JP3793713B2 - コンバインの強制掻込み装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、走行を停止した状態で前処理部及び脱穀部を駆動して、枕地近傍の穀稈の脱穀処理を行わせるコンバインの強制掻込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
従来コンバインによる枕地の近傍の刈取り脱穀作業は、機体が前進すると機体と枕地とが接するため、走行を停止した状態で前処理部及び脱穀部を駆動する強制掻き込み状態に機体の作動を切り換え、該強制掻き込み状態で枕地近傍の穀稈の脱穀処理を行い、枕地部分の刈残し等を防止している。このためコンバインの機種によっては、機体を強制掻き込み状態に切り換える強制掻装置を設け、該強制掻込み装置を作動させることにより、容易に機体を強制掻き込み状態に切り換えることができるものがあった。
【0003】
そして通常上記強制掻込み装置は、トランスミッション側から左右の走行装置に駆動力を接断自在に伝動するサイドクラッチ機構を流用し、エンジンからトランスミッションに駆動力が伝動されている状態から、左右両側の走行装置への駆動力の伝動をサイドクラッチにより断ち、両走行装置の作動を停止させると共に、前処理部及び脱穀部の駆動を継続するように構成されている。
【0004】
一方上記サイドクラッチは、通常左右両走行装置に駆動力を伝動し、旋回する際に旋回内側となる走行装置への駆動力の伝動を断つように構成されており、その作動は左右の走行装置用に各設けられた油圧シリンダ(サイドクラッチシリンダ)を作動させることによって行われる。
【0005】
このため上記強制掻き込み装置は両サイドクラッチシリンダを作動させて、両走行装置への駆動力の伝動を断つように構成されているが、左右の走行装置への駆動力の入り切りを、左右独立した油圧シリンダにより行うため、サイドクラッチシリンダ又はサイドクラッチの操作系の故障により、一方又は両方の走行装置が停止せず、強制掻込み状態への切り換え時にオペレータが意図しない旋回や、走行の継続等が発生する場合があるという欠点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明のコンバインの強制掻込み装置は、左右の走行装置1を備えた機体3に、エンジン側からの駆動力により駆動される脱穀部6と 前処理部4とを設け、上記走行装置1が、左右の走行装置1に入切り自在に駆動力を伝動するサイドクラッチ23を備えたトランスミッション9を介して駆動され、トランスミッション9側に上記サイドクラッチ23を操作して、左右の走行装置1に対する駆動力を選択的に切断するサイドクラッチシリンダ27を設け、機体3を走行停止状態で前処理部4及び脱穀部6を作動せしめる強制掻き込み状態に切り換える強制掻込み装置36を設けたコンバインにおいて、上記強制掻込み装置36に、左右両走行装置1への駆動力の伝動を断つようにサイドクラッチ23を操作する操作シリンダ34を、サイドクラッチシリンダ27とは別に設けたことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の強制掻込み装置を採用したコンバインの側面図であり、従来同様クローラ式の左右の走行装置1に支持された機体フレーム2上に機体3が構成されており、該機体3の前方に前処理部4が、該前処理部4の後方に脱穀部6が、前処理部4の側方に運転席7が各設けられている。
【0008】
そしてオペレータが運転席7内において、前処理部4及び脱穀部6を駆動させて、走行装置1の駆動によりコンバインを圃場内で走行させることによって、前処理部4が圃場内の穀稈を引き起こして刈取り、扱深さを調節して脱穀部6側に搬送し、脱穀部6が搬送された穀稈の脱穀を行い、その後排稈を処理する。
【0009】
上記コンバインの機体3側には、図示しないエンジンと、図2,図3に示されるミッションケース8が設けられており、上記走行装置1はミッションケース8内に構成されたトランスミッション9により駆動される。なおミッションケース8には、HST(油圧無段変速装置)11が取り付けられており、トランスミッション9へのエンジンからの駆動力はHST11を介して入力される。
【0010】
すなわち図4のトランスミッション9の伝動概略図に示されるように、エンジンからの駆動力が、HST11の入力軸12に入力され、HST11の出力軸13からミッションケース8に駆動力が入力される。これによりミッションケース8(トランスミッション9)には、エンジンからの駆動力がHST11によって無段階に変速されて入力される。
【0011】
そしてトランスミッション9に入力された駆動力が、副変速機構14を介して走行装置1の駆動用のセンタギヤ16に伝動され、該センタギヤ16から左右のスライドギヤ17を介して、左右の駆動軸18に伝動され、左右の駆動軸18に軸支された駆動スプロケット19の回転駆動によってクローラ21が回転せしめられて走行装置1が駆動される。
【0012】
このとき左右のスライドギヤ17は左右のスライドシフタ22によってスライド移動せしめられ、通常センタギヤ16側に付勢されてセンタギヤ16と噛み合い駆動力が伝動されているスライドギヤ17のセンタギヤ16との噛み合いを解除して、スライドギヤ17への駆動力の伝動を断つことができる。
【0013】
すなわちセンタギヤ16,左右のスライドギヤ17,左右のスライドシフタ22等によってサイドクラッチ23が構成されており、該サイドクラッチ23により左右の駆動軸18への駆動力を断接することができる。なお上記スライドシフタ22は、シフタ軸24にシフタアーム26が取り付けられた構造となっており、シフタアーム26を介してシフタ軸24を軸心回りに回動させることによってスライドギヤ17のスライド操作をする構造となっている。
【0014】
そして両シフタアーム22はミッションケース8内に設けられ、ミッションケース8内において両シフタアーム22間には左右スライド自在に駆動されるサイドクラッチシリンダ27が設けられており、サイドクラッチシリンダ27の左右スライドにより、左右いずれかのスライドギヤ17のセンタギヤ16との噛み合いの解除、つまり左右の走行装置1への駆動力の伝動の切断を択一的に選択して行うことができるように構成されている。
【0015】
なお運転席7内には、図5に示されるように、座席28の側方に主変速レバー29と副変速レバー31とが揺動自在に設けられており、主変速レバー29によってHST11の変速操作を、副変速レバー29によって副変速機構14の変速操作をそれぞれ行うことができる。また運転席7内には機体3の操向を操作する1本の操向レバー(図示せず)が設けられており、該操向レバーの操作によって、機体3の走行方向をオペレータが任意に操作することもできる。
【0016】
すなわち操向レバーの操作によって上記サイドクラッチシリンダ27の左右スライド操作を行い、サイドクラッチシリンダ27によって左右の走行装置1への駆動力の伝動の入り切りを択一的に行い、走行装置1への駆動力の切断を左右選択することで機体3の操向が行われる。
【0017】
一方上記両シフタ軸24はミッションケース8の外側に突出しており、該突出部分には、シフタ軸24の操作用のアーム32がボス33を介して取り付けられている。このとき上記アーム32の端部は、両シフタ軸24間方向に延出して突出しており、正面視で重複して交差している。
【0018】
そして両アーム32の下方には、両アーム32の操作用の操作シリンダ34が設けられており、該操作シリンダ34は、伸縮ロッド34aが両アーム32を同時に操作することができるように配置されている。すなわち操作シリンダ34の駆動により伸縮ロッド34aが伸び動作すると、伸縮ロッド34aが両アーム32を同時にシフタ軸24を軸心として回動せしめる。
【0019】
このときアーム32はシフタ軸24に一体的に取り付けられており、これによりサイドクラッチ23は、両スライドギヤ17とセンタギヤ16との噛み合いが共に解除されるように操作され、両走行装置1への駆動力の伝動が断たれ、コンバインはエンジンからミッションケース8への駆動力の伝動が行われた状態で走行を停止する。なお前処理部4への駆動力は、従来同様トランスミッション9における副変速装置14より前段において取り出されており、また脱穀部6にはエンジン側から直接(トランスミッション9を介さず)駆動力が伝動される。
【0020】
すなわち操作シリンダ34,アーム32,スライドシフタ22等により、機体3を走行停止状態で前処理部4及び脱穀部6を作動せしめる強制掻き込み状態に切り換える強制掻込み装置36が構成され、該強制掻込み装置36は操作シリンダ34の駆動(伸縮ロッド34aの伸び作動)によって、機体3を強制掻込み状態とすることができる。
【0021】
そして作業走行が圃場の枕地に達した際に、上記強制掻込み装置36を作動させ、機体3を、走行停止状態で前処理部4及び脱穀部6を駆動する強制掻込み状態とすることによって、枕地近傍の穀稈の脱穀処理を行うことができ、枕地部分の刈残し等を防止することができる。
【0022】
このとき上記強制掻込み装置36は、強制掻き込み状態への切換えを、サイドクラッチシリンダ27及びサイドクラッチシリンダ27によるサイドクラッチ23の操作系(シフタアーム26)を使用することなく、サイドクラッチシリンダ27とは別のシリンダ(操作シリンダ34)と、シフタアーム26とは別の操作系(アーム32)によって行う。
【0023】
このため、強制掻き込み状態への切換え時に、サイドクラッチシリンダ27又はサイドクラッチシリンダ27によるサイドクラッチ27の操作系の故障等に起因して、オペレータが予期しない機体3の旋回が発生したり、機体3が走行を継続する等の不都合を防止することができる。
【0024】
また操作シリンダ34は1つの伸縮ロッド34aによって両アーム32を同時に操作するため、左右の両スライドギヤ17は概ね同時にセンタギヤ16からの噛み合いが解除され、両走行装置1はほぼ同時に停止し、機体3の走行停止が安定して行われる。なお操作シリンダ34と操作シリンダ34用のソレノイド37とは一体的に構成されて操作シリンダアッセンブル38をなして、ブラケット39を介してミッションケース8側に取り付けられている。
【0025】
すなわちサイドクラッチシリンダ34をミッションケース8内に収容することにより、ミッションケース8の外側に操作シリンダアッセンブル38を着脱自在に取り付けることができ、操作シリンダアッセンブル38とアーム32をミッションケース8側に取り付けることによって、強制掻込み装置36を備えないトランスミッションに、強制掻込み装置36を取り付けることができる。
【0026】
これにより強制掻込み装置36をオプションとして設定して、容易にトランスミッション9に後付けすることができ、強制掻込み装置36を取り付けることによってコンバインをワンタッチで強制掻き込み状態に切り換えることができる他、トランスミッションの強制掻込み装置部分以外は、強制掻込み装置36を備えるトランスミッションと備えないトランスミッションとを同一構造とすることができ、トランスミッションのコストを下げることができる。
【0027】
なお上記ソレノイド37のオン・オフを切り換える強制掻込みスイッチ41が、主変速レバー29に取り付けられており、該強制掻込みスイッチ41の操作により、コンバインを容易に強制掻込み状態に切り換えることができる。また強制掻込み状態への切り換え時にクラッチペダルを操作する必要がないため、クラッチペダルの緊急操作等の妨げとならず、また主変速レバー29を操作しながら強制掻込みスイッチ41を押すことができるため誤操作を防止することもできる。
【0028】
【発明の効果】
以上のように構成される本発明の構造によれば、サイドクラッチシリンダとは別の操作シリンダにより、サイドクラッチを介して両走行装置の駆動を停止させるため、走行を停止した状態で前処理部及び脱穀部を駆動して、枕地近傍の穀稈の脱穀処理を行い、枕地部分の刈残し等を防止する強制掻込み作業を容易に行うことができる他、走行装置の停止にサイドクラッチシリンダを使用しないため、サイドクラッチシリンダの故障による強制掻込み状態への切り換え時の急旋回等を防止することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】ミッションケースの側面要部断面図である。
【図3】ミッションケースの正面図である。
【図4】トランスミッションの伝動概略図である。
【図5】運転席内の斜視図である。
【符号の説明】
1 走行装置
3 機体
4 前処理部
6 脱穀部
9 トランスミッション
23 サイドクラッチ
27 サイドクラッチシリンダ(操向操作具)
34 操作シリンダ(停止操作具)
36 強制掻込み装置
Claims (1)
- 左右の走行装置(1)を備えた機体(3)に、エンジン側からの駆動力により駆動される脱穀部(6)と前処理部(4)とを設け、上記走行装置(1)が、左右の走行装置(1)に入切り自在に駆動力を伝動するサイドクラッチ(23)を備えたトランスミッション(9)を介して駆動され、トランスミッション(9)側に上記サイドクラッチ(23)を操作して、左右の走行装置(1)に対する駆動力を選択的に切断するサイドクラッチシリンダ(27)を設け、機体(3)を走行停止状態で前処理部(4)及び脱穀部(6)を作動せしめる強制掻き込み状態に切り換える強制掻込み装置(36)を設けたコンバインにおいて、上記強制掻込み装置(36)に、左右両走行装置(1)への駆動力の伝動を断つようにサイドクラッチ(23)を操作する操作シリンダ(34)を、サイドクラッチシリンダ(27)とは別に設けたコンバインの強制掻込み装置。
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