JP3792018B2 - 活性水素を保有する化合物のシリル化物 - Google Patents

活性水素を保有する化合物のシリル化物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は活性水素を保有する化合物のシリル化物、特に高分子化合物のシリル化物に関するものである。より詳しくは、本発明のシリル化物は、シリル化の際に塩酸、アンモニアおよびそれらの塩等の副生成物が生成せず、シリル化により樹脂等の高分子化合物の低粘度化、低沸点化および安定化を図ることができ、さらに無機材料に対する接着性を改善でき、樹脂には耐候性や耐溶剤性を改善でき、また、複合材料の強度を改善できるものである。
【0002】
【従来の技術】
活性水素を保有する各種化合物のシリル化は、該化合物を低粘度化および低沸点化する効果があり、また、シリル化物は酸やアルカリでシリル基が容易に脱離することから、活性水素を保有する各種化合物の活性水素の一時的保護としても非常に有用である。例えば、塗料、接着剤、シーラント、医薬品等を製造する分野において、活性水素をシリル化することが提案され、利用されている。特に近年、VOC(揮発性有機化合物)規制により、溶剤の削減が強く求められている塗料、接着剤、シーラント等の分野においては、シリル化により、使用する溶剤の量を低減し、樹脂を低粘度化することが強く求められている。
【0003】
従来行われてきたシリル化法としては、クロロシラン、特にトリメチルクロロシランを単独またはピリジン等の塩基を触媒として使用したシリル化法や、シラザン、特にヘキサメチルジシラザンを単独または塩酸等の酸を触媒として使用したシリル化法や、クロロシランとシラザンを併用したシリル化法等がある。
しかし、これらの従来の方法では、副生成物として塩酸、アンモニアおよびそれらの塩が多量に生成し、それら副生成物の除去工程が必要であった。特に、高分子化合物をシリル化した場合、副生成物の除去が困難で、生産性に劣り、収率が低かった。さらに、それら副生成物は完全に除去することが困難なために微量残存することから、従来の方法によるシリル化物を用いた樹脂組成物は貯蔵安定性が悪かったり、複合材料にした場合に耐水性が悪かったり、電気特性が低下するなど、様々な悪影響があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来のシリル化法による欠点を解消すること、すなわち、活性水素を保有する各種化合物のシリル化にあたり、有害な副生成物である塩酸、アンモニアおよびそれらの塩等が発生せず、貯蔵安定性が良好で、耐水性の不良や電気的特性の低下など様々な悪影響のないシリル化物および該シリル化物を用いた複合材料の提供を課題とする。
また本発明は、従来は単なる不要物であった、シリル化物の製造後、加水分解によりシリル基を脱離する際の脱離物を、樹脂の架橋剤として作用したり、無機材料に対する接着性を改善したり、樹脂の耐候性・耐溶剤性を改善したり、複合材料の強度を改善する作用を有するものにすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、活性水素を保有する各種化合物のシリル化にあたり、ヒドロシランの脱水素化反応によって、上記課題が解決できることを想到し、シリル化物の生成を鋭意研究した結果、シリル化剤としてアルコキシ基を有するヒドロシランを用いた場合に、上記課題が解決できることを実験で実証し、さらに検討を重ね本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は、次式1:
Figure 0003792018
〔式中、R、RおよびRは互いに独立して次式2:
Figure 0003792018
(式中、R、RおよびRは互いに独立して非極性の有機基を表し、そしてnは0ないし5の整数を表す)で表される基を表すが、ただし分子中に少なくとも1個のアルコキシ基を有する〕で表される分子中にSi−H基および少なくとも1個のアルコキシ基を有する化合物をシリル化剤として用い、反応触媒の存在下に、不飽和ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂から選択される活性水素を保有する高分子化合物を脱水素反応によりシリル化して得られることを特徴とする活性水素を保有する化合物のシリル化物に関する。
【0007】
また、本発明は、上記高分子化合物のシリル化物を含有する複合材料組成物、特に塗料組成物および接着剤組成物に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するシリル化剤は、分子中にSi−H基および少なくとも1個のアルコキシ基を有する下記式1で表される化合物である。
Figure 0003792018
式中、R1 、R2 およびR3 は互いに独立して、すなわち互いに同一または相違して、下式2で表される基を表す。
Figure 0003792018
式中、R4 、R5 およびR6 は互いに独立して、すなわち互いに同一または相違して、非極性の有機基を表し、そしてnは0ないし5の整数を表す。
【0009】
本発明における上記シリル化剤は、その分子中に少なくとも1個のアルコキシ基を有するので、これを用いてシリル化物を製造した後、加水分解によりシリル基を脱離する際の脱離物が少なくとも2つの反応点を持っているため、樹脂の架橋剤として作用したり、無機材料に対する接着性を改善したり、樹脂の耐候性、耐溶剤性を改善したり、複合材料の強度を改善する作用を有する。
【0010】
上記式中の基R4 、R5 およびR6 としての非極性の有機基は、あらゆる非極性の有機基であってよいが、例えば炭素原子数1ないし10のアルキル基、アリール基または炭素原子数1ないし3のアルコキシ基等を挙げることができる。また、nは0ないし5の整数であるが、5を越えるとシリル化物中のシリル化部分の重量が大きくなり、低粘度化の効果が低下するので好ましくない。
【0011】
上記シリル化剤の具体例としては、例えば以下の化合物を挙げることができる:ジメチルメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルイソプロポキシシラン、ジエチルメトキシシラン、ジエチルエトキシシラン、ジエチルイソプロポキシシラン、ジプロピルメトキシシラン、ジプロピルエトキシシラン、ジプロピルイソプロポキシシラン、ジフェニルメトキシシラン、ジフェニルエトキシシラン、ジフェニルイソプロポキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、メチルジイソプロポキシシラン、エチルジメトキシシラン、エチルジエトキシシラン、フェニルジメトキシシラン、フェニルジエトキシシラン、または以下の式で表される化合物(式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表し、iPrをイソプロピル基を表し、そしてmは0〜4の整数を表す)。
Figure 0003792018
Figure 0003792018
Figure 0003792018
Figure 0003792018
【0012】
本発明におけるシリル化剤の分子量は90〜500が望ましい。分子量が500を越えると低粘度化効果が低下したり、加水分解性が乏しくなるので好ましくない。
【0013】
本発明に使用する活性水素を保有する化合物としては、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基、アミド基、ウレア基、活性メチレン基またはオキシム基等の官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物である。これらの化合物の中ではカルボキシル基または水酸基を有するものが一般的であり、しかも容易にシリル化するので好ましい。
上記活性水素を保有する化合物として高分子化合物が有用である。活性水素を保有する高分子化合物としては、主として上記官能基を有するモノマーを重合または共重合した重合体、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂またはポリビニルアルコール樹脂等を挙げることができる。
【0014】
ポリエステル樹脂は主鎖中にエステル結合−COO−を持つ高分子化合物で、例えば、飽和ジカルボン酸と多価アルコールとから生成される飽和ポリエステル樹脂(代表的にはPET,PBT等が挙げられる)、不飽和ジカルボン酸と多価アルコールとから生成される不飽和ポリエステル樹脂、ラクトンの開環重合で得られる線状ポリエステル樹脂等である。
ポリウレタン樹脂は主鎖中にウレタン結合−NHCOO−を持つ高分子化合物で、通常、ヘキサメチレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート等のジイソシアナートと、ブタンジオール、ポリエチレングリコール等のジオールとから生成される。
【0015】
アクリル樹脂は次式:−〔CH2 CH(COOR)〕n −(式中、Rは水素原子またはアルキル基を表す)で表され、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、メタクリル酸メチルモノマーを重合させたものである。
ポリエーテル樹脂は主鎖中にエーテル結合−O−を持つ高分子化合物で、グリコールの脱水重縮合、グリコールとジハロゲン化物との脱ハロゲン化水素による重縮合、グリコールとアセタールとの脱アルコールによる重縮合、環状エーテルや環状アセタールの開環重合により得ることができる。
【0016】
エポキシ樹脂は通常1分子中に2個以上のエポキシ樹脂(オキシラン環)を持つ高分子化合物で、代表的にはビスフェノールAとエピクロロヒドリンとの縮合物であるグリシジルエーテル型であるが、その他にグリシジルエステル型、グリシジルアミン型、脂環型等がある。
ポリアミド樹脂は主鎖中にアミド結合−NHCO−を持つ高分子化合物で、例えばヘキサメチレンジアミン等のジアミンとアジピン酸等のジカルボン酸とから生成される。
ポリビニルアルコール樹脂は次式:−〔CH2 CH(OH)〕n −で表され、具体的にはポリ酢酸ビニルを酸またはアルカリで加水分解して得られる。
これらの樹脂の中では、シリル化して塗料または接着剤等に用いるためのものとして、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂またはポリエーテル樹脂が有用であり、好ましい。
【0017】
上記活性水素を保有する化合物と上記シリル化剤とのシリル化反応触媒としては、Ni、Rh、Pd、Pt等の第VIII族遷移金属もしくはそれらの化合物または錯体を用いることができる。特に塩化白金酸等の白金系触媒が比較的安価に入手でき、これを用いることが好ましい。
シリル化反応の条件は、通常、反応温度10〜100℃、反応時間0.5〜96時間である。また、必要に応じて反応終了後に蒸留を行ってもよい。
【0018】
本発明において、シリル化物を含有する複合材料組成物としては、塗料、接着剤、シーラント、レジンコンクリートまたはFRP(繊維強化プラスチック)等の組成物を挙げることができる。これらの中では、塗料および接着剤の組成物が特に有効であり、また、有用であるので好ましい。
【0019】
【実施例】
次に実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】
塗料の実施例
a.アクリル樹脂の製造
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管、滴下ロートを備えた300mlの四つ口フラスコにキシレンを90.00g仕込み、窒素を導入しながら120℃まで昇温し、スチレン25.00g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル16.24g、メタクリル酸メチル28.99g、アクリル酸2−エチルヘキシル25.94g、メタクリル酸2−エチルヘキシル3.83gおよび第三ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート1.50gの混合物を滴下ロートより1時間かけて滴下した。その後、キシレン10.00gおよび第三ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.50gの混合物を30分かけて滴下し、滴下終了後、120℃で2時間攪拌し、固形分の水酸基価70、不揮発分50%のアクリル樹脂が得られた。得られたアクリル樹脂をアクリル樹脂Yとする。
【0021】
b.アクリル樹脂のシリル化1
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた200mlの四つ口フラスコに上記アクリル樹脂Y100g、メチルジメトキシシラン6.63g、および白金金属として4ppmとなる量の塩化白金酸の10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、50℃にて24時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、シリル化されたアクリル樹脂が得られた。これをシリル化アクリル樹脂Aとする。
【0022】
c.アクリル樹脂のシリル化2
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた200mlの四つ口フラスコに上記アクリル樹脂Y100g、1,1,3,5−テトラメチル−1,3,5−トリメトキシトリシロキサン16.8g、および白金金属として4ppmとなる量の塩化白金酸の10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、80℃にて24時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、シリル化されたアクリル樹脂が得られた。これをシリル化アクリル樹脂Bとする。
【0023】
d.アクリル樹脂のシリル化3
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた200mlの四つ口フラスコに上記アクリル樹脂Y100g、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン13.8g、および白金金属として4ppmとなる量の塩化白金酸の10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、80℃にて24時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、シリル化されたアクリル樹脂が得られた。これをシリル化アクリル樹脂Cとする。
【0024】
e.塗料実施例1
シリル化アクリル樹脂A(上記bにより得られたもの)176重量部、メラミン樹脂(不揮発分100%,商品名サイメル303,三井サイアナミド製)12重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.8重量部、シクロヘキサノン20重量部を混合し、塗料樹脂溶液を得た。この塗料樹脂溶液をブリキ板上に膜厚30μmになるようにバーコーターで塗布し140℃で30分間焼付した後、水銀アマルガム法で塗膜を剥がし、10mm×10mmの試験片フィルムを作成した。このフィルムをテンシロン引張試験機で20℃における破断強度および破断伸びを評価した。また、上記塗料樹脂溶液をガラス板上に膜厚30μmになるようにバーコーターで塗布し140℃で30分間焼付し、50℃の温水中で4日間放置した後、塗膜の状態について観察し、次の基準で評価した。なお、結果は表1に示した。
塗膜の評価基準
〇:塗膜に劣化,白化,黄変等の変化がないもの。
△:塗膜に劣化,白化,黄変等の変化が見られるもの。
×:塗膜が剥離したもの。
【0025】
f.塗料実施例2
塗料実施例1におけるシリル化アクリル樹脂Aに代えて、シリル化アクリル樹脂B(上記cにより得られたもの)を同量(176重量部)用いた以外は、塗料実施例1と同様の操作を行い、評価を行った。この結果もまた表1に示した。
【0026】
g.塗料比較例1
塗料実施例1におけるシリル化アクリル樹脂Aに代えて、アクリル樹脂Y(上記aにより得られたもの)を同量(176重量部)用いた以外は、塗料実施例1と同様の操作を行い、評価を行った。この結果もまた表1に示した。
【0027】
h.塗料比較例2
塗料実施例1におけるシリル化アクリル樹脂Aに代えて、シリル化アクリル樹脂C(上記dにより得られたもの)を同量(176重量部)用いた以外は、塗料実施例1と同様の操作を行い、評価を行った。この結果もまた表1に示した。
【0028】
【表1】
Figure 0003792018
【0029】
i.塗料実施例3
シリル化アクリル樹脂A(上記bにより得られたもの)176重量部、メラミン樹脂(不揮発分80%,商品名スミマールM40S,住友化学製)15重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.8重量部、シクロヘキサノン/ソルベッソ150=1/1 40重量部を混合し、塗料樹脂溶液を得た。この塗料樹脂溶液をリン酸処理した厚さ0.5mmのトタン板上にロールコーターで塗布し、250℃で1分間焼付し、乾燥塗膜15μmの塗装トタン板を調製した。この塗装表面の硬度を、JIS S6006に規定された鉛筆を用い、JIS K5400に準拠して測定した。結果は表2に示した。
【0030】
j.塗料実施例4
塗料実施例3におけるシリル化アクリル樹脂Aに代えて、シリル化アクリル樹脂B(上記cにより得られたもの)を同量(176重量部)用いた以外は、塗料実施例3と同様の操作を行い、評価を行った。この結果もまた表2に示した。
【0031】
k.塗料比較例3
塗料実施例3におけるシリル化アクリル樹脂Aに代えて、アクリル樹脂Y(上記aにより得られたもの)を同量(176重量部)用いた以外は、塗料実施例3と同様の操作を行い、評価を行った。この結果もまた表2に示した。
【0032】
l.塗料比較例4
塗料実施例3におけるシリル化アクリル樹脂Aに代えて、シリル化アクリル樹脂C(上記dにより得られたもの)を同量(176重量部)用いた以外は、塗料実施例3と同様の操作を行い、評価を行った。この結果もまた表2に示した。
【0033】
【表2】
Figure 0003792018
【0034】
接着剤の実施例(参考例)
a.ポリオールの製造
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた四つ口フラスコに数平均分子量3000のポリプロピレントリオール750重量部と数平均分子量1000のポリプロピレントリオール250重量部を入れ、室温で30分間攪拌し、水酸基価84.2のポリオールを得た。これをポリオールYとする。
【0035】
b.ポリオールのシリル化1
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた四つ口フラスコに上記ポリオールY100g、メチルジメトキシシラン15.9g、および白金金属として4ppmとなる量の塩化白金酸の10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、50℃にて24時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、シリル化されたポリオールが得られた。これをシリル化ポリオールAとする。
【0036】
c.ポリオールのシリル化2
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた四つ口フラスコに上記ポリオールY100g、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン33.2g、および白金金属として4ppmとなる量の塩化白金酸の10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、80℃にて24時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、シリル化されたポリオールが得られた。これをシリル化ポリオールBとする。
【0037】
d.ヒドロキシカルボン酸の合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた四つ口フラスコに数平均分子量400のポリプロピレングリコール800重量部、無水ピロメリット酸218重量部を入れ、120℃で3時間反応させ、数平均分子量1000、水酸基価110、酸価110のヒドロキシカルボン酸を得た。
【0038】
e.ポリイソシアネートの合成
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた四つ口フラスコに数平均分子量250のポリオキシプロピレントリオール100重量部、数平均分子量950のポリオキシプロピレングリコール228重量部、ジフェニルメタンジイソシアネート336重量部を入れ、70℃で8時間反応させ、ポリイソシアネートを得た。
【0039】
f.接着剤実施例1(参考例)
シリル化ポリオールA(上記bにより得られたもの)100重量部、ヒドロキシカルボン酸(上記dにより得られたもの)5重量部、ポリイソシアネート(上記eにより得られたもの)300重量部を混合し、接着剤組成物を得た。この接着剤組成物をドライラミネーターで延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ30μm,商品名パイレンP2161,東洋紡績製)に塗布した後、アルミニウム蒸着無延伸ポリプロピレンフィルム(厚さ25μm,商品名MLフィルムCP−WA,東洋セロファン製)を積層して複合フィルムを得た。この複合フィルムを幅15mmに切断し、エージングした後、剥離試験機により、剥離速度300mm/分にてT型剥離強度を測定した。結果を表3に示した。なお、剥離強度1は40℃で3日間エージングした後のものであり、剥離強度2は40℃で3日間エージングした後、さらに相対湿度90%の環境下、40℃で7日間エージングした後のものである。
【0040】
g.接着剤比較例1
接着剤実施例1におけるシリル化ポリオールAに代えて、シリル化ポリオールB(上記cにより得られたもの)を同量(100重量部)用いた以外は、接着剤実施例1と同様の操作を行い、評価を行った。この結果もまた表3に示した。
【0041】
h.接着剤比較例2
接着剤実施例1におけるシリル化ポリオールAに代えて、ポリオールY(上記aにより得られたもの)を同量(100重量部)用いた以外は、接着剤実施例1と同様の操作を行い、評価を行った。この結果もまた表3に示した。
【0042】
【表3】
Figure 0003792018
【0043】
レジンコンクリートの実施例
a.不飽和ポリエステル樹脂のシリル化1
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた200mlの四つ口フラスコにスチレン系不飽和ポリエステル(粘度2300mPa・s,酸価30,商品名エポラックXG−82,日本触媒製)50g、メチルジメトキシシラン2.84g、および白金金属として4ppmとなる量の塩化白金酸の10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、50℃にて24時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、粘度1200mPa・sのシリル化された不飽和ポリエステルが得られた。これをシリル化ポリエステルAとする。
【0044】
b.不飽和ポリエステル樹脂のシリル化2
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた200mlの四つ口フラスコにスチレン系不飽和ポリエステル(粘度2300mPa・s,酸価30,商品名エポラックXG−82,日本触媒製)50g、ピリジン2.52g、およびトリメチルクロロシラン3.20gを加え、窒素雰囲気下、40℃にて10時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、粘度1400mPa・sのシリル化された不飽和ポリエステルが得られた。これをシリル化ポリエステルBとする。
【0045】
c.レジンコンクリート実施例
下記表4に示す配合により成形温度125℃、成形圧力392N/cm2 でレジンコンクリートを製造した。このレジンコンクリートを沸騰水中8時間煮沸した後、曲げ強さを測定したところ、1852N/cm2 であった。
【表4】
成分 配合量(重量部)
シリル化ポリエステルA(上記aで得られたもの) 75
スチレン系樹脂(商品名XAT−300,日本触媒製) 20
スチレンモノマー 5
寒水石1.0mm 240
寒水石0.5mm 210
炭酸カルシウム 140
ステアリン酸亜鉛 4
BPOペースト(過酸化ベンゾイル) 1.5
【0046】
レジンコンクリート製造の比較例
上記レジンコンクリート実施例の配合成分中のシリル化ポリエステルAに代えてシリル化ポリエステルB(上記bで得られたもの)を同量(75重量部)用いた以外は、レジンコンクリート実施例と同様にしてレジンコンクリートを製造し、そして評価を行った。その結果、煮沸後の曲げ強さは1235N/cm2 であった。
【0047】
樹脂のシリル化
a.樹脂のシリル化実施例1
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた200mlの四つ口フラスコにスチレン系不飽和ポリエステル(粘度2300mPa・s,酸価30,商品名エポラックXG−82,日本触媒製)50g、1,1,3,5−テトラメチル−1,3,5−トリメトキシトリシロキサン3.62g、および白金金属として4ppmとなる量の塩化白金酸の10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、80℃にて24時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、粘度1300mPa・sのシリル化された不飽和ポリエステルが得られた。
【0048】
b.樹脂のシリル化実施例2(参考例)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた200mlの四つ口フラスコに臭素化ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(粘度6850mPa・s,酸価125.6,商品名FX−264A35,東都化成製)50g、メチルジメトキシシラン11.87g、および白金金属として4ppmとなる量の塩化白金酸の10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、50℃にて24時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、粘度820mPa・sのシリル化された樹脂が得られた。
【0049】
c.樹脂のシリル化実施例3(参考例)
攪拌機、温度計、還流冷却器、窒素導入管を備えた200mlの四つ口フラスコにポリエーテルポリオール(粘度600mPa・s,水酸基価35,商品名サンニックスジオールPP−3000,三洋化成製)50g、メチルジメトキシシラン3.3g、および白金金属として4ppmとなる量の塩化白金酸の10%エタノール溶液を加え、窒素雰囲気下、50℃にて24時間攪拌した。その後、減圧下で未反応物を取り除き、濾過を行った。その結果、粘度220mPa・sのシリル化された樹脂が得られた。
【0050】
以上の結果より以下のことがわかる。まず、塗料実施例およびその比較例から、本発明のシリル化物を使用した塗料は、従来のものに比べて、機械的強度および耐温水密着性に優れており、しかも硬度が優れていることが明らかである。また、接着剤実施例およびその比較例から、本発明のシリル化物を使用した接着剤は、従来のものに比べて、接着強度が優れ、高湿度下でのエージング後の接着強度にも優れていることが明らかである。さらに、レジンコンクリート実施例およびその比較例から、本発明のシリル化物を使用した複合材料は、従来のシリル化物を使用したものに比べて、耐水性が格段に優れている。そして、樹脂のシリル化の各実施例にみられるように、分子中にSi−H基および少なくとも1個のアルコキシ基を有する化合物をシリル化剤として用い、反応触媒の存在下に活性水素を保有する高分子化合物を脱水素反応によりシリル化して得られるシリル化物は当該高分子化合物を顕著に低粘度化している。
また、本発明のシリル化された樹脂を主成分とする塗料、接着剤、シーラント等は、相当する従来のシリル化された樹脂に比べ、溶剤の使用を削減することができ、貯蔵安定性を高めることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の活性水素を保有する化合物のシリル化物は、シリル化する際に塩酸、アンモニアおよびそれらの塩が副生しないため、副生成物の除去工程を必要とせず、また、生産性および収率が高く、しかも貯蔵安定性に優れる。また、本発明の上記シリル化物は、加水分解によりシリル基を脱離する際の脱離物が少なくとも2つの反応点を持っているため、樹脂の架橋剤として作用し、無機材料に対する接着性を改善し、樹脂の耐候性、耐溶剤性を改善し、複合材料の強度を改善する。
さらに、活性水素を保有する化合物として高分子化合物、特にポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂またはポリエーテル樹脂を用いたシリル化物は、その製造の際に従来避けることができず、かつ分離不可能であった副生成物の生成がなく、樹脂組成物とした場合でも貯蔵安定性が良好であり、また複合材料とした場合でも耐水性や電気的特性の低下などの悪影響を発生させない。
また、上記のような高分子化合物のシリル化物は、顕著に低粘度化され、しかも上記のような優れた特性を有するため、塗料や接着剤として好適に用いられ、溶剤の低減化や貯蔵安定性の向上を図ることができる。

Claims (4)

  1. 次式1:
    Figure 0003792018
    〔式中、R、RおよびRは互いに独立して次式2:
    Figure 0003792018
    (式中、R、RおよびRは互いに独立して非極性の有機基を表し、そしてnは0ないし5の整数を表す)で表される基を表すが、ただし分子中に少なくとも1個のアルコキシ基を有する〕で表される分子中にSi−H基および少なくとも1個のアルコキシ基を有する化合物をシリル化剤として用い、反応触媒の存在下に、不飽和ポリエステル樹脂又はアクリル樹脂から選択される活性水素を保有する高分子化合物を脱水素反応によりシリル化して得られることを特徴とする活性水素を保有する化合物のシリル化物。
  2. 請求項記載のシリル化物を含有する複合材料組成物。
  3. 請求項記載のシリル化物を含有する塗料組成物。
  4. 請求項記載のシリル化物を含有する接着剤組成物。
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