JP3792971B2 - ステアリングシャフトのロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等の盗難防止のために用いられるステアリングシャフトのロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に示す従来のステアリングシャフト101のロック装置は、そのステアリングシャフト101に一体化されたリング102の溝102aに抜き差しされるロック部材103を有する。そのロック部材103は、車体に取り付けられる筒状のステアリングコラム104に固定されるシリンダ105により保持され、イグニッションスイッチの開閉動作と連動してシリンダ105から出没する。そのシリンダ105から突出するロック部材103が溝102aに挿入されることで、そのステアリングシャフト101の回転が阻止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のロック装置では、ロック時にステアリングホイール106に加えられる回転力により、溝102aやロック部材103やシリンダ105がトルクを受けて破損すると、ステアリングホイール106の操作が可能になってしまう。そのため、リング102やロック部材103やシリンダ105を強度、寸法の大きい金属製とする必要があり、また、シリンダ105とロック部材103はコラム104から径方向外方に大きく突出することから、ロック装置が大型化するという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決することのできるステアリングシャフトのロック装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のステアリングシャフトのロック装置は、車体に取り付けられる筒状のステアリングコラムと、そのコラムに、コラム軸方向に相対移動可能かつコラム軸中心の相対回転が阻止されるように挿入されるロック部材と、そのロック部材に、コラム軸中心に相対回転可能に挿入されるステアリングシャフトと、そのステアリングシャフトと同行回転可能な受け部と、そのコラムに取り付けられるイグニッションスイッチ開閉機構と、その開閉機構によるイグニッションスイッチの開閉動作に伴い作動する伝動機構とを備え、そのロック部材は、その伝動機構と連動することでロック位置とロック解除位置との間でコラム軸方向に変位可能とされ、そのロック位置のロック部材は、前記受け部にコラム軸中心に相対回転不能に連結され、そのロック解除位置のロック部材は前記受け部との連結が解除されることで、前記受け部に対してコラム軸中心に相対回転可能とされ、そのロック部材に、ロック位置に向かう弾力を付与する手段が設けられ、その開閉機構は、そのコラムに取り付けられる錠前部と、この錠前部の鍵穴に挿入されるキーの操作に連動して回転する回転軸とを有し、その回転軸の回転によりイグニッションスイッチが開閉可能とされ、その伝動機構は、その回転軸の回転に伴いコラム軸方向における位置が変化する変位部材を有し、そのイグニッションスイッチの閉じ動作時に、その回転軸の回転に伴い変位する前記変位部材により押されることで、そのロック部材は前記弾力に抗してロック解除位置に変位可能とされ、そのイグニッションスイッチの開動作時に、その回転軸の回転に伴う前記変位部材の変位に追従して、そのロック部材は前記弾力によりロック位置に変位可能とされ、前記回転軸の回転に伴い前記変位部材が変位するように、前記回転軸に原動側歯車部が一体化され、前記原動側歯車部に噛み合う従動側歯車部が前記変位部材に一体化され、前記原動側歯車部がウォーム、前記従動側歯車部がウォームホイールとされている。
本発明の構成によれば、開閉機構によるイグニッションスイッチの開動作に伴う伝動機構の動きに連動することで、ロック部材はロック位置に変位する。そのロック位置のロック部材は受け部にコラム軸中心に相対回転不能に連結される。その受け部はステアリングシャフトと同行回転し、そのロック部材はコラムに対するコラム軸中心の相対回転が阻止されているので、そのロック部材と受け部との連結によりステアリングシャフトの回転を阻止できる。すなわち、そのステアリングシャフトを回転させようとするトルクを、コラム内のロック部材を介してコラムにより受けることができる。これにより、ステアリングシャフトの回転をロックするためのロック部材を支持する上で、従来のシリンダのような高強度部材をコラムから径方向外方に大きく突出させる必要がなく、軽量化、コンパクト化を図ることができる。
また、その開閉機構によるイグニッションスイッチの閉じ動作に伴う伝動機構の動きに連動することで、ロック部材は受け部との連結が解除されてロック解除位置に変位する。そのロック解除位置のロック部材は受け部に対してコラム軸中心に相対回転可能であるので、そのステアリングシャフトの回転阻止が解除される。
さらに、イグニッションスイッチの開閉のためのキー操作により回転軸が回転し、この回転により変位部材の位置がコラム軸方向において変化することで、ロック部材はコラム軸方向に変位する。これにより、簡単な構成でイグニッションスイッチの開閉操作にロック部材を連動させることができる。
前記変位部材は前記従動側歯車部に一体化されるカムとされ、前記カムは、前記従動側歯車部の回転中心までの距離が漸次変化する曲面であるカム面を有し、前記ロック部材は、前記カム面との対向面であるカムフォロア面を有し、前記弾力により前記カムフォロア面が前記カム面に押し付けられ、前記回転軸の回転に伴う前記原動側歯車部の回転による前記従動側歯車部の回転に伴い、前記カム面が前記カムフォロア面を押すことで、前記ロック部材は前記弾力に抗してコラム軸方向に変位され、前記イグニッションスイッチの開状態で、前記従動側歯車部の回転中心までの距離が最小位置部分で前記カム面が前記カムフォロア面に接する時、前記ロック部材はロック位置に配置され、前記イグニッションスイッチの閉状態で、前記従動側歯車部の回転中心までの距離が最大位置部分で前記カム面が 前記カムフォロア面に接する時、前記ロック部材はロック解除位置に配置されるのが好ましい。
【0006】
そのコラムの内周に溝と突部とがコラム軸方向に沿って形成され、そのロック部材の外周に、そのコラム内周の溝に嵌め合わされる突部と、そのコラム内周の突部に嵌め合わされる溝とがコラム軸方向に沿って形成され、その突部と溝との嵌め合わせにより、そのロック部材はコラムに対してコラム軸方向に相対移動可能かつコラム軸中心の相対回転が阻止されるものとされ、そのロック位置のロック部材と受け部とは、互いの相対向する端部に形成された凹部と凸部とを介してコラム軸中心に相対回転不能に嵌合されると共に、その嵌合はロック部材のロック解除位置への変位により解除されるのが好ましい。
これにより、ステアリングシャフトの回転のロック時に、ステアリングシャフトを回転させようとするトルクを、ロック部材の外周とコラムの内周それぞれにおける複数位置で受けることができる。よって、ロック部材とコラムに作用するトルクを分散させることができ、大型化することなく強度を向上でき、コンパクト化を図ることができる。
【0007】
その受け部は、トルクリミッターを介してステアリングシャフトの外周に嵌め合わされ、予め設定されたリミットトルクを超えるトルクの作用によりステアリングシャフトに対してコラム軸中心に相対回転可能とされているのが好ましい。
これにより、過大なトルクの作用時は受け部がステアリングシャフトに対して相対回転することで、ロック部材やコラムや受け部が破損するのを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1〜図4を参照して本発明の第1実施形態を説明する。
図1〜図3に示すステアリング装置は、車体にブラケット1を介して取り付けられる筒状のステアリングコラム2と、このコラム2にベアリング(図示省略)を介して回転可能に支持されるステアリングシャフト4とを備える。そのステアリングシャフト4の一端側(図2、図3 において左方端側)にステアリングホイール(図示省略)が連結され、そのステアリングホイールの回転がステアリングシャフト4を介して車輪に伝達されることで車両の操舵がなされる。
【0010】
そのコラム2に、コラム軸方向に相対移動可能かつコラム軸中心の相対回転が阻止されるように、筒状のロック部材11が同心に挿入される。すなわち、そのコラム2の内周に、コラム軸方向に沿う複数の溝2aとコラム軸方向に沿う複数の突部2bとが、周方向において交互に一体的に形成される。そのロック部材11の外周に、そのコラム2の内周の溝2aに嵌め合わされる突部11aと、そのコラム2の内周の突部2bに嵌め合わされるコラム軸方向に沿う溝11bとが、周方向において交互に一体的に形成される。その突部2b、11aと溝2a、11bとの嵌め合わせにより、そのロック部材11はコラム2に対してコラム軸方向に相対移動可能かつコラム軸中心の相対回転が阻止されるものとされている。
【0011】
上記ステアリングシャフト4は、そのロック部材11に、コラム軸中心に相対回転可能に挿入される。そのステアリングシャフト4と同行回転可能な受け部12が設けられている。すなわち、その受け部12はステアリングシャフト4の外周にトルクリミッターを介して嵌め合わされている。本実施形態では、そのトルクリミッターは、図4の(1)、(2)に示すトルク設定部材51により構成されている。そのトルク設定部材51は、割り溝を有する金属製リング本体51bに、周方向に沿って一定間隔で、径方向外方へ突出する複数の突出部51cを一体的に形成したもので、各突出部51bの径方向変形量に対応する径方向力をステアリングシャフト4と受け部12とに作用させる。そのトルク設定部材51としては、例えばレンコルトレランスリング社製のトレランスリングを用いることができる。そのトルク設定部材51の外周と受け部12の内周との間の摩擦と、トルク設定部材51の内周とステアリングシャフト4の外周との間の摩擦により、ステアリングシャフト4から受け部12にトルクを伝達できるので、ステアリングシャフト4と受け部12とは同行回転可能とされている。また、予め設定されたリミットトルクを超えるトルクが、ステアリングシャフト4から受け部12に作用すると、そのトルク設定部材51の外周と受け部12の内周との間、および、トルク設定部材51の内周とステアリングシャフト4の外周との間の中の少なくとも一方において滑りが生じ、受け部12はステアリングシャフト4に対してコラム軸中心に相対回転する。そのリミットトルクの値は、その作用により受け部12やロック部材11やコラム2が破損しないように設定すればよく、そのリミットトルクの値に応じた径のトルク設定部材51を選定すればよい。
【0012】
そのコラム2に、イグニッションスイッチ19の開閉機構20が取り付けられている。その開閉機構20は、コラム2に連結具21を介して取り付けられる合成樹脂製の筒状ホルダー22と、このホルダー22を介してコラム2に取り付けられる錠前部23とを有する。その錠前部23は、ホルダー22に挿入されてネジ等により固着されるケース23aと、このケース23a内で回転可能なキー挿入部23bと、このキー挿入部23bの鍵穴23b′に挿入されるキー24の回転操作に連動して回転する回転軸25とを有する。その回転軸25は、一端に形成されたノッチ25aが、そのホルダー22の一端に固着されるイグニッションスイッチ19の可動接点側の凹部19aに同行回転可能に挿入される。これにより、その回転軸25は、鍵穴23b′に挿入されるキー24の回転操作に連動して回転することでイグニッションスイッチ19を開閉する。
【0013】
その開閉機構20によるイグニッションスイッチ19の開閉動作に伴い作動する伝動機構30が設けられている。その伝動機構30は、上記回転軸25の外周に一体的に形成された原動側歯車部25′と、この原動側歯車部25′にかみ合う従動側歯車部31と、その従動側歯車部31の一端側から径方向外方に突出するカム(変位部材)32と、後述のカムフォロア面33aとを有する。そのカム32の外周がカム面32aとされている。その従動側歯車部31とカム32とは一体化され、これにより、そのカム32のカム面32aの位置は、上記回転軸25の回転に伴う原動側歯車部25′の回転による従動側歯車部31の回転により、コラム軸方向における位置が変化するように変位する。本実施形態では、その原動側歯車部25はウォームとされ、従動側歯車部31はウォームホイールとされ、従動側から原動側を回転させることがないものとされている。
【0014】
その従動側歯車部31は上記ホルダー22の通孔22′の内周により回転可能に支持され、その一端側のカム32はホルダー22の通孔22′とコラム2の通孔2′とを介してコラム2内に挿入される。そのロック部材11の外周における一つの突部11aに、そのカム32が配置される切り欠き33が形成され、その切り欠き33におけるカム面32aとの対向面がカムフォロア面33aとされている。そのロック部材11が有するカムフォロア面33aを、そのカム面32aに押し付ける方向の弾力を付与するバネ34が設けられている。本実施形態では、そのバネ34はステアリングシャフト4の外周に嵌め合わされる圧縮コイルバネとされ、ロック部材11とステアリングシャフト4の外周溝に嵌め合わされたリング35とにより挟まれる。
【0015】
そのカム面32aは、上記従動側歯車部31の回転中心Oまでの距離が漸次変化する曲面により構成される。イグニッションスイッチ19の開状態では、図2、図3において実線で示すように、その従動側歯車部31の回転中心Oまでの距離が最小位置部分でカム面32aはカムフォロア面33aに接する。この時、ロック部材11はロック位置に配置されている。この状態から従動側歯車部31の回転に伴いカム面32aが変位すると、カム面32aがカムフォロア面33aを押すことで、その変位に応じてカムフォロア面33aは変位する。このカムフォロア面33aの変位によりロック部材11は上記バネ34の弾力に抗してコラム軸方向に変位する。イグニッションスイッチ19の閉状態では、図2、図3において2点鎖線で示すように、その従動側歯車部31の回転中心Oまでの距離が最大位置部分でカム面32aはカムフォロア面33aに接する。この時、ロック部材11はロック解除位置に配置されている。すなわちロック部材11は、伝動機構30と連動することでロック位置とロック解除位置との間でコラム軸方向に変位可能とされ、バネ34によりロック位置に向かう弾力を付与されている。
【0016】
そのロック位置のロック部材11は、上記受け部12にコラム軸中心に相対回転不能に連結され、そのロック解除位置のロック部材11は受け部12との連結が解除されることで、その受け部12に対してコラム軸中心に相対回転可能とされている。すなわち、そのロック部材11の一端部に、受け部12に向かい突出する複数の凸部11cが、周方向に沿って形成されている。また、そのロック部材11の一端部に対向する受け部12の端部に、ロック位置のロック部材11の端部における凸部11cに嵌め合わされる複数の凹部12aが、周方向に沿って形成されている。これにより、そのロック位置のロック部材11と受け部12とは、互いの相対向する各端部に形成された凹部12aと凸部11cとを介して、コラム軸中心に相対回転不能に嵌合されると共に、その嵌合はロック部材11のロック解除位置への変位により解除される。
【0017】
上記第1実施形態の構成によれば、開閉機構20によるイグニッションスイッチ19の開動作に伴う伝動機構30の動きに連動することで、ロック部材11はロック位置に変位する。そのロック位置のロック部材11は、凸部11cと凹部12aとの嵌め合わせを介して、受け部12にコラム軸中心に相対回転不能に連結される。その受け部12はステアリングシャフト4と同行回転し、そのロック部材11はコラム2に対するコラム軸中心の相対回転が突部2b、11aと溝2a、11bとの嵌め合わせにより阻止されているので、そのロック部材11と受け部12との連結によりステアリングシャフト4の回転を阻止できる。すなわち、そのステアリングシャフト4を回転させようとするトルクを、コラム2内のロック部材11を介してコラム2により受けることができる。これにより、ステアリングシャフト4の回転をロックするためのロック部材11を支持する上で、従来のシリンダのような高強度部材をコラム2から径方向外方に大きく突出させる必要がなく、また、ホルダー22を合成樹脂製とすることができ、軽量化、コンパクト化を図ることができる。また、コラム2にロック部材11を内蔵できるので、ステアリングシャフト4のロック装置とステアリングコラム2とのモジュール化が容易になる。
また、上記第1実施形態の構成によれば、そのステアリングシャフト4の回転のロック時に、ステアリングシャフト4を回転させようとするトルクを、ロック部材11の外周とコラム2の内周それぞれにおける突部2b、11aと溝2a、11bとが形成された複数位置で受けることができる。よって、ロック部材11とコラム2に作用するトルクを分散させることができ、コンパクト化を図ることができる。また、そのステアリングシャフト4の回転のロック時に過大なトルクが作用した場合、受け部12がステアリングシャフト4に対してトルクリミッターを介して相対回転することで、ロック部材11やコラム2や受け部12が破損するのを防止できる。
さらに、その開閉機構20によるイグニッションスイッチ19の閉じ動作に伴う伝動機構30の動きに連動することで、ロック部材11はロック解除位置に変位する。すなわち、イグニッションスイッチ19の閉じ動作のためのキー24の操作による回転軸25の回転に伴い原動側歯車部25′が回転し、この回転が従動側歯車部31に伝達されることでカム32のカム面32aが変位し、この変位するカム面32aにカムフォロア面33aを介して押されることで、ロック部材11はバネ34の弾力に抗してロック解除位置に変位する。そのロック解除位置のロック部材11は受け部12に対してコラム軸中心に相対回転可能であるので、そのステアリングシャフト4の回転阻止が解除される。また、イグニッションスイッチ19の開動作のためのキー24の操作による回転軸25の回転に伴い原動側歯車部25′が回転し、この回転が従動側歯車部31に伝達されることでカム32のカム面32aが変位し、このカム面32aの変位にカムフォロア面33aを介して追従することで、ロック部材11はバネ34の弾力によりロック位置に変位する。これにより、簡単な構成でイグニッションスイッチ19の開閉操作にロック部材11を連動させることができる。
【0018】
図5の(1)、(2)を参照して本発明の第2実施形態を説明する。なお、第1実施形態と同様部分は同一符号で示し、相違点を説明する。
上記第1実施形態との相違点は、先ず、受け部12がステアリングシャフト4の外周に溶接等を介して固定されることで一体化され、第1実施形態のようなトルクリミッターは設けられていない。
第1実施形態のリング35に代えて、ステアリングシャフト4の外周に合成樹脂製の筒体35′が嵌め合わされ、その筒体35′とロック部材11とでロック部材11にロック位置に向かう弾力を付与するバネ34が挟まれ、その筒体35′の変位は、ステアリングシャフト4の外周のテーパ面4aにより規制される。
開閉機構20の錠前部23が挿入されるホルダー22は、側面に開口22″を有する金属製の略半円筒状とされている。そのホルダー22の開口22″の周囲部が嵌め合わされる開口2″がコラム2に形成され、そのコラム2とホルダー22とは溶接等により一体化されている。
開閉機構20によるイグニッションスイッチ19の開閉動作に伴い作動する伝動機構30は、第1実施形態のような原動側歯車部、従動側歯車部、カム、カムフォロア面に代えて、レバー(変位部材)60を有する。そのレバー60は、錠前部23の鍵穴23b′に挿入されるキー24の回転操作に連動して回転することでイグニッションスイッチ19を開閉させる錠前部23の回転軸25に一体化されている。そのレバー60の先端側は、上記ホルダー22の開口22″を介してコラム2内に挿入され、ロック部材11とコラム軸方向において重なる位置に配置されている。そのレバー60にロック部材11は上記バネ34の弾力により押し付けられる。これにより、そのレバー60の先端側は、その回転軸25の回転に伴いコラム軸方向における位置が変化する。
図5の(1)に示すように、イグニッションスイッチ19の開状態では、そのレバー60はロック位置に位置するロック部材11の一端面に接する。イグニッションスイッチ19の閉状態では、図5の(2)に示すように、そのレバー60はロック解除位置に位置するロック部材11の一端面に接する。すなわち、開閉機構20によるイグニッションスイッチ19の閉動作に伴う回転軸25の回転により、伝動機構30のレバー60は揺動し、そのレバー60に押されてロック位置のロック部材11はバネ34の弾力に抗してロック解除位置に変位する。また、開閉機構20によるイグニッションスイッチ19の開動作に伴う回転軸25の回転により、伝動機構30のレバー60は揺動し、そのレバー60の揺動に伴ってロック解除位置のロック部材11はバネ34の弾力によりロック位置に変位する。他は上記第1実施形態と同様の構成とされている。
【0019】
上記第2実施形態の構成によれば、開閉機構20によるイグニッションスイッチ19の開動作に伴う伝動機構30の動きに連動することで、ロック部材11はロック位置に変位する。そのロック位置のロック部材11は、凸部11cと凹部12aとの嵌め合わせを介して、受け部12にコラム軸中心に相対回転不能に連結される。その受け部12はステアリングシャフト4と同行回転し、そのロック部材11はコラム2に対するコラム軸中心の相対回転が突部2b、11aと溝2a、11bとの嵌め合わせにより阻止されているので、そのロック部材11と受け部12との連結によりステアリングシャフト4の回転を阻止できる。すなわち、そのステアリングシャフト4を回転させようとするトルクを、コラム2内のロック部材11を介してコラム2により受けることができる。これにより、ステアリングシャフト4の回転をロックするためのロック部材11を支持する上で、従来のシリンダのような部材をコラム2から径方向外方に大きく突出させる必要がなく、コンパクト化を図ることができる。また、コラム2にロック部材11を内蔵できるので、ステアリングシャフト4のロック装置とステアリングコラム2とのモジュール化が容易になる。
また、上記第2実施形態の構成によれば、そのステアリングシャフト4の回転のロック時に、ステアリングシャフト4を回転させようとするトルクを、ロック部材11の外周とコラム2の内周それぞれにおける突部2b、11aと溝2a、11bとが形成された複数位置で受けることができる。よって、ロック部材11とコラム2に作用するトルクを分散させることができ、コンパクト化を図ることができる。
さらに、その開閉機構20によるイグニッションスイッチ19の閉じ動作に伴う伝動機構30の動きに連動することで、ロック部材11はロック解除位置に変位する。すなわち、イグニッションスイッチ19の閉じ動作時に、キー24の操作による回転軸25の回転に伴いレバー60が揺動して変位し、この変位するレバー60に押されることで、ロック部材11はバネ34の弾力に抗してロック解除位置に変位する。そのロック解除位置のロック部材11は受け部12に対してコラム軸中心に相対回転可能であるので、そのステアリングシャフト4の回転阻止が解除される。イグニッションスイッチ19の開動作時に、キー24の操作による回転軸25の回転に伴いレバー60が揺動して変位し、この変位するレバー60に追従してロック部材11はバネ34の弾力によりロック位置に変位する。これにより、簡単な構成でイグニッションスイッチ19の開閉操作にロック部材11を連動させることができる。
【0020】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば伝動機構は、イグニッションスイッチの開閉機構の開閉動作をロック部材に伝動できるものであれば構成は限定されない。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構成でコンパクト化を図り、過大なトルクが作用しても破損を防止できるステアリングシャフトのロック装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のロック装置の分解斜視図
【図2】本発明の第1実施形態のロック装置の側断面図
【図3】本発明の第1実施形態のロック装置の平断面図
【図4】本発明の第1実施形態のトルク設定部材の(1)は断面図、(2)は正面図
【図5】本発明の第2実施形態のロック装置の(1)はロック状態での断面図、(2)はロック解除状態での断面図
【図6】従来のロック装置の断面図
【符号の説明】
2 ステアリングコラム
2a 溝
2b 突部
4 ステアリングシャフト
11 ロック部材
11a 突部
11b 溝
11c 凸部
12 受け部
12a 凹部
19 イグニッションスイッチ
20 開閉機構
22 ホルダー
23 錠前部
30 伝動機構
32 カム
51 トルク設定部材
60 レバー
Claims (4)
- 車体に取り付けられる筒状のステアリングコラムと、
そのコラムに、コラム軸方向に相対移動可能かつコラム軸中心の相対回転が阻止されるように挿入されるロック部材と、
そのロック部材に、コラム軸中心に相対回転可能に挿入されるステアリングシャフトと、そのステアリングシャフトと同行回転可能な受け部と、
そのコラムに取り付けられるイグニッションスイッチ開閉機構と、
その開閉機構によるイグニッションスイッチの開閉動作に伴い作動する伝動機構とを備え、
そのロック部材は、その伝動機構と連動することでロック位置とロック解除位置との間でコラム軸方向に変位可能とされ、
そのロック位置のロック部材は、前記受け部にコラム軸中心に相対回転不能に連結され、そのロック解除位置のロック部材は前記受け部との連結が解除されることで、前記受け部に対してコラム軸中心に相対回転可能とされ、
そのロック部材に、ロック位置に向かう弾力を付与する手段が設けられ、
その開閉機構は、そのコラムに取り付けられる錠前部と、この錠前部の鍵穴に挿入されるキーの操作に連動して回転する回転軸とを有し、その回転軸の回転によりイグニッションスイッチが開閉可能とされ、
その伝動機構は、その回転軸の回転に伴いコラム軸方向における位置が変化する変位部材を有し、
そのイグニッションスイッチの閉じ動作時に、その回転軸の回転に伴い変位する前記変位部材により押されることで、そのロック部材は前記弾力に抗してロック解除位置に変位可能とされ、
そのイグニッションスイッチの開動作時に、その回転軸の回転に伴う前記変位部材の変位に追従して、そのロック部材は前記弾力によりロック位置に変位可能とされ、
前記回転軸の回転に伴い前記変位部材が変位するように、前記回転軸に原動側歯車部が一体化され、前記原動側歯車部に噛み合う従動側歯車部が前記変位部材に一体化され、前記原動側歯車部がウォーム、前記従動側歯車部がウォームホイールとされているステアリングシャフトのロック装置。 - 前記変位部材は前記従動側歯車部に一体化されるカムとされ、
前記カムは、前記従動側歯車部の回転中心までの距離が漸次変化する曲面であるカム面を有し、
前記ロック部材は、前記カム面との対向面であるカムフォロア面を有し、
前記弾力により前記カムフォロア面が前記カム面に押し付けられ、
前記回転軸の回転に伴う前記原動側歯車部の回転による前記従動側歯車部の回転に伴い、前記カム面が前記カムフォロア面を押すことで、前記ロック部材は前記弾力に抗してコラム軸方向に変位され、
前記イグニッションスイッチの開状態で、前記従動側歯車部の回転中心までの距離が最小位置部分で前記カム面が前記カムフォロア面に接する時、前記ロック部材はロック位置に配置され、
前記イグニッションスイッチの閉状態で、前記従動側歯車部の回転中心までの距離が最大位置部分で前記カム面が前記カムフォロア面に接する時、前記ロック部材はロック解除位置に配置される請求項1に記載のステアリングシャフトのロック装置。 - そのコラムの内周に溝と突部とがコラム軸方向に沿って形成され、そのロック部材の外周に、そのコラム内周の溝に嵌め合わされる突部と、そのコラム内周の突部に嵌め合わされる溝とがコラム軸方向に沿って形成され、その突部と溝との嵌め合わせにより、そのロック部材はコラムに対してコラム軸方向に相対移動可能かつコラム軸中心の相対回転が阻止されるものとされ、
そのロック位置のロック部材と受け部とは、互いの相対向する端部に形成された凹部と凸部とを介してコラム軸中心に相対回転不能に嵌合されると共に、その嵌合はロック部材の ロック解除位置への変位により解除される請求項1または2に記載のステアリングシャフトのロック装置。 - その受け部は、トルクリミッターを介してステアリングシャフトの外周に嵌め合わされ、予め設定されたリミットトルクを超えるトルクの作用によりステアリングシャフトに対してコラム軸中心に相対回転可能とされている請求項1〜3の中の何れか1項に記載のステアリングシャフトのロック装置。
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