JP3793803B2 - 被膜形成用エマルション組成物及びその組成物から得られた被膜、並びにそれらの製造方法、及びこれらによる表面処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被膜形成用ポリマー組成物、その製造方法、ひび割れなどの表面処理方法をはじめとするその利用方法、そのポリマー組成物を利用した物品、そのポリマー組成物からなる転写液、及びその転写液を利用した転写フィルムに関する。その被膜形成ポリマー組成物及び転写液は、被転写物(カラー・白黒画像等)を担持する基体(紙等の担持基体)に適用(塗布、散布、浸漬)・乾燥後、転写するに当たって、特に水で濡らした場合、丈夫で伸びのある被膜を形成する被膜形成用ポリマー組成物を提供する。特に、被転写物が複雑な表面形状を有するもの(担体)上にある場合、または転写すべき基体が複雑な表面形状を有する場合、具体的には従来のデコパージュでは適応不可能であった厚みのある曲面や複雑な凹凸のある作品の表面への転写を実施するのに適した組成物、その組成物からなる転写液、及びその転写液を利用した転写フィルム、その転写方法およびひび割れなどの表面処理方法、及びポリマー組成物を利用した物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デコパージュ等において、作品の表面を被う仕上げ剤組成物としては、例えば米国特許第3,616,005号明細書に記載された、酢酸ビニルエマルション組成物が知られている。しかし、このエマルション組成物は、デコパージュ仕上げ剤、及びプリントの単なる接着剤として用いられており、商品名「トランスファーコート、(株式会社ジャンティー製、転写液)」などは、写真や絵画を表面構造がほぼ平坦な基材に貼り付け転写するいわゆるデコパージュ転写液としており、塗布乾燥後、再び水で濡らしても、伸びが不充分で、基材に対して十分に対応した被膜が得られないという欠点があった。また、従来、フィルムで被覆した印刷用紙や転写用紙などはあるが、用紙から剥離したフィルムは固くて伸びが悪く、画像が割れたり、複雑な構造表面には被覆できないという欠点があった。
【0003】
従来の転写方法について、以下にその手順の概略とそれに伴う問題点を説明する。
(1)転写液を画像印刷された紙(通常の写真、画像のカラーコピー等)8〜10回塗る。この場合、常温での塗布時にも泡立ちが起き易い。
(2)転写液の乾燥をする。1回塗り当たりの自然乾燥時間は、30〜40分程度かかる。この時、従来の液はヘアードライヤーで温風乾燥すると気泡ができやすいため、温風乾燥ができない。
(3)塗布後1晩置き、転写液の塗布により形成された塗膜層と一体化された画像印刷紙を水につけるとひび割れるおそれがあるため、ぬるま湯に15分位浸す。この際、紙を剥離し易くするために中性洗剤を入れた方が良い。この時、長時間浸すと表面が荒れるため40分以上浸してはならない。
(4)次に、水に浸して、柔らかくなった紙を長時間をかけて擦り取り、残った画像とそれを担持するフィルム(転写フィルム)を回収する。この際、紙の擦り取りに時間と技術を要し、時には転写フィルムが損傷され、得られる画像も鮮明さが欠ける。
(5)転写フィルムを転写すべき基体(転写基体)に貼り付ける。従来の液で作ったフィルムは、接着面の平らな曲面には貼り付けることができるが、伸びが悪い為に凹凸がある場合、全体を1枚のフィルムで覆うことができないため、部分ごとにしか被覆することができない上、3mm〜4mmの高さにしか対応できない。また、無理に貼る時、従来の液で作成したフィルムは伸ばしすぎると元の大きさに縮みにくい。従来の液で作成したフィルムは硬くなり、ひびが入る可能性があるため転写フィルムとして乾燥保管は不向きである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の転写液あるいは転写方法の持つ欠点を解消し、被膜形成用ポリマー組成物を被転写物の担持する基体に適用し、乾燥後、再び水で濡らすことにより、凹凸の激しい基材面に対しても、十分に対応できる伸展性を有する被膜が得られる被膜形成用ポリマー組成物、及びその組成物を含む転写液を提供することを目的とする。
【0005】
又、本発明は、上記被膜形成用ポリマー組成物を用いた転写方法、及びその転写方法によって得た物品を提供することを目的とする。
【0006】
更に、本発明は、上記被膜形成用ポリマー組成物を用いた装飾方法、及びその装飾方法によって得た物品を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記成分(1)及び(2)を含む被膜形成用ポリマー組成物である。
(1)ビニルアセテートのホモポリマー若しくはその部分加水分解物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸から選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマー若しくはその部分加水分解物を含むポリマー成分、及び
(2)下記の成分から構成される群から選ばれる一種または二種以上を含む成分、
(a)樹液
(b)果実液、
(c)蜂蜜、
(d)糖類。
【0008】
本発明は、(a)樹液成分が、松、白樺、楓、メイプル、砂糖キビ、甜菜、から得られるものを一種または二種以上含む、前記の被膜形成用ポリマー組成物である。
【0009】
本発明は、(b)果実液成分が、ブドウ、モモ、柑橘類、リンゴ、バナナ、スイカ、メロン、チェリー、ナシ、パイナップル、ヤシ、パパイヤ、マンゴー、ドリアンから得られるものを一種または二種以上含む、前記の被膜形成用ポリマー組成物である。
【0010】
本発明は、(c)蜂蜜成分が、レンゲ、トチ、アカシアから得られるものを一種または二種以上含む、前記の被膜形成用組成物である。
【0011】
本発明は、(d)糖類成分が、キシリトール、ショ糖、果糖、グルコース、キトサン、キチン、マンナン、グアーガムの一種または二種以上を含む、前記の被膜形成用組成物である。
【0012】
本発明は、成分(1)のポリマー成分がエマルションの形態である、前記の各被膜形成用組成物である。
【0013】
本発明は、被膜形成用ポリマー組成物がエマルションの形態である、前記の各被膜形成用組成物である。
【0014】
本発明は、更に可塑剤、保存安定剤、充填剤、染料、顔料、香料、耐光剤、酸化安定剤、からなる群から選択された1種は2種以上を含む、前記の各被膜形成用ポリマー組成物である。
【0015】
本発明は、可塑剤を成分(1)のエマルションに対して3〜30重量%を含む、前記の被膜形成用ポリマー組成物である。
【0016】
本発明は、成分(1)のエマルション100容量部に対して、成分(2)の水溶液が5〜50容量部である、前記の被膜形成用ポリマー組成物である。
【0017】
本発明は、被膜形成用ポリマー組成物中におけるトータルの水の含有量が55重量%〜95重量%である前記の被膜形成用ポリマー組成物である。
【0018】
本発明は、前記の各被膜形成用ポリマー組成物のいずれかひとつを用いたデコパージュ用被膜形成用ポリマー組成物である。
【0019】
本発明は、前記の各被膜形成用ポリマー組成物のいずれかひとつを用いた転写液である。
【0020】
又、本発明は、前記の転写液を被転写物上に適用して、半乾燥し、または乾燥する工程を少なくとも一回実施して得た、転写液から形成された被膜とその被膜に転写された被転写物を含む転写フィルムである。
【0021】
本発明は、被転写物が、被転写物を担持する基体の表面の色彩、模様、記号、図形、文字、地図、設計図、配線図、若しくはその立体形状、またはそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選ばれたものである、前記転写フィルムである。
【0022】
本発明は、被転写物を担持する基体が立体または平面形状を有し、又、得られた転写フィルムがその立体または平面形状を保持する、前記各転写フィルムである。
【0023】
本発明は、転写フィルムがひび割れ、凹凸、またはそれらの組み合わせを有する、前記各転写フィルムである。
【0024】
本発明は、転写フィルムが形状記憶性を有する、前記各転写フィルムである。
又、本発明は、前記各転写フィルムを転写基体に適用し、その基体と一体化する転写方法である。
【0025】
本発明は、前記各転写フィルムを転写基体に適用し、目的画像以外の余白部分に対しても無画像もしくは任意画像を転写フィルムに一体化させておき、切り張りせずに全面を一括転写する転写方法である。
【0026】
本発明は、前記の転写方法において、転写フィルムを適用するに当って転写基体と転写フィルムの間に接着剤を介在させて被転写物を前記基体に転写する転写方法である。
【0027】
本発明は、前期の各転写方法によって製造した、被転写物と転写基体を含む、転写物品である。
【0028】
本発明は、本発明に係る被膜形成用ポリマー組成物の成分(1)の一種若しくは二種以上、またはそのポリマー組成物の成分(1)の一種若しくは二種以上とその成分(2)の一種若しくは二種以上を含む、ひび割れ被膜形成用ポリマー組成物である。
【0029】
本発明は、上記ひび割れ被膜形成用ポリマー組成物を支持基体表面に適用してひび割れ被膜を形成する方法である。
【0030】
本発明は、上記ひび割れ被膜形成用ポリマー組成物を基体に適用して被膜を形成し、更にその被膜表面を前記被膜形成成分とは異なる物質で覆い、前記被膜と一体としてひび割れさせることにより、ひび割れ被膜を形成する方法である。
【0031】
本発明は、上気各方法で形成されたひび割れ部に、被膜形成成分とは異なる物質を入れる装飾化ひび割れ被膜の形成方法である。
【0032】
本発明は、前記各ひび割れ被膜の形成方法によって製造された被膜を支持基体から剥離することにより得たひび割れフィルムである。
【0033】
本発明は、前記のいずれかの方法によって製造された被膜を支持基体と一体化したひび割れ被膜を有する物品である。
【0034】
本発明は、前記いずれかの方法を、基体に張り付ける前または張り付けた後の、画像転写フィルムに適用する、前記いずれかの転写方法である。
【0035】
本発明は、前記のひび割れ被膜形成用ポリマー組成物を、色彩、模様、記号、図形、文字、地図、設計図、配線図、若しくはその立体形状、またはそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選ばれた被転写物の上に適用して被膜を形成し、ひび割れを形成させる、ひび割れ被膜形成方法である。
【0036】
本発明は、被転写物に担持する基体の表面の色彩、模様、記号、図形、文字、地図、設計図、配線図、若しくはその立体形状、またはそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選ばれた被転写物の上に適用して被膜を形成し、被覆された被転写物を構成する線上に沿ってひび割れを形成させる、前記ひび割れ被膜形成方法である。
【0037】
本発明は、ひび割れ模様を被転写物とは無関係なひび割れを非意図的に形成させる前記ひび割れ被膜形成方法である。
【0038】
本発明は、前記のひび割れ形成用ポリマー組成物によって形成された各種のひび割れ部分に対して、金属、色素、顔料、その他の有機、若しくは無機から成る群から選ばれた1つ以上の粉体または液体を刷り込む装飾化ひび割れ被膜の形成方法である。
【0039】
本発明は、それらのひび割れの被膜およびそのひび割れに粉体を入れた被膜を、画像転写フィルムとして基体上に張り付ける転写方法である。
【0040】
本発明は、前記のいずれかの方法によって製造された被膜を含む物品である。
【0041】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、被膜形成用ポリマー組成物を中心として説明する。
本発明は、下記成分(1)及び(2)を含む被膜形成用ポリマー組成物である。
(1)ビニルアセテートのホモポリマー若しくはその部分鹸化物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸から選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマー若しくはその部分加水分解物、を含むポリマー成分、及び
(2)下記の成分から構成される群から選ばれる一種または二種以上を含む成分、
(a)樹液
(b)果実液、
(c)蜂蜜、
(d)糖類。
【0042】
本発明は、上記組成を有する被膜形成用ポリマー組成物を被転写物上に塗布乾燥後、再び水で濡らすことにより伸びのある丈夫な被膜が得られること、特に転写能力を有する被膜が得られることを本発明者が初めて見出したことに基づいて、なされたものである。
【0043】
本発明で用いられるビニルアセテートのホモポリマー若しくはコポリマーを含むエマルションは、市販品として入手することができる。例えば手芸店などで販売されている以下の製品群が適用できる。「木工用ボンド(コニシ社製、接着剤)」、「モトポジ(PLAID社製、仕上げ剤)」、「ポレア(PLAID社製、仕上げ剤)」、「シャインフィニッシュ(株式会社ジャンティー製、仕上げ剤)」、「ハルグロスハルエンタープライズ社製、仕上げ剤」」、「クリヤポッジ(アメリカンハンディクラフト社製、仕上げ剤)」、「トップコートグロス(株式会社ジャンティー製仕上げ剤)」、商品名「トランスファーコート、(株式会社ジャンティー製、転写液)」、「ハルトランスファー(ハルエンタープライズ社製、転写液)」、「サンフィニッシュ((株)サンユー社製、仕上げ剤)」などが挙げられる。
【0044】
又、本発明で用いられるビニルアセテートのビニルアセテートのホモポリマーは、ビニルアセテートモノマーを下記の乳化剤、重合開始剤、触媒、保護安定剤、可塑剤、及び各種添加剤を適宜選択し、混合して、従来公知の方法で乳化重合させることにより容易に得られる。
【0045】
ビニルアセテートのコポリマーは、ビニルアセテートモノマーと、それと共重合させるモノマー(コモノマー)を混合して、下記の乳化剤、重合開始剤、触媒、保護安定剤、可塑剤、及び各種添加剤を適宜選択し、混合して、従来公知の方法で乳化重合させることにより容易に得られる。この場合、コモノマーとして利用できるものには、アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸、から選ばれる一種または二種以上のモノマーが含まれる。この内、得られる被膜の転写性能、被膜形成能、被膜強度、伸展性(伸び易さ)、形状追随性(凹凸形状への密接し易さ)、ひび割れ防止性、透明度の観点から判断して、好ましいコモノマーは、アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸、から選ばれる一種または二種以上のモノマーが含まれる。より好ましいコモノマーは、アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物から選ばれる一種または二種以上のモノマーが含まれる。特に好ましいコモノマーは、アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステルから選ばれる一種または二種以上のモノマーが含まれる。
【0046】
可塑剤としては、ジブチルフタレートを含むフタル酸エステル等の汎用品が好ましく用いられる。本発明において、可塑剤の添加量をエマルションに対して3〜30重量%と規定したが、3重量%以下にすると被膜が硬くなり、30重量%を超えると、被膜がベタつく。本発明において、樹液の添加量を、エマルション100容量%に対して樹液が5〜50容量%と規定したが、樹液が5容量%だと、被膜の伸びが少なくなり、50容量%以上だと、被膜がバクテリヤ等繁殖により耐久性がなくなる。本発明において、トータルの水の含有量について、組成物中におけるトータルの水の含有量が55重量%〜95重量%と規定したが、水の含有量が55重量%以下だと、伸びのある被膜が得られない。また、95重量%以上だと、被膜が脆弱になる。
【0047】
本発明の被膜形成用ポリマー組成物の具体的組成は、表1に例示されるが、その組成物を転写液として、カラーコピーされたラベンダーの花の写真を転写する方法の実施の形態についてその手順を説明する。
【0048】
本発明の転写液を使用する画像転写フィルムの作成方法及び転写方法の手順を、従来の転写液(組成は表中の比較例として例示する。)を使用した場合とその作用効果の違いと共に説明する。
【0049】
(a)表1に示される転写液を、ラベンダーのカラー写真のカラーコピー(この場合、カラーコピーの、紫紺のラベンダーの花の画像が被転写物であり、その担体は紙である。)に4〜5回塗る。本願発明の転写液は、従来のような泡立ちが全くなくて、さらっとしているので塗布し易い。さらに、1回にかかる自然乾燥時間も約20分と短く、1回あたり従来の約半分の時間ですむ(計5回で約1時間半)。従来の転写液は8〜10回塗りを必要とする(計10回で約5時間)。
【0050】
(b)塗りの間の乾燥は、ヘヤードライアーにより温風乾燥することが可能であり、1回あたり数分(計5回で約30分)ですむ。勿論、常温で自然乾燥することもできる。従来の転写液を使用する場合、1回の乾燥時間と塗布回数がそれぞれ本発明の倍であり、塗布時にも泡立ち易い。本発明の転写液を使用する場合、気泡が発生せず、先に述べたごとく温風乾燥可能だが、従来の液は気泡ができるため、温風乾燥ができない。又、本発明の転写液は、塗布後、直ちに水に5分位浸せば、次の行程に移れるうえに長時間浸しておくことも可能である。これに対して、従来の液は、塗布後1晩置き、水につけるとひび割れるおそれがあるため、ぬるま湯に15分位浸す必要がある。更に紙を剥離し易くするために中性洗剤を入れることを推奨され、更にこの時、長時間浸すと表面が荒れるため40分以上浸してはならない等の各種制約がある。
【0051】
(c)次に、水に浸して、柔らかくなった紙を擦り取り、残った紫紺色のラベンダーの画像(被転写物)とそれを担持するフィルム(ビニルアセテート−メタクリル酸エステルコポリマー等)、即ち本発明の転写フィルムを得る。
【0052】
(d)この転写フィルムを転写すべき基体(花の立体感を出すために凹凸を施した木版)に貼り付けるが、本発明の液で作成したフィルムは、画像が割れることなく、複雑な凹凸に対応できる伸縮自在のフィルムであり、複雑な凹凸があっても、全体を1枚のフィルムで被覆できる。例えば、フィルムを底面の大小にかかわらず、およそ半球状態にのばしてもフィルム画像が割れることはない。また、長さの長短にかかわらず、平面方向に約1.5倍にのばしてもフィルム画像が割れることはない。転写フィルムの貼り付けに当たっては、適宜接着剤を使用することができる。これに対して、従来の液で作ったフィルムは、接着面の平らな曲面には貼り付けることができるが、伸びが悪い為に凹凸がある場合、部分ごとにしか被覆することができない上、3mm〜4mmの高さにしか対応できない制約がある。
【0053】
本発明の液で作成したフィルムは、貼る時に伸ばしすぎても、接着前なら剥がして水に浸けると、容易に元の大きさに戻る(形状記憶性を有する)。例えば、フィルムを底面の大小にかかわらず、およそ半球状態にのばしても元に戻る。また、長さの長短にかかわらず、平面方向に約1.5倍にのばしても元に戻る。さらに、接着後に長期間放置しても、水に浸す時間を長くすれば、同様に元に戻る。例えば、接着後およそ1ヶ月経過したものでは、ぬるま湯に一晩浸せば基体からフィルムが剥離でき、形状は元に戻る。これに対し、従来の液で作成したフィルムは伸ばしすぎると元の大きさに縮みにくい。
【0054】
更に、本発明の液で作成したフィルムは完全乾燥させても柔軟なため、コート紙などに挟むなどして長期間保管できるが、従来の液で作成したフィルムは硬くなり、ひびが入る可能性があるため乾燥保管は不向きである。
【0055】
複数の画像を担持した転写フィルムを準備して、転写基体に順次適用して(張り重ねて)、それぞれの画像を重ねて、その重畳効果を活かした装飾をすることも可能である。
【0056】
同じく本発明の被膜形成用ポリマー組成物を使用したひび割れ被膜の形成方法、表面処理方法(ひび割れ装飾方法)の実施例を従来法と比較例しながら説明する。
【0057】
本発明においては、本発明の被膜形成用ポリマー組成物から構成される転写液を被転写物を担持する基体の上に3〜4回塗った後、本発明のポリマー組成物の成分(1)に相当する市販の別の処理液を塗ると20分間程で自然乾燥し、伸展性を有したひびのある、被転写物を担持した被膜を得ることができる。この方法において、被転写物の転写を目的としないで、単に、ひび割れのみを有する被膜を形成する場合は、被転写画像のない、単なる基体の上に上記手順を実施すれば、ひび割れのみを有する被膜(フィルム)を得ることができる。
【0058】
これに対して、従来法では、市販の転写液を5〜6回塗った後、同じく市販のひび割れ剤を2mm程の厚さに塗り、自然乾燥で2〜3日置き、その後、表面を湿らせ、ひび割れ剤を耐水ペーパー等で取り除いて、ひびのある被膜を得えていた。
【0059】
これから明らかなように従来のひび割れ皮膜の製造方法では、複雑な手順並びに材料及び時間を必要としたのに対して、本発明の方法では、簡単な手順で、短時間に、転写性が良く、伸展性の良いひび割れ被膜を得ることができる。
【0060】
又、更に本発明で得られたひび割れ被膜(非乾燥状態のものでも乾燥状態のものでも可能である。)に対して、被膜形成成分とは異なる物質(本発明において、金箔、金粉、顔料、染料、パーライト、バーミキュライト等の有機・無機の粉体、微粒子を含む固体物質、あるいは他の塗料等の液状物質を含む。)を被覆して、そのひび割れに被膜形成成分とは異なる物質を入れて一体化することにより、ひび割れに沿った模様を形成させることができる。
【0061】
本発明のひび割れ方法において、他の物質による被覆は、本発明の転写液の被覆の後、乾燥する前に実施して、乾燥と共にひび割れを形成することも可能である。
【0062】
これらの方法は、例えば、漆器表面の金箔の装飾や焼き物表面の絵付け等の装飾に利用することができる。
【0063】
上記に説明した転写フィルムの形成、ひび割れフィルムの形成に当たって、その手順を複数回実施して、より複雑な模様の転写とか、ひび割れ模様の形成とかを実施できる。
【0064】
又、転写フィルムやひび割れフィルムの表面に透明あるいは半透明の被膜を被覆したり、転写方法及びひび割れ被膜形成方法、あるいはそれらの方法を利用した装飾方法の仕上げ段階で、透明あるいは半透明の被膜を被覆すること、あるいはその他の保護被膜あるいは装飾被膜を組合せることも可能である。
【0065】
これらの転写方法は、理科標本の作成に利用することもできる。具体例として、アンモナイトの写真をカラー撮影し、それをカラーコピーする。次いで本発明の転写液をその上に4〜5回塗布して、水に浸漬して5分後、基体の紙の剥離(擦り取り)を行った。剥離作業は、容易であった、画像の損傷の内、柔軟で伸展性のある転写フィルムを得ることができた。次いで、この転写フィルムをそのまま、または必要に応じて水に浸漬した後、石膏で型取りしたアンモナイト(キャスト:雄型)の表面形状に、フィルムを伸展しつつ、その表面形状に沿うように密着させた。アンモナイトの表面の色彩と模様、及び形状を備えた転写物品が得られた。これらの物品は、現物により近いものとなるので、理科教育の教材として有効に利用される。又、上記転写フィルムを得る際に、転写液の塗布後、無機粉体を表面に散布して、表面に化石の持つ質感を創出することも可能である。
【0066】
本発明の被膜形成用ポリマー組成物は、典型的には、転写液として転写方法に利用され、又、ひび割れ被膜形成用材料として利用され、又、装飾用材料として用いられるが、上記説明のとおり、各種の利用の仕方が考えられる。
【0067】
被転写物の担持された基体は、本発明の被膜形成用ポリマー組成物を塗布・乾燥した後、水等に浸漬して、剥離(擦り取り等)により、被転写物を被膜(フィルム)に残すことができる材質であれば良いが、通常は、紙、フェルト、不織布等である。カラー写真、及び鉛筆、クレヨン、クレパス、墨、顔料絵の具で書いたもの、絵画、デザイン画、設計図、配線図などがある。元のものを写実的に再現する上で好ましいのは、カラー写真であるが、カラー写真からとったカラーコピーがトナーの転写性が良いことから推奨される。
【0068】
次に実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない
【0069】
【実施例】
[実施例1]
市販の、不揮発成分55%のポリビニルアセテートの水性ラテックス92.5重量%とジブチルフタレート7.5重量%とを含む組成物と白樺樹液と水を5:1:1の容量比で混合して被膜形成用ポリマー組成物を作成した。トータルの水の含量は、約57重量%であった。伸びの良い被膜が得られた。
【0070】
[実施例2]
市販の、不揮発成分55%のポリビニルアセテートの水性ラテックス92.5重量%とジブチルフタレート7.5重量%とを含む組成物と砂糖キビ樹液と水を6:1:2の容量比で混合して被膜形成用ポリマー組成物を作成した。トータルの水の含量は、約66%であった。
【0071】
[実施例3]
市販の、不揮発成分55%の、ビニルアセテートを主成分とし、アクリレートを副成分として含有するコポリマーを含む水性ラテックス88.0重量%とジブチルフタレート12.0重量%とを含む組成物とショ糖3重量%水溶液と水を6:1:2の容量比で混合して被膜形成用ポリマー組成物を作成した。トータルの水の含量は、約70%であった。
【0072】
[実施例4]
市販の、不揮発成分55%の、ビニルアセテートを主成分とし、アクリレートを副成分として含有するコポリマーを含む水性ラテックス88.0重量%とジブチルフタレート12.0重量%とを含む組成物と蜂蜜と水を7:1:3の容量比で混合して被膜形成用ポリマー組成物を作成した。トータルの水の含量は、約68%であった。
【0073】
[実施例5]
市販の、不揮発成分55%の、ビニルアセテートを主成分とし、アクリレートを副成分として含有するコポリマーを含む水性ラテックス92.5重量%とジブチルフタレート7.5重量%とを含む組成物と果実液と水を5:1:2の容量比で混合して被膜形成用ポリマー組成物を作成した。トータルの水の含量は、約72%であった。
【0074】
[実施例6]
市販の、不揮発成分55%の、ビニルアセテートを主成分とし、アクリレートを副成分として含有するコポリマーを含む水性ラテックス92.5重量%とジブチルフタレート7.5重量%とを含む組成物と白樺樹液と水を7:1:2の容量比で混合して被膜形成用ポリマー組成物を作成した。トータルの水の含量は、約64%であった。
【0075】
[比較例1]
市販の、不揮発成分55%のポリビニルアセテートの水性ラテックス92.5重量%とジブチルフタレート7.5重量%とを含む組成物で被膜形成用ポリマー組成物を作成した。トータルの水の含量は、約50%であった。
【0076】
[比較例2]
市販の、不揮発成分55%の、ビニルアセテートを主成分とし、アクリレートを副成分として含有するコポリマーを含む水性ラテックス88.0重量%とジブチルフタレート12.0重量%とを含む組成物で被膜形成用ポリマー組成物を作成した。トータルの水の含量は、約51%であった。
【0077】
[比較例3]
市販の、不揮発成分55%の、ビニルアセテートを主成分とし、アクリレートを副成分として含有するコポリマーを含む水性ラテックス92.5重量%とジブチルフタレート7.5重量%とを含む組成物で被膜形成用ポリマー組成物を作成した。トータルの水の含量は、約48%であった。本発明の他の実施例1〜6及び比較例1〜3により得られた被膜形成用ポリマー組成物の特性を表1にして示す。
【0078】
【表1】
【0079】
[実施例7]
本発明の成分(1)に相当するポリマーエマルションを市場から入手して、本発明の成分(2)とを混合して、本発明の被膜形成用ポリマー組成物を形成し、そのポリマー組成物を複雑な表面構造を有する基体に塗り、表面形状を写し取ったフィルム(被膜)を作成した。そのフィルムは、基体から剥離後に、別の形状の物体表面に伸縮させながら被覆できる。一旦被覆したその被膜を剥がし、水に浸すと、元表面形状に戻った被膜を得られた。この一連の作業により、本発明の被膜形成用ポリマー組成物により、形状記憶性のあるフィルムを形成できることが確認できた。
【0080】
[実施例8]
本発明の成分(1)に相当するポリマーエマルションを市場から入手して、本発明の成分(2)とを混合して、本発明の被膜形成用ポリマー組成物を形成し、そのポリマー組成物を基体に被膜し、更に市販の(1)から構成される別な被膜形成用ポリマー組成分をその上に塗布したところ、基体の表面に模様・地図・設計図配線などがあった場合はトレースしたヒビ、若しくは幾何学模様のヒビの被膜が得られた。また、被膜体のヒビに粉体を凝集させた、被膜を得る事ができ、この上に市販のオーバーコートを施した装飾品も得ることができた。
【0081】
[実施例9]
市販の本発明の成分(1)に相当するポリマーエマルション、または本発明の成分(1)と成分(2)から構成される被膜形成用ポリマー組成物で、基体場に被膜を作成し、さらに市販の本発明の成分(1)に相当する別のポリマーエマルションをその被膜のうえに塗布し、被膜が固化する前に金箔をのせた。被膜にひび割れが発生しはじめると、同時に金箔が被膜のひび割れパターンに追従してひび割れ、装飾効果の高いひび割れ被膜を形成することができた。
【0082】
[実施例10]本発明の成分(1)に相当するポリマーエマルションを市場から入手して、本発明の成分(2)とを混合して、本発明の被膜形成用ポリマー組成物を形成し、そのポリマー組成物をコート紙に塗布して乾燥し、用紙をフィルムで被覆した。これをカラープリンター(トナー式)に適用し、直接フィルム面に画像を鮮明に印刷することができた。この印刷物を水に約5分浸すと、コート紙からフィルムを容易に剥離できた。このフィルムは、本発明の画像転写フィルムと同様の性能を有し、複雑な構造を持つ表面にも被覆することができた。
【0083】
[実施例11]実施例10で作成したコート紙上の乾燥したフィルム被覆面を、新聞紙などの印刷物に押し当てた後に引き離すと、印刷内容が容易にフィルム面に転写された。さらに、これを画像転写フィルムとして使用することができた。また、印刷物に押し当てる際に、必要により加温すると転写効果がよくなった。
【0084】
【発明の効果】
(ア)本発明の被膜形成用ポリマー組成物は、基体に塗布乾燥し、剥離することにより、フィルム(被膜)を形成することができる。そのフィルムは、再び水で濡らすことにより、伸びのある丈夫な被膜とすることができ、凹凸の激しい基材に対して追従性がある被膜が得られる。
【0085】
(イ)本発明の被膜形成用ポリマー組成物は、被転写物を担持する基体に塗布乾燥し、剥離することにより、被転写物の鮮明な色彩、模様、線図をフィルム(被膜)に写し取ることのできる転写液(それから得られる転写フィルム)を作成することができる。
【0086】
(ウ)その転写フィルムは、再び水で濡らすことにより、伸びのある丈夫な被膜とすることができ、凹凸の激しい基材に対して追従性があるフィルムとなる。
【0087】
(エ)従来のデコパージュで実施不可能だった複雑な形状の物体表面への画像転写液として、特に有効に用いることができる。
【0088】
(オ)本発明のフィルムおよび画像転写フィルムは超迅速かつ簡便にして意図的またはアトランダムなひび割れを起こすことができる。
【0089】
(カ)本発明の転写液は、塗布し易く乾燥時間も短い。
【0090】
(キ)本発明の転写液は、塗布時にも泡立ちがなく、温風乾燥可能であるので、次ぎの塗布工程を速やかに実施できる。
【0091】
(ク)本発明の転写液は、塗布後、直ちに水に5分位浸せば、塗布、貼り付け等の次の行程に移れるうえに、長時間浸しておいてもひび割れが生じないので、次ぎの工程への準備時間を節約することができる。
【0092】
(ケ)本発明の転写液で作成したフィルムは、複雑な凹凸に対応できる伸縮自在のフィルムであり、転写基体が複雑な凹凸があっても、従来のように凹凸に応じた部分に切り分けたフィルムを準備する必要が無く、全体を1枚のフィルムで被覆できるので、作業性が優れる。
【0093】
(コ)従来の転写液で作成したフィルムは伸ばしすぎると元の大きさに縮みにくいが、本発明の転写液で作成したフィルムは、貼る時に伸ばしすぎても、接着前なら剥がして水に浸けると、元の大きさに戻すことが可能である。
【0094】
(サ)従来の転写液で作成したフィルムは硬くなり、ひびが入る可能性があるため乾燥保管は不向きであるが、本発明の転写液で作成したフィルムは完全乾燥させても柔軟なため、コート紙などに挟むなどして長期間保管できる。
【0095】
(シ)従来のひび割れ被膜の形成方法では、塗布液(転写液)を5〜6回塗った後、ひび割れ剤を2mm程の厚さに塗り、2〜3日置き、その後、表面を湿らせ、ひび割れ剤を耐水ペーパー等で取り除く工程を必要したが、本発明の方法では、塗布液(転写液)を塗布し、その後続いて別の液を塗ると20分間程で乾燥し、ひびのある被膜を得られるので、工程が簡便で、所要時間も短縮できる。
【0096】
(ス)本発明の転写液を用いる転写方法は、被転写物が立体表面にあるもの、あるいは立体表面を写し取った写真であっても、それを転写する際、立体形状に応じて、フィルムを伸展させることができるので、立体の被転写物(画像)の転写に特に有利である。
【0097】
(セ)本発明の転写液を紙、プラスチック、金属、ガラス、陶磁器、布などの基体表面に適用し、乾燥後に得られたフィルムで被覆された基体は、フィルム面に直接印刷が可能であり、また、フィルム面に印刷物を押し当てて画像転写することが可能である。さらに、基体から剥離したこれら印刷フィルムを別の物体表面に被覆することもできる。このため、産業利用する際に特に有利である。
Claims (18)
- 下記成分(1)及び(2)を含む被膜形成用ポリマー組成物からなる、被転写物を担持する基体上の被転写物を転写基体に転写するための転写液。
(1)ビニルアセテートのホモポリマーもしくはその部分加水分解物、またはビニルアセテートとアクリル酸エステル、アクリル酸アミド、アクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、マレイン酸、マレイン酸無水物、及びフマル酸からなる群より選ばれる一種または二種以上のモノマーとのコポリマーもしくはその部分加水分解物を含むポリマー成分、及び
(2)下記の成分から構成される群から選ばれる一種または二種以上を含む成分、
(a)樹液、
(b)果実液、
(c)蜂蜜、
(d)糖類 - (a)樹液成分が、松、白樺、楓、メイプル、砂糖キビ、甜菜から得られるものを一種または二種以上含む、請求項1に記載の転写液。
- (b)果実液成分が、ブドウ、モモ、柑橘類、リンゴ、バナナ、スイカ、メロン、チェリー、ナシ、パイナップル、ヤシ、パパイヤ、マンゴー、ドリアンから得られるものを一種または二種以上含む、請求項1または2に記載の転写液。
- (c)蜂蜜成分が、レンゲ、トチ、アカシアから得られるものを一種または二種以上含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の転写液。
- (d)糖類成分が、キシリトール、ショ糖、果糖、グルコース、キトサン、キチン、マンナン、グアーガムの一種または二種以上を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の転写液。
- 成分(1)がエマルションの形態である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の転写液。
- ポリマー組成物がエマルションの形態である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の転写液。
- 更に可塑剤、保存安定剤、充填剤、染料、顔料、香料、耐光剤、酸化安定剤、からなる群から選択された1種または2種以上を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の転写液。
- 可塑剤を成分(1)のエマルションに対して3〜30重量%を含む、請求項8記載の転写液。
- 成分(1)のエマルション100容量部に対して、成分(2)の水溶液が5〜50容量部である、請求項6〜9のいずれか1項に記載の転写液。
- 組成物中におけるトータルの水の含有量が55重量%〜95重量%である請求項1〜10のいずれか1項に記載の転写液。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載された転写液を被転写物上に適用して、半乾燥し、または乾燥する工程を少なくとも一回実施して得た、転写液から形成された被膜とその被膜に転写された被転写物を含む転写フィルム。
- 被転写物が、被転写物を担持する基体の表面の色彩、模様、記号、図形、文字、地図、設計図、配線図、若しくはその立体形状、またはそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選ばれたものである、請求項12に記載された転写フィルム。
- 転写フィルムがひび割れ、凹凸、またはそれらの組み合わせを有する、請求項12または13に記載された転写フィルム。
- 転写フィルムが伸長させた後に水に浸すと元の大きさに戻る形状記憶性を有する、請求項12〜14のいずれか1項に記載された転写フィルム。
- 請求項12〜15のいずれか1項に記載した転写フィルムを転写基体に適用し、その基体と一体化する転写方法。
- 請求項16に記載した転写フィルムを転写基体に適用するにあたって、転写基体と転写フィルムの間に接着剤を介在させて被転写物を前記基体に転写する転写方法。
- 請求項16または17に記載の方法によって製造した、被転写物と転写基体を含む転写物品。
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