JP3792787B2 - ディスクロータの鳴き予測方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディスクロータの鳴き予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクロータは車両等の制動装置に使用され、ホイール等の回転体に押しつけられて制動を行うものである。ディスクロータは、鋳造品などのディスクロータ素材を切削加工したディスクロータ加工品の状態で使用される。
ところでディスクロータは、制動の際に鳴きが生じることがあり、鳴き防止のために従来より種々の改良がなされている。この鳴きは、ディスクロータの固有振動数に大きく影響されることが従来より知られている。
【0003】
そこで従来では、鋳造品などのディスクロータ素材を切削加工した後のディスクロータ加工品を用い、そのディスクロータ加工品を測定装置にセットし、切削加工後のディスクロータ加工品の固有振動数を測定することにしている。
そのため切削加工後のディスクロータ加工品の固有振動数が許容範囲を外れると、その切削加工したディスクロータ加工品が良品でなくなり、実行した切削加工がむだになる。故にディスクロータ自体のコスト高を誘発する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記した実情に鑑みなされたものであり、ディスクロータ素材を切削加工する前の段階でディスクロータの鳴きを予測し、切削加工費の低減を図り得るディスクロータの鳴き予測方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るディスクロータの鳴き予測方法は、
ディスクロータ素材を切削加工してディスクロータ加工品を得るにあたり、
切削加工前のディスクロータ素材の固有振動数を測定し、その固有振動数に基づいて、下記の式(1)により、切削加工後のディスクロータ加工品の固有振動数の推定値f2を求め、その推定値f2により、切削加工後のディスクロータ加工品の鳴きを予測することを特徴とするものである。
推定値f2=(A・実測値f1)−(B・ΔW)+初期値……(1)
ここでA、Bはそれぞれ定数であり、ΔW= ( W1−W2)である。
W1:切削加工前のディスクロータ素材の重量
W2:切削加工後のディスクロータ加工品の目標重量
実測値f1:切削加工前のディスクロータ素材について実測した固有振動数
【0007】
請求項1に係るディスクロータの鳴き予測方法によれば、切削加工前の段階でディスクロータ加工品の鳴きを予測する。そのため、その段階で『鳴き』が生じると判断されたディスクロータ素材については、廃棄処理したり、矯正処理したりし、直接的には切削加工せずともよい。よって、無駄な切削加工を廃止でき、切削加工費の低減を図るのに有利である。
【0008】
請求項1に係るディスクロータの鳴き予測方法によれば、(W1−W2)つまり切削加工前後の重量差を考慮して、切削加工後のディスクロータ加工品の固有振動数を推定するので、精度のよい推定値が得られる。これは試験で確認されている。従って本方法によれば、切削加工後のディスクロータ加工品の鳴きを予測する精度が向上する。
【0009】
【発明の実施形態】
以下、本発明方法の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は切削加工前のディスクロータ素材1の断面を示す。ディスクロータ素材1は円盤状であり、外輪1aと内輪1cとをもつ。ディスクロータ素材1は鋳造品でも、鍛造品でもよい。鋳造品は砂型鋳造品でも金型鋳造品でもよい。ディスクロータ素材1の材質としては、金属例えば球状黒鉛鋳鉄やねずみ鋳鉄などを採用できるが、これに限定されるものではなく、鉄系以外の他の金属でもよい。
【0010】
図2は切削加工した後のディスクロータ加工品2の断面を示す。ディスクロータ素材1のほぼ全面を切削加工することにより、ディスクロータ加工品2が形成されている。従って切削加工後のディスクロータ加工品2は、ディスクロータ素材1よりも軽量である。ディスクロータ加工品2は円盤状であり、外輪2aと内輪2cとをもつ。
【0011】
測定装置4を図3に示す。測定装置4は、ディスクロータ素材1を載せると共に有害振動を抑える軟質部材40を備えた基台41と、基台41に装備された圧力センサ42(例えばロードセル)と、圧力センサ42からの信号をうけディスクロータ素材1の荷重を測定する荷重計43と、設定された振動数でディスクロータ素材1を加振する加振体44と、ディスクロータ素材1の振動音を調べるマイク45と、制御装置47とからなる。制御装置47は、コンピュータ47aとFFT47bと表示装置47cとを備えている。
【0012】
本方法によれば、切削加工前の鋳造品などのディスクロータ素材1を測定装置4の軟質部材40上にセットする。そして、ディスクロータ素材1の実際の重量W1を荷重計43により測定するとともに、ディスクロータ素材1を所定の振動数領域で加振体44で加振してディスクロータ素材1の振動音をマイク45で集音するとともに、その信号をFFT47bに入力し、FFT47bで処理する。これにより切削加工前のディスクロータ素材1の固有振動数f1が求まる。
【0013】
そしてその切削加工前のディスクロータ素材1の固有振動数f1に基づいて、切削加工後のディスクロータ加工品2の固有振動数が推定される。つまり、ディスクロータ加工品2が制動装置に使用された時に『鳴き』が生じる可能性の有無が、ディスクロータ素材1を切削加工する前の段階で予測される。鳴きは、前述したようにディスクロータ加工品2の固有振動数に大きく影響されるからである。
【0014】
一般的には振動系において、kを等価剛性、mを等価質量とすれば、振動系の固有振動数fc は次の式で求まると考えられている
fc=(√(k/m))×(1/2π)
具体的には本方法によれば、切削加工前のディスクロータ素材1の重量をW1とし、切削加工後のディスクロータ加工品2の目標重量をW2としたとき、(W1−W2)をΔWとし、その重量差ΔWを考慮して、切削加工前のディスクロータ素材1の実測した固有振動数f1に基づいて、切削加工後のディスクロータ加工品2の固有振動数を推定する。
【0015】
本実施形態によれば、具体的には次の式に基づいて、切削加工後のディスクロータ加工品2の固有振動数の推定値を求める。
推定値f2=(A・実測値f1)−(B・ΔW)+初期値……(1)
ここでA、Bはそれぞれ定数であり、ディスクロータ素材1の種類に応じて適宜設定できる。なおディスクロータ加工品2の設計寸法は所定の大きさに規定されているため、ディスクロータ加工品2の重量W2は、実質的に固定値である。従って、切削加工前のディスクロータ素材1の重量W1を求めれば、(W1−W2)=ΔWが求まる。
【0016】
上記式(1)は、多変量解析における重回帰分析にて求めたものである。
ところで切削加工後のディスクロータ加工品2の固有振動数は、ディスクロータの金属組織、溶湯成分、溶湯温度などの影響を受けるが、これらの影響を受けて切削加工後のディスクロータ加工品1の固有振動数に関する推定値と実測値とがばらつくおそれがある。
【0017】
そこで本発明者は、多数個の試験片について、切削加工後のディスクロータ加工品2の固有振動数に関する推定値と実測値との相関関係を所定の振動数領域において調べ、その結果を図3に特性線Xとして示した。図3の横軸は実測値であり、縦軸は推定値を示す。図3の特性線Xに示すように実測値と予測値とはかなりの精度で相関することがわかり、上記式(1)が実用的であることが把握される。
【0018】
以上説明したように本方法によれば、切削加工前のディスクロータ素材1の固有振動数f1に基づいて、切削加工後のディスクロータ加工品2の固有振動数が推定される。すなわち、ディスクロータ使用時における『鳴き』の有無が切削加工前の段階で予測される。
よって、切削加工前の段階で鳴きが生じると予測されたディスクロータ素材1については、廃棄処理したり、矯正処理したりし、直接的には切削加工せずともよい。従って従来方法で生じていた切削加工費が無駄になるという不具合を解消することができる。故に、製造コストに大きな影響を与える切削加工費を低減するのに有利である。
【0019】
殊に本方法によれば、(W1−W2)つまり切削加工前後の重量差ΔWを考慮して、切削加工後のディスクロータ加工品2の固有振動数の推定値f2を推定するので、推定値f2の精度の向上に有利であり、ひいてはディスクロータ加工品の鳴きを予測する精度の向上に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】切削加工前のディスクロータ素材の断面図である。
【図2】切削加工後のディスクロータ素材の断面図である。
【図3】測定装置の構成図である。
【図4】切削加工後のディスクロータ加工品の固有振動数に関する実測値と推定値との相関関係を示すグラフである。
【符号の説明】
図中、1はディスクロータ素材、2はディスクロータ加工品、4は測定装置を示す。
Claims (1)
- ディスクロータ素材を切削加工してディスクロータ加工品を得るにあたり、
切削加工前のディスクロータ素材の固有振動数を測定し、その固有振動数に基づいて、下記の式(1)により、切削加工後のディスクロータ加工品の固有振動数の推定値f2を求め、その推定値f2により、切削加工後のディスクロータ加工品の鳴きを予測することを特徴とするディスクロータの鳴き予測方法。
推定値f2=(A・実測値f1)−(B・ΔW)+初期値……(1)
ここでA、Bはそれぞれ定数であり、ΔW= ( W1−W2)である。
W1:切削加工前のディスクロータ素材の重量
W2:切削加工後のディスクロータ加工品の目標重量
実測値f1:切削加工前のディスクロータ素材について実測した固有振動数
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15717396A JP3792787B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | ディスクロータの鳴き予測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15717396A JP3792787B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | ディスクロータの鳴き予測方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH102361A JPH102361A (ja) | 1998-01-06 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP15717396A Expired - Fee Related JP3792787B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | ディスクロータの鳴き予測方法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3792787B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
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JP4848393B2 (ja) * | 2008-05-15 | 2011-12-28 | 三菱重工業株式会社 | 工作機械の制御方法および制御装置 |
DE102010027846A1 (de) | 2010-04-16 | 2011-10-20 | Tmd Friction Services Gmbh | Verfahren zum Vermindern bzw. Vermeiden von Resonanzgeräuschen einer Reibeinheit |
DE102011121270B4 (de) * | 2011-12-15 | 2017-06-01 | Audi Ag | Verfahren zur Beurteilung der akustischen Qualität einer Bremsscheibe |
-
1996
- 1996-06-18 JP JP15717396A patent/JP3792787B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH102361A (ja) | 1998-01-06 |
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