生成部12112で生成した障害イベントは、障害ログ記録部12113でロギングする一方、本体バス、SVPドライバ19経由で、エージェント17に送付する。(ステップ5052〜5054)。SVP内のログ領域は容量にある程度制限があるため、エージェント17は、障害イベントをファイルにロギングした後、障害警告として、リモート・アクセス接続されている場合は、マネージャ242に送付する(ステップ5055)。SVP内部の障害ログは、ファイルに保存された障害ログがディスクの障害等で失われた場合の予備としてロギングするものと考えられる。リモート管理コンピュータでの管理中心に説明しているが障害イベントは、もちろん、LANで接続されたマネージャ241にも送付する。障害警告送付されるとマネージャ242の障害警告表示手段24211が画面に障害警告ウィンドウなど、グラフィック・ユーザ・インターフェイス等で表示し、障害発生を即ユーザに知らせることが可能となる。これにより、重大な障害の予防や障害対策時間の短縮化を図ることができる(ステップ5056)。
【0030】
図12のフローチャートが示すように、障害イベントは、SVPボード内部でのみ検出されるものでなく、ディスク15やネットワークアダプタ141で発生した障害イベントは、それぞれディスクドライバ21やネットワークドライバ201からSVPドライバ19と同様に送付し、エージェント17は、同じくファイルにロギングし、マネージャ242に送付する(ステップ5061〜5062)。これらのSVPボード12以外で発生した障害イベントの場合、SVP内部のログとしても残すために、エージェント17はSVPドライバ19介して、SVPボード12の障害ログ記録部12133に送付する(ステップ5063〜5065)。
【0031】
これらの障害ログは、警告としてマネージャ242に送付されるだけでなく、必要に応じて、マネージャ241、242から全ての障害ログを参照できるようにする。図13のフローチャートに示すように、ユーザは、リモート・アクセス機能1631でリモート・アクセス接続されている状態で、マネージャ242の障害ログ表示手段24212により障害ログ要求をリモート・アクセス機能1631を介してエージェント17に送付する(ステップ5071〜5072)。エージェント17は、ファイルにロギングされた前障害ログをマネージャ242に送り返し、それを障害ログ表示手段24212により、画面に表示する(ステップ5073〜5074)。これにより、ユーザは、過去の障害履歴からコンピュータの状態を解析し重大な障害の予防を行ったり、障害原因の解析のデータを得ることができる。
【0032】
次に、マネージャ242の電源管理について説明する。マネージャ242の電源管理部2422には、電源OFF手段24222と定時刻電源ON/OFF手段24221がある。電源OFF手段24222では、図14のフローチャートのように、ユーザは、電源OFF手段24222により電源OFF要求をリモート・アクセス機能1631によりエージェント17に送付する(ステップ5081〜5082)。エージェント17は、ネットワークOS161にシステム終了要求を出し、システム終了処理完了後、SVPドライバ19介して、SVPボード12の電源制御部12122に電源OFF要求を送付する。電源制御部12122は、電源OFF要求を受け、直ちに、電源ユニット13を制御し電源OFFする(ステップ5083〜5086)。
【0033】
定時刻電源ON/OFF設定では、図15のフローチャートのように、定時刻電源制御手段24221によりユーザが設定した電源ON/OFF要求時刻をリモート・アクセス機能1631によりエージェント17に送付する(ステップ5091〜5092)。エージェント17は、SVPドライバ19介して、SVPボード12の定時刻電源制御部12121に電源ON/OFF要求時刻を送付する。定時刻電源制御部12121は、RTC(リアルタイムクロック)127に電源ON/OFF要求時刻を設定する(ステップ5093〜5095)。
【0034】
定時刻電源OFFでは、図16のフローチャートのように、設定された電源OFF要求時刻が来ると、RTC127が定時刻電源制御部12121に電源OFF要求時刻が来たことを通知する(ステップ5101)。定時刻電源制御部12121は、SVPドライバを介して、一旦、電源OFF要求をエージェント17に送付する(ステップ5102)。エージェント17は、ネットワークOS161にシステム終了要求を出し、システム終了処理完了後、SVPドライバ19介して、SVPボード12の電源制御部12122に電源OFF要求を送付する。電源制御部12122は、電源OFF要求を受け、直ちに、電源ユニット13を制御し電源OFFする(ステップ5103〜5106)。
【0035】
定時刻電源ONでは、図17のフローチャートのように、設定された電源ON要求時刻が来ると、RTC127が定時刻電源制御部12121に電源ON要求時刻が来たことを通知する(ステップ5111)。定時刻電源制御部12121は、電源制御部12122を介して、電源ユニット13を制御し電源ONする(ステップ5112)。
【0036】
次に、SVPマネージャ29の致命的障害管理部293について説明する。致命的障害管理部293には、障害自動通報受信手段2931、障害診断手段2932、リモート・リセット手段2933、システム動作確認手段2944が有り、それぞれ管理対象コンピュータ10で、致命的障害が発生した場合の、通報から診断、リセットとリモート管理対象コンピュータ27から初期対策を行うための機能を提供する。
【0037】
図18のフローチャートに示すように、障害自動通報は、管理対象コンピュータ10で致命的障害が発生すると、まず、リモート・アクセス機能1631とリモート・アクセス機能1611との間で、リモート・アクセス接続されていた場合、リモート・アクセス機能1611の応答が無い事で、リモート・アクセス機能1631によって回線が切断される(ステップ5121〜5122)。回線接続監視部12133は、リモート・アクセス接続中は、非同期I/Fドライバ回路12モデム261のキャリア信号により、回線切断を監視しており、ここで回線切断を検出し、回線切換制御部12132に回線切換要求を送付し、非同期I/F切換スイッチ122を非同期I/F123側に切り換える(ステップ5123〜5124)。リモート・アクセス接続中でない場合は、ステップ5122〜5124)は、スキップする。本体OS状態監視部12141は、定期的にSVPドライバ19と連絡しあい、管理対象コンピュータ10の正常動作を随時確認する。致命的障害時にはSVPドライバからの応答が無いことで、管理対象コンピュータ10のシステム・ダウンを検出し、障害自動通報制御12141に通報する(ステップ5125〜5126)。あらかじめ登録されている電話番号で、非同期通信制御部12131により、障害自動通報制御12142は、リモート管理コンピュータ27と回線接続し、SVPマネージャ29の障害自動通報受信手段2931にシステム・ダウンを通知する(ステップ5127〜5128)。障害自動通報受信手段2931は、管理対象コンピュータ10のシステム・ダウン・メッセージを表示して、ユーザに伝える(ステップ5129)。
【0038】
図19のフローチャートが示すように、障害診断では、致命的障害の通報を受けたユーザが、障害診断手段2932に障害情報取得要求を出す(ステップ5131)。障害診断手段2932は、回線25を介して、障害監視部12111に障害信号情報を、障害ログ記録部12113に全障害ログ情報を、それぞれ要求し、回線25経由で、取得し、画面に表示する(ステップ5132〜5136)。ユーザは、これらを見て、管理対象コンピュータ10の現在の状態を確認し、また、過去の障害ログの履歴から致命的障害に至るまでの経過を確認できる。
【0039】
リモート・リセットについては、図20のフローチャートが示すように、リモート・リセット手段2933では、回線25を経由して、電源制御部12122に電源OFF要求と電源ON要求とを連続に送付し、電源OFF後、直ちに、電源ONすることで、管理対象コンピュータ10にリセットをかける(ステップ5141〜5145)。前記の障害診断手段2932で、特に、問題がないと判断された場合、このリセットをかけることで、管理手段コンピュータ10に再スタートをかけられる。システム・ダウンの多く原因は、ネットワークOSの不具合等で、たまたま、障害が発生した場合もあり、再スタートにより、正常に動作させられるケースも多い。ユーザの判断で、再スタートさせることも初期対策として、有効な手段である。
【0040】
リモート・リセット後のシステム動作確認は、図21のフローチャートが示すように、システム動作確認手段2944が、回線25を経由して、本体OS状態監視部12141にシステム動作確認要求を送付する(ステップ5151〜5152)。本体OS状態監視部12141は、SVPドライバ19に応答を要求し、その応答の有無でシステム動作中か判断し、回線25経由で結果をシステム動作確認手段2944に返す(ステップ5153〜5155)。システム動作確認手段2944は、システム動作状態のメッセージを画面表示し、ユーザに知らせる(ステップ5156)。
【0041】
次に、SVPボード12のハードウェアの実施例について、図22のブロック図を用いて説明する。
【0042】
1201は、SVPボードのローカルプロセッサで、管理対象コンピュータ本体のCPU52とは、独立したプロセッサである。1202は、管理対象コンピュータ10の障害を監視する複数のセンサから障害に関する情報を信号として送付する信号線郡からローカル・プロセッサ1201が信号の状態を入力するためのSVPインターフェイス制御回路である。センサとしては、筐体温度異常を監視するセンサ、FAN停止を監視するセンサ、電源ユニット異常を監視するセンサ、前記I/Oバスに接続する周辺機器ボードの障害を監視するセンサ、ディスク装置、特に、ディスクアレイ装置を構成するハードディスクドライブの障害を監視するセンサ等が挙げられる。
【0043】
1203は、回線25に接続されたモデム261を制御して通信を行うための回線制御回路である。1204は、電源ユニット13を制御して管理対象コンピュータ10本体の電源ON/OFFを制御する電源制御回路である。また、SVPボードは、サブ電源から131から常時電源供給を受ける。1205は、SVPボードのスタート・プログラム等を格納するPROM、1206は、SVP制御部121のプログラムや障害ログ情報を格納するための書き換え可能なEEPROMである。1207は、SVP制御の制御プログラムを実行するためのワーク領域となるSRAMである。SVP制御部は、EEPROM1206およびSRAM1207上の制御プログラムとしてローカル・プロセッサ1201により制御する。1208は、ローカル・プロセッサ1201にメモリ、周辺回路を接続するためのローカル・バスである。52は、管理対象コンピュータ10本体のCPU、51はSVPボード12と本体を接続するための本体側のEISAバス。1241は、本体CPU52からアクセス可能なシリアルポート制御回路で、本体CPU52が、EISAバス51を介して、モデム261に接続するための非同期I/Fとして動作する。1251は、モデム261とSVPボードを接続するためのRS232Cドライバ回路である。ローカルプロセッサ1201は、RS232Cドライバ回路1251からモデム261のキャリア信号をモニタし、回線の接続状態を監視する。1261は、ローカル・プロセッサ1201が、EISAバス51を介して、管理対象コンピュータ10本体のI/OやメモリにアクセスするためのEISAバス・マスター制御回路である。
【0044】
次に、図5の実施例と図22のブロック図の関係について説明する。バス制御部1215は、バス制御回路126にあたるEISAバス・マスター制御回路1261を制御し、SVPドライバ19と、ひいては、エージェント17と障害イベントの送付などのデータ交換を行う。障害監視部12111は、SVPインターフェイス制御回路1202を介して、筐体温度異常、電源ユニット異常、FAN停止などのアラーム信号を受信し、障害イベント生成部12112に障害発生を通知する。回線接続監視部12133は、RS232Cドライバ回路1251からモデム261のキャリア信号をモニタし、回線の接続状態を監視する。回線切換制御部12132は、SVPマネージャ29の回線切換手段2911からの切換え要求や回線接続監視部12133かの切換え要求によって、非同期I/Fスイッチ回路122を制御し、回線制御回路1203、あるいは、シリアルポート制御回路1241の何れかを選択する。回線制御回路1203側が選択されている場合、非同期通信制御部12131は、回線制御回路1203を制御し、回線25を介して、SVPマネージャ29とデータ交換する。一方、シリアルポート制御回路1241が選択されている場合は、管理コンピュータ10の回線ドライバ181がシリアルポート制御回路1241を制御し、回線25を介して、リモート・アクセス機能1611と1631とを接続する。電源制御部12122は、エージェント17や定時刻電源制御部12121、リモート電ON/OFF手段2921の電源ON/OFF要求によって、電源制御回路1204を制御し、電源ユニット13のON/OFFを制御する。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、LANだけでなく公衆回線で接続された複数のコンピュータの障害監視や電源制御をネットワークOSのリモート・アクセス機能によって、通常のLAN接続した場合と同様に、エージェントを介した統一的手法で、一括集中的に行うことが可能であり、特に、広域なネットワークでのシステム管理者のコンピュータ管理の負担を大幅に低減することが可能となる。また、筐体温度異常、電源ユニット異常、FAN停止、ディスクエラーといった重大な障害につながる障害を障害警告として、早期にかつ網羅的に監視可能であり、事前対策により、システム障害予防を行うことが可能である。また、一旦、致命的障害が発生し、コンピュータがシステムダウン状態に陥った場合にも、公衆回線などネットワークを介して、システム管理者が即座に通知が受けられ、また、障害に関連した情報の取得やリモートからの電源OFF、リモート・リセット、リセット後のシステム動作確認が可能であり、即座に致命的障害に対する初期対応を展開できる。ひいては、システムダウン時間の低減を実現し、障害による損害を最少に押さえることができる。また、LANや公衆回線などネットワークを介して、常時、自動で、定時刻電源ON/OFFやリモートからの電源ON/OFF制御が可能であり、ネットワークで接続されたコンピュータの一括運用管理を実現し、システム管理者の負担低減図り、遠隔運用保守を支援する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図2】従来技術のシステム構成を示すブロック図である。
【図3】リモート・アクセス機能を示すブロック図である。
【図4】従来技術での問題点を示すブロック図である。
【図5】実施例の詳細を示すブロック図である。
【図6】回線接続手順を示すフローチャートである。
【図7】リモート電源ON/OFF手順を示すフローチャートである。
【図8】回線切換手順を示すフローチャートである。
【図9】リモート・アクセス手順を示すフローチャートである。
【図10】リモート・アクセス切断手順を示すフローチャートである。
【図11】障害警告/障害ロギング手順を示すフローチャートである。
【図12】障害ロギング手順を示すフローチャートである。
【図13】障害ログ表示手順を示すフローチャートである。
【図14】電源OFF手順を示すフローチャートである。
【図15】定時刻電源ON/OFF時刻設定手順を示すフローチャートである。
【図16】定時刻手順電源OFF手順を示すフローチャートである。
【図17】定時刻電源ON手順を示すフローチャートである。
【図18】障害自動通報手順を示すフローチャートである。
【図19】障害診断手順を示すフローチャートである。
【図20】リモート・リセット手順を示すフローチャートである。
【図21】システム動作確認手順を示すフローチャートである。
【図22】 SVPボードのハードウェアの実施例を示すブロック図である。
【図23】図1の実施例を修正した他の実施例を示すブロック図である。
【図24】図23の実施例の詳細を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…管理対象コンピュータ、11…管理対象コンピュータのハードウェア、12…SVPボード、121…SVP制御部、122…非同期インターフェイスのスイッチ回路、123、124…非同期インターフェイス、13…電源ユニット、131…サブ電源、141、142…LANアダプタ、15…ディスク装置、161、162、163…ネットワークOS、1611、1631…リモート・アクセス機能、17…エージェント、181、182…回線ドライバ、19…SVPドライバ、201、202…ネットワークドライバ、21…ディスクドライバ、22…ローカルエリアネットワーク、23…管理コンピュータ、241、242…マネージャ、25…公衆回線、261、262…モデム、28…非同期I/F、29…SVPマネージャ、30…状態監視回路、31…状態監視ドライバ
Claims (7)
- 管理コンピュータとネットワークを介して接続されるコンピュータであって、
オペレーティングシステム及びエージェントを実行するプロセッサと、
前記プロセッサに供給される電源を制御する電源制御部と、
前記電源制御部に接続される第1のインタフェースと、前記プロセッサに接続される第2のインタフェースとを備え、前記第1のインタフェースあるいは前記第2のインタフェースいずれかと前記ネットワークとの接続を制御する接続部と、
前記電源制御部及び前記接続部とに接続される制御部とを有し、
前記接続部は、前記第2のインタフェースが前記ネットワークと接続されている場合、前記管理コンピュータから該コンピュータの電源OFFの指示を示す情報を取得し、前記受信された電源OFFの指示に基づいて、前記プロセッサで実行される前記エージェントに該コンピュータの電源OFFを通知し、前記ネットワークとの接続を前記第2のインターフェースから前記第1のインタフェースに切り替え、
前記プロセッサは、前記エージェントの処理に基づいて、前記オペレーティングシステムの終了処理を行い、前記終了処理の完了後、前記制御部に終了処理の完了を通知し、
前記制御部は、前記通知の受領後、前記電源制御部に電源OFFを通知し、
前記電源制御部は、前記電源OFFの通知に基づいて、前記プロセッサに供給される電源
を遮断することを特徴とするコンピュータ。 - 前記プロセッサと前記制御部との間の通信は、SVPドライバに基づいて行
われることを特徴とする請求項1記載のコンピュータ。 - 前記電源制御部は、前記プロセッサに供給される電源とは別電源が供給されることを特徴とする請求項2記載のコンピュータ。
- 請求項1記載のコンピュータであって、
さらに、前記接続部は、前記管理コンピュータから該コンピュータの電源OFFに関するスケジュールの情報を取得し、
前記制御部は、前記スケジュールの情報を該制御部が有する記憶部に格納し、
前記制御部は、前記格納されたスケジュールの情報に基づいて、前記プロセッサで実行される前記エージェントに該コンピュータの電源OFFを通知することを特徴とする請求項1記載のコンピュータ。 - 請求項4記載のコンピュータであって、前記プロセッサと前記制御部との間の通信は、
SVPドライバに基づいて行われることを特徴とするコンピュータ。 - 前記電源制御部は、前記プロセッサに供給される電源とは別電源が供給されることを特徴とする請求項5記載のコンピュータ。
- 請求項4ないし6いずれか記載のコンピュータであって、
前記接続部は、前記管理コンピュータから該コンピュータの電源ONに関する第二のスケジュールの情報を受信し、
前記制御部は前記第二のスケジュールの情報を前記記憶部に格納し、
前記制御部は、前記格納された第二のスケジュールの情報に基づいて、前記電源制御部に電源ONを通知し、
前記電源制御部は、前記電源ONの通知に基づいて、前記プロセッサに電源を供給することを特徴とする請求項4ないし6いずれか記載のコンピュータ。
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